スチームパンクで未来なおすすめアニメランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番のスチームパンクで未来なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

82.6 1 スチームパンクで未来なアニメランキング1位
デカダンス(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (633)
2294人が棚に入れました
突如として姿を現した未知の生命体《ガドル》により、人類が滅亡の危機に陥ってから、長い年月が過ぎた。生き残った人々は《ガドル》の脅威から身を護るため、全高3,000Mの巨大な移動要塞《デカダンス》を建造し、日々を暮らしていた。《デカダンス》に住まうのは、日夜《ガドル》と戦う戦士たち《ギア》と、戦う力を持たない《タンカー》たち。ガドルと戦う戦士《ギア》に憧れ、自らも《ギア》になることを夢見る《タンカー》の少女・ナツメは、ある日、無愛想なデカダンスの装甲修理人・カブラギと出会う。夢を諦めない前向きな少女と夢を諦めたリアリストの男。一見正反対のように見える二人の出会いは、やがてこの世界の未来を大きく揺るがすことになる。

声優・キャラクター
小西克幸、楠木ともり、鳥海浩輔、喜多村英梨、柴田芽衣、青山吉能、竹内栄治
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

SD体制にバグは不用だ

2話までの感想{netabare}
1話でいい感じだと思ってたら2話でビックリ。
世界の真実が明かされてその内容にビックリではなく、2話でもう明かしちゃうの?というビックリ。
似てると指摘されてる“進撃の巨人”で例えると2話で地下室入っちゃうようなもんかと。
普通の作品だったらクライマックスに持ってくるネタじゃない?
せ…攻めるねぇ。
この先「盛り上がる展開」が用意されてるからこそのあの2話だと思うのだが…ここからどんな展開が待ってるんだろう?

ナツメが真実を知って反抗するなりしないなり、カブラギが企業を裏切ったり裏切らなかったり、私にはそんなのしか思いつかないけどそのどれでない気がする。
あのカートゥーン系の絵とナツメが同じ画面に映るのがちょっと想像できないんだけど、どうなるのかな?
ナツメビジョンではあのコミカルロボ達もリアルになったりして?それもベタすぎるし違う方向を期待してしまう。
…期待していいのか?

因みに「現実世界をゲーム扱い」って設定は似たのはいくらでもあるだろうけど、私は“エクスパーゼノン”を思い出した。
あれは真実を知って反抗する内容だったけど、それと同じってことは…無いよね?なんせ2話で明かしたからねぇ。{/netabare}

5.5話までの感想{netabare}
ちょっと恐くなってきた。
作品に、じゃなくて、これの設定をガチで理解できてない人が居るらしいことに。
ナツメの居るリアル画世界をゲーム世界・VR空間だと思ってる人が一定数居るらしい。
そういう意見はちょいちょい散見されてたけど、冗談だと思ったら本気らしくて、公式もとうとう説明の画像や動画を作らざるを得ない羽目に。
https://twitter.com/kurishinBH/status/1291936772637614082/photo/1
https://www.youtube.com/watch?v=9emVslQhuBY
いやはや、2話を音声消して眺めてただけなのか、そもそも2話を見逃したのか。
言ったじゃん?「現実世界をゲーム扱い」って、我ながらこれ以上分かりやすい言葉は無いと思うのだが…。
ひょっとして「上位存在が現実の人間の住む世界をあたかもゲームフィールドであるかのように扱ってる」とまで書かないと通じない?
あいや、上位存在って書くとこれまた別の次元の謎存在みたいに解釈されちゃう?
そんな目新しくもない、飲み込みにくい設定ではないと思うのだが…私は“エクスパーゼノン”で例えたけど、最近でもこんなの無かったっけ?
ロボットやコンピューターが支配する世界ってのもよくあるじゃん?
作中の説明もそんなに不親切じゃないでしょう、“フェアリーゴーン”みたいなのまで行けばやり過ぎって言うのも分かるけど。
だったら“ノーガンズライフ”なんて不親切過ぎてチンプンカンプンだぞ。
なにか強い先入観があって理解を阻害したんじゃないか?と思ってるのだが、そんな強烈に印象を固定してしまうような作品ってあったっけ…。

で、こんな角の立ちそうなことを書いたのは危惧してることがありまして。
2話でドーンと明かした設定なので、今後もうひとドンデン返しがあるかも知れない。
もし2話の説明を理解してない人が想像した「誤った世界観」が正解になったりしようものなら、作ってる側が浮かばれない。
なにより“なろう”(全部が全部とは言わないが)に代表される様な「バカ向け」しか作られなくなっちゃうよ。
バカ相手の商売なら、マトモな製品作るよりも宣伝頑張った方が手っ取り早い(制作費に金をかけるよりステマ費に予算割いた方が儲かる)ってことにも…。

3話も「リミッター解除でもしなきゃ痛みも感じない、恐らく人間より高スペックな“ギア”」にとってチュートリアル程度のものでも、生身の人間には大変って表現だと思うのだが、ゲーム世界だと勘違いしてる人はそりゃガッカリに感じるだろう。
ナツメのバグ判定も、かつて死にかけて、実際は息を吹き返したけどチップは「ハイ死んだー」と誤認したって話でしょ。
まぁひょっとしたらウラがあるのかも知れないが、ウラを明かしてもなにも驚きに感じない状態ってのは…。


と、溜まってた鬱憤を吐き出したところで本編感想。
ここでもカブラギが何故か倒せない敵を倒せてしまったと解釈してる方が居る模様、いやリミッター解除してたじゃん。
で、リミッター解除をキッカケとするシナリオ破壊、FF2の初戦くろきしやFF3の初期バハムートやネプト竜を倒してしまった感じか。
ゲームならフリーズするか何事も無かったように進行が続くけど、こっちは現実の世界をそう導いてただけなので、イレギュラーが起きたら運営の意図しない挙動が発生した…のか?
TRPGだったらむしろここからがGMの腕の見せ所になるのだけど、どこまで想定済みなのか分からないので様子見。
オメガファイターの1周目エンディングみたいな引きだったけど、運営の「シナリオ外」のガドルは敵対的なのかどうかも不明だしなぁ…パイプが橋渡ししたりして?
リミッター解除がバグ(運営の意図しない挙動)の発生源なのでそこに踏み込んでく展開に…なるのかね?{/netabare}

追記{netabare}
ちょっと辛口過ぎたかなぁと思って、理解を妨げるものは一体なんだろう?というのを考えてみた。

サイボーグそれぞれに個性があり、デカダンス(ゲーム)をさせてランカーなんていう他者との比較を推奨しておきながら、はみ出し者(バグ)を排除するというのは矛盾を感じる。
リミッター解除を欲する欲求だって、結局は「他者よりも上位になりたい」「他のヤツらと違うところを見つけたい」と思ってしまうことが大きな原因だろう。
だったらサイボーグの製造段階で無個性・均等・画一的にすればいい、もっと言えば感情なんて無くていいのになぜそれをしない?娯楽が必要な理由も正直ワカラン。

というのが理解を妨げる障壁になってるのかな?
製造の材料なり何なりで「サイボーグに個性が生まれてしまうのは仕方ない事情」が今後明かされる…とは思うのだけど、明かされなかったら…アハハwそりゃ仕方ないww{/netabare}

6話感想{netabare}
前回ドームの外は大量のガドルが居て絶望的な演出で終わったけど、実際はその後平和が続いてるみたいで案の定システムによる調整前のガドルは凶暴ではないっぽい。
パイプでそれっぽいヒントは出てたし新たに気弱そうなガドルまで登場して、実は友好的ないしガドルも結局システムの被害者って展開になったりして?
一方の矯正施設。
あれ?小山力也声のキャラは前回普通にギアで戦闘参加してなかったっけ?
てっきり前線復帰してたんだと思ったら矯正施設に居て「あれ?」と思い、前回を見返したら5話の力也声のキャラ名はドナテロじゃなくてドトキンでした。
あー、ドナテロの不正アカウントのキャラってことか?
じゃあカブラギがログインしたらドトキンになる?と思ったがタイトルでニューゲームを選んでたので違う、かも?
しっかしまぁ、この話をやるためにサイボーグ側はあの絵柄にしたのかね?wリアル絵でやったら“砂ぼうず”のアレになってただろう。

カブの処刑を取り止めにさせた「横槍」が何者なのかは明かすと思うが、個人的にはあの不正ログイン機材やそもそものリミッター解除のチートコードは誰が作ったん?どうやってカブの手に渡ったん?というのも気になる。
そっちもちゃんと触れてくれるかなぁ?ジル(一つ目のヤツ)が何か握って…ないのかなー、どうかなー。{/netabare}

7話感想{netabare}
巨人に岩運ばせて大穴塞げばいいんじゃね?と思ったのは私だけじゃないハズw
巨人も居なけりゃピクシスの様なリーダーも居ない、そんな状況のifストーリーというか…やっぱり“進撃の巨人”の影響は強く受けてそう。
それまで壁の外で戦闘をやっててピンと来てなかった・他人事の様にしか思ってなかったタンカーが、自分達を守るために戦ってるナツメ達を身近で見て考えを改める…みたいな話かな?と思ったらちょっと違ってた。
人間はそこまでホイホイ考えを変えられるものじゃないってのを見せようとした気はするけど、結局展開早くてポンポンとコトが進んでしまった感じ。
気丈で前向きなキャラだと思ってたナツメが、実は心折れるギリギリのところをなんとか踏ん張ってただけと知ってカブが奮起するところで次回へ──。

カブのスクラップ決定に横槍を入れたのはミナトみたい。
ってかミナトが妙に女っぽい気が…本体は女性型だったりして?{/netabare}

8話感想{netabare}
あれ?
ミナトにそんな趣味あったの?前からそういうの匂わす描写ってあったっけか…?
実は前回も大穴開けられる描写が無くて、「まぁ粒子砲撃つガドルが居るのは分かってるから無くても構わないけどさ」と気にしない様にしてたのだが、同じようなことが繰り返されるとちょっと。
描写無くてもいいけどあった方がいいよね、って部分が目立ってきた気が…あんまりこういうのが多いとちと残念かも。
でもう一つ言うと、今後カブは組長ではない素体で行動することになって、ナツメはいつ気付くのかあるいはずっと気付かないのか、そこら辺が見所になるのかな?と思ったらアッサリ組長素体でナツメの前に登場。
あくまで個人的に期待した展開と違うってだけで、それで悪いだダメだと言うつもりは無いが、なんか盛り上がるポイントを外されたような…いや、まだ「生身の人間じゃなくて素体だ」って気付かれるかどうかの展開がありえるか。{/netabare}

9話感想{netabare}
2話でインパクト受けて5話くらいまで同じレベルのインパクトを期待してワクワクしてたけど、ここんトコなんか停滞してる感じ。
サルコジの顛末は「まるで三条陸の作品みたいだぁ」と笑って見てたけど、えっ、ターキー普通に裏切り者で普通に処分して終わり?
もう一ひねりあると思ったのだが…だってリミッター解除がバレて、査問を受けて、その時フギンの望んだ通りの回答をしなかった奴らが地下送りになったんじゃないの?
素直にシステムに従うつもりなら最初から地下には居ない、少なくともドナテロと処遇は違うと思うのだが…あれ?
ひょっとしてカブはミナトの口ぞえで特別にタンカーの監視という処置で済んで、他の連中は問答無用で地下送りだったとか?

それとガドル工場の破壊、ナツメ連れてく必要あった?
ま、まぁ結果論か、サルコジがあそこまでしてくれるのは想定外で、サルコジのお陰で予想よりも簡単にミッションが果たせたんだろう、と解釈しよう。
それでも工場を破壊するとガドルが消滅するってのはよく分からない。

個人的に一番引っかかりを覚えるのはカブへリミッター解除のプログラムを渡したのは誰かで、ナツメがバグなのは偶然の誤作動で納得できるけどこっちはそんな偶然では済まない。
ジルがなかなか謎めいたキャラに描写されてるのでそこと繋がってくれると嬉しい、ソリッドクエイク社以外の会社の手の者だったりして?
まさか「システム」自体がバグの芽を撒いてるってことは…“地球へ”じゃないんだしまさかね、ハハハ。{/netabare}

11話までの感想{netabare}
あははw
同期放送の“天晴爛漫”の方で「小雨は天晴号のAIになる」と冗談言ってたらこっちでカブがデカダンス号になってもうたww
ソリッド社がメギドだかイレイザーだか発動させるもオメガを倒すこと叶わずサービス終了が決定とのこと。
実は前回辺りから「これちゃんと完結するのかなぁ?ひょっとしたら同監督の“デスパレード”みたいな終わり方になったりして?」と不安に思ってたのだが、デスパレードよりは一歩前進した感じかな?
それでもやっぱり綺麗に終わらずにボヤけた感じで幕引きしそうな予感がしてならないが…。
できればソリッド社は墜ちて欲しい、まぁこれは私が天空都市は落ちてナンボという価値観を持ってるせいかな。
地を這って必死に生きてる連中を上空から高見の見物してる奴が居たら引きずり下ろしたいと思うのはエンタメとしては王道だと思うんだけどなぁ。

それとサイボーグ側のカートゥーン系の絵柄とナツメ側の絵柄、両方が同時に画面映る時はどんなのになるんだろう?と期待したが、案外アッサリ。
後になってから言うのもなんだけど第三の絵柄…そうだなぁ、思い切り劇画とかになるのを期待してたんだけどそんなことは無かった。
それこそ“惡の華”みたいにナツメがブッッサイクになったら絶賛するつもりだったのになぁ…残念。
ナツメがサイボーグを見てどう反応するかはパイプで予習済みなので順当、カブはナツメに対してビビリが過ぎる。
一方でミナト…こっちのがヒロインなんじゃねーの!?
なにかの手違いで女性のコアに男性のガワを付けてしまったなんて展開は無い?無いのかなぁ?{/netabare}

12話感想{netabare}
いやぁ思った以上に綺麗に終わって良かった良かった。
…ん?本当に良かったのか?

案の定「システム」に関しては“地球へ”のグランドマザーと瓜二つ、それでいて踏み込みが一歩足りない感じ。
地球へのTV版ではシステムの申し子のキースアニアンの声優は子安で(「SD体制にミューは不用」って言ってた気がするぞ?)こっちのフギンと一緒だったワケで、スタッフも知らない訳ではあるまい。
ミューポジのナツメは身体障害者だし、シロエやマツカが女性っぽかった(マライヒもといトォニィは、まぁ…)ところもミナトと被る。
そう考えるとグランドマザー役が三石だったのも折笠に匹敵する役者ってことで選出したのかなー?と確信犯的なモノも感じてしまう。
最終回突然ナツメがνガンダムになってアクシズ返しをし出したのも狙ってるっぽい。

なにより見てる最中「あれ?」と思ったのは、オメガは別にシステムの暴挙により襲ってきた・システムに操られてた(=システムの代表)『ではなく』単に自分の意思で生きようとしてただけ。
そいつと対決したところで「倒すべき敵はソイツじゃない」って感じてしまうし、むしろガドル工場で虐げられてたガドルが復讐に立ち上がったようなポジションな訳で、いじめを続行しただけのようにも思えたり思えなかったり。
なんか「倒すべき敵はソイツじゃない」ってところを演出で誤魔化そうとしてるキライも…あ、そのためのアクシズ返し?
オメガは共闘…まではいかなくてもパイプの説得で身を引くとかで良かったのでは…。
ってかパイプどこ行ったん!?
「9話感想」で触れたけど、ガドル工場破壊でガドルが消滅という原理にはいまいちピンと来てない。
自壊命令みたいのが発令されたのではなく工場破壊だからねぇ、常になんとかフィールドが張られててそれが途切れたって解釈の方が自然だと思うんだ。
で、いずれにせよバグでチップが機能しないであろうパイプは影響受けないのでは?と思ってたんだが…あれー?
何歩か譲ってパイプ殺したのは善しとしても、その反面カブ復活させてしまうのは…あれれー?
バックアップ取っておけば復活可能→寿命設定はどうした?
“ゼーガペイン”じゃないんだから…ってかあっちは散々「そういうことは基本無理」と念を押した上で成し得たことで特別感を演出してたけど、こっちは設定が突然生えてきた感が否めない。
だったら沢山複製作っておけばいいじゃん、とどうしても思ってしまう。
素体もどうしたん?フギンのGM素体を乗っ取るとかもちょっと期待したんだけどなぁ。{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
本来もっと後半でするであろう「世界の謎のタネ明かし」を2話で早々に行い、じゃあ後半もっとビックリな展開があるのかな?と期待したがそれは無かった、早目に明かした効果はなにも生かされてなかった気がする。
2018に放送されたオリジナルアニメ“LOSTSONG”が世界の謎を明かすのが遅くて「引っ張りすぎだ」という声が当時結構上がり、それを受けてこっちは急いだってことは…まさかね。
というか掘り下げがまだな中いきなりドンとデカいタネ明かしをされて付いていけない人が続出だった模様。
これなら素直に9話(ガドル工場破壊回)でナツメが真実を知るのと同じタイミングで視聴者にタネ明かしするで良かったような気がする。

内容は色々な既存作品の要素が散りばめられ、その中でも特に“地球へ”の影響を強く受けてるように感じた、個人的には。
これは“クジラの子らは~”や“ダーリンインザ~”もそうで、あまり言い過ぎると「じゃあ一生地球へを見てろ」と言われそうだけど、そうじゃない、そうじゃないんだ。
劣化コピーや切り貼りではなくブラッシュアップが見たいんだ。
果たしてこの作品はブラッシュアップされてたか?と考えると…ど、どうなんだろう?
まぁ1クールに収めるにはこれが限界なのかなぁ?と思わなくもない。
けどそうであるなら尚更、2話でタネ明かしなんかしないで9話に回せばもっと余裕作れたんじゃない?とも。
ぶっちゃけナツメの存在も物語に必要だったのかどうか不明、だったらミナトやジル、マイキーの掘り下げをもっとした方が良かったような?
企画当初ナツメは「視聴者と同じ目線・興味の誘導役」という立場だったのが、2話でタネ明かしをすることにより宙ぶらりんになってしまった…なんてことだったりして?と穿って見てしまう。
「重大な秘密を視聴者は知っててキャラクターは知らない」という作りの場合、どうやって秘密に近付くか・秘密に触れた時どんな反応するか(キャラが冗談で言ったことが実は真実で、見てる方が「いやそれシャレになってねーよ」とヒヤっとするとか)が関心ポイントになると思うのだが、妙に物分りが良くて肩透かしだった。
最後の締め方も「みんな物分りが良すぎ」という気がしないでもない。

と、結構辛口なことを書いてしまったけどなんだかんだで一応は完結してるし、途中危惧した“デスパレード”みたいなことにはならず前進した感じはする。
傑作とは言い難いが佳作。
「早目にデカいタネ明かしをしといてその後大したドンデン返しは無い」という作品の代表例として今後名前が挙がるかも知れない。{/netabare}

追記{netabare}
そうだ思い出した。
内容が似てるというより、想像でしかないけど制作の進行状況が似てるような感じの作品、“ID-0”。
あれは{netabare}人間がロボットにログインするって設定で、ログイン中に本体を失った主人公が自分は何者かについて悩む話。
最後は「主人公の本体」に嫉妬と憧れを抱いてた敵のボス(これも子安だw)に「お前はアイツじゃない」と言われて自我を獲得して終わり、みたいな展開でした。
で、作中ヒロインは居るには居るのだけど、企画当初は考えてなくて途中から登場を決めたという経緯があるらしい。
そのせいか先述の主人公が自我を獲得する部分には係わってなかったりと、「果たしてヒロイン必要だった?」と首を傾げるような扱いではあった。{/netabare}

そうだそうだ、これの一件が頭のどこかにあって、ナツメの登場って後から決めたんじゃないか?と思ってしまった…のかも知れない。
因みにID-0では「ヒロインに教えてあげよう」って体で中盤ラスボスが懇切丁寧に世界の謎について説明してくれる回があります。
つまりはヒロインが視聴者の目線キャラで、デカダンスではそれすらも務めてないので、より一層ナツメの必要性が希薄に感じてしまった…のかも?{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23
ネタバレ

食前酒 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アニメオリジナル作品

【第十二話】(総評も含みます)
{netabare}最終話でした。デカダンスならぬカブダンスということでカブラギが大型ガドルと一騎打ち。カブダンスを動かすために周りに散らばっているパーツを拾い集めて何とかラスト一撃を叩き込めるだけのパワーを取り戻す。そして大型ガドルに渾身の一発を発射しますがあとちょっとでオキソンエネルギーが足らない。カブラギは自らのリミッターを解除することでエネルギーを補充させ、無事大型ガドルは木端微塵に。最後までアクションの作画ももちろんキャラの表情もよく、迫力もあってよかったと思います。最後はカブラギが死んでしまって感動シーンも。しかしその後のミナトとジルのやり取りを見ているに何らかの方法でカブラギは蘇生できたと考えるべきでしょう。デカダンスも新たに生まれ変わって、全部丸く収まったわけですがう~ん…。正直ラストはちょっと物足りない感あったかな。確かにカブラギのリミッター解除の件は二話、三話で話してたことを体現していて面白いと思ったけど、やっぱり問題はナツメ。ナツメも一応ガドルの部品集めたりいろいろ貢献してたんだろうけど、もうちょっとナツメにもバリューポイントというか、ミナトやジル、ドナテロみたいにナツメにしかできないようなものが見たかったかな。ナツメの表情作画とかキャラ設定も悪くなかったし、大人になったナツメも美人で良かったからそこは少し残念。でもアニメ全体としては今までに見たことないようなものが見れて私的にはそれなりに楽しめたかなと思います。オリジナルアニメだけに二話の急展開とか独特の世界観、ロボバトルチックなところもハマった人には楽しめたかと思います。アニメのあらすじとか二話の急展開がどんなのか気になる方は是非見てみてください。まぁ序盤の方見て面白さを感じなかったら多分最後まで楽しめないとは思うのでそこは人それぞれですね。{/netabare}

【第一話】
まず世界観は面白そうだなと直感したけど、如何せん私はロボ系、機械系に疎く楽しく見れるかどうか…Bパートでデカダンスが少しだけ動きますが案の定そこまで熱くなれませんでした。今後はキャラの関係と作画美術を楽しむことになりそうかな。
【第二話】
冒頭から一話とまったく違う雰囲気。この作品の世界観が明らかになった回でした。賛否の分かれる設定だと思いますが、個人的には悪くはないと思いました。否定されている方もまだ2話の段階でこのアニメの評価をするのは尚早だと思いますよ。監督さん脚本、シリーズ構成の面子から二転三転あるだろうし、ナツメの正体も世界とどう関りがあるのか楽しみです。
【第三話】
{netabare}デカダンスの世界観が徐々に明らかになってきました。デカダンスは地球滅亡直前に開発された人類最後の防衛線的な施設で、人類はサイボーグによってつくり替えられたというお話。そして、ナツメがバグ判定される理由等々名立たるスタッフ人だけに抜かりは少ないですね。二話で切らなくて正解でした。話の展開的にカブラギとナツメ率いるバグ許容側とバグは絶対不要側に分かれて対立が起こるのかな。いずれにせよまだまだこれからだと思うので期待してます。{/netabare}
【第四話】
父が取り戻したかった地球、人間の居場所。そして父を殺した(今の段階で)とされるガドルを駆逐する。そりゃこれだけ思いを抱えていたらナツメをどう止めったって戦いに行くでしょうね。王道展開ではありますが細かい描写やワンカットごと丁寧な作りだったので退屈はしませんね。
【第五話】
{netabare}今回は終始戦闘です。なかなか面白かったです。知識を持つ敵ガドルとの戦いでナツメは戦う恐ろしさと必要な力に気付きます。そんなナツメを守るためにカブラギが助けに入りますが、なんだか急に不穏な状態に。カブラギが敵ガドルを倒したがために何かの計画を狂わせた?的な感じでしたがまだ何が何だかさっぱり。そして最後にはカブラギが計画を狂わせた罰か、それともカブラギという「バグ」を排除するためか殺されます…。まだまだ話に裏がありそうな感じでいいですね。{/netabare}
【第六話】
前回のカブラギの失態によって今回はその罰としてガドルのクソ処理をさせられることに(笑)。見終わって思ったのは何だこのアニメはですよ。ほんとに何がしたいのかここまで来ても鮮明に見えてこない。だからある意味楽しみ。
【第七話】
{netabare}面白かったです。前回終わりからつづきカブラギがアカウントを偽装してタンク内に潜入するという内容。本部指令によりガドルによって故意に破壊されるタンクの壁。破損の規模は甚大で人(タンカー)では簡単には修復できるものではありません。そんななかナツメは率先して修復のための人員、材を集めます。ナツメの呼びかけもあってなんやかんやで修復作業に取り掛かるタンカーたち。カブラギもタンカーにここまでの行動力と結束力があったことに驚いたでしょう。Bパート終盤にナツメとカブラギが二人で話します。ナツメの言葉にカブラギは我を見、本当に必要なモノは何か、いらない"バグ"は何なのか気付きます。このときのシーン全体の描写(色使い、カブラギの燃えてる感じ、ナツメの涙)すごく良かった。そして最後にカブラギは仲間に「ガドルを消滅させる」と言い放ち、仲間がさりげなくぽろっとこぼします。「あんたがホントのバグだよ」。いや~良い!今回までで一番いい回です。ナツメのタンカーたちに思う気持ちも伝わったし、何よりカブラギがナツメに振り切ってくれたのがばっちり決まってたように思います。{/netabare}
【第八話】
{netabare}ガドル工場をぶっ壊しデカダンスも終わらせると決意した前回から、今回はまずカブラギの体を取り戻しに動きます。カブラギの体はミナトによってかくまわれており割とあっさり回収できました。合わせてプレイヤーたちが注入していた緑の液体がガドルのク〇からできていたという衝撃の事実も判明しました。これでク〇工場をぶっ壊す理由が彼らにもできました(笑)。その後カブラギとミナトが面会し事情を把握します。でもミナトは不満そうです。果たしてミナトはカブラギに味方するのか否か。多分しますが(笑)。まぁ今回は下準備回ということで特段可もなく不可もなくといった感じです。{/netabare}
【第九話】
{netabare}面白かったです。ついにカブラギはナツメをつれがどる工場をぶっ壊しに行きます。カブラギ陣営のメカニックによって深部まで潜入できたもののそこにはゲーム警察のフギンの姿が。ここで今回思わぬ活躍ぶりだったサルコジ。サルは前回あたりから仲間に悪巧みを持ちかけられどっち付かずでしたが、最後には見事に寝返ってくれました。サルの最後の行動にはちょっとだけ熱くなった。熱くなりきれないのはあのビジュアルのせいか(笑)。それからガドルのク○工場はサルのおかげで破壊、カブラギもフギンをなんとか退きます。その後カブラギとナツメによってGGSなる装置を作動させ全ガドルを停止。世界の真実を知るナツメは何を思い、どう行動するか。次回が楽しみですね。{/netabare}
【第十話】
{netabare}想像以上にわかりやすい展開。デカダンスはスタッフが大物ばかりだから期待のハードル高くし過ぎたかも。カブラギに世界の真実を告げられて拗ねるナツメとかこのアニメであんな展開はあまり好きじゃない。その後もガドルのク〇工場から案外楽に突破しちゃったりサイボーグが寄生虫みたいなのに殺されたり。私的にちょっとつっかっかるところが多かった。極めつけはナツメの目の前でカブラギ素体がフギンに殺されたところ。カブラギとナツメの行動を把握しておいてあそこまで生かしてわざわざナツメの前で殺すってわかりやすすぎるしフギンの行動も謎。来週その補足があるとも思えないしデカダンス自体に興味をそそるものが無くなったかな。でも最後の最後に今回のこの感想文が全部ひっくり返るような展開があったらと考えるとやっぱり期待してしまいますね。デカダンスならやりそうなので(笑)。あと残すところ数話ですが最後まで楽しみにしたいと思います。{/netabare}
【第十一話】
{netabare}冒頭前回カブラギ素体を殺したフギンがカブラギ素体Ver2に反撃されフギン呆気なく撤退。前回から突如現れた謎の超大型ガドル。デカダンスで反撃するもののガドルの方が一枚も二枚も上手でカウンターを食らいます。デカダンスは戦えなくなります。ここでシステムがデカダンスを一時終了させると命令。デカダンスの終了=ナツメ消滅ですから当然カブラギは阻止しに動きます。ジルの妙案でなんとカブラギをデカダンスに接続させて操らせると言う。何でもジルはもともとデカダンス運営の中枢にいたらしくシステムのバグや抜け道をいろいろ知っているだとか。最後カブラギがデカダンスに接続する直前に現れたミナト。ミナトは未だにカブラギの行動の意味が分かりません。ナツメといういわばゲームの中の人物のために自分の命かけてるわけですからね。そんなミナトも最後にはカブラギに協力。バグは本来システムにとっては痛手にしかならないが、要はバグも使いようによっては進化の糧になるということですね。バグをバグのままただ消滅させるだけでなく視点を変えてどう再利用するか。勝手な感想ですが私なりにいろいろ考えれて面白かったです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

こういうのが、最初からグローバルスタンダードなのかも

良かった。楽しかった。The 娯楽作品として一見の価値ありと思います。

それこそHollywood、Pixar映画のように最初からすっと入っていけ、そしてそれなりにじんわり出来たり、アクションに興奮できたりする、上質なEntertainment作品だと思います。なんかこんなことを目指すことをうたい文句にした「和」を目指した感じの別作品があったような気もしますが、よく知りません。

作画は、静止画としても動画としても上質です。見せ方も上手く、戦闘シーンでの疾走感はなかなかのものと思います。「進撃」を映像では一切見ていないのですが、きっとあんな感じなのでしょう。おそらくは賛否両論あろうキャラデザインですが、僕としては最終的に違和感を感じなくなりました。人間タイプのキャラデザはかなり好きな部類です。主としてCGなのでしょうが、デカダンスや最初と最後の敵の「大きさ」を感じさせるアニメーションは良かったと思います。きっと、もっと「おおきく」出来たんだと思いますが、やり過ぎると尺が嵩むのでしょうか。ちょっと物足りないなぁと感じたのも事実です。

音楽はOP、ED共にだいすき。疾走感と共にぐわっと持ち上げるOP(+OP映像)。じんわりと聞き入らせるED。いずれもよいです。劇伴も良い感じで、SkyrimのBGMっぽさもある(わかるひとだけなんとなくわかって頂ければ・・・)、ケルトっぽさを感じるコーラス入りの劇伴がお気に入りです(こういう曲、なんていうジャンルなのでしょう?)。

キャラ、演技はについては何ら思うところがありません(良い意味で)。ナツメの性格付けはちょっと苦手な部類なのですが、演技はとても良かったと思う。

物語は、、、、なんて言うか、「よくある話」を一風変わった舞台装置に乗せ、その上で実直・丁寧に遂行したという感じです。作品が語ろうとしていること自体は目新しさはありません。キャラ配置もそういう意味では「よくある構図」に思います。でも、実によく語られ、まとめられたという印象を受けています。そういう意味でも、よく出来た(それこそハリウッド映画的な)娯楽作品だと思います。

なんか感想がまとまらないのですよねー。

以下、とりとめもなく。ダラッと長いっす。
{netabare}
-- 音と映像のマッチング:静寂の破壊力{netabare}
シンフォギア第一期をこよなく愛する僕としては、格好いいアクションやシーン転換と劇伴の調和に目を向けてしまいました。
その観点では、結構楽しめたし、他の作品ではあまりしてくれない、でも僕が好きな「調和」の仕方を見ることが出来て良かったです。
劇伴や効果音、セリフを止めた「無音」の使い方が良かったなと感じています。第一話の終盤が典型的な例ですが、組長がナツメを拾いあげに来るシーン、デカダンスキャノン発射直前など、短いですが無音に近くなる、あるいは、音を限定する瞬間があります。激しいシーンに挟み込まれた一瞬の静寂って、結構目立つんですよね({netabare}これ、プレゼンでも効く。ちょっと間をとると、その瞬間聴衆の注意が向く。逆に淀みなく蕩々と語られるプレゼンって、終わってみると何にも残らないことが多い{/netabare})。本作は、その静寂とそこからの劇伴・効果音+アニメーションのダイナミズムを上手くあわせて描かれるシーンがいくつか見られました。シンフォギア1期の最終盤で感じまくった「首から後頭~頭頂部がちりちりする感じ」にはちょっと及びませんが、似た感じを本作でも味わうことが出来、楽しめました。最終話も、同じ理由で良かったと感じる箇所がありました。

OP映像もちょっと変わった感じがして気になりました。曲終わりのスネア(?)4連発にあわせて、デカダンスのライトを「消す」部分です。曲の特徴的な部分には「オン」を重ねることが多いように思うのですが、逆にオフを重ねてきたことにおもしろさを感じました。OP映像全体の曲と映像の嵌まりそのものは並くらいかなと思いますが、この部分が妙に気になりました。
{/netabare}

-- いやちょっとわかんねーんだよな・・・{netabare}
--- ソリッドクエイク社とサイボーグ{netabare}
世界観、設定に関する部分では、消化し切れていないというか、納得できていないものがあります。デカダンスの世界を作り出しているソリッドクエイクとサイボーグの存在が相互に矛盾しているように思えるのです。

ソリッドクエイク社の企業目的って何なの?企業体としての「利益」はいったい何で、それは誰に対するものなの?おそらく、他企業と争う形で存在しているものではなく、社が保有するサイボーグが会社を構成するものであり、同時に企業が提供する各種の財の享受者であろうことはわかる。その意味では、ソリッドクエイクは企業ではなく国家に近い存在なんだろう。ソリッドクエイクとサイボーグの関係は、いわば国家と国民の間の相互義務関係に当たるんだろう(税・勤労の提供に対する、生存・権利・財産の保証の提供のような)。その観点に立てば、ソリッドクエイクとシステムは国家&独裁政権、サイボーグ達はそれに属する国民のような立ち位置になるんだろうと思う。

で、ソリッドクエイクはサイボーグ達の燃料たる「オキソン」を何らかの見返りとしてサイボーグ達に提供しているわけだが・・・そのオキソンはデカダンスに生存する(デカダンスにて製造する)ガドルから得られる。とするならば、ソリッドクエイク社に所属のサイボーグ達は、半強制的に「デカダンス」に参加あるいは、デカダンスに関連する作業に従事するべきで、これはむしろサイボーグ達の娯楽ではなく労働現場におもえる。が、幽霊アカウントもあるらしいし(最終話)、デカダンスをよく知らないサイボーグもいる(2話など)。

何を言いたいのか自分でもよくわからないところがあるのだが、この世界、サイボーグ達にとってのデカダンスの位置づけがよくわからないのです。サイボーグ達の「生活」が描写されなかったせいかもしれません。

視点を変えて、独裁政権・システムにとって最もありがたいのは「盲目なる国民」と思われます。特に第3話で述べられている内容からすると、です。その視点でわからなくなるのが、システムがなぜ未だに作品世界で表現されるようなサイボーグを維持しているのか、です。端的に言えば、「コア」壊しちゃえば良いじゃん、です。正確な描写があったかどうか憶えていないのですが、サイボーグに搭載されている「コア」がサイボーグ間に見られる個性の源だろうと思われます。そして、おそらくそれは旧時代の人間に由来する、再生産不可能なものなのではないかと推測します(2話でスクラップになるサイボーグからコアが取り出される際、[貴重な資源]であると言われていた。ちょっと飛躍していますけどね。あー、でも、だとするとデカダンスに搭載の「コア」はどこから来たんだろう・・・?)。サイボーグ自体は「換えが効く存在(マイキー)」であり、既に人間換算で数世代にわたって製造→廃棄→製造が繰り返されていたはず。で、なんでその都度システムから独立な(ジル発言)コアを盛り込む必要があるのだろうか。これは、結局ソリッドクエイク・システムが「是」とするものがなんなのかがよくわからないために起きている疑問な気がします。コアと個性の関係が間違いだとしても、そもそも個性を許容すること自体が大きな矛盾に思えます。

社是不明、なんか矛盾を感じるっていうところから、結局最終盤で展開されるシステムの言い分もよくわからないまま終わってしまいました。{/netabare}

--- その後のデカダンス。。。なのだが{netabare}
結局、「人類の所有権」はソリッドクエイクが握ったままなのよね?自治を認めるとか、そういうことになったのだろうか。それもまた、システム並びにソリッドクエイクが目指すところ次第なのだけど、2,3話で語られた話と矛盾する気がするんだよな。{/netabare}
{/netabare}

-- 「海外の反応」的には今ひとつだったっぽい{netabare}
こういうのが、最初からグローバルスタンダードなのかも、などといっておきながらですが、海外Reactorからの評価は二極化した印象です。やはり、第2,3話が鬼門になったようで、そこでリアクションをやめる方が多かった印象。でも、そこを超えた方は最後まで観ていましたね。{/netabare}

-- 追)そういえばサブタイトル{netabare}
車か飛行機か、いずれにしても動力、制御、伝達で構成されていたのが最終話になって「decadence」。第1話以外、特に各話と対応しているとも思えず、これは何を意図したものだったんだろう。{/netabare}

-- 追)バグといえば{netabare}
ストライクさんのレビューで「ゲームにバグは」とあってふと思い出しました。初代ファミコン時代のFinalFantasy、、、確か4だったと思うけど、あの飛空挺のスクロールスピードって、ファミコンの「バグ(詳しくはよくわからない)」をFF開発に携わった天才エンジニア(イラン人だったか、イラク人だったか、アジア出身の方)が積極的に利用した結果実現できたものらしい、って話を昔聞いたことがあります。バグも善し悪し。{/netabare}
{/netabare}

[2020/10/12 v1]
[2020/10/19 追) 追記]

投稿 : 2024/11/02
♥ : 37

69.4 2 スチームパンクで未来なアニメランキング2位
MEMORIES(アニメ映画)

1995年12月23日
★★★★☆ 3.8 (217)
1035人が棚に入れました
大友克弘が製作総指揮と総監督を務めた、3話から成る劇場用オムニバス・アニメーション大作。遭難した宇宙船を舞台にした、大友の同名漫画を今敏が脚色したSFドラマ「彼女の想いで」。誤って実験用の薬を飲んだ男が巻き起こす一大パニックを描くブラック・コメディ「最臭兵器」。大砲を撃つための街に暮らす少年の日々を綴る大友監督作「大砲の街」。いずれもセンス・オブ・ワンダーに彩られた奇妙な味わいが特徴となっている。

声優・キャラクター
磯部勉、山寺宏一、高島雅羅、飯塚昭三、堀秀行、羽佐間道夫、大塚周夫、林勇、キートン山田、山本圭子、仲木隆司
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

独特な世界観

話の筋がまったく別々のお話が3話入っています。

第一話は未来のお話。
2092年、一仕事を終えた宇宙船がたまたま拾った救難信号。
それが発信された場所へ行ってみるや否やそこはみ見たこともない宇宙のゴミ溜めだった。
しかし救難信号があるということは、生存者の存在を意味することに他ならない。
仕方なく救出に向かうお調子者のミゲルと堅実なハインツ。
そこで彼らを待ち受けていたものは時間と共に凍りついたお城と1人の女性だった。

{netabare}

個人的にはあまり好きではない終わり方でした。
屈折した愛は永遠にまっすぐ飛び続けるということはなく
閾値を超えてしまうと天地がひっくり返るように
まったく別のものとして宇宙をさまよい続けることになる。
ミゲルは見事に夢の温かい泥の中に沈んでいき
ハインツは現実のサルベージを受けることができた。
でもなにも宇宙船で待っててくれた2人まで殺すことはないのにと思いましたね(笑)
結局、あの星にもミゲルにも救いが一切ありませんね。
残酷でした。
またそれとは逆にその星は非常に教訓的で象徴的なメタファーだとも感じました。
思い出は安易な幸福感と充実感のためではなく、
その人自身の原動力となり、生涯の糧となるような熱源であって欲しいですね。

現実的効用のあるストーリーだと僕は思います。


{/netabare}





第二話は笑いの要素を含んだお話。
薬品の研究に携わる研究員、田中信夫。
鈍感で、ちょっと抜けてる彼は風邪をひいてしまい
聞き覚えのあるデザインと同じ薬を飲んだら、あら大変という感じ。

個人的にはこういう話なら両さんの方が面白いと思いました(笑)


第三話は『大砲の街』。
大砲を打ち続ける街に住むある一家に目線を絞りその一日を描いた作品。
画も絵本チックで不思議な作品です。

{netabare}

いもしない敵に向かって大砲を放ち続ける姿は何かの儀式みたいでした。

あの大砲に意味はあるのでしょうか。
何かに怯えているのか。
権力のみせしめなのか。
大砲しかない街が大砲を失わないようにしているある種ひつようなことなのか。
はたまた軍事国家の悲惨さなのか。
無駄なことばかりしている政治の風刺なのか。

いろんなことを考えてしまいますね。

{/netabare}


全体的にこの映画はリアルです。
アニメではあるけれどなにか現実的なところに惹きつけられます。
それは画であったり、人の動きや会話であったりと。

こういった一味違った映画もいいものです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
ネタバレ

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

1995年といったら攻殻劇場公開、エヴァTV放送と華々しく、ジャパニメーションなんて造語も流行ったときで

その同じ時期の作品にして、
当時、ジャパニメーションの御曹司のようにたてまつられ、また、「童夢」とか「AKIRA」とかでMANGAの旗手のようにも言われてた、大友克洋さん原作の3篇の短編からなるオムニバス作品で、大友さんが全体監修兼3作目の監督をつとめたのがこのアニメ。

このみっつの短編なんだけど、
妄想幻覚系SFホラー、SFミリタリー+サスペンスコメディ、セカイ系の元祖みたいな鬱ファンタジー、と、3作3様のアプローチで愉しませてくれる。
まあ全体のトーンは鬱に尽きるんですけども。そして、万人向きではないけれど。「グロは嫌だけど心理的に追い込まれる鬱系作品が好き」な人には、ぜひにとお勧めしたいアニメです。


{netabare}
最初が「彼女の想いで」。宇宙空間での、尻の浮くような不安定感がよく表現されていて、そんな中で、幻覚装置に取り込まれて夢の中を生きることになる宇宙船員と、宇宙に放り出されてしまってひとり漂流していく宇宙船員の、それぞれの孤独な末路が描かれる。
ガンダムでは表現できなかった、宇宙空間の怖さ・寂しさが秀逸。

2番目が「最臭兵器」。間違って飲み薬を飲んだだけで、意図せず無双の殺人兵器化しちゃった山梨の研究所の職員が上司の指示と誤解のために東京を目指す話。無双化というのが、「めちゃくちゃ臭い」というのがポイントで、人を殺すばかりでなく電子機器まで狂わせてしまう。この職員を殺す以外に東京を守るスベはない。ということになって最後は米軍まで繰り出して、という凄惨なはなしをサスペンス風味のコメディタッチで描く。オチが読めちゃうのが難点だけど、この無双化した職員の暴走が面白い。

出色なのが、三作目の「大砲の街」。エヴァの使徒迎撃用要塞都市みたいな、敵を砲撃するための大砲だらけ、砲手だらけの暗い街が舞台なんだけど、はなしの中では、攻撃する相手は一切明らかにされず、ただ大砲を撃って戦いつづける、という軍事に特化した異様な生活が淡々と描かれる。これは、大友監督作なんだけど、まるで押井作品のようでもあり、静かで、陰鬱なトーンが胃の腑にずん、とこたえる。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

Lickington さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

3作目が本番!

3部構成の作品

第1部
突然のSOSコールのために探索する宇宙船の話
内容からいうとあまり深いものではなかった
特に,種明かしが全くなくてこのままだとどうしようもないなという感じ
何が伝えたいのか,この物語の主張はなんであるかがまったくわからなかった
視聴者に対してどんな思想的深みを与えられるかに重きを置いた作品が素晴らしいと,私は思っているのでこの作品はあまり心に打たれるということはなかった
よくある展開といってしまってもいいと思う

第2作
風邪をこじらせてしまった主人公が体調を悪くなってしまったところからこの物語は始まる
最終部分でのオチは予想がついたし,前作同様制作が伝えたいところがわからなかった
シニカルな笑いのエンドはそれ以上でもそれ以下でもなかった

第3作
はじめは全く期待しないで見ていた
キャラデザもあまり気持ちがいいものではなかった
しかし結果的には今作は全く毛色の違いものであった
物語は軍事モノの様相を呈している
弾道学がでてきて,ちょっと興味がわいた
農薬がどうのとかいう話もあった

その国では大砲を何発も打つ
そこで少年は聞く
「僕たちはどこと戦争をしているの?」
父はくぼんだ目で一言
「それは大人になったらわかる」
このやりとりはとても心にしみるいい描写だったと思う
荒廃しきった社会で何と戦っているのか
その意味は何であるかを問いかける
(見ている人を疑心暗鬼にさせるだけかもしれないが...)

現代社会においては自分自身が戦いの標的であるということの隠喩であるのかもしれない
そして最後に警報がなってこの物語は終わる
これは俺たちの戦いはこれからだendと全く変わらないだろう
ちょっといい話に感じたが,よく考えると,どうしようもなくくだらない話なような気もする
だけどこれは疑問の答えも示しているかもしれない
不均衡な世界だとしても,人々が成長することで世界に何が起こっているかが理解できるようになる
解決するにはまずそれを十分知らなければならない
そんなこれからの希望が見えてくる作品であったかなという感じ
ぜひ3作目までは耐えて見て欲しい

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0
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