シュールでファンタジーなおすすめアニメランキング 22

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのシュールでファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月22日の時点で一番のシュールでファンタジーなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

84.8 1 シュールでファンタジーなアニメランキング1位
人類は衰退しました(TVアニメ動画)

2012年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2336)
11722人が棚に入れました
わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は”妖精さん”のものだったりします。平均身長10センチで3頭身、高い知能を持ち、お菓子が大好きな妖精さんたち。わたしは、そんな妖精さんと人との間を取り持つ重要な職、国際公務員の”調停官”となり、故郷のクスノキの里に帰ってきました。祖父の年齢でも現役でできる仕事なのだから、さぞや楽なのだろうとこの職を選んだわたしは、さっそく妖精さんたちに挨拶に出向いたのですが……。

声優・キャラクター
中原麻衣、石塚運昇

アニメギライ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

名言及び見る順番

名言5話
10:14~
『自分以上に挙動不審な人間をみると
 少しホッとした気持ちになりませんか?
 ならないですかぁ。そーですかぁ』


1. 第10話 『妖精さんたちのちきゅう』(原作1巻)
2. アニメBD/DVD特典 『人間さんの、じゃくにくきょうしょく』(原作2巻)
3. 第7、8話 『妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ』(原作2巻)
4. 第5、6話 『妖精さんの、おさとがえり』(原作3巻)
5. 第1、2話 『妖精さんの、ひみつのこうじょう』(原作4巻)
6. 第9話 『妖精さんの、ひょうりゅうせいかつ』(原作4巻)
7. 第11、12話 『妖精さんの、ひみつのおちゃかい』(原作5巻)
8. 第3、4話 『妖精さんたちの、さぶかる』(原作6巻)

つまり
10話
7,8話
5,6話
1,2話
9話
11,12話
3,4話
の順番でみるといい

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

不思議の世界の調停官さん。

『蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-』(2013年)、『結城友奈は勇者である』(2014年/2017年)を制作した、岸誠二(監督)&上江洲誠(シリーズ構成)コンビの2012年の作品ですが、相変わらず外れなしの面白さ!

◆終末世界なのに悲壮感が余りない《シュール系エンタメ良作》

ヒロイン達が居住する土地は「クスノキの里」となっていますが、作品世界自体は英国の湖水地方の風物を参照しているそうです。
因みに、ヒロイン始め主だった登場キャラたちの正確な名前は明らかにされておらず、「人間さん」「妖精さん」とか「孫ちゃん」「Mさん」「Sさん」「助手さん」「文化局長さん」等々の愛称や略称でお互いに呼びあっています。

全体としての印象は、『不思議の国のアリス』(英国の児童小説家ルイス・キャロル作、1865年)って感じ?←読んでないけど。

この手の終末が切迫している世界を舞台とした最近の作品だと、個人的には『けものフレンズ』(2017年)が当たり、『少女終末旅行』(2017年)はどちらかというと外れだったのですが、本作はその両作品ともまた違った味付けで楽しめました。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
クスノキの里って、あれ?
取り敢えず謎めいてて面白い始まり方で◎。
・第2話視聴終了時点
シュール系面白作と判明。
・第3話視聴終了時点
同類誌「楠」創刊。
・第5話視聴終了時点
ここで作中の時間がさかのぼる(ユネスコ文化局長との出遭いが描かれているため)。
・第6話視聴終了時点
ちょっと驚くシュールシナリオで初の★★(優秀回)。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作ラノベ       田中ロミオ(『ガガガ文庫』2007年5月-2016年9月)
監督          岸誠二
助監督         小坂春女
シリーズ構成      上江洲誠
脚本          上江洲誠、綾奈ゆにこ、熊谷純 
キャラクターデザイン  戸部淑(原案)、坂井久太
音楽          大谷幸
アニメーション制作   AIC ASTA{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

=============== 人類は衰退しました (2012年7-9月) =============
{netabare}
第1話 妖精さんの、ひみつのこうじょう ★ 国連調停官「わたし」のクスノキの里勤務、食料事情逼迫、怪しげな食材の流通、ようせい社工場査察
第2話 妖精さんの、ひみつのこうじょう ★ 続き、知能の宿った加工チキンの陰謀 
第3話 妖精さんたちの、さぶかる ☆ 国連所属の研究者Y登場、ヒト・モニュメント計画、同類誌促販会
第4話 妖精さんたちの、さぶかる ☆ 同類誌の中の世界
第5話 妖精さんの、おさとがえり ★ 謎のモノリス落下、都市遺跡調査
第6話 妖精さんの、おさとがえり ★★ 続き、探査機パイオニア&ヴォイジャー、断髪の刑
第7話 妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ ★ 助手出迎えのお遣い(ループ話)
第8話 妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ ★ 続き、タイムパラドッグス
第9話 妖精さんの、ひょうりゅうせいかつ ★ 亡命妖精国家の女王就任
第10話 妖精さんたちの、ちきゅう ★ 妖精さんたちの都市国家、調停官の初仕事
第11話 妖精さんの、ひみつのおちゃかい ★ ヒロインの学生時代
第12話 妖精さんの、ひみつのおちゃかい ★ 妖精さんの秘密のお茶会 {/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)9、☆(並回)2、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.3

OP 「リアルワールド」
ED 「ユメのなかノわたしのユメ」

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

妖精さん可愛い((*゜▽゜*))

新旧人類の存在する世界を描いた
ファンタジー作品。
全12話。
原作はラノベ。(未読)


哀れにも衰退の一途を辿る人類と
高度な文明を持つ新人類『妖精さん』
ブラックユーモアをふんだんに盛り込み
この異なる人類の姿を描いた物語です。
ちょっと変わったファンタジーと言ったところw

ブラックユーモアの他にもパロディが多く
笑いを誘うシュールさ。
固有名詞を不使用、ファンタジーを強調する色調の作画
人類を遥かに凌ぐ英知を持つ『妖精さん』の存在など
表現されている独特な世界観。
この2つの要素はオススメできるポイント♪

特に新人類=『妖精さん』という設定は
最近視聴した作品の中でも
ずば抜けた独創力と発想だったと思いますw

この作品の評価の分岐点となり得るのが
時系列のシャッフル。
個人的にはあまり気にならず楽しめましたが…
原作を読んでないと理解に苦しむ点は否めない
ところかと(´∀`;)

主人公「わたし」を演じるは中原麻衣。
この役を完璧にこなしていたように感じます。
ぴったりのハマり役、好演でしたね♪
音楽も作品の世界観に合っていて◎でした♬


ムダにハードルを上げずに視聴すれば
かなり楽しめる作品だと思います(*´∀`*)ノ

日々、新たなジャンル・要素が生み出されている
イメージが強いラノベの世界。
それでもアニメ化される作品は所謂「王道」作品が
多いような気がします。
この作品ように独創的な世界観を持つ良作の
アニメ化、映像化が増えてくれると
王道もより楽しめると思う今日この頃ですw
ん??
おい!誰だッ!!
「フン、にわかが偉そうに」って
鼻で笑ったヤツはッヾ(*`Д´*)/″





《キャスト》

わたし(CV.中原麻衣)
祖父(CV.石塚運昇)
助手さん(CV.福山潤)
Y(CV.沢城みゆき)




《主題歌》

OP
『リアルワールド』/nano.RIPE
ED
『ユメのなかノわたしのユメ』/伊藤真澄

投稿 : 2024/11/16
♥ : 61

75.7 2 シュールでファンタジーなアニメランキング2位
キノの旅(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (639)
4020人が棚に入れました
『キノの旅』の世界には様々な「国」(実態は都市国家)が世界中に散在している。「国」はそれぞれまったく違った文化をもっており、技術的な格差もきわめて大きい。
しかし、各国とも言語は統一されている様子(ただし、1巻「平和な国」では隣国と「言語も違う」と書かれている)。
たいていは高い城壁に囲まれており、城壁内は各国の法律が機能して比較的秩序が保たれている。しかし、城壁の外は盗賊などにも遭遇することがある無法地帯である。
ネタバレ

sukesuke さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

レールの上の三人の男 -On the Rails- について

ストーリーがとても良かった。
各話毎に旅する国が変わっていき、テンポのいい構成。
それでいて、とても深い内容の物語ばかりなのだ。
よって、好きな回は何度か見直した。

2003年なので、いまから十五年も前のアニメ。
やはり作画については見劣る。そして声優の棒読み感。
主人公などの重要なキャラは、まぁまぁ棒読みじゃないのが救いだろう。


さて、あまり書かない感想を書くまでに至った経緯は、
第5話 レール上の三人の男の回 のせいだ。
グーグル検索で感想ブログなどを見ても、いまいち……いや、私が読みたい解説がないのだ。
よってエゴだが、私がここに書き記そうと思った。
きっと私のように感じた人は、私だけじゃないはずだ。
是非、これを読んだ数奇な人は、このアニメの5話まで観てほしい。



以下ネタバレ。
見た人にわかる程度に書く。
                                      
                                      
       {netabare}                              
                                
                                      
                                    
                                  
まず、登場する三人の爺さん達は、全員無意味な仕事をしているが、全うに働いてる事を念頭に置いて欲しい。

一人目のレールを磨く爺さん。
その爺さんの仕事の経緯を聞いたあと、キノが以前旅した国の話しをする。
仕事をしなくていい国だけど仕事をする、という国の話しだ。
それを聞いた爺さんは無意味な事だと捉えた。
爺さんは最後に問いかける。
「ああ。旅人さん。旅人さんは、どこへ――行かれるのかな?」
この言葉の後、意味深な演出と同時にキノの戸惑いの表情が映ってAパートが終わる。

二人目三人目の爺さんも、ほとんど同じ経緯を辿る。
ここでも「ああ。旅人さん。旅人さんは――」(どこへ行かれるのかな)
という爺さんの言葉に同じ意味深な演出が入っている。



この演出はキノの旅について、無意味な仕事を続ける爺さん達と同様、無意味な事だと暗示していると私は解釈した。



そして二度三度とみると、深い気づきへと辿り着いた。
仕事をしなくていい国に出てくる男の話しだ。
しなくてもいい仕事だが、その辛さに応じてポイント(富)が与えられるため、仕事をしなければいけないと教えてくれる。

男は「人をぐうたらにしない何かが人生に必要なんだ。それが仕事だよ」と言う。
それを聞いたキノは皮肉る。「この国での暮らし、気に入っていますか?」と。
キノは爺さん達と同様、この国の仕事は無意味だと感じたということだ。

しかし、この国の話しはキノの旅を擁護している。
ぐうたらにしない何かとは、キノの旅に当てはまるからだ。



我々視聴者は、爺さん達の無意味な仕事や、仕事をしなくてもいい国の話しを無意味だと強く感じた。(はずだ)
さらに演出効果によって、キノの旅も無意味じゃないのかと暗示された。

つまり何が言いたいのかというと、皮肉にも我々やキノや爺さん達に無意味だと揶揄されていた、仕事をしなくてもいい国。
それだけがキノの旅を必要な事だと言ってくれているのだ。
なんてことだ。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

「人は誰でも空を行く鳥を見るとさ、旅に出たくなるそうだ…。」

10年ぐらい前だったかな、原作が流行っていたのを覚えています。

当時の私は「ラノベなんて邪道!」と思っていたので、まったく関心がなく。

アニメ化もしてたのかーと知り、アニメを観るようになってからはずっと気になっていた作品でした。

アニメを観終わり、流行っていた当時、なぜ原作を読まなかったのか、とひどく後悔しました。

偏見は自分の人生を不毛にするなあと反省しました。

全13話です。


● ストーリー
モトラド(二輪車)のエルメスと旅をするキノ。

1人と1台が、いろいろな国を旅するお話。

「人の痛みが分かる国」「本の国」「平和な国」など、

ちょっと不思議な国々を短編小説のように訪れていきます。

キノたちの滞在期間は3日と決まっている。

その3日で見えてくる、その国の本質や人々。


淡々とした、物静かなストーリー。

だけどものすごく惹きつけられました。

ファンタジー要素が強いです。しかし、それ以上に伝わってくる人間性。メッセージ性。

寓話的な要素も非常に強いです。

☆寓話…比喩によって人間の生活に馴染みの深いできごとを見せ、それによって諭す事を意図した物語。

↑私はこの作品で「寓話ってこういう作品を言うんだ。」とわかりました。笑


物静かで不思議な雰囲気が漂う中、

内容はなかなかむごくて無常です。

しかし、どこか現実の未来の世界を見ているような。

未来の世界、人間のエゴ、きれいごと、理想、闇、隠された本性…。

そんな本質が深くぐっさりと描かれています。

どんなにきれいな理想の世界を追い求めても、

結局世界は救われないんだなーと思ってしまう。

完璧な人間や完璧な世界なんて存在しない。そんなもの無理なんだ。

だからこそ世界は美しい。

救われない世界の、儚い美しさが心にしみました。


この作品を観始めたとき、心が現実に帰ってこれませんでした。心が旅に出てしまいます…。旅に出たくなります…。

このなんともいえない不思議で魅力的な世界が心をとらえて離しませんでした。

これでキノがイケメンだったら、間違いなく私は現実に戻ってこれませんでしたね。そんな自信があります(笑)


● 作画&声優
作画と声優さんは気になるところがあります。

好きになれない、もしくは、観るのをやめてしまう人もいるでしょう。

私も初めはちょっと抵抗がありました。

作画は我慢するとして、

声優さんは聞き続けていると、これはこれで味があるのかなーと思ったりもします。

エルメスの声と話し方だけは最後まで好きになれませんでしたが。笑


マイナスポイントがもったいないですが、

それを上回るストーリーだけで私は十分満足でしたよ。


● 音楽
【 OP「all the way」/下川みくに 】
この曲大好きです!たまりません。

旅する2人にはぴったりの、心地よい曲。

この曲を口ずさみながら原付乗ると旅に出ている気分になって最高に気持ちいい。笑

OPを観てすぐにこの作品が好きになりました^^

EDも旅の夕暮れを連想させる、いい感じの曲でした。


● まとめ
作画等にはくせのある作品ですが、

私は大好きになりました。

これは原作を読まないといけない。

旅物語が好きな人には間違いなくおすすめしたい作品です^^

投稿 : 2024/11/16
♥ : 33

もちすい さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

あなたにとっての“本当の蒼い空”ってなに?

主人公で旅人であるキノが相棒のエルメス(二輪車)と世界を旅するお話で、そのキノを視点にして、国毎に多種多様で一風変わった文化や風習、価値観を描く、という寓話的な物語です。

キノは、ただの視聴者の視点であり、あくまでも傍観者という立場なので、各国を旅しますが干渉はしませんし、基本的に大活躍したりするわけでもありません。

そして、この構図が、視聴者に対して、強くて明確なメッセージ性はないけれど、何らかの波紋を投げかけます。


『キノの旅』は、こんな感じの構造の作品で、人によっては“厭世観たっぷりの人間批判がテーマ”と感じる人も多そうですが、私としては、観た人を考えさせるということ自体がテーマになっていると考えます。

多くの評価されてるような作品において。
難解なテーマ、深い考察をして理解できないと面白くならない。
描かれているテーマに共感、登場人物に感情移入できないと
感動できない。

このように、どんな名作と言われる作品でも、それを楽しめないものに対して排他的な側面を持ちますが、この作品は、視聴者に考えさせること自体が目的で、それを実にわかりやすく、とてもシンプルに描いているので、少なくとも人としての道徳感を形成しているものならば誰しもが平等に「それについてどう思う?」というテーマを(それに対してのリアクションを自分の中で言語化できるできないは別にして)共有できるのではないでしょうか。

・厭世的で観ていて気分が悪い
・キノの達観した人生観に憧れる
・何が言いたいのかよくわからない

などなど、他にも様々な感想があるでしょうが、この作品のテーマはそれらをすべて包んでいるわけです。

面白いとか面白くないとか、そういうことじゃなくて、こういった“作品の持つテーマを誰しもが平等に共有できる”という理由から、この作品を高く評価しています。


なんか変なレビューですいません。
すごく好きな作品なので、
「もっと多くの人が評価してくれたらいいな」
という願望全開のもと、“押し売りセールス”みたいなレビューになってますw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22

82.9 3 シュールでファンタジーなアニメランキング3位
まちカドまぞく(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (660)
2420人が棚に入れました
15歳のある朝、封印されし「魔族」の力に目覚めた吉田優子の任務は、ご町内に住む「魔法少女」を倒すこと!? ツノと尻尾は生えたけど、力は普通の女の子以下な優子が“月4万円生活の呪い"解除めざして奮闘する、逆転マジカルヒロインストーリー!

声優・キャラクター
小原好美、鬼頭明里、高橋未奈美、高柳知葉
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

細かいネタに癒される、魔族と魔法少女のゆるふわコメディ(※2期制作決定!)

アニメーション制作:J.C.STAFF
監督:桜井弘明、シリーズ構成:大知慶一郎、
キャラクターデザイン:大塚 舞、音楽:櫻井美希
原作:伊藤いづも

魔族と魔法少女の戦いというスタイルをとった、
きらら枠の日常系ゆるふわコメディ。
魔族の末裔の一家である吉田家の優子は、
角と尻尾が生えたシャドウミストレス優子となり、
魔族にかけられた呪いをとくために
魔法少女の血を魔族の始祖の邪神像に
かけることが使命となる。
しかし、ある日出会った魔法少女の
千代田桃から命を助けられ、
ご飯までもらってしまうのだった。

{netabare}個人的には始祖の邪神像がドアストッパーとして
カモフラージュされていたことに虚を突かれ、
この時点で大好きな作品になってしまった。{/netabare}
魔族のスタイルになっても普通に学校に行く設定も斬新。
また、千代田桃が魔法少女になるときの
秒数(0.01秒!)が表示されたり、変身のコンパクトの中に
500円玉やネジが入っていたりという
地味なコメディも気に入った。

魔族の優子と魔法少女の桃は、
本来なら対決をする関係性。
しかし、身体能力が低すぎる優子は桃の相手になるレベルではなく、
強力な能力を持つ桃がなぜか優子を鍛えるために
特訓を考案するのだった。
その一方で桃は、お菓子とインスタントご飯と
菓子パンしか食べない食生活。
家が貧乏でいつも家事を手伝っている優子は、
料理も得意なため桃のためにご飯を作ったりする。

そんな日常生活?を追いながら、
優子のポンコツぶりや桃の孤高の様子を
面白可笑しく描いていく。
このコメディの方向性が微笑ましく、
時おりツボにはまることもあり、
飽きさせずに観させてくれる。

特異な部分は、魔族と魔法少女という
相容れない立場ながら、交流によって
欠けている部分をお互いに補い合って
大切な存在となっていくことだろう。
そんな様子が、コメディと上手く絡み合って
心を癒してくれるような作風になっている。

先祖と交流できる邪神像の扱いが秀逸で、
ポイントごとに色々と笑わせてくれる。
{netabare}不思議なホムンクルスによって足をつけられて
虫のようにカサカサ動くシーンなどには
吹き出してしまった。{/netabare}

{netabare}最終回になってようやく魔法少女と魔族との因縁、
特に優子の父と桃の姉との関係性が明かされる。
それにしても、優子の父が部屋に置いてある
テーブル代わりに使用している段ボールの中に
封印されているという設定は素晴らしい。
段ボールは、鉄板や土鍋を載せたり、
時には踏み台として使用している。
ご先祖様をドアストッパーにしていたのと同じ方向性で、
大切なものを日用品として何気なく手荒に使用していて、
後に気づいて衝撃を受けるのだ。{/netabare}

毎回、細かいネタを積み重ねることによって、
たくさんのの笑いを生み出している。
楽しさに溢れた、きらら系異端のゆるふわコメディだ。
(2019年9月29日初投稿)

(2019年10月4日追記)
コメディだけでなく、ストーリーも楽しめる予感

コメディ中心で展開する作品だが、
その裏側にある謎も実はとても興味深い。
{netabare}魔族と魔法少女が共存している多魔川の街。
優子は魔族の血を強く受け継いだことが原因で、
生まれたときから体が弱く、
命をつなぎとめるのが難しい状態だった。
そんなときに手を差し伸べたのが、
桃の義理の姉で魔法少女の桜だ。
優子の父であるヨシュア(吉田)は、
桜に相談して一族の呪いに干渉してもらうことになる。
桜が頭を捻って導き出したのが、
一族の金運を優子の健康運に変換することだった。
優子が健康になった代わりに、
吉田家は1ヵ月4万円の呪いを受けることになる。
それによって桜は魔力を大幅に減らしてしまい、
街を守ることが難しくなり、ヨシュアをみかん箱に
封印することになったのだった。

魔法少女は魔力を消費しすぎると形が崩れて
エーテル体となってしまう存在でもある。
桜はどうなってしまったのか。
現在は、桃の力で街を守っているが、
このバランスが崩れたらどうなるのか。
そして、本来この街では魔族と魔法少女は
結界の影響で偶然に出会うことはないようになっている。
だから、桃と優子が出会ったことは、
運命的な不思議な力が働いたとしか思えないのだった。
それは、メタ子が桃の夢の中での優子に対して
桜の気配がすると話したことと関係がありそうだ。{/netabare}

丘の上の桜の木の下。
桜と桃が好きだった場所で、優子と桃は想いを告げる。
皆がここで笑い合うときが来るのだろうか。

(2019年10月11日)
※全体のバランスを考慮して評価を変更しました。(3.8→4.0)

(2020年8月29日)
2期の制作決定という嬉しいニュースが飛び込んできた。
個人的にきらら系のコメディではとても好きな作品。
2期を切望していたので楽しみだ。

2期決定を記念して、ABEMAとニコニコ生放送で、
1期の一挙配信が決定した。
詳細は今後、公式サイトなどで発表される予定だ。
未視聴の方はこの機会にぜひどうぞ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 77
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

これで勝ったと思うなよぉ!!

原作未読
魔法少女枠かな?完全にダークホースでした。

お話のざっくり概要
優子はある日、突然魔族として覚醒。
普通の女子には生えないものが生えてしまいました。
その後あだ名が定着してしまい、本名で呼んでくれるのは母だけ。
魔法少女から生き血を奪う為、鍛錬の日々…小遣い月500円にUP!
だが、魔法少女は片手ダンプ…その戦力差は圧倒的!!!
ドアストッパーと共に魔法少女から筋トレ指導を受けるが
夢の中で好き勝手やられたりと散々な日々
ご近所に2度見され気まずくなり回覧板デビュー待ったなし
だが、懸命に頑張る努力のへっぽこ娘「時は来た…(イケボ)」
ってな感じ

書いてるうちに混乱してきました(苦笑)
魔法少女物かな?と視聴前は少し身構えてました。
そんな必要無縁のへっぽこ娘に癒されるアニメ。

主人公であるシャミ子は、へっぽこ魔族です。
もう清々しいぐらいに。
でも、怖くても家族の為に魔法少女へ挑み続ける
…けなげ(ホロリ)すっかりファンになりましたw
モデルは多摩市。
めっちゃみた事あるような既視感を感じます。

●魔法少女(モモ)戦について
なんというか魔法少女側は命かかってるからかなり強いんですよね。
対するシャミ子は…まぁ、へっぽこです。
情けをかけられてからの「これで勝ったと思うなよぉ」コンボです。
モモは色々と言葉足りてないと思いますけど、結構シャミ子に優しい。
自己ベストは{netabare}シャミ子のソーセージ{/netabare}を救出する際に更新
…とても強い(小並感)

アルバイトの着ぐるみはバク宙からの熱々オデンらしいです。
意味不明ですけど、ちょっと見てみたい…先代はドアラさんなのか?
それにしても魔法少女みかん回(8話)は爆笑しましたw
{netabare}
「コスプレぶらり旅ですか?」「ううん、通りすがりの魔法少女」
「とんでもないざっくり系です!!!」
「早く脱いで!」「脱ぎなさない!」「脱げません!!!」
「通報しようか迷ってた」
「年いくつ?」「これで勝ったと思うなよぉ」
{/netabare}
流れと勢いが凄かったです。怒涛のジャブラッシュ。
一つ一つは威力無くても、畳みかけられるとボディに効きます。
ぶらり旅も通りすがりも少しワードを足すだけで、
超パワーワードになるという良い例ですね。
ワードセンスが素晴らしいです。
{netabare}「安心して、峰打ちするから」「拳の峰打ちはただの裏拳です!」{/netabare}
じわじわと効いてくるこのセンス…たまらないw

あと、危機管理で発覚したのですがシャミ子はすんごい着痩せします。
凄いの持ってるよこの娘。
「私シャドウミストレス優子15歳{netabare}どこにでもいる町の変質者{/netabare}」
ご先祖はすごくポンコツなご先祖です。
ただ、衣装のデザインセンスは素晴らしいですね。(よくやった!ご先祖!!)

母も妹も健気で良い家族…月4万の極貧生活は辛いですね。
点数は中間評価です。
頑張れシャミ子!負けるなシャミ子!大きな魔族になるんだ!

―――――――――――――――――――――
シャミ子の声優(小原好美さん)、完璧です。
擬音というか言葉にならないようなセリフとか
(「あじゃぱー」とか「ぽがー」とか)
あと、へたれ具合とか、勝ち誇った感じとか
器の小ささをしっかり出してて素晴らしいww

母…ご先祖にも主導権を渡さない吉田家の主
良子…デジタル盛り技術に精通した吉田家軍師
ごせん像…アイドルにしてへっぽこ家計の元凶

後から気づいた事
{netabare}
2話のモモ戦の7-1の見事な負けっぷりって
元ネタやっとわかったw
ワールドカップのドイツ-ブラジル戦かwww
「1点は入ってましたか?」
「うん。友達だからおまけで1点入れといた」
優しさが切ないwこれは目汁だ!涙ではない!
{/netabare}

モモの名言
{netabare}
「出せるか出せないかじゃない。出すんだ。出していこう」
シャミ子と一緒のツッコミを画面に言ってましたw
{/netabare}

領収書まで噛むってどういうことなんだろ?w
{netabare}
テスト答案にも、もう本名じゃないのかwww
ついでに、ご先祖も張り出されてるし
この学校カオスすぎるwそして小倉が何か怖いw
{/netabare}

1話から見直してみて、改めて面白さを確認。
気づけばシャミ子の大ファンに…
ふぐふぐ? えぐえぐ? してる顔が好み
守りたい…このへっぽこw

2019.09/28 見終わって追記
すんごい面白かった。
今まできらら枠って、割と面白いぐらいの域を出なかった
だけど、本作は凄くネタが細かくって
見れば見るほどドンドン魅力が増していき
最終的にはシャミ子のファンになりましたw

色々と思った事
{netabare}
OPのネタについて
まぁとにかくサビのカオス感は凄いw
メタ子とたまさくらちゃんの存在感!w

シャミ子がみかんに「みせろ」ハラスメントしてたけど
毎週さらっと流されてるけどOPで撃ってるよねw
超一瞬だから分かりづらい

OPのドラクエ風の部分、
ボスリリスの危機管理フォームだwww
ま:99が魔法少女LV99として
「のろい」のバステも分かるけど、まひはなぜ?

ご先祖は酒に使ってたり、隣に水筒もあったり
タコさんウインナーは顔がご先祖彫りだしw
アンリのバーではご先祖とミカンがボトルキープ
あのメタ子の写真って多分、良ちゃん提供だよね
(モモ宅で、無防備メタ子を激写しまくってたしw)
みかんとのツーショットは映画館構成だけど
後ろのフィルムに映ってるご先祖は3Dメガネかけてるし
シャミ子の体操服ランニングがバインバインだったり
本編のダイジェストが詰まってるOPだなぁ~w

露出魔族だったり、飯炊き魔族だったり、
かよいづまぞくだったりする、シャミ子です。
魔法少女を{netabare}餌付けで配下にする{/netabare}などお手の物。

すごい細かい所でネタや表現を仕込んでるので
見つけるのが楽しい
{netabare}
ご先祖の来てた服、さらっと流してしまいそうだけど
「My blood sugar level is dangerous」
⇒血糖値、気を付けてぇ!ご先祖ぉぉぉ!!!
⇒{netabare}「コーラうめぇ!」って{/netabare}血糖値の原因それじゃね??
ひじきは実は鉄分が少ないポスター
飼い主募集ポスター⇒まだあの鳥、手元にいるんすねw
補習の実施についてポスター⇒シャミ子や…(´;ω;`)
でも、ちゃんと修羅場回避の所の「これから補習なので」
に繋がってるの凄いw
モモ自宅の表札…あの余白は桜さんだったのか…細かい
リリスの辛かったこと日記⇒No.5963って多過ぎw
ご先祖テレフォン⇒ミリオネアかな?
あれ?銃の引き金ってどんなだったっけ?⇒引き金が逆w
夢の中のメモ帳⇒ゆメモ帳…ちょw細けぇw
入れたばかりの色のついてない麦茶⇒確かに薄いw
段ボールがお父さんだと分かってから
⇒それまで乗せていた麦茶を床に置く優しさ
熱にも、油にも、衝撃にも強い段ボール!⇒ずっと出演w
投げられたご先祖…封印の呪いに犬あったからそこなのか
ラスト変身バンク+ミカン呪い=ワカメシャミ子98円
⇒「余もこんなんなったぞ」超笑ったw
「今のモモは無理してるように見えます」⇒背伸びww
あの犬、「いぬ」って名前なのかよwwwネーミング雑w
スルー力がハンパナイ⇒なるほど、シャミ子通報回避w
{/netabare}

■シャドウミストレス優子
体が弱くて運動神経もダメダメだが胃袋は最強クラス
ご近所さんに二度見されるのを恥ずかしがるぐらいには
普通の羞恥心を持ち合わせている女の子
(だが、命の危機であれば、露出魔族も辞さないw)
「こ…これで勝ったと思うなよ…じゃ!」
亜種バージョンのノルマも割といいw
シャミ子はお母さんを信じるとてもいい子なんですよ。

■魔法少女モモ
はーい、肉の魔法少女だよ。
バーベル片手で何キロ持てる?
あとそのままスクワットしようか?
そんな感じw
シャミ子が「頭にササミとプロテインが詰まっている」
と評していたほどの脳筋…だが頭脳派物理少女だった。
それにしてもダンベルと同時期だったせいもあって
ダンベル700回を数日に分割払いも笑った
たまさくらちゃんの熱烈なファンみたいっす
買い支える義務感…w

■魔法少女ミカン
女の子のタイプとしては一番好み…呪いさえなければ…
状況を知らない系女子だけど、
常に相手を心配し気にかけたり、幼い子に優しく接したり
正統派魔法少女やってる(ピンクの誰かさんと違ってw)
映画館のチヨモモは呪いかと思ったけど、あれ任意装着w
「そこにアイスはやめて!呪い出ちゃうから!」
一体、どこにアイスしたんですかね???
配下になったけど、モモの被害も甚大(呪い出まくりw)
大蛇がパピコ飲み込んでるのが笑ったw
ワープして気遣いフルーツをお勧めする系女子
フルーツの盛り付けすんごい女子力高い!

■小倉しおん
倫理が壊滅的にダメな人w絶望のオーラ習得済みなの?w
草葉の陰からいつも見守ってるストーカー的な人
実験したいから友達になりたいって…それ友達なのか?w

■ご先祖(闇を司る魔女リリスさん)
「嘘だろシャミ子、正直な感想を述べてみよ。見よぉ」
ニューご先祖は面白だったw
意外に頭良いみたい。超ポンコツなのにw
最終回の色々の回想の中に入ってくんなニューご先祖w
笑っちゃうだろーwww

■吉田家
シャミ子の家、ブラウン管TVなのにゲームソフト大量w
4万円でどうやりくりしたんだろう??
お茶は7~8回は出すらしい、それほぼお湯じゃんw
お母さんは良くクルクル回ってます。超かわいいw

ちょっと待って…モモのチャンネルに入る為に
良ちゃんが撮ってると思われる枕元に置いた写真…
どうやってモモの変身シーン撮ったの?すごくね??
0.01秒の中のシャッターチャンス
ってかあんな安物だとブレブレで見れたものじゃない
はずなのにこれが魔族の力なのか…良ちゃんおそるべし

お母さん、なんでこの嘘を言う事になったんだw
「原子力潜水空母でイカ釣り」
「宇宙戦艦で空気清浄機の買い付け」
ドジっ娘成分と巨乳はお母さん譲りだったのか~w

お父さんは{netabare}このミカン箱に封印されてい{/netabare}ます!
ええええええええwwww 観ててリアルで声出たっすw


■夢の中
メタ子の見た目のインパクトが強すぎるなぁw
あと、地味に武器を想像するのって難しそう。
あの様子だと正確にイメージできないと創れないみたい
重量や質感、細かい形状まで諸々イメージしきるのは
手に持ったことがある範囲のものじゃないと難しそう
(実際、シャミ子が出したのって持った事あるやつだし)

モモの名言2
{netabare}
「今ちょっと夢が立て込んでるから起こさないで」
なんぞそのワードwみかんナイスフレンドリファイア!
{/netabare}

{/netabare}

ED曲はすんごいノリが良くって好きです~
曲としてはEDの方がOPより好き
BGMもかなり良いです!

最初見始めの頃は、結構おもろいなー
ストライクゾーン入ってるぐらいだったのが
観てる内にどんどん、自分の方が矯正されてしまい
いつの間にかストライクゾーンど真ん中になってた…

ほんと細かい所、一杯あって何周しても違うの発見します
既に5周してますw 原作買いに行く予定っすー
(円盤も買うかも)

2019.10.03追記
もう3件も探してるのに2巻が見つからないぃ(´;ω;`)
(1巻と3巻は買いました!あとラインスタンプもw)
円盤も少なくなってるらしいしはよ買いに行かなきゃ…

あ、どうでもいいですがくだらない宣伝を思いついた
{netabare}
清子「お父さんはBlu-rayボックスの中にいます!」
優子「ええええ!…ってBlu-rayってなんですか?」
良子「宣伝も頑張るお姉はやっぱり凄い!」
{/netabare}
ってCMを妄想するまでは一瞬でしたw

2019.10.16追記
原作やっとゲットできましたー 面白いです!
それでアニメも神編集・神構成だったと分かりました。
(評価変更します)

思いついた宣伝パート2
{netabare}
清子「桃さんがDVDを見る権利をくれました。拝みましょう!」
優子 \眩しい!/
良子 \眩しい!/
モモ「違います!…普通にプレイヤーで見て下さい。」
リリス「シャミコ- 早くお供えしておくれ」
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 59
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ひたすらジャブを打ち続ける

<2019/7/12 初投稿>
観始めなので評点はデフォルトの3.0です。

これはちょっと予想外でした。

原作は全く知らず。

あにこれのあらすじ紹介読んで
きららだから女の子キャッキャウフフ系?
しかも魔法少女も出るのかー。
どうせすぐ予約消しちゃうんだろなー。
とか思いながら、とりあえず録画予約だけしといたんですけど。

意外と面白い。

魔族の末裔と魔法少女の日常コントです。

とにかく笑いのテンポが二重丸。
リズム感がある。
言葉のチョイスもクスッとさせるものが多い。

ちゃんとしたツッコミキャラはいませんが、それで十分笑いが成り立っている。
アニメのツッコミセリフってどうも難しいようで、せっかくのボケをツッコミが邪魔することも多いのですが、そもそもツッコミいないから大丈夫。

爆発的なホームラン級の笑いはないけど、延々と内野安打を打ち続けるような安定感があります。

魔法少女嫌いの私がついついレビュー書いてしまうような作品です。

<2019/8/21 追記>
6話まで観ました。

相変わらず単打を繋いで点を取るスタイル。
マシンガン打線というかピストル打線というか

お金に細かいのはなんかツボです 笑

あと魔法少女モノって普段見ないんですが、変身スピード0.01秒切るとかは標準タイムなんでしょうか?

<2019/8/23 追記>
第7話

・・・バク宙からのアツアツおでんってなんだろう?
ドアラかな?

<2019/9/14 追記>
10話

もう終盤なので評点付けてみました。

ところで低音ボイス「時は来た」
あの猫欲しいな

<2019/9/21 追記>
11話

いやぁ、ここに来て意外なホームラン!

シャミコママのカミングアウト。
{netabare} 実はお父ちゃんミカン箱に封印されてました!
あの居間の、ちゃぶ台がわりの。
それも10年くらいずっと。{/netabare}

衝撃過ぎる 笑

自分の中では
ソウナンですか?最終話の衝撃プレイに並ぶ勢い 笑笑
彼方のアストラの親子関係や歴史の衝撃を遥かに上回る 笑笑笑

どんなシリアスでも笑いを忘れない心構えが好きですね。

<2019/9/27 追記>
最終12話

先週の一発を除いて最後まで単打の連続でしたね。
ジャブのみで闘うボクシングのような。

こういう笑いも好きです。
地味にダメージが蓄積されてく感じで笑いが溜まってく 笑

お話も展開が無いようで意外とあったり。

あと「危機管理フォーム」
あれですか?
読者サービスの日課みたいなもんですか。
やらしさは全く感じないですが 笑

気に入ってしまいました。。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 48

79.7 4 シュールでファンタジーなアニメランキング4位
異世界おじさん(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (527)
1771人が棚に入れました
2017年秋――。17歳のときにトラックにはねられ、それから17年の間ずっと昏睡状態だった叔父が目覚めた。 病室を訪れた甥のたかふみが目にしたのは、意味不明な言葉をつぶやき、異世界「グランバハマル」から帰ってきたと話す叔父の姿だった。 ……叔父さんは、頭がおかしくなっていた。 絶句するたかふみだったが、おじさんは異世界にいた証拠を見せると言って魔法を使う。おじさんの力を金にかえて食っていこうと心に決めたたかふみは、身寄りのない彼を引き取りルームシェアを始めることに。 おじさんとの生活の中で聞かされる、異世界での冒険譚と溢れんばかりのセガ愛。孤独で過酷なおじさんの半生に、時には歓喜し時には胸をいためるたかふみ。 動画配信業に勤しむ世代の離れた男二人、団地の片隅にて繰り広げられる、新感覚異世界コメディ!
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

"顔"が導く異世界のリアル

まずは本作を勧めて下さった先輩レビュアーさんにお礼を申し上げたい。
同工異曲の異世界アニメに辟易していた身には、本作はまさしく福音であり、
このジャンルの閉塞を打ち破るブレークスルーと言い得る快作である。

本作の斬新かつユニークな特長は言うまでもなく、
異世界から帰還した主人公の"その後"が語られるという点にある。
17年に及ぶ異世界での壮絶なサバイバルののちに生還したおじさんは
現在はユーチューバーとして、まったりした悠々自適の生活をおくっている。
そんな日常が同居する甥っ子のたかふみの目をとおして描かれるのだが、
そこに魔法によって再現された異世界時代のおじさんの回想が織り込まれ、
劇中劇のような趣向で、二つのパートが同時進行する。

いわば日常系の中に異世界物がすっぽりと収まった、入れ子構造である。
ジャンルをまたいだこの一種のハイブリッド仕様は昨今の人気作にも見受けられ、
個人的に興味をそそられる現象なのだが、詳しくは次の機会に回そう。
完走後に補筆する前提で、今回はあまり深入りせずにざっと書き流すことにする。


{netabare}さて、本作の真髄は何と言っても、おじさんの"顔"にある。
ホラー風なタッチで、敢えてキモく無気味に描かれたインパクトの強烈さのみならず、
物語の出発点であると同時に、本作のすべてが凝縮されたエッセンスと言っても過言ではない。
その顔は、異世界の人々の目にはとても人間には思えないほどに醜いものなので、
オークの亜種と間違えられれたおじさんは、何度も狩られかけ、吊るされる。
勿論、ここは笑えるところなのだが、自分はもっと本質的な何かを感じた。

すなわち、我々の顔というものが否応なく、最もプリミティブかつ直接的な
コミュニケーションツールとして機能しているという、容赦のない事実である。
つまり本作はそもそもの発端から、一方的にコミュの回路が遮断された状態で始まっており、
この"コミュニケーション不全"というモチーフが作中を一貫して底流しているようなのだ。

本質的な問題に引き直して示してみよう。
コミュニケーションが成立するためには、双方が同じコードを共有していなければならない。
そして、異世界というからには当然、そこには全く異質なコードが存在するはずだ。
例えば、上記の人々の行動は魔物に生存を脅かされる世界ではごく自然な反応なのである。
すなわち、広義の文化的コードの差異を本作の異世界は最初からはらんでいるわけなのだ。
心躍るような冒険ファンタジーを期待していたたかふみが、いきなり目にしたものは
宗教的な禁忌に触れたことでまさにおじさんが処刑されようとするショッキングな場面だった。
これらが端的に示すように、異世界ファンタジーの"お約束"をブレイクしまくる痛快な笑いは
コードが共有されないことで生じる"ズレ"に基づいたブラックな笑いなのであって、
その底にはかなりクリティカルな眼差しが潜んでいるように感じられる。

大げさに言うなら、本作のパロディー的な性格は、一般的なファンタジーの成立基盤を
我々のシビアな現実の論理に根差した、独自のリアリティーに置き換えることによって
内部から書き換えようとする、きわめて野心的な試みなのではないだろうか。
ご都合主義の"お約束"を茶化しただけのパロディーでは得られないような迫真感は、
そこから来ているのかも知れない。量産式アニメと差別化される本作の個性もまた、
こうしたひそやかなリアリティーの在り方から生まれているようにも思われる。

これも考え過ぎかも知れないが、気になった点をもう一つ付け加えておく。
おじさんの超絶的な力は、翻訳魔法による精霊との直接の交信に由来しているのだが、
この精霊に対する自在なコミュニケーション能力は見事なまでに、
相手が人間である場合のコミュ不全と対照をなしていて、完全に両極端に分裂している。
この辺りにも何か示唆的なものを自分は感じずにはいられない。
あるいは抑圧されたコミュニケーションへの渇望がチート能力として現実化する逆説が
ここに想定できるとすれば、それは作者自身の内面にまで遡れるものかも知れない・・・
などとまあ、考えていくとキリがないからこの位にしておこう。

ただ、確実に言えるのは、このコードの問題をめぐるおじさんの態度表明が
彼のキャラクターの一貫した本質を形成しているということだ。
第3話には、おじさんとツンデレさんの間でこんなやり取りが交わされる。

 「顔、かくしたりしないの?」「…したくない。」「ふーん・・・」

災禍の原因である自分の顔を、おじさんは絶対にかくそうとはしない。
生命の危険を冒しても、異世界のコードに自分を合わせることを拒みつづける。
生存の保障よりも自らのコードを優先し、自分ルールを貫く、ストイックな美学。
まあそれも多分、ゲームに影響された薄っぺらいこだわりだったなんてオチがつくのだろうが、
元の世界に帰ること以外に一切関心を持たない、異世界に対するこの醒め切った態度が
結果的に、アウトロー系ヒーローの孤高の風貌をおじさんに与えているのである。

このキャラ造型によって、ツンデレエルフを筆頭とするヒロインたちとの関係に、
クールでつれない男を女が情熱的に追いかけるという、小洒落たロマンスの雰囲気が加わり、
異世界ハーレムとは一線を画した奥行き感を物語に与えている点も見過ごせない。
異世界三人娘については、いずれ稿を改めて書いてみたいと思う。
ついでに付け加えると、ツンデレもまた恋愛表現における特殊なコードの一例として、
コミュニケーションをめぐる問題圏の一環をなしていることは言うまでもない。{/netabare}


近年のアニメの中でも際立っているように感じられる、この作品の非凡な個性が、
どのような場所から発生しているのか・・・そんなことを考えていたせいで、
結局、いつもの調子でどうでもいいことをグダグダと書いてしまった。
原作、アニメともに優れた出来であると書けば、一言で済む話なのだが・・・

それから、本作を観ていると妙な安心感を覚えて、ついリピしてしまうのは
一体どういう訳なのだろうか?・・・また余計なことを書いてしまうが、もしかすると
ズレた生き方をしながらも決して揺らぐことのない、おじさんの超人的な自己肯定感が、
やはり周囲とのズレを感じて生きる人々の、ストレスの受け皿になっているのではないか?
・・・何にしても、おじさんたちの将来もこの国の未来も、先行き不透明なことに変わりはない。
彼らに倣い、せめて現在のささやかな幸せを嚙みしめていたいものである。

最後に、極めつけのどうでもいい話を一つ。
おじさんのソックリさん(?)を偶然発見しました!→ Kaspars Putnins
似てないと言われても責任は負いかねますが、おヒマならどうぞ。

2022.10.24 投稿

投稿 : 2024/11/16
♥ : 19
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

17年の歳月の重みをSEGA方面から噛みしめる

2017年。17年ぶりに昏睡から目覚めた叔父は異世界帰り。
同居した甥のたかふみと共に、異世界で覚えた魔法をウリにユーチューバーやったり、
異世界での思い出話に花を咲かせたりする同名コミック(未読)の連続アニメ化作品(全13話)


【物語 4.0点】
時代や世代など、ギャップを上手く取り込み開拓した視点を通じて、異世界物に新味。

タイトルの割に、意外と現実世界のシーンも多い。
おじさんが異世界“グランバハマル”に転生していた間に現実世界で起こっていた衝撃の諸々を振り返る。
{netabare} ガラケーが消えて行くわ、『こち亀』や『笑っていいとも』が終了するわ。
そして何よりSEGAがゲームハード事業から撤退するわ。{/netabare}
おじさんと、若いたかふみ、藤宮さんの生きた時代、世界の違いを浮き彫りに。

土台を固めているからこそ、その上で回顧される、
おじさんの異世界体験記にツッコむ、たかふみたちという芸風のキレ味が倍加します。

世代的にツンデレを知らないおじさんは、異世界のツンデレエルフたちの秋波にもどこ吹く風。
おじさんが、エルフの迷惑行為、自らどうでも良い記憶映像と評する。
完全に恋バナだろう?と、たかふみたちが色めきだつツンデレ描写も新鮮でした。

異世界体験記が、動画再生の如き「記憶再生(イキュラスエルラン)」で構成されたのも妙手。
必要な場面だピックアップしたり、ツマラナイ場面は早送りしたり。
「記憶再生」は{netabare} 藤宮さんの禁断の過去{/netabare} を掘り下げるのにも重宝。
お気に入りのYoutubeチャンネルに入り浸っているかのような居心地の良さがありました。

重宝したのは「記憶忘却(イキュラスキュオラ)」も同様。
誰もが消したい過去を持っているという共感だけでなく、
{netabare} おじさんのゴブリン討伐の記憶を消された故にモブから「神聖勇者」に成り上がったアリシア{/netabare} など、
シナリオ展開の原動力としても機能していました。

懐古向けのようで、構成はトレンドを掴んでいるような。
不思議な魅力を持ったシナリオでした。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・Atelier Pontdarc

新興のスタジオながら、異世界&現実世界、各々でのおじさんが放つ魔法エフェクトや、異世界でオークと誤解される言動。
それらを目撃した、たかふみたちや異世界ヒロインズたちの多彩な顔芸など、膨大な設定に対応。
時おり、ねじ込んで来るSEGAネタも特徴的。

まだ制作工程の外部依存度が高いのか、コロナ禍の影響も受け、放送延期と仕切り直しを繰り返す。
時々挟まれるCGもレトロ風味とも言えるがクオリティ自体は凡庸な印象。

ただ、表現センスは面白く楽しませてもらったので、今後の体制強化に期待したいスタジオです。


【キャラ 4.0点】
主人公・おじさん。
重度のセガファンでもあり、それが現実&異世界とのギャップを単なる世代によるもの以上に拡大させる。
私もソニックファンのメガドライバーとして共感できる部分が多々ありました。
ゲームハードがマイナーであればあるほど、入れ込んだ愛は熱く燃え上がるのですw

おじさんの甥・たかふみ。
ツンデレを知らないおじさんの異世界ヒロインズに対する鈍感さに呆れるたかふみ。
だが、たかふみも幼馴染・藤宮さんへの“男友達”意識を捨て切れない鈍感力のバリエーションで、おじさんを微笑ませる。

自分が世間から見てどれだけ浮いているのか?鈍感なのか?
他人を見るようには分からないものなのですw


異世界ヒロインズ筆頭・ツンデレエルフ。
おじさんと良い感じになる度に、無自覚にフラグをへし折られ、
プンスカするベタベタなツンデレパターンを構築。

その他、メンタルがニートな氷の一族の末裔・メイベルなど、
コメディ要員のヒロインが適宜追加され異世界体験談は賑やか。


【声優 4.5点】
おじさん役・子安 武人さん。
スタッフは「もっと汚く!!」と鬼ディレクションw
子安さんも怪しい息遣いなど、全力で応え“テラ子安”伝説に新たな1頁が刻まれる。

「もっと汚く!!」と要求されたのは藤宮さんを演じた小松 未可子さんも同様。
たかふみに想いを寄せる乙女な現在と、小学生時代の落差が強烈w
たかふみや、弟・藤宮千秋には、幼少期には別の声優が配役されているのに、
藤宮さんだけは、みかこしに全てを背負わせる。
この鬼キャスティングから既に笑わせにきていますw

メイベル役の悠木 碧さんに至っては「もう溶けて、何言っているかわからなくてもいいです」と指示が出されたそうで(※1)
全く、わけがわかりませんが、確かにそんな感じの奇声で盛り上げてくれていましたw

その他、エルフ役・戸松 遥さん、アリシア役・豊崎 愛生さん。
キャリアを積んだ中堅以上の実力者を当てにしまくって、見事に面白いことになった感w



【音楽 4.0点】
劇伴担当は末廣 健一郎氏。
木琴がとぼける現実世界の日常コメディパートから、
金管が吠える異世界戦闘シーンの古き良きロープレ風BGMまでフォローする安定感。

OP主題歌は前島 麻由さん「story」
異世界物にタイアップし続ける歌手による不屈のデジタル・ロック。
OPでおっさんが踊る作品にハズレなしという私のジンクスも継続中。

ED主題歌は井口 裕香さん「一番星ソリティ」
このキモチに気づいて!って感じでエルフさんの心情と重なる片想いソング。
井口さんにとってはKADOKAWA移籍後第一弾シングル。かつ自身は本作には出演していない。
今後はよりアーティストとしてアニメに関わることも増えるのでしょうか。


【余談】
おじさんの魔法に対するアプローチ。
精霊の機嫌を損ねないようにお友達になる感じで魔法を“借りる”という感覚が興味深かったです。
{netabare} へそを曲げた精霊に部屋を極寒にされ、イワシの頭を供えてみたりw{/netabare}
この感覚って案外、AIを活用して力を得る技術に近い物があるのかもしれません。
作中でも取り上げられたYoutube規約変更などで、ユーチューバーが立ち行かなくなっても、
おじさんならAIが人を超える特異点をも乗り越えてしぶとく生き残りそうです。


参考文献 ※1.夏アニメ『異世界おじさん』おじさん役 子安武人さん×エルフ役 戸松遥さん×メイベル役 悠木碧さん×アリシア役 豊崎愛生さん、アフレコでされた変わったディレクションとは|《異世界組》声優座談会

投稿 : 2024/11/16
♥ : 32
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

おかしな冒険

Atelier Pontdarc制作。

17年間の昏睡状態から叔父が目覚めた。
面会に訪れた甥っ子のたかふみは目撃する、
叔父が放つ驚異的な魔法の数々を。
そう叔父は異世界からの帰還者であった。

世代の離れた男二人の共同生活、
文化的な価値観の違いに、双方驚きつつも、
団地の片隅で軽快に語られる新感覚コメディ。

これはなかなか楽しい。

異世界での冒険譚と、溢れるSEGAへの愛。
{netabare}生計を立てるため魔法系YouTuberとして、
ネット世界へと新たな冒険の一歩を踏み出す。{/netabare}

緩い笑いが心地良く響いてきます。

最終話視聴追記。
{netabare}仕切り直しはどうしても難しいですね。
当初の勢いを失った気もしますが、
それでも楽しめる良質なコメディでしょう。{/netabare}

ここで締めたいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 54

70.1 5 シュールでファンタジーなアニメランキング5位
旗揚!けものみち(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (353)
1258人が棚に入れました
最強覆面レスラー・ケモナーマスク。アリーナの大歓声に包まれて、宿敵MAOとの決着をつける世界タイトルマッチのゴングが今、鳴り響いた!はずだったのだが…試合の最中突如リングの上から異世界に召喚されたケモナーマスクこと柴田源蔵は、アルテナ姫から魔王と邪悪なる魔獣の退治を言い渡される。しかしケモノを愛する源蔵はその依頼を断固拒否!「魔獣だって愛情を持って接してやれば、無闇に人を襲ったりしない!」彼の真の夢は、ケモノに囲まれてペットショップを経営することだったのだ。源蔵はこの異世界で、輝かしい第二の人生をスタートすることができるのか!?

声優・キャラクター
小西克幸、関根明良、八木侑紀、櫻庭有紗、稲田徹

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

技をかける者がいて、技を受ける者がいて、そしてプロレスが始まる

この作品の原作は未読ですが、原作者が暁なつめ先生である事を知り視聴を楽しみにしていました。
暁なつめ先生と言えば、「この素晴らしい世界に祝福を!」が有名ですよね。
「このすば」は、私の「お気に入りの棚」序列70位に入る超が付くほど大好きな作品ですから…
きっと視聴のハードルも勝手に上げていたんだと思います。


最強覆面レスラー・ケモナーマスク。
アリーナの大歓声に包まれて、宿敵MAOとの決着をつける
世界タイトルマッチのゴングが今、鳴り響いた! はずだったのだが…

試合の最中突如リングの上から異世界の召喚された
ケモナーマスクこと柴田源蔵は、
アルテナ姫から魔王と邪悪なる魔獣の対峙を言い渡される。
しかし、ケモノを愛する源蔵はその依頼を断固拒否!
「魔獣だって愛情を持ってせっしてやれば、無闇に人を襲ったりしない!」

彼の真の夢は、ケモノに囲まれてペットショップを経営することだったのだ。
源蔵はこの異世界で、輝かしい第二の人生をスタートすることができるのか!?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

今回はINTRODUCTIONを見て正解だったと個人的には思っています。
大切なことを思い出せたことと、見出せたこと…

思いだせたことと言えば、源蔵が異世界に召喚された理由です。
そういえば第1話でアルテナ姫から魔王退治を言い渡されていたんでしたっけ…
普段そんな素振りを微塵も見せないので、本来召喚された目的をすっかり忘れていましたよ^^;
まぁ、1話から強烈なジャーマンスープレックスにお目見えしたのも、忘れた原因の一つになっていると思いますけれど。

そして見出せたことと言えば、「このすば」との共通点です。
流石原作者が同じだけのことはありますね。
この共通点はきっと皆さんもお気づきのことと思います。
そう、どちらも魔王退治の冒険をちっともやらないことです。

この点でいえば、「このすば」の方がまだ可愛げがあると思います。
運だけが良い引きニートの佐藤和真、アークプリーストの残念女神アクア、アークウィザードの爆裂娘ことめぐみん、全然攻撃の当たらないクルセイダーのダクネス…
このすばも「アクセルの街」からさっぱり出ようとしませんが、まだ冒険者っぽいですからね。

ところが、本作品は冒険者っぽさの欠片もないんです。
源蔵の普段は、ケモノをモフって餌をあげての毎日…
時折遠征しては新たなケモノをゲットしてきたり…
これのどこに冒険っぽさを感じろと言うのでしょうか^^;

冒険っぽさは微塵も感じないのですが、異世界っぽさは時折感じることがあります。
リアルじゃ存在しない獣人が存在したり、人間サイズの昆虫がいたり…
まぁ、異世界モノでは見慣れたモノばかりですが…

それでも、異世界でプロレスの興行が見れるとは思いませんでしたし、これはこれで斬新なのではないでしょうか。

一つだけ合点がいかない点があるとするなら、アニメ放送におけるラスボスの名前でしょうか…
マカデミアンオーガ…フルネームなら何の問題もありません。
ですが、普段「MAO」って呼ばれているんですよ。
「魔王」と掛けたシャレだということは理解できます。
でも文字で表現されると、「M・A・O」さんと勘違いしてしまうじゃありませんか…

一番ビックリしたのが完走後にwikiをチラ見した時のことです。
MAOのキャラネームにも反応してしまったのですが、一番ビックリしたのが「演-MAO」と記載されていたことです。
「何で…MAOさん女性なのになんでここに載ってるの?」
と思ったら、リングネームがMAOというリアルのプロレスラーがいらっしゃったんですね。
すみません…全然知りませんでした^^;

こんな異世界っぽさはあるものの、本当に異世界である必要があったかは少々微妙…
だけどしっかり笑いのツボを心得ているこの作品…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、NoB with ケモナーマスクの「闘魂(ファイト)!ケモナーマスク」
エンディングテーマは、ももすももすさんの「アネクドット」
個人的にはエンディングに軍配です。

1クール全12話の物語でした。
頭を空っぽにして見れる楽しい作品だったと思います。
個人的には天ちゃんの活躍の場がもう少し欲しかったような…
楽しませて貰いました!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 31
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

動物好きレスラーが異世界魔獣と戯れるアニメ

動物大好きレスラーの源蔵が、異世界に召喚されて、魔獣と戯れるお話?なのかな。。
色物の雰囲気がぷんぷんしてたので、とりあえず1話だけ見ようかな、と思って見たら・・・
あるシーンで(゜o゜)となり、これはイケるかも!と思いました(>_<)
色々と変化球の多いアニメで、そこも面白いなあと思ってましたが・・・
9話までみました。1話で面白かったシーンの大安売りでちょっとげんなり(-_-;)源蔵もただの強いわがまま男なので飽きてきました。。
最終話まで見ました。引っ張り続けてやっと実現したMAOとの対戦でしたが、試合をもっと熱く描いてくれたら良かったんですが・・ちょっと残念でした。キャラは立ってるので、もう少しお話を工夫して欲しかったです。
以下、各話の簡単なレビューです・・けど7話までしか書いてません(-_-;)

1話
{netabare}試合の途中で異世界の姫に勇者として召喚されてしまったレスラーの源蔵。
魔獣たちを倒してほしいと姫に頼まれて、逆に姫にプロレス技をかける源蔵(・_・;)
これはびっくりしました(゜o゜)今までにない感じで、これ見て俄然、視聴継続する気になりました(・o・)
確かにパンツ姿で街歩いてたら変態だよねー。しかも獣を見るとモフモフしたくなるとかいいキャラしてます(-_-)
ケルベロスを手懐けてしまうとこは笑った。なんか色々と変化球の多いアニメだなぁー。{/netabare}
2話
{netabare}隣のアリがすごく気になる(-_-)アシスタントさん?
理想のペットショップを作るためのお金を稼ぐためにクエスト稼ぎをする源蔵たち。
でもいきなりサラマンダー討伐って・・というか、すぐ懐かれるのね(-_-;)しかししぐれ腹黒いな。。
しぐれの裸体<ユニコーンのマミちゃんは笑った(^○^)
オークのボスと武器なしの格闘勝負。やっぱり最後はジャーマンで決めるんだね\(-o-)/
お屋敷から家出したお嬢様。源蔵の仲間になる?{/netabare}
3話
{netabare} 毎回OPの最後にこっち見る人がかわるんだね♪
源蔵に助けられた家出少女。
アリ、意外とコミカルな感じでお手伝いしてる(-_-)
家出少女、肉食なのかな?源蔵のペットたちが食料庫に見えてるし(-_-;)え?ドラゴン?
なぜわざわざケモナーマスクの恰好になってるの(-_-)闘いの正装だから?
家出少女はどうやら魔王の配下の花子というドラゴンハーフみたい。
そこに従者のヴァンパイアのカーミラも花子を連れ戻しに追いかけてきて。
花子はひろゆきが気に入って源蔵のところに居候になるみたい
というか、最後はお約束のジャーマンで終わるんだね\(-o-)/{/netabare}
4話
{netabare}姫再登場!源蔵のせいで姫の威信が・・(-_-;)
しぐれが源蔵たちの浪費のせいでやりくり苦労してるのがなんかいじらしい(>_<)
しぐれってちょい悪キャラかと思ってたけど、あの中では一番しっかり者なんだね。
お金を稼ぐためにグリフォン退治(捕獲)に出かけることに。
しかし源蔵、姫といいカーミラといい、女性とか関係なしで技かけまくるんだ(-_-;)
グリフォンは強くて(美味しくなくて)無理だったけど、子供は捕獲成功!すぐ巨大になって食費が(-_-;)
でもちゃっかり拾った剣を売るあたりはやっぱりしぐれはちょい悪なんだね(^O^)
次回、魔王が登場する? {/netabare}
5話
{netabare}今回のOPは誰がこっちを見るのかなと思ったら、二人で見てるし(・_・;)次回は残りの二人なのかな?
MAOって宿敵という割には毎回ケモナーマスクに負けてるのね(-_-;)
ケモナーマスクが突然消えて、どうしていいかわからなくなってるMAOって意外と純粋な人なのかな?
ケモナーマスクロスのところを魔王の配下に召喚されて、異世界に来たMAO。{/netabare}
6話
{netabare}花子と同じく魔王の配下のイオアナがMAOを召喚して、勇者?の源蔵と戦わせようとしてるみたい。
イオアナにとって花子は因縁の相手と思ってるけど、花子は全然眼中にないんだね(-_-)
花子って天然ぽいけど、時々醒めた目をしてる時もあったりしてよく分からないけど、食べ物のことばかり考えてるのは間違いなさそう(-_-;){/netabare}
7話
{netabare}ハンターのセリスが源蔵の弟子にして欲しいとやってきたけど・・
源蔵、相変わらず誰彼かまわず技かけるのね(-_-;)
最初弟子にする気はなかったけど、セリスの肌がリザードマンの鱗なので、弟子にすることに。
なにげにいるアリさんのエプロン姿かわいい(*^_^*)
色々あって(-_-)セリスとギルドのハンターが対決することに。
最後はセリスがジャーマンで勝利\(-o-)/{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 30
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

大喜利時代に突入した“異世界転生”なるジャンル

暁なつめ原作


聞き覚えのあるお名前で調べたら『このすば』の作者さん。となると不必要に期待しちゃいます。
異世界転生ものの変わり種。2019年秋期はジャンルの転換点を迎えているのかもしれませんね。

 大航海時代

ならぬ

 {netabare}大喜利時代{/netabare}

に突入した感ありです。ポスト“ひきこニートが転生先であははうふふ”を探ってる感じです。
本作も旧テンプレへの異議申し立てあり。『このすば』の作者さんであるからなのかコメディだろうの事前の期待があって、その通りお笑い要素多めの作風となってます。


で本作です。
『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』という2001年まで特番スタイルで20年くらい続いた番組があるんですが、ご存知でしょうか?
そこでのムツゴロウさんという傑出したメンタリティを持ってるおじいさん(存命らしい…)のようなキャラ設定を施されたのが本作の主人公柴田源蔵(CV小西克幸)です。動物に盲目的な愛情を注ぐ好々爺がムツゴロウさん。それを若返りさせてレスラーにしたのが柴田源蔵と言ったところで通じそうです。
ある程度おっさんしかついてこれないと思いますのですみません。設定は公式をご確認くださいませ。


軽く『このすば』と比較するとわかりやすいかも。
主人公♂がぶっとんだお仲間♀に右往左往するのを楽しむのが『このすば』とします。作者としてはある程度そこで結果を出したので切り口変えたくなったんでしょうね。
ぶっとんだ主人公♂が暴走するためお仲間♀が右往左往するのを楽しむのが本作『けものみち』。と役割を逆転させてみたって印象が強いです。



魔物(≒けもの)が世界には存在していて、こやつらは本気でかかってくるのですが、源蔵にとってはけものとのじゃれ合いに過ぎず、彼がモフモフして懐柔する、という基本の流れ。それが繰り返しになるのでけっこう飽きました。
原作者の手グセみたいなものもあります。笑いの勘所は同じ作者なら180度変わるということはないでしょう。『この素晴らしい世界に祝福を』前例があるので視聴済みの方は参考といいますか試金石ぐらいにはなるでしょう。

 ・『このすば』作者への期待
 ・異世界転生の変化球を試したい 
 ・プロレス好き

このへんがひっかかりそうならどうぞどうぞ。
うしろ3つめは初出ですがご参考まで。

 “鍛え上げられた肉体の出来レース”

つまりシナリオはドラマチックだったらなんでもあり。ご都合展開を甘受できる素地があるのがプロレスです。このケレン味が嫌いじゃない方は相性良いかもしれません。
それとカウントナレーションの声は斉藤貴美子さんとありました。格闘技イベントのPRIDEやRIZINの入場コールを担当しているレニー・ハートさんをリスペクトしているのは間違いないですが、よくここまで真似られるんだなと感じました。人によっては最大の見どころ足り得ます。

他にも無口な召使いのアリさん、尻姫様、コボルト奥さんを筆頭に面白いキャラが多かったです。キャラだけだったらこの期の作品群の中では最も立ってたと言って良いかもしれません。
{netabare}※そういえばお姫様が大股開きになった時の股間の盛り上がり方が妙にリアルというか土手のラインの線画にすごい力が入ってるなぁ、と無駄に感心もしとりました。{/netabare}


続編を匂わせつつも一区切りつけて終わりました。続きあれば観ると思います。
プロレスの良さって、相手を見極めながら受けて攻めての繰り返し。出来レースと言う勿れ。ガチガチの敵対関係とは別の意味で信頼できる関係が存在すると言えます。善悪別れるファンタジー世界では異色の優しい世界。『このすば』にも通ずる作者の手グセと言えるかもしれませんね。
そして補完するかのような主人公のムツゴロウさん的愛情でしょうか。

単なるギャグと思いきや愛に溢れた作品なのかもしれませんよ。けっこう私は満足しました。



視聴時期:2019年10月~2019年12月   

------


2020.01.12 初稿
2020.07.12 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 48

78.8 6 シュールでファンタジーなアニメランキング6位
キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (755)
3311人が棚に入れました
主人公の人間キノと言葉を話す二輪車エルメスは、目的もなく、世界をあちこち旅している。世界のあちこちには個性豊かな国があり、人々は自分たちなりの法や常識をもって暮らしていて、キノとエルメスはそんな国々を訪れ、基本的に3日間だけ滞在し、また次の国へと旅立っていくのだ。そんなキノとエルメスの旅の話は、時に優しく、時に哀しく、時に滑稽で、時に胸に突き刺さる。そして、珠玉の物語たちは、一言では言い表せない鮮烈な光景を読者に見せてくれるのだ。“美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい"世界を。

声優・キャラクター
悠木碧、斉藤壮馬、梅原裕一郎、松田健一郎、佐倉綾音、Lynn、興津和幸
ネタバレ

阿紫カービィ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

美徳 悪徳

可愛い?作画なのに

毒のある作品…良心が悲鳴をあげた!



好きなエピソード順に
感想を。



『迷惑な国』
これは…見事な風刺に 開いた口が塞がらなかった。

巨大なキャタピラで、移動をし続ける国と
「通せんぼの国」のお話。

移動を続ける国は
動力炉からでるエネルギーを発散させる為に移動をせざるを得ない、
国民が 色々な景色を楽しみながら旅をしたい、その2つの理由で移動を続けている。

豊富なエネルギーがあるからなの?
この国の民は皆笑顔。

無邪気で 大きな声で挨拶をする子供達、
生活に全く不満がない故、おおらかな大人達、

その皆の笑顔が…とにかく奇妙。

目の前に「通せんぼ」の国が現れる。
通せんぼの国の将軍は、移動する国に当然反発するのだが…

「皆さん 退いてくださーい!怪我をしますよ。」
と普通に注意をするのです。

笑顔の国と怒れる国
どちらが「迷惑な国」なのでしょう…

たとえ「通せんぼの国」が、
他国にとって、キノにとって不都合な国だとしても、
そこで生活をし 農作物を作っている人達も いるのです。



『嘘つき達の国』
とても哀しく あたたかい。
人の心は一体 何なのでしょうか…

心に傷を負った元革命家と
彼を「大切」に思う 人々、身分を隠して「彼」のお世話をする女性のお話。

皆が それぞれの想いを持ち
「彼」を護る為に 嘘をついている

優しさや愛に溢れている嘘つきの国

普遍的でなくとも 幸せというのは容を変えて存在している。
自分にとっての幸せとは何か を考えさせられました。



『羊たちの草原』
いく通りにも考察できて、面白い!
羊を擬人化させての風刺に胸がスカッとします。

「君たちは 何故…そうまでして闘う?」

ほんとだよね。

そして人間はいつから…都合良く勝手に自然を壊し始めたんだろう。。
後始末もろくに出来ないのに。



『雲の中で』
これは「奴隷の少女」と 一人の男性のやりとりで物語が始まり、終わりを迎えます。

「奴隷の少女」の言葉に何を思うか。

{netabare}「私は 人を恨んだり憎んだりしません。人を殺そうと思う事は 悪 です。その様な事を思ってはいけません。それが 真理 ですから。私は今、将来を試されているのです。」{/netabare}

腐った世界で
人でなしだけが 生き残れる世界で

少女はその言葉を心から信じて 守って すがって 生きてきたのでしょう。

しかし
人の心には…どうしても迷いや矛盾が生じる時がある。
辛いけれど…



『人を殺す事ができる国』
1話目に このお話をもってくるとは…凄いと思います。
「屁理屈」に クスッとなる、ある意味、爽快なお話。
瞬時に 心、掴まれました。



全体を通して思ったのは…

謎を少しだけ残して『ん?』と思わせ
後にその謎が解る、というミステリー的な要素もあり、軽く笑えるお話もあり。


「伏線回収」がきちんと成されています。


これは私の我儘なのだけど

「キノの正体」「キノの過去」のお話…
知りたくなかった…です…まだ。




私も旅をしたい!
ブラフ・シューペリアに乗りたい!無理だけど…


人は
いつだって自分の特別な場所を探してるもので。
自分の「国」を作ろうとしてる。




私も頑張ってみようか…な

投稿 : 2024/11/16
♥ : 48
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

モーターサイクルダイアリーズ

時雨沢恵一原作、電撃文庫人気シリーズ。

物語は寓意に満ち溢れた童話短編集、
キノとモトラドのエルメスによる諸国放浪記。

原作の表紙にずっと惹かれていたのですが、
イメージとは違い凄惨な話が続きますね。
キノが銃を握りしめて眠るのが印象的でした。

ここには様々な都市国家が存在していて、
原始的なものから、近代的なものまで、
文化の成熟度まで違います。
様々な人と交流しながら、
街を散策し、人と世界を理解する、
キノを徹底して、傍観者にすることで、
視聴者を舞台に上げることに成功しています。

評価は上がったり下がったりなのですが、
作品を正しく理解するには、
ここで描かれていない、余白にこそ、
真実があるのでは、ないでしょうか。

最終話視聴追記。
最後は不思議な物語で締めましたが、
{netabare}人の身勝手さに皮肉と言った所でしょうか。
11話「大人の国」が良かったですね。
願わくば好きなことをして生きる、
キノの過去が描かれ興味深いものとなりました。{/netabare}
動き出したものだけに世界は開かれるのです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 71
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

トータル、前作と同水準

<2020/6/13 追記>
評点4.0→4.2に修正です。
どうやら入力ミスしてたようで。

<2017/12/23追記>
最終回を見終えました。
これまで↓に書いてきたレビューと印象は変わらず。
・声はキャラクターにぴったり
・キャラクターの絵柄は少し馴染めなかった
・お話は好みの分かれる感じの寓話
なので評価は4.2のままとしました。
最終回は大人の国のがしっくりきたような。
なぜ羊(笑

<2017/10/9初レビュー>
最初のアニメと比べると
声は、キノは同じくらいの好感度。エルメスは圧倒的に今作の方が◎。
キャラクターは前作の様にぼんやりしてた方が好みだったな。特にキノが{netabare}女の子に{/netabare}しか見えない(いや{netabare}女の子{/netabare}なんですけどね)のは、物語のあやふや感が減って少し残念。

トータルで見ると前作と同水準を維持。

なので今期楽しみな作品の一つです。

<2017/10/14追記>
読み返したら中身に全く触れてなかったので追記です。以下は前作のレビューからの抜粋コピペです。

あてのない旅を続ける{netabare}少年の様な少女{/netabare}キノと喋るバイク、エルメスのお話。

1話完結というかショートショートの趣ですね。
旅先の国々にはそれぞれ独自の事情があります。
それは風習だったり、ルールだったり、歴史だったり、技術だったり。
現実の世界では当たり前すぎる常識なはずのものを一個だけひっくり返したり、ずらしたり、といったものです。
そうした国でキノとエルメスは何を観て何を感じるのか。
ある種、思考実験じみたお話です。
なんか、そう。
星新一のショートショートの様。

こういうお話は好きですね。

<2017/11/19追記>
評価デフォルト3にしてましたが、今期も半分超えたので評価値付けてみました。
現時点では4.2。
全般的には割と好きなんですが絵が少し苦手かも。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 53

72.5 7 シュールでファンタジーなアニメランキング7位
ドリフターズ(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (578)
2889人が棚に入れました
西暦1600年 天下分け目の大戦、関ヶ原の戦い――薩摩、島津家の武将、島津豊久は身を挺した撤退戦の後、死地から抜け出し一人山中をさまよっていた。降りしきる雨の中、たどり着いたのは無数の扉のある廊下のような部屋――豊久はそこにいた謎の男、『紫』を問いただす間もなく石扉の向こう側へと送り込まれてしまう。――そこはオルテと呼ばれる国家が支配する世界、人間とデミ・ヒューマンと呼ばれる「人ならざる」ものが暮らす異世界だった。異なる時代から先に流れ着いていた織田信長、那須与一ら歴戦の英雄とともに豊久は揺らぐことのない武士(さぶらい)の思想で異世界の戦場を疾り駆ける!

声優・キャラクター
中村悠一、内田直哉、斎賀みつき、鈴木達央、青山穣、家中宏、小野大輔、高木渉、櫻井孝宏、古城門志帆、西田雅一、楠大典、皆川純子、乃村健次、北西純子、田中正彦、安元洋貴、石田彰、宮本充、伊藤かな恵、間島淳司、続木友子、石塚さより、仲野裕、杉田智和、福田賢二、遊佐浩二

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

次いってみよ~!

原作未読。最終話まで視聴。

異世界ファンタジーバトル系かな?
エルフとか出てくるけど、魔法とか出てこないし、ファンタジー要素は少なめだけど。

一言でいえば『歴史上の人物が異世界転生して敵味方になって戦う』という物語。
私は日本史も世界史も苦手だったけど、それなりに楽しめた。

作画は特徴的。だけど、見やすい。ただし、グロ注意で。

シリアスパートとコメディパートのメリハリが半端ない。
おそらく特徴的な作画のせいだと思う。

原作未読の自分が悪いんだけど、敵味方が分かりづらいのが少々難点。

後半少しずつ面白くなってきたので、第2期を楽しみにしています。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 31

08261216 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最高!

8時だよ!と思いきや。
超絶カッコイイ。5回見ちゃいました。

OP等原画風なのも素晴らしい★

信長生存説
(脱出・逃亡、異世界・未来・過去等々を望んでる私からすると最高に燃えます。)
個人的には...光秀が本能寺に襲ったかどうかは不確かな歴史だと思ったりしてますが・・・。

ストーリー展開も面白いし
豊久がカッコイイ。

効果音等も最高です。よーおー!!歌舞伎風です。

一見、渋い展開になるかと思ったんですが、ギャグとかCパート。
次回予告が面白いです。

作者さんは凄いですね、色んな偉人に精通・研究してるのかな?
歴史好きにも偏りが出るものですが、勉強になります。

2期やOVAを気長に待ってます。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

今期では楽しみにしている方でした。面白かったです。

漫画原作は未読です。

ドリフターズといえば「8時だよ!全員集合」のコントが終わって舞台セットを解体して片付けるときのBGMを真っ先に頭に思い浮かべてしまうおっさんですが、歴史上の登場人物が出てくるということで楽しんで観ておりました…。

ちなみに作画は3.5としていますが、決してダメとは思っておりません。時に止め絵を使うとかモブの兵士の格好を同じにするなどして省力化が図られていますが、話を追うのには十分なクオリティで必要なところはバッチリやっているので特に問題はないと思います。

ざっくり書いてしまえば、エルフとかドワーフとかコボルドとかがいる異世界に歴史上の偉人が「漂流者(ドリフターズ)」側と「廃棄物(エンズ)」側に分かれてとばされて、勢力争いに加担することでそれぞれの陣営が覇権を争う異世界での戦争モノです。

「漂流者」サイドの島津豊久が主人公で、織田信長、那須与一が準主人公格といえます。歴史的にどうやって死んだかが良くわからない人物により構成されています。「廃棄物」サイドでは正体不明の「黒王」が指揮を執っており、ラスプーチンやジャンヌ・ダルク、土方歳三などが属しています。こちらは非業の死を遂げたり、世の中を恨んで死んだ感じの人物により構成されています。

話が進むにつれて登場人物はどんどん増えていき、誰が登場するかは本作の一つの楽しみです。

「廃棄物」サイドが物語早期に組織化されているのに対して、「漂流者」サイドは各自の意図でバラバラに動いており、それをまとめようと画策する「十月機関(オクト)」や「漂流者」の何名かによって建国されたオルテ帝国などさまざまな勢力が出てきます。

また、異世界の文明がほぼ中世レベル以前で武器としては剣や弓、油による放火などしかないのですが、「漂流者」や「廃棄物」の中にはもっと後の文明レベルの人物がいるので武器や戦術の近代化が作中で図られていくのも面白いところです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 39

68.5 8 シュールでファンタジーなアニメランキング8位
しろくまカフェ(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (493)
2676人が棚に入れました
カフェを営むしろくまと常連客のパンダが繰り広げるほのぼの系アニメ。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、福山潤、神谷浩史、森川智之、遠藤綾、羽多野渉、小野大輔、小西克幸、谷山紀章、矢作紗友里、近藤孝行、伊藤陽佑、藤原祐規、宮田幸季

kazunyanzu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

しろくまくん! カフェモカおかわり(*´ω`)oU~♪

【アニメ しろくまカフェ】 全50話 ('12年4月~'13年3月) 1年間放送!

動物の「しろくま」さんが営んでいるカフェでその名の通り

"しろくまカフェ"

に集まる常連さん、「ペンギン」さん「パンダ」くんと
しろくまカフェで働いていて、今作品ゆういつ?の女のコキャラ「笹子」さん
たちが繰り広げる、ギャグやダジャレの飛び交うまったり会話(o´艸`)ヌフフで
楽しい時間を一緒に過ごすほっこり動物癒しコメディーアニメ♪


他にもたくさんのキャラもとい、動物さんたちが出てきます!!

ラマさん、グリズリーくん、半田さん、リンリン、ナマケモノさん、
ゾウガメさん、カワウソくん、マンドリルさん、パンダママ、
常勤パンダさん、コアリクイさん、レッサーパンダくん、メイメイ、
ちっちゃいペンギン(シュシュぽぽ) オオカミ、トラ、ライオン、他にもいっぱい…


何なに?動物? コスプレとか着ぐるみ?の類ですか?

いえいえ違います! 他ならぬ正真正銘の"動物"さんです!!

この作品の世界では人間と動物が共生している社会♪

普通にそこら辺をペンギンさんが恋悩みにうつつを抜かしながら歩いてますし
パンダくんがダルがりながらも、動物園でバイトしてたり(当たり前か)
エゾリスママやパンダママはスーパーのセールとその後のママ友会♪*゚
しろくまくんはカフェのマスターでいつもみんなを暖かく迎えてくれる♪

ごくあたり前の人々が暮らす日常に動物さんたちも普通に暮らしていて、
和気あいあいと楽しい日常を演出してくれる~

そんな楽しい動物たちに囲まれてほんわかゆるくて癒される~そんな世界観♪

あ、人間さんも出てきますよー!! 
でもキャラ構成比 動物:9 人間:1 くらいですかね*・ω・)w

たくさんのキャラが出てきます!! 30人、(匹、頭、羽) くらいでしょうか?
演じられる声優さんたちは人気の方々がしっかりと好演されていますね☆

シロクマくん CV:櫻井孝宏  パンダくん CV:福山潤
ペンギンさん CV:神谷浩史  ラマさん CV:小野大輔  
                      有名ドコロ抜粋_((Ф(・ω・*)♪

あと花澤香菜さんも実は出演されてますね|ョω・)♪


ストーリー的には1話ごとに2つのお話があって、
先が気になったり、あつい展開が待っている訳ではないので、

夢中になるというよりは ⇒ まったり楽しむというのが正しいでしょう!!


また1年間放送されていた作品なだけあって四季折々のイベントや風情を
一緒に楽しむというのが通かと思います♪*゚

春にはお花見して~、夏には、七夕や海!!
秋には、運動会やハロウィン★
冬にはクリスマスや一緒に年を越したり~ 冬眠したり(*´д`)σ[枕]w

私達の日常にもリンクする、そういった演出も毎週楽しみに観ておりました☆


いつものごとくちょっと脱線しますが、

ペンギンさんがおもしろいです(*´艸`*)ププ
ペンギンさんが好きなのは同じコウテイペンギンの「ペン子」さん♡
彼女を何とかデートに誘おうと奮闘するのですが

自体は思わぬ方向へ(ノ*´ω`)ノ ―

ペン子さん、ペン美、ペン奈、ペンジョリーナ、あとなんでしたっけ?w

いっぱい出てきましたね(o´艸`) ハーレムですよこれハーレム!!
こんなに微笑ましいハーレムアニメ、他にはないんじゃないですかねぇ(。 ノ∀<)σw

ペンギンさんのキャラソンも最高ですね(ノ∀`*)♪


あとなんと言っても シュシュぽぽ♪

え?何ですと( ;゚Д゚)? シュシュ、シュシュポポ?
電車ゴッコしてるちっちゃいペンギンの子どもたちがこれかぁ~わいいのです(◍’౪`◍)♪w

「ガタンゴトーン♪ ガタンゴトーン♪」

すいません(人д`*)
未視聴の方には意味不明なコトですのでこれくらいにして(人*’ω’*)



まとめて――  ヾ(・ω・`) しろくまくん終わろう

総じて、ジャンルとしては日常コメディー(非日常)
かわいい動物たちとほんわか笑える楽しいカフェの雰囲気♪

動物好きなヒトにはたまらないのではないでしょうか?

週に一度、カフェモカを片手に
和気あいあいと和む動物たちにほっこり癒される時間があってもいいかもしれない♪

投稿 : 2024/11/16
♥ : 27

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

16話まで視聴中  面白さが安定してきた

<16話までの感想>

8話くらいからだったか、いきなり面白くなったなという記憶がある。
理由はわからない・・・おそらく脚本を数人交代で書いてらっしゃるので
書き手によって面白さが違うというか、笑いのツボが変わるのだろうね。
自分的には、横手美智子さんの脚本が気に入っている。

もっともっとシュールな展開をするのかと思っていたら
カフェに集まる常連のペンギンがやたら嫌味なやつだったり
パンダがマイペース過ぎてKYだったり、時折やってくる人間はみな
どこかしら抜けている感じに描かれていたり、とにかくどの登場人物も
細かく描かれながら、憎めないキャラというのが共通点。

その愚かさや、おかしさが、笑える範囲だからだろうけれど、
なんとも平和な話なのだ。

また、しろくまの親友であるグリズリーベア(声=中村悠一)が
やたらワイルドでカッコよかったり、
ちなみに彼が経営しているバーの常連は猛獣ばかりなのも面白い。
そしてパンダLOVEな近所の花屋の青年が、
個人的にすごく好みの外見だったりw
キャラデザがけっこう好みなんだなと気づかされたりしている。

そんなわけでなにかと、次回も観たくなるポイントが高いので、全何話なのか
さっぱりわからないけれど、今後も観続ける作品だろうなと。

---------------------------------------

今のところ、4話での「スマホに夢中」が一番笑えた。

動物キャラ主体のほのぼのアニメかと想像していたら、
なんともシュールなギャグ展開。
キャラデザも、かわいい描き方はあえてせず、リアルなタッチ。
いろいろな動物がやや擬人化した過ごし方で登場するけれど、
人間も当たり前のように登場し、彼らと会話もする。

その不思議感覚が、なかなか面白い。
この作品は、夕方の放送なので小さなお子さんも観ると思う
けど、何歳くらいから理解できるんだろうね?
たぶん、内容があまりわかってなくても、動きで面白く見れたり
するのかもしれない・・

ギャグに関しては、パンダにちょっとイラっとするけれど、
見方によってはかわいく映り、
個人的にはしろくまのクールさが気に入ってしまったし、
ペンギンも、あぁこういう常連さんいるよなぁ~って感じで
なかなかいい味を出している。

それと、ビックリするくらい声優さんたちが豪華。
1話25分ほどのうち、2部構成になっているのも観やすい。
というわけで今後も視聴を続けますです。

☆評価、レヴューは最終話終了後、再編集させていただきます。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 32

che さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

Le café de l'ours polaire

タイトルのフランス語が間違っていると教えてもらったので、修正しました、takumi@さんありがとうです!

キャッチしてる方から、面白いと薦めていただき、OPの曲聴いて、このセンスは見るべきだなと思い、観ましたw

8話?リンリンさんがパンダ君の家に行く話と、ペンギン君がペン子さんに告白に行く話です。
だけしか、観てないんですがもう予約録に入れてるのでこれから常に見るともいます。

内容は、
喋るシロクマが経営するカフェに来店する、喋る動物たちと人間の日常と言う感じでしようか?
脱力系コメディって感じ?

シロクマくん面白かったですw
僕、シロクマって好きなんです、シロクマは英語でPolar bear(ポーラベアー)て言うんですけどこの名前の響きが好きなんですw
あとバイトの笹子さんかわいかったです!
書く事は、、、それぐらいですww
面白かった位しか書く事ないですww
オススメである事は間違いありません!

説得力ね~な~w

EDがツッパリハイスクールロックロールの替え歌でしたw
其れを聞いてOh!スーパーミルクチャンってアニメを思い出して棚に入れましたw
ミルクちゃんのEDもツッパリハイスクールロックロールなんですw

タイトルは、フランス語で「シロクマカフェ」です。
フランス語なんて解んないし翻訳機かけただけだから間違ってるかもww
カフェっていったらフランスってイメージがあるんでw
ほら、フランス語で書くだけでちょっとオシャレな錯覚にとらわれるでしょ!?

こんな人にオススメ

以下の理由により僕はオススメしません。

追記
なんかこのアニメの原作者、出版社と揉めてるみたいですね、
連載無期限休暇、宣言したみたいです。
出版社と制作会社は原作者となんの契約も結ばず、原作者の意図も汲まず勝手にアニメを制作した、原作者はこのアニメ制作に関してまだ一円ももらっていない。
てきな感じの記事をよみました。
そんなことして、ええ思っとるんかい~~!
ってかこの国はこんなにアニメとか、漫画が莫大な利益を生んでるのに原作者や制作者への還元率がおかしいやろ!
出版社横暴すぎるやろ!
って事でこのアニメは面白かったけど、もうみません!!
こんな事がまかり通るなんて、有っちゃいけない事だよ、こんな事何時までもしてたら、何時かアニメや漫画も廃れるよ、なんにしても、この国が世界に誇れる文化を廃れさせるような事をしてはいけないと僕は思います。
気になる人はググって調べたらいいと思います。
こんな事が有っても、見る見ないは、その人の自由だと思うけど、僕はもう見ません。
それが、出版社が原作者へ行った仕打ちの僕の答えです。
ホント下られねぇよこの国の何時まで経っても変わらない、こう言う所!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

63.2 9 シュールでファンタジーなアニメランキング9位
戦勇。(TVアニメ動画)

2013年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (484)
2450人が棚に入れました
ある日突然、世界に穴が開いた。そして同時に魔物が現れた。
これははるか昔、世界を恐怖に陥れてきた禍々しき存在、魔王ルキメデスが、1000年前の勇者クレアシオンによる封印を破り、復活を果たした。なお魔界から魔力の高い12人が魔界からやってきている。
そう判断した国王は、かつてのような狂気と混沌による支配を恐れ、勇者の子孫を魔王討伐に向かわせる事にした。その人数75人。むしろ子孫が誰かなんてわからないから、それっぽい者を王宮に呼び寄せた。
「魔王を討った者に真の勇者の称号と莫大な富を与えよう。」
こうして勇者No.45アルバと王宮戦士ロスの魔王討伐の旅が始まる。

声優・キャラクター
下野紘、中村悠一、茅野愛衣、鈴村健一、中田譲治、加藤英美里
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

賤勇。

(2013.1/9 1話:勇者、旅立つ。)
{netabare}OPが…JAM Projectとか熱い^^;

その曲とOP映像のミスマッチがギャグっぽさを演出してるのだと思います。
やっぱり下野紘さんの声、ギャグアニメ向きなんだなと改めて確認www

ってか、「うーさー」が勇者候補なの?(゚∇゚ ;)エッ!?{/netabare}

(2013.1/16 2話:勇者、出会う。)
{netabare}色々とパロネタが多いですねwww
「諦めたら、試合終了だよ。 もっと熱くなれよ!」何かは、スラダンや修造さんですし(^_^;)

「べ、別に、あんたの為に買ったんじゃないんだからね」はゼロ使というかツンデレキャラが言いそうな言い回しだしwww

まさか、ファ○タグレープ飲んでたのが魔王だとは…

ナレーションが中田譲治さんの時点で個人的にツボですねwww{/netabare}

(2013.1/24 3話:勇者、悩む。)
{netabare}魔王のローブの中、全裸とか妖怪チビ毛布かwww
勇者のかあちゃんがAAとかないわwww

ましろ役より、ルキ役の茅野さんの方が良い(*´▽`*)
EDもJAM Projectだったのか!{/netabare}

(2013.1/30 4話:勇者、焦る。)
{netabare}新たなる魔物の中に、人工物混ざってるんだけど…
そして勇者候補にエガちゃんみたいなのが居る時点で「勇者」関係無いよね(-_-;)

ルドルフ(ロリコン老騎士)、譲治さんかwww
魔王が幼女だと知った時のルドルフの作画の変わりよう、凄かった^^;{/netabare}

(2013.2/6 5話:勇者、奮い立つ。)
{netabare}王様、王冠無かったらただのお爺ちゃんだなwwww

同じ爺ちゃんでも、ルドルフ…ェ…ェ…

老騎士とパーティー組むんじゃなくて、アルバが倒せば…あぁ、無理か。
コルネリウスじゃ、荒耶には勝てないよな…orz

(゚∇゚ ;)エッ!?譲治さんの出番、もう終わり!?

せめて、フォイフォイに技名くらい言わせてやって下さいよ^^;{/netabare}

(2013.2/13 6話:勇者、駆ける。)
{netabare}Don't mind、ドンマイで良いだろって思うけど、老騎士だから仕方ないかwwwww

装備じゃなくて、それウォー○ーwwww

おいロリコン、世界よりも自分の欲求を優先するのか、お前はwww
勇者、もう勇者じゃなくなってるし∑('◇'*)エェッ!?{/netabare}

(2013.2/20 7話:勇者、震撼す。)
{netabare}おいっ王様、勇者達を魔王討伐に向かわせておいて…そっちのけ過ぎるだろwwww

成程、ド○えもんの四次元ポケットは魔界に繋がってたんですねwwwwオイオイ・・ (;´д`)ノ

どうでもいいけど、魔界からでてきた12人の右から2番目が右方のフィアンマに見えるんだが…

12人の内の一人捕まってるしwwww{/netabare}

(2013.2/27 8話:勇者、疲弊する。)
{netabare}あ~る日、とつぜん世界に穴が空いた♪って唄っちゃったよ、譲治さんwwww(゚д゚;)

西洋甲冑、タチコマみたいだな^^;

「風魔絶分~」が「食う節分~」に聞こえてしまったw
やせ我慢とか忍術でも何でもないから!ヾ(-д-;)ぉぃぉぃ

声優さんが楽しそうに演じていて何よりです^^{/netabare}

(2013.3/6 9話:勇者、困惑する。)
{netabare}ヤマカンさん登場www
それ、分身じゃなくて幽体離脱!ヾ(-д-;)ぉぃぉぃ
王様、魔族の言いなりかよ(°З°)ププッ
「なりー、なりー」ってコロ助ww
ミーちゃん、ドM(゚д゚;){/netabare}

(2013.3/14 10話:勇者、驚愕する。)
{netabare}ナレーション、略すな!
アルツヴァイ、よくもヤヌアを…(ー'`ー;)
そんなのは、どうでもいいとして。よくもナレーションの出番を…(#`皿´)

ロスが勇者で良いと思う。

譲治さん(ルドルフ)再登場(´▽`) {/netabare}

(2013.3/20 11話:勇者、滅入る。)
{netabare}いやルドルフ、世界云々よりもまずは自分の欲求と戦おうかwww

続きはウェブでとか、そんなの無いよ~
おいっルドルフ、見た目よりも実年齢重視か!ヾ(-д-;)ぉぃぉぃ

OPにあったシーンこれか!{/netabare}

(2013.3/28 12話:勇者、混乱する。)
{netabare}にんにく増し増しやさい油増し、って胃が…orz
相変わらずのルドルフェ…

いや、ツンじゃなくてボコだからwww

ヤっくん!?(゚д゚;) ってか、フォイフォイ何しに来たんだwww{/netabare}

(2013.4/4 13話:勇者、残される。)
{netabare}ヤックン壊れたwww
ロリコン騎士の絶叫に思わず笑ってしまった ̄m ̄) ウププッ

フォイフォイ、カッコ…わるいな^^;
守れたのはパーティーだけだよヾ( ̄o ̄;)オイオイ{/netabare}


完全にギャグアニメですね! 終始、楽しめたので面白かったです。

それにしても、勇者の扱いが主人公なのに下賤でしたね(゚д゚;)

7月から2期の放送もスタートするようですが、2期はシリアスな感じになるんでしょうか?

それにしても2期PV、無駄にカッコいいです(^_^)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

ギャグファンタジーアニメ。

【概要】

アニメーション制作:Ordet、LIDEN FILMS
2013年1月 - 4月に放映された、全13話のTVアニメ。
1話あたり4分30秒(本編3分30秒)のショートアニメです。

原作は、『ニコニコ静画』に連載されていたweb漫画作品。原作者は春原ロビンソン。
監督は山本寛。

【あらすじ】

ある日突然、世界に穴が空いた。
そして、そこからは数多の魔物が現れた。

『1000年前に勇者クレアシオンによって封印された魔王ルキメデスが復活したのじゃ!』
と判断した国王は勇者の子孫を魔王討伐に向かわせることにした。その人数75人。
そのうちの1人、勇者ナンバー45番のアルバは、王から勇者に派遣された王宮戦士ロスと旅を始めるが、
その途中で早速、魔王の印を持つ少女ルキと出会う。彼女の正体は「三代目魔王ルキメデス」なのだった。

【感想】

原作漫画は、『戦勇。メインクエスト第一章』
全3巻を分割2クールで構成したショートアニメの1期目ですが、
例によって制作が遅れたとの話が。

普通はショートアニメは、1クールを1~2回にまとめてアフレコを収録するもの。
んで、コンテ制作が無茶苦茶遅いことで定評のある監督さんが1~3話を担当したことで、
収録を小分けにして毎週スタジオを借りねばならなくなり制作費を圧迫したとか何とか。
原作漫画を参照に作成しているので、オリジナル作品と違ってレイアウトが破綻していないです。
あと、全13話中で4話分の脚本を担当しているのですが、アニメ中に自分の写真を出しています。
そういうお遊びは不必要ですね。

アニメの内容自体は原作漫画におおよそ忠実で、グダグダした感じでギャグも低調。
笑えない芸人コントな原作漫画に相応しく、それなりな出来な凡庸なショートアニメですね。

アニメをヒットさせるには、面白い原作であるとか、
スタッフが優秀であるとか、いろんな要素ありますよね。

『戦勇。』と違って、この監督氏が過去に『かんなぎ』で成功したのは、

武梨えり先生が執筆した、良い原作。
倉田英之 … 有名な脚本家。
伊藤智彦 … 『ソードアート・オンライン』『僕だけがいない街』『HELLO WORLD』の監督。
岡村天斎 … 『メダロット』『DARKER THAN BLACK』の監督。
平池芳正 … 『カレイドスター 新たなる翼』『WORKING!!』の監督。
吉岡忍  … 元京アニの演出家。
門脇聡  … 元京アニのアニメーター。代表作『進撃の巨人』
松尾祐輔 … 元京アニのアニメーター。代表作『アイドルマスター シンデレラガールズ』

など非常に恵まれたスタッフのサポートに拠るものが大きいと自分は思いますね。
監督氏については、才能ある人なのに近年は残念という評は間違いであり、
監督ひとりが恒星でスタッフは惑星的な位置づけでアニメの成功が約束されるのではなく、
スタッフ個々の才能と技術が結合して、いかにチームとして機能するか?が大事ですね。

この監督氏の場合、A-1が用意したスタッフが一流揃いであったのと、
東京進出で自らの会社に籍を置いていた元京アニの人材が精鋭揃いであったこと。

そして、その元京アニの精鋭たちが移籍してサポートを得られなくなったことで、
いよいよ監督氏自身がアニメに介入することが多くなってしまった。
新しく組んだ人たちを使いこなす度量と能力が欠けていて、
上手く行かないことが増えていったような気がします。

この『戦勇。』の場合は、まだ決定的な破綻を迎えていないのですが、
シナリオが微妙な原作と、それなりのスタッフのために、
妥当な結果に終わってしまったように見えます。

個人的には、ギャグが全然面白くないギャグ漫画という一点で致命的でした。

強いて良かった部分を挙げていくと、
酒の席で監督氏が冗談交じりに勧誘して事後承諾でスタッフに引き込んだ板垣伸の手による、
絵コンテと演出で作られたダイナミックなOPアニメ。
あと、『あの花』での、めんまと同じ演技で茅野愛衣が演じたルキたんが可愛いぐらい。


他に褒めるところが無くて語る部分が無い!と適当なままに、これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ツッコミ追いつかねぇよっ!w(13話次回は2期で

1話6分30秒で13話まででOPED有り1分30秒ずつあるから本編は3分。13話は7分。
2期目が14話から開始
基本RPG(ドラクエとかFF)的な話でギャグコメディー。

・ニコニコ動画(公式配信)毎週火曜日 25:40更新
http://ch.nicovideo.jp/channel/senyu

●関連URL
・番組公式サイト
http://senyu.tv/ http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/senyu/
・番組公式ツイッター
http://twitter.com/TVanime_senyu



ながら見はしない方がイイですね。短いのですぐ見逃してしまう。
あにこれで感想書きながらとかry(私ですか?
それとニコニコのコメント付きを推奨します。
見逃しやすいギャグにも反応できるし突っ込みながら見るといいでしょう。
それからツッコミ慣れした人向けかもしれない。
たぶん普段ツッコミとかしない人には微妙かもしれないです。
酒飲みながら夜中に見るのに丁度良いアニメ!
酔いが回ってくると見逃しがちになり易いけど短いアニメだし戻せばおk!

しっかしよくこんな短いアニメにこれだけギャグを詰め込んだなぁ。ホントにツッコミ追いつかねぇw
ボケたいけど恥ずかしくてなかなかボケられないんでツッコミに回る方なんですが、しかしこのアニメツッコミ追いつかねぇよww
一々画面止めなたり戻さないとツッコミコメント書けないじゃないか!
誰かアンタッチャブルの柴田呼んで来て下さい!w


各話感想
{netabare}1話
FF7のクラウド的なのと勇者の掛け合いが面白い!
思わず噴出す面白さ。
※以下クラウドと呼びます。

2話
おい魔王と出会うのかよ!!w

3話
魔王なんでマント一枚なんだよwド変態野郎じゃねぇかw
何この緑の宇宙人ww魔王が可愛いww
なんだこのまおゆうとかはたらく魔王さまみたいな流れは!

4話
あれどっかで前回みたなとか思ったらロボとか怪獣になっとるww
一方通行かよ!ww殺っちまったってなんだよw
ルドルフwww背ちっちぇええええw
ぶっころとばすってww1000歳以上なのかww
フォイフォイwwハリーポッターのマルフォイかよ!w

5話
国王ハゲたなww魔王のポップコーンで色々大変だなw
ルキたんww 魔王とじじいくつろぐなww
おいじじいwwwロリ魂っておいwwよえええw
ロリッロリのプニップニがいいんだよ!馬鹿野郎!w
クラウドカッコイイじゃん。ってかはたらく魔王様みたいだな目が赤いし。
背中から出てる火はなんなんだw
なんという黄金バットwww

6話
あまたの魔物なんか変なのになってんぞw
おい王様だれだよwwwなんか違う奴になってんぞw
おい魔王そこに驚くのか!wプークスクスww
2chネタが結構散らばってるな。
王様作画が復帰したwと思ったらまた手抜きw
作風変わったなんだこれww劇画タッチにw
こっちのがいいじゃんww
勇者何人いるんだよ!w

7話
数多の魔物が蟻ん子になってんぞwww
何処のアイドルの熱愛発覚なんでそんなプルプルしてんだよw
魔力の強い奴らっておいww止めなきゃ気づかないだろこれドラえもんいるぞww
このシルエットどっかで見たようなあれだなwBTOOMだっけw
いや未来日記か!まぁ色んなのであるかw
しかしまぁルキの声くぁいいなぁって中の人調べたら驚いた。
メッチャ色んなの出てるじゃねぇか!知ってるのいっぱいあったがわからんかった。
デュクシってなんですかw
肋はネタだったのかよ!アバラキャラってなんだよ中山筋肉んかよw
ルキたんww何気に毒舌だなおい!腕伸びるのかよw
戦闘力53万ってフリーザ様かよ!!w
東京ドーム4個分って例えがわけわからんw
登場早々ヤヌア逮捕www何があったおいww

8話
魔物が現れたって野球選手かーい!投手なのか!w
っておいヤンキーになっとるがなww
元勇者の肩書き丸つぶれwww
ハイドーンってwwwwターミネーターよりすげぇなおいw
なにそのピタゴラスイッチwww
腕分身wwwやったやったwww懐かしいww
ルキたん誰だよww だが、断るな!ww 
ルキたんの中の人すげぇ声のバリエーションすげー!!
忍法力任せww
ヤバイショートアニメの中で一番面白いなんだこれw
ガッツリハマってきたww

9話
数多の魔物が刃物ってwwヤマモートって誰だよww
目玉焼きの卵抜きって何にも残ってねぇぞこらww
なんか毎回新キャラがw
痛い痛いと相手をって話変わってんじゃねぇかww
おいコロスケww
たかーいこわーいかわいいいいいいww
雨水で洗髪w
ミーちゃんかわいくねえええwwwイケボイスwwwって変態かーいwwドMかいww

10話
ミーちゃん蹴られてんぞwwwどんだけドMなんだよww
だからなんで平原で全裸なんだよ!!ww
また新キャラか!!ww覚え切れねぇよ!
勇者と魔王とクラウドしか覚えれねぇよ!人数多いすぎw
200歳以上のBBAwww
ロリBBAって覚えておこうw腰wwおばあちゃんww
入れ歯くっそ吹いたwwww鼻水吹き出したじゃねぇか!!w
昔本当のおばあちゃんが同じ事やらかしたの思い出したwww
おっとロリ魂じじいもいたんだった。
頑張れじいさんw世界とは不条理なもんなんだ!w

11話
おい魔物また種類変わってんぞ!続きはwebでっておいおい終わらすなw
200歳超えてたらぶっとばせるのねww
シュールすぎんだろドッチボールじゃなくて玉をふわふわ投げ合ってるだけだろw
彼氏と彼女の海岸で走ってる風景かよ!w
ドッジボール!?だと…!?んなもんねぇよw
携帯に穴が…。胸に入ってた警官バッチ的な役割だったのかw
鮫島ってだれwww
ロリBBAエロいな触手攻撃とかww 
姫ちゃん可愛いwwってか誰よ姫ちゃんw ってあっ
えーーーw姫ちゃんハガレンの弟かよ!?中に誰もいませんよ?って事だなこれ。
そうかこのアニメ結構パロディーネタあったんだなw

12話
カクカクしかじかどうにかこうにかってやる気どうしたおいw
やる気スイッチ押してもらってこい!w
ラーメン二郎かよっ!w
ルキたんの服が破けるとかじじいwww妄想広がり過ぎww
フォイフォイww14番の勇者だったのかどういう事…
姫ちゃんはアルフォンスですねわかります。
フルボッコwww強すぎw ツンじゃねぇよ暴力ヨロイだよw
なんか黒いの出てきたけどこれもハガレンネタか!?w真理の扉の向こうのやつだろ!小人だろ!?
おすぎとぴーこwww
フォイフォイ諦めんな!w

13話
あれ?7分?30秒増えた!?いつの間に…
お?王様もう出ないのか。
やっくん操られてたのか!!
え!?もってかれたあああああ!完全にハガレンwww
伝説の王… ルキメデスって何!?魔王なの?ルキたんじゃないの?
足痺れてんなwwww
ええええええええ姫様中身いたのかよおおおお!w
世界守られちゃったのかよ!w
なんか次回予告になるタイミングが毎度違うからびっくりする。
恥ずかしいイラストってBL!?w
Fate風もしくは劇場版風の2期PV!次回は14話からですね。{/netabare}

しっかしまぁあっという間でした。
ショートアニメにも慣れてきたのかこの戦勇。ってアニメメッチャハマって来ました。
ショートアニメでは一番好きかもしれないです。


ニコニコ動画に「戦勇。ラジオ」が公式で公開されているのでこちらも合わせてお勧めです。
中の人が完全に勇者と同じ扱いされてて結構面白いですよ!
約30分程あるので戦勇。で物足りない方はこちらも合わせてどうぞ!
後ニコ生でも月2回程放送やってるのでそっちもお勧め!
ニコニコで「ラジオ勇者通信」で検索。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 19

63.4 10 シュールでファンタジーなアニメランキング10位
ユリ熊嵐(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (542)
2355人が棚に入れました
あるとき、宇宙に浮かぶ小惑星「クマリア」が爆発し、その破片が隕石となって地球に降り注いだ。するとこれに呼応するように地球上の全てのクマが突然凶暴化し人間を襲うようになる。かくして人間とクマの長い戦いが始まり、いつしかお互いへの憎しみから両者を隔てる「断絶の壁」が築かれた。
そんなある日。人間側にある「嵐が丘学園」に百合城銀子と百合ヶ咲るるという2人の転校生がやってきた。だがこの2人、その正体は「断絶の壁」を越え、人間に化けた「人食クマ」だったのだ。

声優・キャラクター
荒川美穂、生田善子、山根希美、諏訪部順一、斎賀みつき、山本和臣、小倉唯、悠木碧、小清水亜美、日笠陽子、井上喜久子、遠藤綾
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

弱い者たちが夕暮れ さらに弱い者をたたく

輪るピングドラムに続き、
今作でも前衛的で抽象的な演出の数々。
幾原監督の作家性は大きな魅力ですね。
相変わらずの暗喩の連続で、
一見わかりにくいのですが、
前作同様「軸」はシンプルだと思います。
アンニュイで耽美な主題歌、最高です。

宇宙の彼方で、小惑星クマリアが爆発した。
粉々になった星は流星群となって地球に降り注ぐ。
{netabare}それを機になぜか地球上の熊が一斉に決起し、
人類に襲いかかったのだ。{/netabare}
これは荒唐無稽な物語かと思いきや、
一人の少女が真摯に純粋なモノを探す物語である。

舞台は嵐が丘学園。
百合の世界、透明な嵐が吹き荒れる。
透明な嵐はきれいで優しいものから壊していく。
{netabare}透明になるとは!?それは、
個人意思を無くし、集団に埋没しながら、
無個性に生きて行くこと、
事なかれ主義、見せかけの平穏、
排他的な現代の病なのでしょう。
そして現代の魔女狩り「排除の儀」。{/netabare}

ある日森の中、クマさんに出会った。
花咲く森の道、クマさんに出会った。

普遍的な愛を喪失した世界で、本当の好きを探す。
懸命に生きる主人公に好感が持てます。

優しい気持ちになれる作品でしょう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 57
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

百合は釣りで、本作の本質はちょっと時代遅れの勘違い系“社会派アニメ”と思いますが、作画・演出は高評価します

今しがた一気観を完了したところですが、本作を観ながら、幾原監督という方はいったい何を思ってこんな風変わりなシナリオを作ったのだろう?とずっと考えていました。

作画・演出面では、前作の「輪るピングドラム」より遥かに良い出来になっていましたし、1話毎の脚本もかなり工夫されていたと思います。

だけど、本作を視聴しながら、つくづく思ったのは、

①自分の本当に好きな作品って、イベントは必要最低限しか起こらなくてもいいから、個々の登場キャラの心情推移が自然で的確なものに描き込まれている作品であり、
②本作のように毎回毎回ショッキングな出来事が起こったり、過去の出来事のフラッシュバックがやたら多く挟まれたりして、個々の登場キャラの心情がクルクルと変わってしまったり、余り整合性のない作品は、①に比べるとどうしても途中で飽きてしまう

・・・ということでした。

※視聴中に、恒例の各話の星評価をつけていたので以下に記します。

◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に疑問を感じた問題回

{netabare}
Episode1 私はスキをあきらめない ☆
Episode2 このみが尽きても許さない ☆
Episode3 透明な嵐 ★
Episode4 私はキスがもらえない ★
Episode5 あなたをヒトリジメにしたい ★
Episode6 月の娘と森の娘 ★★
Episode7 私が忘れたあの娘 ★
Episode8 箱の花嫁 ☆
Episode9 あの娘たちの未来 ☆
Episode10 ともだちの扉 ×
Episode11 私たちの望むことは ×
Episode12 ユリ熊嵐 ×
{/netabare}

このように、作品の内容をまだ把握途中だった序盤~中盤は、作画・演出の良さもあってそこそこ楽しめたものの、本作の傾向に慣れてきた終盤は、上に述べたように個々の登場キャラの心情推移に余り一貫性がない、ということに気づいてしまったために、そうしたキャラの心情を注意深く読み取ってやろうという視聴時の集中力が途切れてしまい、一気に飽きが出てきてしまっています。

もうその点については、私個人の好み、ということなので、仕方ないと思っています。

ただ、一番上に書いたように、幾原監督が何を考えて本作のシナリオを構想したのか?ということは途切れずにずっと気になっていて、とくに
{netabare}
①なぜ普通に人と人の「好き」ではなくて、人と熊の間の「好き」なのか?
②なぜ人の社会に、人に変身した熊が何体も紛れ込んでいるのか?
{/netabare}
の2点は凄く気になっていたのですが、最終回の展開を見ているうちに、ふと、「ああ・・・成る程」と何となく納得してしまいました。

まあ一言でいえば、ひと昔前風の「社会派アニメ」で「メッセージ性の強い“意識高い系”」だったんでしょうね。
実際にも本作をそういう風に受け取って高評価している方々が、放送時から一定数いらっしゃったようで、私が本作を今回視聴したのも、そんなに熱烈な“信者”のいる作品ならば一回は見ておく必要があるかも・・・と思ったからでした。

なお、現在刊行中の本作の円盤は意外にも?各巻平均で今のところ僅か?800枚程ということなので、本作の出来から見てもう少し売れてもよい気がしますが、いわゆる“信者さん”の実数ってこの位なのでしょうか?

本作は、もう1周して、もう少し木目細かく考察したい気持ちもありますが、とりあえずここまで。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 46
ネタバレ

麦茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

Viens avec moi. J'ai besoin de toi.

[ 熱中度:S ] [ 好み:S+ ] [ 楽しさ:S ] [ 面白さ:S+ ]
[ 作画:S+ ] [ 演出・絵コンテ:S ] [ キャラ:S ] [ 音楽:S ]

<< 総合評価:S >>

いや~本当に面白い作品って言葉で表現できませんね。

前半の少し抽象的なストーリーの掴みとは打って変わって、後半はわかりやすく王道的に話を進めてくれました。その点、先のレビューでも書いた通り視聴者に歩み寄ってくれている配慮を感じますね。
ただ、それが逆に言えば直球すぎというか、前半をあれだけ想像力豊かに脳みそを使わせてきたのだから、後半ももう少しひねりを加えても良かったんじゃないかな~と贅沢なことを思っちゃったりもしますw あ、決して今回のストーリーが悪かったというワケではありませんよ!

1クールの中に作者のやりたいことを詰め込みに詰め込んだ、本当にカロリーの高いアニメでした。
やっぱり何を魅せたいのかがちゃんと伝わってくるアニメって強いですね~。

ここまで感動したのは久しぶりです。ありがとうございました。



【僕もキスがもらえない】(2015.2/2)

「私たちは、最初から貴方たちが大キライで、最初から貴方たちが大スキだった。」
「だから、本当の友達になりたかった。あの壁を越えて・・・。」

今回はルルの過去回想。銀子と出会って、断絶の壁を越えるまでのお話。
裁判長の語りと紙芝居的な演出も交えながら寓話チックに物語を進めていく第4話。

前回までで既に卓越された語感センスにニヤニヤしっぱなしでしたが、それは今回も止まらず、「デザイア~」とか「じゃまじゃまジャマー」とかされた日にはもうね、完全にね。あ~ほんとルル可愛いなチクショウ!
でも凄いのはこの語感センスだけでなく、映像表現もさることながら、一話の中でかなり練り込まれた最高のストーリー。まさかこの作品で泣くとは思いませんでした。

今回はそこらへんも踏まえつつ、また例によっていつも通り内容の方を整理していこうと思います。
毎度のことですが、個人的な妄想の垂れ流しなのでテキトーに聞き流していただければ幸いです。


{netabare}(1)ルル姫と蜂

百合ヶ咲るるになる以前までの人生。ルル姫は王国1番の存在で、すべての人々から愛を享受していたみたい。でもルル姫に近寄ってくるのは、事務的なスキを与えるだけの侍女だったり、利欲的なスキを築こうとする他国の王子だったり、跡継ぎのことしか頭にない両親のスキだったり・・・。

彼女の「お姫様」というポジションから考えても、度々押し付けられる空っぽなスキを無意識下では拒んでるんじゃないかな。それが蜂となってパーソナルスペース(心の壁)を作り、「入ってくるな~!」と普段からアピールしているように見えます。家族3人で並んで映っているカットでも、両親ですらこのエリアの外側にいたのは何だか悲しいですね・・・。

彼らの「愛(スキ)」は本物ではない・・・と、そう語っているワンシーンに思えました。

それでも皆の1番であることにルルがまんざらでもないのは、まだ「本物のスキ」を知らないから。
これがある出来事によって変わっていきます。

【キーワード:蜂(ハチ)】・・・ルルの無意識の感情(好意・敵意)を表す


(2)みるん王子と約束のキス

>「『本物のスキ』はお星様になるって本当?」
>「・・・本当よ。『本物のスキ』は天に昇ってお星様になるの。」
>「そして流れ星となって地上に落ちたお星様は、『約束のキス』になるのです。」
>「フン、『スキ』が『キス』になるなんてバカな昔話、萎えるガウ~。」

惑星クマリアが爆発し、その流れ星が城に落ちた直後に誕生したルルの弟。

>「じゃあボクがお姉たまに『約束のキス』を取ってきてあげる!」
>「ボクはお姉たまが大スキだから、今の流れ星はボクの『スキ』なんだっ」
>「きっと何処かに落ちてるよ~!」

男の子なので、当然跡継ぎはみるん王子となり、王国1番の座を奪われてしまったルル姫。そんな彼女から受ける執拗なイジメを物ともせず、『約束のキス』と呼ばれる蜜瓶をみるん王子は届け続ける。

ここで少し内容を整理します。

まず2人の会話から「流れ星=約束のキス」という仮説が立ちます。
そして『約束のキス』と呼ばれている瓶の中には「蜂蜜」のようなものが入っていました。
蜂蜜とは、所謂「お星様」のような黄色をしていると同時に、「蜂」が作るもの。

つまり、これはお星様が地上に落ちて生まれたみるん王子の「本物のスキ」であると共に、ルル姫の無意識(蜂)にある「本物のスキ」が生み出したものだと考えることができるのではないでしょうか。

>「これ・・・君の弟の?」(蜜瓶を差し出す)
>「そ、そうよ。」
>「谷の向こうに落ちてた。だから届けに来た。君が捨てたの?」
>「・・・そうよ。」
>「でも『君のモノ』だ。」

終盤でルル姫が銀子と出会ったときに、蜜瓶を弟のものと認めた上で「でも君のモノだ」と銀子に返されるシーンがありましたね。この台詞のあとにもう一度ルル姫とみるん王子の会話を聞くと、さきほどの「2人が創りだした」という仮説にも信憑性が増してくるような気がします。

つまり『約束のキス』とは、本物のスキを持つもの同士の愛の結晶・・・的な?
(ちょっと言葉にすると恥ずかしいw)

まあ映像と話の流れから読み取れることはこんな感じですが、みるん王子がなぜ「本物のスキ」を持ってるのかというのは、流れ星関連の難しいことを考えなくとも、あんなに純粋で無垢な彼の愛情を見れば誰に聞いても(1)の人たちとは違う「本物のスキ」だってわかりますよね。
ルル姫は、心の奥底では、そんなみるん王子のことが『スキ』だったんです。(蜂が2人を囲ってくるくる回る)

だから「私は、最初からあなたが大キライで、『最初からあなたが大スキ』だったんだ」となるワケですね。

ちなみに『大キライ』の部分は、ルル姫が何度もみるん王子を騙して崖から突き落とすシーンで説明されています。箱に書いてあるとおり『愛(みるん王子のスキ)』を足蹴にしながら、自分の無意識の中にあるスキを、自分のスキの中にいるみるんを何度も心の奥底へ追いやろうとするルル姫。

>「ルル姫様は、みるん王子が届けた『約束のキス』を投げ捨てました。」
>「ルル姫様が欲しかったのは、そんなものではなかったからです。」

みるん王子が拾ってきた蜜瓶を投げ捨てようとする行為も同じですね。

この場合、蜜瓶とは『ルル姫の愛』で、こうすることで、ルル姫は無意識に『スキを諦めよう』としているんです。なぜなら、スキを諦めないと、邪魔者を消してしまわないと王国1番の座が手に入らないから。彼は生まれたときからそんなルル姫のデザイア~にとって邪魔な存在だったので『最初から』大キライとなるワケですね。
しかし、みるん王子は蜜瓶を必ず持って帰ってきてしまいます。自分のスキを届けることを、そしてルル姫の中にあるスキを諦めさせません。

このときにも、ルルの蜂(無意識)がみるん王子を受け入れている演出を挟むのが何だか憎いです・・・。

【キーワード:約束のキス】・・・相思相愛の証(みたいな感じの何か)。


(3)みるん王子の死

そんな折、ルル姫のもとへ訃報が入ります。

>「た、大変です!みるん様が・・・お亡くなりになりました。」

侍女が部屋に入ってきたときのドア音を聞いて、ルル姫は「またみるんか」みたいな顔をするんですけど、この顔がどことなく楽しげで・・・。なんというか、世話のかかる弟が「遊んで遊んで」とせがんで来るのを煙たがるお姉ちゃんみたいな。

>「ともかく・・・思い通りになったわね。」

そのあとのこの台詞。誰がどう見ても、ルル姫の胸にはつっかえがあるんです。
もうこれがホントに切なくて・・・とまあそれはいいでしょうw

>「そんなワケで、人々の感心、権力、愛の言葉。ルル姫様の欲しかったものは全て手に入りました。」
>「それもこれも、みるん王子が死んでくれたおかげです。」
>「それなのに、ルル姫様は一向に嬉しい気持ちになりません。それどころか何か・・・」
>「大事なモノをどこかに置き忘れたような、ひどく虚しい気分に襲われるのです。」

冒頭(1)で書いたように、今までルル姫は「本物のスキ」とは無縁の生活を送っていました。そこにみるん王子が現れ、だんだんとルル姫も「本物のスキ」に気付きかけていたんじゃないのかな。
みるん王子に触れたことで、今まで自分が他人から受けていた、また今受けている「スキ」も偽物なんだと薄っすら分かってしまう。自分でもまだそれがどんな感情なのか理解してはいないみたいだけれど、今まで通り王国の1番になっても嬉しい気持ちにはなれないのはそのためでしょう。

そして何より「本物のスキ(みるん王子)」がいなくなった穴・・・ これが一番大きいと思います。

『失って初めて気付く』とはよく聞く言葉ですが、空虚な愛を手に入れるために、自分が本当に欲しかったものを足蹴にしていたなんて、何とも皮肉な話です。しかも失ってなお、お姫様はその感情を理解できないというのは・・・残酷なものですね。

果たして、あのとき夢の中のルル姫は、『約束のキス』を受け取ることができたのでしょうか・・・。
あ~もうホント切ないぜチクショウ!!なんて良い話を書くんだ幾原ァ!!!


(4)ルルの蜂と事故死

>「わたくしは確かに見ていました。『完全』に『単なる』事故でした。『事故死』です。」
>「本当にいつものように、大スキなルル姫様に蜂蜜を届けるのだとおっしゃって、蜂の巣に近づき・・・」
>「そして蜂に刺されてお亡くなりになりました。あっという間でした。」

ここまで、蜂はルル姫の無意識の感情を表していました。それが今回、みるん王子を殺してしまった。多分・・・冒頭の赤い光(蜂)とコテッと倒れるクマが映っていたシーンはこの瞬間じゃないかな。

実はみるん王子が入っていた箱の「愛」という張り紙にはもうひとつの意味がありまして、それがここでは重要になってきます。一体何故、崖から突き落とすとき、ルル姫は毎回『あえて』みるん王子をダンボール箱の中に入れたのでしょうか。そして、どんなに過酷な状況に追いやっても、『箱に入っていた』みるん王子が死の淵から舞い戻ってきたのは何故でしょうか。

私は・・・箱の張り紙には、『ルル姫の愛』も含まれていたんじゃないかと思うんです。

どんなに憎い弟でも、本気では殺すことができない。そんなルル姫の葛藤が、ダンボール箱となって「跡継ぎを消す」という露骨な悪意からみるん王子を守っていたのではないでしょうか。つまり、ルル姫の殺意を『姉弟喧嘩』の範疇に収まってることを示していたのが、あのダンボール箱だったというワケなんです。

しかし、みるん王子は死んでしまった・・・。

そう、ダンボール箱で戯れ合う姉弟喧嘩とは異なる『自分自身ではどうにもできない蜂(無意識)の針』で。

現実の幼い姉弟でもよくありますよね。
>どこへ遊びに行くのにも着いてくる弟に嫌気がさしてしまうお姉ちゃん。
>そんなときに幼さ故の意地悪で、弟に嘘をつき置き去りにしてしまった。
>でもやっぱり心配になって戻ってみると、姉の姿を見つけ笑顔で走り寄ってくる弟の横から車が・・・。

直接的には関わってないにしろ、ルル姫の『意地悪』によってみるん王子の死を招いてしまった。それを侍女の台詞でも『事故死』と露骨に強調することで、『本気の殺意とは真逆のもの』だったということを表現しているのではないかと思います。

もうこれ書いてるだけで悲しくなってきますわ・・・。


(5)『失ったものを忘れたら、本当に失ってしまうよ。』

銀子が、蜜瓶を捨てたルル姫に投げかけた台詞。第4話の総まとめ的な言葉。
ルル姫の失ったものとは、みるん王子のことであり、ルル姫にとっての『本物のスキ』。

>「私は・・・最初からあなたが大キライで、最初から・・・あなたが、大スキだったんだ。」

銀子の言葉で、ルル姫はようやく、本当にようやく自分の心の真ん中にある隙間にみるん王子(本物のスキ)を見つけたのです。同時に、みるん王子の死が自分のしてきた「愛の拒絶」の結果だと気付いてしまいます。これ以降、好意も敵意も無意識ではなくなり、蜂は物語から消え去っています。

そして、『蜜瓶(約束のキス)』はルル姫の手元にしっかり留まるようになったワケです。
(ルルが自分の中の無意識、スキを自覚し『約束のキス=相思相愛』が完成した)

>「銀子、るるね。銀子に会ったあの日のこと、絶対忘れないよ。」
>「銀子が私のスキを見つけてくれた、届けてくれた。」
>「だから・・・るるは何があっても、スキを諦めないよ。」

第3話にあったルルのモノローグも、今聞けばどんな意味だったのかすんなり入ってきますね。
「スキを諦めない」については、次の項目で触れることにします。


(6)ユリ裁判とスキを諦めないクマ

>「そう、あなたは失う前の私。ううん、違う。多分、あなたは一度失ってる。」
>「それでも、もう一度会える人が、そこにいるなら・・・たとえ、壁の向こうでも!」

断絶の壁を越えて、ヒトの世界へ「スキを返しに行く」と言う銀子。
その背中に自分と同じものを見たルルは、一緒に断絶の壁を越える決心をする。

スキを諦めない銀子と、好きを諦めようとしていたルル姫。
そして今、彼女は自分のしてきた罪と正面から向き合うのです。

>「私も・・・罪熊だから。」

銀子に出会う前は、ルル姫はスキを諦めるクマでした。お城の人たちとの空っぽな上辺だけの関係も甘んじて受け入れ、周囲の流れに身を委ねる。つまり「透明」な状態。
実は3話までと内容的には同じで、スキを外部から壊すものとして登場していた『透明な嵐』を、今回は自分の中の葛藤として描いています。この場合の透明な嵐とは「王国1番の座に戻りたい」という暗い欲求で、そのときのルル姫の行動だけを汲み取ると「自分が透明だった状態に戻そう」という同調圧力が働いているようにも見えますよね。

結果的に『約束のキス=相思相愛』は届けられ、ルル姫はスキを諦めなかったわけですが、せっかく自分のスキを透明な嵐の中から見つけたのに、せっかく自分の中のスキに気付くことができたのに、肝心のみるん王子はもういません。
紅羽にとっての純花と同じく、透明な嵐によって既に消されてしまっています。

>「失ったものを忘れたら、本当に失ってしまうよ。」

だから、ルル姫は『スキを諦めない』。この気持ちを忘れてしまったら、みるん王子を本当に失うことになるから。そう誓って、彼女は約束のキス・・・今は亡きみるん王子との愛の証を抱き続けるのです。

>「それでは被告グマ、百合ヶ咲るるに問います。」
>「あなたはスキを諦めますか?それともキスを諦めますか?」
>「私はスキを諦めない。『キス』を諦めます!」
>「・・・ッ!」
>「そうすれば、あなたはキスを永遠に失うことになるのですよ?」
>「私のキスは、既に失われた。もう二度と会えない。」

『キス』とは、愛を受け入れるということ。
『スキ』が愛することだとしたら、文字通りその逆という認識で良さそうですね。

しかし、『ルル姫のキス=みるん王子からの愛』は既に失われた。もう二度とみるん王子と会うことはできない。そんなルル姫がキスを諦めることに何の躊躇いもないのは不思議ではないと思います。むしろ、諦めるしかないのですから。
つまり、彼女はみるん王子とのキスを諦めて、全てのキスを諦めた。誰からの愛も受け取らない、愛されなくて良い・・・と。もちろんみるん以外とのキスは可能だったのでしょうけれど、これがルルの選んだ決意・贖罪。

そんな一方通行で報われない、彼女の『無償の愛』を聞いて、裁判員たちも少し動揺していたように見えます。みるん王子の「おねがい、『キス』して?」という必死な訴えも、『キス』というワードの意味を考えると少し重みが変わってきそうな気がしますね。

>「でも、銀子は会えるから!きっと私の代わりに、約束のキスを果たしてくれる。」
>「つまり、自分の果たせなかった希みを百合城銀子に託す・・・というワケですか?」
>「それで自己自制を謀ろうというのは自己満足に過ぎません。傲慢、罪・・・ですよ?」
>「いいの、私は罪熊なんだから!」

でも銀子は違う。もう失ってしまった自分とは違って、また会うことができる。
それを叶えることができれば、私はもう一度みるんに会えるような気がするから・・・と言う。

>「わかりました。判決を申し渡します。」
>「・・・ユリ、承認!」

そしてルル姫は人間となり、銀子と一緒に断絶の壁の向こうへ旅立つ。
さて、約束のキスは果たされるのか・・・それとも。

それがセクシー、シャバダドゥ。{/netabare}


とそんな感じで、第4話は幕を閉じたわけです。はー長かったw
ラストシーンでは2人のキャラの『約束のキス』っぽいアイテムが対比で描かれていたので、またいつか銀子の回想もやりそうですね。やっぱりあのペンダントは{netabare}紅羽の母親のもの{/netabare}だったのかな。

他にもメインのストーリーからは少し外れていますが、まだまだ気になったことはかなりたくさんあったのですけど、さすがに長くなりすぎた気がするので今回はこのくらいで終わりにしておきます。

一応これは私の妄想が過度に入っているということを、再度お伝えしておきますね。
貴方の目には、第4話はどんなふうに映ったでしょうか?それではまたお会いしましょうノシ

シャバダ~シャバダバダ~バ~。


【ドヤ顔ダブルピース宣言】(2015.1/23)

{netabare}ちょ、ちょっとこれ3話ヤバくないですか!?

見てる途中、見終わった後、てかこの作品に触れてる最中はもう戦慄が止まりませんでしたよ・・・。いや~今まで曖昧だった部分がいっきに晴れて、全てのピースがパカッとはまりましたね。ところどころ2話までの私の見解と近いところもあったのでかなりスッキリしました。

今回、アニメの起点となる第3話というわけですが、このタイミングで「透明な嵐」というタイトルを持ってくるという脚本家、もとい監督の完璧な采配には感服しました。ホントにもう世界観の構築からキャラの会話、ストーリーの運び方に至るまでの全てが完璧です。

1話から既に「ユリ熊嵐」という世界はこれでもかと言うくらい確立されていましたが、今回外堀を埋めるという形で視聴者にそれを明確に認識させることで、世界を作るだけではなく「入り込ませる」工夫を魅せてくれたのは大きいと思います。

ここが今までの幾原監督作品との一番の違いであり、私が何より良いと思ったポイントです。
端的に言えば「分かりやすい」。視聴者に歩み寄ってくれているのが伝わりました。

そしてそれは、表面的なサラッとすくうことができる浅いものではなく、アニメを見ることでじんわりと理解が染みこんでくるという分かりやすさ。キャラの言葉や情景描写だけではなく、1話から続く物語の連続性、映像表現やその他演出全てがこの作品を語っているんです。

やっぱりアニメ好きとしては、ここまでアニメーションで勝負してくる作品をもってこられたらたまんないですね。監督と脚本が同じ作品は魅せたいものがハッキリとしていて分かりやすいです。


さて、こんな感じでレビューの出だしを切ったところで、今回も例によって内容の方をサクッとまとめていこうと思います。ネタバレを多分に含みますので、ご閲覧いただく際はご注意くださいませ。


◆透明な嵐◆

>「私たちは、透明な存在であらねばなりません。」
>「それでは『排除の儀』を始めましょう。」

大方、2話までの私の見解通り「透明な嵐=同調圧力」ですね。ここで明確に「空気を読めない=悪」というテロップも出ました。クマにやられた純花は仕方なかった、彼女は「悪」だったのだから・・・と。

こんなに明るみな社会の闇も珍しいですね。イジメカッコワルイ。

>「私たちは、次に排除する『悪』を決めねばなりません。」
>「Let's search evil!!」

まとまりを保つためには不穏分子は潰さなきゃいけない。そのための排除の儀。
なんか投票シーンを見て少し前に流行った「人狼」っていうゲームを思い出しちゃいました。

>「セレクト!ついにこの時がきた!!!」
>「私はあの子を、椿輝紅羽を食べる!・・・ジュルリ。」

自分の思惑通りになってご満悦の委員長ちゃん。「透明な嵐」がくるのを望んでいたのは紅羽が美味しくなるのを待っていたワケではなく、やっぱり食べるための口実ができるからのようですね。

なるほどなるほど、見えてきましたよ~。

①人間は「排除の儀」によって、足並みを乱す『悪』を決める

これは群れの空気を保つための必要悪とも言えますね。もし何かのキッカケでこのまとまりが瓦解してしまったら、自分たちの身を守るすべがなくなってしまうワケですから。まあ逆に言えば、皆が「スキ」という感情を持てば、それでもまとまり合えるということだとは思いますけど。

②『悪』となった人間は群れから追い出される(=ヒトの世界から追い出される)

ここで1話にあったライフ・クールの言葉を思い出してください

>「ヒトとクマの間には、断絶という越えられない壁があるのです。」
>「被告らはそれを越え、ヒトの世界に侵入しています。これは明らかに『食べ過ぎ』です。」

やっぱりクマはヒトの世界から追い出された人間だけを食べていたんじゃないですか?

だから委員長は「透明な嵐」を待っていた。ヒトの世界から排除された獲物が来るのを。
物理的には断絶の壁を越えてますが、この作中では概念的なものと考えていいでしょう。

これは以前の投稿から「断絶の壁=人間のルール」と書いている通り、この壁が、人間が群れを作るための括りであり、クマはその群れから追い出された(壁から外に出た)人間を狙って食べていたわけですね。

しかし、この秩序を無視し、群れから排除されていない人間を「食べる」クマがいます。
それが次に「ユリ裁判」でお話する銀子&るるたちです。


◆ユリ裁判◆

①まず1話で銀子&るるが食べていたのは誰?

これはラストシーンで語られた、赤江カチューシャという子だったようですね。靴下を折っていたのが純花ちゃんだけだったので、私も最初はすっかり騙されちゃいましたw 見返してみると、赤江ちゃんの足元は1回も映っていないんですよね~。ここでひとつのミスリードがあったわけです。

そして、それを偶然目撃した委員長ちゃんが驚いた・・・と。

②クマは排除された人間しか食べられないんじゃないの?

上記のようなことが起こったので、当然これが問題になってきます。赤江ちゃんは可愛い顔して1話でモブとヒソヒソ陰口叩いますからね。悪意があるかどうかはともかく、それを見る限り「透明な嵐」の一員であることは間違いないでしょう。当然排除の対象にはなっていません。

>「裁判長、今すぐユリ承認を!椿輝紅羽を助けたい!ガウガウ!」
>「私たち・・・人を食べます。食べなきゃ、銀子のスキが守れないんです!」

しかし、3話にして分かりやすく言葉に出してきてくれました。
銀子のスキを守るためには、人を食べなきゃいけない。透明な嵐を止めなきゃいけない。

ここで1話の捕食シーン「たとえ罪でも食べるよ。スキを壊すものは許さない。」に繋がるんです。

この流れからして、ユリの花壇を伐採したのは大方この赤江ちゃんでしょう。次のシーンのカメラアングルのせいで銀子たちが投げたのかと思わせていたレンガも、多分この子の仕業です。銀子たちは建物の上から赤江ちゃんの悪行の一部始終を見ていたわけですね。

>「貴女は透明になりますか?それとも、人間食べますか?」

透明になるとは、スキを諦めるということ。
そして銀子たちは人間を食べる選択をする。『私はスキを諦めない』。

このような過程を経て、3話ラストに鬼山江梨子ちゃんへ放った「これからキミを・・・食べるから。ジュルリ。」となるわけですね。ここまでが、ユリ裁判とそこで毎回決議されている「食べる」対象についての諸々になります。

問題は次です・・・w


◆ユリ承認◆

いや~さっきは調子こいて「全てのピースがはまった」とか言ってましたけど、良く考えたら全然そんなことありませんでしたね。正直このシーンで何をしているのかサッパリわかりません!!w

一応「対象外の人間を食べる」ことに対して承認してるような節はあると思うのですけど、そんな局所的な意味ではなく、もっと広いなにか大きな、大局を指しているような雰囲気があるんですよね。
だって、もしこのユリ承認が「人間を食べる」ことに対してのみ行われたものだったら、そのあとのペロペロも、襲われたハズの紅羽が無事なことも説明がつきませんからね。

そこで一つたどり着いた結論が

「ユリ承認には、輪るピングドラムで言うところの『運命の乗り換え』的な何かがあるのでは?」

ということです。

実は、1話のときに少し引っかかっていた裁判長の言葉がありまして・・・。
>「ようこそ・・・断絶のコートへ。さあ、扉は開かれました。」
>「生きとし生けるもの全て、そう、ヒトとクマの『彼岸』もここなんです。」
当初はあまり意識していなかったのですが、今思うとちょっと意味深に感じます。

『彼岸(ひがん)』:仏語。生死の迷いを河・海に例えたその向こう岸。悟りの境地をいう。

つまり何が言いたいかというと「紅羽はあのとき一度死んでいるんじゃないか?」ということです。
そして、例によって運命の乗り換えには「対価」が必要ですからね。それがあのペロペロかな~と。

紅羽から伸びたユリの花から滴る蜜をすするクマ2匹・・・。

まだ一体これがどう絡んでくるのかは分かりませんけど、大きな力にはそれなりの代償が必要というのが世の常ですからね。もしかしたら、紅羽の「スキという感情」を舐めとっているのかもしれません。

最終的にどうなるかは・・・まあ、あくまで予想の範疇を出ませんけども。

>「・・・いける!約束のキスを、私にッ!!(ダーン)」

銀子たちの想いは届き、ユリを承認された紅羽は運命を乗り換えます。そして確変を起こし、サンライズ立ちからの一撃をかましたり、それ以前の話では襲われる前の状態に戻ったりしていたワケです。
委員長ちゃんは多分生きてると思いますけどね~。腕章がちぎれた描写だけですし。

ということで、ユリ裁判と承認の見解についてはまあ、かなりコジツケもありますがこんな感じですかね。


◆その他気になったこと◆

・第3話冒頭でアップになっていた鳥型の紋様

かなり強調してましたが、何か意味があるんでしょうかね~。一応東京都の鳥に「ユリカモメ」が指定されていますけど、特に何かの象徴というわけでもなさそうですし・・・。
東京が舞台なのかな?でもそれってそんな重要なことなのかな~。

箱仲ユリーカ・・・ユリーカ・・・ユリーカモメ・・・ユリカモメ・・・ハッ!
いやいやいやいやそんなまさかね。

・学園長と紅羽の母

旧知の仲だったようですね。紅羽たちの前、二人でユリの花壇を育てていたという。
まあつまり百合だったわけですが、その箱仲ユリーカさんが今は学園長をしている・・・と。

これまで出てきたクマの名前を見る限り、「ユリ」と入ってるこの人も怪しいとは思うのですが、普通にいい人そうなんですよね。これからどう絡んでくるんでしょうか。

・銀子とるる

家の地下室で射撃の練習をしている紅羽を見つめる銀子。
るるは紅羽ばっかりで構ってくれない銀子に対してスネてしまう。

>「椿輝紅羽、きっとすごく美味しい女の子なんだよね・・・。」

この台詞がホントに切なくて、一気にるるのことが好きになりました。

きっとるるは、銀子のスキをちゃんとは理解できてないんじゃないかな~。
「何でこんな紅羽に執着してるの?他の女の子(食べ物)と何が違うの?」的な。
銀子が好きだから、銀子のためだから協力してる感じ。

しかもここまで想われている銀子はまったくるるのこと相手にしてないんですよね。いつもるる以外を見てるんです。記憶が曖昧ですけど、まだ銀子は作中で名前を読んだり、目を合わせたりしたことないんじゃないですか?w
ほんとに儚くて心にキますわ・・・。

まったくるるちゃん可愛すぎるぜ。

>「銀子、るるね。銀子に会ったあの日のこと、絶対忘れないよ。」
>「銀子が私のスキを見つけてくれた、届けてくれた。」
>「だから・・・るるは何があっても、スキを諦めないよ。」

この台詞も何かありそうですよね。これから過去のことも掘り下げてくれると嬉しいです。

・百合園 蜜子

第3話で一番良かったポイントを聞かれて、即答できるレベルで感動しました。
いやだって・・・もうこれはさすがにイカンでしょw 悠木碧さんの圧倒的な演技もさることながら、あの畳み掛けるような煽り。私も紅羽と一緒になって感情が昂ぶりましたね。

てかこんなにキャラの台詞で怒りを覚えたのは初めてかもしれません。
それほど最高なワンシーンでした。年明けからいいもの見れましたよホント。



まあこんな感じで、第3話はとても満足いく結果で幕を下ろせたんじゃないでしょうか。

それにしても、いきなり「ユリダァク~」ってきたときはお茶を鼻から吹きましたねw ほんとこういう細かいところがイチイチ私の琴線に触れてくれます。あ~書いてたらもう一度見たくなってきちゃいました。

それでは長くなりましたが、今回のレビューはこれくらいでお開きにします。
閲覧ありがとうございました。{/netabare}


【2話ショック!!】(2015.1/17)

{netabare}2話で少しですがクマサイドのことも見えてきましたね。

1話の投稿で気になった点も加味して、今回も内容の方を整理していきたいと思います。
まあ言ってしまえば自分用のメモみたいなものです(殴

それでは、まずは特に重要そうなところから書いていきます。


◆1話で銀子&るるが食べていたのは純花ではなかった!?◆

>「散々食い散らかしてようやく分かったわ。排除されてる個体だけが、本当に美味しいってこと。」
>「スキを諦めない娘の肉だけが、ザクロと蜜の味がする。私の飢えを満たしてくれる。」
>「泉乃純花、貴女はとても美味しかった。」

委員長ちゃんのセリフ。紅羽が狙われる理由も一緒に説明してくれましたね。
そうなると、1話で銀子たちが食べていたのは誰だったんだろう・・・?

>「もうすぐ・・・『透明な嵐』がもうすぐ来る。・・・あぁ待ち遠しい!」
>「早く・・・早く食べたぁい。椿輝紅羽を!ギャウギャーウ!」

「透明な嵐」が来ないと紅羽のことは食べられないっぽい。
それとも嵐にさらされて美味しくなるのを待っている?

純花はその嵐に合ったから食べられたというのは分かるけど、他の被害者はどうなんだろう?

>「椿輝紅羽は、泉乃純花へのスキを諦めなかった。」
>「群れの空気を読まぬモノは、排除の対象になる。そういう仕組みですものね。」

委員長&このみの会話。「スキ」は群れの空気を壊すもので、それは排除の対象になる。
つまり「スキ」を持った子が透明な嵐に合い、クマに食べられてしまう。

そういえば1話でも「クマにとって私たちはか弱い獲物だから常に群れていなくちゃ」とかモブが言っていまいたね。透明な嵐によって群れから追い出され、クマに狙われる隙ができてしまうって感じなのかな?

>「ダメね。やっぱり透明な娘は透明な味しかしない。」

しかし『透明な嵐(社会の同調圧力)』によって『透明(スキを諦めた)』になってしまった子は美味しくない。ラストシーンで委員長が食べてたのは「スキを諦めない子」ではなかったみたい。

この被害者は、2話序盤にモブが話していた「遺体の見つからない行方不明の子」ですね。


◆実は1話屋上で紅羽を襲ったのは委員長&このみだった!?◆

確証があるワケではないのですが、私もすっかり騙されていました。

1話で紅羽を襲ったクマ2匹の「目」をもう一度良く確認してみてください。
右の黒いクマは切れ長で、もう一方の茶色いクマは横に長い楕円形なんですよね。

色だけなら銀子&るるの可能性もありますが、「目」が委員長&このみのクマと酷似しているんです。

このことを合わせて考えると、どうやって1話終盤に屋上で倒れている紅羽をどこからか突然湧いた委員長ちゃんが最初に見つけて保健室に運んだのか、2話でこのみを射殺したときに委員長ちゃんがあそこまで2匹目のクマに警戒心を抱かなかったのか。

これらに説明がつきそうな気がしてきますよね。


◆それじゃあ「ユリ裁判」って一体何?◆

上記の事実に気付いたとき、真っ先に浮かんだ疑問がコレです。

最初は銀子&るるが紅羽に襲いかかったから、1話であの3人がユリ裁判に出席したのかと思っていたけど、1話も2話も襲いかかったのは別人・・・というか別クマ。

『ユリ裁判の流れ』

①裁判官から意味深な電話が掛かってくる

>「貴女のスキは本物?これは断絶の壁からの挑戦です、椿輝紅羽。」
>「貴女のスキが本物なら、屋上へ行くがいい。クマが貴女を待っている。」
>「その身をクマに委ねれば、貴女のスキは承認される。」

②屋上でクマに襲われて謎空間に落ちる

これが裁判官の言っていた貴女を待っているクマ?
そしてこのクマに身を委ねれば「貴女のスキ(ユリ)」は承認される?

委ねるのは銀子&るるかとも思ったけど、それだとここでクマに襲われる過程に意味がなくなっちゃうような・・・ これがユリ裁判のトリガーになってるのかな?

④出席するのはいつも紅羽&銀子&るる

クマに襲われた紅羽と、何故か登場する2匹のクマ。

⑤「人間食べます」からの「ユリ承認」

やっぱり銀子の「食べる」は違う意味っぽいな~。
でも1話ラストで物理的に誰かをガリゴリ食べていたときも「食べる」って言ってたしな~あ。

少なくとも委員長とかこのみとは違う特別なクマなのかな?そんな感じがする。

でもまあ、その「ユリを承認する」ってことの意味がまだ全くわからないんだけどもw
百合を舐めるシーンも含めて、これだけはいつまで経っても何も見えてこないですね~。

そういえば、1話だとユリ裁判のあと紅羽は「気を失って倒れていた」らしいけど、2話では意識もあるし、クマに襲われる前の状態に戻っていますよね。ここも何か関係があるのかな~・・・。


◆その他気になったこと◆

・アバンのモノローグ

>「私たちは、最初からあなたたちが大キライで、最初からあなたたちが大スキだった。」
>「だから、『本当の友達』になりたかった。あの壁を越えて。」

毎回入れてくるのかな?繰り返し視聴者に聞かせるということは、この台詞がキーになってくるのでしょうね。まだ深い意味は掴めませんが『本当の友達』については前回の投稿でまとめた方向に攻めていくつもりです。

・先生の意味深なセリフ

>「泉乃純花さんの『地上での生』は、終わりを迎えました」

また妙な言い回し。普通に「天国へ逝った」というそのままの意味にも受け取れるけど、この作品内であえて登場人物にこういう言い方をさせるのは少し気になりますね。

>「可哀想に・・・あの子は『また』、大切な人を失ったのね。」

紅羽に対して発せられたであろう言葉。『また』って言ってますね。
大方1人目の「大切な人」に当たる人物は母親のことでしょう。

学園の先生だから、家庭のことを知っていても不思議ではないけど・・・
何かもっと深く入りこんでそうな臭いがしますね~。
しかも学園内に霊安室のようなものが?ここに被害者の遺影をしまっているみたい。

・クマが捕食をする場所

紅羽が純花と大事に育てていたユリの花壇・・・。
クマが人間を食べる現場って、2話までを見る限り必ずその裏側なんですよね。

ここを「人間の心」と見立て白椿の花言葉「理想的な愛情」の件も加味して考えてみると、この二人が育んできた愛情(百合)を『本物のスキ』と仮定するのならば、その裏側に当たるものは「暗い肉欲」?

つまり『愛情』と『性欲(本能)』の軋轢。
このシーンからは、そんな対比のメッセージを感じます。

・紅羽と銀子の会話

>銀「知ってる?悲しい、寂しいときの涙はご馳走の味がするんだ。」
>銀「紅羽のスキは本物だ。涙の味・・・紅羽のスキは本物だ。ガウガウ。」
>紅「貴女に何がわかるの?」
>銀「分かるよ。私のスキも本物だから。」

『本物』と『偽物』。本物というのは、上記の「理想的な愛情」のことでしょう。
委員長やこのみの「スキ」は肉欲だった。しかし、銀子のは違うということ?

>銀「椿輝紅羽・・・会いたかった。私たちはキミに会うためにここに来たんだ。」
>紅「どういう、こと?」
>銀「匂うよ・・・デリシャスメル、ガウガウ。キミに私のスキを・・・。」

やはり銀子は普通のクマとは少し違うみたいですね。
まだ核心には遠いですが、何か秘密があることは2話全体を通して明らかになりました。

スキが本物だからこそ「食べる」という行為も、他のクマのように物理的なモノにならないのかもしれませんね(百合の蜜を舐めとるような)。でもこの考えでいくと、1話ラストで銀子が「罪でも食べる」と言ってガリゴリ捕食していたことと繋がらないんですよね~w

これはアバンでも言っているように、クマの習性とも取れますが・・・。
(>「クマは人間を食べる!そういう生き物!」)
もしかしたら、紅羽をイジメた人間を裁いたのかもしれませんね。
つまり「透明な嵐」に当たる誰かを。

う~ん難しい。まだもう少しヒントが欲しいところです。


◆2話のまとめ◆

①純花を食べたのは委員長ちゃん
②1話で紅羽を襲ったのは委員長&このみのクマ
③「スキ」を抱くと透明な嵐に襲われて、クマに食べられる
④「スキを諦めない子」がデリシャスメル
⑤紅羽のスキと、銀子のスキは同じ本物
⑥銀子&るるは普通とは違う特別なクマ?

やっぱりまだユリ裁判のところと、1話ラストで銀子&るるが何を食べていたのか。
この2つがけっこう引っかかっていますね~。

次はいよいよ第3話。そう、ユリ熊嵐というアニメの彼岸もここなんです!
どんなふうに展開していくのか楽しみですね~。{/netabare}


【クマショック!!】(2015.1/10)

{netabare}ちょっと編集するときにエラー出て、最初の投稿とここらへん一帯が消えちゃいました\(^o^)/
なんか1月10日の私が1話について書いてたみたいなので、お暇だったら見てあげてくださいw


それでは、気になったことや重要そうなワードから見ていきます。

(1)ユリ熊嵐というタイトル

「熊嵐」とは、熊を仕留めたあとに吹き荒れると言われている強い風のことみたいです。
ユリ+熊嵐・・・ どういう意味なんでしょうね。

(2)花壇に咲いたユリ

これはほぼ同性愛(百合)のメタファーで間違いないでしょう。
それを紅羽と純花で育てて(はぐくんで)きたわけですね。

(3)断絶の壁

これについては、OP直後に世界観の解説で抽象的にですが言及されていました。
>「人間たちは、断絶の壁を作って私たちクマを自分たちの世界から追いだそうとしたけど~。」
>「でもでも、人間のルールなんて、通用しないんだからね!ガウ!」

これは「断絶の壁=人間のルール」と解釈していいのかな。
人間たちが、道徳や倫理を盾にして身を守ってる気になってるけど、そんなのクマには関係ないよってこと?とりあえず、これによって人間の世界とクマの世界が隔てられた・・・と。

(4)クマ

メインだけあって必ずキーになってくるのでしょうけど、1話の段階ではどういう立ち位置なのかまったく把握できませんね。以前投稿した際に適当こきましたけど、見ればみるほど意味が分からなくなってくる存在です。

分かっているのは、爆発した「小惑星クマリア」の破片が地球に降り注ぎ、その影響でクマが人間を襲うようになってしまったこと。「クマは人間を食べる!そういう生き物!」みたいだけど、無差別に狙うワケではない?こと。

>「私達は、最初から貴女たちが大キライで、最初から貴女たちが大スキだった。」
>「だから、本当の友達になりたかった。あの壁を越えて。」

アバンのモノローグ。「本当の友達」、「スキ」と「キライ」。うーん、重要そうなワードですね。

(5)椿輝 紅羽(人間)

今作の主人公(だと思う)。名前に入っている椿という花を英訳すると「カメリア」。
そして、キャラの髪色に重なる白椿の花言葉は「理想的な愛情」。

小惑星「クマリア」と椿の花「カメリア」。な~~~んかありそうでなさそう。

(6)登場人物の名前

クマ:「百合」城 銀子
クマ:「百合」ヶ咲 るる
人間:※椿輝 紅羽
人間:※泉乃 純花
人間:「百合」園 蜜子
人間:「百合」川 このみ
人間:箱根「ユリ」ーカ
人間:赤江 カチューシャ
人間:鬼山 江梨子

キャラ名のあちこちで見受けられる「百合」という文字。
そして、初登場する女性キャラすべての名前テロップ下にタグ付けされた「ユリ」という言葉。
名前に「百合」以外の花を持つ※二人のキャラクター。

何かありそうな匂いがプンプンしますねぇ~。

(7)先生の「クマが出没したので友達と一緒に行動するように」という発言

ここの台詞に違和感というか「友達と」というところを強調しているようなイメージを受けました。

(8)透明な嵐

花壇のユリが全部刈り取られているシーン。

>「嵐が・・・追いかけてきた。これが最初。大切なものから壊していくっていう警告。」
>「透明な嵐は、全てを壊していく。私たちがすり減って消えてしまうまで・・・。」

これは(11)の「透明」という言葉と合わせて考えてみると、社会の同調圧力や排他的悪意を表しているような気がしました。いわゆる「イジメ」ですね。そう言ったどうしようもない大きな流れのようなものを自然災害になぞらえて「嵐」と呼んでいる?

>「たとえ何をされても、私は紅羽ちゃんを・・・『スキ』を諦めないよ。」

「スキを諦めない」って不自然な台詞ですよね。
この「スキ」という単語に含みを持たせている印象があります。

(9)二人の汚れた手

これもほぼ間違いなく「罪、悪いこと」のメタファーでしょう。
つまり「罪=禁じられた恋(百合)」で、委員長さんは透明な嵐(同調圧力)に逆らおうとする共犯者ということで、一緒に手を汚していますね。

(10)「そう、だから今度こそ大切な人は・・・この手で守る!」

過去に何かを臭わせるような紅羽のセリフ。母親っぽい人と映っている写真をあえてここのシーンで見せているのに、家の中に紅羽以外の気配を感じない。紅羽のクマに対する敵愾心とこの状況を加味して考えると、昔クマに母親を食べられた?
そして何故か、銀子がつけている首輪と紅羽ママのネックレスが酷似しているんですよね。
これは絶対なにかありますよ・・・。

(11)モブの「透明にならないからいけないのよ」という言葉

クマに襲われて行方不明になってしまった純花に対して囁かれたもの。この場合の「透明になる」とは、言葉のニュアンスと、その前にあったモブたちの会話とを合わせて考えてみると「社会の流れに従う」みたいな感じ?

>「一人でいるのが悪いのよ・・・。」
>「生き延びるには、友達が必要!」
>「クマにとって私たちは、か弱い獲物だもん。常に群れていなくちゃ。」
>「そうよ、群れの空気が一番大切なんだから!」

また「友達」というワードが登場。先生の忠告(7)のこともあってなんだか意味深ですね。
ここまで通して見ていくと、どうしても「集団」を意識しているような描写が目立ちます。

>「でもこれで、次の透明な嵐は・・・。」

次の・・・? どういう意味だろう。

(12)裁判官「あなたの『スキ』は本物?これは断絶の壁からの挑戦です。」

アニメ内でたびたび口に出される「スキ」という言葉。
「断絶の壁=人間のルール」という考えでいくと、これは社会を敵に回してでも純花を好きでい続ける覚悟はあるか?という問いに思えますね。

(13)裁判官「その身をクマに委ねれば、あなたの『スキ』は『承認』される。」

これはそのままの意味にも取れるけど・・・終盤を見るとよく分からなくなってくる~。

(14)ユリ裁判

問題のシーン。紅羽がクマに襲われたと思ったらいきなり謎空間に落ちていき、
「食べたい・・・今すぐあの娘が食べたぁ~い!」という掛け声と共にイケメンボイスで開廷。
なにが「かいてーーーい」だよアホwww頭パンクするわボケwwwwww

ここでは「食べる」と「スキ」の二つの言葉がピックアップされていました。

>①「被告グマ、あなた方は罪熊であることを認めますか?」
>②「ガゥ~・・・ でもぉ~私たち、お腹がペコリンなんですぅ~。」
>③「私たちは『スキ』をあきらめない。」

①→②の会話の流れだと「人間を食べる=罪」だけどお腹が減って、という訴えに見えます。
しかし、③のセリフが入ってくると全く意味が分からない会話に・・・「食べる=スキ」・・・なのか?
クマが人間を食べることは一種の愛情表現・・・? いやいや。

>「ヒトとクマの間には、断絶という越えられない壁があるのです。」
>「被告らはそれを越え、ヒトの世界に侵入しています。これは明らかに『食べ過ぎ』です。」

ん?んんん?「食べ過ぎ」?これは一体どういうことだろう。
クマの世界で食べる分にはいいけど、ヒトの世界にまで行って食べるのはやりすぎって意味?
つまり普段はクマの世界に入り込んできた人間を食べていた?

>「では被告グマに問います。あなたは『透明になりますか?』それとも『人間食べますか?』」

頭がカチ割れそうだ・・・。今までの内容(8)(11)で考えると、やはり「透明になる=社会の流れに従う」という意味になるのかな。ここでの社会とはクマの世界のもので、ライフ・クールの訴えを素直に聞き入れてヒトの世界から手を引くか、それとも・・・って感じ?

>「ユリ、承認!」

なぜここでいきなり「ユリ」という言葉が!?
やっぱり「食べる=スキ」だから同性愛でユリ(百合)、そしてそれを承認っていう流れなの?w

(15)謎空間での出来ごと

輪るピングドラムでお馴染みのシーン。
今回は「生存戦略ゥー!!!」の代わりに「ユリ承認ー!!!」

>銀子「紅羽・・・私はあなたを『食べる』。」
>紅羽「私の望むものはどこ?」

>紅羽「透明な嵐の中、私は探す。」
>銀子&るる「どこを探すの?」「何を探すの?」
>紅羽「約束のキスを・・・私に!」

透明な嵐の中、つまり逆境に合いつつも紅羽には探さなきゃいけないものがあるみたい。

映像としてはユリ承認されたクマが何故か変身、擬人化して紅羽から伸びるユリの花から滴る蜜を舐めているという艶美なもの。そして3人が手を重ねて終了。あぁ^~頭が破裂しそうなんじゃあ^~。

また「食べる」という言葉が出てきましたね。
そして食べられたハズの紅羽の体には何も異変がない?

やっぱり「食べる」という言葉は普通とは違う意味で使われているみたいです。
(13)で言われていた「委ねる」とは今のような状況のことで、「承認される」とはこういうこと?
つまり「食べる=承認」? スキだったり承認だったり頭がこんがらがってきた~。

そういえば、OP映像では紅羽&銀子&るるの3人が仲良さそうにしてるけど、これも何か関係があるのかな~。それに銀子と紅花がキスしようとしてるし・・・「約束のキス」・・・うーん。

(16)意識が戻ってからの紅羽

謎空間から戻ると保健室のベッドの上に。
横で看ていた委員長ちゃんによると「1人で倒れていた」とのこと。

>「嘘よ・・・だって屋上にクマが!純花を、純花を返すって!!」

そんなことクマ言ってたっけ? (13)の言葉をそう解釈したのかな。
とにかく純花はまだ戻っていないらしい。

(17)問題のラストシーン

>「ガリガリ、ゴリゴリ、ガリガリ、ゴリゴリ・・・」

この引きのせいで今まで積み上げてきたピースが音を立てていっきに崩れていきました(白目)
えぇ~「食べる」って・・・えぇ~。もうどういうことやねん!!!

この擬音からして間違いなく「物理的」に食べられてますよね?w
多分、被食者は行方不明中の純花ちゃん・・・。

>「ガゥ~、やっぱり美味しいね!人間の女の子は。」
>「たとえ罪でも『食べる』よ。ガウガウ。『スキ』を壊すものは、許さない。」

ここでの罪というのは、ユリ裁判(14)で言われていた「ヒトの世界に侵入して食べる行為」のこと?
でも食べるってこういう意味じゃなかったんじゃないの!?w

(15)で「あなたを『食べる』」って銀子に言われてた紅羽は食べられてないのに・・・。

そしてまた登場した「スキ」という単語。しかも今度は「壊す」という意味深な言葉付き。
純花が「スキを壊すもの」で、それが許せないから「罪」でも「食べる」?

本格的にこんがらがってきたあああああああああああああ。



とまあ、今分かってる(?)ことを箇条書きにするとこんな感じですね~。
これら(1)~(17)の話をまとめると・・・

①紅羽と純花は愛し合っている(2)
②しかし、それは罪であり(9)社会の理解は得られない
③理解できない、浮いたものには同調圧力が働く(8)
④そのためヒトは、排他されないように集まり、群れて行動する(7)(11)
⑤その集合体における個人を「友達」と呼ぶ

なんか良くある学園ドラマで描かれるドロドロ劇に似た何かを感じますよね。特に女子のw
ハブられないように、嫌われないように周りに合わせるだけな表面上の社会。

そんな中で、紅羽と純花は「真実の関係」を築いていくワケです。

これが「ユリ熊嵐」の中におけるヒトの世界を表す構図だと思います。
そして、そんな世界が「断罪の壁=人間のルール」に囲われているんですね。
なんだか(4)の「本当の友達」に繋がりそうな気がしてきますね~。
(5)の花言葉「理想的な愛情」も一緒に考えると面白そうです。


で、ここにクマが絡んでくるワケなんですが・・・。
まあこのクマのことが存在から言ってることまで、その全てがまったく理解できないんですよね~。一応、以前投稿した際に書いたような「対極的存在」じゃない・・・とは思うのですが、まだいまいち掴めてないのでハッキリとした答えは出せません。

せめてラストの捕食シーンがなければ考えようはあったのですが・・・w


つまり何が言いたいかというと、ここまで色々まとめた結果「何も分からなかった」ということです!!

まあここまで色々考えてる時点でかなりハマってるということだけでも伝われば・・・w
とそんな感じで、これからも楽しみにしながら見ていきたい作品筆頭ですね。

癖はかなり強いですが、世界観がとても魅力的で、映像だけでも楽しめるくらいの出来だとは思うので、気になった方は一度視聴してみて欲しいです。

それでは長くなりましたがここらへんで失礼します。
閲覧ありがとうございました。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 35

71.2 11 シュールでファンタジーなアニメランキング11位
うる星やつら(TVアニメ動画)

1981年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (305)
1538人が棚に入れました
世にラプコメブームを巻き起こした高橋留美子の代表作を、押井守ら才気ほとばしる若手スタッフが自由闊達に映像化。地球をかけた鬼ごっこに勝利したものの、勘違いから異星人の娘ラムにベタ惚れされてしまった好色少年・諸星あたる。やきもち焼きのラムが発する電撃にもめげず、目の前に現れた美女にしつこくアタックを繰り返すあたるだが、じょじょにふたりの気持ちは近づいてきて?

声優・キャラクター
平野文、古川登志夫、島津冴子、杉山佳寿子、永井一郎、鷲尾真知子、神谷明、小宮和枝

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

あんまりソワソワしないで♫

アニメーション制作:スタジオぴえろ、スタジオディーン
1981年10月 - 1986年3月に放映されたTVアニメ。

高橋留美子先生の初アニメ化であり、スラップスティックコメディとして名高い作品。
観たことが無くても名前だけはご存知の方は多いと思います。

宇宙一の浮気者、『世界中の可愛い子ちゃんは俺のものじゃ!』諸星あたるくん。
『浮気は許さない!電撃でお仕置きだっちゃ!』鬼娘の宇宙人ラムちゃん。
この2人を中心とした、SF・ファンタジー・幽霊・不条理・日常なんでもありの学園ラブコメです。

今のラノベやアニメに多大な影響を与えているエポックメイキング的な作品と言っても過言はないですね。

とりあえず、思ったこと!

・物語の評価
 1回の放送で2話構成の頃は軽妙なテンポで、ちょうど良い長さでした。
 初代監督の押井守は最初の頃は原作ファンに叩かれながらも真面目にやってましたけど、
 2年目には、独自色を出そうとして原作を軽視した感じでしたね。
 そこがウケたりしてたんですけど、局プロに呼び出されて大説教されたり、
 いろいろ大変だったらしいです。
 自分の趣味で面白くもない立ち食いそばの話をオリジナルでやったり、
 原作にあった高校ミスコンの話がアニメオリジナルの選挙話に内容が差し替えられたり、
 当時にネットがあったら賛否両論で炎上スレスレだったと思われます。
 ただ、このフリーダムさが押井時代の魅力だったのかもしれません。

 第123話 「大金庫!決死のサバイバル!!」
 第124話 「マル秘作戦・女湯をのぞけ!」
 原作にない話でもこの2本は珠玉ですけどね!

 でもやっぱり一番素晴らしいのは、第067話「君去りし後」
 これを観れば分かる通り、原作を大事にして良い話も作れるのに、
 独自の路線を追い求めたくなるのは作家性の悪癖なのでしょうかねえ?

 3年目の春の放映から製作がスタジオぴえろからディーンに変更。
 監督も、やまざきかずおに交代。
 実はこの人、作画監督&演出家としては評価されてたのですが、
 お笑いの才能がないのですよね!交代直後は頑張ってたのですが、
 原作準拠 &各話スタッフに丸投げ &お話のテンポがトロすぎる
 笑えない、うる星やつらに変わり果ててしまった感じです。
 時期や話によってストーリーの面白さの差が大きいので点数をつけにくいですね。

・作画の評価
 押井監督の時は、タツノコプロっぽさが残る当時のTVアニメの標準って感じで今の人には物足りないかも?
 やまざき監督の時は、当時の萌えアニメの最先端作画ってかんじですね!今見ると流石に古いですけど。
 
・声優の評価
 これは文句なしでしょう!
 平野文、古川登志夫、島津冴子、神谷明、杉山佳寿子、永井一郎、田中真弓、千葉繁 etc.
 今見ると超豪華メンバーですね。

・音楽の評価
 押井時代は、OP/EDがアニソンとして珠玉ですね。
 『ラムのラブソング』『宇宙は大ヘンだ!』『心細いな!』『星空サイクリング』
 『I,I,You&愛』『Dancing Star』『夢はLove me more』
 やまざき時代。
 『パジャマ・じゃまだ!』『CHANCE ON LOVE』『OPEN INVITATION』
 などは良かったですが、
 全部英語のOP/EDとかもあって、そこは趣味じゃなかったような!
 作中のBGMは、風戸慎介、安西史孝、西村コージ、星勝、ミッキー吉野
 と5人も担当しており、良かったと思います。

・キャラの評価
 昭和50年代当時にラムちゃんを作った高橋留美子先生は、天才だと思います!
 『うちのお腹の中にはダーリンの子供がいるっちゃ~!!』(狂言)とか凄いです。
 実のところ原作の高橋留美子は女が精神的に強くて男が弱い作風。
 対して初代監督の押井氏は女心がわからない人(ラムを理解できないと言ってました)
 異なる個性がぶつかってその結果アニメがヒットしたのかもしれませんね。
 (結果、作風とやりたいことの違いで監督降板になってしまいましたが)
 ただ原作も後半はキャラが淡白で小綺麗になってしまったのが残念といえば残念。
 やまざき時代にアニメのパワーが右肩下がりに落ちていったのも原作に起因してるのかも。 

 アニメ版うる星やつらを象徴する存在として、
 原作初期で早々と消えたもののアニメでは個性が肉付けされ、
 半ばオリキャラ化して最後まで残ったあたるの友人・メガネの存在は欠かせないでしょう。
 性格は、監督・押井守+声優・千葉繁のキメラみたいなもので、
 そう言うだけで、どれだけ濃いキャラか想像がつくかと!
 酸欠を引き起こしそうなほどの千葉繁の怪演が凄いですね。
 押井節はモラトリアム全開で、あんまり好きじゃないですけどねw

  
アニメ版うる星やつらは、作画監督によって人物の顔が違ってたりしていますし、
スタッフによってやりたいことが結構バラバラなんですが、
全部包み込んでしまう懐の深さが原作にあったかな?と思われますね。

と、いろいろ比較的好意的に書きましたが、
『ちゅど~ん』『だっつーの』など今の時代に、うる星のノリが合わない人が多くても仕方無いです。
後期なんて尺の長さとか会話のテンポとか今の自分には合いませんでしたし、アクビの出るアニメでしたし。

アニメの歴史を語る上での過去の作品として思い出にした方が良いのかもしれませんね。
2010年?の障害物水泳大会を観て苦しい物を感じましたしね(苦笑

これにて感想を終わります。読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 88

たこ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

誰もが知る国民的アニメ

母親が高橋留美子ファンで
我が家ではうる星やつらの再放送は必ず流れていた。
ラムちゃんの飛ぶ効果音を考えた人は天才だよね!と満面の笑みで語り出す母親を見ながらうぜえと思ったものだ。
有名なうる星やつらではあるが第1回と最終回の内容を知らない方が非常に多い。ただのドタバタ恋愛ギャグアニメだと思われしまっているのだ。
本当にもったいない。あたるの名誉のためにも是非見てほしいと切に願う。
僕は面堂が好きだ

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4
ネタバレ

01oinaris さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

萌えアニメの原点!アニオタ文化の起点!押井守の出発点!

エポックメイキングな作品は概して、10年後20年後見返してみると古臭く、新鮮味にかけることが多い。
それはその作品を嚆矢とし、後の漫画家が感銘を受け、それをモデルにして新たな作品が生まれてきた証である。
結果、大元の作品はその新鮮さを失い、「既視感のある展開、ありきたりで面白みのかけるストーリー」となってしまう。
(ToLOVEる第一話と本作第一話の類似性にも着目されたし。)

うる星やつらは日本の漫画・アニメ界において、「萌え系」ジャンルの原点、すなわち視聴者が可愛い女の子キャラにのめり込む文化を作った作品であり、アニオタ文化発祥となった作品でもある。
(当時はオタクという言葉そのものが無かったが)
それまでのアニメが1主人公+1ヒロインが大半であったことを鑑みると、ラムちゃんを始めしのぶ、ランちゃん、弁天、お雪、さくら先生、クラマ姫(ちょっと出番少なめ)、竜之介と、ヒロインキャラを何人も生み出したのは画期的。
「見れば好みの女の子が必ず見つかる」とも評されたと聞く。
その意味ではハーレム系に近いが、ラム以外に主人公が全くモテないことから、厳密な意味でのハーレム系ではない。
(厳密にはハーレム系の元祖はらんま1/2;本作と同じ高橋留美子作)
本作はハーレム系の嚆矢…といったところか。

チーフディレクターは、当時30歳の奇才・押井守(途中降板してスタジオぴえろも退社)。
本作の成功を機に独立し、今や世界的な映画・アニメ映画監督となる。
本作は押井守の出発点でもある。
{netabare}
第一話からのおπポロリ、子どもに聞かせられない下ネタ(終わるまで向こう向いたるからさっさと済まし〜 なんや、おまえ女の扱いも知らんのか〜 byジャリテン)…etc
{/netabare}
時代背景を考慮しても、これを子ども向けアニメ番組として放送した英断に感心させられる。
(上層部の削除要請を押井が無視して押し通したとも聞く。)
PTAからはかなりのクレームが来たそうだが…

ストーリーは基本的に「おバカ男子と利口な女子が繰り広げるドタバタギャグラブコメ」。
本作の男キャラ(あたる・面堂・レイ・テン・メガネ・錯乱坊・竜之介父...etc)はみんなバカかスケベか変態か変人。
「おバカ男子に利口な女子が振り回されている」ように見せかけて、実際は「女子の掌で男子がうまく転がされている」ストーリー展開が多い。
とにかく女子キャラがかっこいい、男子キャラがバカでかっこ悪い。
このあたりは、少年誌に寄稿する女性漫画家ならではの作風だろう。
男性漫画家だと、どうしても男はカッコよく、女は可愛く描きたいものだ。
当時は、少年誌に女性漫画家が作品を出すのは異質であった。
それが当時の漫画・アニメの常識を破壊し、エポックメイキングな作品となった所以のひとつだろう。

OP/ED曲も秀逸。主題歌を「歌手」に歌わせたこと(ステファニーとか懐かしいよね…)、
数カ月ごとの短期で主題歌変更という冒険(今では当たり前のことですが…)、OP/ED/劇中歌をまとめたレコード(CD)の発売…
現在は普通なことも、当時は斬新だった。
ラムのラブソングとか、今でも口ずさめる、メロディーラインにインパクトがある名曲揃い。
(小生は「OPEN INVITATION」とか「殿方ごめん遊ばせ」がお気に入り)
また、全話コンプリートBOXセットの発売も本作が初の試み。
LD(レーザーディスク)で、価格は33万円!
(しかも即完売!ちなみに親戚の叔父が持ってましたが、箱に手を触れただけで大激怒されました…懐かしい思い出です。笑)

本作が放送されていた時代を(物心ついた頃ですが)生き、現場を(幼少期ながら)見てきた一人として、本作の時代背景を踏まえ、思い出補正+アニメ歴史補正値込みでの評価&感想になったことをご容赦いただきたい。
現代アニメを見慣れている若者にとっては、古臭くて視聴に耐えないだろう。
ただ、日本アニメ史の金字塔として、一度は見て欲しい作品。
現代の萌え系アニメが、いかに本作の影響を受けているかがわかって面白いですよ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 16

69.1 12 シュールでファンタジーなアニメランキング12位
魔法陣グルグル(TVアニメ動画)

1994年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (221)
1417人が棚に入れました
 壮大なストーリーにちりばめられたギャグ、可愛くてとぼけたキャラクターで人気を集めた衛藤ヒロユキのヒットコミック『魔法陣グルグル』のTVシリーズ第2弾。第1弾はコミックと同名で1994年に放映された。12歳の少女ククリは、伝説の闇魔法グルグルを操るミグミグ族の生き残り。ジミナ村の魔法オババの家で密かに育てられていた彼女は、魔王ギリを倒すために、憧れの勇者ニケと旅立った。以前はちょっと頼りないところのあったニケだったが、光魔法を覚えてからは精神的にも成長。そんな彼にククリの恋心はますます募っていくばかりで…。

声優・キャラクター
瀧本富士子、吉田小南美、緒方賢一、高乃麗、高木渉、萩原果林、西川幾雄、松井菜桜子、山本圭子、石川寛美、こおろぎさとみ、神代知衣、千葉耕市、天野由梨、安西正弘、鳥海勝美、横尾まり

ヒロ(4代目) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ひーらりひらりらひひらりらー。

このアニメで 特徴のありすぎる キャラって

やっぱり キタキタ親父でしょう。

あまりにも インパクトありすぎて 主役だろうと
食ってしまう事も 多々。

すね毛のコシミノダンサー。 誰だよこんな怪異
作り出したの・・・。まぁ 作者さんですけど・・・。

当然こういうキャラが出てくる事が許されている以上
アニメのジャンル  は  ギャグ以外ありえません。

設定は 勇者と魔法使いが 魔王を倒す。
              という設定なんですけどね。

シリアス展開 になると ふんどし妖精や
キタキタオヤジが雰囲気を
ぶち壊しにきてくれるんです。素敵でしょ(笑)

最後は魔法使いククリの華麗な魔法(グルグル)で!!
   
   長い首の猫 っ(あっ 失敗しちゃった。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

お茶 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

オタク教養的な?

いきなりなんですが、私は副業でせどりをしていたことがありました。簡単に言うとレアものを安く買って高く売るという商売です。そのレアものとかは、いわゆるセドラーの中でも自分の詳しいジャンルになってくるのですが、私の場合オタクもので、よく秋葉原の詳しい連中と談義する際、色々と勉強させてもらいました。

こんな事レビューに書くのもアレなんですがwオタク文化ってゲームなどを始め色々な文化や時代背景に影響し合っている事は存知だと思いますが、幾つものメディアを超えて育っていくものがオタク文化何て話をよくしていました。

VHSの時代とか撮れる時間が今よりもっと短いから、超工夫して録音したり、擦り切れる程見て暗記したセリフを張り合ったり、性能が悪いけどコマ送りの部分のトリビアなんかを張り合っていた、なんてことも。

そんなこんなで、オタクはオタクとして修業を重ねていて、制作側の方もそれに対抗するように、色々と切磋琢磨し合って今日の歪んだオタク世界が出来上がったと、談義しておりました。

そんな中で、本作魔法陣グルグルはパッと見子供向けなんだけども、そんな歪んだ世界を意識しているのかは知りませんがwオタク心をくすぐる作品です。エニックスが絡んでいることも合って、物語は勇者ニケと伝説のグルグル魔法使いククリとのRPG風ギャグファンタジーなんですが、ここにドラクエを始めとするパロがふんだんに取り入れられていて、分かりやすいパロから、上級者向けと、オタクを煽るように笑わせてくる。

それはゲームからある種一般教養的なモノまで多岐に渡って。このネタ分かるか?これはどうだ?ってな感じで、グルグルを始めとして、今ある不思議な日本のアニメは、単にアニメだけではなく広く知識を有しないと読みとけない、いわば知的な娯楽なのではないでしょうかw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 42

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

B級好き入門

むかし大好きでした。

■ギップルはなぜ「くさい」とか言うのか

他の方のレビューを読んでいてそういえば、ギップルが「くっっさーーーい!」とか言いまくってたな、と今さら思い出しました。

あれねぇ、今思うと、作者の衛藤さんの幼さというか、照れ隠しそのものなんだよね。

物語の展開の都合上、一定の「くさい」ことを言わなきゃいけないのだけれども、それをどこかで「くっさー」とツッコミ入れながらでなければ、提示できない。

A.一方で、それっぽいことの大事さを考えつつ
B.しかし、それが別の感覚では否定されるだろう

という、複数のことを並列的に考えるという発想はもちろん大事。もちろん大事であり、それこそ「リアリティの多様性」を考えるという並列思考の萌芽ともいえるもの…なのだけれども、「くさい」という表現によって、それっぽいことを「くさす」ということによって、「それっぽいこと」価値観と、「くさい」と言ってしまう価値観の間をあまりなだらかに接続できてないっつーことなんだよね。そこには、大きな隔たりがあって、接続できない、という感性が、衛藤さんのなかにある、ということの告白でもある。

(1)うさんくさい時代反映論的なはなしをすると…

ただ、もちろん、それは衛藤さん個人のものではなくて、90年台前半、という日本の社会状況とも関わっている。

言ってみれば、「くさい」っていうのは、80年代的な日常のリアリティの中で形成されたものだと思うのですよ。

60年台とか、70年台って、青臭いことをガチで言うのって、そこまで日常のリアリティと乖離してなかったはずなんですよ。それこそ、安保運動とかやってた時期だし、まだまだ「戦後」のリアリティが残っていた。で、青臭い政治談義とかが、リアルな社会状況とそのまま接続しうるという感覚がおそらくあった。

ただ、やっぱバブル期になると日常空間と政治空間、あるいは日常空間と「ガチな話をすること」っていうのが、はっきりと分かれる感覚というのが優勢になってきたと思うのだよね。

で、「くさい」とかって言う言葉を連呼せざるを得ないのは、そこの感覚の乖離がやっぱ強力になったのが、まあバブル期なんだろうな…と、今になってみれば思う。まー、当時はそんなこと思わなかったけれども。

(2)まあ、それとは別に、少年期的な

 あと、まあ、それとは別に、単に10代において、恋愛経験も、社会経験も少ないという状況下では、恋愛とか、そういうことに関わるセリフというのは、単にキャイキャイしてる少年少女のリアリティとは隔絶しているっつー問題がある。
 まー、うさんくさい反映論的なことをいわずに、いうと、まあ、そっちのほうがでかかろう

(3)あと、衛藤さんのおさなさ

 ぶっちゃけ、あとがきとか読むと思うけど、これ書いてるときの衛藤さんってだいぶいろいろと幼い感じがするよね
 しかし、衛藤さんは、その幼さによってかどうかわらないけれども、かなり独自の世界構築はできていて、そのオリジナリティは、やはり今振り返っても、すばらしいものだったと思う。
 やはり、クリエイターにとって一定の幼さとか、粗忽さとか、そういったものって武器よねぇ、と思ったりする。




■衛藤さん最近なにやってんだろ

あと、作画評価「2」をつけておきながらなんですが、
ぐるぐる原作は、本格的に絵が下手なことで有名な衛藤ヒロユキによる作品で、実に絵が下手です。本当に絵が下手です。わたしがいままで読んだプロの漫画家のなかではダントツに下手です。



しかしながら、その下手すぎる絵によってしか醸すことのできない、圧倒的に、だめすぎる驚異的にシュールな世界観は、とても商業誌のそれとはおもえない、なにか異様なにおいを放っていたわけです。



グルグルは、わたしの人生のなかではじめての「B級愛」を感じさせてくれたきっかけともなりました。

衛藤さん、まだ元気でいるのだろうか…

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

75.3 13 シュールでファンタジーなアニメランキング13位
よふかしのうた(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (390)
1349人が棚に入れました
「初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。」 女子がニガテな中学2年生の夜守コウはただ今、なんとなく不登校中。 さらには、夜に眠れない日々が続いている。 そんなある日、コウは初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。 夜風が気持ちよく、どこまでも自由で、昼間とちがう世界。コウは夜に居場所を見つける。 そこに突如、謎の美少女・七草ナズナが現れる。 彼女は、夜の住人・吸血鬼。 コウに、夜の楽しさを教えてくれるナズナ。 「今日に満足できるまで、夜ふかししてみろよ。少年」 夜に、そしてナズナに魅了されていくコウは、彼女に頼み込む。 「俺を吸血鬼にしてください」 ナズナは吸血鬼になる条件を教える。照れながら。それは…… 「人が、吸血鬼に恋をすること!」 果たして恋を知らないコウは、ナズナと恋をして、晴れて吸血鬼になれるのか!? ふたりぼっちの、特別な「よふかし」が始まる__
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

他の吸血鬼がでてから急に面白くなくなりましたね。

1話 夜とは大人の世界。少年がどう成長するんでしょうか。期待枠です。

{netabare}  情報が無くても分かる「だがしかし」の作者の絵柄です。ということは、この作者の最大の特徴は「女性の内面は描けない」ということです。「だがしかし」でほたるはしゃべるだけしゃべりますが、結局内面を見せません。あのグルグルの目は、ほたるの時からおもっていましたが、内面がない非人間性なんだと思います。

 セックスの話は顔を赤らめないで、恋愛の話は恥ずかしい。14歳なのに女性がわからない、性に興味がない。非常に現代的ですね。これは痛い人には痛いと思います。世代が近い人からは共感を得るんでしょうか。
 ノイタミナ枠ですから、この辺りにテーマ性は見出せそうですね。夜の世界とはすなわち「大人の世界」のアナロジーです。新橋的な酔っ払いも出ていましたね。あのシーンがつまり自分たちは大人とは違う側にいるということでしょう。

 つまり、大人の世界を少年が知る話なんでしょう。吸血姫は成長はしません。「だがしかし」の結末は知りませんが、ほたる同様少年の前を通り過ぎるだけでしょう。ちょっとフリクリのハルコの雰囲気もありました。

 それにしてもいい夜空、背景でした。少年が見る夜の世界は不思議な色がついています。それは現実でもあり現実ではない世界で未知の世界ということでしょうか。空を飛ぶというのは飛翔でもあり、また地に足がつかない不安でもあります。

 ナズナさん、肉体はエロかったです。だけど、内面がないのでエロく感じない。それはあの瞳のせいなのか、言動のせいなのか。

 本作の結論がどうなるにせよ、いいところに目を付けましたね。令和の14歳はエヴァのシンジと違い、性に興味がもてない。自己肯定感がないのではなく、自分自身が理解できない感じです。さてどういう話になるか楽しみです。実は成長を否定したりして。それはそれで面白そうです。 {/netabare}



2話 吸血=〇ックス。EDに多分全部何かを込めている。

{netabare} まあ、セックスとか伏字にするようなものでもないですが、題名なので慎みました。

 あれ、化物語?という感じでスタートしました。ちょっとメタ的な虚構感を出したいんでしょうか。EDとか見るとそんな感じもあります。

 それは良いとして、なるほど吸血はセックスのアナロジーという感じなんですね。年上のビッチ女…というより食事のためなら「パパ活女」という感じでしょうか。いや、EDとかみるともっと直接ですね。風俗嬢的です。恋愛には照れてしまうという感情が非常に納得できます。

 私はどうも魅力的な売春婦キャラにメチャメチャ弱いので、ナズナさんが一気に気に入ってしまいました。照れると急にナズナさんがエロく見えるのが不思議です。

 EDはすごかったですね。ちょっと信じられないくらいのクオリティでした。美術面でもそうですけど、テーマ性がフルフルで込められている感じです。
 EDではナズナのエロをあえて強調しています。「泡」はソープ嬢的ともいえるし、直接そうでなくてもそういった場面を連想させます。ナズナの本来の生き方を表しているのでしょう。ペットボトルやグラスが溢れでていましたね。露骨なアナロジーですね。

 レモンは何でしょうね。甘酸っぱさの象徴でしょうか。レモンの花子言葉は「誠実な愛」らしいです。それがグルグル回っていたし、レモンから汁が溢れています。
 ナズナさんが、作り物の街を破壊する存在なのはわかりました。イスは普通は権力の象徴ですけど…どうでしょう。光が当たっているのでそういう意味はありそうですが、あまり権力的なイスにも見えません。この辺りが思いっきり何かを象徴していましたね。単純に見れば既存の社会、価値観の破壊者ですが、どうでしょうね。今後どうなるかちょっと楽しみです。


 で、売春婦との恋愛ドラマは悲恋が多いですよね。まあ、吸血姫は直接売春婦ではないですが、住む世界が違う…うーん。少年マンガだからどうでしょう。子供になって遊ぶというのも無邪気に見えて欠落や寂しさですからね。しかもその遊び道具がトランシーバー…おもちゃのコミュニケーションツール…まだまだ気持ちの伝え方が子供だ、ということでしょう。

 いずれ少年が成長すると、やっぱりフリクリみたいに目の前を通り過ぎて行くんでしょうか。他の女性キャラも出るみたいだからどうでしょうね?

 あおりと俯瞰の画面がある作品は作画技術に自信がある証拠でしょう。安心して見られます。
 で、新キャラでましたね。彼女と最後くっついてナズナとは…になるとまさにフリクリですがどうでしょうね?

 とにかく2話、素晴らしいストーリーと演出、EDには感動しました。視聴は決定ですね。 {/netabare}


3話 生々しすぎて正視に堪えない、という人がいても不思議じゃない感じです。

{netabare}  改めてOPじっくり見ると、OPのイチジクの葉ですけど、恥ずかしいものを隠すの意味があります。りんごは禁断の果実でもあり、誘惑でもあります。まあ、そういう話ですね。吸血で友達の前でそういうのやめてとか。いつもやってるの?とか。EDもそうでしたが、本作は全編にわたってアナロジーがちりばめられています。
3話の副題が「いっぱい出たね」ですし。

 アキラと再会した後の、ナズナとの布団のシーンもまさにその行為のアナロジーですし。女の友達と数回あうだけで、俺の事好きとか思春期過ぎるでしょう。なんでもラブ。セリフの通りですね。主人公はナズナを好きになるために一緒にいたのに、アキラにも期待する。主人公のマインドはやはり幼いです。

 で、友達とは何か、なぜ連絡を取らなかったのか、か。そして、学校の存在意義…か。やっぱり既存の社会に対する価値観もテーマなんでしょうか。吸血姫は異質な存在…すべて破壊するもの。夜とは反社会。セックスは隠すべきもの。

 なぜナズナが怒っているのか想像ができない。友達の定義。解答が言葉にならないと何も理解できない主人公。ゼロかイチかの解答を必要とする。現代的ですね。思春期の肉体と精神のモヤモヤに解答が欲しい。そして誰かとつながりたい。生々しすぎます。本作に本能的感情的に反発する人も出てくるのでは?

 これは難しい話ですね。テーマを深掘りするほど訳がわからなくなる沼にはまりそうです。どう展開しどう畳むのでしょうか。

 それにしてもアキラちゃん、ふくらはぎ…腓腹筋、ヒラメ筋が発達しすぎですね。3:42を見てください。ナズナが夜の女でなよっとしているのとは対照的です。スポーツやっている設定かな。この辺りの対比にテーマ性を集約して絵で見せたのだとすれば作画はものすごく優秀ですね。

追記 あれ?肩幅も広いし…アキラって名前って…ひょっとして男…にしては胸あるよね???ただ、髪型とか、顔の造形とか…んん?腰から下の骨格と子供のころの足が内股なのは女性的なんだけど…ただ、瞳と睫毛がなあ…

 幼馴染の性別は疑えの原則が発動?名前が中性的だし…うーん。ブルーピリオドの1話ではちょっと騙されたしなあと思ったら声優さんが??? {/netabare}



4話 今のところずっと言葉遊びです。アキラが出てきたので飽きてはいません。が、単調になりつつありますね。


{netabare} なんか「14歳すぎ」ですね。見ているのがすごく恥ずかしいです。思春期のモノローグ。キスがどうとか性行為とか好きとか嫌いとか。手が触れるだけで恥ずかしいとか。

 遊ぶとか寝るの意味をどうとるかとか。少年誌だから暗喩で終わるんでしょうけど、問題は内面にどこまで踏み込めるかです。ナズナさんは舞台装置なので、もちろんコウの内面です。アキラまで行ければなおいいですね。
 せっかく恋愛と性行為の対比をしているわけですけど、今のままだと寸止めドキドキで終わるんでしょうか。少年誌だから限界あるし、そのための吸血姫ですからね。
 
 とはいえ、朝井アキラちゃんを出すことで設定の理解は進んでいます。結局、朝井アキラちゃんは思いっきり巨乳少女そのままでしたね。男だったら面白かったのに…と思いつつも、アキラが求めているのは友情問題、孤独などはあるみたいですね。

 恋愛ゲームのシーン面白かったです。プレステだし。萌えをメタ的にギャグにしているし…

 視聴継続して、また新キャラが出てきたり方向性が分かってきた辺りでレビューすると思います。 {/netabare}


5話 エロすぎ笑った。なお、彼女に元カレとの〇〇〇について聞いてはいけません。聞きたくても我慢しましょう。

{netabare} あるいは彼女が風〇嬢だったらどうしますか?それで生活していたんだけどなあ、と言われたら。

 いや最高でしたね。「楽しいのもストレス」というのも良かったし、なんかNTR…ではないですけど、彼女の昔の性体験を聞くようなドキドキ感。それが風俗勤めとか…

 男心と思春期の性欲。すごい話です。なんとなく思春期に引き戻されたような感覚がとてもいいです。

 あとナズナちゃんのエロさって肌の色?{/netabare}


6話 非日常とはなにか?変性意識状態を良く描けていました。

{netabare}  会社員の日常のしんどさ。会社の仕事が日常生活に精神的に喰いこんできます。さらに白河さんの場合深夜の呼び出しがありました。彼女に必要なのは非日常でした。

 その非日常の最たるものがナイトプールですね。プールというのは水が大量にある、というだけで不思議な場所です。そこに深夜、半裸の男女がいて、妖しい照明に、更にお酒も入って…さらに塩素の匂いなども相まって、普段の意識とは全く異なる世界です。これは催眠にかかっているようなものですね。

 そこでナンパをしていた男2人が思いのほかいい人というか普通の人というのも注目ポイントでしょう。解放によって性格が変わるんでしょう。また、解放することが苦手なコウ君がナイトプールで一人だけ日常から抜け出ていなかったのも描写として優れていました。

 そして、学校のプールに真夏に忍び込んで遊ぶ。これもまた、中学生くらいのときにやる非日常です。中学生のコウくんにとってナイトプールは場所が異質すぎて解放感よりも警戒感なんでしょうね。むしろ中学校のプールくらいのほうが、コウくんの非日常にとっては、リラックスできるのでしょう。ナズナちゃんと2人きりになれますし。

 思春期のコウくんと白河さん、そしてナイトプールの2人組。それぞれの日常と非日常。ストーリー展開も見せ方もとても素晴らしかったと思います。

 これを見ると本作のいう夜更かしは「変性意識状態」についてを描いているということがわかります。変性意識状態というのは、ググって貰えればわかります。(ウィキの説明はたいしたことがないので、変性意識-盆踊りとか変性意識-音楽、変性意識-登山とかでググってみてください。)

 意図してか図らずもなのかわかりませんが、非日常の中に身を置くと自己肯定感につながるそうです。その一方で宗教的なトランス状態に陥り、洗脳にかかったりもするみたいです。要するに薬物ですね。
 そういうところを掬い上げたこの6話は、非日常の大切さ、人間というものが非常に良く描けていました。

 レジャーや遊び、そして違う人と話すこと。これの有効性も表現できていたと思います。

 つらい現実もあり、NTR的なモヤモヤ、エロスもあって、何か人の心をざわざわさせる回でした。かなりの人の心に刺さるのではないでしょうか。生々しすぎて正視できない人がいても不思議ではないですね。

 なお、アキラちゃんはもう出てこないとなると、それぞれのキャラはゲストキャラ?となるとゲストで1テーマがあるんでしょうか。アキラちゃんの回では友情と男女…と短絡的に読み取っていましたが、描かれている内容はもう一度確認しておいた方がよさそうですね。


追記 「変性意識」ですが、ググり方は「変性意識-ハレとケ」…でもいいですね。ハレとケ…つまり共同体も祭りもなくなった現代人が生き残るためには?という、非日常という生存戦略をアニメという形で見せてくれている感じがあります。

 それとナズナちゃんの家がいわゆるミニマリスト的な感じなのも含意がありそうですね。モノを持つこと、持たないことの意味も考えたほうが良さそうです。 {/netabare}


7話 あー展開してしまいましたね。ストーリの進行を慌てた感じです。これはちょっと嫌な予感がします。

{netabare} 人間が増えて行く分にはよかったんですけど、吸血姫かあ…答えが全部ではないですけどセリフで語られてしまいましたね。せっかくの文学的なモヤモヤがあったのにちょっともったいないですね。
 吸血鬼同士の会話に女のテクニック的なものがありましたけど、やっぱり実際にコウくんを外で順番にナンパ(死語?)してほしかったなあ。

 ちょっと作者があきちゃったんですかね?それともこの退廃的な雰囲気が少年マンガでは受け入れられないので、分かりやすくしちゃった?
 最後の感じだと吸血鬼化にタイムリミットがあるんでしょうか。

 それにしても、不思議な街だなあとおもってましたけど、今回って海浜幕張?の幕張メッセ周辺?まあ、いろいろお世話になった場所なので何となく記憶にあります。
 あれって京葉線の高架っぽいですよね。で、ラウンジ的な場所の背景にあったのはメッセの国際展示場に見えました。あの最後にいた場所は近隣のホテルのラウンジかスイートルームの一部かなにか?
 ただ、初めの喫煙所ですけど、駅は海浜幕張ではないと思いますので、隣の新習志野辺りなんですかね?確認してませんけど。{/netabare}



8話 感覚的情緒的なものが、思考的観念的になった?

{netabare} 1年っていうのは、どうでしょう。受験までの日数のアナロジーでしょうか。中学生の大人になるまでの悩みですから、当然タイムリミットはあるでしょうね。となると、本作はやっぱりフリクリエンドな気がしてきました。

 ナズナちゃんが「好きになる」という気持ちがわかったらどうでしょうね。旧来の価値観だと目の前からいなくなるのが正解です。つまり、最後の事件としてあの吸血鬼との抗争の末、吸血鬼になれなくても命は助けるけどみんないなくなるとか記憶をなくすとか?
 期限がついたということは、ナズナちゃんは彼を眷属にしないし、彼の前から去ってゆくのが一番濃厚ですね。

 ナズナちゃんは、おいしい血をすう…つまり、メリットがあるから近くにいます。いっぽうでコウくんは現状から逃げたいのでナズナちゃんにすがります。この関係が崩れないと成長がないです。既存の価値観を崩すということで、工夫がある終わり方になると面白いのですが、どうなるんでしょうか?

 キャラ的には「だがしかし」の焼き直しになりそうな配置になってしまいました。原作者は多分女性の描写が苦手なんでしょうね。ホタルちゃんほどではないですけど、ナズナちゃんの内面も非常に単純だし、他の吸血鬼はステレオタイプのビッチあるいは婚活女子だし。
 となると「だがしかし」の最終回のがっかり感を再現するんでしょうか。少年向けだからしょうがないとはいえ、唐突というか無理やりすぎでしたね。

 全体的な構造が非常にわかりやすくなってしまいました。極めて思考的観念的になって行きつつあります。夜更かしの感情的感覚的情緒的な話から、どんどんわかりやすく思春期の悩みを見せてしまっています。特に7話以降で当初の幻想的な訳の分からない話の中のモヤモヤ感が急速に薄れつつあります。

 話展開させないで、最後突然ナズナちゃんがいなくなる、みたいな感じがよかったかなあという気もします。まあ好みの問題ですけど。{/netabare}



最終話 他の吸血鬼が出てから、急に面白くなくなったと思います。 

 吸血鬼になると人を殺すか眷属にするか、あるいは我慢するという設定が足枷になって、畳めなくなった感じですね。原作がどうなっているのかしりませんが、アニメ版のオープンエンディング、つまり今後の事は視聴者に委ねる、というのは、狙った結末ではなく畳めなくなったのでなんとかソフトランディングを狙った風に見えました。

 コウくんの吸血鬼になる=人を殺すか渇望に耐えるという悩みがどこかに行ってしまいましたね。物語を展開させるために吸血鬼の部分をクローズアップさせたのが、破綻を生んだ気がします。

 前半は、吸血鬼になるには恋愛というきっかけが必要で、なった後は、他人の性や欲望が無ければ生きられない、という大人の世界=夜の世界のアナロジーで、酔っ払いとか会社員のおねーさんとかで大人の世界の厳しさと、アキラちゃんで友情などもかなりいい感じだったと思います。
 うまく思春期を描いていたのに、物語の中心が吸血鬼設定に移行したことで、視点がブレた気がします。

 他の吸血鬼が出てから、急に面白くなくなったと思います。狙いも演出も悪くなかっただけに竜頭蛇尾感がすごくて、残念な結果でした。




 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 26
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

退屈と自由

「退屈」。――パスカルやキルケゴールが、
人間存在の根源的な条件として執拗に凝視したこの事象が、
すこぶる哲学的なテーマであることは論を俟たない。

それはさて措き、本作のキーワードは「退屈」である。
古来悪魔は、退屈につけこんで人間を誘惑する。本作では、
退屈した吸血鬼が退屈した中学生を夜の世界へ誘う。どこか古風な筋書だ。
そこに相手との恋を成立させるための、"恋愛ゲーム"の要素も絡んでくる。

「夜」の非日常性が浸透したかのような、
微妙にデフォルメされ、非現実感の漂う物語空間。
吸血鬼が都会のビルの一室で、人間相手に添い寝屋を営んでいたり…。

幻想的な夜空の下の解放感。吸血美少女との深夜の逢瀬。
そんな夜の魅惑と高揚が少年の中で、吸血鬼という存在への憧れと結びつく。
二人が共有する夜の領分にはすでに、地熱のような、火照りのような、
隠微な恋情の兆しも確実にあったはずだ。


コウとナズナ。この二人の恋愛不全には通底するメンタリティーがある。
それはおそらく、「作為」の忌避だろう。

吸血鬼たちは眷族を得るための手段として恋愛を作為する。
純情なナズナが他の吸血鬼たちと距離を置こうとする背景でもある。
だが、「吸血鬼は"生きること"以外に何もしない」ゆえに、
それは「作為」でありながら同時に種族固有の「自然」でもあるだろう。
そして、作為的な自然、 あるいは自然化された作為とは取りも直さず、
我々人間、あるいは吸血鬼たちにとっての「社会」という存在に他ならない。

だから、そこに馴染めずに脱落したコウもまた、ナズナの同類なのだ。
象徴的なのは、子供のころの彼が野球の"ルール"を知らず、
背を向けてアリの群れの行動を観察しているシーン。現在の彼も
「好きでやってる」か「人にやらされてる」の二択で考えると言っており、
つまりは自然と作為とを区別する習性が生来備わっているということだ。
コウにとって恋愛は、ただ面倒な作為とだけ感じられるはずで、
そうした面倒な関係性の集積である学校そのものが、結局どうでもよくなった。

要するに、二人には解放されるべき現実の束縛があり、
「夜」が象徴する「自由」への渇望は、純粋で切実なものだったのである。


さて第11夜。物語は急転直下の展開を見せる。
突如、暴力的に闌入した朝の光によって、コウの「夜」は灰のように消え去る。
そのとき萌した吸血鬼への恐怖が、昼の世界、作為の日常への回帰を促す。
このドラスティックなフェーズの転換が意味するもの、それは、
二人の「退屈」をめぐる長いプロローグがここで終了し、
新たに「自由」をめぐるターンが開始されたということである。


{netabare}なぜ自分は吸血鬼になりたいのか―。
コウはその理由を自問し、自由な夜が好きだから、と自答する。
だが、周囲にもたらす結果まで考えざるを得なくなったとき、
自分の未熟な憧れが思い描いていた「自由」の限界に直面したのである。

悩んでいるコウに、ナズナが謝罪する。

「吸血鬼なんて退屈なだけだよ。ごめんね、嘘ついてて。」

一方、ようやく答えにたどり着いたコウは、それをシンプルにこう表現した。

「・・・覚悟なんてないよ。ただ…
 俺はナズナちゃんに退屈してほしくない…んだと思う。」

ここで控えめに表明されているものは、一つの意志である。
たとえ「自由」が幻想に過ぎず、「退屈」の方が現実であったとしても、
それを自分の責任において選択し、変更していこうとする意志。
いわば「自由」に伴う"責任"を自ら引き受けようとする、成熟した意志である。

そして、不当に奪われた二人の「自由で楽しい夜」を奪還することを宣言する。

「俺はナズナちゃんを好きになる! 退屈なんてさせない。俺といよう!」{/netabare}


・・・そうして、彼らの「夜」が更新される。
最終話のラスト、物語の次なる局面を予告するかのように、
ナズナのピュアでナイーブな内面を象徴する「なずな」のカットが挿入される。

恋愛とは本来利己的なものである。しかし同時に、
自己中心の世界から他者のいる世界へと移行する契機を含んでいる。
それは内面的な成熟の指標ともなり、コウの宣言には明らかにそれが認められた。
一見耽美で背徳的なパッケージに包まれたこの作品の本質は、
一人の少年の出会いと成長を描いた、超本格ジュブナイルなのである。

・・・"だがしかし"(笑)、この結論に自分はかすかな戸惑いを覚える。
おそらく本作の魅力は、意識化される以前の未分化の世界を描いた前半部にある。
序盤に登場した鮮烈きわまる「夜」のインパクトは、我々の思春期の
過渡的なあわいにあった感覚が束の間捉えていた、あの"遥かさ"を思い出させるのだ…。

アニメ第2期制作決定がすでに告知されている。
ポップな外観にやや抵抗を覚えた自分のように、 視聴を迷う向きもあろうが、
ストーリーのロジカルな展開も、イマジネーションの冴えも本物だと思える。
ドラマの構築力についてはもう少し先を観てからの判断になるにしろ、
個人的には必見と言っていい作品ではないかと思う。


2024. 5. 7

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世間体の影に隠れたモヤモヤが気持ち良く吸い上げられる感じ

眠れぬ不登校中2男子が初めて繰り出した深夜の世界にて、
出会った吸血鬼ナズナと共に夜更かししたり、
自分も吸血鬼にしてもらおうとナズナちゃんに恋しようしたりする。
同名連載コミック(未読)の連続アニメ化作品(全13話)


【物語 4.0点】
不良と“普通”の間のグレーゾーンを巧みに言語化。

この作品、字面にすると、どうしても非行少年の話に見えて伝えるのに難儀します。
主人公・夜守コウは学校にも行かず、露出の激しいヒロインと、夜の街を徘徊。
挙げ句、{netabare} 添い寝マッサージ店で無届けの未成年就労してみたり、
ラブホに女を連れ込んで?{/netabare} みたり。
ヴァンパアキラーが策を弄するまでもなく、補導案件ですw

ですが、夜の世界に身を委ねていると、
コウは、人間社会で普通でいるために皆が我慢している諸々を我慢しなかっただけ。
共感できる心情が多数掘り起こされ、それが作品特有の居心地の良さにつながっています。

主人公の世代設定から学園生活への折り合いが焦点になりますが、
第六話は社会人にとっても刺さる内容でした。
{netabare} 疲れ果てているのに上司の呼び出しに応じようとする白河さんを止めようとする件。
昔、辞めた会社で上司の無茶振り出社命令無視して、高速爆走した夜を思い出して、{/netabare} ウルッとくるものがありました。
人間やめて普通でいるくらいなら、まともじゃない自分を大事にした方が良いに決まっています。

……と、安心しきった所で、終盤、夜の吸血鬼の世界が如何に危険か?永遠が如何に退屈か?
コウがこのまま人間やめて良いのか?
{netabare} 吸血鬼になれる期限は一年{/netabare} など聞いてない契約詳細や現実を突きつけて自問させる構成も○。

グレ切らない塩梅もまた心地良かったです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ライデンフィルム

目を引くのが背景のきらびやかに美化された夜の街並み。
深夜帯が未知の領域だった頃の憧れを思い出させてくれます。
色彩設計・滝沢 いずみ氏は『物語』シリーズのカラーデザインなども手掛けてきた色のプロ。
蛍光紫、グリーンなど極彩色を配し、夜の世界の非日常感を際立たせる。

ゆったりしたムードの中、稀に差し込まれるバトルアニメーション。
スピード感、部位欠損を伴うグロと、思い切りが良く、ここは吸血鬼の世界なのだと目が覚めます。


【キャラ 4.5点】
ヒロインの吸血鬼・七草 ナズナ。
まぐわうだの、ちちくるだの、{netabare} 先っぽだけだからだの、ズッコンバッコンのできちゃった婚{/netabare} だのw
大胆なファッション同様、自重しない下ネタは吸血鬼仲間からも呆れられる程。

ところが、いざ恋バナとなると{netabare} 恋愛学一生赤点レベル{/netabare} のポンコツぶりw
夜のフライト同様、アップダウンの激しい性格で、会話劇にリズムを生み出す。


ナズナちゃんと三角関係の様相を呈するコウの同級生女子の朝井 アキラ。
超早起きの破綻気味の生活サイクルで、夜更かし中のコウと早朝に鉢合わせる。
夜の街に出歩くのはいけないことで、朝早いと殊勝な心がけだと思われる。
これもまた世間体の欺瞞を突いたキャラ設定。

ナズナとアキラ。イカれた夜の世界と、真っ当な朝の世界。
早朝のせめぎあいを眺めながら思索にふけるのも楽しかったです。


【声優 4.5点】
ヒロイン・ナズナ役の雨宮 天さん。
セクハラオヤジ同然の?濁声までカバー。芸域の広さを改めて思い知らされました。
これならベテランになってからも、村の大ババ様役とかで貫禄を示してくれそうです。

ナズナちゃんの際どいボケにツッコむ夜守コウ役の佐藤 元さん。
メインどころを射止めるだけのキレの良さと心情を汲む繊細さを併せ持っています。
この春放送のTVアニメ版『君は放課後イムソニア』でも不眠症の主人公少年役を演じるそうで、そちらも楽しみです。

楽しい夜の世界に波乱をもたらす喫煙私立探偵・鶯 餡子(うぐいすあんこ)役の沢城 みゆきさん。
こちらも粘着質な濁声で脅しをかけてくる芸域の広さを見せる。
将来、天ちゃんとハードボイルド物とかで共演するのを見たいとか思ってみたり。


戸松 遥さん、喜多村 英梨さん、伊藤 静さん……。
ナズナの吸血鬼仲間のキャスト陣も男を誑(たぶら)かす外面を操る妙演で魅せる。
そんな豪華吸血鬼キャスト陣の中で、あざといロリ成分を提供するのが小繁縷(こはこべ)ミドリ役の大空 直美さん。
メイド喫茶ナンバーワンを射止めたという巧みな話術も再現。
吸血鬼コミュニティーを狂わせるだけでなく、私も眷属になってもいいかも?と魔が差しそうになったりw

蘿蔔(すずしろ)ハツカ役の和氣 あず未さん。{netabare} 性別の壁を超える{/netabare} ボクっ娘ボイスもハイレベルでした。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は出羽 良彰氏。
夜のムードを壊さない静かなシンセの音色が程よいスパイス。
ですが命のやり取りをする場面ではギターを唸らせて踏み込んで来ます。

主題歌はOP「堕天」、ED「よふかしのうた」共にCreepy Nuts。
そもそも本作は「よふかしのうた」を元に構想されており、このタイアップEDは言わば“逆輸入”。
さらに、夜と、コウとナズナ二人のムードが極まった時に流れる「ロスタイム」も上々の挿入歌で、まさにCreepy Nuts無双。

勢いに乗じて?Creepy NutsのR-指定とDJ 松永のご両人はキャストとしても出演。
中々の話術で、{netabare} ナイトプールでナズナちゃんナンパしてましたw{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 31

72.5 14 シュールでファンタジーなアニメランキング14位
さらざんまい(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (315)
1236人が棚に入れました
舞台は浅草。中学2年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人はある日、謎のカッパ型生命体“ケッピ"に出会い、無理やり尻子玉を奪われカッパに変身させられてしまう。『元の姿に戻りたければ“ある方法"でつながり、ゾンビの尻子玉を持ってこい』ケッピにそう告げられる3人。少年たちはつながりあい、ゾンビの尻子玉を奪うことができるのか?!同じ頃、新星玲央と阿久津真武が勤務する交番でも何かが起ころうとしていたー。

声優・キャラクター
村瀬歩、内山昂輝、堀江瞬、諏訪部順一、宮野真守、細谷佳正、釘宮理恵、津田健次郎、伊瀬茉莉也、帝子、加藤諒
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

三匹が掘る!

何を?ってそれは言わぬが花。
主人公らネーミング元ネタがまんま『三匹が斬る』でした。

そもそもの視聴動機は「ノイタミナ」だからとわりとノーマーク。幾原邦彦監督作品も当方初です。


いつから芸術に哲学というものが持ち込まれたのだろう?

と思うことがあります。美術館では音声ガイドオプションが当たり前となり、クラシック音楽も“解釈”というものが幅を利かせております。
たまには小難しさより見たまま感じたままの分かり易さを求めたくもなりますが、今回の芸術作品もところがどっこいなわけであります。

・・・抽象的な作品のレビューはちょっとやっかい(愚痴)。もといおそらく解釈いろいろで面白いレビューが数多く出てきそうなタイプ、というのが視聴後印象。


本作『さらざんまい』は浅草と上野の中間合羽橋近辺の東京下町で繰り広げられるカッパのお話。
そんなスタッフの悪ノリから生まれた浅い話かと思わせといて、それこそ正真正銘の“カッパ淵(岩手県遠野)”の水深よりかは深いと思われるちょっぴり良いお話でした。


 “テーマは繋がり”


物理的に、精神的に、「繋がること」の定義も定まらない中、善玉も悪玉も大切に思う人との結びつきを求めて苦悩します。そして「繋がるとは何ぞや?」は毎話形を変えて繰り返されます。
{netabare}カパゾンビから抜いた尻子玉をケッピに転送する時の“漏洩タイム”。インターネットでも送信する時にはネットワークを繋げる必要があるわけでして、ここで繋がるということは、不必要または心を抉られるネガティブ情報にも触れることでもあるという暗喩。
「繋がること」を無条件に賛美するでもなく、それでも「繋がること」で乗り越えられる未来に希望を見い出す内容でした。{/netabare}


合わせて面白いと感じたのが、対抗する概念であると作中で位置づけられていた


 “愛と欲”


このへん踏み込むと長くなってしまうので、今回は、皿っとサラッとさらざんまいでぃっしゅ 
※注 シラフです
{netabare}結局のところ両者を明確に分かつことはなく、むしろ一緒だねというミスリードでした。{/netabare}


この繋がりだなんだであったり、愛と欲であったり、小難しい(っぽい)のは実は話数がだいぶ進んでから自分は気づいたよというのがお伝えしたかったこと。
伏線でもなんでもないものにしばらく気づかなかったのです。
{netabare}私みたいに後から気づいた方でも、最終盤ではこれでもかと出てくるので序盤中盤100%スルーしてても問題ありません。{/netabare}

その理由は他に気を奪われていたから。小難しい(っぽい)のなんて感づく暇もないくらい圧倒的な映像表現に目がいき、中身より見た目に気を取られておりました。


 “高揚感と生理的嫌悪感”


こちらが交互に押し寄せると言ったほうが適切かもしれません。そのへんは観りゃわかる(笑)
似たようなところで、“芸術”といえるかは微妙ながら映像表現はシュールです。醸し出す雰囲気はやや淫靡かしら。
{netabare}第2話で女装がばれたり、第3話でガチホモ展開きたり、序盤からついていけません。{/netabare}
{netabare}だいたい肛門突入からの液体ブシャーッ!なんて妄想たくましい自分には相当きついものがありました。{/netabare}
目が釘付けになるんだけれどなんか嫌っ!という感覚。



とここまできてふと感じた大事なこと。
結局のところ“哲学”なんてどこへやら、見たまま感じたままを楽しめてたことに気づきました。
哲学なんて仰々しいもんではないでしょうが考察するには楽しそうな作品。繰り返しますがかっぱ淵程度の深さです。


曲はEDがすこぶる良いですよね。FM横浜でのthe peggiesのライブをラジオ経由で聴きました。MC含めて上手に空気を作っていて、将来楽しみなアーティストさんです。
実写とアニメの融合したED映像については、深夜の人気のない都会の景色をもってくるのが通ですよね。グッときます。
例えば深夜遅くだったり朝まで飲んで家路につこうかという時。周囲に人っ子一人いない景色を見たことのある諸氏は多かろうと思います。

 “世界の中に自分ひとり”

という感覚になった経験ある方いらっしゃいませんか?自分にはあります。そこにきて曲題『スタンドバイミー』“そばにいて”です。
{netabare}毎度ED直前の「繋がりたいけど○○」メッセージを最終回で全投入してくる演出もGOODでした。{/netabare}



もう少し考える系の作品だと注意がそちらに行ってたかもしれません。
生理的嫌悪感がその他の要素を上回らない限り、このシュールなアニメーションを楽しめるんじゃないかと思います。
クールで一本くらいは欲しいかな~と私が思っている “作家性の強い作品” という位置づけです。
この目新しい感じ。好奇心という名の欲望を手離すな!と劇中からの引用で締めることにしましょう。



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2020.01.27
《配点を修正》+0.1


視聴時期:2019年4月~6月


2019.06.21 初稿
2019.07.16 修正
2020.01.27 追記/配点修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 51
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

煌めけ、太陽肛門

幾原邦彦×ノイタミナ。
制作MAPPA&ラパントラック。

この生命も世界もきっとパロディだ。
{netabare}人の世の裏側「欲望フィールド」を舞台に、
奇想天外な物語が展開されまず興味は尽きない。{/netabare}
自閉した群衆はピクトグラムで描かれ、
素性も知れぬものたちがこの星を運行している。

少年たちが商店街の河童像を、
破壊してしまったことから物語が始まる。
その不思議な色彩の世界で、
少年たちは尻の中に太陽光線をきらめかせる。
これこそが「太陽肛門」である。

欲望を生産するのだ。
尻の中から欲望を生産するのだ。

最終話視聴追記。
娯楽性を担保し謎が牽引する物語である。
考察は必要もなく丁寧に語られています。
{netabare}人は尻子玉で繋がっている。
それを失うと世界とは繋がれない。
世界の外部へと弾き飛ばされるためだ。{/netabare}
未来は欲望を繋ぐものたちだけが手に入れる。

人も社会も、繋がれば傷付き失う、
それでも希望はその先にあるということでしょう。
始まらず終わらず、繋がらない絶望への反撃か、
世界はいつだって試されているのだから。

このエールはきっと、
始まらないあなたへ贈る太陽光線なのでしょう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 54
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

観終わった

3話までの感想{netabare}
かっぱ橋とかあるしそれで舞台が浅草なのかなぁと思ったが、うんこビルから浅草って繋がりだったりして。
カッパといえば最近(といっても一年近く前になるのか)ではゲゲゲの鬼太郎6期でキュウリ支給のみでブラック企業にコキ使われたりと、妖怪の中でも扱いやすいのかな?
でもって内容は…いつもの幾原って感じ、相変わらず演出だけはスゲーなぁ。
と思ってたら2話、うっわ、LED育苗灯じゃねーかw
これってメジャーなのか?
自分もちと欲しいとは思いつつもヤベー物育ててるんじゃ?と噂されても困るので手出ししてない、あると便利そうなんだけどねぇ…。
でもってクジが大麻栽培しててヤベーと思ったら(車上荒らしも大概だが)今度はカズキが飼い猫盗難してて…だ、大丈夫か?w
ここまで未成年者による明らかな犯罪を描くのも珍しい気が…攻めるねぇ~。
これでエンタも犯罪に手を染めてたら更に危ないのだが、さすがにそれは無いっぽい?
3話ではかなりイカれてたことが明かされるが犯罪ではない…ないよね??
警官二人組がなにやら企ててるみたいだけど、主人公側が逮捕される展開とかあるのかな?{/netabare}

5話までの感想{netabare}
4話、入れ替わり作戦はどうした?と思ったら5話に続いたのね。
と、5話、ひゃああこれまたヘビーな過去を…。
しかも本当は叱って欲しいのに優しくされて余計に罪悪感を抱えてる模様。
サッカー辞めたのも自罰の念からだそうな。
なんか3人のうちエンタだけマトモというか浮いた感じになってるような?
まさか2人に匹敵するような過去あったりするのかねぇ?

ところでバンクシーンについてなんだけど、自分が印象にあるのはガンダムSEEDだったなぁ、動画の使い回しが叩かれてそれ以降急場凌ぎの使い回しではなく、使い回しを前提とした気合の入れまくった正真のバンクまで叩かれて作り手も避ける方向に向かい出したような?
プリキュアのような児童向けは別として。
SEED以外にも何かあったのかも知れないけどね、個人的には「別にいいじゃん」なんだけどねぇ。
で、この作品はそんな忘れ去られたような技術が使われてて仄かに懐かしさを感じる。
しかも歌まであるせいかタイムボカン…というかムテキングの「タコの頭にハチマキ巻いて~」を思い起こさせる。
有体に言えばすっごくタツノコっぽいんだけど、そう感じる人は他には居ないのだろうか。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
なーんか知らんけどすっごいほっとする感じで最後まで楽しく見ることができました。
一体何故なのか自分でも不思議で仕方ないんだけど、やっぱり↑でも書いた通りバンクの多さなのかなぁ?
とか考えてたら…わぁい、タツノコ公式が“ムテキング”1話を配信してるじゃないか!
https://www.youtube.com/watch?v=Pv4tw1qI87M
OPだけでも見て欲しい、結構「ああー」って言う部分あるんじゃないかな。
更にできれば17:15辺りからの井上和彦カラオケパート見て頂ければ…本音は全部見て欲しいけど、何故自分はさらざんまいでほっとするのか、その理由が垣間見れるようなそうでないような?
この頃の時代の空気を感じるのかなー??
なんか言葉じゃ説明し辛い、誰か訳してくれ…。

あと最後久慈が頭丸めてお勤めしたのはスゲーほっとした。
やっぱこうだよねー。
最近「ソイツがやらかしたこと」の大きさに対してなあなあで済ませた作品があってのう。
ちゃんとそういうことにケジメ付けたからこそ、ツナガルに繋がったのも納得できるワケで。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17

63.7 15 シュールでファンタジーなアニメランキング15位
gdgd妖精s (ぐだぐだフェアリーズ)(TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (300)
1130人が棚に入れました
ピクピク・シルシル・コロコロの3人は「妖精の森」に住む小さな妖精さん。森には3人の木のおうち、魔力の弱い妖精たちでも自由に魔法を使える「メンタルとタイムのルーム」、他の世界を覗き見できる「アフレ湖」など、不思議な世界がいっぱい! 今日も3人でgdgdな毎日が始まる!!

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

恐ろしく低予算で作られた声優トーク番組型ポリゴンアニメ。

記載されているレビューに対する反論・論戦を行いたい人は、メッセージ欄やメールで送りつけるのではなく、正しいと思う主張を自らのレビューに記載する形で行ってもらいたい。したくない時、受諾しない時は以降の文章を読み進めないこと。受諾する方のみ文面を読んでもらいたい。参考になったと思うときのみ、参キューしてほしい。

人から薦められたのでお付き合いで観たつもりが……面白すぎて一気観してしまった作品。
三人の二頭身ポリゴン妖精たちピクピク、シルシル、コロコロの三匹が、ただひたすらにトークしていく作品なのだが……

本当の意味でぐだぐたな会話をぶっとおしで敢行していく。
話に脈絡があるのかないのかよくわからない。

各話のテーマに沿ってトークを行うお茶会
魔力が増幅される空間で遊ぶ「メンタルとタイムのルーム」
湖面に映し出される異世界の一場面を見ながら適当にセリフを当てる「アフレ湖」
による三部構成となっている。しかしまあ、声優さんが役になりきっていない辺りが逆に面白い。声を当てるとき、適当に別キャラ声でしゃべるので、誰だお前状態になる。
毎回話の途中で妄想気味になるが、変にリアルな3Dポリゴンの映像で異様にシュールな展開に……
あちこちで、アニメネタのパロディが見受けられ、わかる人にはつい笑いが込み上げてくることだろう。

そして、なぜか三匹は七頭身になり影だけでダンスするエンディング。
歌の歌詞もまるっきり本編とは関係ない作り。
最後の次回予告は何からネタをパクッてきているのかと思える話ばかり。一文字として本編につながるような説明はないっ!
これを視聴して、オーベルシュタイン並の冷静さで、つまらん、といった人、あまりにもシュールだ。

追記
レビューに記載された言論を規制したい人は、個人の意見を以てするのではなく、あにこれの法的論拠に基づいて規約に記載する必要がある。
運営諸氏に連絡し、説得し、規制を規約に付け加えてもらうこと。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 27

atsushi さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

今期のダークホース

15分アニメで、プレステ2くらいの時代の3Dポリゴンで構成された映像。

3人の妖精がグダグダと日常トークをするパロが面白いショートストーリー系。
2分に1回くらいアイキャッチが入るので話にオチがついていい。
最後の方はアドリブのようなコーナーもあって、いかにも声優の素が出ている。
作品のクオリティ的にはラジオのコーナーくらいでも良さそうだが、ヒマがあったら見るべし。

たまごまごさんの作者へのインタビュー記事が詳しい。
http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20111214/E1323781518626.html

先に声を録ってから作るアニメというのも新しいが、この予算でコレなら大ヒットだと思う。

原作が無いので、2期というか、ネタが持つ限りはまだまだ見たい。


最終回が色んな意味で感動した。
主にスタッフロールとか(笑)
ネットで話題になった部分を作中に反映させたりとか、色々と試みが新しい。

今年見たアニメで、放映中に2回観直したのはコレだけだ。

たぶん、開始前には張ってもなかった伏線を最終回で全力で回収する辺りが、制作にスピード感があってスゴイと思った。
結果的には、どうしてこうなった!?というレベルだが、計算し尽くされたプロットと違って、これはこれで面白かった。

グダグダを言い訳にしつつ勢いだけで終わったけど、2期は期待されるので大変だと思う。

よくよくクレジットを観直したら、企画・映像監督・キャラクターデザインの菅原そうたって人は、ネットミラクルショッピングの人だと思っていたら、B-DASHっていうバンドのG/voの弟で、それのPVやらジャケットで目にしたCGキャラクターを作ってた人で、もう10年以上こういう分野をやってた人だった。
バンドは嫌いだけど映像的には奇抜だなぁと思ってたら、才能ある人は形は違っても出てくるものだな、と思った。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

気軽な短編アニメの最高傑作になる予定です(^ー^* )♪

■「gdgd妖精s」ってどんなこんなアニメです(*゚▽゚)ノ
妖精の森に住む仲良し3人組「ピクピク」「シルシル」「コロコロ」の日常を描いた1話15分の短編アニメーションなのです♪
シナリオ構成は以下の3部構成でなりたってます!
①「お茶会」・・・ぐだぐだなトークが展開されるコーナー
②「メンタルとタイムのルーム」・・・魔法力がアップする空間でとんでもない遊びが展開されるコーナー
③「アフレ湖」・・・湖に映し出される映像にキャラがアフレコをかましていく妄想コーナー
 
それと見逃せないのが、次回予告なんだけど・・・予告になってない無自重パロディー予告は必見ですよw
 
 
■とっても個性的なメインキャラのご紹介です(^ー^* )フフ♪
ピクピク(声:三森すずこ)◇代表作◇ミルキィホームズ(シャーロック・シェリンフォード)
 おっとり天然で他の二人に振り回されてるけど、たまに鋭い突っ込みも炸裂させますよ♪
 
シルシル(声:水原薫)◇代表作◇喰霊-零-(諫山黄泉)
 アグレッシブで元気な女の子。男の子みたいな「~じゃね!」「~くね!」って口調になる事も♪
 
コロコロ(声:明坂聡美)◇代表作◇みつどもえ(丸井ふたば)
 一見大人しいけど・・・ぶっ飛んだ思考を持つ妄想家で毒舌家♪
 明坂さんの声色を変化させる所がこのキャラをより魅力的にしてますよ!
 
 
■「gdgd妖精s」に出逢った日の日記φ(・ω・ )
このアニメはまったくのノーマーク作品でしたw
あにこれのお友達のレビューから知った作品なんですけど・・・めちゃくちゃ面白いですw
 
第一印象はラジオ番組を聴いているような感覚でした!
メインキャラの妖精さん達が三者三様の個性的キャラなのに加えて、どーでもいいようなバカバカしい内容を奇想天外な発想と妄想で展開していく「ぐだぐだ感」がシュールでたまらなく面白いのです!
それに加えて、3DCGで作られたキャラの動きが一昔前のカクカクポリゴンなので、それがまた「ぐだぐだ感」を増幅させている感じですね♪
 
あまり縛りを感じさせない作りは、「らきすた」を彷彿させるような印象を受けたりもしますね♪
キッチリ決まっているのは構成だけで、それ以外は「それアドリブでしょw」って思うところもあったりと自由な感覚で物語が進んでいく印象をうけますよ!
面白ければなんでもOKって感じなので、Σ\( ̄ー ̄;)ナンデヤネンって突っ込みどころが満載って感じですね♪
 
まだ視聴していない人は下記ホームページのURLより無料動画配信もしてるので是非この面白さを体験していただきたいです♪
http://gdgdfairy.com/part/part_story.html
 
 
評価は全話視聴後に採点させて頂きます♪
 
2011.11.03・第一の手記

投稿 : 2024/11/16
♥ : 28

66.8 16 シュールでファンタジーなアニメランキング16位
セントールの悩み(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (247)
967人が棚に入れました
【姫】こと君原姫乃は、【人馬(ケンタウロス)】の形態をした女子高生。この世界の人類は、現実とは別の進化をたどっており、【翼人】【竜人】【長耳人】【角人】【牧神人】【人魚】【人馬】といった形態に分かれています。そんな様々な形態をしたクラスメイトの少女たちと、楽しい高校生活を送っていく人外娘たちの日常コミックが原作。

声優・キャラクター
桑原由気、深川芹亜、白石晴香、鎌倉有那、綾瀬有、桐生朱音、宮島えみ、黒木ほの香、大泊貴揮、本橋大輔、矢野智也

takigawa さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

もやもやが残って気持ち悪い 何が言いたいの?

マンガ原作未読

日常回については それなりに 問題なく楽しめた

非日常回についてはどこかの焼き直し感がどうしてもぬぐえない

ただし
この設定(人種関連)、本当に必要なのかね?という疑問が
特に日常回(物語上は一応必要なつくりになっているけど)

非日常回は見かけ上PC、なのに日常回には反PCな臭いが漂っていて、とてももやもやする
(原作者は反PCではなく、PCの不自由さや重苦しさを表現したいのかも知れないが、登場人物の言動からは反PCの印象が強い。これが自分の誤解釈の可能性はあるけど、日常回において、そもそもこの設定必要?という疑問がぬぐえない)

総論として気持ち悪い

料理で例えると、いろんな味覚(甘さ、しょっぱさ、酸っぱさ、苦さ、辛さなど)を盛り込もうとして、結局、ぼやけた、気持ち悪い味になってる感じ

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

割と深くて割と楽しめた

【あらすじ】
文明を持つ生物の外見がより多様化した世界を描く。

【成分表】
笑い★★☆☆☆ ゆる★★☆☆☆
恋愛★☆☆☆☆ 感動★★☆☆☆
頭脳★★☆☆☆ 深い★★☆☆☆

【ジャンル】
獣人、ケモ耳、尻尾、羽、角、ヘビ、ケンタウロス的な

【こういう人におすすめ】
いろいろな要素のオムニバス的作品なので誰におススメするかと言われるとムズイ。少なくともケンタウロス的な女の子が生理的に無理なら無理っぽい。萌えとか恋愛とか設定とか小難しい話とかが混じっているが、それらの要素を単体で好きな人にはおすすめできない。それらが混じったものを受け取ったときに、セルフで噛み砕いて楽しめる人向け。

【あにこれ評価(おおよそ)】
58.4点。注目度も評価も低い。

【個人的評価】
「コメディ少なめな日常系」の皮をかぶっているが、割と深くて割と楽しめた。タイプでいうと「それでも町は廻っている」とか「世紀末オカルト学園」みたいな器用貧乏タイプ。

【他なんか書きたかったこと】
{netabare}
 原作未読。
 昨年の作品を観てるんですがデミちゃんとかボールルームとかを断念してたので、これが久々の完走作品。

 「セントール」ってなんか西洋の人馬の魔獣?と思ったらまんま「Centaurus = ケンタウロス」の読み方をネイティブっぽく変えただけっぽい。「s」って消えるんだ。まあ「g」も時々消えるしそんなもんか。英語とか苦手だからまあいいや鵜呑みで。


・浅いとこについて
{netabare}  「人馬の外見無理」って人が多かったらしく、思ったより評価が低かったです。私は大丈夫だったけどなあ。むしろ結構「生物として美しい」感じが。中世の芸術家だったらこの子の裸婦画を描きたいんじゃないかなあ。
 ま、私が実際考えてたのは「横隔膜はどのラインだろう」とかですが。心肺機能も消化器系もめちゃ強そうですよね。燃費は悪そう。

 ツッコみどころは、まあ6本足のうち2本が角になるのは無理やり過ぎだろってとことか。羽はまあアリですが、生存競争だとケンタウロス型かカイリキー型が強そう。あと天使のわっかは「ハリガネ」で浮いてるのかと思いきや「ハリガネのような強靭な髪の毛」で浮いてるらしい。進化の過程で変な遺伝子残ったな(笑)
 と、人魚。足の付け根割れてる(笑)むれて痒くなるぞーあれ。あと上着ない設定はどっから思いついた。あんな画面チカチカする設定やめちまえ(笑)

 あとセントールの服。腰回りの伸縮性がハンパない驚きの新素材でした。Gパンみたいに腰回りはチャックとボタンがいいんじゃないかなあ。それか着ぐるみみたいに背中にジッパーつけると楽そう。トイレとか。 {/netabare}


・深いとこについて
{netabare}  南極人らへんから原作者の変なスイッチ入ったのか割と深い話が混ざるようになりました。この「割と」ってのが大事で、別にそこまで深いわけではないです(笑)
 原作者がその場で思いついたちょっとした「思想」を、他に発表の場がないから、「セントール」という作品に無理やり混ぜ込んで世の中に発信してみましたが何か、みたいなことです多分。

「画家の苦悩」とか「霊媒師は実はこんなこと思ってるんだぜ」とか「不思議な存在ってイイよね」とか「幽霊は自分の記憶にある姿じゃないと~、逆に記憶にないってことは……!」とか「"全体としての個"っていう生命体どうよ?」とか「ここらで"争いの醜さ"ぶっこみます!」とか。脈絡もなにもあったもんじゃないです。

 ただその一つ一つは面白い発想だと思うので、その1つの発想をさらに深めていった結果1つの作品が生まれるような芸術活動をしていただけると……。まあ今は「セントール」という、"見てもらえる作品"にすがるしかないんですよね多分。最近なんでも引き伸ばし引き伸ばし、続編続編ですから。漫画もラノベも売れなくなるまで引き延ばして、売れなくなったら終わるもんだから、どの作品も終わるときには人気ない。名作が生まれるわけもない。

 しかし、「これは取り上げたい」と思うセリフが出てきました。
 それがこれ↓

「しかし、忘れないでほしい。我らは、彼ら哺乳類人とは平和裏に共存していかなくてはならない。そうしなければ滅ぼされるのは我々の方なのだから。そして、我らの神は、我々や彼らと同じく実在する存在であり、ゆえに我々の願いではなく、神自身のために振る舞うのだということを」

 この後半部分。
 一瞬何言ってんのかわからなくて聞きなおしました。

 要するに「俺らに恵みをくれるってことは、神さまはなんか企んでるぜ。気をつけろ」ってことですね。「考えてみりゃ、そりゃそうだ」って感じですけど宗教家には盲点の発想な気がします。
 「神を信じて祈りなさい。そうすれば救われる」「まじか。でもそれ後で高額請求くるやつだよね」みたいな発想ですよ(笑)

 まあこのセリフもその後の伏線になるわけでもなく「良い発想だね」で終わっちゃうんですが。

 このセリフが引っかかったんで最後まで見れました。
 ま、たぶん神様は南極人で漫画ではこの後なんか起きるんでしょう。
{/netabare}
  {/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

雑草という名前の草はない

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
亜人娘達による日常系アニメ。基本は日常系だけど、どこかにうっすら怖さというか、深みみたいなのは漂っていて、近い系統だと「けものフレンズ」みたいな感じなのかな? とかも思ったり(けもフレほどの深みはないけど)。

設定だけなら、「モンスター娘のいる日常」や「亜人ちゃんは語りたい」に近いけど、似て非なるアニメです。

亜人萌え出来る方、ちょっと色々考えたい方には、オススメです♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ちょっと、ひねくれたレビューになりますm(._.)m

「亜人ちゃんは語りたい」「モンスター娘のいる日常」と、本作との明確な違いは、亜人が少数派ではないということだ。というか、進化の過程で?全人類が亜人化した世界を舞台にしている。

つまり、「普通じゃない」ことが「普通」の世界。それはとても理想的で、皆が「普通じゃない」から差別なんてない世界のはずだ(極端な話、現在の地球上に60億種類以上の種族や民族がいれば、誰が多数派とか、誰が変とかにはならないはずだ)。

が、そんなことにはならない。彼女らを「普通じゃない」と思うのは、我々視聴者(人間)から見た場合で、このセカイの住人も自分達なりの「普通」を作り出し、「普通じゃない」人達を差別をする。南極人を「ヘビ」と言ったり、人魚族に対する妬みであったり。形態差別罪があるというのは、法律で罰さないと差別が起きるからだろうし。

それはまるで、(仮にいるとしたら)宇宙人から見た我々地球人のよう。宇宙人から見れば、多分地球人なんてみんな同じような外見をしているのに、肌の色や生まれた場所、身分なんかで差別する。同じ国で生まれて同じような境遇であろうと、ちょっとした外見の違いや性格の違いで、いじめや差別をする。第9話(戦時下の収容所の話)では、それがはっきりとした描写、言葉で描かれた。

皆が違う姿であっても差別は生まれ、皆が同じ姿であっても差別は生まれる、そんな「詰んだ世界」。

それが、この「世界」。そして多分、私達が暮らす「世界」の負の面を強調した姿。

でも、そんななか、姫、希、羌子、スーの四人は、互いを対等ととらえ、歩み寄ろうとする。ジャン・ルソー氏や、彼を対等と捉える会長など、救いはある。

結局、「総体としては悪」だが、「個としての善はあり得る」と、そんな皮肉な現実を突きつけてくるようなアニメだったのかな。

レビュータイトルだが、これは昭和天皇の言葉。第11話で、姫が「どんな小さな花にも名前がある」と言っていたのを聞いて思い出した。人は勝手に自分の物差しで、「雑草」とか「花」とか、なんでもひとまとめにしてしまう。例えば「チューリップ」といったって、ひとつひとつの花はそれぞれ微妙に色や形、成長速度も違う。「翼人」「人馬」「南極人」などとひとくきりにしているが、同じ人馬でも、姫と綾香は全く違う人格だし、「南極人」の中ではスーは異質なのだろう。

簡単に言えば、「個性の尊重」。それが本作で伝えたい一番のことだろう。

勿論、これらが考えすぎで、普通に「亜人娘達に萌え~」、「日常に癒される~」で良いと思うのだが、私は基本的に、容姿があまりに人からずれると萌えにくくなる(例外は「亜人ちゃん」の「マチ」♪)ので、どうにも他の部分に目がいった感じかな(下半身馬の水着姿に萌えられる境地にはまだ至っていないもようw)。

日常系として観た時、キャラ的には、委員長のお母さん感は良かった。三つ子との絡みは最高! ただ、なぜ途中で、世の中のお父さんと現代美術を殺しにきたのかは謎(笑) あとは、ボーイッシュな「希」が良かった。90年代は主流だったボーイッシュなキャラ、最近はめっきり減ったように思うし(ボクっ娘とは違う)。もう一人の友達の、糸目の「羌子」も理路整然とした普通さが良かった。まあ、やや百合だったが、姫を含めた3人の関係性は良かったと思う。

ライトな感想としては、印象に残ったエピソードとして、3話の希に萌えw 6話で委員長が正論を用いて世の中のお父さんを殺しにいったことw 9話の深い話。10話でなぜか現代芸術にケンカを売りに行った謎w 11話は神回、三つ子の性格に深いメッセージ性、オチもビシッと決まっていて、ここだけは☆5!

ちょっと疑問だったのだが、「(人間にも)セントールにも共通する悩み」を描きたかったのか、「(人間にはなくて)セントールならでは悩み」を描きたかったのかが微妙で分かりにくかったなと。

多分、テーマ面は前者で、エンタメ面は後者で描きたかったのだろう。2期あったら観るかな。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
百合がメインなの?

2話目
人魚族はレア、ということなんですね。

3話目
ユリユリしてますな~。急にバカみたいな展開に。希の下着姿はあざといですな~。嫌いじゃないw

4話目
どエロですなw 鏡を使え、鏡を。

5話目
話が展開しそうだね。南極人に対する潜在的な差別。

6話目
四者四様の家族の在り方。なんだ? 委員長の正論は、世の中のがんばるお父さんの何割かを虐殺したいのか(笑)

7話目
なんか、チアフルしてたな(笑)

8話目
衝撃的に斬新な水着回w

9話目
なるほど、哺乳類人は自分を同等に見てくれているのに、同じ両生類人の方が自分を特別視していると。

10話目
なぜいきなり、現代美術にケンカを売った(笑)

11話目
痛いのいや~→叩いたことないでしょ!→説教もいや~ は、笑ったw「雑草と言う名の草はない」。三つ子、良い性格してる(笑) 今までで一番好きな話。「どうしていつもお説教が入るの?」(爆笑)

12話目
平和な日常回。&ちょいサービス回。なぜこれを最後にしたの? このアニメは日常系ではあるけど、もうちょいなんかの結論出して欲しかったな。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 20

69.3 17 シュールでファンタジーなアニメランキング17位
異世界美少女受肉おじさんと(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (237)
784人が棚に入れました
「行くぞ神宮寺」 「あぁ、俺たちで魔王を倒す」 「「俺たちが、互いに惚れる前に!!」」 平凡なサラリーマン生活を送っていた幼馴染の橘日向(32)と神宮寺司(32)。 二人はとある合コンの帰り道に、女神を名乗る謎の存在によって異世界に飛ばされてしまう。 そこで神宮寺が目にしたのは、金髪碧眼美少女の姿に変わり果てた親友の姿だった…!? 美少女の姿になった橘を見て、あまりの可愛さに戸惑う神宮寺。 女性の身体になったことで、神宮寺のかっこよさにグッと来てしまう橘。 しかし元は親友同士。この関係を壊さないためにも、一刻も早く魔王を打倒して元の姿に戻らなければならない。 そう、お互いがお互いを好きになる前に――。 これは、おっさんと元おっさん美少女の、絶対に惚れてはいけないラブコメディー
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

絶妙

2022/05/31 初投稿・加筆


面白かったです!


冒頭のナレーションの通りラブコメの括り,ギャグ寄りのコメディーで設定が秀逸です。

同性の幼なじみで親友同士が異世界に転生
片方の神宮寺はそのまま万能イケメン(関係ないけど,昔やったゲームの名探偵にイメージが被るw),もう一方の橘は女性に変化,しかも有り得ない美人でロリ,魅了スキル的な物も有しているw

お互い油断していると,相手に惹かれてしまう(特に神宮寺のほうがその傾向が強い)。「かぐや様」の告白したら負け的な内容と近いテースト!
でも,元の関係や相手への同性としてのこれまでの感覚があるので,それは受け入れられないw
この絶妙な設定から展開されるコメディーがなんとも言えず面白かったです。
さりげなく「性別は体に宿るのか?心に宿るのか?」的な,なんとなく深そうな名言ぽいセリフまで挟み込んで来たりしますw

絵的には,ちゃんと橘はカワイく描かれています(ギザ歯w),それでいて全体的に絶妙に安っぽい感じの作画で内容とのバランスが絶妙でした。特に,ビーム熊やイカのデザインがかなりいい感じに安っぽいです。EDではワヌを加えた3匹がノリノリで踊っています。

個人的には過去の二人の関係を掘り下げすぎて,そこはちょっとくどく感じました。
あとは,終盤の{netabare}橘が神宮寺の元を離れるエピソードは,なんか違う感じがしました。まあ,メカビーム熊が出てきていい味を出したので帳消しにしたいと思いますw{/netabare}

加筆部分
そういえば,聞き間違いから盛大な誤解をしていました。
1話冒頭の神宮寺のセリフ「姿にだまされてはイカン,中身は『荒沢』のオッサンだ!」と聞こえました。
荒沢のオッサンw
語感から40~50代のゴツゴツでしわが寄って,やや頭髪が薄くなったそんな中身を連想しましたw「あしたのジョー」のトレーナー的なイメージです。そんな感じで見ていたら,なんか違ってた…
「荒沢」ではなく「アラサー」でしたf(^^;

そもそも32才ってオッサンか?
まあ今だと18才で成人で,プラス14才だからおっさんかなぁ~?
日本人の平均年齢って47.4才だとか(2021年)平均より15才も下だけど
それだけ,日本の少子高齢化が深刻なわけか^^;

投稿 : 2024/11/16
♥ : 20

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

おっさんず魅了

原作未読 全12話

異世界転移もの。転移したのは幼なじみの2人の会社員、しかも1人は召喚した女神に女の子にさせられ魔王を倒すための旅をするお話です。

内容はギャグ寄り、女の子にさせられた主人公の一人はモテモテで出てくる男性がすぐに魅了されてしまいます。

もう一人の主人公は何でもできる完璧なイケメン、でも女の子にさせられたもう一人の主人公に魅了されてしまうのを必死に抑えているところが面白かったですね。

終盤は、色々なことに巻き込まれて2人の本音がぶつかり合います。

終始、楽しい作品でした。まだまだ旅は続きそうですね。

OPは福山芳樹さん、EDはLuce Twinkle Wink☆さんが歌っています。

最後に、異世界もので男性が女性になるのは流行っているのでしょうか〜

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17

mimories さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ただただ観たことを後悔

 
原作未読。

(全話視聴後)

個人的には相当低く評価せざるを得ない。
まあ笑えないコメディなんて枚挙に……では済まず、つまらなすぎて気分が悪くなり「なぜ最後まで観てしまったのか?」と心底後悔した。ほとんど苦行。

作画はパッとしないしイミフなデフォルメ多用は萎える。
同クールにジジイキャラが少女キャラになる作品があったけど、近頃そういう設定はウケがいいのだろうか? 正直気持ち悪い。

__________

(5話視聴後)

出オチ感。初回はボチボチのコメディ作品かと思ったが、その後ずっと同じネタを見せられてる感じで眠気を催す。というか寝た。

絶世の美少女に転生したらしいが、脚本ではそれが伝わってこないし、作画にも全く説得力がないのは残念。そのへん視聴側に印象づけできてないのも面白味が削がれた一因では?

今後「32歳男が美少女転生」って設定が想像以上に効いてくるエピソードでもない限り、これは凡作の域は出ないと思う。

とりあえずは継続。評価はあらためて。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

62.1 18 シュールでファンタジーなアニメランキング18位
ナカノヒトゲノム【実況中】(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★☆☆ 3.0 (170)
626人が棚に入れました
『ナカノヒトゲノム』。ゲーム実況者たちの間で話題の、謎のフリーゲーム。通称、失踪ゲーム。クリア直前で姿を消すプレイヤーが後を絶たないという。行方不明となったゲーム実況者たちは、外界とは隔離されたとある島に集められていた。そこで彼らに課されたのは、リアルでクリアしなければならない数々のゲームにおいて、再生数一億を達成すること。8人のカリスマ実況者たちによる、帰還を賭けたリアルゲーム『ナカノヒトゲノム』の実況が始まる――

声優・キャラクター
山下大輝、鬼頭明里、佐藤拓也、畠中祐、内山昂輝、石見舞菜香、寺島拓篤、名塚佳織、津田健次郎
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

超高校級の実況者の集い

1話感想{netabare}
前情報一切ナシで見たらダンガンロンパの新シリーズかと思ったら全然違っててビックリ。
更に1話見続けてると、メカクシなんとかを思い出した。
あれかな、オサレ感がそう思わせた?
そこから更に殺戮の天ナントカになって…これあれか、そういう系のパロディって感じ?
ツダケンのアルパカもそのうち「ワカリマス」って言いそうで言いそうで…ってか一思いに言ってくれ!!そっちのがモヤモヤ晴れる。
しかも挿入歌とEDが個人的にはどうにもメルヘンメドヘンのイメージが強くても~参った参った。
ナイツマの歌も歌ってるじゃん、とイメージを書き換えようと思ってもレイズナーしか出てこなかった…けなげな!

と、なにかもう既視感の凄い印象だけど、最後主人公が「基本的にハラが立たない」と言ってたのでそれが注目ポイントかな?
つまりは物語の後半でガチ怒りするってことだよね?チェーホフの銃的に。
何が理由で怒ることになるんかのう…友情育んでそれが無残に殺される?
全く共感出来ない部分で怒り出したりして…もしくは本当に最後まで怒らない、これやったら逆にスゲーや。
ってことで顛末の確認のためにも見続けると思います。
途中挫けることが無けりゃいいけど…。{/netabare}

2話感想{netabare}

なにがしたいんだ?
アルパカから課せられるお題に対し「これをどうやったら再生数稼げるか」と知恵を巡らす話…じゃないんだ。
ただミッションクリアしてくだけ?
それにしたってアフロパンダが生まれたのは「対応が不真面目」だから起こったことだよね?
本気でミッションクリア目指してたらあんなパンダ生まれないよね?
ね?
ボイコットしたいのかしたくないのか分からん、そこから分からん。
キャラは深い考えがあって意図的にアフロパンダを誕生させたの?
ま、まぁそこら辺今後突っ込んでくのかも…早い段階でどうしたいのかを明確にしてくれないと着いてくのキツいなぁ。
ってかあの世界のモブとプレーヤーの違いも分からん、これは何か仕掛けがあるんかな?
ってかエンディングが思い切りデュラララなんだけど…。{/netabare}

3話感想{netabare}
ああ、これ由緒正しき本来の意味での「やおい」作品なのね。
ファンロード系って言った方が通じる?LPやHLに流れた自分もあんま詳しくないけどさ。
我ながら察しが悪くて泣ける…だってダンロンみたいなの連想しちゃうじゃーん?と言い訳。
まだこういうの残ってるんだねぇ、ってか商業マンガがweb掲載が主になって地方コミケのノリが進出して来たって感じ?
「チタンがあれば何でも出来る」で力押しした高河ゆんの“悪魔のリドル”をもっと酷くした感じだと思えば飲み込みやすいかも?

フツーに考えたらアカツキがいつ入れ替わったのか「タネ明かし」が必要だとアニメスタッフも気付いてると思うんだけど、多分原作の流れをそのまま再現したんだと思う。
作劇上のお約束(セオリーって言った方が良い?)に対し「意図的に外した」と「無知で知らない」の間をフラフラしてる感じ。{/netabare}

4話感想{netabare}
「人の気配が無い」と言っておいて人居るじゃーん!ってのは野暮?祭りに居た客はNPC?
前も書いたけど人間とNPCの違いが分からん、ってかNPCとっ捕まえて尋問することはできないの?
ゲームの世界に入りNPCはNPCだと明確に表現している“二回攻撃母”が同期に放送してるせいか余計に気になってしまう。
そして合間合間に入るギャグが致命的につまらない。
これアレだ、女性作家にありがちの…“魔法使いの嫁”の突如SDになる場面、あれをSDにしないまま突如挿し込んでくる感じ。
そんなところまでやおい風味を再現しなくて良いのに…と思わなくもないが、そうじゃないと間が持たなかったのかな?
次回に引っ張るほどの内容でもないよね、無理やり時間稼ぎしてるようにしか感じなかった。{/netabare}

5話感想{netabare}
ん?
NPCが自我をもってアルパカに反抗する展開…ではないのか。
便宜上NPCと言ってるだけでゲーム世界かどうか知らないし、異世界でそこの住人に蜂起を促す…にはならんのか。
主人公はアルパカじゃなくてNPCに対して勧誘すれば良いのに。
コックリサン相手の時は友人ぶってたクセにこっちでは所詮他人扱い?{/netabare}

6話感想{netabare}
ああ、これは…。
女子で取り囲んで…女子でなくても宗教勧誘とかで複数人で取り囲んでの「ホラ言いなさいよ言いなさいよ」とせっつくアレ。
本心かどうかは関係なく質問者の望んだ回答を言わない限り開放されないアレ。
自白強要でいいのかな?それを思い浮かべてう~ん。
結局コレ「脅迫によって作者のお気に召す回答を強要された」にしか見えない。
なんせ答えが正解かどうか判定する確証が無いんだもの、あの世界では人の深層心理を見抜くテクノロジーでもあるんかいなと。
アンヤも「オレが答えたとして、それを本当か嘘かどうやって見抜くんだ」「結局お前の望む答えを嘘でもいいから言わなきゃダメってことか」くらい即座に言い当てないで人気実況者…だと?
かなり頭の切れる奴でないと「人気」実況者にはなれないと思うんだけど…お安いなぁ。
というか、あんな状態(当人の顔を模したスライムを前に)では本心言いません、自分が特別なのかどうかは不明だけど男だったら言わんって、愛の告白じゃないんだから。
おねだりされてるみたいで気持ち悪いってのが先に来るよ。
少年誌っぽいノリになるけどせめて「本心言わないとアカツキに害が及ぶ(=友人を守る)」って形がギリで、自分の身が危ないのでイヤイヤ言わされた言葉にどれだけの重さがあるのか。
ここら辺ほんっと腐女子脳だなーと感じる。
まぁアカツキを褒めるように誘導して「それがあなたの本心です」と洗脳を仕掛けてる展開なら「おおやるねぇ」となるけど、どどどどうなんかなー?
実際「アカツキって本当にそんなに良い奴か?(いつか裏切るよ)」を匂わせてるような気がしないでもない、気のせいかも知れない。{/netabare}

7話感想{netabare}
えーっと、次回タネ明かしするんだよね?
実はアルパカの出来レースでアカツキはそれに気付き始めてる、とかそんなの。
「運ゲー」って言葉も作術的意図があって強調してたんじゃないかな。
これでタネ明かししないでスルーだったらちょっとスゲー。

もし出来レースだった場合、アルパカの目的は部屋入れ替えをさせてユズの極秘文書?の存在を匂わすって感じか?
元々殺す気が無いことは鬼との一件で明かされてるし。
ただなぁ、そのためにしてはゲームのルールがおざなりというか…。{/netabare}

9話までの感想{netabare}
『実況者はアルパカで、自分の作ったゲームを参加者にプレイさせてそれをアルパカが実況してる体・他人のプレイ動画を実況する体、参加者そのものの実況は期待してない。
そしてアルパカ自身は参加者をハナから殺そうとは思ってない。』
なーんてことかなー、と思ったり。
地下への脱走も知ってて気付かぬフリとか。
原作未読ですけどね、まだ続いてるんだっけ?
アニメがオリジナル展開でオチを付けるか不明だけど、もし付けるのならこんな感じかなぁ、と。
アルパカはそれこそ1話のコックリさんと同じマインド「トモダチホシイ」でじゃれついてるだけとかね。{/netabare}

11話までの感想{netabare}
最終回終わったら総評として書くと思うので細かいところは割愛。
とりあえず「キャラの幼児化」はやおいのお約束、進撃の幼稚園。
「うわぁこのノリ知ってる」って自分に対して「うわぁ」。{/netabare}

最終回までの感想・総評(↑と重複した部分もあるのでこれだけ見れば良いかも){netabare}
良くも悪くも本来の意味通りの『やおい』、ただそれを商業に出したりオリジナルと言い張るのは…スゴイ(※1)。
天地無用に対するプリティサミーや、とらハに対するリリカルなのはの様に、スピンオフはスピンオフとして話が独立してて大元を知らなくても理解できるような作り「ではなく」、あくまで質の低いパロディ。
但しパロでありながら元ネタは存在してない、あくまであるかのような振る舞い。
“イデオン”や“ダイターン3”の本編が存在してない状態で“アジバ3”をやってるような感じ。
“ダグラム”の本編が存在してない状態で“チョロQダグラム”をやってるような感じ。
“ストライクウィッチーズ”の本編が存在してない状態で“501部隊発進します”をやってるような感じ。
(どれか通じるだろう)
作者(※2)の頭の中には元ネタみたいなモノが漠然とあって、それのキャラクターが好きで好きで好きで好きで動かせればそれで満足、ストーリーなんて知ったことか、そういう作り。
あの島が何なのか、アルパカは何者なのか、なぜ実況者を誘拐したのか、ゲームのクリア報酬がなんで遺伝子だったのか、1億再生されるとどうなるのか等々は元作品(実在しない)の方でやってるんでしょう。
11話の「キャラクターの園児化」なんてパロ作品の最たるものかと(自分は吐き気を催したw)。
中二病真っただ中の女子中高生の描いた地方コミケ作品、それが好きか嫌いかの判断はお任せします。
ただ、これをオリジナル作品だと思って見ると違和感を覚えて辛いかも。

とはいえ、これって実況者が連れ去られて~って話なので、ひょっとしたら…ホントひょっとしたら「興味も無ければやったこともないゲームの実況(解説ではない)を見させられてる気分」を再現してるのかも?
存在しない元ネタがあるかのようなノリは正しく「やったことのないゲーム」そのもの。
実況者の喋りが面白ければまだ見れるけど、ツマラン奴の実況なんて見ても苦痛でしかない。
ゲームの進行を止めてゲームと関係ない東方やボイロによる茶番も苦痛だけど、更にそこにオリキャラ()を投入させた『薄ら寒さ』を再現してるのかも知れない。

もう一つ言うと…つわはす騒動が有名なのかな?
顔出ししてない実況者をファンが想像で似顔絵描いて、それがメチャクチャ美化されてて「うわぁ」となるアレ。
あいや顔出ししてても同じか、アニメの麻原彰晃みたいなのって恒常的に行われてて。
あれの『薄ら寒さ』も再現してるのかも知れない。
アルパカの「ふぃぇぇ」って演技も、いい歳したオッサン実況者がそれやってて気持ち悪くてブラウザバックした実体験を思い起こして鳥肌が立つ。

と、ここまで書くとなんかすごい否定的に見てるみたいだけど…ちょっと違ってて、そこら辺上手く表現できない自分がもどかしい。
「見てはいけない女子中高生の中二ノートを覗き見した気分」って表現が近いかなぁ?
ドキドキするか幻滅するかの判断は…お任せします。
もしこれ見て面白いと感じた方は地方コミケお勧め、赤ブーブーの小さい所とか。


※1
そうはいっても、なろう系作品の大半が「なろう異世界ツクール」の標準搭載設定を転用してメアリースーを投入してオリジナル面するのに比べれば、転用元がツクールでないだけマシなのかも?
それこそ自分が平行世界へスライドして、元の世界では存在してない大人気作品がそこにはあって、それの二次創作作品だと思うのが寛容かと。

※2
「作者」と書いちゃったけど自分は原作未読だし、厳密には「やおいを再現したスタッフ」と言うべきか。
特に最終回を「やおい=ヤマなし・オチなし・イミなし」の鉄則に則り、オチのない無意味な締め(見て損した気分を味あわせる)で終わらせたのは一種の気概すら感じる。
アニメでは珍しい…のかな?自分そんなに見てないので判断できないけど同人では非常によくある作り。
逆に言えばプロがやるもんじゃないと思うのだけど、「ナニがウケるか分からない」ので実験的にやってみた(ハナから当てる気はない)のかなぁ?と思わなくもない。


追記
ふと思いだしてフフっと笑ってしまったことがあったので。
『戦士症候群』でググってもらうとありがたいんだけど、時代が時代ならあんなのにハマってたんじゃないかな?
作者ないしスタッフの想定してるターゲットは。
所詮当時流行った「前世モノ」のパロでしかないのに自分の前世のオリジナルストーリーを構築して、ハタからは「そんなん知るかよ」ってノリ。
頭の中にあるオリジナルストーリーの説明はおざなり・言わなくても通じるよね?って体で、読者投稿のハガキよろしくキャラの設定だけをドバーっと垂れ流し。
“ナカノヒトゲノム”はそれと同質の匂いを感じて、「今の若者はー」というより「今も昔も変わらんなw」とホっとする側面があったりなかったり。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14
ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7

心を無にしたいならオススメ

1話視聴時点
{netabare}正直デスゲーム系ってジャンルそのものが一発ネタみたいなところがあるから、フォロワー作品ってそれだけで退屈な要素になる
自分の中ではエロゲだけど「Euphoria」が原点になるのかな?という感じ
もちろんそれ以前にも似た作品はあったけど、全年齢じゃやれないレベルのエログロ展開を見せてくれたインパクトはとても大きかった
それ以外だと「出口ゼロ」も読んでいたけどこっちは途中で断念
やっぱりデスゲーム系で連載が長くなると中弛みが致命的になるな、と

で、今回のコレ
実況配信者が云々ってのはまあ時代性だし気にならない
ただ、根本的な問題として「ナカノヒト」なのにヒロインがピンク髪ってアホかと
アバターキャラって訳でもなく、現実の体のままあの世界に来たはずなのにそんな非現実的な髪色あるかよと
ヘルメットとか刀(模造と思いたいけど)はまあコスプレと思えば済むけど、さすがに髪色は…
っていうアホみたいなところの躓きが一つ

もう一つが、緊迫感のなさ
デスゲーム(死なない)とか緊迫感なさすぎて辛いんだけど…
人が死ぬから面白い、みたいな考えはないんだけど、この手の作品って「課題失敗=死、または絶望的な状況」みたいな緊迫感を切り抜けるモノだろうと
なんで初っ端から「慈愛の心でパンダと仲良し!」みたいになるんだ…
それだけならまだ「変わったプレイで攻略する」みたいな楽しみ方もあるけど、反抗的なキャラ似対する制裁が「ピーマン」はさすがに…
そしてより反抗的な場合は「一人きりで閉じこめる」……は?
孤独は人を狂わせる、それは分かる
ただ、それがシナリオ上のインパクトや緊張感に繋がるかって言うとあまりにも地味すぎるだろうと
それで諾々とゲームに参加するなんて有り得ないだろうと
案の定一つ目のゲームで参加を渋るし、いやもうそこで渋るのは理解できるけど、一話目くらいすんなり進めてくれよと
最初に見せしめを行うことで緊張感と従順な参加者を生み出すって手法は大事だったんやなって……

主人公が感情に欠落がある、みたいなのは今後なにか関わってくるかもしれないけど、そんなことよりこのユルすぎる展開は何とかならないものか…
まあギリギリ見ていられるラインにはあるから視聴は続けるけど、テンプレを外すにしてももうちょっと見れるレベルになって欲しいかな
{/netabare}

6話視聴時点
{netabare}地獄のような退屈さ
カッコつけようとして失敗したようなカットの連続と、そのせいで損なわれていくシナリオのテンポ
各話のクライマックスで流れる挿入歌は音量バランスや曲のチョイスがおかしい他、曲合わせで演出を作るので更にテンポが崩れる
作中で行われるゲームは軒並みクリア条件が曖昧で達成に向けた努力や失敗の危険を感じさせる要素がない
全員が何らかの闇を抱えている設定のようでありつつ、それが意味を持つのはゲーム途中での独断専行やプレイヤー同士での喧嘩の場面のみ
集められたのは実況者のはずなのにゲームに対する実況は一切なし、ただプレイしながら喧嘩をするだけ
クリア条件が曖昧なゲームをしながら喧嘩をするだけなのに各話ラストで何故か着々と視聴数が増えていることが示されるヌルさ

諸要素が全て邪魔にしかならないアニメ
真面目に考察しようにも思わせぶりなだけで台詞や仕草に現れる描写は極小
といって頭を空にして見るにもテンポの悪さが邪魔をする上に、進行を乱してまで挿入されるギャグが全て面白くない地獄のコンボ
生理的な不快感までは行かないからギリギリ見続けているけど、アニメに対する考察よりも
「どうすればこのアニメに正負問わず感情を抱けるか」を考える時間のほうが長いかもしれない
{/netabare}

最終話視聴
{netabare}まさか最終話が一番の虚無とは……

「ここからが本当のナカノヒトゲノム」と意味ありげな台詞から始まったのがボーナスステージ!という意味不明な展開
Aパートをひたすらリスクのないお遊びでダラダラ消費する正気と思えない内容で呆然とした
一応Bパートでピンチになったりもしたけど、それすらただゲームから退場するだけで死ぬとかそういうリスクはない

というかピンチから主人公を救う手段がハイアンドローの運ゲーってのは普通にアホじゃないかと
すげー高校生が実況で得たスキルでゲーム攻略していくんじゃないのかと
かくれんぼでもそうだったけど、最後の最後は運任せってんじゃ「すげー高校生」を使う意味ないだろうと

そもそも「主人公生還!大団円!」みたいな雰囲気を見せてるけど、あのゲームって結局ボーナスステージなわけで…
しかもコインはゲーム開始時点で全員に支給されたものだから身銭を切る訳でもない
つまりあのゲームで損失が出る事自体が異常ということになる
「パチンコ行ったら中盤大負けしたけど、その後確変入って損失補填できたよ!」みたいな話
ボーナスステージの結果がプラスマイナスゼロで変化なし!すごい!とか普通に考えて無理があるとしか思えない
というか正確にはパカからコインを貰ってプラスからスタートしたわけで、収支だけ見ればマイナスなんだけど……

最終話の一つ前のVR育成とかいう狂気の塊みたいなゲームもしんどかったけど、それに輪をかけた虚無感
白の部屋への軟禁から開放を賭けたゲームまでのあの展開を最終話にしていたほうがまだ話として通っただろうに

結局どこまで行っても中身がない、カラフルなだけの紙風船のようなアニメだった
そういう意味では徹頭徹尾虚無を貫ききったって意味でふさわしい最終話だったのかな、とも
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

うにゃ@ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

脱出が得意だったが脱出失敗

最近よく見かける中二や腐女子導入の小学校高学年当たりの年齢層をターゲットにしてると思う不思議主人公のアニメ作品。
全体的に殺天に似た雰囲気を感じる。
YouTubeのような動画の再生回数等を指標にした現代っ子アニメという感じだが、主人公たちが最終目的に向かう過程の動画の視聴回数が何が面白く再生回数が増えているのか、再生回数に反映してるのか、全く理解できない作りになっている。
そして、進行中に変なぬり絵が演出として出てくるが、なかなか下手な演出で残念に感じてしまう。

キャラクターの性格は男性はカップリングで女性は闇持ちだったりと、よくある一般的な基本と呼ばれるものに忠実な性格づけをしている。しかし、各キャラクター各々が闇を持っており、その闇(過去)が中途半端に浅くみえるトラウマで凄く残念。

兎に角、自分自身が視聴する層と世代が違うというのを感じるが、面白さを感じないのでどうしようもない。

100点中54点

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

58.4 19 シュールでファンタジーなアニメランキング19位
ソラとウミのアイダ(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★☆☆ 2.9 (164)
504人が棚に入れました
海からから魚が消えた。水産省はかねてより計画していた“宇宙イケス”を試験運用。男女雇用機会均等法の強化によって「漁師にも女性を」と声が上がる。舞台は尾道。目指すは宇宙。これは宇宙漁師を目指す6人の少女の物語。

声優・キャラクター
高橋花林、立花理香、井上ほの花、すずきももこ、米野真織、神坂みお

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

ばってん、おかしか。

アニメーション制作:トムス・エンタテインメント/だぶるいーぐる
2018年10月 - 12月に放映された全12話のTVアニメ。
広井王子が原作者であるソシャゲのメディアミックス作品。監督は、濁川敦。

【概要/あらすじ】

舞台は尾道、目指すは宇宙。「私たち宇宙漁師になります!」

世界中の海からすべての魚が突然消えた。人類は魚を食べられなくなった!
そこで、農林水産省の事業で宇宙空間に大量の巨大イケスを建設して魚を養殖。
その一方で漁業組織として広島県尾道に『尾道宇宙漁業団』を設立。
尾道からロケットを飛ばして宇宙に行き、メカを操縦してイケスに入って漁をするという。
水産業は日本の独占状態であり宇宙漁の拠点は尾道にしか存在しない。

ところが、宇宙イケスに放たれた魚たちは巨大で獰猛な生物に変異して漁は危険。
宇宙漁師は、携帯アプリを利用して八百万神社にいる守護神を呼び出して、
守護神の力で魚を倒してゲットするという。

そして、この物語は魚が消えた日から10年後。
男女雇用機会均等法の強化により女性漁師の増員がさけばれる中、
出身地が東京・広島・カルフォルニア・京都・秋田・熊本とバラバラな、
6人の志願者の少女たちが宇宙漁師候補生として選ばれた。

これは、空町 春(そらまち はる)たち、
同じ寮で暮らす尾道宇宙漁師育成センター女子部の訓練や日常。
互いに絆を深めう成長の物語なのかもしれない?

【感想】

広島市中区のアニメイトビル内にて他のアニメ作品と比較しても頭2つ優遇されているアニメがあります。
2Fに続くエスカレーター沿いの壁にタペストリー、降りたところを出迎える立て看板。
いろいろ合わせて合計10個ぐらいでしょうか?
3Fで下りエスカレーターに乗ってアニメイト店舗のある2Fに入ると、
9枚のサイン色紙、アニメの場面のパネルがたくさん、単行本にCDにと特設コーナーが待ち受けています。
そのアニメこそが、『ソラとウミのアイダ』なのです。

・“個性的”な6人のヒロインによる日常コメディ
・“聖地”尾道の協力を得ての観光PR
・方言女子で地域性をアピール
・マスコットキャラを出したりソシャゲ要素でゲームの販促
・駄菓子の低学年向けおまけシールみたいな奇っ怪な魚を狩るハンターモノ要素
・宇宙に出ることでSF好きにもアピール

サクラ大戦などのヒットメーカーである広井王子が原作者で、他作品の売れ線要素を詰め込んでみて、
ゲームやアニメで勝負!といったところですが、ゲームは振るわずアニメも1巻の円盤の初週が113枚。

広島の尾道を舞台にしてコラボしてみたものの同じく尾道の『かみちゅ!』、竹原の『たまゆら』
みたいに郷土愛やノスタルジーに訴えかけるものがなく、
よそものが尾道をアピールしてみました!みたいな場違い感。
ソシャゲを売りたい!と同列で商売で尾道が扱われてない?という疑問。

これが表現したいからメインテーマにして作品を作る!ではなくて、
映画の舞台として有名な観光名所である尾道の力を借りて、作品を売りたい!
いろんな作品のヒット要素を寄せ集めて作ってみましたみたいな安易な商売っ気が見透かされた感。
欲張りすぎた結果が、ちぐはぐな内容で残念ですね。

・世界中の海から魚がいなくなった原因が説明無し
・政府が国家予算で水質や環境を管理してるはずの宇宙イケスで怪物に変異した魚が野放し
・漁に行くたびにロケットを飛ばして大気圏を突破して巨大魚を数匹獲って帰るって、
 ロケット1基打ち上げに100億円かかるのですが、刺し身一切れで新車が買えそう
・食の安全に世界一厳しい日本なのに、化物に変異した魚を食べるって遺伝子異常の懸念でありえないですけど?
・魚と戦う手段が守護神のオカルトパワー一択で訓練してメカに乗る意味は?

スタッフすら理解してないような設定のムダや矛盾が多すぎて、
やりたいことがないのに単なる金儲けで作られただけの本当にただの寄せ集めアニメ。
蛇足なソシャゲ要素が全方位で足を引っ張ってハンターアクションにもシリアスにもSFにも青春モノにもなりきれず。

そういうマンガ的な部分が気にならなくするためにディテールや映像への拘り、シナリオの練り込みが重要ですね。

主人公の春の性格がおかしいとか博多っ子など棒読み声優が多いとかの問題を棚上げしたところで、
設定のおかしさやシナリオの問題点の多さから視聴者に訴えかけるものが無く、
萌えやイイ話を突っ込んでみたところで、作品として振るわないのも無理も無いかなといったところ。
このアニメのいいところ?キャラデザが、そこそこに可愛いぐらいしかなかった残念な作品でした。


これにて、感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 48
ネタバレ

どどる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ハルちゃんの蛙のつぶれたような声が良い

2022/06/23、たぶん3週目を終えての感想。
なにかと欠点も多いこのアニメ。
それでも何週かしてしまうのは、多くが主人公である、空町ハルちゃんの魅力に起因している。

ハルちゃん、ウザキャラなのが良い。
押しの強いウザいキャラ。
わたしは、これが大好きです。
自我の強さからドタバタ~!周りは迷惑。でも良い結果を導く。
三国志の劉備みたいな感じ。

しかもハルちゃんは押しが強いだけでなく、他人の心を察する能力があることが、6話の舞子回や8話の波野回などで、ちらほらと提示されている。
めちゃくちゃ押しまくるけど、引くべきところでは引く。
黙って損を受け入れる。
この線引きがあるために、好ましさが10倍になる。
「アサルトリリィ」の楓・J・ヌーベルや、「うちのメイドがウザすぎる」のつばめさんあたりが好きな人には、超オススメのキャラクター。

語り部である主人公が気持ち良いアニメこそが、見ていて気持ちの良いアニメ。



そしてまあ、何回見ても欠点はあるアニメ。
守護神周りはまあ良くないよね。
要らなくは無いんだけど、作品にちゃんと馴染まなかった。
当時はこのズレから見る気を失って、早々に駄作判定してしまう見切りの早い人が多かった印象がある。
まあ気持ちは分かる。
おっクソアニメか~。それなら見てやるか!
くらいのテンションの人こそが、このアニメを楽しめる層なのも間違いなさそう。

あと二番手のキャラクターである波野はベジータ型のプライドの高いツンデレとは言え、ちょっと性格がキツすぎた。
他人に当たる性格にしたのが失敗かなあ。
ストイックさの描写はしっかりしているのだが、個人的には欠点の一つだったと感じる。


リアルタイムの感想。
{netabare}
その瞬間瞬間の感想は多くてウザくなるので閉じておきます。

2話まで視聴。
{netabare}
このアニメ、1話がすっごいクソダサでござる。
思わず語尾にござるをつけるダサいオタクになりそうなほどダサいです。

そもそも、このアニメは訳の分からない世界観のソシャゲを世界観もダサい用語もそのままアニメ化した謎の意欲作であることを理解しなければなりません。
作品も、1話でそのことを全力で分からせにきます。
アプリで守護神を選ぶ。
合体技の名前が進撃スプラッシュ。
いかにもゲーム画面風の(ゲーム内再現?)顔文字を使ったカット。
明らかに正気ではありません。

2話は1話に比べると一転、正統派のような作品展開でした。
実は「守護神」「宇宙イケス」など訳の分からん要素はそのままですが、1話を通過して2話を見れば、もうそんなものは気になりません。
分からせられました。

シュールなクソアニメを地でいくのか、ここから正統派に行くのか、どちらにしても先が楽しみなクソアニメには違いありません。
良さげなクソアニメを見つけた時の喜びは、アニメで主人公が売れ残りのクソ武器とかに運命感じてそれが実は伝説の武器だったとかああいうアレがあります( o‘-‘ )o✧アレが。
{/netabare}

7話まで視聴。
{netabare}
守護神はないな…( ‘-‘ )
でも、全体としてはよーく己のやるべきことをわきまえているアニメです。
めちゃくちゃな世界観のちょっとむちゃなアニメとして、見たいものが見られています。
おもしろいです。
深海に沈んだピンチに飛ばすビーコンが「たすけて>□<」の顔文字なのは「わきまえている」以外にふさわしい表現がありません。
金髪アメリカン幼女のルビーに、鼻濁音で押しがウザいハルがお気に入り。
でも守護神はないな…( ‘-‘ )ないな…。
おもしろいです。
{/netabare}

10話まで視聴。
{netabare}
ハルの蛙のつぶれたような「う゛ぇ゛!」がかわいい…。
電車で行ってしまう仲間を追いかけるアニメは数あれど、加速の終了した電車に自転車で追いついて会話するアニメは多くないでしょう、その1つがソラとウミのアイダです。トラックには抜かれる。
ストーリーも佳境に入り、マジで面白いのでは…というお話の大切なところで水を差すような守護神も健在。
すきです。
{/netabare}


最終回を視聴。
1話、もっと言えば設定を見た時に期待をした通りの、とてもたのしいアニメでした。
かなりいいかげんなアニメです。
そのことは、1話を見ればよくわかります。神撃スプラッシュ…すごすぎる…。と言われた時にダメだと思ったら見なくてよいアニメです。
ダメだけどダメでもないなと思ったら見ればよいアニメです。

ただ1つフォローしておかなければいけないのは、このアニメは統一された指向性を持った、完成度の高いアニメだということです。
いわゆるB級ですね。

あ~~クソアニメが見たいけどおもしろいクソがいいな~~という気分の人にオススメしたい、とても良いクソアニメです。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

ソラとレミとのあいだにファッ!?

2018.11.03記


ゲーム未プレイ

広井王子とはこれまたずいぶん懐かしいお名前だなぁ、がきっかけで観てみることにしました。
なんでも、地球で魚が獲れなくなったので、宇宙に作った生簀で漁をする、その“宇宙漁師”見習いJK6人の奮闘記です。
生簀の技術は日本独自のものらしく、拠点尾道を舞台として聖地巡礼もばっちこーい!という設定。


肉好きな私ではありますが、仮に魚が食べられないってことになればきっと発狂するでしょうね。
食卓に魚のある光景は、太陽が東から昇るとか、ドレミの次はファだよね、くらい当たり前のことであり、宇宙生簀を作ってまで魚を食べたいという並々ならぬ執着心はわかる気がするのです。そんな人類の希望を背負い、使命感に燃ゆる女子達の熱き人間ドラマを期待しながらの視聴スタートです。

あ、はじめに言っときますが、作品自体はハズレだと思いますので悪しからず。

そもそもの大気圏外へと往復の燃料代など採算に見合うかという真っ当な突っ込みは、魚介・甲殻類一体あたりのばかデカさを鑑みればもしかすると・・・と温かい目で見守りながらだったのですが。。。
お察しの通り、細かいことは気にしちゃいけない系です。


実際観てみると、

{netabare}・背景が一枚絵で、尾道感は出てるものの物足りない
・第一話での宇宙漁シーン、見せ場なはずなのになんともしょぼい
・その宇宙漁で活躍する“守護神(召喚獣みたいなもの)”システムの取ってつけた感がハンパない
・JK役6人、軒並み新人さんか本職外らしく、そのうち数人が棒演技
・主役“空町春”キャラとしての魅力が皆無。やらかしても省みることはせずかつ無能。“明るく前向き”との公式キャラ評はまさに「ものは言いよう」の悪例。これ致命的かもしれない。
・準主役“村上波乃”も追い打ちをかける。話聞かず“春”を巻き込んだ挙句キレる。村上水軍の末裔という矜持が空回る狭量なキャラ設定は某衆議院議員村○誠○郎氏の近況と被るかもしれない。
・物語だけでもと思いきや、やっぱり共感しづらいキャラ達が紡ぐ物語にはノレないかな~{/netabare}

いいところがありません。
なのですが、ダメさ加減が徹底してるためネタ枠としての需要には適度に応じている、そんな作品です。
突然のナナメ上展開や目の当たりにする雑な設定、そこでこう来るか!予想外のキャラの言動に

  『 ファッ!? 』

となること請け合いです。


早めに見切りをつけてはいたものの、録り溜めた5話分を律儀に鑑賞して撤退することにします。



最後に、あまりお奨めではない本作ではありますが、今井麻美さんが海女でう・・・いや違った、缶詰工場勤務の女性役{netabare}(4話~){/netabare}で出演されてるのは有り難いかもしれません。出演作絞ってるんでしょうか、わりとレアな気がします。

それに、イマイチメイン6人衆もよくよく考えれば、共感しづらいキャラ設定にしたのは監督含めスタッフですし、“熊本”“秋田”“京都”方言使用のそこそこ難役設定もしかり、そこに果敢に挑んでる新人さん達という図式も成り立つ気もしてたりします。
「あたし!今度メインやるんだよ!」家族や友人に伝えた末でのこの作品。「大丈夫。こんなこともあるよ」と慰められ「それでも頑張る。これがあたしの仕事だから」の妄想展開のほうがよっぽど応援したくなりますが、作品まったく関係ないですね。失礼しましたm(__)m



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2019.05.30追記
《配点を修正》


終盤はそこそこ盛り上がったらしい。ゲームは配信停止。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 44

64.4 20 シュールでファンタジーなアニメランキング20位
このヒーラー、めんどくさい (TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (190)
476人が棚に入れました
世のため人のため、冒険の旅を行く戦士アルヴィン。魔獣と戦闘中、ダークエルフのヒーラー、カーラが通りかかった。だが手助けを頼むと、カーラは「人に助けを求めるのなら、ひざまずいて額と両手を大地につけるべきではないでしょうか!」とヒーラーにあるまじき発言。さらにはアルヴィンに、自分から離れると死んでしまう呪いをかけてしまう。 最弱の戦士アルヴィンと、世にもめんどくさい性格のヒーラー、カーラ。宿命の出会いがここに!

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

あの〜 引っ叩いていいですか?

原作未読 全12話

冒険者があることでパーティーを組んだヒーラーが、全然使えない上にネガティヴで口だけは達者なダークエルフとの異世界を旅をするお話です。

お話はギャグ寄りなので、魔物との壮絶なバトルシーンは皆無ですね。

最初はヒーラーであるカーラのネガティヴ思考の会話が、ちょっとイライラして受け付けませんでした。

そこまで気にせず、何となく観ていたら慣れてきましたねw

色々なモンスターや人々と出会い、そこで起こる問題を解決していくお話ですが、解決の方法が一筋縄でいきません。

全然解決しないじゃないかと思って見ていると最後は何となく解決してしまう不思議な作品でしたw

OPは大西亜玖璃さん、EDは主要メンバー3にんが歌っています。

最後に、初めてこの作品を観たときイライラしたのでタイトル通りな気分になりましたw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 16
ネタバレ

とろとろとろろ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

おそらく今期一番

2022年春アニメの覇権候補なのは初回を見ただけで確信できる。
それが分かったからもういいやと即切りしそうだったが、この先まだ何があるのか
油断ならないので、もう少し見守ってみよう。
{netabare}第1話のラストカットでヒロインが一言 「テヘペロ♡」{/netabare}
う~ん、完璧だ!

・第3話まで
このアニメを見て思ったことがある。
そう、これは大学祭のステージで繰り広げられる素人漫才のノリそのもの。
ぎこちないボケツッコミがとめどなく続き、たまーにクスッとさせられるアレ。
アマチュア臭漂うギャグの洪水に浸かりたい人には最高かも?
俺はもう既に溺れかけてるので、この辺で脱出することにしよう。
ヒロインがヒーラーなだけに今期最高の癒やし枠確定だ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

サブスク時代ならではの作品。終わってみればカーラ可愛いかったです。

 異世界モノのパロディ的な脱力系ギャグです。題名の付け方などはなろう系の異世界ものを揶揄している感じもするし、ギャグになろうのテンプレ設定をシニカルに見ているような要素を感じもします。

 ただ、それは取り方であって、異世界が面白そうだから異世界にしたのが正解なんでしょう。作者に異世界に対する反発は感じませんし、かといって積極的な愛情もあまりない気がします。単に異世界ものなら注目されるかなあ、という程度な気がします。

 なんとも言えない作品でした。全部が中途半端な感じなのに終わってみれば完走していました。そして特に不満もないし、最後は、アレ?カーラって結構可愛い?とか思っていました。なんとなくラブコメ的な感じがしなくもないし、緩く感情移入できるのが良かったのかもしれません。

 マンガ週刊誌に乗っている4コマ漫画みたいな存在なのかもしれません。積極的に待ちわびているわけじゃないけど、見つけて何気なく読むと結構面白くて、いつの間にちょっと楽しみになっている、みたいな。

 これがTV放映がメインの時代なら存在できない気がします。深夜わざわざ1時まで起きてみるようなものでもないし、録画したり、ましてやレンタルショップで借りてまで見るアニメではありません。
 サブスクで他のタイトルにならんで、今期のアニメ蘭にあるから、お、今週も一応見とくか…という気になりますけど。

 総評すると、結構キャラデザが面白いし、ギャグもまあまあ面白いし、ツボに入るときは入るしで、キャラも好きになれましたので、悪くない作品でした。アニメも結構丁寧であまり乱れも感じませんでした。
 なにを狙ったアニメ化だったのかがわからない、不思議な存在感のアニメでした。

 なお、今期のOPEDって出来がいい作品が多いですね。本作もなかなかの出来栄えだったと思います。



以下 視聴中のレビューです。


1話 あれ、コミック1話だけ読んだときは呼吸困難になるくらい笑ったのに…テンポ?演出?なんなんでしょうか?期待しすぎました?

2話 一周回ってちょっと面白くなってきた?

 週刊漫画誌で、目的のマンガじゃないけど読むものがないから何気なく眺めてみたら、プッっと笑った…みたいな感じで見ると面白いと思います。

 なんというか脱力系ギャグを狙いすぎて寒いんですけど、その狙いすぎの的が外れて、シュールな笑いになっている?苦笑いとも違いますね。

 1話に比べてギャグの質が上がったわけでないと思います。期待しない、論じない、集中しない…肩に力を入れないのが笑えるコツなんでしょう。

 幽霊のところとか面白かったです。あと最後の歌が結構笑いました。まあ、人それぞれなので期待しないで見てください。

 あと伏線なのか知りませんが、ヒロインが常に眉毛が八の字型で困った表情なのでいつか笑ってくれるのかなあという期待しています。それと頭のマークって日でヒーラーのヒっていう伏線かなあと想像しています。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

50.9 21 シュールでファンタジーなアニメランキング21位
BATON バトン(OVA)

2009年10月27日
★★★☆☆ 3.0 (13)
74人が棚に入れました
宇宙旅行が可能になり、惑星間での移民も行われるようになった未来、「惑星アベル」では人間とロボットが共存する世界であった。ある日、この星にやってきた宇宙船から降り立った乗客の一人は、実は密航者であった。その密航者は、この星の入り口である空中エアポートを強行突破、惑星への侵入を試みるが、失敗してしまう。その密航者を発見したのが、「アポロ」と、「ミカル」だった。その密航者が持っていたメモリーの中には、最新モデルに偽装した謎のOS「サイファ」が入っていた。そうとは知らず、アポロは面白半分にサイファのメモリーを手に入れる。その時、アポロに突如異変が起こる。戸惑うミカル。この時二人は、これから先、そのOSを巡って巻き起こる事件など知る由もなかった。

黒羽翼 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

自分の中でベスト3に入るアニメ

横浜港開港150周年記念「開国博Y150」で上映された作品。


最初は何がなんだかわからないで見に入って、
いきなり2話から見たわけだけど、
まさかの面白さに続けて偶然やっていた3話目を見に入り口に走った。

その後、会場の前にあったファミマでDVD買いました。


あたしは技術的なことは何もわかんないけど、
俳優さんたちが一度ちゃんと演じて、
それをアニメにしているのがおもしろいなぁと思った。


主人公はみたまんま市原隼人で、
出演者はちょー豪華俳優人。

でも、そんなことは関係なく、内容がとにかくよくて、
ここの上映とDVD販売だけではもったいないと感じた。
できれば、どんなかたちでもいいから、
もっと目立つところで流してくれればいいなと思った。


出演者たちのアドリブも笑えるし、
上戸彩のかわいさや、ケインコスギの動きのよさにも注目(笑)。
イッチーは純粋にカッコよかった!!!

EDのマッチ具合もばっちり!

BATONというタイトルも納得。

みんな開国博Y150は大失敗だったと言っていたけど、
これを上映しただけで、じゅうぶんすぎるほど大成功だと思った!

新しいアニメとして、是非、たくさんの人に見てほしいです!!!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

おふとん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

脚本岩井俊二・監督北村龍平でアニメだと?

2009年制作。全3部構成計65分ほどのSFファンタジー。
横浜港開港150周年記念「開国博+Y150」で上映してたから一応映画。
脚本が「花とアリス」「リリイ・シュシュの全て」「Love Letter」の監督・脚本を手がけた岩井俊二、
監督が「あずみ」「スカイハイ」「VERSUS」の北村龍平。
どちらも実写映画界では実績充分な監督さんなので期待して視聴。


人間とロボットが共生する未来の世界。謎のOS「サイファ」を拾ったアポロとミカルの小さな冒険物語。
全般的に説明不足なのですが、映像から読み取れる情報だけで基本的な世界観がイメージできてしまう程度の作り込みだし、ストーリーとしては単純なので置いてかれる視聴者はまずいないと思います。

本作の大きな特徴なのがロトスコープ。最近では『惡の華』の記憶が新しいかな?
実写で撮ったものをトレースしてアニメにするやつです。
主演は市原隼人、ヒロイン上戸彩、他に藤原竜也・大杉漣・内藤剛志・ケインコスギ等の豪華キャスト。
良かったのはケインのアクションと、藤原竜也が声優並みに声で感情表現できていたこと。

以下は問題点。
実写畑の本職がやってるのだから、実写撮影時の演技指導も演技そのものも悪くないはずなのに、
トレースしてアニメになると決定的に表情の変化が乏しい。無表情連発ですごく・・シュールです。
中途半端にデフォルメして書込線が少ないうえに、陰影で顔の凹凸を再現していないので、俳優さんたちの微細な表情の変化を拾えてないのが痛い。人物以外の動画部分に至ってはFLASHと見まごう紙芝居。SFというジャンル故にアニメという媒介を選択したのはわかりますが、せめてアニメ制作は実績のある会社に依頼すべきでは?ググってもhitしない制作会社「ワイルドボアメディア」ってどこ?
(私が無知なだけで、実は海外の有名な会社とかだったら御免なさい。)



テーマはSFものにありがちなアレ。無機物の集合体に過ぎないロボットにゴーストが宿る!みたいな。
でもそこから導き出される、『ただ機械的に「記録」を蓄積させるのではなく、人との繋がりを感じながら「記憶」を紡いで行く』というメッセージは秀逸。タイトルのBATONにも横浜開港150周年にも合ってる。

欲を言えばプロデュース・脚本だけでなく監督も岩井俊二にお願いしたかったですね。
監督北村龍平ということで必然的(笑)に得意分野のアクションに多くの時間が割かれていて、せっかくのメッセージも、ほろ苦い青春群像劇を得意とする岩井脚本の妙も伝わりづらい仕上がりだったかな。

要するに水と油ってぐらい方向性の違うこの二人。畑違いのアニメーションということも手伝い、
うまく混じりあえず互いの特色をスポイルしあって、無難で平凡な物語が出来上がった印象。
それ自体の珍しさで目を引くロトスコープを除けば、極々ありふれたSFファンタジーでした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 9

62.0 22 シュールでファンタジーなアニメランキング22位
ディアホライゾン(被)(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (21)
73人が棚に入れました
もはや未踏の地は存在しないとされる世界。冒険は意味を失い、ただの仕事と化してしまったこの時代に、サラリーマンのように働く冒険者の姿があった…!

声優・キャラクター
山下誠一郎、田中あいみ、山村響、芹澤優、藤原啓治、稲田徹
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

元ネタを知らんのに、観るのにはムリがあったw

[文量→一言・内容→感想系]

【総括】
ディフォルメキャラによる、ギャグ系のショートアニメ。

ギャグの種類は、パロ系、シュール系、ブラックユーモア系。

まあ、笑えたのは2、3回くらいかな? 元ネタ(原作ゲーム)を知っていれば、もっと面白かったのかも。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
一番笑ったのは、1話からずっと思ってた、「被り物、意味ないやん」ってことを、11話でセルフツッコミし、アッサリと被り物を脱いだところかな。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
被り物無い方が、作画も楽そうだし、観やすい気がするな。

2話目
2話目でメタ系の自虐系のネタか。手抜きが面白ければ良いけど、それがつまらなければ擁護できない。つまんないので、この話で、☆1下げます。

3話目
オオヨ! しか言わないキャラ、なんの漫画だったかな~。ヤンキー漫画だったような?

4話目
メッチャ切れてるし(笑) 被り物が主体なの?

5話目
新人イビりしても満たされない(笑)

6話目
福島っぽい訛りだね。

7話目
イケメン? エヴァパロだね~。

8話目
キャラ、激変w

9話目○
変態に、ドン引き(笑)

10話目
フグやんw

11話目○
核心(笑) 普通に脱いでるしw 被り物とは?

12話目
多分、意味などないのだらう。

{/netabare}

【余談~ ウマ娘と同時期視聴で思ったこと ~】
{netabare}
私は競馬(というかギャンブル)はやらないので、ウマ娘は競走馬のWikiを読みながらの視聴だったのですが、「ハルウララ」のページでこんな文章がありました。ハルウララ(弱すぎる競走馬、で社会現象を起こした馬)に騎乗した、武豊さんのエピソード。

【なお、武豊はこの日の騎乗について、オフィシャルホームページの日記において「あまりにも異常な騒がれ方で、正直なところ辟易としています」「生涯で一度も勝ったことがない馬が、GIレースを勝った馬達よりも注目を集める対象になるというのはどうにも理解し難いものがあります」と述べ、過熱するブームに対する違和感を表明した】

本作の2話(まだ1話しかやっていないのに、総集編をやって作画を使い回すという、メタネタ)や、先日のポプテを見たときに、ふと、このことが心をよぎりました。

まあ、好きな人がいれば、それで良いんですけどね。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

煮干醤油 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

全く話題にならないけど.....面白いよ、これ。

なんか、誰も見てない感じだけど、これ面白いよ。

ゲーム本体は未プレイ、なんもわからないまま見始めた当初は面白さがわからなかった。

1話冒頭の普通のアニメ部分を見て、「よくあるゲーム原作のクソアニメ」と思って止めなくてよかった。これはあくまでもフリの部分。



何で被り物してんだよ!

とか、

被り物取ったほうが強ええだろ!

って突っ込みながら見てたら、登場人物自らそんなセリフを口にする。

最終回終盤の展開とセリフ、シュールなギャグなどもとても良かったと思います。

ただ、見返すとやっぱり序盤の数話が弱く、3話で判断する人だと、リタイアしても仕方ないのかな...とは思う。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3
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