ようす さんの感想・評価
4.4
みんなとの出会いは、計画通りじゃなかった。最もすてきな事は、偶然に起こるものなのよ。
ファインディング・ニモの続編。
ファインディング・ニモに登場した、
なんでもすぐに忘れちゃうドリーが主人公。
ファインディング・ニモを観てから
この作品を観るのをおすすめします。
ドリーのキャラクターをわかっているほうが、
より世界観を楽しめますので^^
90分ほどの作品です。
同時上映作品は「ひな鳥の冒険」(6分)。
● ストーリー
故郷に帰ってきたニモたち。
壮大な冒険から1年が経った。
幼いころから
なんとなく何かを探している気がしているドリー。
それは“家族”だ!と気付いたドリーは、
マーリンとニモと一緒に、両親を探す旅に出た。
手掛かりは“カリフォルニアモロ・ベイの宝石”だ!
幼いドリーが、
家族とはぐれてしまって一人海をさまよう寂しい過去。
前作では能天気なムードメーカーだったけれど、
本作ではドリーというキャラが
より深く掘り下げられています。
忘れっぽいということは、
自分の過去や生い立ちさえも忘れてしまうということ。
今回はそんなドリーの寂しい一面も
たくさん描かれていました。
様々な困難にもめげずに突っ走るドリーの明るい魅力も
たくさん描かれていましたけれど^^
ドリーと両親は再会できるのか…
その結末は必見です!
当たり前のように涙が(´;ω;`)
● キャラクター
ラストまで息つく暇がない大冒険。
今回も海の生き物たちが
たくさん登場します。
タコのハンク、
ジンベエザメのデスティニー、
シロイルカのベイリーなど…。
生き物たちの個性の使い方がうまい!
このキャラ達に触れれば、
海の生物が大好きになること間違いなし!^^
DVDに収録されている解説は
途中までしか観ませんでしたが、
・キャラクター
・観客が物語の世界に入り込めること
・海の世界を忠実に再現
これらをとても大切にして
製作されたことはわかりました。
ドリーというキャラクターを大切にし、
感情移入しながら楽しんでもらうこと。
それは大成功だと思います♪
物語の世界とキャラクターに
どっぷりと惹きつけられました。
● 作画
作画がとても美しい。
表情だけでキャラクターの心情がとても細かく伝わってくるし、
背景は美しいし。
ニモ達が水面に体を出したときの、
ぬめった表面の描き方もリアル。
それ以上に今回私がうなされたのは、
カメラワークの工夫。
スタッフは魚の気持ちになりすぎです!笑
特に印象に残ったシーンは…
◆◇ タッチプール ◆◇
水族館によくあるタッチプール。
人間にペタペタ触られたり、
持ち上げられたり、
生き物にとってはストレスだろうなあというのは、
人間的な目線。
これを魚目線にすると…
次々水中に襲い掛かって来る無数の手。
それはまるで空から無数の爆弾が降ってくるかのよう。
この迫力…恐ろしい。笑
◆◇ ショックを受ける心情表現 ◆◇
両親に会いたい一心で
数々の冒険を乗り越えてきたドリー。
だけど両親に会うことは不可能…。
そう思ったドリーは
ショックのどん底に叩き落されます。
ここからカメラは
ドリー目線に変わります。
ドリーはただショックを受けてしまって、
何も考えられない。
しかしその間にも周りの状況は
急激に動いていく。
対してドリーの心は、
何も考えることができない。
激しい環境の変化と、
停止してしまったドリーの心。
その2つのギャップの描き方がすごい。
観ている人がまるでドリーになったかのように見せるカメラワークは、
何よりも私たちをドリーの心に近づけてくれます。
作画の美しさも当然評価したいけれど、
あれこれと工夫されたアングルや表現方法に
何よりも称賛を送りたいと思いました。
逃げ回ったり、空を飛んだり、
まるでアトラクションを体験しているかのような、
目まぐるしくてスピード感のある作画も、
こちらのドキドキ感をたくさんくすぐりました!
● まとめ
おもしろかったです♪
時間いっぱいいっぱいのストーリーでした。
パンパン。笑
描きたいエピソードが
たくさんあったのでしょうね。
だから最後まで見ごたえ十分。
何でもすぐに忘れちゃうドリー。
それは大きな短所。
大きな短所を持っていても、
それをマイナスに思って引っ込み思案にならず、
堂々と自分らしく振る舞えばいい。
そうすれば、自分らしい何かが、
いつか誰かを助けることにつながるはず。
そして自分も、
どうしようもできない短所を誰かに助けてもらえばいい。
ドリーの姿は物語の登場人物たちを通り抜けて、
大切なことを教えてくれました。