セカイ系アニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のセカイ系成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月10日の時点で一番のセカイ系アニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

84.1 1 セカイ系アニメランキング1位
シン・エヴァンゲリオン劇場版:||(アニメ映画)

2021年3月8日
★★★★★ 4.2 (431)
1981人が棚に入れました
 エヴァがついに完結する。2007年から『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズとして再起動し、『:序』『:破』『:Q』の3作を公開してきた。その最新作、第4部『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の劇場公開が決定。人の本質とは何か? 人は何のために生きるのか? エヴァのテーマは、いつの時代にも通じる普遍的な核を持っている。
 シンジ、レイ、アスカ、マリ、個性にあふれたキャラクターたちが、人造人間エヴァンゲリオンに搭乗し、それぞれの生き方を模索する。人と世界の再生を視野に入れた壮大な世界観と細部まで作り込まれた緻密な設定、デジタル技術を駆使した最新映像が次々と登場し、美しいデザインと色彩、情感あふれる表現が心に刺さる。
スピーディーで濃密、一度観たら病みつきになるその語り口は、興行収入80億円超えの大作『シン・ゴジラ』も記憶に新しい庵野秀明総監督による独特の境地。その庵野総監督がアニメーションのフィールドで創作の原点に立ち返り、新たな構想と心境によって2012年の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』以後、封印されてきた物語の続きを語る。
 1995年にTVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』でアニメファンのみならず、アーティストや学者までを巻き込んで社会現象を起こした初出から、実に25年――その間、常にエポックメイキングであり続けたエヴァの、新たな姿を見届けよう。

声優・キャラクター
緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子、坂本真綾、三石琴乃、山口由里子、立木文彦、清川元夢
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

さよならエヴァンゲリオン

スタジオカラー制作。

初号機の覚醒により発生した、
ニアサードインパクトから14年後の世界。
再び厄災のトリガーとなったシンジは、
茫然自失のまま赤い大地を放浪している。
一方、ヴィレはパリ解放を目指し、
ネルフとの市街地戦を繰り広げている。

本質は何も変わっていない。
主題の普遍性に驚くばかりである。
どう解釈するのかは全く問題ではない。
全てのものごとに決着を試みた、
その瞬間に立ち会えたことに感謝したい。

物語は4部構成になっているが、
日常パートは鮮烈なほど印象深い。
{netabare}どのような状況であれ、
日々懸命に生き、生命を育む人々を、
ありのままに肯定し描くことが、{/netabare}
旧劇との対比となっているのでしょう。

そして碇親子の物語である。
{netabare}父ゲンドウは最愛の人との再会を願い、
差異のない世界を創造しようとしている。{/netabare}
シンジは父との対話を通じ決断をする。
彼にはもう迷いがないのだ。
{netabare}父の告白を許容するシンジ、
ユイが歌う「日付のない墓標」が優しい。{/netabare}
ほんとに似た親子なのだと思う。

物語が「ある場所」で終わったことに、
とても意味のあるものだと感慨深く思う。

ぜひたくさんの想いを。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 49

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

「否定」ではなく、「肯定」する生き方

ネタバレを極力避けて話したい。

25年前の庵野監督は明らかに「オタク」であることに対して「否定」的な立場から作品を作っていた。

アニメとか漫画とか映画とかゲームとかどうでもいいから、街に出てコミュ二ケーションしなさいと。。。

「書を捨てよ、町に出よう」ということである。

しかし、この25年間で社会は様変わりした。アニメを見ることに対しての偏見は愚か、アカデミー賞や歴代の興行収入を支えているのはアニメや漫画だし、ハリウッド製作の映画やドラマまでもが今やアニメや漫画の実写化がほとんどである。

そういった状況において、本作はそういった「多様的」な生き方を「肯定的」に捉えている。

僕の周りには本当にいろんな人間がいる。サッカーが好きな人間もいれば、ギターや音楽が好きな人もいるし、漫画でもキワモノが大好きな女性もいっぱい知っている。

はたまた、性に対してもゲイやバイセクシャルな人だっているだろうし、興味がない人だっているだろう。

そう、その全てが全て「存在」していいのである。

確かに、それぞれは言葉が通じなくお互いを傷つき合うかも知れない。

あるいは全く引き合うことすらないかもしれない。

しかし、そういう社会でお互い理解し合おうとすることがなにより大切なのだ。

それがこのシン・エヴァにとって、いや全人類にとって「大人」になる。ということであると「結論」が出ている。

確かに現実ではなく「理想論」に過ぎないが、それでも人はあの25年前に比べれば、偏見や差別と向き合う人が増えた。

そういう意味では「進歩」しているのである。

個人的には今回の「シン・エヴァ」のラストより、漫画版の「エヴァンゲリオン」の方が好きだが、そういったことはこの際どうでもいい。

庵野監督とこの作品を全力で作ったスタッフの皆さんに何よりの感謝と尊敬を。。あなた方の「伝えたい想い」は伝わりました。

お疲れ様です。そしてありがとう「エヴァンゲリオン」

人生においてここまで晴れ晴れした気持ちになったのは久しぶりでした。



追記

ラストのある「ゲスト声優」が時代を象徴していると思うし、
なにより今度の「シン・ウルトラマン」がまさにド王道の物語になることも必然だと思う。

良い意味で垢抜けた傑作になることを期待してます。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 42

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

いやぁ〜全然面白くねぇな!。ただ、庵野先生とカラーの次回作にご期待ください。

 ネタバレになるので例え話でのツッコミになりますが、「思い出ぽろぽろ」か!、スターウォーズep9か!な作品です。言わんこっちゃないとは思いましたが、スターウォーズと同じで前作でグチャグチャになった風呂敷を大急ぎで畳んでるだけだから、ドラマやエモーショナルな盛り上げにも、物語という形での上手なテーマの展開にも、キャラの描き込みにも失敗してます。


 あるポイントでわかりきってる愁嘆場みたいなのが始まった時には頭を抱えそうになったし、ゲンドウの件りでは「それ前から知ってた!」とツッコミを画面に入れたくなった。


 ロボバトルの描写としてもCGばっかで手描きの最高峰だった旧劇のような色気も艶もないし、重量感や上がるロマン描写もなし。軽そうなエヴァがチャカチャカと動くばかりで何が起こってるのかよくわかりづらい(これは本作だけに限ったことじゃないが)。


 アナクロニズムと言われようが、やはりロボは手描きの方が向いている。テレビだと今は色々あるのかもだが、映画では手描きの方がねぇ…。そりゃあ手描きじゃあ表現は無理という場合もあるが、CGだからこそのロボ表現で本当に痺れたことは今んところあんまりないかな。


 じゃあ面白くもなんともないかと言うと、ある意味で面白いところはある。それは庵野監督の大人になりっぷりである。結婚して多くの人の仕事を指揮するより大きな立場になって、もうあんな昔みたいに中二丸出しでグズグズ悩んでらんねぇよ!って庵野さんの心は確かに伝わってくる(それを物語の中で上手く消化できてるとは言い難いが)。


 絵作り的にも、CGを殆ど使ってない庵野さんのロマン溢れる部分のパートでは流石の冴えを感じたし、あのキャラが☓☓☓な件にも「あぁ…、本当に大人になったんだなぁ…」と染み染み感じ入った。


 その辺の描き方が「思い出ぽろぽろ」と同じで、少々懐古主義的、或いは理想化され過ぎな気もするが、宮台さんの動画を見たりして共同体の大切さや共同身体性の重要さについて考えさせられていた私としては言いたいことはわかる、という感じではあった。しかし、昔には戻せないから、テックを使ってアップデートは必要だが新しい形の共同体の作っていくのは急務だろう。


 それにしても、やはり映画一本に詰め込むには無理があった気がする。どうせなら決戦前の物語をテレビで1クールやるくらい必要だったかも。


 ここまで大人ぶりを見せられると、やはりエヴァから開放させれた庵野さんとカラーの次回作に期待したい。庵野さんはナウシカはやって欲しいが、あとはフリーハンドで作って欲しい。


 カラーにはTVアニメにも参戦しないとジブリの二の舞になるから、優秀なスタッフたちの才能を活かせるオリジナルでも原作付きでも年一くらいでは新作を制作して欲しい。あぁ〜やっとネタバレを心配しないでネットを見れるという安堵の気持ちのみ!。


 作品としてのエヴァは、やはりスターウォーズにおけるep4、5、6みたいに旧劇までで終わりで良かった、という新劇が作られる当初から思ってたことなので別に大きなショックも無し!(破の時点では正直期待しちゃいましたがね)。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 34

81.4 2 セカイ系アニメランキング2位
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(アニメ映画)

2007年9月1日
★★★★★ 4.1 (1757)
10505人が棚に入れました
かつて地球を襲った大災害・セカンドインパクトにより、人類はその半分が死に至った。幾ばくかの年月が流れ、その大惨事より復興しつつあった人類に、突如として使徒と呼称される謎の生命体が攻撃を仕掛けてきた。
国連の下部組織である特務機関NERV(ネルフ)は、極秘に開発されていた汎用ヒト型兵器人造人間エヴァンゲリオンによって襲来する使徒を迎え撃つ作戦を開始する。NERVの司令官である碇ゲンドウは、14歳の息子「碇シンジ」にエヴァンゲリオン初号機のパイロットになることを強いる。

声優・キャラクター
緒方恵美、林原めぐみ、三石琴乃、山口由里子、立木文彦、清川元夢
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

TV版とどこが違う?教えてください。<追記;ヤシマ作戦>

TV版の総集編のようです。
素人目には違いが良くわかりません。
TV版のようなくどさがなく、コンパクトで見やすいです。
失礼な言い方ですが、コンパクトにすると意外といいアニメです。

<追記;ヤシマ作戦>
{netabare}序のクライマックス、ヤシマ作戦をTV版と比べて観た。
十分尺をとって描かれているし、もちろん絵が綺麗。
それにドンパチが派手です。
オペレーターの声が次々に重なる緊迫感のある演出も印象的。
シンジの葛藤感も激しくて、そしてどこか冷静。
あのキャ~~~は絶対人が叫んでいるね。
迫真の演技、誰?
あと、ミサトさんの声が熟練度を増している。{/netabare}

ヤシマ作戦のBGMは日本人なら誰もが知っている名曲。
アニメ好きなら視聴必須な名場面です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 49

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

タイトルなし

ヤシマ作戦はやっぱりアツイですね♪

手に汗握る展開で、シンジくんだけでなく、
ミサトさん、ゲンドウ、綾波たちにもそれぞれ
見せ場があって、最後まで目が離せない^^

投稿 : 2024/06/08
♥ : 35

たにぐー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「序」のTV版の感想。

初エヴァ!!
とっても面白かったのですよー。
ヤシマ作戦、激アツでした!

ミサトさんめっちゃ好きだわー。
ポニテのミサトさんちょーかわいい。
「発進!!」って言うミサトさんも好き。
シンジくんに嫉妬しちゃいますw

最後は気になる終わりかたでした。
あの男の子は一体、、、まぁ、名前は知ってますけどね。

意外と観れたね。もっとグロいものだと…
次回の「破」も楽しみ!

投稿 : 2024/06/08
♥ : 33

77.4 3 セカイ系アニメランキング3位
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(アニメ映画)

2012年11月17日
★★★★☆ 3.9 (1548)
8453人が棚に入れました
前作『破』終盤で描かれた「ニアサードインパクト」から14年後。葛城ミサトをはじめ旧NERV職員らは、反NERV組織「ヴィレ」を結成し、NERVのエヴァを殲滅すべく活動していた。ヴィレは、式波・アスカ・ラングレーの乗るエヴァ改2号機と真希波・マリ・イラストリアスの乗るエヴァ8号機の2機によって、衛星軌道上にNERVが封印していた初号機を強奪する「US作戦」を実行する。改2号機は Evangelion Mark.04「コード4A」数体から妨害を受けるが、8号機の援護射撃でそれを突破。さらに初号機とともに格納されていたMark.04「コード4B」の迎撃により窮地に陥るも、一時的に覚醒した初号機によって助けられ、初号機とともに地球へと帰還する。

声優・キャラクター
緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子、坂本真綾、石田彰、立木文彦、清川元夢、三石琴乃、山口由里子、長沢美樹、子安武人、優希比呂
ネタバレ

Tuna560 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』作品紹介と総評

『新世紀エヴァンゲリオン』の「リビルド」作品第3作。
『Q』は『Quickening(急展開)』の頭文字です。
『序』レビュー:http://www.anikore.jp/review/382016/
『破』レビュー:http://www.anikore.jp/review/384527/

副題は"YOU CAN (NOT) REDO."
訳として登場セリフを当てはめるならば、{netabare} 「... 希望は残ってるよ。どんな時もね。」 {/netabare}

さて、前作『破』から約4年…度肝を抜かれました。高く上げられたハードルを、いとも容易く超えてしまった。起承転結で言えば「転」のパートで、物語は急加速します。

しかし、この作品は旧TV版をしっかり観てるか・観てないかによって、捉え方が大きく変わると思われます。その点では、タイトルが「急」→「Q」へと変わったことで、「Q」は「Question」の頭文字でもあるということ、と受け取ることが出来ます。

この作品自体が、庵野監督からの「大きな問いかけ」なのだと感じました。

{netabare}ニアサードインパクトから14年後の世界における、ネルフとヴィレとの(そして使徒との)戦い、エヴァ第13号機によるフォースインパクトの発動を描く。

「14年後の設定」というのを中盤まで信じきれませんでした。
でも、予想は簡単に裏切られました…まさに「急展開」を冠しているだけのことはあります。まさか、『破』での予告が空白の14年のダイジェストだったのか…?
しかし、急展開をしているとはいえ、TVシリーズの第弐拾話『心のかたち 人のかたち』から第弐拾四話『最後のシ者』までをしっかりと描いています。また、 『ふしぎの海のナディア』の楽曲が使用されていたのも印象的で、ヴィレが運用する戦艦『AAAヴンダー』の姿と相まって、随所に展開されるセルフオマージュを楽しめます。

「14年後の荒廃した世界」、「新エヴァ」、「ネルフとヴィレ」、「エヴァの呪縛」、「フォースインパクト」…
どれも予想だにしない展開で、興奮しっぱなしの2時間でした!!
特に、シンジと冬月が将棋を指しながら、ゲンドウやユイの核心を語るシーンはとても良かった。

この作品の特徴は、「碇シンジ」と同様の心理や絶望を体感出来る、「意図的に取り残されるストーリー」にあると思います。
突如14年が経過し、その空白の期間について説明がほとんどないことによる懐疑観、他人に必要とされたいと願ったシンジが、必要とされなくなった世界で感じる絶望観、自らが引き起こした「罪」に対して何をどうしたらいいのかという焦燥感、etc。
「おまえは何が出来るのか?何をしたいのか?何をやり直したいのか?」と問いかけられて、自分の望む結末を実現しようと試みるが、結果的には失敗してしまい、引きこもってしまう。

『Q』全体が碇シンジに対する、そして視聴者に対するとても難解な問いかけなのです。

ちなみに…視聴者に対する問いかけは、新劇場版の結末についてだと思います。『序』と『破』のエンタメ色が強い作品だったことと比べ、『Q』は『旧劇場版』に似た「トラウマを引き起こす」絶望感を感じたためだ。
「『Q』を観てもらったわけだが…『破』の様な爽快な結末を望むか?それとも、旧劇場版の様なトラウマをもう一度作りたいか?」てな具合です。

わりかし理解がしやすかった『序』と『破』に比べ、視聴者を突き放した『Q』は賛否両論を生み出すと思います。しかし、TV版・旧劇場版を観ていたらわかると思いますが、このダークな世界観こそ「これがエヴァだ。」と思えるんですよね。

そして、今作でさらに描かれた謎。
これは本当に『破』の続きなのか?空白の14年にどんな意味があるのか?最後にカヲルが「また会えるよ。」と微笑んだ真相は?マリは結局何者?そして何より、旧劇場版との関連性は??
たった1回の視聴でここまで考えさせられたことには、「さすがエヴァだ。」と言わざる負えない。{/netabare}

来年公開予定の次回、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』はついに最終話。
この問いかけに対する「導き出された回答」を提示してくれることを願って、期待を込めて待ち受けたいと思います。

(11/18:記述)
--------------------------------------------------------------------------------
2回目観に行ってきました。
やはり、1度観てるので理解度が全然違いますね。

下記、2回目視聴での発見による考察です。

{netabare} ・カヲルとシンジ
初回はホモっぽい演出に面食らいましたが、カヲルが「二人」という言葉を協調していることが気になりました。これは旧劇場版の結末に直結していることでもあります。「一人よりも他者といたい」というシンジの決断を協調しているのではないか?

・ピアノの連弾
「反復練習をすることで、一番いい音を探す」という言葉は、ループ説を表しているのか?

・綾波レイの行方
冬月曰く、初号機の中に取り残されているとのことだが、ネルフにいた溶液に入った綾波は?

・綾波ユイについて
初号機とシンジのシンクロ率が0%、セントラルドグマにいたリリスの頭部が綾波ユイに酷似している点を考えれば、ニア・サードインパクト時にリリスに移った?となると、現初号期の中は綾波レイがいる?

・マリの経歴
ユイの写真にマリに似ている人物がいる、ゲンドウを「ゲンドウ君」と呼んだ点から、ゲンドウとユイの同期?

・インフィニティーズ
ニア・サードインパクトの発生により、人間の魂が集まり「エヴァに似た生物」に昇華した?

・フォースインパクトの発生
シンジが槍を抜く
 ↓
Mk-6再起動、レイが第12使途を開放(ゲンドウの罠)
 ↓
第12使途と渚カヲル(アダムス)が接触し、インパクト発生

・カヲルが第13使途(最後の使途)に降格
TV版で渚カヲル(アダムの分身)が最後の使途として登場したことに呼応している。

・アダムスの器=エヴァMk-9
初見ではアヤナミレイのことだと思ったのですが、フォース・インパクト発動後、エヴァMk-9の腹部にアダムの仮面が現れている。

・エヴァの呪縛
最後にアスカが人間のことを「リリン」と呼んだことから考えて、既に人ではないのか?

2回目の視聴後、やはり「破』の14年後より旧劇場版の延長上の話のような感じがする。リリスの頭部、ネルフ本部襲撃の痕、世界の荒廃…旧劇場版の設定に近いが、シンジとアスカ以外が生きている説明が出来ない…。
やはり、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を待つしかないですね。 {/netabare}
(12/2:追記)

(2/8/編集)

投稿 : 2024/06/08
♥ : 65
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

醒めない夢を見ている

スタジオカラー制作。

新劇場版・テレビシリーズからも、
大きく逸脱した物語が展開され話題となる。
この展開に私はあまり肯定的ではないが、
称賛までは出来ないけれどやはりエヴァだ。

冒頭の眼帯アスカは成層圏で戦闘を開始。
ヴィレによる初号機奪還が目的である。
ニアサードインパクトの影響で、
{netabare}14年後の世界は大きく情勢が変化している。
シンジ・レイ・アスカはエヴァの呪縛により、
ヒトではないものになろうとしている。
真希波マリの正体がコミック最終巻に収まる、
「夏色のエデン」の少女なら肯定しよう。{/netabare}

今となって思えば、そうだ、
ヤシマ作戦後のレイの微笑みに魅了され、
ゼーレとゲンドウの思惑が物語を牽引し、
{netabare}命の選択ではエヴァ参号機を徹底的に粉砕し、
シンジは搭乗者も知らされず破壊の限りを尽くす、
これが初号機のベストバウトであろう。{/netabare}
夕陽に染まる初号機が肉食の獣へ堕ちた時、
私たちは醒めない夢に迷い込んだのだろう。

エヴァって知っているか!?
アニメにさほど興味のない友人が当時、
発したこの言葉を今でも鮮明に覚えている。
私も乗り遅れた、1人である。
そして今でもその物語に魅了されている。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 51

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ヱヴァンゲリヲンのレビューを書くのが怖い件。

新世紀エヴァンゲリオンって何なんでしょうね。これがなんというか、怖いんですよね。レビュー書く事自体が怖い。それが私自身のエヴァンゲリオンに対する評価なのかも知れない。

しかし急にエヴァのレビューを書きたくなったので、

新劇と旧劇で主に違いを感じるのは、映像のCG化による鮮やかさと、旧劇の時にあった陰鬱な艶。アスカなど動きの多いキャラクターは新劇に映える。レイやカヲルは旧劇の方がミステリアスさに奥行生まれている。キャラクターだけではなく、静止画による印象的なカットの繋ぎとか、そこにピシャリと合うようなセリフや、モノローグが旧劇では特徴的で、だからといって新劇もやはりワンカットの切れは半端ではない。シンジとカヲルの演奏でさえも、完全に再現している。楽譜通りに鍵盤をたたいているのだ。

本作において、特撮モノの音や仕込み、明朝体のタイポグラフィ等々、どれだけの試行を凝らしているか想像の余地もつかない。しかしそれが分からないとしても、何となく他にないものを感じるのは確かなことで、、

私は幼い頃から絵を描いていて、エヴァの作画集を買ってたまにデッサンしたりする。他のアニメも描いたりしますが、エヴァの画は描きたい衝動に駆られる。一番好きなカットは旧劇の初号機に掴まれて、死ぬ直前のカヲル君の微妙な笑み。これが中々上手く描けない。上手い下手とかの問題ではないんですよね。OP曲で流れる一枚絵だって今も鮮明に思い出せる。これは絵の力なのか、作品自体にひきこまれた自分の補正なのか。多分どちらもだろう。

これがあなたが救った第三東京市よ。踏切のシーン。生活感あふれるミサトさんの部屋。これらの幾つものシーンが、いつの日もこの胸に流れている。レイの無機質な部屋でさえもレイの匂いを感じる。エヴァンゲリオンの考察なんて出来ないけれど、これが自分の中にあるエヴァンゲリオンなのだろう。新劇になってポカポカした綾波も、少し距離が出来てしまったアスカも全て、

CG化した新劇の中でひたすら挑戦の輪廻を続けるヒトのように、新たに創造されたセカイ「Q」のAを、いや続きを、ヒトの補完というまだ見ぬ境地を目指す監督の挑戦をずっと見届けたい。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 46

71.7 4 セカイ系アニメランキング4位
雲のむこう、約束の場所(アニメ映画)

2004年11月20日
★★★★☆ 3.7 (847)
4696人が棚に入れました
日本が津軽海峡を挟んで南北に分割占領された、別の戦後の世界が舞台。
1996年、北海道は「ユニオン」に占領され、「蝦夷」(えぞ)と名前を変えていた。ユニオンは蝦夷に天高くそびえ立つ、謎の「ユニオンの塔」と呼ばれる塔を建設し、その存在はアメリカとユニオンの間に軍事的緊張をもたらしていた。
青森に住む中学3年生の藤沢浩紀と白川拓也は、津軽海峡の向こうにそびえ立つ塔にあこがれ、「ヴェラシーラ(白い翼の意)」と名づけた真っ白な飛行機を自力で組立て、いつかそれに乗って塔まで飛ぶことを夢見ていた。また2人は同級生の沢渡佐由理に恋心を抱いており、飛行機作りに興味を持った彼女にヴェラシーラを見せ、いつの日にか自分たちの作った飛行機で、佐由理を塔まで連れて行くことを約束する。
しかし、突然佐由理は何の連絡も無いまま2人の前から姿を消してしまう。

声優・キャラクター
吉岡秀隆、萩原聖人、南里侑香、石塚運昇、井上和彦、水野理紗
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

浮き上がれヴェラシーラ

新海誠、映像叙事詩の始まり。

物語を動かすのは2人の少年。
憧れの少女との遠い日の約束。
国境の向こうの塔へと、少年は飛行機を疾らせる。

日本が南北に分断統治されたもう一つの世界。
舞台は東京/青森/北海道/そして少女の夢の世界。

眠り続ける少女の夢。
{netabare}青春の夢と喪失、ここでもそうなのだ。
繰り返される新海誠のテーゼ、{/netabare}
今はまだ手が届かないものに共感する。

歩いても、歩いても道に迷い、
たどり着けない遥か遠くの約束の場所。
自分でも驚くほどの、遠回りを経験して、
日々成長していくものだ。
次こそはちゃんと歩こう、ちゃんと飛ばそう。
そんな気にさせられる繊細な作品です。

空の向こうに広がる透明な空、
空と雲の描写が圧倒的に美しいですね。

浮き上がれヴェラシーラ。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 53

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

近未来的 眠れる森の美女

新海誠監督が2004年に制作した90分ほどのアニメーション映画。
数年前に観た時は、集中できない環境にあったせいか、
あまり入り込めなかったのに、今回もう一度観直してみたら、
以前わからなかったことがわかって納得できた。
それに、この作画のクオリティが8年も前のものだなんて、
今だからこその驚きで。

北国らしい風景、窓や空から差す光線、舞い散る雪やそぼ降る雨。
吐く息の白さや湯呑みから立ち上る湯気、さまざまな時間帯の空の色の変化、
廃屋や駅のさびれた感じ、どこかの小さくて古い飲み屋の壁に貼られたメニュー。
思い出すまま書き出してもまだまだ足りないほど、それらは美しく、繊細。
実写映画を観るよりも感動的な景色に映るのは、
カメラで撮影しただけのものと違い、
人によって綿密に描かれたものだからなのだろうね。
それらを鑑賞するだけでも、まずは価値のあるアニメ映画だと思う。

さて、物語のほうは・・・
一言で言ってしまえば、理系的風味の純愛物語、かなと。

背景にある日本の国家的状況や事情、SF要素をはらんだ部分、
ヒロインの病気であるナルコレプシー(原因不明のまま眠り続ける睡眠障害)
など、自分的にはそれらの要素があって楽しめたのだが
観る人によっては難解だったり、退屈だったり、
無駄なエピソードに感じたりするかもしれない。

ただ、飛行機や脳神経医学、ヴァイオリン、平行世界などの
好きな要素があったものの、確かに欲を言えばもう少し、
主要な登場人物3人それぞれの想いに焦点を絞ったほうが、
テーマは伝わりやすかったのかも。

というか、結果的には1クールで見せる物語くらいの内容だったと思うから、
90分の中に中途半端に盛り込みすぎてしまった感は否めない。
ただその分、ものすごくいろいろ想像させてくれるので、
そういう楽しみ方が好きな人には良かったんじゃないかなって思う。

作中に登場する巨大な塔は、誰もが手の届かないもの、叶えられないものの象徴。
その塔に脳的リンクするヒロインとの、かつての約束を果たそうとする主人公 藤沢と、
ヒロインをあからさまに奪うことなく友情をつらぬく白川。
遠く離れた男女それぞれの孤独感と、自覚することなく通じ合っている想い。

単純なはずのテーマも、壮大なスケールの設定によって
近未来的『眠れる森の美女』を観たような感覚だった。

で、個人的に一番感情移入できたのは、ヒロインでもなく、藤沢でもなく、
彼の親友 白川。

なお、川嶋あいさんの歌われるED『きみのこえ』がとても良いです♪

投稿 : 2024/06/08
♥ : 52
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

次元を超えた想い

新海誠監督作品。

北海道が「蝦夷」と呼ばれ、他国の領土に属している、史実とは異なる歴史を歩んだ世界。
青森に住む、藤沢浩紀(ふじさわひろき)、白川拓也(しらかわたくや)は「ヴェラシーラ」という飛行機を作り、沢渡佐由理(さわたりさゆり)を、蝦夷にそびえ立つ白い塔に連れて行くという約束をする。


まず惹かれたのは、その雰囲気。
美しい風景描写、補色を利用したライティング、そして、要所要所で入るBGMの組み合わせが、独特の空気感を作り、視聴者をグイッと物語の世界に引き込んでいきます。
「雰囲気に飲まれる」という言葉がぴったりです。

そして90分をフルに使った、ストーリー展開。
史実と異なり、日本は北海道とそれ以外に分断され、軍事的な緊張下の中にあります。
青函トンネルも未完成で、塔に向かうには、軍事的に支配されている空を経由して行くしかありません。
約束当時、中学3年生だった浩紀と拓也は、それがどれだけ難しいことなのかまだ分かっていませんでした。
果たして、彼らは約束を叶えることはできるのか。


テーマは「体の距離と心の距離の違い」。
壮大な世界感の中、小さな想いに焦点が当てられています。
ここで、補色を使った光の「対比」が生きてきます。

「手が届くほどに見えているのに、行くことができないその場所」
{netabare}
物理的には白いユニオンの塔を指していますが、平行宇宙にいる佐由理のことも比喩しています。
肉体はそこにあるのに、次元を隔てて存在する佐由理の心。
{/netabare}
それが「雲のむこう、約束の場所」。

同じ想いを持ち、歩み始めた、浩紀と拓也という2人の人物を出したことで、距離感の違いをうまく表現できています。
{netabare}
浩紀は白い塔=佐由理=約束の象徴から直接目をそらすことで距離を取っていました。
それでも、夢の世界、つまり、平行宇宙では、常に佐由理を探し求めています。
拓也は白い塔=佐由理=約束の象徴を破壊することで、早く気持ちに整理を付けたいと考えています。
お互い別々の方法を選びつつも、想いは同じ。
{/netabare}
2人の想いは奇跡を起こし、約束を果たすことはできるのか。
ラストシーンでは、完全に雰囲気に飲み込まれ、鳥肌が立ちっぱなしでした。

なお、量子力学、平行世界、量子重力論といった科学用語が出てきますので、少し難しく感じるかもしれません。
しかし、キャラクターたちが端的に説明してくれますし、あくまで焦点は心の動きにあります。
深く構えることなく、ムードに任せるままストーリーを追っていけば大丈夫です。
{netabare}
平行世界を「宇宙の見る夢と捉える」この解釈は面白いですね。
そこに取り残された佐由理。
この設定だけでも、何本もシナリオが作れそうです。
{/netabare}
小さな心の距離感を、SFストーリーで描き、強烈な雰囲気で引き込んでくれる作品。

SFはロマンのかたまり。
恋もロマンのかたまり。

新海誠監督作品の中で一番好きなアニメ。
どちらかというとセカイ系に属し、完全な解決や、分かりやすい説明を求める人には向いていませんが、一度は観ていただきたい作品です。

投稿 : 2024/06/08
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