ディズニーで怪物なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのディズニーで怪物な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月19日の時点で一番のディズニーで怪物なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

66.9 1 ディズニーで怪物なアニメランキング1位
アナと雪の女王(アニメ映画)

2014年3月14日
★★★★☆ 3.9 (401)
2278人が棚に入れました
運命に引き裂かれた王家の美しい姉妹、エルサとアナ──触れるものを凍らせる“秘密の力"を持つ姉エルサはその力を制御できず、真夏の王国を凍てつく冬の世界に変えてしまう。妹のアナは、逃亡した姉と王国を救うため、山男のクリストフとその相棒のトナカイのスヴェン、“夏に憧れる雪だるま"のオラフと共に雪山の奥深くへと旅に出る。アナの思いは凍った世界を溶かすことができるのか? すべての鍵を握るのは、“真実の愛"…。

声優・キャラクター
イディナ・メンゼル、クリステン・ベル、ジョシュ・ギャッド、サンティノ・フォンタナ、ジョナサン・グロフ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

怒涛のラブファンタジー

初ディズニーです。
話題沸騰作品とのことで興味深々。
アナが何かもわからないまま、嫁さんに付き添われて映画館視聴です。

結論から先に言うと、いい意味で意外でした。
3Dだけあって、絵が動く動く、表情が動く動く。
目がクリックりっと、気持ち悪いくらいです。
それでも、滑るようなカメラワーク、大迫力の映像美に茫然です。

ストーリーは王道で取り立てて特筆すべき箇所はありません。
しかし、個人的にはこれが功を奏して、物語に入り込めました。
テンポの良い場面展開、じっくりと魅せるミュージカルシーン。
そのメリハリがまた絶妙でした。

キャラも魅力的です。
特にアナ。
一点の曇りもない心、一瞬で誰とでも打ち解ける気さくさ。
クリストフとのおしゃれでウェットに富む会話は爽やかです。

最後に、嫁さんの感想。
「エンドロールが長い。」「人間が人形みたい。」「冬の国に行きたい。」でした。
あと「エルサはなぜ魔法が使えるの?」
禁断のツッコミでした。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 61

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

歴代史上最大ヒットするわけだ、全世界がコレを待っていた~そして古典の中に織り込む『Wヒロイン&Wヴィラン』という新たな挑戦の意欲作でもある

生まれつき雪や氷を作り出す事が出来る魔法を身に着けていたアレンデール王国の王女エルサ
しかし上手く魔法をコントロール出来なかった彼女を不憫に思った両親は彼女を人目から隠すように育ててきた
一方、好奇心旺盛で破天荒な妹のアナは幼い頃から閉ざされきっていた城の門や自分と顔も合わせようとしない姉との生活に退屈し、外の世界へ憧れを抱いていた
やがてエルサは成人し、女王となるための戴冠式の日を迎えたがアナの軽はずみな行動から言い争いになった矢先、力を抑えきれずに魔法を暴発させてしまう
秘密だった魔法を知られてパニックに陥ったエルサは王国を捨てノースマウンテンに作り上げた氷の城に引き篭もるのだが、エルサの魔法の影響で夏季であったはずのアレンデール王国全体が極寒の世界となってしまった
エルサを追い詰める原因を作ったアナは責任を感じ、姉との“仲直り”を望み独り身で旅立つ・・・


まず昨今のディズニー映画・・・というかディズニー作品とピクサー作品で作風が2極化してるようにオイラは感じてます
インパクトあるキャラクターを重視して物語自体は比較的子供向け、寓話的な構成が目立ち奥底に抱える「アニメタ魂を隠し切れないピクサー」
(あくまでオイラの主観です、『トイ・ストーリー』のようにシリーズ化してよりキャラを掘り下げに入る場合もあります)
主人公に強過ぎる個性を求めず、感応的、情緒的、ロマンティシズムある物語を重視する「あくまで映画屋なディズニー」
『ニモ』にしろ『カーズ』にしろ、キャラは立ってるけど話しはダルいんですわ、正直
今作はディズニー制作ということで例の通り後者、キャラよりお話が先に立った作品だと感じてます


アンデルセンの童話『雪の女王』をベースとしながらもカイやゲルダが主人公ではありません
独自のキャラクター、全く新しい解釈、21世紀の今日らしいストーリーの中に力強いメッセージの作品に仕上がっており、やはりディズニーというチームはこういった元ネタをアレンジしていくのが上手いんだな!と再確認


実際視聴してみるとエルサが氷の城に引き篭もった事で大寒波に襲われるアレンデール王国の様はなんか「天岩戸伝説」っぽい
ハンスに初めて会った時のアナのたどたどしい喋りと後退りは隠し事をする「トイ・ストーリーのウッディ」に見えなくもない
アナとハンスがパーティーの夜に語り合う中、船のマストの向こうに見える二人の影はどことなく「ミッシェル・オスロ監督作品」に思えたのはオイラだけ?
クライマックスはどう見ても『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』ですね!わかります!


いえいえ;
この作品をコケにしたいわけでなく、いい意味で既視感のあるお話と映像だったな、と
よくもまあこれらと『雪の女王』を結合したと、オイラはその辺り心の底から拍手を送りたいのです


歴代作品と比較すると毒々しさはかなり薄めで、そういった部分は昨年の『シュガーラッシュ』の方が風刺が効いていましたね
ディズニー作品に悪役の醸し出すオドロオドロしさや狂気染みた冒険のスリルを求める方には少しパンチが弱めな作品と言えます
伊集院光が毒舌で批評したように、ハッキリと好みは分かれます
ちなみにオイラは泣きませんでした


今作やはり一番讃えたいのは音楽、そして歌
もうホント、なんで今の今まで歌わなかったのか!?
ディズニーといえばやはりミュージカルなのです
2013年夏に主題歌が公開された時点から今作がミュージカル映画になると察していたオイラにとっては日本公開までの間そのハードルは上がる一方・・・
しかし、本編を見終えてみてオイラの想定を遥かに超越した圧倒的ネ申曲達のラッシュ!
途切れない!!歌が途切れないんですよ!!!
音楽に5.0評価あげてますが気持ち的には7.0ぐらいあげてやりたいんです!
「Let it go」だと?
今作の最大の見どころはどう考えても
「Na~na~na~heyana♪
Hahiyaha naha~♪
Naheya heya na~yanuwa~♪
Hanahe yunuwana~♪」
だろーがぁ(@д@


お話重視でキャラ立ってないというわけでもなく、今作でキャラクター性成分を補っているのがエルサに命を与えられた雪だるま、オラフ
彼の今作への貢献度は大き過ぎます
彼の存在で適度にコミカルな場面展開が計られ、鑑賞者(特に子供)を飽きさせない工夫がなされています


各所で話題になっているのが「原語で観るべきか?」「吹き替えで観るべきか?」
これに関しては甲乙付け難い、つまりどっちでもいいと思います
特に既に監督自身が賞賛している様にアナの吹き替えを担当した神田沙也加が素晴らしい
が、オイラとしては何よりも褒め称えたいのが前述したオラフを担当したピエール瀧でしょう、面白いw面白すぎるw
松たか子ももちろん悪くない
が、演技は別として歌声となるとやはり本家ブロードウェイミュージカルで活躍していたイディナ・メンゼルの足元には遠く及ばない
ってことで歌を楽しむつもりなら原語で、そこに拘らなければ吹き替えで、という選択をオススメしたいです
(まあMay.Jの“アレ”はいらんかったと思うが・・・)
ああそれと、「雪だるま作ぅろ~♪」は諸星すみれちゃんですねb
【すみれちゃんマジ天使】


ちなみに公開当初「2D吹き替え」「2D字幕」「3D字幕」という3つの選択肢しか無くなぜか「3D吹き替え」だけが後出しで約1ヶ月半ほど遅れて公開されました
よくわからんがこれが新しい商法?らしい
上映館数や1日の上映本数が東京ですら1/3になるというかなりレアな限定公開です、観れたアナタはラッキー
「3Dで観る価値は?」と聞かれたら「同時上映の『ミッキーのミニー救出大作戦』の面白さが全然違うよ」と真顔で答えます


昔ながらの“ミュージカル”に回帰しつつも、ディズニー史上初の“Wヒロイン”という新たな試みに挑んだ今作
流石、アナもエルサも両方魅力的ですb
しかし今作、これもディズニー初じゃないかと思われる“Wヴィラン”作品でもあったんですよね
そう、今作には悪役が2人おるんです
問題はこれ、試みとしては面白かったんですが正直一切何の含みも持たせていない所謂「超展開」でして・・・
昨今のディズニーは如何にもソレっぽい悪役を配することをせず、黒幕をサプライズ的に隠す傾向にあるんですが、、、やっぱ超展開は映画としてやっちゃダメよね・・・;

投稿 : 2024/12/14
♥ : 50

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

メイド・イン・アメリカ

私が日本アニメの様式美に染まりきってるせいか特別に面白いとは思えませんでした。
CGと宣伝に湯水のように莫大な費用をかけて歌で釣っただけのアニメ。
例えるなら最高級の食材で育てたペットを派手にCM打って国民的アイドルに仕立てあげた感じ。
流石アメリカ!スケールが違いますね。

はっきり言いましては、単なる技術自慢・歌自慢だけで終わっていて、
作品としてはキャラの性格づくりも脚本も特に目を引くところを感じませんでした。
ヒロインや女王など登場人物の心情描写とかすっごく雑に思えてしまって、
これがポップコーンとコーラの文化の国が産んだアニメーションなんですかね?と。

アメリカのアニメの目指す完成形がコレなのかもしれませんけどね。
でも、私には合わなかった。ただ、それだけです。

しかし、シンプルなお話だからこそウケたのかもしれませんね。
ドラゴンボールがそうだったように…。

『ありのまま』で良いと作品中で歌っていたので、
私も『ありのまま』に感想を書いてみました。はい!

投稿 : 2024/12/14
♥ : 48

67.0 2 ディズニーで怪物なアニメランキング2位
ノートルダムの鐘(アニメ映画)

1996年8月1日
★★★★☆ 3.7 (31)
213人が棚に入れました
15世紀末のパリを舞台に、醜い鐘突き男カジモドと美しいジプシーの踊り子エスメラルダの優しい心を描いた、ディズニー得意のミュージカル・アニメ。 醜いカジモドは彼を引き取った最高裁判事のフロローによって、ノートルダム大聖堂の鐘楼に閉じ込められて暮らしていた。だがある日、彼は下界での祭りに我慢できなくなり、抜け出してしまう。カシモドはそこで、美しいエスメラルダに出会った。彼は彼女によって舞台に上げられ、道化の王に選ばれてしまう。最初は喜ぶ彼だったが、その顔が仮面でないとわかると、人々は彼を嘲った。エスメラルダは彼をかばうが、カジモドはその場から逃げ去る。しかしフロローは腹を立て、エスメラルダの逮捕を命じたのだった……。日本語版は浅利慶太が脚本を担当し、劇団四季のメンバーが歌を吹替えしている。
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

私は、「アナ」よりも「カジモド」に心打たれました。

1996年放送の、ディズニー制作の長編アニメ。
約90分。


【前置き】

「アナと雪の女王」の大ヒットが記憶に新しい、ディズニーの長編アニメーション。
さて、本作「ノートルダムの鐘」はと言うと、興行的には大成功とはいえず、知名度も他作品と比べると高くはありません。

ただ私的には、ディズニー映画としては珍しく非常にシリアスで重々しい原作を採用し描かれたこの物語と、その残酷な境遇で育った主人公「カジモド」への思い入れが非常に強く、今でも大好きな作品なのです。

この度久しぶりに見返したので、愛を込めてレビューしたいと思います。
(…てか、画像すら無いとは……。。。)



【あらすじ】

舞台は、15世紀のパリ。
そこに佇むノートルダム大聖堂の鐘楼で、ひっそりと暮らす鐘衝き男『カジモド』。

彼は生まれつき容姿が非常に醜く、育ての親である「フロロー判事」の言いつけで聖堂の上から出る事を許されずに育ちましたが、その非人道的な育てられ方とは裏腹に、とても優しく純粋な心の持ち主でした。

ある日、毎年恒例の祭で楽しく盛り上がる人々を見たカジモドは、遂に我慢の出来なくなり、大聖堂から町へと飛び出したのですが……。



【カジモドという青年について】
{netabare}
本作を語るに辺り、まず何より主人公「カジモド」の出生と境遇について整理しておきましょう。

フロロー判事の行き過ぎたジプシー狩りで死んでしまった女性の赤ん坊であった彼は、殺される寸前でフロローが神の眼前での行為を神父に咎められたことにより、聖堂に軟禁状態で育てられました。

「鐘突き堂の中に隠そう…。

 この化け物も、いつかはきっと役に立つ。」

そして名付けられた名前が、「出来損ない」という意味を持つ「カジモド」。
彼は、それから青年に成長するまで、実の親を殺したフロローに「悪い母親からオマエを救ってやった。」と言いくるめられ、育ったのでした。


改めて文章にすると、なんと救いの無い話でしょうか。
こういう境遇の主人公は、大抵が見映えの良い容姿をしているものですが、カジモドに関してはそれすら誰もが目を背けるものですから。
(奇妙な輪郭、片目に出来物、欠けた歯、太い腕に猫背のような体型と、ちょっと酷過ぎますね。)

ただ、友達が一人もいないかと言われればそうではなく、カジモドの前でしか動かない「大聖堂の石像の3人組」が、いつも賑やかにカジモドに話しかけていました。
彼らの、時に配慮あり時に配慮に欠けた立ち振舞があったからこそ、カジモドは心優しい人間になれたのでしょうね。


ちなみに、大聖堂の外観をよじ登って生活していた彼は、非常にパワフルで巧みなロープアクションも見せてくれます。
鎧を着た大人を片手で軽々と持ち上げたり、女性を肩に乗せて飛び回ったりと、立ち振舞はターザンそのもの。

そういう点からもこのカジモドは、男性視聴者から見ると特に、見映えでは分からない格好良さに満ちた青年で、私的には大好きなキャラクターなのです。
{/netabare}



【論じてみる】
{netabare}
まず映像に関してですが、とても1996年の作品とは思えない美麗な作画に圧倒されます。
ディズニー映画を始めとした海外アニメは、日本アニメのような一枚の絵に入魂して綺麗に見せる手法というよりは、画面やキャラクターを大きく細かく動かす手法が特徴なので、ノートルダム大聖堂のスケールの大きさや、カジモドの軽やかな動きがとても緻密に描かれており、昔の作品だからと映像で退屈させられることは全くありませんでした。

音楽に関しても、個人的にはディズニー映画のミュージカル調に歌い出す演出はあまり好みではないのですが、本作は特にメロディーや声が非常に心地良く、映像や歌い手の心情と共に魅入ってしまう場面もしばしば。
(それでも、また歌かよ!なんて思う時もありましたけどね。)

特に、吹き替え版のカジモドの声を担当した「石丸幹二さん」は好演でしたね。
(「半沢直樹」の前半で半沢と対峙した、浅野支店長役の方と言えば、ピンとくる方も多いかも♪)
声優としての名演技もさることながら、圧倒的な歌唱力に脱帽でした。
流石は「劇団四季」ですね。


ただ、それでも興行的に振るわなかった原因としては、やはり第一印象で、どうもポジティブな気持ちになれないからではないでしょうか。
醜い主人公というだけで、やはり一般的に見て華やかさに欠けますし、視聴者の感心を持ちにくいのも仕方無いのかもしれません。
とっても良いお話なんですけどね。



さて、物語としては、カジモドが町のお祭りに参加し、不名誉にも「パリで一番醜い男」に選ばれてしまうところから大きく動き出します。
ここで唯一、彼を人として扱い手を差し出してくれたジプシーの『エスメラルダ』に、カジモドは恋をするのですが、同じく『護衛隊長のフィーバス』や、あのフロロー判事さえも歪んだ恋慕の情を抱きます。

一般的な物語で言えば、ここでエスメラルダは醜いカジモドを選ぶ筈なのですが、彼女が選んだのは護衛隊長のフィーバスでした。
実際フィーバスは、フロローの悪質な政策に反発するヒーロー的な役割で、見映えも性格も抜群な非常に格好良い男ではあるのですが、やはりカジモドの気持ちを考えると胸が痛かったですね。
目の前でキスを見ちゃったりしますしね……。。。

それでも、エスメラルダを救出する為に、この男2人が手を取り合ったシーンは、とても熱くて大好きなシーンでした。


フィーバス「エスメラルダを見つけるには、力を合わせなきゃ、…いいな」
(カジモドの背中を、軽く叩く。)

カジモド「あぁ……、いいとも」
(フィーバス背中を、バチコーーーン!!と叩く。)

フィーバス「いったあああああっっ!!!!!」

カジモド「ゴメン……」

フィーバス「…思ってないクセに……」


大勢の一般人がカジモドを醜い怪物と罵る傍らで、当たり前のように一人の人間として対等に接するフィーバス。
エスメラルダが彼を選ぶのは、やっぱり仕方ないかもしれないですね。


最後は、大聖堂を舞台に逆上したフロローとの対決が繰り広げられます。
クライマックスであり、シナリオ的にも映像的にも非常に見応えあるシーンが続くのですが、本作最大の見所は…やはりその後の幕引きではないでしょうか。

フィーバスとエスメラルダの恋仲を、歯痒くも初めての人間の友達として祝福し、2人の手をとって重ね合わせたカジモド。
あの大きな手と、優しい表情がたまりません。

そして、大盛況の町へエスメラルダに連れられて恐る恐る姿を見せたカジモドは、その醜さにまだ不審がる人が多い中、一人の赤の他人の少女に、顔を触れられ…抱きしめられるのです。
ここの、その頬を伝う手を握り救われたような顔をするカジモドに、私の涙腺は遂に崩壊してしまいました。

これまで救いの無い人生を歩んできた青年の、幸多き未来が見えた瞬間でしたね。
{/netabare}



【総評】

大スペクタルと呼べるか、万人受けするか、と言われれば、「アナと雪の女王」の方が遥かに上でしょう。

ですが、人が人として接してもらえない苦痛…。
そんな人間が、当たり前の人として受け入れられていく様を描く本作。
こちらも、前者とはまた違った見応えと、悲痛な訴えを感じさせてくれるのではないでしょうか。

続編の、OVA「ノートルダムの鐘II」では、カジモドの後の人生を好意的に捉えられる内容がありますが、こちらは作画の低下や蛇足感も強く、少々いただけません。
ですが、「他のディズニー作品の主人公と比べ悲惨な境遇のカジモドを、ちゃんと幸せにしてあげたい」というディズニーの配慮かなと思えば、これも好意的に思えました。


ちなみに、作中で見え隠れする残酷性について追求してみたい方がいらっしゃいましたら、原作小説wikiのあらすじを是非。
ディズニーが、本作をいかに万人向けにオブラートに包んだかが垣間見れますよ。
『ノートルダム・ド・パリ』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%AA


ではでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『カジモド』声 - 石丸幹二さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『エスメラルダ』声 - 保坂知寿さん



以下、ふいに思い出した、どーでもいいこと。
{netabare}

高校時代のこと。

猫背の同級生が、友人達に「カジモド」と呼ばれているのを耳にしたことがあります。


………いやいやっ、それは酷過ぎるでしょっ!!!!


カジモドにも、そのカジモドにもっ!!!!←(・o・)オイ!
{/netabare}

投稿 : 2024/12/14
♥ : 21
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

穢れた心から噴き上がる地獄の業火

原作小説『ノートルダム・ド・パリ』(『ノートルダムのせむし男』)は未読。

15世紀・パリ。ノートルダム大聖堂の鐘衝き部屋に閉じ込められたジプシーの“せむし男”
外見は醜悪だけど、心は清らかな青年・カジモドの物語。

(せむし男は放送禁止コードのため、本作邦題は改変されたそうですが、
そんなガラパゴスな言葉狩りは無視の方向で)


黄金期の再来と評された90年代のディズニー長編アニメ群ですが、
私はこの時期のディズニーは正直、苦手です。
自分は特に作画構成と折り合いが悪いです。

巨費を投じて、CGを活用した迫力の背景や群衆映像を構築する一方、
キャラクターは伝統的な手描きタッチを残す。

後年のキャラまでCGらしい造形で背景と統一されたディズニー作品を観ると尚更、
この時期のディズニーは大人でも楽しめるアニメへの進化の途上と感じてしまいます。


さらに私は脚本、演出にもアンバランスさを感じてしまいます。
シナリオやテーマに大人向け要素がある一方、
セリフ回しやギャグのノリは子供向け。
キャラ動作は伸縮の激しい『トムとジェリー』では……。

ミュージカル曲も近年の日本語吹き替え版でも大人の心に響くレベルにまでは達してない印象。
今観ると『アナ雪』ブームに至るまで、
ディズニーも色々試行錯誤して来たんだなぁ……と感慨を覚えます。


そんな相性の悪い90年代ディズニー作品の中でも、
比較的、興業不振だったと言う本作は個人的に出色。

やはり、作画の評点こそ高くなるものの、作画、演出のバランスは好きになれず。
後年、作画レベルを大幅に落してCG作画が削減された続編OVA『ノートルダムの鐘Ⅱ』の方が、
私はまだ安心して視聴できるくらいですが、

つんのめりながらも鑑賞して掴み取った本作の肝。
ディズニー得意の美醜設定の再生産でありながら、
差別や心の在り方を問うたテーマは重厚。

定住民から移動民・ジプシーへの差別にしても、魔女狩りにしても、
差別する側は至って真面目に正義に則って罪を重ねるあたりに唸らされます。

原作から改変されたと言う展開についても、
嫉妬と言う感情を収められた人間とコントロールできなかった人間との対比がお見事。

終盤、{netabare} 最高裁判事フロローの妄執からパリに燃え広がった魔女狩りの炎が、
ノートルダム大聖堂に迫る描写には鬼気迫る物があります。{/netabare}

ラストについても、テーマとの合致という意味では筋が通っていると思います。

ただ……やっぱり、最後、{netabare}カジモドがエスメラルダと結ばれないのは悲しいです。
嫉妬を必死に抑えながら、フィーバスとエスメラルダの関係をアシスト、祝福する言動を通じて、
清らかな心を貫き通した故、醜男が陽の当たる場所に出てくることができた。
という教訓はしっかり伝わって来るのが余計に切ないです。

悲劇に終わると言う原作に比べればハッピーエンドなのでしょうが、
悟れない私は、結局、イケメンじゃないと幸せになれないの?
と言う黒い感情がどうしても芽生えて来てしまいますw

ブサ男の幸せを願う世界の男性その他のみなさん。
今なら続編と言う救済措置があるので、是非『Ⅱ』でリベンジを果たしましょう。{/netabare}


付記:先月のパリ・ノートルダム大聖堂の大火災、衝撃的でした。

映像を観て、不謹慎にも真っ先に本作の再鑑賞を思い立ち、TSUTAYAに駆け込んだ私。
私のレンタルで在庫3本は全て貸し出し中に。
同じこと考える人がいるのかなぁと切なくなりました。

大聖堂の“立体迷路”としてのアクションやギミック、
隠し場所としてのシナリオ展開への活用等も多彩だった本作。
今回、消失した尖塔にはさらに、修復工事用の複雑な足場が組まれていたとのこと。

某国大統領はヘリから消火剤を云々とツイートされていたそうですが、
本作を観ると、大聖堂に一度、火の手が及べば消火活動は相当困難だろうなと感じます。
文化財を火災から守る難しさを再認識させられる出来事&再鑑賞となりました。

ノートルダム大聖堂は5年後の再建を目指すとのことですが、
その時に良い意味で改めて本作を思い出すニュースを聞ければ幸いです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 10

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

従来のディズニーとは毛色の違う作品

原作はヴィクトル・ユーゴー。「レ・ミゼラブル」の原作者らしく、善と悪の両者の存在性の内面部分までをじっくりと描いた物語だと思った。

醜い出で立ちで生を受けた主人公、彼を大聖堂の鐘楼に閉じ込め鐘衝きとして育てた独善的な最高裁判事、ジプシーの美しい踊子、正義感に溢れる警備隊長、それぞれがそれぞれの立場において苦闘し、全うする姿には、善と悪という単純な構図を越えた人間の業が表われていた。

今作のハッピーエンドは原作小説とは異なるらしいが、ディズニー映画にである以上、それは仕方の無いことだろう。
それよりも、ダイナミックで美しいビジュアルはとても印象的だった。
また、他のディズニー映画がテンポの軽いミュージカル調のものが多いのに対して、今作は全編通してシリアスなオペラを見ているような重厚さがあった。

題材が題材だけに、アニメーションだからこそ描けた部分もあったかと思ったが、実写版もかなり古くに製作されており、その実写作品のビジュアルにこのアニメ作品が忠実だったことは驚きでした。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 7
ページの先頭へ