ゴミ捨て場で家族なアニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のゴミ捨て場で家族な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月19日の時点で一番のゴミ捨て場で家族なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.0 1 ゴミ捨て場で家族なアニメランキング1位
東京ゴッドファーザーズ(アニメ映画)

2003年11月8日
★★★★☆ 4.0 (667)
3459人が棚に入れました
自称・元競輪選手のギンちゃん、元ドラァグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキ、三人は新宿の公園でホームレス生活を送っていた。クリスマスの晩、ハナちゃんの提案でゴミ捨て場にクリスマス・プレゼントを探しに出かけた三人は、赤ちゃんを拾ってしまう。赤ちゃんに「清子」と名付け、自分で育てると言い張るハナちゃんを説得し、三人は清子の実の親探しに出かけるが、行く先々で騒動が巻き起こる。

声優・キャラクター
江守徹、梅垣義明、岡本綾、飯塚昭三、加藤精三、石丸博也、槐柳二、屋良有作、寺瀬今日子、大塚明夫、小山力也、こおろぎさとみ、柴田理恵、矢原加奈子、犬山イヌコ、山寺宏一

takarock さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ホームレス3人組のコメディ調冒険活劇in真冬の東京

故・今敏監督のアニメ映画で2003年の作品です。
「パプリカ」や「パーフェクトブルー」は浅はかと言い張る
ちょっと偏屈なアニメというより映画マニアの友人から勧められて視聴しましたw

「あらすじ」(知っている方は飛ばしてください)
酔っぱらいの呑んだくれおやじのギンちゃん、
元ドラァグクイーン(男性が女性の姿で行うパフォーマンスの一種)のオカマのハナちゃん、
そして家出女子高生のミユキ。
新宿でホームレス生活を送っているこの3人がクリスマス・イヴの夜に
ゴミ捨て場に捨てられていた赤ん坊を発見する。
子供を育てることが夢であったハナちゃんは赤ん坊に勝手に「清子」と命名するも、
やはり実の親を探そうとホームレス3人組が真冬の東京を奔走するという物語。

上記の通りこの作品には、格好良い主人公も可愛いヒロインもいません。
いるのは、小汚いおっさんと同じく小汚いおっさんのオカマと
お世辞にも可愛いとは言えないホームレス女子高生の3人です。
そして舞台はファンタジー世界でなく真冬の東京です。

設定からしてすさまじいです。
全然わくわくするような話じゃないって思うかもしれません。
けれども下手な冒険活劇なんかより余程冒険しちゃってますw
すげーわくわくさせられます。もう単純におもしろい。

このホームレス3人組はそれぞれ複雑な事情を抱えており、
ホロリと来る人情話もあれば、ド派手なアクションもあります。
3人のやりとりなんかにクスリと笑ってしまうこともしばしば。
これぞまさにエンターテインメントです。

3人が清子を拾ってから行く先々で様々な奇跡が起こります。
ご都合主義とも言えるかもしれませんが、
それは「これはアニメーションだよ」ということを強調するために
意図的にそうした演出にしたようです(友人談)
真偽の程は定かではないのですが、どっちでもいいでしょう。
まぁクリスマスの奇跡ってことでw

日本のアニメ映画と言えば、ジブリ作品や最近では細田守監督の作品が有名ですが、
それらの作品に決して負けてないクオリティ、そして感動がこの作品にはあります。
いや、それ以上と言っても決して過言ではないでしょう。(但し全盛期のジブリ作品を除く)
辛いことがあって悩んでいたり、落ち込んでいる人には特にお勧めです。
元気をもらえますよ。

この作品を観て僕は今敏監督が亡くなったことは日本アニメ界にとって
あまりに痛すぎる損失だったということを改めて実感しました。
紛れも無く天才、間違いなく本物。
そしてこの作品を始め今敏監督の作品は後世まで語り継がれていくでしょう。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 47
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

きよしこの夜

今敏監督作品、制作マッドハウス。

希望を1枚、カードで支払い、
海外から溜息を取り寄せた。
これはなかなかの上物である。
やがて部屋中が憂鬱で一杯になった。

感覚を麻痺させて生きよう。
出来るだけ静かに目立たぬように生きよう。

{netabare}クリスマスに赤ん坊を拾った。
赤ん坊はなぜ力一杯泣くのだろう!?{/netabare}
それはきっと生きる為の放熱だ。
今敏監督が描きたかったのは、
その放熱そのものかも知れない。
誰もが傷を抱えて生きている、
弱さを抱えて震えながらも前へ前へと。

少し換気をしよう、憂鬱で一杯だ。
ストレスを抱えたたくさんの現代人に、
素敵なクリスマスプレゼントなのだろう。

コミカルでハートフルな聖夜の奇跡、
これは雪降る夜の、奇跡の物語なのだ。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 47
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

サクッと観れてスカッと終われる、人情味溢れるストーリー。会話が小気味良い!

今敏監督作品。約90分。
同監督にしては非常に分かりやすい話です。

クリスマスの夜。
ホームレスのギン、オカマのハナ、家出娘のミユキ、社会的にはダメダメ3人組が、ゴミ捨て場で赤ちゃんを見つける。
クリスマスに拾ったことから「きよしこの夜」をもじって「キヨコ」と名付け、親の元に届けようとするのだが……。
キヨコを巡ってさまざまな騒動に巻き込まれる物語。


東京のごちゃごちゃした景色、人物の細かく丁寧なしぐさ、この辺はさすが今敏監督。
ミユキが寒くて鼻をすする動きは、とってもリアル。
人間の動きをよく観察してますね。
キャラクターの表情を見ているだけでも飽きません。

そして、なんとも人情味のあふれる話です。
ホームレスのおっちゃん、オカマ、家出娘の会話ですから、冗談のように聞こえますが、それぞれの生い立ちから出てくる、なかなか気の利いたセリフ。
酔っぱらったときの台詞回しも絶妙!

なお、キヨコの声優は、こおろぎさとみさん。
赤ちゃんの演技には定評がある方です。

また、漫才のような笑える会話劇も見所です。
お気に入りなのは、
{netabare}
ギン「クズを捨てたいんだが」
ギン「ちょっと小さいかな」

ハナ「たとえばぁ……日に焼けた肌に角刈りが似合う細身の中年男で、ちょっと困った顔しながら、足りない料金を、"ったくしょうがねぇな"なーんてまけてくれる江戸っ子みたいな男がすてきー」

ハナ「私たちはどう見えるのかしら」
ギン「ホームレスとオカマと家出娘と捨て子」
{/netabare}

テーマは「親子の絆」そして「自分の居場所」でしょうか。
{netabare}
娘に合わせる顔がないギン。
親を知らないハナ。
親を刺して逃げだしてきたミユキ。
{/netabare}
境遇は異なるものの、それぞれ親子関係に特別なしがらみを持っています。


終盤の展開は実に爽快!
キヨコを巡ったハイテンションなドタバタコメディに、アクションシーン。
そして、気持ちの良いオチ。

サクッと観れてスカッとした気分で終われる物語です。
登場人物がとっても人間くさく、このまま実写映画にしてもおかしくない感じ。
アニメ好きじゃなくても十分楽しめます。
{netabare}
冒頭の牧師の言葉
「癒しを求める人間に、心の救いをもたらすためだったのです!」

心の癒しを得るきっかけを作ってくれたのはキヨコ。
でも、本当に癒しを得たのは個々の力なんですよね。
それにしても、ハナさん男前!! ……じゃない女前!!

しかし、宝くじまで当たっちゃった!
やっぱりキヨコは、三人にとって最高のクリスマスプレゼントだったのでした!
{/netabare}

投稿 : 2024/12/14
♥ : 47

63.4 2 ゴミ捨て場で家族なアニメランキング2位
こわれかけのオルゴール(アニメ映画)

2010年9月11日
★★★★☆ 3.6 (249)
1077人が棚に入れました
俺は・・・夢を諦めていた、何もかも・・・。生きているだけの日々、だがある日から・・・。俺の中での「生きる」がどんなものなのか、あいつを見ていると、そんなものを考えてしまう。キャラクター原案は もえたん、ゆとりちゃんなどを手がけたPOP、監督は絶対可憐チルドレン、ハヤテのごとく、俺の妹がこんなに可愛いわけがないの川口敬一郎が送る、協力タッグアニメ!!2009年冬に発売された話題の同人アニメ「こわれかけのオルゴール」がついに劇場化!
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

一夏の切ない思い出・・・・・

本編 約30分

ストーリー

ペアレンツと呼ばれるアンドロイドが開発され、家電として当たり前となった時代。
ある夏のどしゃ降りの日、ケイイチロウは不法投棄されていた1体のペアレンツを拾います。(ちょびっツと同じ設定だ~)
生きる意味を失った青年と、ぽんこつアンドロイドの奇妙な同居生活。
明るく健気な「ふらわー」に少しずつ心を癒されていくケンイチロウだったが、夏も終わりに近づいてきたある日、突然ふらわーの体に異変が起きる・・・。

{netabare}
 ふらわーは、生産終了されたアンドロイドでひらがなしか読めません。記憶力も乏しく、オンチで無知です。
見た目は小学2~3年生くらいでしょうか・・・。
 ケイイチロウの為に家事手伝いを一生懸命にし、オンチ克服するため隠れて練習します。(健気で可愛いです。)


主人公のケイイチロウには、ふらわーと同じくらいの妹がいました。
大学入学後に家族を交通事故で亡くしており、現在は一人暮らし。元はバンドを組んでいたミュージシャンでしたが、家族の死をきっかけにバンド活動を辞め、引きこもりの生活をしています。

ケイイチロウにとって、ふらわーは前向きにさせる存在なのです。

最後は「え?これで終わりなの?」って言う展開です。
正直短いです。
最初から展開が分かってしまうし、短すぎるので泣けませんでした。
{/netabare}

絵は萌えがちょっとあるので、その辺好きな人ならオススメです。

なかなかレンタル屋さんには置いていない作品です。
自分の地域で12件ほど探して回りましたが、ありませんでした。
なのでBD購入しました。

本編 約30分 
番外編 約7分
コメンタリー ON/OFFあり
POPイラストギャラリー あり

ふらわー 声 - 浅野真澄

敬一郎  声 - 柿原徹也

投稿 : 2024/12/14
♥ : 46

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

短編の中にも深いメッセージが沢山込められた秀作ですよ♪

30分短編映画でこれだけの高クオリティの作品を見たことがありません♪
本作品のタイトル「こわれかけのオルゴール」の意味するところは、観終わってからちょっと考えてみてくださいね!!
 
ストーリーはと言いますと、ある日の出来事から自分の殻に閉じこもってしまっている「敬一郎」と、神社に捨ててあったペアレンツと呼ばれるアンドロイドの「ふらわー」との、ひと夏の儚くも心温まる物語なのです♪
 
誰でも、何か愛着を持っている大事なものってあると思うのですよ、決して完璧ではないけど、これじゃないとダメなんだよねっていう物がね♪
私も昔乗っていて、なかなかエンジンのかからなかった相棒のオートバイを思い出しちゃいましたw
出来損ないでも、いつも一緒で、いつも一生懸命で、たまに迷惑かけるけどほっとけなくて、愛らしい存在が!!
でね、ふらわーってそんな女の子なのですよ♪
みはじめたら、どんどん話に引き込まれて、あっという間に終わってしまうけど、何か幸せな気分になるのです!!
 
こんな所に注目ですねぇ♪
・弾きたがらないギターがなぜ綺麗な状態でスタンドにたてられてたのか…
・掃除中に転んで、突然ついたパソコン画面…
・捨てられた記憶の一片がよみがえる中、絵日記に書かれた気持ちとは…
・そして、所々登場するオルゴールの意味とは…
他にもいっぱい魅力的な描写が沢山なのでいっぱい見つけて欲しいですねぇ!!
 
特別映像エクストラ・エピソード(8分)でも、とっても可愛いペアレンツの魅力が表現されているのですよ!!
TVシリーズ1クールでも良いので、もう一度お目にかかれたらなぁと切に願っちゃいます♪
 
とにかく癒されたい方、心洗われたい方、最近無気力な方、ぜひ観てくださいw
もちろん元気な方も、心温まる不思議な魅力に心奪われちゃってくださいね♪

投稿 : 2024/12/14
♥ : 37

ワタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

余韻が心地良い短編同人アニメ

青年と少女型アンドロイドの心温まる触れ合いを描いた話です。

30分という短さ故に、必要最低限の描写のみで
物語は淡々と進行していきます。
主人公の青年とアンドロイドの境遇も軽く触れられる程度だし
全体的に台詞量や心理描写も控え目です。

しかし、青年とアンドロイドの二人の関係性に的を絞っており
それ故に世界観に没頭しやすく、感情移入もできます。
また、BGMや声優の演技等も過剰でなく、終始落ち着いた印象で
この非常に薄味な演出が、作風にマッチしていると感じました。

ただ、アンドロイドの可愛さは強調して描かれていますね。
フラワーちゃん可愛いです。
作画は同人アニメと思えない程綺麗だし、よく動いています。

大きく心を揺り動かされることはなかったものの、観終えた後の余韻が実に心地良く
「こわれかけのオルゴール」というタイトルにこめられた意味など、色々考えさせられました。
短編なので気軽に見れますし、オススメです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 30
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