ウェスタンガール さんの感想・評価
4.3
藪蛇
アニメを観ていると、昔の記憶が“黄泉”がえってくる。多感なお年頃の思い出は、時を経ても自身の価値観の裏付けとなって感情を縛り付けているのであろうか。閻魔大王の前で変なことを口走ってしまいそうで怖い…。
“誰そ彼”と…、そう、“君の名は?”であり、万葉集の世界が再び“黄泉”がえるのだ。
歌は、“”我をな問ひそ”と続くわけだが、ヘコ(※)である音子ちゃんはズバリ、容赦がないのである。
薮をつついて蛇を出してしまう(巳年だけに^^;)。
※猫好きの叔母に聞いた話だが、ネズミを獲るのがネコで、トカゲを獲るのはトコ、そしてヘビを獲るのはヘコだとか。
オカルトネタ満載の京都、そのインセプションの地、きっと今作のモチーフとなったであろう“六道の辻”、あの世と此の世の境に想いを馳せるのである。
(以下はネタバレ満載につきご注意あれ)
“おしゃぶり”ならぬ“ビール”大好きのコエンマ支配人(小野篁)に、鬼の遠眼鏡(この世界の片隅に)、そしてエレベーター(黄泉がえりの井戸)等々誠に楽しい作品だ。