2023年度のコミュ障TVアニメ動画ランキング 5

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の2023年度のコミュ障成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番の2023年度のコミュ障TVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

79.4 1 2023年度のコミュ障アニメランキング1位
僕の心のヤバイやつ(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (363)
1231人が棚に入れました
市川京太郎は殺人にまつわる猟奇本を愛読する、重度の中二病男子。同じクラスの美少女・山田杏奈をチラチラと見ては、ヤバめな妄想を繰り返していた。 そんなある日、山田が市川の聖域・図書室にやってくる。一人だと思い込み、大口でおにぎりを頬張ったり、機嫌よく鼻歌を歌ったりと、思うままに振る舞う山田。予測不能な行動を繰り出す姿に、市川は徐々に目が離せなくなっていき……。
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

【最終】ちゃんと「『僕ヤバ』という作品を観てる」という満足感がある

【レビューNo.65】((最終レビュー)初回登録:2023/6/18)
コミック原作で2023年作品。全12話。
何かでこの漫画が面白いって紹介されてて、原作買うか一時期悩んだんだよな。
(結局この時は「青年少女よ、春を貪れ。」を買っちゃたw)
そうこうしているうちにアニメ化されたので、これはラッキーと(^^♪
(まあ「青年少女」はアニメ化の可能性がかなり低いですしね)

(ストーリー)
市川京太郎は厨二病を患う中学2年生で、日々殺人の妄想を繰り広げていた。彼は自分と
対照的な同級生・山田杏奈から見下されていると思い込んでおり、特に彼女を殺したい
と思っていた。
そんなある日、市川が図書館にいると、山田が入ってきて突然お菓子を貪り始めたのだ。
「完璧な美少女」と思っていた山田のそのギャップを見て、市川は・・・

(評 価)
第1,2話:「からかい上手の高木さん」を等身大の中学2年生で描いたようなラブコメ?!
 {netabare}・冒頭は厨二病全開・市川のヤバめなモノローグで始まりますが、2話観た時点では上
  述の印象ですね。「高木さん」ってある意味この年頃の「ピュアな部分を純粋培養」
  して作った感があり、そういう純粋な部分でキュンキュンしつつも、中学生の恋愛
  モノとしては、「少々幼すぎるのでは?」という違和感があったんですよね。
  (西方の度が過ぎる恋への無自覚さやからかいの幼稚っぽさetc)
 ・その点この作品は、(厨二病患っているからではなく)しっかり中学2年生を描いて
  いるのかなって感じました。{netabare}例えば発育のいい女子の胸を目の前にした市川ですが、
  ・高木さんではそもそもそういうシーンが皆無
  ・通常のギャグアニメでは、ラッキースケベ扱いの演出
  → 本作ではいけないと思いつつも、興味には抗えない的な微妙な少年の心を上手く
    描いているなっと。
    他の男子のエロトークもあるが、その描写もある意味「年相応の健全な男子」ら
    しさがあって、個人的には「高木さん」より好感が持てるかな。
 ・またここまでは、まだ明確に「恋心」を自覚していない市川ですが、
  「殺したい対象」→ 「つい山田の言動が気になってしまう」→ 「陰で山田をフォ
   ローする行動をしてしまう」→ 山田の無自覚の行動に「(2話タイトル)僕は死んだ」
  って感じで、心の移ろい加減が「中学2年らしく丁度いい」という印象ですね。{/netabare}

・市川と山田のキャラがしっかり立っている
 (市 川)
 {netabare}・市川は下手するとイジメの対象となりかねないキャラですが、クラスではモブ的立ち
  位置を確立しているらしく、それなりにクラスメートともコミュニケーションも取れ
  るようで、妄想以外は思ったより普通の子って感じですね。
 ・でも妄想力はたくましく結構重度な厨二病。物語の多くはこういう「厨二病的なモノ
  ローグ」だったり「心の中の突っ込み」であったりするのですが、これが絶妙に面白
  い。声優・堀江瞬さんの好演が光る感じですね。
 ・それに厨二病といいつつも、基本「ヘタレ」なので、現実ではかなり日和る描写がリ
  アリティがあり、むしろかわいさすら覚えてしまうレベルですね。 
 ・また彼を含め、基本不快なキャラがいないこともこの作品よさですかね。
  → 文化際で山田たちをナンパしてくる先輩が登場するが、その先輩は市川のピンチ
    に真っ先に動いてくれた人だったり、それを素直に認めることのできる市川のよ
    さだったりの描写が上手い。
  → 市川自身も山田や空気を読んで他人を庇う行動を見せたりと、その辺りのさじ加
    減が非常に上手く、キモい妄想癖はあるが、あまり不快なキャラと認識しないで
    済む作品になっているのかなっと。{/netabare}
 (山 田)
 {netabare}・山田は美人でスタイルもよくこの年でモデルとして活動もしてる、そして市川のよう
  な男子にも分け隔てなく接してくれる、一見完璧なヒロインです。
  でも、天然でマイペース、そして間の抜けた言動も多く、作品では結構ポンコツ扱い
  されている面もあります。
  つーか作中では、やたらお菓子ばっか食ってる印象なんだよなw
 ・この山田をフォローしてる、しっかり者の親友小林(市川曰く「彼氏さん」)との掛
  け合いが面白く、上手く互いの良さを引き出しているなという印象ですね。
 ・今のところ市川に対し、無自覚に「近すぎる距離感」を取ることが多く、それに対す
  る市川の反応を愛でるというのが、作品の基本フォーマットになっています。{/netabare}

 他のレビュアーさんも触れていますが、
 ・制作会社:シンエイ動画
 ・監督:赤城博昭
 ということで、どうも「高木さん」のゴールデンコンビらしいです。なので(原作のこと
 もあるが)「高木さん」っぽい作品というところも、なるほどって感じですね。
 上述の通り、個人的には「高木さん」の年不相応の「ファンタジー感」がちょっとと思っ
 ていたので、今のところ本作の方が私好みかなっという感じですね。

 ただ懸念材料が2つ
 {netabare}・これから明確に恋を自覚したら、市川はどうなっていくのか?
  ・彼の成長とともに、厨二病は卒業していくのか?
   → そうなると彼の個性やこの作品のウリがなくならないか?
  まあそうなったとしてもしっかり「等身大のラブコメ」を描いて、「高木さん」との
  差別化は図ってもらいたいところ。
  (所詮「出オチで終わった『高木さん』の劣化版」だったとならないように)
 ・スタートが中2の2学期なのか?早くも文化祭が終わったのだが。
  (1学期に文化祭を実施する学校ってだけなのかもしれないが))
  ・いやいや2話で文化祭が終わる学園ラブコメって前例ないやろ?!
  → 中3に進級させ、進路の問題とかなにか狙いがあるのか?{/netabare}
 この辺は継続視聴で、どうエピソードを進めていくのか今後に注目!{/netabare}

・第3話:巧みな市川の心理描写→転換期となるのか
 {netabare}・冒頭は厨二病らしく、異世界モノ小説の構想を練る市川。キャラデザも考えるのです
  が、ヒロインのイメージはどう見ても・・・
  しかしこれがまさかの伏線で、詳しくは本編を観てほしいのですが、これは構成が本
  当に秀逸だった!! {netabare}→ 市川がついに山田に対する恋心を自覚します!{/netabare}
 ・そして終わり間際の、市川こその気づき
  「山田は僕らより少し大人なんだ」
  この原作者、こういう中学2年らしい心理描写がホント上手いな。
 ・「高木さん」の男子キャラは会話がガキっぽかったので、それへの当てつけではない
  だろうが、こっちの男子は逆に口を開けば「エロトーク」しかしていないんだよなw
  市川曰く「覚えたての言葉をいいたくなるアレか!!」w
  この辺りは今後の課題かな。
 ・今日の市川の名言
  {netabare}「いつの間にか頭の中の虫が下半身に移動している」www{/netabare}

  俗に「3話切り」なんて言われますが、このタイミングで早くも市川の心を動かしてき
  たのは評価。それで来週以降市川に何らかの変化がみられるのかが注目ですね。
  あとラストで山田の心中を察し、市川が隠れた気遣いを見せるのですが、これを山田ら
  しいオチで回収するというw
  こういうところをセットで(緩急をつけながら)この作品らしい色を出してる点は本当
  に見事。全体を通し「『僕ヤバ』という作品を観てる」という満足感がありますね。{/netabare}

・第4話:これが「僕ヤバ」流ラブコメ展開?!
 {netabare}・前回山田への恋心を自覚した市川ですが、「これは恋愛の好きじゃない!」と屁理屈
  をつけては、否定しようとしています。テンプレ展開ではありますが、この辺の描写
  がホント中学2年らしく相応に見えるのは、やっぱり上手いなと感心させられます。
 ・山田はあいかわらず市川との無自覚(?)な距離感で市川をドギマギさせています。
  しかし山田も「実は市川を意識してるのか?!」とも見える描写もあり、ちょっと先
  が気になる展開になってきましたね。
 ・やってることは純情ラブコメっぽい感じで、「『高木さん』に寄せてきた?!」とも
  感じるところもあったのですが、そこは市川と山田のキャラを本当に上手く活用し、
  「『僕ヤバ』流ラブコメ」できちんと差別化できている点は評価。
 ・あと山田の友達周りの話を入れたり、市川姉を登場させたりと自然な感じで物語に幅
  を出してきてる構成もよかったかな。
  (市川姉もちょうどいいかわいさで、弟思いのキャラっぽいのは〇)

 ただ当初の懸念通り市川の「毒」が薄まってきたような・・・。まあ薄まるなら薄まる
 で、市川の成長と上手くリンクしていけば、それもアリかと個人的には思っている部分
 ではありますが。
 その辺りも含め、来週以降の展開に注目。{/netabare}

・第5-6話:普通のラブコメっぽくなってきたが、中身はしっかり「僕ヤバ」なのはさすが
 {netabare}・>普通のラブコメ展開になり、市川の「毒」が薄まってきたような
  前回そう書いたのだが、どうもそれが本流のようですね。市川が明確に「恋心」を自
  覚した以上、そう展開していくのが必然ともいえるでしょう。
  むしろ市川の世界観が変わったことを上手く視聴者に印象付けている感があり、原作
  者や制作スタッフの技量を評価したいところですね。
 ・それでいて、キャラの特徴を生かした「僕ヤバ」らしい小ネタギャグがテンポよく入
  っくるなど、きちんと作品の色が出ていて、やはり原作者の上手さが際立ってますね。
  (例えば、市川が山田から借りた漫画を仰向けで読んでいると、お菓子の欠片が落ち
   てくるとかw
   それに6話終盤の図書館でのシーンは「恋心×コメディ×2人のキャラ描写」を同時
   に成立させるという、やっぱこの原作者天才だわw)
 ・山田も市川を意識してるのかなっという描写が多くなってきて、ちゃんと2人の恋の
  行方が気になる流れになってきているのもさすが。
  高木さんはこの辺り老獪さ(?)があり、普段は西方にそういうそぶりを見せることな
  く接しながらも、不意を突いた西方の無自覚攻撃がクリティカルヒットしてキュンと
  なるところで、中学生らしい純情を見せてくれましたが、山田はその辺り不器用そう
  なので上手く両作品の差別化が図れているように感じましたね。
  (山田ギャグでうやむやにして、視聴者に(いい意味で)モヤモヤさせるみたいな)
 ・男子は「エロトーク」のリーダー格が足立ですが、6話で山田への片思いを市川に打ち
  明けるなど「神崎×原」を含め、サブキャラにもいろいろ動きがでてきましたね。
  とはいえ、足立の話の8割はやっぱり「エロトーク」だったというwww
  しかしそれをきちんと「市川の恋心」に繋げていく流れは、やはりこの原作者技量が
  高いなと感心させられますね。

 なんだかんだいいつつも、しっかり「僕ヤバ」という作品を観てるという満足感は継続
 しており、改めて原作者の技量の高さを感じる作品だなっと個人的には評価。
 ちょうど折り返し地点で、後半どういう形で2人の関係性を描いていくのか楽しみですね。
 あと個人的には定番ながらも、職業見学の「秋田書店」見学で関根の
 「私、漫画には詳しいよ。好きな漫画は、『ワンピ』『ハンタ』『進撃』」
  → 全部別出版社の作品じゃねーかwww
 は意外とツボったw{/netabare}

・第7-8話:他のレビュアーさん「市川は少女漫画の主人公」→ なるほど!!
 {netabare}・順調にラブコメ展開進行中
  市川は主人公なのでモノローグがありますが、山田はそうじゃない分そういう描写で
  心情を表現していくのですが、市川に対する恋心の描写を細かく積み増さねながら、
  8話後半で一気に爆発させた神回となりましたね。でもそれは直接市川に伝わらず、
  → タイトル「僕は夢を見た」
  で、今後に繋いでいくという・・・やっぱり上手いな。
 
 ・細かい描写もさすが
  >市川に対する恋心の描写を細かく積み増さねながら
  これも非凡なんだよな。直接的な2人のやりとりだけでなく、友達の何気ない会話から
  「それ言っちゃダメ!」本人だけがあたふたするような絶妙なラインとか。
  それに「いちごババロア」に代表されるように、その中二加減さが本当に絶妙。
  「原作者は中二恋愛の教祖様なのか?!」と思える程に、程よいラインを突いてくるの
  は脱帽モノですね。

 ・「市川は少女漫画の主人公」はなるほど
  ・他のレビュアーさんの「市川は少女漫画の主人公」という意見が散見されたのですが、
   言われてみれば、なるほどですね。
   前にも書きましたが、市川って結構山田のことをしっかり見ているんですよね。
   そして山田の心情をおもんばかり、彼なりに実際に行動に移すことができるという。
   それを山田ギャグで台無しにされるというパターンもあり、決してスマートに決まる
   わけではないですが、たしかに「山田の王子様」という表現は言い得て妙だなっと。
   (そして陰ながらさりげなくという点がポイント高い)
  ・「言い得て妙」といえば、とまと子さんの
   「山田が市川を見つけた物語」
   「市川→山田」は分かるのですが、「山田→市川」って考えたときあまりピンと来な
   かったのですが、なるほどそういう見方があったのかと!!
 
 原作のよさもさることながら、作画やカメラワーク等さすが「高木さん」で培った制作陣
 って、「高木さん」から明らかに進化してるだろコレ?!
 特にここ一番の見せ場では期待を裏切らない仕事ぶりで、中二の恋愛を描いていても全然
 安っぽさを感じずに目を奪われてしまうという・・・
 最後に7話での市川名言 
 {netabare}「本当に何も変わらないんだな。好きだと分かったところで。」
 「再来年の春、僕は山田と一緒にいられるのだろうか・・・」
 (山田出演の映画公開時期を聞いて){/netabare}{/netabare}

・第9話:1話内での「起承転結」が気持ちいい優れた構成だった
 {netabare}・市川とLINE交換したいが、上手くできない山田から始まり
  ・彼氏さんがナンパイに誘われる。
   → 山田を釣るために利用されている。
  ・それを踏まえて市川も
   → 自分もナンパイからのガード役として、山田に利用されているのでは?
    → 山田に冷たくしてしまう。
  ・その態度に泣き出してしまう山田。
   → 山田はそんな奴じゃない。
    → 嫌いになる理由が欲しかった。
      欲しくてたまらなくても、どうせ手に入らないから。
      一緒にいてどんどん好きになるのが怖いから。
  ・和解して、一緒に帰る。その帰り道に山田に借りていた少女漫画を返す。
   → 山田:続きを明日持ってくると約束
  ・少女漫画を忘れてきた山田。でも明日から冬休み。
 ・連絡を取って続きを渡したいから「LINE教えて」。

 要約すると、市川と山田がLINE交換するだけのエピソードですが、そこまで
 の展開が凄く練られておりホント素晴らしい。
 しかも、待ち合わせの約束をした明日はクリスマスイヴとか・・・
 初見では「少女漫画を忘れたのは、いつもの山田ギャグ」と流してましたが、
 レビュー書くために見返したら →これ確信犯じゃないか?!
 
 それに山田が泣くシーンで使っていたティッシュは、3話で市川が山田のため
 に用意したものでした。あの時は「山田ギャグで気遣い台無しやん!」って
 感じでしたが、まさか市川の仕業と気づき大事に持っていたのか?!
 そうなると、山田はなかななか侮れませんな。
 
 最後にナンパイに利用されそうになった彼氏さんですが、この巧妙な
 ストーリー展開のために、原作者にも利用されていたのか?!
 そんな彼氏さんにも幸あれ(^-^)/{/netabare}

・第10-11話:安定のラブコメ展開。ゆっくりと――でも着実な歩み。
 {netabare}(10話)
 ・山田に仕組まれた(?)クリスマスデートでしたが
  ・陽キャと陰キャの壁を改めて感じ、気が重くなるも
  ・自分の事ばかり考えていて、山田に気を使わせていたのかもと反省し、
   そのことを言葉にして「僕」のことを少し語り
  ・(2人で観る)イルミネーションがこんなに綺麗だなんて初めて知り
  ・帰りの満員電車で繋いだ手を離すタイミングが分からず、そのまま
   「僕らはゆっくり歩いた」の見事なエピソードタイトル回収。

 (11話)
 ・市川は秋田帰省も右腕を骨折したため、トンボ帰り。
 ・借りてたマフラーと漫画を返すため待ち合わせするも、待ちきれないよう
  で、市川の家の近くまで来ていた山田がかわいいです。
 ・マフラーは実は市川にあげようと思っていたもの、(少し迷っていたが)
  市川の秋田土産も無事山田に渡すことができました。
 ・大晦日の夜、コンビニに出かけるとナンパイたちと遭遇。
  何故か関根も一緒にいる。
  そのままファミレスに拉致され、ナンパイから山田のラインを聞かれる市川。
  知らないで通していたが、山田からラインが来て噓がばれる。
  → さらにしつこく迫るナンパイに、Noを突き付けた市川
   → その様子を隠れて見ていた関根が助け舟。「友達なんで家まで送って」
 ・帰り道、成り行きで関根に「山田のことが好き」と話す市川。
  → 「知ってる、めちゃくちゃ分かりやすいからな」と返す関口。
 ・「好きだと声に出して言えた・・・」その高揚感から山田に電話する市川。
  → 新年のあいさつをすると、そこに関根が帰ってきてw
    (山田は友達と共に年越ししていた模様)
  「いつか僕から好きを伝えたい」と決意する市川で締めるという・・・

 そもそも山田とは初詣にいく予定だったのでは?!この後日中にでも行くの
 でしょうか。
 市川はついに「山田のことが好き」だと声に出して言いました。
 そして、それを「山田本人に伝えなきゃ」という思いも。
 原作未読なのでどうなるのかは不明ですが、例えばアニオリ的な市川の「告白
 エンド」という可能性もあるんですかね。
 (告白がアニオリかどうかは知らんけどw)
 話数的には次回で終わってもおかしくないところ。最後どういう形でアニメは
 締めるのかに注目ですね。{/netabare}

・第12話:最後に今一番伝えたい言葉は・・・原作者のセンスに脱帽
 {netabare}・やはり市川と山田は初詣に行くようです。でも市川は先約の家族と初詣
  し、30分後に山田と待ち合わせの計画でしたが、早く来ていた山田と鉢
  合わせw
  → 山田は市川家と合流することに。
 ・そしていろいろあって、山田が市川家に招待されることに。
  市川姉が気を利かせて外出することに(両親もまだ外出中)。去り際に
  「ありがとね、京ちゃんと仲良くなってくれて。それが嬉しいんだ、私」
 ・ドキドキ展開等いろいろあって、市川のアルバムの写真をスマホで撮る
  と帰り際に「今度は私のアルバムを見せるね。」
  → 「それって山田の家に・・・まさかな。」
 ・市川の回想(夢)。中学受験失敗~ボッチになっていく様を思い出す。
  そしてイマジナリー京太郎。
  「本当は曝け出したいと思っているんじゃないのか、心を。」
 ・冬休み明けの登校。朝から山田に出会い、2人きりになり何かを伝えよう
  として、市川は気づきます。
  ・(殺人の本を見て)学校に来れたのはこの鎧があったから。
  ・馴染めなかったのは、これのせいにしてきたから。
  ・そして僕はこれをいいたかったんだよな・・・
  「ありがとう」(暫し抱き合う2人)
 前回は「山田のことが好きいう気持ちを本人に伝えなきゃ」という流れで
 したが、それよりも山田を知り、今まで目を背けていた自分と向き合う勇
 気をくれた山田に今一番伝えたい言葉・・・
 「市川の心の成長」で締めるという、この原作者のセンス脱帽だわ!{/netabare}

(最終)
初めは上述のように「『高木さん』っぽい作品が始まったのか」いう印象でしたが、
・厨二病でしっかり「入り」を掴むと、そこから主人公の心の成長を描き、それ
 に合わせて違和感なく作品を変化させていく柔軟さ。
・市川や山田等そのキャラを活かしたコメディ展開や恋愛模様の描写の巧みさ。
 → 「原作者は中二恋愛の教祖様なのか?!」と思える程に、程よいラインを
    突いてくるシナリオ展開や日常描写の「中二加減」の絶妙さ。
・「高木さん」で培ったノウハウを更に進化させた作画や演出等制作陣の凄さ。
という感じで、競合作品の多いジャンルの中で
「ちゃんと『僕ヤバ』という作品を観てる」
という満足感を毎話得られたのは、ホント賞賛に値しますね。
原作者の技量の高さには脱帽!!「お気に入り」への追加作品、今年の第1号ですね。 

で、2期決定ですね。(2024年1月より)
1期で市川の心の成長を描ききった感があるので、2期はラブコメ全振りみたいな
イメージなんですかね。
2期も「僕ヤバ」らしさを失わない作品を期待!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

灰かぶりの男子たち。

唐突な書き出しで申し訳ないのですが、
僕は『シンデレラ』というお話の、
解釈の変遷みたいなものがけっこう好きであります。

はじめの頃の『シンデレラ』は、ラッキーガールの物語。

継母や義姉からのいじめをけなげに耐え、
お先まっくら生活に身をやつしていたシンデレラさんが、
小動物や魔法使いのお世話で舞踏会に行き、
『たまたま』落とした靴を王子さまにに拾われてハッピ-エンド。
まさに『他人まかせ運まかせ』の下剋上ストーリーですね。

これってもちろん、
女性にガマンと従順性が求められていた時代性が背景にあります。
「おとなしくガマンしてりゃ、いつかイイコトあるよ」
みたいな、本質的には何のなぐさめにも解決にもなっていない夢物語。
とはいえ、男性中心社会で女性たちは、
さしたる抵抗もできす王子サマの来訪を夢見るしかなかったのです。

で、そういうのおかしくね? というのが最近の読解傾向。

ジブンの道は自分で切り開く。
きびしい状況にあってもひねくれずジブンをしっかりもち、
静かに、だけど虎視眈々とチャンスをうかがう。
で、チャンス到来と見るや、
ジブンの知力だの美貌だの友だちだの使えるものは何でも使い、
継母や義姉をだしぬいて幸せを自力でつかみとる、
というのがネオ・シンデレラ像。

  従順で素直そうな笑顔を浮かべながらも
  心の中ではファイティングポーズをけっして崩さない、
  バリバリの肉食系、美しきケモノ。

                 かっけえ。


で、最近の日本アニメを俯瞰して見てみるとですね……、
ヒロイン像は『ネオ・シンデレラ的造形』が主流なのかなと感じます。
オトコに媚びて引っ張ってもらうタイプというのは、
ヒロインの引き立てモブか、
あるいは悪役的なポジションになることが多いですよね。

それで男子のほうはどうなのよということを申し上げますと、
もちろん作品にもよるわけですが、
旧式シンデレラ(ボーイ)タイプが主流じゃないかと愚考するわけです。

  シンデレラよりもいささかタチの悪い、
  なんの努力もせず自己肯定にばっか必死になってる男の子が、
  なぜか学年イチの美少女に見初められてなんだかんだ。

  やさしそうな言葉をちょいちょい口にするだけで、
  いつの間にか友だちもいっぱい寄ってきて、
  なんにもしないまま人生勝ち組ハッピーシュガーライフ。

  まあ、ユメを見るのは個人の自由ですが、
   あのねおまえね、
  とオジサン的にセッキョ-したくなる側面がなきにしもあらずです。


本作『僕の心のヤバイやつ』も、基礎フレームはそれに似ています。
中二妄想大満開のぼっち男子に、
ややポンコツだけどクラス一美人の女の子が『次第に』グイグイくるラブコメディ。

だけど、ちょっと違う。見ていて妙に面白いんですよね。

たいしたストーリーが隠されているわけでもなく、
ポンコツ下ネタてんこもり。
おまけにけっこうなご都合テンカイもあるんですが、
そういうのがほとんど鼻につかず、
わかるわかる的に見られるところがすっごく多いんです。

  ストーリーはシンプルそのもの。
  クラスになじめずおひとりさまで中二妄想満開の男の子(京太郎)が、
  ひょんなことから
  クラス一の美少女(杏奈=中身ポンコツ)と
  毎日、お昼休みを図書室で一緒に過ごすようになります。

  で、最初はフラットに接してるだけだった安奈が、
  徐々に京太郎のいいところを発見して気に入りはじめます。
  で、そのうち、とまどう京太郎を尻目に、
  マンガ貸したり家まで給食のデザート届けに来たり、
  けっこうグイグイくるようになる、みたいなおハナシであります。


で、なんでこのお話が妙に面白いかというと、
そもそも内容が『ラッキーラブコメ』なんかじゃないわけです。
ちょっと露骨な言い方をすると、
  『狩るもの』と『狩られるもの』、
  つまり、ライオンさんとうさぎさんの、ほのぼのラブストーリー
という構図になっているからなんですね。

もちろんライオンさんが安奈で、うさぎさんが京太郎くんです。

  京太郎くん、自分でジブンを闇落ちしたケダモノっぽく思ってますが、
  実体はなんにもできない草食系。
  人さまを攻撃どころか、ジブンの意見すらはっきり言えません。  

  いろんなコンプレックスがアタマの中で交錯していて、
  常に『どうせ僕なんか』モードに入っているため、
  ほとんどブレーキ踏みっぱなし。
  なんかあったとき自分のことより『相手が困らないか』を先に考える、
  心やさしきうさぎさんなんです。

  かたや安奈の方は、モデルで巨乳で高身長で美少女。
  外観的なポジションはまさしく『百獣の王』なのでありますが、
  中身はポンコツで、ただのデカい女の子。
  ご本人もヒエラルキーなんかまったく意識せず、
  食べたいものを食べ、しゃべりたい相手としゃべります。

  で、京太郎とフツーに話してるうちに何となく興味がわき、
  前足でちょんちょんとつついていたら、
  リアクションが面白いしやさしいしでさらなるお気に入りへ。
  グイグイいったら迷惑かな~とは考えず、
  お気に入りに素直にじゃれつく、まさしくライオン(ネコ科)さん。

ただまあ、どっちも『いい子』であることは変わりないわけです。
ですから見ていて嫌味も不自然さもありません。
表面上は、
おどおどしてる弱者(うさぎさん)にじゃれつく強者(ライオンさん)。
だけど中身はどっちもピュアで、しかも好きどうし。
ある意味で寓話的な、ほのぼの系ラブストーリーなんですよね。


まあ、それでもありがちな話っちゃありがちな話なんですが、
このお話のスグれているところは、
  安奈が京太郎くんを『お気に入り』にいれていくプロセス
が、きっちりしっかり、しかも楽しく描かれているところかな、と。
(このあたり、さすが女性マンガ家の原作だなあと)

  世の男子どもの多くが誤解してることなんですが、
  女の子みんながみんな、
  イケメンで高身長のスポーツマン好きということはアリマセン。

  だからと言って、安直な男性視点マンガみたく、
    たまたまこういうタイプの男が好きなオンナだったんだよっ!
  と強引に突破するのは、あまりにもランボー。

  この点、安奈はほんと等身大。
  好きもきらいもなくただ一緒にいるうちに、
  いろんな京太郎くんを発見し、
  ゆっくりじっくり一歩ずつ、彼を見る目が変わっていきます。

  イケメンじゃないけどビミョーなおかしみがあり、
  肩ひじはらず素のジブンで接しられて、
  どうやらこっちのことを好きっぽく(似顔絵くれたりとか)、
  しかも『見返りを求めず』自分に一所懸命やさしくしてくれる。

  いつ寝首をかかれるかわからないイケメンに主導権をとられるよりも、
  そういうけなげで安心できる男の子をそばに置き、
  主導権を握りながら一緒に楽しく過ごしたいというのは立派なニーズ。

  これ『からかい上手の高木さん』にも通じますよね。

  ある意味『彼氏のポチ化』と言えなくもないけれど、
  しょっちゅう発情しているハァハァ男子に辟易している女子にとっては、
  むしろこっちの方が『現実的な選択』だったりもするわけです。



僕的なおすすめ度は、特に対象を選ばないAランク。
ラブコメ好きの方はもちろん、
  あ~なんか最近のラブコメってウザいんだよなあ、
なんて思っておられる方にも、
モノは試しで最初の三話ぐらい、見ていただけたらなと思います。

  実を言うとワタクシも、
  最初はAパ-トどころかアバンで脱落したんですよね。
  キャラデが好みじゃないし中二くさいし世界観わかんないし。

  ところが、あにこれで女性からの評価がすごい高かったんです。

  女性の評価が高いラブコメは良作が多いので、
  半信半疑で再視聴してみたところ。
  妙に面白くて、結果どハマりしちゃったという次第であります。


作画は、そもそも基礎造形があまり好きじゃないんですが、
これは原作モノなので仕方なし。
いやほんと、最初ガチで抵抗あったんですが、
見ているうちにまったく気にならなくなってきました。

  あの『高木さん』シリーズのシンエイ動画+赤城監督コンビなので、
  じわっとくるタメだの素朴な演出だの、
  おさえるべきところをきっちりおさえた優良設計。

  シリーズ構成と脚本を花田十輝さんに依頼したのも大正解。
  過美・過剰な表現がひとつもなく、
  そのくせキャラの心情がひたひた伝わってくる脚本、きゅんです。


キャラ・役者さんはナニゲに豪華キャストなんですが、
みなさんリアル寄せで黒子に徹しており、
(それゆえ物語全体に妙なリアリティ出てるんですが)
目立つ部分とか『惹き』は、
杏奈を演じた羊宮妃那さんが総どりしちゃったみたいな感じかと。
{netabare}
拙個人としては、
席替えでリフジンなやきもちを焼くシ-ンがお気に入り。
ちゃんとつきあってるワケでもないのに、それ口に出すんだ? みたいな。
だけど、いじけ方と言い方がカワイイので、よし。
良くも悪くも、すっごくおトクなキャラになっております。
{/netabare}
  羊宮さんは『着せ恋』から個人的に注目していて、
  今年の四月には、
  青二のジュニアから準所属へと昇格を果たした期待の若手役者さん。

  順調に育てば上田麗奈さんみたく育つ可能性、大ありの方です。

  ただ……心配なのは、リアルもけっこう『カワイイ』んですよね。
  こういう方って、まだ新人でギャラが安いこともあって、
  ラジオだのアイドル活動だの顔出し仕事だのに引っ張り回されて、
  ツブされることがけっこう多いんです。
  ファンの方々が応援してる『つもり』で、よってたかってツブしちゃう。

  まあ、青二さんだから、そのへん大丈夫だとは思うんですが……。

  シンエイ繋がりで『高木さん』の高橋李依さんみたく、
  踊らされてるフリをして『稼ぎ場』と『本業』をしっかり区別できる、
  したたかな役者さんに育って欲しいものであります。


音楽は、ヨルシカさんのOP『斜陽』が出色のでき。
EDも悪くないし、
牛尾憲輔さんによる劇伴も、作品にうまく溶け込んでいます。

  どれもこれも派手さのあるキャッチーな曲じゃないけれど、
  作品の世界観にぴったりハマり込み、
  静かにイメ-ジを増幅させる働きかけがあって、実によき。

  こういう、
  自己主張を控えめにして世界観を大切にしている音作りって、
  僕的にはすごく好感抱けます。


青春群像劇、みたいな側面はまるでなく、
ほんとに単純な思春期どきどきラブコメディ。
人生とは、青春とは、みたいなムズカシイことは一切訴えておらず、
バカだね~と笑って見ていて、
見終わった後、ほっこりしている自分に気づくような作品です。

ムリしてまで見るような作品なのかと言えば、
決してそんなことナイのですが、
けっこう楽しい時間つぶしにはなると思います。

    御用とお急ぎでない方は、一度おためしあれ。


***************************************************************

ちなみに、
こういう『女子に見初められること』をユメみる灰かぶり男子って、
けっこう少なくないんじゃないかと思います。
ぶっちゃけ思春期の男子って、
自分ラブコメみたいなイタい妄想しているケース多いですしね。

まあ、それはそれでよし。
内面的クロ歴史というのは、誰にでも(もちろん僕にも)あるんです。
ほんと、通過儀礼みたいなものなんです、思春期バンザイ。

ただまあ、それを『選ぶか、選ばないか』は女子がきめること。
その点本作は、
原作者が女性だけに、線引きが『甘くはない』んですよね。

  ほわほわしているようで、
  実はちゃんと相手のことを『見切って』います。
  見てくれだの身長だのに惑わされず(不潔なのはたぶんダメですが)
  一線のこっちかあっちか、しっかりと。
  その境界線が、われら愚鈍男子にはわかりづらいだけでありまして。

そこんところが本作に対する評価の分水嶺なのかな、と拙は愚考しています。

  A:ありえね~、なんでこんなヤツが、ただの妄想じゃん。
  B:うんうん、わかるわかる、思春期ってこうだよね。

ABどっちが正解かなんて、もちろん答えなんかありません。
ありませんが、ポチ化を所望する男子たちは、
京太郎くんから学べること、けっこうあるように思うんですよね。
(あ、いえ、上から目線なんてそんな……ごめんなさい)

僕は、ひゃあひゃあ言いながら女の子追っかけてた側なので、
エラそうなこと言える立場じゃありません。

ほんとそういう立場じゃぜんぜんナイんですが、
いまさらにして思いますに、
あの頃、もう少し京太郎くんみたく、
  ジブンのことより相手のことを先に考えることができる
男の子であったなら、
けっこう違った青春になっていたんだろうな、と。

    ま、そういうのを『後の祭り』と言うんですけどね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 29
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

23年No1候補。劣等感の克服と成長、甘酸っぱい恋愛。素晴らしいラブコメです。

 23年作品のナンバー1候補ですね。「おにまい」「水星の魔女」と悩んでいます。今見返しています。

 本作を見てやっぱり気になるのが「その着せ替え人形は恋をする」と設定がかなり似ています?他の方のレビューでも比較されていましたけど。
 実は両方ともあまりに面白いので原作最新巻まで買ってしまいました。そして、似てるなあという感覚は強くなります。

 ヒロインがモデルだし、主人公の方が独りぼっちの陰キャ。ヒロインの側から好きになる。女子の取り巻きたちから後から評価されてゆく。友人らしきものが出来始め、人に頼ることを覚えて行く。そして何より劣等感の克服、成長と目標を見つけることです。なお自慰行為について隠さないのも一緒ですね。
 主人公の家族が描かれ比較的理解がある(コメディリリーフでもあります)。ヒロイン推しのヤンデレ女キャラが登場したりします。ヒロインは一般的なイケメンからのアプローチは不快に感じたりするのも共通ですね。

 実は「着せ替え人形」の連載開始が18年1月。本作原作が18年3月です。この時間差ではどっちがどっちを真似したとかではないと思います。つまり、私が最高に面白いと思うこの2作は時代の気分としての要素が描かれているのではないかと言う事です。シンクロニシティと言ってもいいかもしれません。そう言えばどちらも女性原作者ですね(つまりヤンデレヒロイン推しの女子は原作者の投影でもあるのでしょう)。

「着せ恋」の方がコスプレという世界観を提示している分高く評価していますが、恋愛の甘酸っぱさそして内面の葛藤は本作の方が圧倒的に上です。というか「着せ恋」は主人公の恋愛観が出てませんし。原作では本作の方が最新刊では面白いので両方2期が来たら本作の方が評価が上になる可能性はあります。ただ、五条くんうーん…彼もがんばってます。

 「長瀞さん(2017年。ネットでは2011年)」はかなり近い構造だし「古見さん(2016年)」もある意味では似ています。ですがこの構造がちょっと中途半端です。2018年になってこの構造の流れが花開いたのがこの2作なのでしょう。やっぱりピッタリ今の気分にはまってきます。

 モデル的美少女の承認がないと劣等感が克服できない、というファンタジーはあるものの、逆も言えます。承認を貰うためには劣等感を克服せよ、と。ルッキズム的なトロフィワイフという見方もできますが、そこは素直に「誰からもモテるスーパー美少女」は見た目とかぼっち属性は気にしない=本質を磨け、という事と取ればいいと思います。モデル級の少女にぶら下がるのではなくそれ以上の価値になるために自分を磨けという奮起ですね。そしてモデルという職業を持っている意味がまた女性サイドの自立とも取れます。

 ゼロ年代以前の価値観の人に受けている可能性もありますが、しかしいいですね。本当にいい。ネットのサジェストに「気持ち悪い」がありますので、その点も分からなくはないです。

 2期の展開不安でしたけど、原作読んで安心しました。ネタバレはしませんが、どんどん面白くなります。




以下 1回目視聴後のレビューです。

最高のラブコメ。2人の距離の変化が丁寧に描かれてます。2期来ましたが…

 非常に面白かったです。恋愛に至るプロセスが丁寧に描写されているラブコメって久しぶりな気がします。今期は本作と「転校生がグイグイ」の2本がかなり良くできていました。「スキップとローファー」もいいですけど、ちょっと作り物感が最後の方に出てしまったのが惜しいです。

 で、肝心の本作ですが、まず、主人公の市川が「我々」であることです。自分に言い訳しながら女子たちを遠目にみて、バカにしながらもコンプレックスに押しつぶされています。妄想だけ膨らませてエロいことしか考えません。まさにヤバイやつですが、多少の差はあっても、この中学生から高校生にかけての思春期マインドに覚えがある人は多いでしょう。感情移入の度合いが半端じゃないし、この市川の造形のおかげで、市川になって山田に恋をするという視点が一切ぶれません。モノローグが基本市川側というのもそれを補強しています。

 恋愛に至るまでに、図書室という狭いスペースで時間を共有し、いろんな出来事を重ねて行くうちに、お互い興味がでだします。山田にとっての市川は単にそこにいる奴、市川にとっての山田は完璧な女で劣等感と性欲のアンビバレントな感情の象徴でしたが、人間味があるだらしないところを知って行きます。

 その結果、お互い興味がでたところで6話です。手をつないだ瞬間に山田が赤くなったのが最高でしょう。制作者もかなり丁寧に描いてました。

 その後は、山田のデレが深まって行くわけですが、同時に市川が成長して自主性が出てきました。そして、劣等感の対象だった山田を守る・かばう・プレゼントをする、というところまで来ました。このプロセスが後半の見どころでしょう。

 最後は告白まで行けばよかったですが、まあ、スレスレでしょう。むしろ市川は絶対告白するという信頼がもてる終わりでかえって良かった気がします。

 自ら手を伸ばして腰の当たりでしたがなんとか触れることができました。しかも、性欲ではなく「つながり」を求めてですから。同時に自分の壁・心の壁に気が付いたのが、本、図書館での出会いからのつながりが良く効いていました。お土産も小道具として良く機能していました。こういう細かいエピソードの連なりが大きなストーリーの流れになっています。

 ラブという点の描写ではやはり本作がNO1でしょう。ストーリー・構成・演出・演技。すべてが本当に良かった。

 作画もいいし、萌え絵じゃないのも感情移入しやすくて良かったです。背景美術にも丁寧で構図が良く、遠近感や光の工夫など好感がもてました。音楽もOPEDも良かったです。

 この2,3年で見たラブコメの中では最高だと思います。もっとさかのぼってもここまで丁寧に心情の変化を描いた作品は数少ないのではないでしょうか。


追記 2期発表ありましたねえ。うーん。1期で完璧だったからこの先どうなるんでしょう?一回大喧嘩するとか、山田がNTRされるとか、別れるとかならいいですけど、ダラダラ展開でがっかりしないようにあんまり見たくないかも。







 以下 視聴時のレビューです。

第2話 脅威的な画面。技術の凄さに注目。話は毒があるけど面白いです。

{netabare} しゃべる古見さん、ハードコア高木さん、Sを隠す長瀞さん、という感じです。ですので、設定やストーリーはまあ、そういう感じだと思ってください。

 本作の見るべきところは画面です。いや、これも「おにまい」と同様、すごいアニメのレベルですね。と思ったらシンエイ動画でした。「高木さん」のところです。高木さんもすごかったですけど、更に進化しています。CGはもちろんですが、フイルムライクな色調といい、ボカシ(被写界深度)を使った遠近感といい、光の使いかたといい、構図、カメラワーク、ちょっと他社では見ないレベルの作画です。

 2話の13分18秒くらいのところの胸ユレですけど、陰影を見て下さい。アニメ的なベタ塗りの彩色ではないですよね。球体の陰の自然なグラデーションになっていました。ということはこの絵柄で人物は3Dモデルということかなあ?新技術は正直もう処理が凄すぎてよくわかりません。

 背景美術が実写を取り入れているのかもしれませんが、色調の具合で違和感なく処理できています。「ヤマノススメ」の4期とかこういう感じで作ってほしかったなあ。
(いや、実写じゃなくて3Dモデルで背景を作ってるのかなあ。テクスチャが実写取り込みなのかもしれません)

 そう3Dというかモデリングとアニメっぽさが高度に融合して新しい感覚の画面を堪能できます。

「おにまい」とは別の意味で非常に美しいアニメを堪能できます。ストーリーも何番煎じかわかりませんが、つまらないわけではないので、視聴継続ですね。

 そうそうOPEDは曲もいいですけど、本編とは違う雰囲気の背景美術がまた美しいです。{/netabare}


6話 なんか男子の妄想というには違和感があると思ったら女性原作でした。となると原作者のTS願望?

{netabare} ストーリーはしっかり「ヤバイ」ですね。性の目覚めをしっかりと描くと同時に、その時代の男子生徒の欲望とか妄想を描こうとしています…が、なんかちょっと違和感を感じるんですよね…中二病男子って女子に対してあそこまで積極的になれるかなあ??とか、もっと自分に嘘をつくだろうとか…うーん。

 と思って調べたら、女性作者でしたね。「みつどもえ」の人ですか。変態ロリJS作品の人…となると、変態ですね。変態女子が男になって美少女と付き合うというTS妄想でしょうか?不思議な倒錯感を感じる、見た目よりも爽やかでない何かを感じます。

 原さんというかなりグラマーなキャラがやけに丁寧に描いているのが気になります。原作者の理想がヒロインで現実は原さん…なんでしょうか?

 とまあ、なんとなくですけどラブコメの皮をかぶった原作者のTS妄想の気もしてきますが、1,2話が接触編で、3話以降で接近して、というプロセスがちゃんとあるし、各エピソードが面白くできているので、予想とは違う雰囲気ですが面白いです。{/netabare}


7話 なんか、悶えるんですけど。

 7話来てましたね。いや、山田さん、デレすぎでしょう。ヤキモチが可愛いです。うーん、理屈をこねましたが、〇〇さんものの中では進展がいいですね。長瀞さんと古見さんのいいとこどり?

 今週の山田さん、絵も良かったですね。気合いの問題かなあ。


9話 山田可愛すぎでしょう。心の変化が丁寧に描写されていて、非モテと美少女の恋愛もの…いや、ラブコメ全般から言っても最高です。

{netabare}非モテが気にするほど美少女はキモとか言わないというところから始まって、図書室で時間を過ごす関係、なんか面白い奴、そして…という描写に6話かけているのが素晴らしい。
 で、6話の図書室の食べ物のエピソードで手を握られて、すっかりやられてしまった山田さんですが、まあ、それ以降可愛い事。ヤキモチ妬いたり、一喜一憂したり、照れたりのそれぞれが良いです。

 その一方非モテ男の心理と言動を丁寧に描きながら、性愛…つまり美少女と言うことでエロと劣等感の対象でしかなかった劣山田のことを女性として、人間として見ていくようになるプロセスに成長が、そして恋愛感情が育ってゆく様が見て取れます。

 最高ですね。一緒にいる時間の長さと、ふれあいの瞬間と、相互理解が恋愛に発展してゆくという、昨今のラブコメとしては描写を省略するところをものすごくエモく描けています。

 一方でモテる男の振舞いの描写の対比がいいですね。黒髪短髪の子とかコロッとやられているところなんて結構リアリティがあります。もちろん、モテる男でもいい奴はいますけど…と言いたいところですが、非モテから見ればまあ「モテる男、全員死ね」ですから、痛快でした。

 あだち充さんは描けないし、「着せ恋」が描き切れない部分、非モテと美少女の恋愛。もう終わりでもいいくらいですけど、続くんですね。何か面白い視点が出てくるんでしょうか…そうか、非モテの主人公の成長…つまり、自力で告白?あと3,4話なら丁度いいかもしれません。 {/netabare}


もう11話かあ…最終回が寂しい作品は久々だなあ。

{netabare}  ああいう田舎がうらやましいなあ。民宿でいいから磨き込まれた風格のある木造の田舎づくりの建物で雪の季節に過ごしたいです。そう思わせる画面作りのレベルはやっぱり高いです。

 で、相変わらず主人公は右手を動かすことを考えてしまいますが、そこはもともと思春期の生々しさはテーマでしたし正直だと思います。美少女があの格好だとしたらそれは健全とも言えます。
 その罪悪感と恋愛感情の折り合いって、あまり描かれない部分です。最近性欲そのものを忌避する風潮を感じなくはないので、こういう部分を描く作品があってもいいでしょう。「着せ恋」の五代君は結構やってましたね。

 で、お土産を自主的に買ったり、ラインを自分から送るなど成長がいいです。この作品のいいところは山田と主人公の「変化」です。
 あの女子も指摘していましたが、主人公が山田を思ってがんばってます。これが本当に甘酸っぱい。甘酸っぱすぎて悶えますけど最高です。

 ということで、今期ラブコメは今のところ豊作でした。本作、「スキップとローファー」「事情を知らない転校生がグイグイくる」の3本ですね。「おとなりに銀河」はいいですけど、淡々としすぎですねえ。

「久保さん」はあまりにご都合主義なので早々に脱落。「インソムニア」も悪くないですが、病気が中心になりそうなので脱落です。「六道」はいつの間にかどこのサブスクで無料で見れるか忘れて放置中です。

 それにしても本作はいいです。最終回を迎えるのを寂しく感じる作品は久しぶりです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31

67.1 2 2023年度のコミュ障アニメランキング2位
星屑テレパス(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (124)
333人が棚に入れました
女子高生たちが宇宙を目指す“青春ロケットストーリー” まんがタイムきらら(芳文社)で好評連載中の大熊らすこ氏の4コマ漫画「星屑テレパス」は、 人とのコミュニケーションが苦手な女子高生の小ノ星海果は自称宇宙人の明内ユウと出会い、 なんと宇宙を目指す約束をする。そして副学級委員長の宝木遥乃や不登校気味の雷門瞬たちとの出会いの中でロケットを作ることになり── 女子高生たちがロケットを作って宇宙を目指す"青春ロケット"ストーリー!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ゴチャゴチャしてるのが惜しい作品なのか、だから面白いのかがよくわかりません

 TVer視聴にしたのが悔やまれます。9話の明内ユウが一度消えたのがよくわかってないのでモヤモヤしています。脳内友達かとも思いましたが、普通に他の娘ともコミュニケーションしてるので違いますよね?本当に宇宙人ということでOK?

 全体の印象としては結構面白かったと思います。何のジャンルなのかもはっきりしませんでしたが、微SFで部活ものとでもいうんでしょうか…女子だけ日常きららとは言えないと思います。
 競技はやってませんがロケットをやったことがあるので、非常に興味深かったです…意外な展開だったし。ですが、果たしてロケット競技がメインかと言われるとなんか違います。ここを深掘りしたいようには見えません。と言うのはロケットの発射シーンがほとんど出てこないからです。

 はっきり分かるのは、ヒロイン小ノ星海果の成長物語(主体性とコミュニケーション)の話なんでしょう。

 話がゴチャゴチャして煙に巻かれているような、それがいい味になっているような…不思議な感じです。評価が難しいです。ただ、毎週配信で見逃さずに見られる水準だったのは確かです。

 オデコパシーとか灯台とかが何を強調しているのか。灯台は居場所を示す場所の象徴ですよね?あるいは本来光ものが消えている…それが光る。オデコパシーはコミュニケーションなんでしょうけど…やっぱりTVerhなので振り返りが出来るまでこの辺はちょっとお預けです。

 うーん、評価…難しいです。オール3を下回ることはないし、音楽のセンスなんかも悪くないです。作画は12話は結構良かったと思いますが、以前のはどうでしたっけ?最近で言えばまあまあ?

 オール3.5…うーん、ストーリーだけ4にしようかなあ…ただなあ、もうちょっと面白くなったような、こういう感じだからかえって面白かったのかが良く分からないです、現状は。一挙放送とか無料配信が始まったらもう一度見たいです。



 
以下 リアルタイム視聴時のレビューです。


1話 ハルヒのリメイク?SF的な仕掛けがあるのかな?

{netabare} TVerでたまたま見かけて視聴しました。何のアニメかわかりませんが、どうもコミュニケーション論を扱ったSFの様です。

 2006年の「涼宮ハルヒの憂鬱」を2023年にリメイクした感じです。ゼロ年代は孤独上等自分だけの不思議が欲しいと言っていた少女は、病的な孤独に苦しむようになっていました。1話見た限りでは、そういう意図があるか原作者がハルヒが好きで無意識に類似性がでたんだと思います。雰囲気と設定は全然違いますけど、プロットとキャラを拾うとそっくりです。
 
 17年間でオンリー1であることが強制された時代から、友達と仲良くコミュニケ―ションすることが強制された時代に変化しました。自分らしさの定義が結果的に友達作りに帰結する感じです。オンリー1同様につらい無茶ぶりですけどね。

 宇宙人が記憶喪失だとすると、その意図は通常は地球破壊、人類滅ぼす、あるいは人類補完計画のような個性を失くした新しいコミュニケーションだと思います。人類の生存を探るための調査・試験なのかもしれません。

 あるいは主人公のヒロインが実は本当に宇宙人だった。人間として暮らしていたけど…という話が1話を見る限りだと自然かもしれません。宇宙人からJKになると記憶喪失になるらしいので。宇宙人に戻るときに友情を失うような話になるのでしょうか。あるいはあのピンクの子立場の入れ替わりがあったんでしょうか?

 そしてハルヒ同様思ったことが現実になる、という感じがありますね。1話の不自然なご都合主義はその伏線かなあという気もします。

 そういうSFマインドを刺激するような仕掛けがあるような気がする1話でした。考えすぎかもしれませんが…
 「きらら」らしいですけど…うーん…通常の「きらら」には見えません。女子しか出てこないので、百合百合した作品かと思いましたが、ちょっと何かありそうですね。見かけによらず一筋縄ではいかなそうな感じでした。{/netabare}


2話 過大評価かなあとと思いつつ、妙な面白さと引っ掛かりがあります。

{netabare} 1話でハルヒ的なSFの仕掛けを想像していましたが、2話になってどうなんだろう?といういわゆるキララ系の「女子だけ仲良しもの」になってしまいました。

 過大評価だったかなあ、と思いつつも、どうしても引っかかりがあります。ペットボトルロケットをここで出す意味とか…「電波少女と青春男」のような郷愁というか文学性もありますが、むしろペットボトルロケットの含意がありそうな感じ…まあ「スタート」あるいは「象徴」の印象なんですよねえ…

 となると「使われなくなった灯台」に何かあるんでしょうか。灯台の含意は光る、他人を導く、位置を知らせる等々ありますけど。

 アニメの出来は…うーん。セリフというかモノローグで全部内面を説明しちゃうとか不満はありますし、話の進行のチグハグなところに引っかかりがあります。ただ、見てられるんですよねえ…不思議なことに。展開も早いし次が気になるような妙な面白さがあります。

 そして金髪チョーカー少女の遥乃の行動がペットボトルを空にするとことの「他人を頼る」行動、宇宙に逃げるより「宇宙人に地球を知ってもらいたい」というところ。明らかに人間関係の含意ですよね?ここはもったいぶった説明がありません。その辺どういうことなんだろうっていう感じもあります。

 引っ掛かりがあるということは、面白さでもありますので多分、全部見ると思います。今のところTVer視聴で振り返り視聴ができないのが考察的には残念ですけどね。{/netabare}


3話 うーん。4人目のキャラ痛すぎ。テンプレ感がある強引な展開…1、2話からレベルが落ちすぎでしょう?

{netabare} ペットボトルロケットから次の段階というのはいいでしょう。ですが、新キャラのまたたたきのキャラが痛すぎるでしょう。ゴーグルって…それだけじゃなくて、性格造形が本当に痛いです。痛すぎです。なんでそういうキャラ設定にしちゃうかなあ??そもそもそこまで交流のない子がメカが得意だって思い出します?

 頑な少女がヒロインの熱意にほだされて打ち解ける話だとすれば噴飯もののテンプレです。ここでありきたりからズラせるかどうかが面白さだと思うのですが…テンプレとは違うストーリーであることを期待したいです。

 キャラ付けとか大きいストーリーはさすがに原作準拠だと思いますので、アニメというより原作かな。

 1、2話の導入が不思議な話だったので期待しましたが、過大評価の可能性がプンプンします…ぜひ悪い予感を裏切って欲しい。普通のきららよりも少しダークなだけで終わってしまいませんように。

 アニメのクオリティは高い気がします。動きは少ないですけど、丁寧だと思います。 {/netabare}


4話 褒めどころが分からないんですけど…何か惹かれるなあ?

{netabare} …何といえばいいんでしょう?くだらない?つまらない?よくある話?テンプレ?まあ、いろいろ言い方はあると思います。

 ただ、なんか違うんですよね?俺何見てるんだろう?と思いながら、なぜか楽しみにしている自分が…うーん、癒し…なのかなあ?

 ストーリーは「ご都合主義」「いつものエセ友情もの」「くっだらない」で片づけてもいいレベルに一見見えるんですけどね。ほんの少しだけ感情がうごくんですよね…文学性?{/netabare}



5話 ロケットの基礎研究は想像より簡単です。なるほど部活ものはいいかもしれません。風呂短すぎ、布団の柄凝りすぎ。

{netabare} ロケットの研究って、実は基礎部分はそんなに難しくなくて、中学生の時に私もやっていました。だから感情移入している可能性もあります。ペットボトルロケットから先に行くアニメは少ないので。

 本作で記憶が鮮明によみがえりましたが、過塩素酸カリウム(酸化剤)+ボンドG17(燃料)を混合したものを固体燃料にして、紙の筒で作ったロケットの内部に均一に塗布(これも適当に塗るのではなくモーターで遠心力を利用する)して、ニクロム線を使った点火装置で発射台を作ったディテールまでよみがえりました。

 実際のロケットは過塩素酸アンモニウムだと思いますが、ロケットって基礎科学部分は非常に原始的です。軌道制御は難しいですけど。中学生でも研究できるし、何より夢がありましたねえ…こういう「科学する心」をもった少女の話はいいです。

 で、もう1点。「放課後インソムニア」「恋する小惑星」などで不満だった点。星空を見上げた時の感動です。畏怖にも似た背中がゾクリとするような感動と憧れ。それが何となく伝わるか、雰囲気だけの作品か、ですね。本作はそれをちょっと感じます。完全じゃないですけどね。今のところアニメ作品では「宇宙のステルヴィア」のしーぽん…というよりEDの曲が最高です。

 まさか部活ものになるとは思いませんでしたが、いきなりの合宿で話は相変わらずポッカーンですけど、やっぱり面白いというより惹かれる作品ですねえ。今話で不満があるとするとお風呂シーンがそれで終わりかい!というところですが、そのサービスタイムの短さが本作のきららにおける特殊性かなと思います。

 それと、布団の柄はなんでそこまで凝る???


追記 布団の柄が気になりすぎて、何回も見直してしまいました。

 柔らかい布団の形状の変化に合わせて布団の複雑な花柄が破たん無く動きます。手書きでは無理ですよね?(追記 動くというより変化します、の方が正解かも)

 他のアニメで見たことが無い気が…あまりに自然でスルーしそうですけど…新海とかジブリでも類例がない気がします。考えすぎ?でも、ここまで布団の模様が綺麗に動くアニメって見たことないなあ。

 着物なら「私の幸せな結婚」の着物が同じような技術かもしれません。CGテクスチャってこと?かなあ…こういう2Dライクの作画の新技術は大歓迎です。
(追記 布団がずり落ちるシーンの模様の歪みの感じはテクスチャっぽい気がします)


 再追記 ちょっと思い出して確認したら「好きな子がメガネ忘れた」の8話で、三重さんがトイレの場所をスマホで聞くシーンで主人公の男の子の毛布の柄が似たような動きでした。まあ、となると標準的な技術なのかもしれませんが、しかし、「好きな子」の毛布は幾何学模様です。

 本作のようにこういう「引っ掛かり」を残す形で花柄の布団を効果的に見せるのはセンスですから、やはり技術の使い方の意味でいうと驚きでした。{/netabare}


6話 癒し系か文学かと思ったら想像以上にワクワクする展開だった。これは面白い。

{netabare} 6話ははっきり面白かったです。ホビーというかロケットのキットってあるんですね。さっき楽天で調べたら3000円台で何種類かありました。

 こういう知らない知識と何か目標に向かって行く展開っていいですよね。そしてそれがロケットともなればワクワクせずにいられません。自分たちで立ち上げた部活に秘密基地。ご都合主義と言うのは簡単ですが、アニメだからこそのこういう展開は好みです。

 キララ系女子高生というデオドランドされた存在ではありますが、この作品のことです。何か面白そうな展開を期待させてくれます。

 ということで6話。話の方向性が見えてきました。いや、癒しモノかと思っていたらワクワクがありました。素晴らしい。{/netabare}


7話 あれ?凡作になってしまうのか?雷門さんの使い方が良くない。

{netabare} 7話でちょっと違和感がでました。目標が出来たことと、ライセンスの説明等は悪くなかったです。

 ただ、雷門さんのモノローグが分かりやすいツンデレすぎるなあというのも良くなかったし、その後のロケット競技の参加方針についても良くなかったです。

 これはここまでの総括にもなりますが、雷門さんが出てきてそれで具体的に話が回り始めたのは良かったと思います。が、話がドラマのためのドラマになっています。
 ストレスがかかるのが悪いのではありませんし、ここで雷門さんと仲違いするとかなら面白いと思いますが、どうせ…がある気がします。

 だったら、雷門さんは外部においてアドバイザーとかにして、3人の奮闘の方が良かったかも。

 せっかく良かった展開が7話に仕込まれたいろいろで急に平凡になる予感がして心配な感じでした。{/netabare}


8話 うーん、毎週楽しみだったのですが…ついにぎりぎりに…

{netabare}  毎週楽しみにTVerアップと同時に見てたんですけど、今週はぎりぎりになってしまいました。それだけモチベーションが下がっているのでしょう。

 で、まあ実際に見ても、かなり普通というか普通以下というか…ロケットの大会のあと何があるか?できまりそうですね。まだ8話。12話だとして大会が9話で終われば残り3話。1エピソードでしょうね。どうなることでしょう? {/netabare}


9話 いろいろ面白い要素は感じるのに…脚本・演出が弱いのかなあ?

{netabare}  なんだろう、プロットとかテーマとか大きなものはとてもいいと思うし、明内ユウちゃんの謎めいた感じがちょっとSFチックでいいと思います。

 ただ、なんでこうなるんだ?というくらいアニメそのものの出来がなあ、という感じがします。

 まずエピソードの一つ一つが非常に単純な展開です。ほとんどテンプレでしかないです。分かりやす過ぎて笑ってしまうくらいです。それを上手い脚本・演出で見せてくれるなら、面白さにつなげられると思うのですが、そこが弱すぎます。紙芝居みたいな展開になってます。

 また、登場人物の内面や感情、思惑の描写が全部説明セリフです。いや、そこはアニメで表現しようよ、という感じがものすごく強いです。

 ということで、最後は気になるのでもちろん見ます。TVerでしか無料がないので貯めてなかったし、見逃すと後悔するので強制的に視ざるを得ないのが逆に幸いしたかも。

 原作は面白いかも、という気もします。アニメはガチャにはずれたかなあ。{/netabare}
 







 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人はそんなに簡単に変われない。地位で人はそうそう育たない。でもね……

コミュニケーションが苦手過ぎて宇宙人との交流に憧れるようになった高1主人公少女が、
同級生で宇宙人を自称する陽キャのピンク髪少女らと遭遇し、ロケット研究同好会の4人で、モデルロケット製作活動から、宇宙を目指す夢を共に追い掛け始める『まんがタイムきらら』連載中の同名萌え四コマ(未読)の連続アニメ化作品(全12話)


【物語 4.5点】
私が本当にメンタル沈んでいる時は、アニメの青春成長物語すら眩しすぎて直視できなくなります。
最初はウジウジしていた主人公が、シナリオを進める都合もあって、
性格も能力も、トントン拍子で殻を破って好転していく。
それに比べて自分は何て駄目なのだろう?と陰キャをこじらせて面倒臭いことになって行くわけですがw

その点、本作の主人公・小ノ星海果は、ロケットで宇宙に行くとの大望を抱き、
三歩進んで二歩下がったりしながら、ずっと人見知りしてるし、口下手だし。
{netabare} 同好会会長に就任{/netabare} して、グループを牽引すべき立場になってからも、
にわかにリーダーシップを発揮したりしないし、{netabare} スピーチ{/netabare} も空回りして落ち込むし。
やっと一皮剝けたかな?と思ったら{netabare} 発熱して看病されてるし。{/netabare}

人はそんなに簡単に変われないし、地位なんかでそうそう人は育たない。
立派にリーダーしているあの人も、実はスピーチ前、緊張したりしているし、
仲間内ではポンコツだったりするw
急成長できない自分に落ち込む必要など全くない。この包容力に救われます。

ど派手な成果と成長インフレで魅せていくスポ根の華やかさはないけど、
およそ1クールアニメが拾ってくれそうにない、
挫折や、繊細な人間関係とそれに関する悩み、葛藤アルアルなど、
題材にするのが難しい要素にも光を当て表現してくれる。

人間関係の本質的な部分にも踏み込んでいくため、きららだけどシリアス&ギスギスもあったりしますが、
きららならではの優しい空気感というオブラートに包まれているため、
ギリギリ視聴脱落せずに、痛みを共有できる。


以上、ふわふわした感想を並べましたが、この辺りが、
本作から私が感じた、何か安心できて良いの正体だと思います。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・Studio五組

『きんモザ』で勝手知ったるきららアニメ制作。
一見、簡素な構成の画面が多く、高作画カロリーでゴリゴリ押すわけではないのかな?との印象を抱きますが、
本作は特に星空などの背景や、髪の毛などの人物共に、グラデーションが美しく癒やされました。

制作エピソードで凄いと思ったのは、
海果の青&ピンクグラデーションヘアーが、
クラスに配置すると目立って、内気主人公の性格ともマッチしないから、
周りのモブの髪型を青系に色彩設定したりして調整しましたという一件(※)

こうして作画・背景全体で角の立たない柔らかい映像を形成し、
人間関係のアレコレもオブラートに包みこんでいく。
白黒ハッキリした世界では無視される中間色の心の機微も多彩なカラーで捉えていく。

作風にもリンクした胃に優しいアニメーションで、ギスギスしても、もたれずに消化できます。
それでいてモデルロケットの挙動にはリアリティも感じる。

回を追うごとに作画の堅実な仕事ぶりに感銘を受けたので、
初回時の作画3.5点から4.5点に上乗せ。


【キャラ 4.5点】
主人公・小ノ星海果
終始おどおどしている内気な性格だが、
“宇宙人”明内さんと宇宙に行くという夢への情熱など、
芯の部分は力強く、ロケット研究同好会のエンジンとなる。
打算で人を口車に乗せたりしないなど、良い意味で不器用な言動が、
人間不信で引きこもった瞬(またたき)を部屋から引きずり出す。


自称“宇宙人”明内ユウ
ボナヴー♪マティヴー♪などと“宇宙語”で明るく弾けているアホ毛ピンク髪お団子少女。
“おでこパシー”によりデコを介して心を読み、灯台の一室に居住しているなど、
掴みどころがない。
一方で、普段と違う遥乃の些細な言動の変化を察知するなど、
人間の心情を捉えるアホ毛アンテナは伊達じゃない。
終盤は海果と中々の微百合ムードに。

あとは、自称宇宙人ってリアリティの壁にぶつかった時に、
宇宙人だからでゆるふわとかわすことができる便利な設定だなと思いましたw


宝木遥乃(はるの)
クラス副学級委員長で面倒見も良い、所謂イイ人なんだけど、同好会4人の中でも影が薄い。
が、薄い印象も、後半、{netabare} 夢を持ちたくても夢が見つからない、だから私は誰かの夢を応援する{/netabare} という葛藤として伏線回収され納得。
夢が無くたって生きる権利はあるし、輝くことだってできる。
凡百を勇気付ける貴重なキャラです。


雷門瞬(またたき)
同好会のメカニック兼ツッコミ担当。
海果にダメ出ししてひるませるなど、思ったことを口走る直情的な言動で、
宇宙に行きたいというフワッとした夢を、モデルロケット設計のシビアさで具体化し、
現実の冷水を浴びせる、ギスギスの主要発生源。


以上の主要4キャラクターが互いにぶつかり合ったりしながら、
各々の悩みの本当の原因や、自分では思ってもみなかった自分の価値などに向き合っていく。
星は人間関係という宇宙の大海原に出て誰かに観測されることで光り輝く。
互いに引き立て合うキャラ相関もまた美しかったので高評価。


サブではライバルでモデルロケットやリーダーシップに関して海果らの数歩先を行く
竜岡科学技術高の秋月彗(けい)の才能の一等星が無邪気に無自覚に、
六等星を脅かす感じで良好でした。


【声優 4.0点】
主演・小ノ星海果役の船戸 ゆり絵さん。
ちゃんとした滑舌で話すのはモノローグくらい。
会話シーンではドギマギと途切れ途切れになりながらも、一生懸命言葉を紡いで行く。
弱々しいようで核があり周囲を引き付けて行く海果の性格を汲んだ好演。

明内ユウ役の深川 芹亜さん。
みんなの前では炭酸飲料の如くシュワッと爽やか陽気な宇宙人。
海香と二人きりの時はシットリちょっとオトナな微百合成分配合。
大味なようで、シチュエーションに応じて声質を“湿度調整”する器用なアフレコ。

宝木遥乃役の永牟田 萌さん。
名前の付いた役は今回が初めてくらいの新人声優。
でありながら、上記のキャラ立ちさせ辛い深掘り設定を再現する堂々たる演技で片鱗を見せる。

雷門瞬(またたき)役の青木 志貴さん。
言葉はキツイけど、本当は良いやつというキャラクター性を、
口調のトゲの尖り具合を調整して、鬱が泥沼化しないスレスレのラインを通す。


新人1名を除けば、堅実にキャリアを積み上げて来たけれど、
大当たり!と言える当たり役がないまま中堅の域に差し掛かりつつあるキャスト陣が、
培って来た技術で、キャラの二面性をグラデーション表現するいぶし銀の演技で作品を下支え。

人気うなぎ登りの話題の若手も見たいけど、
こういう中堅どころで渋い仕事する声優さんにもどんどん活躍して欲しい。
私の声優欲は貪欲です。


【音楽 4.0点】
劇伴担当はsakai asuka氏。
平時は得意のエレクトロ・ポップでゆるふわなムードを醸しつつ、
ヤマ場ではピアノとストリングスで心情表現に連れ添ってガツンと盛り上げる好アシスト。

主題歌は声優アーティストで固め終始耳も癒やされる。
OPは伊藤 美来さんの「点と線」
EDは声優ユニット・サンドリオンの2ndシングル「天体図」
いずれも人間関係という大宇宙に勇気を持って飛び出したからこそ得られる煌めきを歌った、
作品の核を捉えた良質なテーマ曲。

終盤、挿入された明内 ユウさんによる全編“宇宙語”歌唱曲「spektro」
(※宇宙語表記では入力できないのでアルファベットでご勘弁をw)
“故郷の”星空に向かってキモチを解読不能な歌詞で綴ったピアノバラードに乗せて唱う姿が、
何だかんだユウが一番宇宙人らしいカット。


【余談】
最後に私も瞬(またたき)を見習って?直情的に余計な毒を吐きます。

きらら20周年を飾った本作を見放題独占配信したFOD。
たかだかフジ一局の映像配信サービスが、外資系を押し退けて天下を取ることなどあり得ません。
目指すべきは宇宙的視野に立った国内系配信サービス大同団結によるグローバル資本への対抗なのではないでしょうか。
チマチマした時限独占配信などやめて、本作も早急に開放して頂きたいです。

一週間限定で各話無料配信したTVer。
フジは見たくないから見ない。FODには加入したくない私にとっては大変有り難かったです。
ですが、相変わらずサーバーは貧弱で、CMを挟むタイミングも空気読めてません。
最近TVCMやYou Tube広告等でよく見かける、なかやまきんに君の「このネタ見飽きてひまぁ~~」のCM。
しつこくて超ムカつきますw
ひま~~とか言ってゴロゴロしている暇があったら、
まともなサーバー接続、固まらないUI実現によるサービス向上に励んで頂きたいです。

以上、うだつの上がらない国内系配信サービスへの愚痴をこぼしました。
お目汚し失礼致しましたm(_ _)m


【参考文献】※「星屑テレパス」のギスギス&シリアスの正体は……!? 大熊らすこ(原作者)×かおり(アニメ版監督)×原作担当編集者スペシャル座談会【まんがタイムきらら20周年記念企画】



【1話感想】見放題配信FOD独占なのでTVer見逃し一週間無料配信で視聴しているきらら系

{netabare}
サブスクにアニメ視聴を依存している身としては、
視聴当落線上に独占配信がちょいちょいあって鬱陶しく感じる2023年秋アニメ。

SF要素がちょっと気になるきらら系の本作もその一つ。
見放題独占しているFODに入りたくない私にとってはTVerだけが命綱。
初回の一週間無料配信終了も10/16(月)に迫っているので検討している方は注意が必要。


本作もまた、“コミュ力”などと言う曖昧模糊としたスキル評価に晒され心を磨り減らす現代人に向けて、
コミュ症の生態を描いて、共感や癒やしを与えるトレンドに乗った一作。

自称宇宙人・明内ユウは本当に宇宙人なのか?
常識的に考えれば記憶喪失少女の戯言だが、
対象とデコ同士をくっつけて意思を汲み取る微百合な交信能力“おでこぱしー”や、
アホ毛で捜索物を探知する“宇宙人レーダー?”を見るに、
ユウが宇宙人と言うのも強ち嘘とも思えない。
“宇宙語辞典”もネタか本気か判然としない。

SF要素がシナリオを牽引する原動力にもなるのでしょうが、
肝心な部分は結局ぼかされて終わりそうな予感も。

それよりもむしろ私は、コミュ力に不安がある登場人物たちが、
クラスの誰とでも仲良くなろうとする世間体を意識したコミュニケーションには真っ向から立ち向かわずに、
夢を宇宙に求める意外な方向性にピントを合わせた方が、深イイ収穫物が得られるのではと感じています。

{netabare} 海果が一生懸命に自己紹介してくれたことにユウが感謝{/netabare} する一コマとか、
結構コミュ論のツボを押さえているなと感心しましたし。

生き辛さを抱えた者たちにとって、本作の宇宙は何を象徴するのか。
秋の夜長に、SF視点と合わせて文学的な観点からも噛み締めたい作品です。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26
ネタバレ

wkr さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

雷門瞬という諸刃の剣

{netabare}あらすじ
人とのコミュニケーションが苦手な女子高生の小ノ星海果は 自称宇宙人の明内ユウと出会い、なんと宇宙を目指す約束をする。そして副学級委員長の宝木遥乃や
不登校気味の雷門瞬たちとの出会いの中でロケットを作ることになり──
(https://hoshitele-anime.com/ より引用)


久々にテレビ見たら録画してあったので視聴。三ヶ月前もテレビ見ましたが、僕ヤバ2期を録画し忘れたのが少しショックで完全に忘れてましたw


キャッキャウフフなきらら系を求めていた私は不意打ちを喰らいました。きらら系だと思わない方がいいです。


内容、私の印象としては、5話までは日常百合作品、6話からは青春(部活)モノです。5話までは上記の通りの内容で、主人公の変化等描かれているもののその枠に収まっている感があります。目的も「宇宙に行く為にロケットを作る」と曖昧で話もイマイチ締まらないです。「宇宙に行く」という目的は宇宙人(ユウ)のキャラのものですが、この目的があまりに漠然とし過ぎていて「ロケットを作る」という目的とうまく馴染んでないようにも思えます。ユウのキャラ設定もファンタジーだけど、確証を持てる描写がおでこぱしーくらいしかないのでこの設定がそこそこ曖昧であまり話に入り込めない。この宇宙という要素は百合要素のために組み込まれたものという設定の粗さを感じます。6話からはロケット研究同好会というものを立ち上げて明確に目標が定まります。ここのロケット作りの工程が丁寧に描写されていて見応えがあります。そして9話、メンバーが責任感やらで同好会が割れてしまうシリアス回なのですが、シリアスになってからキャラの繊細な心理描写や成長が光り、そこで更にキャラの魅力も出てきます。その後、みんなが自身の殻を破って一歩踏み出していき、最終的にいざこざが上手く纏まって同好会が再起する。と、ストーリーとしては、主に意思疎通の難しさや、キャラ達が纏まっていく様子が描かれていて、作画も終始崩れが見当たらない綺麗さで、1クール作品としては良い出来です。
しかし、おすすめはしづらいです。なぜなら、たった一人作品の癌となるヤバい奴がいるからです。
雷門瞬!!!!!!!!3話から出てくるこいつが暴れまくってます...物凄くイライラさせられました。3話までは優しく可愛らしい、Theきらら な雰囲気で、「求めていた物だ!」と思い込んでいたら、このキャラの登場でその雰囲気が崩れていきました。トゲトゲした態度で語気が強くて何でも斜に構えている難ありな性格で、最終回まではこのままなので不快要素の7~8割はこいつに帰納すると言っても過言ではない。特に8話、海果に対する言葉の暴力やパワハラが酷いのなんの。人によっては即切るレベルの不快要素です。その次の回もシリアス回と、この作品はシリアス要素が強めで、きらら系だから〜と萌えや優しい日常系を観る気持ちでいると不意打ちを喰らいます。自身の芯を通しているだけで決して悪いキャラではなく、ロケット関連はこのキャラ任せになってるので話的には必要不可欠。最終回時には一応トゲが抜けきって一件落着しますが、きらら系でここまでのアクの強いキャラは中々いないので、ストーリー的には良いもののウケは悪いという、かなりの諸刃の剣でした。それと、これは完全に私事ですが、主人公の10話までの海果ちゃんも観ていてイライラしました。凄くウジウジしていて、特に9話はピークになってシリアス展開も観せられるので特にイライラします。この作品は確かにいい出来ではありますが、シリアス要素が強めで、3話から11話まで雷門瞬というキャラが場を掻き乱すので、わざわざFODと契約してまで観ることはしなくていいと思ってます。

全体的にみて、きらら系らしからぬシリアス展開が目立ちますが、9話からはとても良い出来で最終回時には11話以前の問題点(雷門瞬)は大体丸く収まって、最後に百合要素を増してから終わるので、一応おすすめな作品です。


話毎に感想
{netabare}1話
あら^〜

宇宙人のはおでこパシーで感情を読み取れる。地球に訪れた際に記憶喪失、何かしなくちゃいけないことがあるっぽい。内容は、百合っぽい。導入としても丁寧で百合としても丁度いい塩梅で満足です。目的は宇宙を目指す、と曖昧ですが、メインは百合でしょうね。キャラの良いところや性格もしっかり描けてるし作画も良い。作画に関しては1話だからでしょうが、studio五組なので安心できます。

2話
仲間が一人増える

キャラデザ可愛いですよね。作画もまだ崩れてないからひたすら尊い。キャラもみんな優しいですね。これぞきらら
内容は、意外と真面目にロケット作ろうとして変な方向向かいそうだなと思いましたが、宇宙人が宇宙に帰れなくて逆に安心してたので、いい流れにもっていったなと。キャラ達の宇宙に対する想いなども見えました

3話
海果、一歩踏み出す

ロケットはどうやら本当に作ろうとしているらしい。海果ちゃんに友達が出来てから、じわじわと変化する様子が良く描けてます。この回の海果はウジウジしてて、キツい性格の雷門も加わるのでちょっとイライラしました。でも焦ったいまでのじわじわ具合はリアルで良いと思います。電波な考え方だからちょっと難しいけど、本質は自分を変えたいがための願いってことかな?そして海果ちゃんとユウの関係も尊い

4話
仲間が一人増える

海果ちゃんの想いが伝わって一人増えました。雷門がなんか鼻につくし、今後何かしらのイベントがあろうと好きになるには苦労しそう。

5話
雷門、今のところ好感持てる要素ナシ!キャラは立ってるけど無駄にトゲトゲしい性格が相変わらず鼻につくからキャラ交代して欲しい。自身の芯を通していて悪いキャラではないのは分かってはいるものの、序盤の優しい空気感がこいつ一人のせいで少し崩れてしまったのは痛い。海果ちゃんも少しづつ成長していく様子は良いんだけど、終始ウジウジしていてあからさまな萌え要因なのが、> <こういう顔(口がないやつ)は正直好きじゃないです。でもユウとの絡みは絶品ですね。その百合要素の完成度はピカイチだと思います

宇宙に行く!って目標も、最初から無理だって分かっているからなんか冷める。なにやってるんだろって感じ。比喩表現だとしてもその建前をちゃんと実行に移しちゃってるから比喩かどうかもよく分からない。けいおん!的な日常メインのタイプですかね。それだとしても真面目にし過ぎてる。それ抜きにしたら日常百合作品ですけど、主人公の周りの変化や海果自身の変化が描けているので、その面は上手くいってると思います

6話
相変わらず嫌味な雷門。先生が接しやすいからって謎の強気。怖い先生だったら何も言えない調子乗ってるタイプやろこいつ。「もっと(コーラ)飲め!」は将来有望ですねぇw雷門はなに勝手に決めてんの?返したから良いものの

今のところ、本筋と部活?モノ要素が上手く馴染んでいないから、内容の軸が見えないです

7話
一応目標ができる。

目標が出来たのは良いですね。前回までどっちつかずな内容だったので。それで夢は一緒に目指したいから雷門に掛け合うと、リーダーとしての成長もみられて良い回ですね。でもやっぱ雷門場違い。雰囲気でも抑えきれない鼻につく性格。こんな強く言わんでいいやろ

8話
春乃は結果よければ過程は最高でも失敗でも良い感じの考え方、良いこと言うね。それに対して雷門は...本当嫌な奴。自信過剰すぎて盲目になってる典型的な失敗タイプ。何でも斜に構えて自分の否すら認めれないとか、これもういじめだろ。消えてほしい。その海果ちゃんも悪いキャラじゃないけどなんかウザい。メインキャラの二分の一が苦手なキャラなのキツいなww

でもロケット作りの工程が丁寧に描写されてるのは良いね。

9話
シリアスいる??

序盤から観たくない展開を見せられた。くまみこ展開やめろ!友達も既にできたから宇宙を目指す意味もちょっとよくわからなくなってきた。と思ったらやっと気づいた。遅いぞ 曖昧に目指していた目標に可能性が出てくるのは良かった。挿入歌も凄かった
ハイスクールDxDのおっぱいドラゴンの歌CMで癒された。

10話
心理描写がきっちりしてて、遥乃ちゃんの過去や変化が描かれるいい回だった。でもシリアスはキツい

11話
先輩優しすぎる。失敗に寛容で雷門とは大違い。ほんとにこのキャラと交代した方がよかったのでは

内容、良い話!心理描写が繊細!でもBパートめっちゃ疲れた...(よくわからなかった)

12話
あのドギツいシリアスが最終的にうまく青春ストーリーに昇華できてて、おまけに百合要素増してくるとは...雷門のトゲもしっかり抜け切ってよかった、、手遅れ?

中盤どうなることかと思ったけど結果的には良作でした
{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

72.6 3 2023年度のコミュ障アニメランキング3位
機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (293)
978人が棚に入れました
その魔女は、ガンダムを駆る。 A.S.(アド・ステラ)122―― 数多の企業が宇宙へ進出し、巨大な経済圏を構築する時代。 モビルスーツ産業最大手「ベネリットグループ」が運営する「アスティカシア高等専門学園」に、辺境の地・水星から一人の少女が編入してきた。 名は、スレッタ・マーキュリー。 無垢なる胸に鮮紅の光を灯し、少女は一歩ずつ、新たな世界を歩んでいく。

声優・キャラクター
スレッタ・マーキュリー:市ノ瀬加那
ミオリネ・レンブラン:Lynn
グエル・ジェターク:阿座上洋平
エラン・ケレス:花江夏樹
シャディク・ゼネリ:古川慎
ニカ・ナナウラ:宮本侑芽・白石晴香
チュアチュリー・パンランチ:富田美憂
デリング・レンブラン:内田直哉
サリウス・ゼネリ:斧アツシ
ヴィム・ジェターク:金尾哲夫
ニューゲン:勝生真沙子
カル:小宮和枝
ネボラ:沢海陽子
ゴルネリ:斉藤貴美子
ラジャン・ザヒ:花輪英司
ラウダ・ニール:大塚剛央
フェルシー・ロロ:高田憂希
ペトラ・イッタ:広瀬ゆうき
セセリア・ドート:山根綺
ロウジ・チャンテ:佐藤元
プロスペラ:能登麻美子
マルタン・アップモント:榎木淳弥
ヌーノ・カルガン:畠中祐
オジェロ・ギャベル:KENN
ティル・ネイス:天﨑滉平
リリッケ・カドカ・リパティ:稲垣好
アリヤ・マフヴァーシュ:島袋美由利
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

女性の男性社会への間違った復讐劇…だから魔女なのか?

 さて、23年を代表するアニメとして、通しで2回目の視聴をしました。リアルタイムで考察していたよりも素直に視られたかなあという気がします。
 その結果、非常に深く面白く感動できる話だということを再認識しました。

 ウテナを彷彿とされる設定から始まった本作ですが、最後はプロスペラマーキュリーの復讐譚となります。夫を失った妻と娘ですね。
 ウテナが女性が裸なって王子様幻想から脱して自立せよ、のような結末でした。一方本作はあえて言葉を飾らずに言うと、ウテナで提言した女性像に対して、女性たちの強くなり方、男社会への復讐のやり方は間違っている、という話に見えます。というのはやはりクワイエットゼロの形状はどう見ても女性器のアナロジーです。クワイエットゼロは個人の復讐であり、間違った復讐です。
 一方でそれを壊すべく発動した、送電器に偽装した兵器は男性器のアナロジーでした。要するに性によっていがみあうことで生じる分断の象徴ですね。

 魔女というのはガンダムを操るものでありガンダムを作るもの。パーメット粒子というものを操れるものです。パーメット粒子は情報の塊ですから、情報を操る女たちの復讐劇、つまりフェミニズムの誤った形の実行かなあと現時点では見えました。ここはまた考察したいところです。今回気が付いた部分なので。

 一方でグエルがなぜあんなに極端な古風なキャラだったのか?ですね。力こそ正義とか分厚い鎧をかぶったような性格、威圧と権威主義は古い男性性の象徴でした。彼のような生き方をしていると、女性=スレッタに婿の地位を奪われるところからスタートしました。

 つまり、彼は間違った男性性の否定をするためのキャラだったのかなと思います。
 親殺しはすなわち男にとっての成長です。彼は裏方というかサポート役に回ったのはなぜか?あのフェンシングの一騎打ちは本当に実力だったのか?

 シャディクはグエルと対照的な、スマートでクールなキャラです。現代的な男性性だと言える気がします。彼は自分の信じる正義を陰謀によって実現しようとします。つまり、目的の為なら手段を択ばないという現代的な生き方の象徴だったと思います。何を考えているかわからない、常に茶化したような態度なども非常に今風です。

 で、ミオリネですが、彼女は最高の地位の後継者であり、トロフィーワイフでもある…ように見えて、実は父親の愛情ともっと視座の高い理念を理解できない優等生少女の象徴でした。命のやり取りや差別による貧困や争いの現実を知り打ちのめされました。
 彼女の髪型の変化にも注目です。大人びた髪型にした後の落ち込み方。部屋に引きこもった後がなんともいえませんでした。

 母親の遺伝子コードにより彼女は目的を達成するわけですが、親の子を思う気持ちの象徴ですね。
 これはほぼすべての主要キャラに言えますが、単純な「大人なんて」という子供の視座の問題意識で、一段上の現実の世界で生きている人たちを馬鹿にする今の子どもたちのアナロジーも感じました。まあ、ユーチューブを見て世の中間違っていると学校で騒いでいる子供たちですね。 その証拠にこの3人の行動が学校で考えていた思惑が全員失敗に終わります。

 彼らはお前は一人で生まれて生きてきたのか?というくらい不遜です。自分の遺伝子がどこから来たのか、そして自分が遺伝子を残す役割を果たさなくていいのか。

 一方で、世界をメチャメチャにしているのも資本主義の理屈であり、その点において大人は間違っているのですが、それは文明の恩恵が得られる原因でもあるので非常に難しいことです。

 スレッタです。母親の目的のために型にはめられた教育を受けた娘。毒親問題ですね。と同時にエアリアルという、スレッタを庇護するものの象徴から、キャリバーンといういう自ら戦うガンダムに乗り換えるということの成長です。庇護されてきた家族を自らの手で暴走を止め守り救済しました。
 学校生活やミオリネなどとの交流や、挫折の果てに成長して行くところなどが丁寧に描かれました。

 他に秀逸なキャラは沢山いて、それぞれの生き方を追うだけで多様な生き方が見えてきて、しかも、どこにも正解の提示がない、というのが本作の特に優れてていたことろだと思います。

 それと終わり方ですけど、やはり資本主義体制というのは簡単に変わるものではないということです。そのために必要なのは何か?それが学校という事だと思います。つまり幾つもの世代を通じないと急に変革など起きない、今学校ですべき事があるんじゃないの?という風にも見えます。

 アーシアン、チュチュやニカとガンダムパイロット2人と比較するのもいいと思います。つまりアーシアン側の2人がなぜ魔女、つまり情報を操るものとして描かれたのか考えると、分断とか親ガチャで騒いで相手を攻撃するよりも、努力して生き方を見つけろと言うようにも見えます。

 ということで、ガンダムというメカや企業とか軍の設定にはほとんど興味がいかないでキャラが何を意味しているのかばかりを見てしまいました。

 まあ、メタ的な意味でガンダムが消えるところを見て、ちょっと思うところはあります。

 OPは1クール目の祝福に比べるとちょっと凡庸でしたね。EDはアニメが良かったです。絵も綺麗だし意味深でした。


 本作は兵器とか戦争のようなテーマとかニュータイプというコミュニケーション論が中心だった過去のガンダムより、現代的なテーマを的確に描けた名作だと思います。
 本作を見た後だと、富野ガンダムが古く見えてきます。もちろん、今でも名作と呼べる作品は沢山ありますが、時代性と言う点で本作は現時点ではテーマ性が既存のガンダムから脱してアップデートされていました。

 アニメも綺麗だし、2クールの中に密度濃く、いろんな視点を入れてかつ面白い話に仕上げたと思います。

 物語の展開に若干ご都合主義があるものの、20年代以降の作品はテーマとエンタメの融合を優先して、展開の不自然さは多少目を瞑ったほうが良いと思います。

 本作のターニングポイントというか視点がはっきりするのは、19話と21話でしょうか。

 評価はオール5に修正します。初回は分割2クールで2クール目は集中できてなかったですね。今回見て話の深さに感動しました。特に主要4人のキャラがとても良かった。
 もう2回くらいあとで見たいですね。本当に深くて面白かったです。


以下 視聴時およびその後の考察レビューです。


{netabare}this is the story concludes the witch from mercury って出た以上、これでお終いということでよろしいのでしょうか。
 やはりシェイクスピアの「テンペスト」オマージュでメインキャラは誰も死にませんでした。何を言っているのかは本編でご確認を。トマトの人は気の毒ですけどね。

 PROLOGUEからのつながりでいえば復讐は何も生まない。という結論であると同時に一つの事件では何も変わらないのか?という感じに見えます。1年戦争のアバオアクーの結論で何かが変わったような気がした初代ガンダムでしたが結局その後も延々と続いたガンダムを連想します.
 が、その変わらなさをあえて連想させる終わり方だった本作の方が、少しずつの変革に向かいだした、という希望につながるような気がします。

 というのは、ガンダムが消えていくシーンです。あれが象徴的でした。まさに消滅して行きました。と同時にガンダムの素材が維持できないということはパーメットリンク消えたのだと思います。つまり、オカルトにも似たニュータイプのようなものは残らないということでしょう。
 ガンダムとニュータイプ=パーメットリンクはもうないよ。つまり、水星の魔女はこれ以上作ると蛇足になるので続編はないよ、ということだと思います。

 エリーが小姑ということは、まあ、そこはハッピーエンドと言えるのでしょう。戦争と医療というテーマがなかなか面白い作品でしたが、思っていたよりもスケールの小さな終わり方でした。

 
 結末については少し咀嚼したいと思いますが、しかし、平穏な終わり方という最も意外なほうに持って行ったのは、ある意味上手い裏切りですよね。なかなかいいと思います。

 ウテナ的な終わり方が見たかったですけどね。それだと今の時代にそぐわないのかも。逃避や急な変革じゃなくて、意識改革こそ新時代には必要な事なのかもしれません。つまり、ガンダムという超兵器=1つの答えで何とかなるような処方箋はないし、単純な力では何も変わらないよ、と。

 なんとなく宇宙世紀もののガンダムを追っている視聴者およびステークホルダーに対する引導に見えなくはないです。これをやられるとシードはまだしも、ハサウェイが色あせてしまう気がするのですが、大丈夫でしょうか。

 前半と後半のバランスが悪い気もしますが、どうしてもトマトの部分。つまり学園の内と外というのを中間に持って来たかったのでしょう。それは我々のような成人ではなく、本来ティーンに見て欲しいという事なのかもしれません。
 音楽は1期の方が圧倒的に良かったです。最終回はズル過ぎ。

 やっぱり構成はちょっと減点したいかなあ…もう2話、26話で出来なかったんでしょうか。まあ、言いがかりですけどね。むしろ説明が足りないからこそ、自分の頭で考える楽しみがありました。
 そう…こんなに楽しんだアニメは久しぶりです。もう1回どこかで見て、総括したいですね。

 ということで、非常に良いガンダム、良いアニメでした。制作陣に感謝を。


追記 学校が舞台だったことをどう読み取ればいいのか。

 ガンダム史上初めて学校が舞台でした。1期終わりの時点ですと、戦いの形だけ教えて、実際人を殺すのに役立たないということで学校の無力さを歌っていたのかなと思っていました。

 ただ、最後ですよね。学校のつながりで仕事をしていました。習った事はあまり役に立たないけど、つながりが仕事になるということでしょうか?

 資本主義社会の矛盾…結局大企業が勝つという雰囲気の中でしたが、しかし、アーシアンやどの企業に属している子供たちも、一緒に働いてましたよね。垣根を超えるのは新しい世代だというのと共に、学校時代に一生懸命やったこととつながりが花になる、という意味かもしれません。

 現状肯定ではなく、現状否定の物語ではあると思いますが、やはりガンダムによる一発逆転はないよ。次世代は若い人たちが学校でしっかり勉強して作っていってね、という事かもしれませんし、結局は親の背中を見ながら子供は育つという風にも見えました。

 また、ガンダムの技術はちゃんと医療に役立っているという感じもありました。戦争の傷跡を見せると同時に科学が肉体を補っていました。あとミオリネが持っていたトランクも同じ技術?



再追記です。

 ウテナ設定ですね。関係ないじゃんとは思いません。なぜかといえば、やはりガンダム・スレッタ・キャリバーンはウテナカーの対比だったからです。
 ウテナは王子様幻想とか闘いに明け暮れる学校という制度から裸で脱却し、女性の生きざまについてもう一度考えろ、という投げかけで終わっていました。

 本作については、逃避だけでなく提案がありました。今の社会の枠組みの中でどう生きるのか?ということです。
 上にも書きましたが、ガンダムでの一発逆転はないし、ニュータイプのような科学技術では分かり合えないということに加え、ウテナのような逃避も何も生み出さない。復讐は虚しいだけ。それよりも自分で目標と居場所を見つけ、少しずつ社会を変えて行こうという風に見えました。

 つまり、脱ガンダムと同時に脱ウテナということでしょう。だから、ウテナとの対比として百合設定が活きてきました。






以下 視聴時のレビューです。


15話 考えながら見ると面白い。新旧世代の橋渡しとなるガンダムの再定義にふさわしい作品。

{netabare}  15話(2クール3話)までで本作については、設定を考察してどうこう言う話ではないことは分かります。というか隠す気が無いくらい結構基本的な設定の構造はヒントを意図的にばら撒いていました。

 学校という牧歌的な舞台を描きつつ、外の不穏な世界を徐々に読み取らせていった1クール目が活きてきています。

 全員が信念に基づいて動いている。そして単純な悪意だけで動いている人はおらず、正義のためにやっているということでしょう。地球と宇宙の分断もそうですし、企業の経営者の考え方もそうです。
 あるいは医療という人を救う技術と兵器という人を殺す技術というテクノロジーの2面性も入っています。核開発時のアナロジーは強く感じます。

 結果としての戦争と対立。それがまるで宿命のように描かれています。これを国家に置き換えればほとんど現代の世界の状況そのものです。

 また、進歩したテクノロジーのブラックボックス、医療の生命倫理などなども読み取れます。親と子の意見の違い、毒親。そういったものがストーリーに組み込まれていて、素晴らしい脚本だと思います。15話のいろんな親子の関係を描いたのは良かったですね。2クールという情報が本当なら、それがいい方に作用しているのでしょう。テンポがいいし飽きさせません。
 また、単話しかでてこないような登場人物にドラマを感じさせる演出は大したものです。

 富野監督の時代とは違う。宇宙時代ではなくテクノロジー時代の新しいガンダムです。「テクノロジー」「多様性」「世代」「経済」「両義性」が生み出す摩擦により生じる人類の混乱。非常にアップデートされたテーマを描いています。
 それがまた無理なく1期の種まきからの続きとして描けているのがいいですね。ちょっと説明しすぎな気もしますが、分かりやすくしないと振り落とされる人もでてくるのでしょう。

 当然人間ドラマが中心になるわけで、既にロボットアニメではなくなっています。
 本作の楽しみ方は、考えることでしょうね。今我々が生きている家庭から世界戦争までを本作を見ながら考えることでしょう。EDのフワフワした捉えどころがないアニメを見ると不穏ですけど、おそらくはそこにヒントを隠しているのでしょう。スレッタの髪と衣装の感じから「女」を強く感じます。そういうテーマもでてくるのでしょうか。

 エンタメとしても緩急があって、複雑だし面白くできています。ガンダムの再定義作品にふさわしい出来だと思います。 {/netabare}


17話 面白過ぎて草。過去のいろんな作品が思い浮かびます。

{netabare}  SF的な問題として、エリクトの精神あるいはゴースト(魂)はどこにあるか、ですね。どうもコピーしたような雰囲気でしたので、この問題をスルーされてしまうと、深さが半減する気がします。
 逆に鉄腕アトム問題にもなりますが、それは本当の家族なのか?人格とは?という問題に肉薄できれば素晴らしいと思います。

 その一方で、グエル、ミオリネ側の親の意思を自分の意思で継ぐ、スレッタ、エレン側の毒親にコントロールされているのか、という対比があります。これは分かりやすいですが、2つ。グエル、ミオリネ側の意思もどうも操られている感があります。それがクワイエットゼロにつながる感じです。
 クワイエット・ゼロ。静寂そして零。そこがコロニー落としになるのか人類補完計画みたいになるのか。一方で、過去の遺物を消し去るために、親世代が自らの滅びか新世代の旅立ちを計画しているのか。

 メタ的に見ると日韓関係やバブル崩壊後の失われた30年のような世代間の責任問題にもつながってきます。分断の責任。これを相手に押し付けるだけでニュータイプというオカルトに救いを求めるだけだった旧ガンダムシリーズの引導としての作品です。

 ここを見ると「すずめの戸締り」の評論が無力だったことを想起します。あれだけ新海誠氏に稼がせてもらったユーチューブのインフルエンサーが何一つ分解できませんでした。まるでなかったことのようになっています。
 当たりまえですね。宮崎駿監督を認めつつ、旧世代はもう捨てようよ。つまり50歳以上の世代は自分たちの体験や知識価値観で、もう現代をネガティブな意見ばっかりで引っ掻きまわさないでよ。過去は悼みつつも新しい世界を覚悟して生きて行くからという話ですから、自己否定を突きつけられました。

 となった時に、本作ですね。過去のガンダムの否定はもちろんですけど新しい世界と価値。SNSもネットワークも当然の価値観に組み込まれた「ユーレイデコ」的な他人の言葉による不自由。自分の欲望は誰の欲望なの?という話、つまり構造の奴隷の中でも主体的に生きて行くのはどういう意味なのか、と言う要素も感じました。
 グエルが地球で体験してきた意味とか、その辺は効いてくるのでしょうか。うーん。と考えるとちょっとミオリネの思想のバックグラウンドが弱い気もしますね。これからかなあ。

 で、その元凶となるプロスペラの思惑は?というところはこれからなのかなあ。単なる復讐劇だと浅い気がしますので、やっぱり逆シャアの思想になるのかなあ。クワイエットゼロは。ただ、そこに過去の世代の責任を後に引きずらないという考えが入ると新しくなりますね。

 ゼロ…ゼロかあ。「日本人を名乗るみなさーん、お願いがあります…」もちょっと思い出しますね。


追記 総集編なので残念。ですが、今回企業グループが地球も宇宙も牛耳ってました。ということは、GAFAMのことのような気がしてきました。今まで宇宙と地球の対立軸で語られて今回も今のところ地球が敵っぽく見えますがどこか敵の正体が見えてきません…というか、何のために何と戦っているストーリーなのかが見えてきません。

 この見えない敵というのがGAFAMのことの気がしました。だからガンダム=ガンドアーム=禁断の技術、技術開発、つまりデファクトスタンダードの奪い合いがメインになっているのかなあ、と思いました。{/netabare}



18話 最高過ぎる。面白い。来週「一番じゃないやり方」ですね。

{netabare} 不穏です。「一番じゃないやり方」もう言葉が不穏です。むしろ、SFの名作「たったひとつの冴えたやり方」の否定ならいいですけど。つまり、ミオリネかグエルの自己犠牲に焦点が当たるんでしょうか。とにかく不穏でドキドキします。主要キャラの死が少ないのが気になってるので、どうなるんでしょう?
 そして、やはり人類補完計画の下地になるような技術に焦点が当たり始めました。最後の最後でミオリネVSプロスペラの予感です。

 まあ、それはいいとして、本当にこの作品いいですね。最高です。毒親かと思ってたプロスペラがそうでるとは…ドローンのような追従するタイプのガンダムのサブ機(Xガンダム的なやつ?)もありましたが、つまり、子供が犠牲になるガンダム、そして、少年の自己拡張としてのガンダムを否定です。

 あなた方の望むガンダムじゃないんだよ。というメタ的な視聴者へのメッセージの意味だとしたら最高です。ガンダムの力ではなく自分の力で立て…きついメッセージですね。

 作画ですけど、今週は発色が綺麗だった気がするのですが…ミオリネ美人でしたし、他のキャラもすごくビビッドでした。特に髪が良かったです。
 それにしてもミオリネ…彼女の内面が早く見たい。そして、その選択は?
 あと婚約者…なんかスレッタだと子供の遊びだったのに生々しいこと。なんか微妙にエロくて良かったです。まあ、そうではなくて2人の思惑がなんかあるのかもしれませんが。

 この作品2クールが前提なんですよね?そのせいでしょうか。いつものガンダムみたいに遊び回もないし、本当に密度が濃くていいです。最高です。 {/netabare}


19話 盛り上がってきました。ここまで来たら一度ガンダムにピリオドを打てばいい。

{netabare}  佳境に入ってきました。どんどん面白くなって行きます。

 母と娘…そして娘たち。そして復讐劇からスレッタを解放したエリ―。分断に直面し無力を露呈するミオリネ。学園から離れて始まる生徒同士の本当の意味での戦い。

 いままでの学園パートで描かれていた、牧歌的な雰囲気が一気に収束してゆきます。が、こうなるのはプロローグあるいは1期の頭数話見ればわかったことだし、それを隠そうともしていません。

 では、その意味するところ、つまりどこに向かうか、です。こうなるとクワイエット・ゼロはつまりモビルスーツを全て破壊する…つまりガンダムの歴史を一回リセットしようという意味に見えます。
(クワイエット…黙れの意味があるので、ファースト厨の老害黙れという気もします)

 そうじゃない、平和利用しようよ、というのがミオリネですね。企業体はガンダムを兵器として利用する。

 そこでスレッタは?という展開になりそうです。スレッタは覚醒の予感です。家族への回帰…新しい家族の形…今回ガンダムの能力の使用方法のさらなる拡張の可能性が見えました。
 やはりガンダムを使った新しい人間のコミュニケーションに帰着するのでしょうか。

 あるいはですけど、皆騙されたと思っている「ウテナ」ですね。やっぱりスレッタ=ガンダムでミオリネと共に全裸で荒野=宇宙へ…だと最高です。
 もうここまで来たら、大河内脚本やらかしてほしい。そしてガンダムにピリオドを。

「一番じゃないやり方」の意味は自己犠牲ではなく、みんなが善かれと思ってやっていることがベストの選択になっていないということで、ゲーム理論の話みたいに見えました。つまり皆の戦略的選択を変更する要因がなく、しかしゲームの結果、つまりナッシュ均衡解がパレート効率、すなわち戦争ということですね。 {/netabare}


21話 髪型はスレッタの髪型はいつ変わるのでしょうか?

{netabare} エンジェルハイロウ+モビルドールシステム?サイコフレームかもしれません。大量破壊兵器としても機能するんでしょうか。ガンダムのラストは大量破壊兵器との戦いです。ソーラーシステム、コロニーレザー、ジェネシス…つまりガンダムマナーはしっかり受け継いでいます。

 プロスペラはエリーとともに復讐は果たすのでしょうが、スレッタをガンダムから下ろした意味を考えれば、当然スレッタのことも愛しているのでしょう。
 結果的にプロスペラは何かと刺し違えて、スレッタ(+ミオリネ)を守るために殉じる気がしますが、これは読みというより本作の意味を考えるとそうあって欲しいということです。

 やはり最後はウテナ的な二人の旅立ちで在って欲しいなあ。水星か他のところでやり直しかなあ。

 この第2クールですが、要するに本作は議会連合とかベネリットグループとグループの数社が学園の子供たちとの対応関係になっているので、設定がややこしいように見えますが、ここで重要なのは各子供たちの親との関係でしょう。エレクトもクローンでしょうがクローンとして生まれてきた意味を問われれます。

 ですので、敵対の図式はプロスペラの復讐と企業・議会の「大人たち」になるでしょう。では子供たちはどういう選択をするのかが、本作第2シーズンの意味です。

 で、第2クールで肝心なのはやはり髪型でしたね。髪型が変わる=大人の世界に入る。その途端実際の戦争と人の生き死に関わるということでした。そしてスレッタの髪型がまだかわってないですねえ。チュチュの髪型は変わって欲しくないですけど。


 今回のガンダムは過去SFのオマージュまではいきませんが、何か過去のSF的発想を感じます。で、マキャフリーという人のSF小説で「歌う船」シリーズというのがあります。
 この「歌う船」を知っていると、エリクトの設定そのものなのであまり悲壮な感じがしていないなあ。特に「旅立つ船」のヒュッパティアが可愛いので、SF好きな方は。{/netabare}


22話 アニメはたった1つのシーンの為だけに存在することもある。

{netabare}  前半話が猛スピードで過ぎて行き、ガンダムあるあるのフェンシング対決など一瞬で終わってしまいました。

 が、いいんです。いろいろ展開とかテーマを考察してきましたけど、要するにスレッタ覚醒、自力でガンダムを操縦する…そして母親と対決。そのシーンこそ私は見たかったということです。

 もちろん半年以上かけて見続けたせいもあるでしょうけど、本当に良かった。最高です。アニメ作りは、たった1つのシーンのために存在するということもあり得るでしょう。今回で私にとっては、1つのカタルシスでした。
 もし、後は自分で考えろと今回で最終回であったとしても、私はいいと思います。いや、嫌ですけどね。それくらいこのシーンを待ち望んでいました。

 スレッタは無茶をするなといわれても無茶はするでしょう。大河内脚本なので悲惨なのも覚悟しています。していますが、ハッピーエンドの一縷の望みをドキドキしながら待ちます。あとは結末を見守るだけです。{/netabare}


23話 もう少し肉親同士の結論をじっくり見せて欲しかったなあ。

{netabare}  データストームを停止するコードをプロスペラが変えたと言っていて、ミオリネの遺伝子に組み込んであった言葉で停止して「お母さん」と言っていたので、プロスペラがミオリネのお母さん???と一瞬混乱しました。良く良く画面を見ていると、停止コードの入力画面と管理者権限のエマージェンシー用の画面を切り替えてたんですね。
 つまり、デリングの妻への愛なのか、夫婦のミオリネへの想いなのか、母の残されたメッセージなのか知りませんが、そういうことなんですね。

 設定とか裏設定とか、そういうのはいくら分かりづらく組み込んでもらってもいいんですけど、ここはもうちょっと入力のインターフェイスを分かりやすくかえるとかしてほしかったです。

 その意味でいうと、戦闘シーンは削っても、もう少しミオリネとプロスペラの舌戦が欲しかったなあ。
 もちろん人間は気持ちが昂るとどんな議論でも相手を受け入れなくなるでしょうからなにかもう一つ、ミオリネ・スレッタ・デリング・エリー・プロスペラおよびミオリネの母親の遺志の関係で、何かエピソードが欲しかったです。

 その点では、グエルの兄弟は後始末としては意外性が何もないので、もっと短くしても良かった気がします。

 ということで、いよいよです。巷では本作はテンペスト(シェイクスピア)のオマージュ云々という話がでています。
 キャリバーン、エアリアル、プロスペラ、データストーム(嵐)ですので、まあ、そういう意図もあるのかもしれませんが、復讐譚で名前だけじゃん、と思ってましたが、ひょっとしたら「関係者が一人も死なない話」という意図もあるかもしれません。
 グエルとデリング等々を見るとそんな気も…と言う事は死んだと思っていた人が…???{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

連鎖する【呪い】、そして・・・

●繰り返される【ティタノマキア】

ニュータイプのララァ・スンは【オカルティズム】の象徴的存在であります。

ララァの搭乗機は「エルメス」、{netabare}ギリシア神話の【ヘルメス】であり、
ローマ神話の【メリクリウス】であります。

【メリクリウス】は英語で【マーキュリー】といいます。

【マーキュリー】は水星でありまして、水星神【ヘルメス】は【錬金術師】であり
【水星の魔女】に繋がるわけであります。

【錬金術】は【黒魔術】とほぼ同じものでありまして、
【666】が示す【禁断の秘術】に一致します。

【ネクロマンサー】が使う【ネクロマンシー】も【黒魔術】の一種であり、
「人形使い」の「ゴーストハック」と同じ意味合いがあります。

「クワイエットゼロ」は恐らく【ネクロマンシー】のような遠隔操作を可能とする技術でありまして
それは【ムーンショット計画】で示された10体もの「アバター」を一度に遠隔操作できる
テクノロジーに繋がる話であると考えられるわけであります。

【ムーンショット目標】で示された「人類アバター化計画」の推進により
神話とフィクションと現実が融合された新世界が誕生するのであります。

スレッタは母と姉に対峙すべく【キャリバーン】に乗ることを決意します。

【キャリバーン】の名前の由来はシェークスピアの「テンペスト」に登場する怪物
キャリバン=カリバン(Caliban)でありまして、「人食い」(canibal)を意味します。

「人食い」は「天国大魔境」の「ヒルコ」、そして巨神族の長【サトゥルヌス】に繋がります。

【ティタノマキア】とは親子同士の「食い合い」、「殺し合い」でありまして
「ガンダム」とは「人食い」の「巨神族」を表す存在なので、ガンダムでは残酷な死が
当然の如く描かれるのであります。

人食いのキャリバーンに乗る直前のスレッタはミオリネと彼女の母が関わる
トマトの遺伝子コードの話をします。

贈り物を贈る女性=「アネシドラ」とは「パンドラ」の別名でありまして
ミオリネとは「パンドラ」であるということを示唆しているのでありましょう。

【禁断のテクノロジー】は恐らく母から娘のミオリネに受け継がれたようにも思えました。

キャリバーンに乗る直前のこのシーンで気になったのはトマトの遺伝子コードの話をしてる最中に
スレッタの後頭部辺りに何か装着しているのが見えたことでありまして、
恐らくそれは「阿頼耶識システム」のようなものなのかもしれませんが、
左側から見るとそこに「コロナ」と読める文字が記されていたのであります。

コロナと言えば「コロナワクチン」でありますが、「コロナワクチン」は
遺伝子細胞治療の一環であり、しかもアストラゼネカの「ウイルスベクター」ワクチンには
DNAが内在されており、これが意味するのは、遺伝子組み換えの人体実験が
既に「現実世界」で始まっているということであります。

パンドラの贈りものは、開けてはいけない箱だったのでしょうか?
それが希望となるのか、災いとなるのかは、未だ不明であります。{/netabare}



●鏡に映るもの

ギリシア神話の【女神】は魔法を使う【魔女】でもあります。
【魔女】の姿は鏡に映る【女神】の真実であります。

{netabare}【魔女】は【魔族】であります。

ということで、【ベル】という名の【魔女】が「ガンダム」に対峙することにより
「真実」が映し出されるのであります。

【魔女】とは本来【魔族】であり、白雪姫に「毒【林檎】」を与え死に至らしめる
【エデンの蛇】に相当する役どころでありました。

鏡に映る真実を捻じ曲げ、【魔女】を「魔法少女」にデフォルメし聖なる存在に改変する
発想こそが【グノーシス主義】であります。

白雪姫の「白」には聖なるものの意味合いが
魔女の「黒装束」には邪なるものの意味合いが、込められていましたが
【グノーシス主義者】の活躍により見事に【逆転】されてしまいました。

【ベル】という名の【魔女】が「ガンダム」に対峙するのは必然であり
故に鏡の真実を見極める必要があるのだと考えるべきでしょう。

【林檎】あるいは「毒【林檎】」は【禁断の果実】であり、禁断のテクノロジーを表します。
【遺伝子操作のテクノロジー】が現実世界でも解禁されることになるでしょう。

スレッダ・マーキュリーはそれの暗示であります。
例えば綾波レイ、「エルゴプラクシー」のビンセント・ロウ。

大阪万博以降に計画は急ピッチで進むことになるでしょう。


学園に通うスぺーシアンはどいつもこいつも糞であり、鬼畜であると推測されます。

学園に通うスぺーシアンの子倅共は例えば「GAFA」のように戦争ビジネスでぼろ儲けした
企業経営者の親の脛をかじってのうのうと生きている特権階級であり
勝ち組には弱者を搾取する権利が当然のようにあると信じる【優生思想】
に毒された独善的な思考回路を持つ種族なのでしょう。

世界最大の軍事大国アメリカ合衆国の本質は「株式会社アメリカ」であります。

独立戦争により英国から独立したように思わせておいて、実質的には財政難により
英国の「金融マフィア」に屈服し、以降【国際金融資本】と呼ばれる株主たちの利益追求
それだけのために活動する株式会社に成り下がりました。

米国最大の公共事業とは戦争でありまして、国費を湯水のようにじゃぶきゃぶ注ぎ込んで
世界各地で戦争を引き起こし、戦争ビジネスで荒稼ぎするということを馬鹿の一つ覚え
みたいに繰り返しているのが株式会社アメリカの実態であります。

日本を含むNATO諸国はウクライナ紛争の責任はロシアにあると断言してますが
そもそもの紛争の原因をCIAなどの工作機関を使って作り出したのは株式会社アメリカであります。

戦争ビジネスで儲けて株主還元するというただそれだけのために戦争は無理やり引き起こされます。

ロシアもこのビジネスのグルと言えばグルですが、より大胆により強引に
国際紛争の火種を生産しているのは株式会社アメリカであります。

国際金融資本が世界的経済システムを確立した以降に起こった近代の戦争は
漏れなくビジネスとしての戦争でありました。

日本の欧米列強に対する自存自衛のためのかつての戦争も目的としては真っ当であるようでも
実質はビジネスに利用されただけの消耗戦であり、ウクライナ支援という名目で経済支援しても
支援金が武器を購入に充てられ武器商人と株主を潤わせるいつものお約束パターンなのであります。

ガンダムシリーズではジオニック社やアナハイム社などの武器商人の存在が描かれますが
戦争ビジネスのより本質的な要素は出資者である株主の存在にあると言えましょう。

株式会社ガンダムの代表ミオリネはガンダムの軍事利用に反対しますが、
例え医療目的であろうが、製薬会社など医療マフィアとその株主を潤すだけで
弱者を搾取して儲ける基本構造に大した違いはありません。

環境維持活動も平和維持活動もこの世界ではすべてが利権となり
弱者から搾取して株主というホルダーに吸収されるシステムがフル活動するのみであります。

ウクライナ紛争が起これば株式会社アメリカも儲かりますが、ロシア&ウクライナにいる
【オリガルヒ】と呼ばれる特権階級貴族も儲かります。

戦争ビジネスは儲かる商売なので人類が死滅するまで終わることは無いでしょう。

戦争反対という名目でロシアやウクライナを非難することほど意味がないことはありません。

我々の真の敵は株主でありまして、その正体は我々の飼い主、ホルダー様であります。

刹那・F・セイエイは戦争の原因=「世界の歪み」について問いますが
正解を導く鍵を握っているのがミオリネなどのスペーシアンであるわけであります。

鏡に映る世界の真実は、どのように見えるでしょうか? {/netabare}


●すべてが「ゼロ」になる

「人類補完計画」は人類に進化をもたらすのであります。
同じように「株式会社ガンダム」も{netabare}人類に進化を促すことを目指すでしょう。

「【ガンド】アーム」を起動させるには【ネクロマンサー】や【魔女】が必要であるのですが
「強化人士」というのもそれに近い発想で開発されたということになるのでしょう。

搭乗者とのシンクロ率は100%が望ましいために、搭乗者改造のテクノロジーも
重要な意味合いがあるということになります。

内閣府のホームページに記載されている【ムーンショット目標】の目玉として「遺伝子操作の技術」がいづれ本格起動するものと予想されますが、本作においても
搭乗者を強化するには遺伝子操作の技術は欠かせないものであるような気がいたします。

シンクロ率100%を達成するならばガンダムと操縦者の垣根が消えるどころか
「ゴースト・イン・ザ・シェル」の状態となり、ガンダム=草薙少佐となります。

人間とサイボーグの垣根もなくなりまして、従いまして「俺がガンダムだ!」という
刹那・F・セイエイの「※願い」が叶うわけであります。

「補完」されると「パシャ」という具合で、人の器の垣根がゼロになります。

目的のためには手段を択ばない父、碇ゲンドウに水星の母魔女、そして
もう一人の鬼畜な母親の影がちらつくわけであります。

果たして娘は【禁断のテクノロジー】を継承するのでしょうか?{/netabare}


●【鬼】畜人種が縋る神

アホ毛のホルダー水星ちゃんの母親は「【鬼】{netabare} 畜」でありますが
同じくアホ毛のホルダーであるミオリネの父親も「【鬼】畜」の類であります。

だとしたら恐らくミオリネの母親も「【鬼】畜」の眷属であるのでしょう。

ミオリネが母から受け継いだ「菜【園】」には「赤い果実」が実っています。
「赤い果実」は【エデンの園】の【禁断の果実】を表しています。

【禁断の果実】は【禁断のテクノロジー】を意味したりもします。

「【ガンド】アーム」の技術を飛躍的に進化させる功績をもたらしたのは
【ベル】と呼ばれる【魔女】であったのかもしれませんが、もしかしたらミオリネの
母親が研究していた理論も「【ガンド】アーム」開発の根幹にかかわるもので重要な意味が
あったのかもしれません。

今期のOPは曲も含めては攻めてる感が凄いですが、EDの方もかなり凄いことになっています。

ED映像の冒頭では「アホ毛」ホルダーの水星ちゃんの頭上に太陽のような天体が輝いていますが
この構図は「チェンソーマン」OP映像で狐先輩の「チョンマゲ」の頭上に映画館の映写機が投射する
光源があるというのと全く同じ位置関係になっています。

これが何を意味するのかの言えば、「アホ毛」「チョンマゲ」が【オベリスク】の役割を
果たしているということでございます。

これと全く同じように【推し✡の子】では「星野アイ(ai)」という【アイドル(偶像)】の頭上の位置
に【✡】が輝くという映像描写が示されております。

【オベリスク】は【星の種族】にとってとても重要な意味合いがあるため
このような表現は何度でも繰り返されるのであります。

【星の種族】とは誰のことでしょうか?
【占星術】に長けていた【海賊】の種族である【フェニキア人】そしてその末裔であります。

【フェニキア人】と「ユダヤ人」の混血である【ヒラム・アビフ】は伝説の【マスターメイソン】
であり、【フリーメイソン】の創始者とも呼ばれるカリスマ的【石工職人】でありました。

【フェニキア人】と「ユダヤ人」は外見が酷似しており、同じ種族のように見えてしまうのですが
特徴的なのは肌の色が「浅黒い」ことであります。

「ララァ・スン」は色黒の肌をしていましたが、ぱっと見はインド人のような雰囲気でありました。
本作の水星ちゃんとその家族はどの民族に該当するのでしょうか?

結論から言えば【フェニキア人】であると推測いたします。
水星ちゃんは「赤色の髪」をしていますが、赤色と言えば【フェニキア文化】では
重要な意味合いがあったりします。

一つには【フェニキア】の聖獣【フェニックス】が「火の鳥」であり、赤色が聖なる「火」を 表すので
赤色には特別な意味があるというものであります。

もう一つには、【フェニキア】の特産品に貝から取れる染料がありまして、その色が
「紫色」もしくは「緋色(スカーレット)」であり、【フェニキア】とはギリシア語でその染料の色を
意味してるということで、例えば「緋色」に特別な意味があるという話になるわけであります。

更に独自の見解を加えますと「赤色の髪」と言えば伝説の?【巨人族】の髪の色がそうであった
らしいのですが【アラム人】や【フェニキア人】や【カナーン人】は純粋なる人間種ではなく、
何か?との混血種であるために純血種であるユダヤ人に与えられた「選民」性がなく、
ユダヤ人によって聖絶=殲滅されるというある意味宗教戦争的な【生存戦略】合戦が行われた
ということで外見上は「ユダヤ人」とそっくりな【アモリ人】や【カナーン人】などの混血種
との血縁の違いを区別するために「赤髪の巨人」の赤色に特別な意味合いを持たせている
のではないかとこのような推測を個人的にする次第であります。

【フェニキア人】、【アモリ人】、【カナーン人】と言えば【古代バビロン】や【古代エジプト】の
文化を継承していることからしても、そして人種的にも野蛮な種族であったと言えるわけでありますが
その最たるものが、【バアル神】=【モレク神】崇拝の宗教であります。

【バアル】は【鬼神】でありまして、この【鬼神】に「※願う」なら、
例えば「豊作」をもたらしてくれます。

豊作ならば当然経済は豊かになりますので人々は、こぞってこの【鬼神】の【偶像(アイドル)】を
作りこの【偶像】を拝み「※願い事」を叶えてもらうわけであります。

しかしながら「※願い事」はただでは叶えられません。
【等価交換の原則】により「※願い」に見合うだけの「対価」を払えと
【鬼神】は取引を持ちかけてきます。

今の日本の神社では賽銭箱に賽銭を入れます。

ヒンズー教のガディマイ祭では大量の動物の【生贄】が捧げられます。
ちなみに2014年には20万もの動物が斬首されるという形で【生贄】に捧げられ、その残虐性から
動物愛護団体などから猛抗議を受け、規模は縮小傾向にあるものの未だ儀式は続いていたりします。

「貪欲な女神」を満足させるには20万もの動物の【生贄】が必要なのですから
当然【鬼神】も途方もない「対価」を要求するわけであります。

【鬼神】が最も好むものは人間の【子供】であるため
「※願い」を叶えて欲しい親は自分の子供を【生贄】として【モレク神】や【バアル神】に
喜んで捧げるのであります。

この人間を【生贄】に捧げる儀式のことを【人身御供】と言いまして、日本でも古くより
この悪しき風習に骨の髄までどっぷり浸かっていたのでありました。

かくして「祇園祭」などでは馬や山車に乗った子供を市中引き回した後に神に捧げるという
伝統の儀式を人形などを代わりに用いて再現しているわけでありまして、賽銭箱に賽銭入れるのも
動物を惨殺するのも【等価交換の原則】が機能するという意味では同じ「ご利益信仰」の【偶像礼拝】
の儀式であるということになります。

【フェニキア人】ではなく【ユダヤ人】にだけ「選民性」が与えられた理由、
それは「モーゼの十戒」にある【偶像礼拝の禁止】にあると言えます。

まるで「貪欲な女神」のように【偶像礼拝】の悪習に囚われる貪欲な人間の種族を淘汰するという
【生存戦略】の使命を与えられたのが「モーゼ」率いるユダヤ人であり、預言通りに
【カナーン人】は「聖絶」され滅んだわけであります。

やがて【フェニキア人】の商業都市国家群も「ローマ帝国」によって崩壊するわけでありますが
それで【フェニキア人】が滅んだのかというと実はしぶとく今も生き残り、むしろ彼らの【生存戦略】
が功を奏したかのようにしてかつての栄光を取り戻すに至るのでありました。

【鬼神信仰】の儀式とそれと密接の関係があるのが【呪術】でありまして
【呪術】は【黒魔術】でありますから、その使い手を【魔女】と呼んだり【巫女】
と呼んだりするのであります。

当然「水星の母魔女」も【等価交換の原則】を熟知していますので復讐を果たすためには
それに見合う「対価の支払い」が必要なのことも当たり前のように知っているわけであります。

「どろろ」に登場する加賀藩領主の父親は領地と領民のためという大義名分のもとに
「王様ランキング」の巨人族の父親は王権維持という大義名分のもと
我が子を【生贄】に捧げます。

このような【偶像礼拝】の儀式に見られる【等価交換の原則】に直結するのが
「【ベル】の法則」でありまして、「貪欲な※願い」に対する「対価の請求」が
確認できるというわけであります。

「パーメットスコア【8】」に達するならば「母魔女」の「※願い」は叶うのでしょう。

ED映像で水星ちゃんが一緒にダンスをするのは母でもなく姉でもありません。
姉は「覚醒し」母の「※願い」を叶えるのでありましょう。

水星ちゃんは家族から取り残され一人寂しく佇むだけなのでしょうか?
恐らく水星ちゃんに寄り添うのは「17歳」の花嫁なのでしょう。

結婚が「融合」を表し、「アホ毛」が【オベリスク】であるならば
「2本の柱」は融合することになるでしょう。

「パーメットスコア【8】」に対抗するためには相応の代償が必要ということになります。
ということで「運命の花嫁」が重要な役を果たすことになりそうな予感がいたします。 {/netabare}




本作のタイトルが「水星の魔女」であるというそれだけで、期待値はMAX状態でありましたが
前期のパフォーマンスには正直期待外れなものを感じました。

しかしながら今期「魔女」が遂に「大覚醒」を果たした模様であります。
ここまでの純粋な物語だけの評価ならば「青のオーケストラ」に勝っていると言えるほどに
パフォーマンスは極上でございます。

過去の「ガンダム」のすべてを否定し、これを修正するのが本作の使命であり、
それを見事に達成するであろう勢いを本作に感じます。

「水星の魔女」こそが「俺のガンダムだ!」と刹那・F・セイエイも吠えること
間違いなしの展開が期待できます。

アニメアンチとしては、初期作「機動戦士ガンダム」=「1st」こそがガンダム作品の最高峰であると
妄信しているような老害たちを綺麗さっぱり葬り去るかの如く、ガンダム信者の誇大妄想を
完全粉砕してくれることを本作に望むところでございます。

設定も構成もなかなかに洗練されており、前期の「学園ガンダム」とかぬるいなと思いつつ
本作の実力を甘く見ていた当方はすっかり陽動作戦の罠に嵌められたようであります。

学園生活がぬる過ぎて憤りを感じるくらいなのは設定{netabare}というやつでありまして
温室栽培でぬくぬく育つスペーシアンに対するアーシアンの怒りが募りに募って
遂には炸裂するというお見事な予定調和への誘導であったわけであります。{/netabare}

「フレッシュトマト事件」は、変化の予兆{netabare}を示すフラグであり、これの意味するところを
軽く見ていた当方は、今になってしくじった感いっぱいで苦笑いの状況でございます。

「娘」のネタばらしもあっさりこなして次に向かう怒涛の展開に目が離せないと言うべきでしょう。

前回の繰り返しになりますが、本作においてガンダムの秘密が見事に暴露されました。
「ガンダム」とは「【ガンド】アーム」のことであります。

「【ガンド】アーム」と言われても意味がわからないという人のためにざっくり説明すると
「ニュータイプ専用兵器」ということになります。

これを扱えるのは例えば「ララァ・スン」のような特殊能力持ちに限られ、これはSFファンにはとても
残念な話とも言えますが、普通の凡人パイロットが操縦できる代物ではないという結論になります。

つまり「普通の兵器」とは違うのであります。

そもそも「ガンダム」はロボットではなく「モビルスーツ」であります。
乗って操縦するものではなく肉体の一部であり身体の拡張体でありますから、進撃の巨人のエレンが
巨人化したようなものこそが本来の「ガンダム」のあるべき姿ということになります。

「【ガンド】アーム」の【ガンド】とは何でしょう?
【ガンド】とは「幽遊白書」の浦飯幽助の必殺技である「霊丸(れいがん)」のことであります。

元ネタは【呪術】のカテゴリーに属するもので、手の指で「銃」の形を形成し
指先に「霊力」を込めて目標に向かってその「霊力」を打ち出し飛ばすというものであり
小さい子どもがよくやるような「ピストルごっこ」そのものというべきものであります。

ガンダム=「【ガンド】アーム」でありますから【呪術使い】のようなの能力者以外は
これを操れないという結論になります。

例えば【呪術使い】の【ネクロマンサー】がゾンビを操るのとガンダムの操作は同じということになり
まして、コクピット内の操縦レバーとか足元のペダルとか意味ありませんですよ…という話になります。

【呪術】とは【黒魔術】と同義でありまして、【黒魔術】を扱うのは【魔女】ということになります。
能力者ララァ・スンが操る機体は「エルメス」でありますが、「エルメス」とは
ギリシャ神話の【ヘルメス】のことであり、ローマ神話では【メリクリウス】と言いまして
英語では【マーキュリー】と表示します。

【マーキュリー】は【水星】ですので、合わせて【水星の魔女】となります。

【魔女】自体がかなりやべぇ存在でありますが、これが【ネクロマンサー】と同じ【呪術使い】
となるとどう考えても【オカルティズム】の領域の話になり、従いまして
岡田斗司夫氏が言っていたかつて話題になったという「ガンダムはSFか?」論争の答えが
ガンダムファンの期待を裏切るような形で明確に示されるというオチであります。

つまり「ガンダム」とは(その本質は)【オカルト】であったということであります。

最終的にレビュータイトルは「連鎖する【呪い】と【ムーンショット目標】」とするつもりですが
ここで【ムーンショット目標】に言及すると話がとことん長くなるのでそれは後回しにして
まずは「【ベル】の法則」から話を進めていこうかと思います。

「【ベル】の第1法則」は「死亡フラグ」
「【ベル】の第2法則」は「代償の請求」
「【ベル】の第3法則」は「災いの発動」
このようになります。

一番わかりやすいのは「第1法則」ですが「【ベル】の法則」の本質は「第2法則」にあります。

「ご利益信仰」である【偶像礼拝】を行い「※願い」を例えば「女神」に叶えてもらうのですが
【貪欲な女神】は「※願い事」成就の引き換えに「代償を請求」するという仕組みでありまして
【偶像礼拝】には【等価交換の原則】が付きまとうという話であります。

【魔女】の母は「ガンダム」という力を得るために、「※願い事」を叶えるために
「対価の支払い」を行いました=「我が子を捧げる」という形で・・・

これが世界中で流行した【偶像礼拝】の本質というべきものであります。

手塚治虫原作の「どろろ」そして【巨神族】のボッチが主人公の「王様ランキング」
すべてが繋がる「【呪い】の連鎖」とも言うべき、「人類の黒歴史」の真実が
ガンダムの秘密と共に明らかになるという壮大なスケールの話でございます。

「【ベル】の法則」は「【ベル】の秘密」につながっています。

「アホ毛」とはアニメファンの萌えを誘発するために作られたような
小粋なパーティグッズの類ではありません。

【魔女】の母親が「【鬼】畜」であったことを示すシンボル的な設定を示すものであります。

お次の話題は【魔女】がほくそ笑む【ワルプルギスの夜】にするか?
【禁断のテクノロジー】から【ムーンショット目標】に繋がるネタにするか?は
次の放送を見てから決めようかと考えてます。

そのようなマニアックなネタを披露するよりも本作に絡む「戦争」の話を
先にするべきなのかもしれません。

ある意味「ウクライナ紛争」の本質を見事にバラしてるような本作は過去一危険でありつつ
最も「ガンダム」らしいガンダム作品であると言えるようにも思います。

【呪術】に【禁断のテクノロジー】に、【戦争ビジネス】にまであらゆる角度から
語れるのが「ガンダム」という作品の本質であります。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

赤いたぬきSeason2

OPとEDの落差~
{netabare}EDを見るにスレッタって、強化人士ってオチもあったり?{/netabare}

24話
{netabare}
ガンダムあるあるオカルトからの
まさかの死人のでないハッピーエンド!

メスガキシスターは、真エランよりも優秀過ぎたのは草。
{/netabare}

23話
{netabare}
今回のファインプレー
フェルシー、強化人士5号。

グエ虐でラウダ殺すのかと思ったら、
ラウダの暴走を止める為に殺される覚悟とか主人公過ぎる。
グエルが殺されそうになったのを止めたフェルシーファインプレー!
将来のグエルの嫁?

我が身可愛さベルメリアさんが、覚悟を決めてミオリネを
守り、さらにプロスペラにトドメを刺されそうになった際に、
プロスペラにヘッドショットした強化人士5号ファインプレー!
ベルメリアにかけた言葉もイケメン過ぎる。

エリクトは母やスレッタ守る為に消失したみたいだけど、
プロスペラの発狂具合と収拾つかなそうな最終回に不安感が否めない。
{/netabare}

22話
{netabare}
チュチュパイセンが、セセリアに断って機体借りるか、
借りパクするか、考察ニキが予想していたけど、前者だったね。

そして、グエル vs スレッタと決闘をして、
再びホルダーに返り咲くスレッタ(グエルわざと負けた感はあったけど)

シャディクは、存在が霞んでいく…

ラウダ、これ以上、グエ虐するなよ。
弟殺しの称号も兄に与える気???
{/netabare}

21話
{netabare}
続くミオ虐からのスレッタの出自告白。
もう、プロスペラママラスボス確定では?

ペトラは生死の境をさまよってるけど、
ラウダの怒りがミオリネに・・・
シュバルゼッテに乗って寿命奪われてしまうコース?

強化人士5号は、ノレアのスケッチの場所で
最終回見れればと思っていたけど、
「行きたい場所ができた」=ノレアのスケッチの場所
凄く死亡フラグ立ててる気がするけど、
スレッタとのタッグは熱い!!!

スレッタ死亡、ミオリネ鬱エンドだけは避けて欲しい。
{/netabare}

20話
{netabare}
冒頭から、グエル主人公感マシマシでスタート。

シャディクガールズが、シャディク隊にならなかったのは、
良かったけど、グエル vs シャディクの戦闘中の会話を聞いていた
ラウダが、父親殺しが自分の兄と知った後、どうなるのかが気になるのと、
ペトラが死亡していた場合、発狂して何仕出かすか予想できない。

株が上がった強化人士5号、ノレアの死で暴走して
ドミニコス隊の機体を何機か破壊後に捕縛されたけど、
ペイル社の内情を盛大に暴露する流れになるのかな?

そして、メスガキシスターことセセリア、またもや株が爆上がり中。
グエル側の味方になるのかな?

そして、主人公のスレッタさん、いつ主人公に戻れるの?
グエルの存在感を超えれる感じがしないのだけど…
{/netabare}

19話
{netabare}
ティル株、ケナンジ株上昇回。

セドに気が付いたグエルもだけど、
シャディクの地球での名に気が付いたケナンジ優秀。
シャディクは、そろそろ成敗されるのかな?

グエ虐→スレ虐→ミオ虐

虐の後に主人公格化したグエルみたいに、
スレッタとミオリネも覚醒する流れ???
{/netabare}

18話
{netabare}
神出鬼没なプロスペラ。
シャディクは嵌め殺しでもするのかな?

エリクトは、スレッタを復讐に巻き込まない事を選択。
プロスペラもスレッタの心を満たすものは学園にあるみたいなこと言っていたし、マインドコントロールした分、後は、伸び伸び生きてねという親心なの?
(裏が合ったら、逆に怖すぎるけど)

主人公の乗換え機体はいつだろう?
{/netabare}

17話
{netabare}
主人公交代のお知らせ。

コックピット、父親殺しのトラウマからの
勝利(ミオリネ&ママによりエリクトがエアリアル停止)。
これ、人気投票したら、グエル1強になるのでは?

ベルメリアは、考察ニキの予想通り、プロスペラに降ったね。
{/netabare}

16話
{netabare}
ママに完全マインドコントロールされているスレッタ。

ボブは帰還して、グエル・ジェタークとして、
主人公化してしまうのだろうか???
{/netabare}

15話
{netabare}
生きていたボブ回。
アーシアン側の捕虜として捕らえられるも、
父親殺しのトラウマが消えない模様。

子供を助けるために、「車の音が聞こえる」とか、
走るのは分かるけど、モビルスーツに乗るのは???
錯乱したのかボブ?

次回以降、ジェターク社に戻り、シャディクと事を構えて、
くれると面白い構図になるかも。
{/netabare}

14話
{netabare}
エリクト・サマヤが、エアリアルに組み込まれてるとか、
能登こわいよ能登。

スレッタは実子なのかも怪しいかも。

そして、早くも動き出すシャディク、
早くも死亡のソフィ。

ニカ姉は、マルタンが通報か?
シャディクに切られたか?

ソフィの死をあまり気にしないスレッタも怖いよ。
やはり強化人士?
{/netabare}

13話
{netabare}
エラン先輩、早速、別人とバレる(本当にバレてはいなけど)
強化人士5号は本人により近いみたいだし、強化人士4号の方がまともだったのかな。

そして、メスガキ祭りに・・・
ここから、いつもの鬱ガンダムになるのかな?

マルタンは生きていたけど、ミカ姉は、どこかで死にそうな気がする。

ラスボス臭はするけど、シャディクではなく、
スレッタママーがラスボスから外れない期待感。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

75.2 4 2023年度のコミュ障アニメランキング4位
江戸前エルフ(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (273)
807人が棚に入れました
東京都中央区月島。 江戸時代より400年以上の歴史を刻む『髙耳神社』。 祀られたるそのご神体は、異世界から召喚され、すっかりひきこもったエルフでした。 ご神体のエルフ・エルダに仕えるのは、高耳神社15代目巫女の小金井小糸。現代文明とオタク趣味をエンジョイするエルダに振り回されながらも、彼女が教えてくれる江戸の文化に胸をときめかせ、連綿と紡がれる月島の人々とエルダのつながりにほっこり。 でもやっぱりこのエルフ、ぐうたらすぎる! しかも他の神社のエルフ&巫女コンビまで現れて……!? 江戸と令和をつなぐゆったり下町コメディ、始まります。
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

オヤシロ様、神道の秘密を暴露する!?

●「住吉神社」が正解でした

何故エルフなのか?についての謎を解く鍵は、
他の方が指摘していた「住吉神社」にあるようであります。

住吉神社に祀られている{netabare}「神功皇后」は神託を受け子どもを身籠りながらも
朝鮮半島の新羅に出兵し、戦わずして新羅、そして高麗、百済の三韓を従わせたという
伝説の人物であり、日本のジャンヌ・ダルクと評されることもあるらしいようです。

また「住吉大神」は弓矢の守護神であるということから、ジャンヌ・ダルクと弓矢のイメージが
合わさり、それでエルフ?ということになったのかもしれません。

3匹のエルフの元ネタもどうやら住吉三神の「底筒男命・中筒男命・表筒男命」が
由来であるようであります。

「住吉神社」が絡むという情報提供により何となくエルフが神道の神という理由は見えてきましたが、
徳川家康により召喚された理由など表向きには説明不足でありまして、裏設定的には
【グノーシス主義】がすべての理由であると理解できていますが、エルフで神道を表現するのは
説得力が乏しく微妙なものがあると言わざるを得ません。

すべての元凶は【グノーシス主義】にあるわけですが、ただでさえストーリーにほぼ意味がない
日常系作品に【グノーシス主義】全力投球の傾向ある本作は、駄作の極みと言っていいくらいに
設定やら物語やらとか等々が視聴者に全く伝わらない、意味不明作品で終わったように思います。

「住吉神社」を題材にした作品とまでは理解できますが、なんでエルフが「住吉神社」の神なの?
と問われたら、何も説明できないのが本作の最大のウイークポイントでありまして
むしろ一般視聴者が普通に見てほぼ誰も理解できない「住吉神社」を題材にする
自己満足的なアニメの制作とか、全く以て意味不明な話でございます。

例えば本作を高評価した「あにこれユーザー」に対し、本作が「住吉神社」を題材にした作品だと
理解しているかと問うたなら、「そんなん知るか!」と返答されるのがオチでございます。

誰も知らない住吉神社物語、そんな自己満足作品を垂れ流す日本のアニメ業界は既に末期症状にあり
ジャニーズの件で既に終わっている芸能界共々に綺麗さっぱり【グレートリセット】される
予感を禁じ得ないところがあるように思います。{/netabare}

●武士の魂

「機動武士ゴンゲム」の元ネタは当然「ガンダム」ということになるでしょう。

その昔プラモデルが流行ったガンダムでありますが、プラモデルに価値を置くというのは
{netabare}【偶像礼拝】の一つの形態であると考えれるわけであります。

もしかしたらゴンゲムとは「権化」という言葉が由来なのかもしれません。

「仏作って魂入れず」という言葉には隠された意味合いがありまして、
つまり「仏像」には「魂」が宿るということであります。

仏像などの「神の像」に「悪霊」の類が憑依し、それと繋がるのが「神降ろし」の儀式
であると考えられるわけであります。

エルフとは本来「妖精」であり、「霊的存在」でありました。

肉体を持たない霊的存在が人間に存在感を示すには、「形ある器」に憑依する必要性があり
人間に【偶像】を作らせ拝むように示したのが【偶像礼拝】の起源であります。

「御使い」たる【天使】は霊的な存在でありましたが、「地上の神」になろうと【堕天】し
器を纏い、神の姿を人々に知らしめたのであります。

【鬼神の偶像】を拝むのが、「ゴンゲム」が暗示する【鬼神信仰】でありまして
「ひぐらしのなく頃」の「オヤシロ様」を崇め奉る宗教と繋がるわけであります。

本来は霊的な存在であるエルフ族の長耳様の器がゴンゲムでありまして、だからこそ
長耳様はゴンゲムのフォルムがカッコイイなどとやたら愛でるわけであります。

ということで「ゴンゲム」のプラモデルの描写には相応の意味合いがあると言えますが
今回の「お弓神事」は意味がないと言いますか、かなり無理やり感があるように思います。

エルフは弓が得意なのはいいとして、弓と大漁祈願には全く関係性が見出せません。

中途半端な「エルフの神」設定が空回りしている感は否めず、早い話が
普通に和風の神でできた話をエルフにこじつけているだけのように思えて仕方がありません。

要するに【グノーシス主義】的な主人公やヒロインをごり押ししたいだけでありまして
魔法少女とか吸血鬼とか鬼娘とかエルフとか、本来悪役でどちらかというと醜い本性をもつ種族を
【逆転の発想】で美化したいという「異端的思想」の影響によるところが大きいという話であります。

「まどマギ」の魔法少女は覚醒すると災厄の魔女になり、
見た目もグロテスクな感じになります。

そもそも見た目が可愛らしい「魔法少女」という存在が嘘なのですが
「まどマギ」は【グノーシス主義】のネタばらしを敢えてやった作品だったわけであります。{/netabare}


●三柱の神??

カミカツの御霊様はアホ毛ホルダーでありますので、{netabare}【鬼神】{/netabare}確定であります。

その一方で本作の長耳様は「エルフ」というのが表向きの設定であり、{netabare}しかも
徳川家康に召喚されたと言うのですから、当然何故?という疑問が浮かび上がるわけであります。

たまたま偶然エルフが一匹神社に巣くっていたというならば誤魔化しは効いたでしょうが
3匹も出てきて、かつ熱心な高齢者の信者の姿も描いていますので、当然の如く何故
エルフが神道の神の役割を担っているのか?説明が求められるわけであります。

結論は砂糖菓子職人の物語と同じです。
何故?については説明はされないでしょう。

宗教には秘密があるのですが、その秘密を知っているのは聖職者と一部の人種だけであります。

与党の議員などは足繫く神社参拝に赴き、企業経営者は新興宗教や占い師の類を拠り所とします。
彼らは本作に登場する長耳信者と全く同じで信心深い人たちなのであります。

ただのハートフルコメディを描きたいだけなら、神社もエルフも必要ありません。

何故神社?何故エルフなのか?

現時点で表に出てきた情報だけで判断すると設定が破綻しているか、無意味な設定の物語
ということになり、結局は単なるマニア向けの萌えアニメになるような気がしてなりません。

●【グノーシス】の女神は、微笑む

逆に開く傘やドローンが{netabare} 濡れないようにドローンに傘をさすという発想は
「逆転」の発想であり、このような思想のことを【グノーシス主義】と言います。

ダークヒーローの「デビルマン」や魔法少女が主人公の物語などは
【グノーシス主義】に基づく作品ということになります。

本来【魔女】というのは悪役であり、同じように桃太郎に登場する【鬼】も悪役であります。

ということで、【鬼神】や「【妖魔族】のエルフ」を崇め奉る信仰は
【グノーシス主義】ということなります。

「巫女」とは「神降ろしの儀式」を行う【呪術使い】でありまして
【呪術使い】は【魔女】と同じく「禁断の秘術」を使う聖職者であります。

「巫女」は【鬼神】などとチャネリングを行い、これと意思疎通を計り
知恵を賜ったりするのでございます。

「巫女」は【鬼神】の下僕ということになります。

天皇家は「巫女」であり、【呪術使い】の家系でもありまして
天皇は「現人神」でもあるということで、【古代エジプト文明】の「ファラオ」と
似たようなところがございます。

【古代エジプト文明】、【バビロン文明】、【フェニキア文明】、【縄文文明】
これらはすべて【呪術】と深い関わりがあり、【鬼神信仰】という共通点があります。

以上の文明は非常に高い文化水準を誇っていたと言われておりまして
【呪術文化】には特別な秘密があったと考えられるわけであります。

【プロビデンスの目】とは「全能なる神の目」や「知恵」を意味しますが
【呪術文化】の種族はそれを会得していたのでありましょう。

【フェニキア人】は【占星術】、「天文学」の知識に長けていたため
星の位置関係から然るべき海の航路が割り出せるのでありました。

かくして【フェニキア人】は海上貿易で栄え、【海賊】のルーツとなるのでございます。

【フェニキア人】に「知恵」を与えたのは【鬼神バアル】でありまして
「オヤシロ様」ということになります。

【呪術文化】の天敵と言えば、「創造主ヤハウェ」の庇護を受けた「ユダヤ人」でありまして
「ユダヤ人」と対立した【バビロン・エジプト文明】、そして【カナーン人】などは、
宗教戦争により尽く粉砕され次々に崩壊していくのであります。

最終的に【フェニキア人】の海上貿易拠点群もローマ帝国との抗争で崩壊しますが
高度な文明力を餌に「ユダヤ人」を懐柔することに成功してから、状況は一変し
【フェニキア人】の【生存戦略】が大逆転の展開を呼び起こすのであります。

【鬼神信仰】自体は【シュメール文明】から直通で日本にもたらされたとも考えられますが
明治以降に【鬼神信仰】を補完、強化したのは、【フェニキア人】の血族と考えて
間違いないでしょう。

「ユダヤ人」のピークは「ソロモン王」の時代でありまして、
以降ヘブライ王国は分裂崩壊の運命を辿ります。

逆に勝ち組路線に乗ったのは【フェニキア人】でありまして、歴史のメインストーリーを担うのも
【フェニキア人】ということになります。

「ユダヤ人」の【ダン族】は【フェニキア人】の宗教に改宗し【フェニキア人化】し
このことにより「ユダヤ人の選民性」は完全に失われたのが確認できるわけであります。

「創造主ヤハウェ」との契約により「選ばれた民」としての地位を保護されていたのは
「ソロモン王」までのことであり、今の「ユダヤ人」は「選ばれた民」でもなく、
「選民性」もありません。

もしも現代に経済的繁栄や成功を誇示する「自称ユダヤ人」がいるとしたら
もの凄くピントがずれているか、【フェニキア人化】した「ユダヤ人」ということになるでしょう。

「ユダヤ教」を信仰してないのに「ユダヤ人」を自称したり、
【バビロン文明】由来の【バビロニアタルムード】を「ユダヤ教」の経典と信じ込んでる
「ユダヤ人」などなど現代の「ユダヤ人」はカオスの極みであります。

「イスラエルの国旗」には【ソロモンの星】=【✡】=【六芒星】のシンボルが
刻まれております。

【✡】は【土星】であり【666】を意味します。
【土星】は【呪術文化】と密接な繋がりがありまして
【✡】は「ユダヤ教」では完全にNGなものであります。

【✡】を【ソロモンの星】という所以はソロモン王が【フェニキア人】と交流を持ち
【拝金主義者】に成り下がったからであるなどとも言われております。

【✡】のシンボルを堂々と掲げ、尚且つ
ユダヤ人の末裔を自称してるイスラエルとは?
どこぞの人種の国なのかさっぱり意味が不明であります。

これもある種の【グノーシス主義】の再現でありまして、
「ユダヤ人」が「ひっくり返った?」ということを意味しているのかもしれません。

【偶像】を拝んではならないとする「ユダヤ教」の教えは骨抜きにされ、形骸化し
あらゆる【アイドル】が崇め奉られるという現代の世界体制が作り出されます。

それを成したのは【フェニキア人の血族】であり、
彼らの【生存戦略】が功を奏したということになるでしょう。

ギリシア神話の神々と同様に下種な神が祀られていても何の違和感もないのが
現代という時代であります。

部屋のかたずけもできない駄目駄目なエルフを神と崇め奉る信者脳は
まさに【アイドル信仰】そのままを示しています。

神の品性よりも「ご利益」の方が大事という価値観を世に広めたのが、
まさに【フェニキア人】なのであります。 {/netabare}


●一般視聴者には伝わらない完璧すぎるキャラ設定

金沢からのお客様が襲来!!いたします。
金沢と言えば加賀藩であり、加賀藩と言えば「どろろ」に登場する加賀藩藩主
「醍醐 景光」でございます。

金沢からの来訪者は{netabare} 耳長様の姉貴分に当たる存在でありまして、その名も
「ハイラリア・アイラ・ミララスタ」と申します。

「ハイラリア」=「ハイラ」という名には、恐らく
【ハイランダー】の意味合いが込められているのでしょう。

【ハイランダー】をわかりやすくざっくり言うならば、【堕天使】の血族ということになります。

高耳神社の御神体である長耳様はオタク脳全開の駄目エルフでありますが
姉貴分ハイラもこれに負けず劣らずのギャンブル狂で駄目目駄目なエルフであります。

これはつまり【堕落の種族】の特性を表しているのでありましょう。

長耳様がネックレスとして身に着けている勾玉は【666】の【獣の刻印】を
示していますが、【666】は拝金主義者を表すシンボルでもあります。

「金」髪や「金」色の瞳は「黄金の魂を持つ」王家の血統を示すものであるとも考えられますが
【金星】を意識しているということもできるでしょう。

「美しいエルフ」は【金星の女神】や【美しい天使ルシフェル】が由来と考えられます。
そして『「金」沢』にもそのような意味合いが込めれていたと解釈できるのかもしれません。

加賀藩藩主「醍醐 景光」は【鬼神】と取引して、凶作で経済が傾いた加賀藩を見事立て直します。

自分の子供を【鬼神】の生贄に捧げるという禁断の儀式=【人身御供】を行い
【等価交換】の取引により経済危機の窮地を脱したのであります。

「ひぐらしのなく頃」に登場する巫女=古手梨花も同じく【人身御供】の供物であります。

子供を生贄に捧げるという禁断の儀式は【モレク信仰】や【バアル信仰】が特に有名でありますが
【偶像崇拝】のご利益信仰は【等価交換の原則】を大前提にしており、
【鬼神信仰】には供物が必須ということになるわけであります。

【女神信仰】、【ルシファー信仰】、【バアル(鬼神)信仰】
すべては【偶像崇拝】のご利益信仰であり、同じ種類の宗教ということになります。

長耳様に対してファンタやスイーツやVRゴーグルなどの貢物を贈るのは
【等価交換】の供物の提供を表しているということであります。

「【堕落】の種族」=【ハイランダー】が最も好んだものは「人間の子供」であったため
例えば「祇園祭」などでは、子供や子供の人形などが巫女のような特別なもの
として祭り上げられるのであります。

江戸時代の茶屋娘やインスタグラマーは【アイドル】と同じでありますが、
【偶像崇拝】のご利益信仰においては【人身御供】の生贄も【偶像化】され
「祇園祭」などでは担ぎ上げられるわけであります。

【偶像礼拝】と言えば【鬼神信仰】であり、【人身御供】と言えば【鬼神信仰】
と考えて間違いないでしょう。

金沢から来た巫女=「いすず」のぶっきらぼうな対応に長耳様は「石」に成りますが
これには実は元ネタがありまして、例えば「Dr.ストーン」の石化した人類や
「進撃の巨人」の「壁の巨人」や「巨人の結晶化」なども同じ元ネタが由来と考えられます。

太古の昔に【鬼神族】は石化し、例えば「イースター島」のモアイ像なったというような
類の伝承がありまして、伝説の【鬼神族】は石化して滅んだなどとも言われています。

この説に従って解釈すると「ひぐらしのなく頃」の「オヤシロ様の像」はかつては
生きていた【鬼神】であったものの、何らかの事情で「石化」し、それを後に発掘した人々が
神の【偶像】として崇め奉ったという話になるわけであります。

【鬼神】や【巨人】の伝説というのは、ただの神話と言ってしまえばそれまでなのでしょうが
本作にしても「進撃の巨人」にしても、神話の理解力と再現力が度を越しており、
【鬼神信仰】のリアル信者並みに核心をついているのが、非常に奇妙なところであります。

金沢来た二人のコンビはともに「水玉模様」をあしらったものを纏っています。

「水玉模様」のことを「ポルカドット」ともいうのには個人的には興味深いものを感じましたが
「水玉模様」には「てんとう虫」の模様とも関係性があるということにも、
特別な意味合いがあるように思いました。

てんとう虫は「天道虫」とも表記され、「太陽信仰」と関係があるということになります。

「太陽信仰」は「天体信仰」でありますので、「天体の【光の祝福】」を神聖視する
【イルミナティ】に繋がりますが、それだけでなく太陽信仰と言えば【バアル信仰】でありまして
【光明信者】の【イルミナティ】=【バアル信者】ということなるわけであります。

また、てんとう虫は欧米では「神の使い」と認識されており、「Lady Beetle」と言ったり
「marienkafer」などと言いますが、【聖母マリア】の使いの虫とも考えられており、
つまり【女神信仰】そして【アイドル信仰】に繋がるわけであります。

【イースター】という主に「カトリック」が祝う宗教行事の由来は
【女神イシター】=【イシュタル】=【アシュタルト】信仰でありまして
【イースター】の「モアイ象」は【鬼神族】の伝説に繋がると言うことで
本作の古代宗教を前提にしたキャラ設定は完璧すぎるという結論に至るわけでございます。{/netabare}



●オヤシロ様の神秘のナンバー!?

本作は一見して日常系萌えアニメのように見えますが、実は宗教的なエッセンスが強い作風のため
予想外にレビューを書くのに手こずっております。

長耳様のコレクションなども宗教的バックボーン濃厚過ぎてすべてを説明し始めたら
大変なことになりそうですが、でき得る限り言及していきたいと思います。

まずは「レッドブル」と「モンエネ」です。

{netabare}「ブル」とは「牡牛」のことでありまして、株式の用語で強気相場のことを言います。

レッドブル=「赤い牡牛」、「赤べこ」ということですが、牛と言えば【モレク神】であり
【鬼神バアル】という【フェニキア人】が崇拝する神と一致します。
【フェニキア】語源は【フェニキア】特産の貝から取れる染料の色が緋色(もしくは紫色)
でありまして、その染料の色をギリシア語で表すと【フェニキア】であるということで
「緋色」=「スカーレット」は【フェニキア人】にとっての特別な神聖な意味を持つ色なので
【鬼神】を象徴する「雄牛」と緋色の組み合わせで「レッドブル」になった
のであろうと推測できるわけであります。

「SPYファミリー」のフォージャー家の食卓には「牛」の置物と一対で
「【ベル】(=鈴)の絵」が配置されています。

「アーニャ」の親友は「ベッキー・ブラック【ベル】」です。

チェンソーマンの「魔人PoweR」と「ノー【ベル】賞」も対の関係であります。
【ベル】と言えば「美女」と「野獣」であります。
これと似た様な関係性を示すならば【女神アシュタルト】と【鬼神バアル】になるでしょう。

「レッドブル」のキャッチコピーは「レッドブル、【翼】を授ける」です。

【翼】言えば当然【天使の翼】でありまして、【天使】と言えば【光の天使】であります。
【光の天使】の祝福を受けたものを【イルミナティ】と言いますが、
【イルミナティ】は「【光明】信徒」という風に表現できます。

【光明】とは【啓蒙】とも変換可能ですが、
「光り輝く由来」が【天体】であることが重要であります。

「星」や「太陽」などの「天体」は【光明】を発しますが、【光明】は「光輪」として表現されます。

ギリシア神話の【アポローン】は太陽神でもありますが、もともとは【光明の神】でありました。

「金色」や「黄金」は【金星】と所縁が深いようでありますが、
「黄金の魂を持つもの」と言われる勇者や王族のルーツを考えるならば
【金星】のみならず【土星】や【水星】や【シリウス】など様々な天体から
【光明】の祝福を受け、黄金の魂を持つ種族が生まれたのではないかと考えられるわけであります。

ということで「光の祝福」を受けた【光明信徒】=【イルミナティ】は
【星の眷属】ということになるわけです。

「モンエネ」は「モンスターエナジー」の略であります。
「モンスター」と言えば怪物や化け物ということでありますが、
【怪獣】あるいは「ビースト=【獣】」とも変換可能であります。

パッケージデザインに「爪痕」を表現したようなの模様がありますが
これはモンスターの頭文字「ⅿ」ように見えて実は
ヘブライ文字の「6」が3つ並んだものであります。

小文字の「r」が反転したような形でありまして、同じ文字が3つ並んだ状態で
「111」あるいは[ ⁀1⁀1⁀1 ]あるいは[¶¶¶]これで【666】を表しているのであります。

【666】は【獣刻印】でありまして、長耳様の所属を示しています。
長耳様は【獣の種族】であり、【モンスター】であり、【魔物】であるということであります。

長耳神社には2体の「狛犬」の像が置いてありますが、背中には見事「羽」が生えております。

「羽」は【ハイランダー】の種族性を表していますが、この「羽」により
より具体的に狛犬のルーツが明確に見えてくるわけであります。

狛犬の元ネタは「シュメール神話」の【エンキ】と【エンリル】であり、
【獣神】ということになります。

北欧神話の【フェンリル】も似たような【獣神】でありますが、2体の狛犬は「阿吽」の関係性があり
「阿吽象」と同じであるとも考えられるのであります。

【獣神】は「ビースト」であり、「モンスター」であり、【666】の種族であるわけであります。

長耳様は折り紙で「ペンギン」と「カエル」を作りました。
「ペンギン」は2足歩行する翼持ちの種族を表しており、【ハイランダー】を示しています。
【輪るピングドラム】にも「ペンギン」が登場しますが、これも【ハイランダー】を
暗示しているわけであります。

「輪るピングドラム」には同じく「カエル」も登場しますが、カエルは【魔術】との関係性が強く
【魔女】の【使い魔】でありまして、何故カエルなのかと言いますと長耳様が【女神】であり【魔女】
でありますので、「僕のカエル」が必然的に召喚されるということであります。

ギリシア神話の女神は魔法を使うので必然的に【女神】=【魔女】という関係性が成り立ちます。

「輪るピングドラム」の「女王クリスタル」がペンギンの上に立つのも、
使い魔のである僕との関係性を示しているということになるでしょう。

【鬼神バアル】は【バエル】とも呼ばれ、ある説によれば老人と黒猫とカエルの3つの頭を持つ
とも言われており、時にカエルは「慎重勇者」で登場したように【魔王】を示す存在として
扱われることもあります。

【魔王ルシファー】と【鬼神バアル】は一致し、【女神】と【光の天使】も同じ種族に一致します。

【ハイランダー】の種族は「【黄金】の魂を持つ」血族であり、
「羽」(のシンボル)を有する存在であります。
更に【光明】や【金星】などのあらゆる要素が【666】の刻印によって
一つの眷属に繋がることが明確に見えてくるわけであります。

以上のことから長耳様が「ゴールデンカエルパンツァー」を欲しがる理由も
既に説明した通りのことが由来になるわけですが、同じパターンは何度も繰り返され
カエルの頭の位置にある砲台も「角」を表しているということになるわけであります。

巫女の小糸は光り輝くものが好きな長耳様の前世はカラスであったのでは?と問いますが
カラスはカラスでも【八咫烏】であり【ハイランダー】の種族性を暗示している
ということなのでありましょう。

黄金のカエルを欲しがる長耳様の瞳には「星十字」の模様が現れますが、「十字」は「4」を暗示し
両目で【8】を示すことから、「※願い事」を表す数字【8】【5】【13】の法則が
発動する展開になるのであります。

「カエル戦車」は「5等」の景品であり、福引のためには「5個」のスタンプ集めが必要とのことで
ますは【5】が示されるわけであります

長耳様はスタンプ集めのために商店街に赴く事になりますが、
向かった先の住所が案内板により以下のように表示されております。

①「月島一丁目108-4」
②「月島一丁目108」
③「月島一丁目109」

①の数字「108」「4」をたし算すると【13】になり
その【13】に一丁目の【1】を足すと「14」で
1+4=【5】になります。

①②③の「108」「108」「109」をたし算すると「325」
「325」は「(3+5)+2」の形で足し算し「【8】+2」とします。

①②③の「一丁目」の「1」が3つで1×3=「3」
「【8】+2」+「3」=【8】+【5】=【13】となります。

①②③に表示された番地の数字の中でまだ足してない数字「4」を【13】に足すと
13+4=17 となりますが、この数字を更に足すと1+7=【8】になるということであります。

【8】【5】【13】すべての数字が示されたので長耳様の「※願い」は叶うということになります。

「沈丁花」は「ダフネ(=ダプネー)」の神話を暗示する花であります。
「ダフネ」は男嫌いのLGBTを示す存在であり、【光明の神アポローン】が絡んで参ります。

【アポローンの光明の祝福】を受けたものは【イルミナティ】であり
例えばLGBTの思考回路を持つ【レディーガガ】は【イルミナティ】であることで有名でして、
つまり思想的なLGBTとは【イルミナティ】という結論になるわけであります。

「沈丁花」→【光明の神話】→【イルミナティ】→(思想的)LGBTという流れでありまして
【両性具有】の【金星】の【光の天使】が絡んでくるというわけであります。

すべては【古代宗教】に関する表現でありまして、日常系の作風はダミーと言った方がよいでしょう。

もんじゃ屋では医者の娘が「朝日ビール」を飲んでいます。
「朝日」と言えば【天体】でありますので、【光明】に繋がります。

店内の壁にはもんじゃの人気商品ランキングベスト10が貼りだされております。

1~10の数字を全部たし算すると「55」になるのはよく知られたことでありますが
この「55」に対応する数字があるとしたらいくつになるでしょうか?

答えはベスト10の隣に表示されている「サイダーの価格表示」にある「33」であります。
【55】+33=【88】となります。

シークワーサジュースは「418円」でありますので=【5】+【8】となります。
【33】というのは【フリーメイソン】スコティッシュ・ライトの階級の数と一致します。

【8】【5】【13】の法則、【数秘術】の秘密を握っているのは【メイソン】であり
【33】の数字もそのルーツとなった【フェニキア人】を暗示しているということなのかもしれません
が兎に角このような数字の表現はこれからも馬鹿の一つ覚えのように繰り返されるのでありましょう。

福引の景品は、以下の通りであります。

1等ハワイ「5」日間ペア旅行券
2等商品券「5」万円分
3等お食事券「3」万円分
4等缶ビール(「350」~)
5等ゴールデンカエル

「1」等~「5」等の数字をたし算すると
「1+2+3+4+5」=①「5+5+5=15」になります。

「5」日間、「5」万円分、(「350」~)の「5」を同じく
たし算すると②「5+5+5=15」になります。

「5」以外の残った数字は「3」が2つであり、③「3+3=6」となります。

①「5+5+5=15」→「1+5=6」
②「5+5+5=15」→「1+5=6」
③「3+3=6」
①+②+③=【6+6+6】=【18】

【666】は長耳様の首飾りである【勾玉】に一致しますが、これは
「契約成立」の印を意味するものでありまして、「※願い」が叶えられる
ということを暗示しているわけであります。

すべては古代宗教に関わる表現でありまして、それこそが一般視聴者が知らない
裏設定の秘密であるというオチでございます。{/netabare}


●【偶像礼拝】と【バベルの塔】

「機動武士ゴンゲム」の頭についているものは{netabare}「ブレードアンテナ」でありまして
「機動戦士ガンダム」と同じものであります。

つまり「機動武士ゴンゲム」とは【鬼神】を示すものであり、その【偶像】であるわけであります。

【鬼神】と言えば【バアル】であり、この【鬼神】を崇め奉った種族と言えば
【フェニキア人】であります。

【フェニキア人】は【呪術文化】に属すわけですが、【呪術文化】と言えば【古代エジプト文明】や
【古代バビロン文明】も同じ特徴がありました。

【バビロン文明】が誇る象徴的な建造物が【バベルの塔】であります。

時と場所は変わりますが「東京スカイツリー」も【バベルの塔】と同じ種類の建造物になります。

文明の力を誇示するために人々は高い塔を建設します。

【フェニキア人】は【星の眷属】であり占星術に長けていましたが、
占星術のルーツは【バビロン文明】にあったようであります。

【星の眷属】は「占星術」に長けていたわけですが、
「占星術」と対になる「数秘術」も得意であったのであります。

「機動武士ゴンゲム」の全長は「18」mでありますが
【18】と言えば長耳様が身に着けている「勾玉」が示すように【666】であります。

次に「江戸城」は「60」m、「凌雲閣」は「52」mということで
「6052」の数字をたし算しますと6+0+5+2=13
【13】という数字の答えが出るということであります。

そして「スカイツリー」の全長は「634」mですので
6+3+4=13 またしても数字の答えは【13】になります。

展望回廊の高さは「450」mでありますが、(【13】に対応する数字が欲しいので)
「江戸城」の「60」m、「凌雲閣」の「52」m、「スカイツリー」の「634」m
それと展望回廊の「450」mをすべてたし算してみますと
6+0+5+2+6+3+4+4+5+0=35 となりましてこの数字を更にたし算すると
3+5=8 で【8】の数字の答えが導き出されるのであります。

これは【8】【5】【13】の法則でありまして、【金星】の周期運動に関する数字であり
【金星の女神】と【光の天使】を暗示しているということになります。

【18】=【666】は【光の天使ルシフェル】が契約者に与える【刻印】であります。

「機動武士ゴンゲム」は【鬼神信仰】の【偶像】を意味するだけでなく、
【ルシファー】が与える【獣の刻印】を意味する数字が刻まれるシンボルでもあります。

「富士遥拝の儀」とは要するに【偶像崇拝】の【ご利益信仰】でありますので、
「※願い事」を叶える【金星の女神】と【光の天使】を暗示する数字が示されるのでございます。

【13】と【8】が出ましたので次に示される数字は当然【5】になるということであります。

スカイツリー公式キャラの「ソラカラちゃん」は【五芒星】の形をしてまして、それで
【8】【13】【5】とコンプリートするわけですが、参拝地点であるところの柱には
以下のような表示が記されているわけであります。

「最高到達点 451.2m/634m 」というソラカラちゃんが示すソラカラポイントのこの数字ですが
今回は分数表示になっているためまずは分子と分母の数字をそれぞれ別にたし算してみます。

分子451.2m→4+5+1+2=12
分母634m→6+3+4=13

次に分子の「12」を分母の「13」で割ってみます。
12÷13=0.92307692~と答えが長いので「0」の以降の数字を切り捨て
「0.923」としてこの数字をたし算しますと
0+9+2+3=14 この数字を更にたし算すると1+4=5
【5】というソラカラちゃんの【五芒星】を示す数字が得られるのであります。

【バアル信仰】では日の出の時間の朝日に祈っていたなどと言われていますが
本作では「スカイツリー」が朝日を示す【オベリスク】の役割を果たしていた
ことも追記しておかなければならないでしょう。

巫女の小糸が参拝の儀式に持ち出した「棒っこ」はひぐらしのなく頃にの綿流しの儀式で
使われたもののようにも見えますし、頭に装着した烏帽子のようなものが「鬼の角」のようにも
見えることからしても、あらゆる点から【鬼神信仰】との関係性に疑いの余地は
無いものと確信いたします。

もしも【バアル信仰】に偏り過ぎているこの展開に何も違和感を感じないのだとしたら
宗教感知度はかなり低いかもしれないと疑った方がいいのかもしれません。

本作は宗教儀式的表現がかなりきつい印象を受けます。{/netabare}


●「グノーシス」の神々

「精霊」を{netabare}酷使{/netabare}し過ぎた長耳エルフ様でありますが精霊と言えば霊的な存在であります。

エルフとはそもそも妖精であります。
妖精とは霊的な存在であり、 {netabare}精霊も霊的な存在であります。

要するに精霊も妖精も似たようなもので大して違いがないとも考えられます。

ゲームにしろアニメにしろ、エルフというものを霊的なものでなく実体あるものとして
扱っている都合、本作では精霊とエルフが妙な関係になっているというわけであります。

しかしながら、そもそもエルフが神社にいるのがおかしいということになりますので
一見して辻褄が合わないこの状況について考えてみることにします。

答えについては既に申し述べましたが、見た目はエルフでも実質はエルフとは違う
神道の神をキャラデザを少々デフォルメして描いているだけなのであります。

エルフ=クランプス=【デーモン族】=【鬼神】

「ひぐらしのなく頃に」の「オヤシロ様」と本作の長耳様は同じ存在であります。
もっとわかりやすく言えば「羽生」=「長耳エルフ」ということになります。

エルフが神社にいると少々違和感がありますが【鬼神】の化身である羽生ならば違和感はありません。

「精霊」とは「御使い」であり「御使い」とは「天使」のことであります。

「精霊」=「天使」を使役するのが神でありますから、そういう主従関係を意識しているからこそ
長耳エルフ様が精霊を酷使する描写が出てくるということになります。

神社には賽銭箱がありますが、あれのルーツはユダヤ教の「契約の箱」であり
「アーク」であります。

「契約の箱」は「祭壇」でもありますが、それで何をやったのかと言えば
「贖罪の儀式」を行っていました。

今ではタブーとされ禁止となった「贖罪の儀式」をデフォルメして
賽銭箱として取り入れたのが神道であったわけです。

「天使の神話?」にはパクりたがる【堕天使】の願望が記されています。

ある意味「カミカツ」の御霊様の再現度が凄すぎて脱毛するばかりなのですが、地上に降りた
【堕天使】は世界を統べる王であり神になりたがり「本家!神様道」を新規開店したわけであります。

キャッチコピーは「※願い事が何でも叶う!神様本舗」であります。

【鬼神】=【堕落の天使】なので、長耳エルフ様は見事に自堕落な
オタク生活を満喫しているわけであります。

しかもファンタやポテチや砂糖満載の佃煮、カツカレー、ケチャップパン?など
いかにも体に悪いジャンクフードの類を好む食生活などは「チェンソーマン」に登場する
魔人PoweRと瓜二つであります。

悪魔族は体に悪い食べ物を好むのであります。
更に言いますとケチャップ満載のパンを食べる時の長耳様の手の持ち方が
見事なまでに【コルナサイン】なのは完全に狙ってやっています。

【コルナサイン】は「I love you」サインに似てますが
人差し指と小指を立てる形で【角】を表現するサインであります。

羽生、御霊様、魔人PoweR、そして長耳エルフ様
よく見りゃどことなく似ているこの方々は【コルナサイン】が示す眷属であるというわけであります。

精霊は神の御使いでありますが、巫女も神の僕であります。

巫女娘がやたらと大人っぽいハンドバッグやコートなどを欲しがるのも、
「天使の神話」に由来するというわけであります。

御使いたる天使が神に憧れたように僕の巫女も神に憧れて
大人っぽい服装をしたがるというオチでございます。

あらゆる状況証拠から神社のエルフはエルフではなく「オヤシロ様」ということになります。

「ひぐらしのなく頃に」登場する巫女=古手梨花は「綿流し」の「儀式の生贄」であります。

神社にある「賽銭箱」は「祭壇」であり、そこで「血の儀式」がとり行われるわけであります。
賽銭箱とはそもそもそういう類のものでありますが、血の儀式=生贄の儀式の直接表現は
流石にまずいと言うことでドバドバのケチャップが着物に着くという間接描写で
神道の本質を何気なく描いたのだろうと考えられるわけであります。

【666】の勾玉首飾りに、同じく【666】を表すオタマジャクシ
すべて計算ずくでやっているのでございます。{/netabare}



エルフがヒロインのファンタジー作品などそれこそ腐る程ありますが
日常系なのはまぁいいとして、何故エルフが「神道」の神なのでしょうか?

そもそもエルフとは如何なる存在なのかについて少々考えてみたいと思います。

エルフは容姿が美しい??らしいということになっているようですが、それは本当でしょうか?
{netabare}エルフは妖精でありますが、ドワーフやゴブリンも同じく妖精であります。

そしてゴブリンは豚の姿で描写されることが多いオークと同一視されることもあることから
ゴブリン族の見た目は美しくはなく、むしろ醜いと言うべき存在であります。

RPGの世界ではエルフも妖精も「モンスター」という概念で括られるわけでありまして
「怪物」であり「化け物」ということになります。

ゴブリンは醜い妖精でもエルフはそれとは違い美しい妖精なのでしょうか?

アニメなどの作品内でエルフが描かれる時、美しい存在として扱われることはよくあることで
ありますが、顔に注目してみると要するに「人間と同じ顔」をしており、それに
「耳長」をプラスしたような感じになるのが典型的なパターンのようであります。

「美しいエルフ」は人間と同じ顔をしているのでありますが、果たしてそれは「エルフが美しい」
ということを表していると言えるのでしょうか?

美人というのは美しい存在であり、個人的な好みの違いはあれど美人を見たならば
当然の如くその美しさに何らかの衝撃を受けるわけであります。

その美人を見た時と同じように美しいエルフを見たら同じような衝撃を受けるのでしょうか?
通常の現代人はエルフなんてものは見たことがありません。
しかし美人ならば見たことはあります。

もしもエルフが美しい存在というならば、人間族の美人に匹敵するくらいの美しさを
兼ね備えていないと理屈に合わないのですが、アニメに描かれるエルフは人間の顔をしています。

エルフというのは「人間の美人」と同じくらい美しい生き物であるとは言えても
エルフが美しさで人間の美人に勝っているということにはならなくなります。

道理で考えれば結論は明白であります。
人間にとって最も美しい存在は人間であり、「モンスター」という概念で括られる
ゴブリンやエルフなどの妖魔族が美しいというのは発想に無理があり、
実際に「人間とは別の顔」をしたエルフの描写により美しさを示した事例など
1件もないのであります。

美しい人間の顔に「耳長」の要素をプラスした姿こそが究極的に美しいということなのでしょうか?

もしも「耳長」が美人の条件と言うなら、美しさを追求することに余念がないより多くの
人々は「耳長」に整形するでしょうし、そうでなくとも耳が長い人こそがミスコンなどで
評価されるはずでありますが、現実世界ではそんな話は全く聞きません。

「耳長」が美しいとか「エルフ」が美しいとかいうのは要するに妄想であり
「異世界転生ものが流行っている」説と同じくらい出鱈目な話なのであります。

「シュガーアップル・フェアリーテイル」では妖精=【妖魔族】が人間に虐げられ
奴隷的な扱いを受ける中、この【妖魔族】に同情する主人公が他の人間たちから
酷い扱いを受けるというある種の糞テンプレパターンを繰り返します。

妖精は【妖魔族】でありモンスターでありますから、そもそも人間と共存できる
わけなんてないのが道理というものであります。

エルフは知性が高い種族なので交渉の余地はあると言えるのかもしれませんが
そもそも住む世界が違うエルフと人間が当たり前のように共存生活できるとか
かなり無理がある話でありまして、いくらフィクションでも野生動物と
人間が対等の関係で共同生活できないように、モンスターと人間も対等の関係で
共同生活できないのは道理であるのでありますから、人間による【妖精族】に対する
差別の惨さを視聴者一般にアピールするのは頭のネジが外れているというしかないのでございます。

エルフとはどのような存在であるかと言えば、「クランプス」というゴブリンのように
見た目が醜い怪物がそのプロトタイプであると推測いたします。

所詮フィクションなのだから、妖魔とは悪の存在でも、妖精は人間に友好的な善の存在で
あるという解釈があってもいいのでは?という考え方を全否定はしませんが、
物事の道理を外れているだけでなく、バカの一つ覚えみたいに繰り返される
やたらと【妖魔族】を美化したがる風潮とその背後にある思想の偏向性には
見るに堪えないものがあり、故にこのように苦言を呈する次第にございます

「古英雄詩ベーオウルフ」によれば、「オーク骸」族は悪しきモンスターであり
悪霊の類と解釈されており、「オーク骸」「巨人族」「エルフ族」は【カインの末裔】
として記されているということであります。

「進撃の巨人」の人間を食らうような「巨人族」と同じ種族である「エルフ族」と
人間が仲良くなれるというのはかなり妄想が惨く、極端な思考傾向であると言えるでしょう。

エルフが美しいというよりは、エルフのあの「耳長」がクレオパトラの鼻の高さが示すように
知性が高いという意味で「美しい」としたかったのでしょうが、誰かが意図的に
捻じ曲げたかのようにしてエルフは美しい説が定まったような気がいたします。

文献などから導かれるエルフの正体は、知性は高いが見た目は「クランプス」の
ように醜いモンスターというのが真相でありまして、アニメで描かれる美しいエルフは
全くの出鱈目ということになります。

「シュガーアップル・フェアリーテイル」や本作のような【妖魔族】の美化や
「進撃の巨人」のような【巨人族】をやたら美化することに
もの凄いバイアスがかかっているような傾向の背景には一体何があるのでしょうか?

考えてみたら昔々の「デビルマン」や「妖怪人間ベム」、「悪魔くん」の頃から
更に言うと「魔法少女」系も含め、ダークヒーローもの作品を数え上げたらきりがないほど
溢れかえっているような状況だったりします。

「デビルマン」=【悪魔】が主人公という発想は、【逆転の発想】であります。
「上なる如く、下も然り」という言葉から導き出される思想傾向、
それを【グノーシス主義】と呼びます。

【イエズス会】や【テンプル騎士団】などにこの思想傾向が見られると言われており
【イエズス会】は【聖母マリア信仰】と【黒い太陽】のシンボルが特徴的であり
【テンプル騎士団】は【ソドムの罪】を犯したなどと囁かれています。
【ソドムの罪】をわかりやすく言えば「LGBT」的行いということになるかと思います。

本来あるべきもの、本来の道理をひっくり返した逆転的な考え方をするのが
【グノーシス主義】ということになります。

故に「ダークヒーロー」こそが正義であり、「耳長モンスター」が美しいとなるわけであります。

【グノーシス主義】的傾向が著しい作品の代表例を一つ挙げるとしたら
「オーバーロード」になるかと思います。

主人公が【魔王】であり、容赦なく人間を大量殺戮いたします。
「シュガーアップル・フェアリーテイル」の事例のように
妖精を差別し惨い扱いをする下等な人間族など根絶やしにしても構わないという発想は
人間の価値観の「真逆」でありまして、典型的な【グノーシス主義】と言えます。

魔王、エルフ、妖魔、巨人族をやたら美化し、人間族を愚かで醜い悪の存在であると
このように扱う傾向が著しく表されているのであります。

【グノーシス主義】を踏まえて考えるならば、本作の神道の神設定というのもなかなかに
説得力があると言えるのかもしれません。

エルフのあの耳長は【妖魔族】であることを示していますが、【クランプス】とエルフが同じならば
エルフは【デーモン族】ということになります。

【デーモン族】と言えば【鬼族】であり、【鬼神】も同じ種族ということになります。
【鬼神】と言えば「ひぐらしのなく頃に」の「オヤシロ様」であり「羽入」であります。

【鬼神】は「どろろ」や「ガンダム」などいたる所に登場しますが、
【須佐之男命】=【牛頭天王】が【鬼神】であることからも明白なように
神道においては代表的な神であるということになります。

「エルフ」=【鬼神】という発想は少々イメージし辛いかもしれませんが
そもそも【デーモン族】も「妖魔族」も「魔族」であり、同じモンスター族に分類されますので
エルフも【デーモン】も同じ【魔族】と言ってしまえば話はそこで終わります。

本作のエルフが【デーモン族】と同じ魔族である根拠を一つ示すならば
おたくエルフが首にぶら下げている3つの【勾玉】でありまして
【勾玉】は【6】の形をしていますので【6】が3つで【666】となります。

【獣の刻印】を持つ種族でありますからまさに【カインの末裔】であるということになるでしょう。
更に言えば胸元には「十字架」のような紋章が2つあり、「十字架」=4が2つで
【8】の数字が導かれ、「【金星】の女神」と【光の天使】を暗示しているということになります。

そもそも【女神】のルーツが【天使】であるのですが、【女神アシュタルト】は
【鬼神バアル】の妻でありますので、【堕落の天使】との関係性から見ても
【鬼神】との関係性から見ても【悪魔族】ということになります。

オタクエルフが松果体の当たりに付けているアクセサリーは【プロビデンスの目】
を示しており、部屋の床のカーペットは【フリーメイソン】のロッジの床と同じ
「白と黒の市松模様」でありますが、チェス盤のような白と黒の床が意味するのは
「上なる如く、下も然り」ということであります。

オタクエルフが自堕落な引き籠り生活の日々を送っているのは
【堕落の天使】の眷属であることを示しているのでありましょう。

エルフが金髪でも何の違和感もありませんが、金髪の意味を敢えて考えてみるとすると
【金星】との関係性もあるでしょうが、ギリシア思想由来の【黄金の魂を持つ種族】を
表しているのであると考えられます。

【黄金の魂を持つ種族】には【黄金】がふさわしいということで
宗教行事である【オリンピアの祭典】では勇者には「金メダル」を授与したわけであります。

【黄金の魂を持つ種族】について言及し始めると話が長くなりますのでここでは
ざっくり示すだけにしますが、要するに【ハイランダー】のことであり
【王侯貴族】ということになります。

最終的には【カインの末裔】と繋がる見込みですが、なかなかに難航しそうな予感がいたします。

オタクエルフのコレクションである「プラモデル」は【偶像礼拝】の【鬼神信仰】を表しています。

「神道の神」=「オヤシロ様」は「※願い事」を叶えてくれます。
しかし「代償」がとても高くつきます。

「どろろ」や「王様ランキング」そして、「ひぐらしのなく頃に」「水星の魔女」で
【鬼神信仰】の本質が描かれています。

「巫女」とは「卑弥呼」のような【呪術使い】であり【鬼神】と「チャネリング」する能力を持った
オカルティストでありまして、「ひぐらし」の古手梨花ダークver.のようなのが本当の姿であり
「萌え」の要素など一切ないはずなのですが、アニメでは極端に歪められ
アイドルかなんかのように祭り上げられていることに激しい違和感を覚えます。

神道自体がかなり怖いものであると認識していますが、真実を捻じ曲げて萌えアニメの題材にする
やり口にも同じような怖さを感じずにはいられません。

現在の日本ではドラッグは違法ですが、本来巫女とはドラッグを常用し、白目むいたような感じで
トランス状態に入り、【鬼神】だとか【竜神】だとかの類と交信します。

要するに宗教というものは【オカルト】でありまして、
思想傾向がニュートラルであるはずがないのであります。

アニメ作品でこれを取り上げどこぞの神社が「聖地」みたいな扱いになるようなことは
非常に不健全であり、詐欺的であり思想洗脳しているのと同じであると思います。

フィクションを楽しむのは個人の自由ですが、神道の歴史を無視したようにして
これを無条件で美化するようなやり口には胡散臭いものを感じずにはいられません。

「羽入」は「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」と謝罪の言葉を繰り返します。
何故でしょうか?それはきっと許されざる「罪」を犯したからなのでしょう。

神道に関わるならばまずは【鬼神信仰】の本質について知るべきでしょう{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

【最終】だから「異色の組み合わせ」で「ハートフルコメディ」やるならこういうのやれよな!!

【レビューNo.67】((最終レビュー)初回登録:2023/6/24)
コミック原作で2023年作品。全12話。
これもタイトル切りしかけたんだが、たまたま観たPVで「想像していたのと違うかも」
ってことで視聴してみることに。

(ストーリー)
月島で江戸時代から400年以上続く「高耳神社」を舞台に、異世界から召喚されご神体と
して祀られてきたエルフ「エルダ」と、そして巫女を引き継いだ女子高生「小糸」による
ハートフルな日常コメディ。

(評 価)
・第1話:「エルフ」という設定がきちんと生かされている上々の滑り出し
 {netabare}本作で一番感心したのはこの部分ですね。
 ・エルフのくせに現在文明にどっぷり浸かり、引きこもりの駄目ニート
  {netabare}・エルフ →文明を嫌い自然を愛する神秘の一族である(作中解説より)
   いやいや、ゲームにアニメにしっかりハマって、現在人以上に現在文明を満喫し
   てますからw
   ・単にゲームやアニメ観てるとかだけでなく、本堂でエアブラシ使ってプラモデ
    ルを完成させるとか、なかなかのマニアックな描写が個人的にはツボ
   ・本来なら酒や米等を奉納する、氏子さんからの神饌も
    → ポテチやファ●タ、果てはVRゲーム機等みんなエルダのことが大好きで、
      好みをちゃんと把握している。
      (VRゲーム機は「ハードを渡しておけば、ソフトはウチで買うしかない
       だろ」というオチまでつけているのがGood!)
   ・そもそも神体として祀られても「神通力とかないからなあ」
    こういう細かいセリフ回しが上手い!
    (精霊魔法は使えることと上手く対比させてる点がGood!){/netabare}

 ・エルフという長寿を生かした構成
  ・召喚されてから400年この町を見届けてきたという、エルフ設定がきちんと生かさ
   れている。神を引き受けた理由が
   {netabare}→ 「自分の代わりにこの江戸・国の行く末を見守ってくれ」400年前に友と約束
      を交わしたから →  {netabare}その相手が「徳川家康」という盛大なオチまでw{/netabare}
  ・それゆえエルダにとっては、自分が知るこの町が目まぐるしく変化していくことや
   愛する人との死別等は悲しい出来事 → だから引きこもりになった。
  ・そしてその思いを察した小糸は
   「その友達はエルダに未来を見てほしかったんだと思う。世界が変わっていくこと
    はきっと悪いことじゃない。だから私と一緒に東京を観て回ろう。」
   というハートフルなオチで1話を締めくくるという・・・{/netabare}

 単なる「エルフの現世での駄目神ぶりを愛でる」浅い作品かと思いきや、このエルフ(ご神体)
 は「高耳さま」と呼ばれ、神社共々皆に愛され生活に根付いている。そんな下町情緒溢れる
 古き良き伝統を背景に、しっかり心情等を描いているので、今後が気になる作品ですね。
 コメディはベタなところが多いですが、よく言えば王道ですし、エルフネタを生かしたり、
 上述のような細かいネタにセンスを感じ、個人的にはツボでした。
 とはいえ「出オチで終わらず、1クール乗り切れるのか」という不安もありますかね。
 しかし、ハートフルなエピソードを丁寧に描いていけば、結構いい感じに展開していける
 んじゃないかなと期待もしています。

 最後に、「異色の組み合わせ」で「ハートフルコメディ」やるならこういうのやれよな!
 安易に「幼女」×「ヤクザ・殺し屋」という奇抜さだけで、後にそれを生かしたストーリー
 が作れないのなら、思い付きで手を出すんじゃねーよと。
 この作品が成功例となることを願いつつ、今後に注目していきたいところですね。{/netabare}

・第2話:無難な日常回 →エルダにとってのいろいろな第一歩
 {netabare}1話を受けて2話どうするの?感じでしたが、無難に日常回を入れてきましたね。
 ・妹の小柚子と親友高麗の紹介
  まずは使えるサブキャラを育てるということで、上述2人をエルダに絡ませてきました。
  ・小柚子:小学生なのに料理が凄く上手で、町内でも一目置かれる存在。
  ・高麗:快活で歯に衣着せない言動もあるが、性格は男前(江戸っ子ぽさがある)
  2人ともキャラは悪くなく、今後も期待できそう。
  エルダにとっても小糸以外の初顔合わせで、ぎこちない感じであったがまずは第一歩。
 ・「佃煮とカエルキャラの食玩」で乗り切るAパート
  っで、Aパートの話のメインは「佃煮とカエルキャラの食玩」という・・・
  いやあ、この原作者なかなか大胆だなw特に「カエルキャラの食玩」については(1話で
  も感じたが)オタクへの理解度というか描写がめちゃリアルでしっかりしているんだよ
  な。本人も何かのオタクなのかなw
  個人的にはエルダのキャラがより鮮明になって高評価だが、この辺は評価が分かれるかな。
 ・地元密着のもんじゃで締めるBパート
  (小柚子のもんじゃ新メニュー開発依頼のリサーチを兼ねて)もんじゃを食べに行くとい
  う話でしたが、月島ということで地元密着を印象付ける上手い流れでしたね。
  そしてエルダにとっても初の外食(いつもは本堂で一人で食事している)という、ここで
  も第一歩を踏み出します。

 緩い日常回ながらも、エルダのキャラの輪郭をより明確にし、人間関係や外食して皆で食事
 するという、エルダの閉ざされた世界が少しづづ変わっていくのを感じられた、意外とよく
 練られた構成だったかなと思います。{/netabare}

・第3話:いろいろと作品の今後が見えてきた回
 {netabare}・Aパート:お取り寄せグルメ/Bパート:小糸の巫女・継承の儀
  可もなく不可もなく、緩い日常回って感じでしたが、
  ・(冷凍技術等)今とは違う、江戸時代の宅配事情
  ・きれいなガラス瓶に愛着 → 舶来品のギヤマンとして心躍らせていた過去
  等、400年生きてきたエルダの「江戸時代の生活ぶり等の豆知識紹介」がこの作品の鉄板
  ネタのひとつになるのかな。
  また「小糸の巫女・継承の儀」では、先代巫女の「小糸の母」とのちょっとした思い出を
  懐かし気に語るなど、(小糸は母との思い出が少ない感じで)こういうハートフルなネタ
  も織り交ぜていくのかなっというのが垣間見えた回でしたね。
  「エルフ設定」を上手く生かしつつも、ただこれだけだと「あと10話ほど大丈夫か?」
  って不安もあったのですが・・・
 ・Cパート:新キャラ登場
  終了間際に、大阪在住らしき「新エルフ」を突っ込んできました。さすがにその辺はきち
  んと考えられているようです。次週は東京のエルザに会いにいくようで、この作品が
  「出オチで失速とならず、今後に繋いでいけるか」
  次週は結構重要な回になるかもですね。{/netabare}

・第4話:コメディ展開の限界が見えてきたんだが・・・
 {netabare}・前回下記のように書いたんだが
  >終了間際に、大阪在住らしき「新エルフ」を突っ込んできました。さすがにその辺はきち
  >んと考えられているようです。次週は東京のエルダに会いにいくようで、この作品が
  >「出オチで失速せず、今後に繋いでいけるか」
  >次回は結構重要な回になるかもですね。
  図らずも不安が的中した感じですね。
  大阪のエルフ「ヨルデ」はエルダより1歳年上らしいが、幼稚で面倒くさいキャラ。個人的に
  は笑いどころが一つもなく「なんでこんなキャラ設定にしちゃったの?」と苦言を呈したく
  なるレベル。救いは大阪在住だから出番は少ないかなっと。
 ・Bパートはエルダが風邪を引き、小糸が世話を焼くという話だったが、こっちもこの2人でコメ
  ディ展開していくのは厳しいって感じだったかな。
  ・親友の高麗を上手く使うor新キャラでの打開
  ・地元民とのふれあい&ハートフルなエピソード
  ちょっとこの辺の割合を増やさないと、エルダも小糸も自分から面白展開を作っていけるキャ
  ラじゃないので、誰かが火付けてやらないと面白く話が回っていかないという印象ですね。
  (で、今回ヨルデを入れてみたものの、大きく期待を裏切ったかなっと)
  それにエルダの声優「小清水亜美さん」の演技、少し愁いを含んだ回想などは、400年の歳月の
  重みを感じさせ、今のところこの作品の一番のウリかなと思うので、その辺をもっと上手く活用
  して欲しいところ。
  今の感じだと次回もちょっと心配かなあ。{/netabare}

・第5話:これがこの作品の1つの理想パターンかな
 {netabare}>・親友の高麗を上手く使うor新キャラでの打開
 >・地元民とのふれあい&ハートフルなエピソード
 >ちょっとこの辺の割合を増やさないと、今の感じだと次回もちょっと心配かなあ。

 まあこちらの声が届いた訳でもないだろうが
 ・エルダの駄目っぷりをベースにしつつも
 ・飛脚や江戸のおしゃれ事情の豆知識は面白く
 ・Bパートで高麗が入ると、会話の流れに変化が生まれ〇
 ・最後に歴代巫女たちを偲ばせる、ハートフル展開でホロリとさせる
 なんだ~、やればできるじゃないですか!
 やっぱり前回のヨルデに問題があったようで・・・
 飛びぬけた面白さではないですが、この作品らしい味のある構成だったかなっと。
 あと、エルダの顔のアップは◎。やはり作画のレベルは高いので、そういうところも活かして
 いけばいいんじゃないですかね。{/netabare}

・第6-7話:エルダが外出するとやはり話が広がり面白い
 {netabare}(6話)
 ・Aパート:テスト勉強/Bパート:50年に1度の大神事
  ・テスト勉強でエルダに歴史のことを聞いたり、大神事では富士山が見える場所ということ
   でスカイツリーに登りながら富士山の名前の由来等、エルダの豆知識多めでそこは面白い。
  ・ただ2人だけのコメディ展開は、(個人的には)やはりちと厳しい印象ですね。
  ・そして小糸は時折見せる、エルダの愁いを含む(?)笑顔があまり好きじゃないとのこと。 
   はじめはよくわからなかったのですが、EDの歌詞で
   「たまにするその顔~遠くにいってしまいそうで~好きじゃなかった♪」
   とあり、そういうことなのかなっと。こういう描写が入ると作品が締まってGood。

 (7話)
 ・Aパート:昔の遊び/Bパート:福引き
  ・Aパートは小柚子回。
   ・小柚子の自由研究で「昔の遊び」を調べるとのことで、エルダが「私に任せろ」と。
    「いかのぼり→たこあげ」になった経緯等、エルダの豆知識はやはり鉄板。
   ・しかしこの自由研究は、実は小柚子の嘘で、最近忙しくあまり構ってもらえない小糸に
    遊んでもらいたかったから。
    ・普段のしっかり者キャラとのギャップ
    ・実は寂しがり屋だが甘え下手
   ハートフルな展開で、小柚子の新たなる1面が見られた非常に優れた構成でしたね。
  ・Bパートは商店街へのお出かけ回。
   ・前回やったエルダがハマっている「カエルキャラの食玩」のレアアイテムが限定販売。
    → 抽選が外れて落ち込んでいるエルダだが、商店街の福引き景品にあることが判明。
    ということで、2人で福引きのために商店街のスタンプラリーに参加することに。
   ・エルダを見つけると、陰から「高耳さま」と拝む町の人々。この辺り皆エルダとの付き
    合い方を心得ているようです。
   ・そして商店会を回りスタンプを集め終わると、いざ福引きへ!
    → 見事5等で念願のレアアイテムをゲット!!
     → しかしこれには商店街の皆が裏で協力していて・・・
   エルダが町の皆に愛されていることが改めて伝わる、こちらもいいエピソードでした。

  エルダが外出するとやはり話が広がり断然面白くなりますね。
  そもそも1話で「だから私と一緒に東京を観て回ろう」といった割に、神事以外ではほとんど
  外出していないというw 作品も後半戦、エルダがいろいろな東京を観て回る展開が増えると
  いいですね。{/netabare}

・第8話:新キャラ登場 →ギャンブルはエルフをも狂わすw
 {netabare}今回は久々に新キャラ登場でした。4話でヨルデたちを出したきりなので、タイミング的にも悪
 くないですね。金沢のエルフと巫女のようです。
 ・ハイラ
  ・前田利家に召喚されたという、エルダより100歳程年上のエルフ。そのためエルダを子供扱
   いする。(エルダにはお姉ちゃんと呼ばれたいようだが、エルダは拒否)
  ・糸目で上品な話し方をするので、普通にしてれば高貴な雰囲気が漂う。
  ・でも、重度なギャンブル狂w
 ・小伊万里いすず
  ・8歳から麗耳神社の巫女をしている。小糸と同じ16歳の女子高生。
  ・インスタのフォロワー15万人を誇るインフルエンサー。
  ・実はハイラのことが好きすぎて、給料の大半をハイラのブロマイド作りに費やしている。
   (こいつもちょっとおかしいやんw)

 2人は「金沢物産展」のお手伝いをするために、今回上京。ハイラ曰く
 「金沢は愛する氏子たちが住む街。だからこんな機会にお返しをしたい。」
 と、立派な志を持っているのかと思いきや、やっぱりダメエルフだったかwww
 しかも東京競馬場目当てのようですしw
 (でも一番の目的は、エルダに200年ぶりに会いたかったらしい)
 ハイラが道中ギャンブルで宿代をスッたため、2人は高耳神社でお世話になることに。
 最初はハイラと最近上手くいっていない影響で、小糸に対してもツンケン気味ないすずでしたが、
 小糸と同じで「ハイラの隣にいてもいい位かっこいい大人になりたい」といった思いを語り合い
 ながら、すっかり打ち解けたようです。

 今回一番面白かったのは、恒例のエルダの豆知識で「水茶屋娘」の話ですかね。
 ・水茶屋(今でいうカフェ)にアイドルばりの人気の町娘がいた。
 ・あまりの人気振りに「茶屋娘見立て番付」というランキングまであった。
 ・(一介の町娘が)当時最先端のメディア「浮世絵」にも描かれていた。
 これって今のアイドル事情そのまんまやんけ!!江戸時代からすでにそんなシステムが存在して
 いたのは驚きでしたね。

 別れ際にいすずからこう問われます。
 「寿命の短い私たちの方が先にいなくなる。それなら仲良くしないで、悲しい思いをさせない方
  がいいと思うことはない?」
 「あるよ。でもきっと間違ってる。」
 それにいすずも同意。2人がエルダたちを思っていることが分かる、ほっこりとした締めでしたね。{/netabare}

・第9-10話:コメディ展開もこなれた感が出てきて〇
 {netabare}(9話)
 ・Aパート:雨降り/Bパート:部屋の片づけ
  ・エルダ「雨は好き、堂々と引きこもれる」 →まあ晴れても引きこもるんですけどねw
   2人で漫画を読んでいると、雨漏りが!
   → エルダのオタクグッズや押入れのものを退避
    → まさかBパートへの伏線だったとは・・・
  ・小柚子「傘をさすと片手がふさがって不便」
   エルダ「ドローンに逆開きの傘をぶら下げるのはどうだ!」
   → エルフのくせに、人間よりハイテクに詳しく、柔軟な発想してるの草www
  ・雨も上がり、屋根の修理も終わり、出した荷物を片付けているとビデオテープが出てきて
   → 小糸の世代になるとビデオテープを知らないんだな・・・
     (まあ「ReLIFE」でMDを知らないのをネタにしてた位だしなw)
     しかも1本はβテープとか、またマニアックなw
  ・そのビデオテープを観ると、小糸と同じ頃の母親が映っていて・・・
   エルダ「そのテープ小糸にあげようか?」
   小糸「ううん、エルダが持ってて」
   → 行間を読むような「間」の演出といい、やっぱハートフル展開はさすがですね。

 (10話)
 ・アバン:エルダの1日/Aパート:大阪ヨルデたちの日常/Bパート:金沢ハイラたちの日常
  /Cパート:小糸の1日
  ・エルザ
   ・7時起こしてもらうの起きず →10時起床~4時就寝。
    という夜型エルフに染まってる1日の紹介。
  ・ヨルデ
   ・こちらはエルダと違い、一人でウメダの地下街へ買いものに行き迷子になったり、食べ物
    を奉納してくれた氏子さんにお礼にいくと言ってたり、積極的に外へ出歩いている模様。
  ・ハイラ
   ・いすずはハイラ好きが高じて、前回のブロマイドに続き、ハイラ写真集も作っている模様。
    (200冊目)
  ・小糸
   ・巫女の朝は早い →5:20~23時就寝。
    久しぶりに高麗が登場。
  それぞれのエルフの日常を切り取り、対比で見せる構成はなかなか面白かったかな。

  原作未読なので推測でしかないが、始めの頃のコメディ展開は。無理に笑いをとろうみたいな肩
  に力が入ってたように感じたのですが、だんだん作品の方向性が固まってきて、コメディ展開も
  自然でこなれた感ができてたように思いますね。
  話数が進むほどに作品がよくなっていく感がいいですね。{/netabare}

・第11話:緩い日常回 →ラストは最終回への布石なのか?!
 {netabare}・Aパート;探偵/Bパート:弓耳祭り
  Aパートはガッツリ高麗ちゃん「暇だしな!」。
  ・エルダのオタクコレクション・ゴンゲムの限定プラモデルが見つからず、エルダは
   「盗まれた」と大騒ぎ。 →遊びにきてた高麗が「探偵ごっこ」を始める。
  ・「探偵」も江戸時代の捜査を行う者(同心・与力等)「探偵方」と呼ばれたのが始
   まり。今の形になったのは明治になり「私立探偵」現れてから。(エルダ豆知識)
  ・推理で犯人を暴き出すと、今度は裁判を始める高麗。
   そしてエルダの豆知識「町奉行所」ネタ。

  Bパートは弓耳祭り。
  ・海の平安を願う、高耳神社のお祭り →「お弓神事」宮司が船に乗り矢を射る。
   エルダはその的を持つ係。(昔は矢を射てたが、誤って川に落ち溺れたのでやめた)
   ここでも豆知識「徳川家康の運河整備」ネタ。
  ・ところが宮司(小糸の祖父)が怪我をしたため、今年は小糸が矢を射ることに・・・
  
  もうラスト周辺ですが、緩い日常回で終わりましたね。弓耳祭りを描くのか思ったら、
  その手前で終わったし。もしかしたら来週が最終回でそこで描くとか?!
  このままだと、ちょっと消化不良な感じがしますね。{/netabare}

・第12話:「エルダダイブ」にコメディもキレッキレで満足感高かった
 {netabare}・Aパート:お弓神事/Bパート:辻占
  >もしかしたら来週が最終回でそこで描くとか?!
  やはりラストは弓耳祭りで来ましたね。
  ・怪我で欠場する宮司(小糸の祖父)に代わり、矢を射ることになった小糸ですが、なか
   なか上手くいきません。
   で、エルダが見本をみせるのですが、さすが腐ってもエルフ!見事に中心を射抜きます。
   「コツは風(の精霊)の声を聴くこと」さすがコツもエルフですw
  ・ついに弓耳祭り当日。ラブコメ等の夏祭りイベントとは違い、しっかり神事としてその
   過程で町の人たちが信仰している様子を描いていたのは、さすがですね。
  ・そしてお弓神事本番。やはり2本の矢を外し、最後の矢を「エルダに当たらないように」
   と大きく外した小糸。それを見てエルダは、なんと矢に向かって大きくジャンプ!!
   盛大に海にドボン。でも矢は中心を射抜いていました。
   このまさかの演出は心に響きました!!そして、島田のばあさんが「小糸の母」の時の
   神事を振り返りホロリをさせるという・・・最終回神がかってるな。
  ・さて神事も終わり、日常に戻ったエルダたちですが、エルダには小さな不幸が立て続け
   に起こり、エルダは不安に陥ります。
   そんなエルダに小糸は本神社のお守りをおススメしますが、
   「この私をご神体に祭るような神社のお守りは頼りない!!」
   と、言い切っちゃいます。どうした最終回、ギャグもキレッキレだぞw
  ・で、「辻占」に頼ることにしたエルフ。
   (江戸時代に流行った占い。夕方に辻(神の通り道)に立ち道行く人々の声を聞いて占う)
   「ご祭神がよその神さまの声に頼るのはちょっと・・・」小糸のツッコミもキレッキレw
   でも引きこもりのエルダが人通りの多い街角に立てるはずもなく・・・
  最終回にしては、特別なこともなく普通の日常で締めましたが、お弓神事での「エルダダイブ」
  やら日常のコメディにも切れがあり、結構見所は多かったかなと思います。{/netabare}

(最 終)   
「『異色の組み合わせ』で『ハートフルコメディ』やるならこういうのやれよな!」ですが・・・
1話のレビューで書きましたが、特殊設定を打ち出してきたならそれを出オチで終わらせず、最後まで
その設定を活かしたストーリー展開をこちらは期待するわけですよ!
その点本作はしっかり最後まで、エルフという特殊設定をちゃんと活かせていたのではと評価。
そして他の方も「小清水劇場」と書かれていますが、エルダ役小清水亜美さんの「ダメエルフの緩さ」
や「400年の歳月の重みを感じさせる、少し愁いを含んだ回想」等はホントハマり役で、彼女の熱演
を楽しむだけでも、この作品を観る価値はあると思います。
あとエルダの顔のアップなど、やはり作画のレベルも相当高かったのではないかと。

ただこういう緩い感じのコメディはあまり見ないので、個人的にはコメディ展開の当たり外れはあった
かな。でも上述したように回を追うごとに「こなれてきた感」が出てきて、良くなってきてましたが。
あと個人的には「ハートフル要素」はもう少し多めの方がよかったかな。その方がエルダのキャラや
小清水さんの演技が活きたような。
それに「私と一緒に東京を観て回ろう。」と言っておきながら、全然東京巡りをしていない点も。
やはりエルダがもう少し外出した方が、展開に変化が生まれより面白くなったのではと思いますね。
この辺り、もし2期があればそういう機会も増えるのかもしれませんが。
それでも(出オチで終わり失速するのを懸念していましたが)最後までしっかり完走してくれたかなと
思います。


(追 記)
エルフの長寿命を生かした作品としては「葬送のフリーレン」が有名ですが(今年アニメ化)
・江戸前エルフ:「少年マガジンエッジ」2019年7月号~
・葬送のフリーレン:「週刊少年サンデー」2020年22・23合併号~
ということで、本作の方が先輩らしいので。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

家事とエルフは江戸の華

この辺りは東京の下町情緒が残っていてなんだかんだ、
なんて言葉がよく耳目に触れますが、
僕はそういうのにあんまり心ひかれないヒトであります。

もちろん『キライ』というわけではありません。
アリかナシなら『アリ』なんだけど、
ありありのアリ、ではなく、ふつうよりのアリぐらいかと。

おのぼりさんよろしく
浅草・上野・柴又あたりをプラプラ歩いたこともありますが、
特別楽しいわけでもなく、
だからといってつまんないわけでもなく、
ほんとにまあ、ふつう。
(京都出身なので古い下町とか門前町とか見飽きてるのあるかもです)

  ただ、いまはもうムカシと違って、
  「てやんでえ、べらぼうめ」なんて言って
  手鼻かんだりするおっちゃんを、
  「粋だねえ」なんてアリガタがる風潮が廃れてきたのは高評価。
  むだなケンカ腰はナシの方向でお願いいたします。


そういう『特に東京好きというわけじゃない』拙でありますが、
本作『江戸前エルフ』は、
のんびり楽しく、そして関心を持って見ることができました。

舞台は月島(その気になれば銀座・築地から歩いて行けるとこ)。

そこにある高耳神社(架空)に、
江戸時代に召喚されたエルフ(エルダ=引きこもり)が、
ご神体として祀られていております。
そのエルフと巫女(小糸=きびきびJK)の絡みを中心に、
ヒトの暮らしをまったりと描いた日常系ですね。

  机をばんばん叩いて爆笑するようなコンテンツではなく、
  ゆるめでやさしい世界観に肩までつかるような『温泉系』。
  とはいえ、笑えるところはくすくす笑える、意外な良作であります。


僕は最初『ほとんど期待せず』一話を視聴したのですが、
  けっこう見やすいかも
ぐらいの印象で『とりあえず』視聴を続けることにいたしました。
で、話数を重ねるにつれてジワジワささってきて、
最後はかなりマエノメリになって完走しちゃった次第であります。

なんでお気に入りになるまでそんな時間かかったんよ、
と言いますと、
実はこの作品『よくできた椀物』みたいな構造になってるんですよね。
澄んで芳醇な風味のあるお出汁があって、
そこにしっかり味と歯ごたえのある具材が浮いている、みたいな感じです。

最初は具材の味しかわからなかったんですが、
しだいにそれを支えるお出汁の風味を感じるようになり、
  ああそうか、これが渾然一体となってるから美味しいのか
みたいなことに途中で気づいたという、
食わせ甲斐のない味オンチ野郎まるだしのていたらくでありまして。


具材というのは大きく分けると二つ。
  ① ヲタぐだ(オタク+ぐだぐだ)+萌え
  ② お江戸トリビア

まず①は、今日的なアニメだとド定番具材ですね。

  オタクでヒッキ-でナマケモノのぐだぐだエルフ(エルダ)と、
  きびきびJK巫女(小糸)の取り合わせで、
  エルフ萌え、巫女萌え、だめヲタギャグなどの需要をしっかりと。

  ス-パ-小学生の小柚子(こゆず=小糸の妹)も差し込み、
  特定需要をお持ちの方にも、
  さらりとお応えいたしております。

  同じ具材ばっかで飽きられないよう、
  他のエルフだの巫女だのも適宜投入いたしておりまして、
  いわゆる『ばっかり食べ』の方も最後まで美味しくいただけます。

これに対して②の『お江戸トリビア』は、けっこう斬新。

  江戸時代の文化・風俗って、
  みんな知ってそうでいて、実は知らないんですよね
  (違ってたらごめんなさい。少なくとも拙はそうです)

  それを、エルフの長命を利用し『思い出』として語らせる。
  このアイディアが実によき。

  特に『お江戸好き』というわけじゃない拙の耳にも、
  ものすごく自然に入ってきますし
  知的好奇心もいい感じに満たされます。
  学校の授業もこんなだったらいいのに、なんて思っちゃう、
  ステキで実のある斬新な具材なのでありますよ。10ヘエあげちゃう♪

ただ、こうした具材だけだと、
定番の具材に目新しい具材をくわえてちゃっちゃと炒めただけ、
いわゆる『なんちゃってエスニックめし』にしかならないわけであります。

これをステキな『椀もの』に仕立てているのが、
じゅわっと沁み込んでいる『お出汁』の存在ではあるまいかと。
ほんと、この存在のおかげで、
ちょっと尖った風味のある具材も、やさしくまろやか、
舌に心地よくなじむ味になってるんですよね。

このお出汁、単一素材ではなく『合わせ出汁』になっております。

ひとつめは『登場キャラの切なさとやさしさ』。
これは前面で具材の味を引き立てる、
いわば『かつお出汁』にあたる部分ではあるまいかと。

  残酷だけど受け入れざるを得ない『寿命の違い』という現実。
  これ、残して逝く者と残される者、
  どちらもつらいけど『残される者』がより哀しいのは自明の理ですよね。

  エルダはそんな思いを何百年、
  家族同然の人々との『別れ』を何代にもわたり繰り返しています。

  小糸にとってエルダは人生で仕える『たった一人』のエルフだけど、
  エルダにとって小糸は、
  何度も繰り返してきた哀しき人間関係の『最新版』なんです。

    おたがい、そんなことは百もわかっています。
    わかっていても、どうしようもないから、
    どちらもあえてそこには踏み込もうとはしません。

  そんなこと考えたって仕方ない、自分は自分のできることをやろう、
  そんなふうに思い、一所懸命にエルダのお世話をする小糸。
  その気持ちを嬉しく思い、
  あとから見送るのがつらくなるだけだとわかっているのに、
  あえて距離を置こうとせず、甘えたり慈しんだりするエルダ。

    この、お互いがお互いを尊重し、
    慈しみと愛しさをもって『いまを大切にする』心。
    これが底辺に流れていることで、
    物語にステキな暖かみが宿っているんだと愚考する次第です。
    (まあ、OPでロコツなカットありますが)

ふたつめのお出汁、
あまり前面にでずふうわりと具材を包み込む、
いわば『こんぶ出汁』みたく上品に物語を支えているのが、
『市井の人々のおだやかな信仰心』であります。

  この作品で描かれる月島の人々って、
  ご神体であるエルダを
  すっごく自然に、愛情をもって、崇めているんですよね。

  みんなが『さまづけ』で呼び、ちゃんとお参りし、
  好きそうなものを奉納したり、  
  姿が見えても驚かしたりしないよう遠くから見守ったり、
  神事の際に町ぐるみで消灯したり、
  お祭りにはみんな総出で駆けつけて応援したり。

    狂信的に崇拝することも、
    勝手にバシャバシャ写メ撮ったりすることもなく、
    みんながみんな、
    あたりまえに受け入れて静かに敬意を払っているんです。

  現代っ子(←死語?)にとっては、
  それ、なんのメリットがあるの? というハナシです。
  実際、エルダに御利益をもたらすリッパな霊力なんかありません。

  でも、日本ホンライの宗教観って、こういうもんなんですよね。

  特に深い教義だのロジックだのシバリだのがあるわけでなく、
  (もちろん神職系の方々は別で、あくまでも市井、庶民のハナシです)
  万物に神は宿るみたくムチャな話さえも、はあそうですかと受け入れ、
  あまりムズカシイことは考えず。
  スナオに神仏どちらも敬って、静かに手を合わせ、感謝する。

    言いたいことがたくさんある方がいるかもですが、
    こういうスナオさ、おだやかさ、寛容性って、
    拙は日本人特有の美徳、ステキなところだと思うんですよね。

  本作の舞台である月島の人々は、
  みんながみんな、そういうココロをもっています。
  エルダたちを温かく見守り、
  なぜもへつたくれもなく穏やかに敬っています。
  これ、すっごく上品でほっこりできるお出汁だと思いませんか?
  (そういうのがキライな方、ごめんなさい。もちろん押しつけません)



僕的なおすすめ度は、堂々のAランクです。

肩ひじ張らず、くすくす笑いながら視聴して、
  ああ、ニッポンってこうだったよね、
みたいな気持ちを堪能できる上品で楽しい一椀ではあるまいかと。

もちろん、そこまでキレイキレイを追いかけた作品ではなく、
  ふつうにもんじゃ焼き爆食いしたり、
  他のエルフが賭ケグルイであったり、
  巫女の一人がインフルエンサーやってたり、
具材にしっかり味がついているのでバクゼンと食していても大丈夫。


お話は、
日常ものらしく一話(パート)完結でさくさくと。
基本はクスクスまったり系で
三話に一話ぐらいのペースで切ない話や人情噺がはさまります。
とは言っても、泣かせる話ではなく『チョイいい話』ぐらいでして、
味変に気づかないヒトいるかもレベルです。


作画は、
見心地のいい高レベルで安定しています。
崩壊らしい崩壊はアリマセン。
制作のC2Cさんは出来・不出来の差が激しいのですが、
本作は『いい方』のC2Cさんですね。

  ただ、EDの3DCGはいただけませんな。
  商業レベルじゃないし、そもそも3Dにする意味ないし。
  育成だの付き合いだので仕事ふるのやめれ。


キャラは、
一人一人にちゃんとタマシイが入っていてよきです。
単にテンプレをあてはめるんじゃなく、
そこにお出汁がじゅわりと染み込んだときどんな化学反応を起こすか、
きちんと考えて落とし込んでるんですよね。
  {netabare}
  大阪エルフのヨルデと向日葵。
  金沢エルフのハイラといすず。
  どちらもエルダと小糸の関係と同じものを『抱えて』いるのに、
  コトバ(方言)の位相に頼らず、
  三者三様の接し方・距離の図り方が描き分けられていて実によき。

  美味しんぼ風にいうならば、
  一つ一つの具材にちゃんと『仕事』がなされているんですよね。
  ほんと繊細なお椀であります。オカボシさんかおまえは。
{/netabare}

役者さんのお芝居は、
大御所・ベテランさんが多めで、全体的にかなり安定しています。
音監が『呪術廻戦』『着せ恋』『ぼざろ』など、
幅広いテイストの作品をうまくまとめられる藤田亜紀子さんなので、
キャラによる凸凹もなく、
耳馴染みのいい仕上がりになっているのではあるまいかと。

  エルダを演った小清水亜美さんが『うまい』のは一聴瞭然。
  いやほんとこのヒトは、
  役柄を捉える感性と、それを表現する技術がハンパないですよね。

  そのほかで僕が「おおっ」と思ったのが、
  小糸を演じた尾崎由香さん。
  このヒトのまっすぐできびきびした『雑味のないお芝居』が、
  ものすごくエルダを引き立てているんですね。
  しかも、エルダに負けず劣らず、キャラがぴいんと立ついい演技。
  {netabare}
    僕は尾崎さんのことを失礼ながらまったく存じ上げなかったので、
    関心を抱いて調べてみたところ、
    あの『けもフレ』でメインはっていた方らしいですね。
    (見てないからまったくワカリマセン)

    で、なんかの番組トークでやらかしちゃって、
    この数年はかなり干され気味の状態だったんだとか。

    そもそも番組トークなんて『テラハ』みたいなもんですし、
    ご本人がナニ考えてるかなんて本人以外は誰もわかりませんが、
    本作におけるお芝居は『ホンモノ』です。

      平野綾さんのときも思ったんですが、
      そういうので大騒ぎして溜飲下げてるアンチさんたちって、
      芝居を聴き分ける耳、なさすぎ。かっこわるいです。
{/netabare}

音楽は、
ナナヲアカリさんによるOPも、
Cody・Lee さんのEDも楽しくていい感じであります。
どちらもSME系列所属の方々。
たまにやらかすSMEさんですが、今回はがんばった。
(とりわけナナヲさんは、新境地開拓ですね)

  ちなみに、劇伴もけっこう感じいいなあと思っていたら、
  松田彬人さんでした。
  あの『響け!ユーフォニアム』劇中曲『三日月の舞』を書いたヒト。
  (それだけじゃなく劇伴ゼンブされてます)

  アニメの劇伴やアニソンの編曲等が主戦場の方らしいけど、
  吹奏楽のスコア書けるってすごくね?
  本作劇伴もできがいいから、ちょっと気をつけて聴いて欲しいかもです。



というわけで、
項目別に見ていっても特に減点すべきところが見つかりません。
だから名作だとか傑作だなんてハナシじゃありませんが、
隅々まで配慮が行き届いた、
ほんと見心地・聴き心地のいい作品に仕上がっております。

  あとはもう、こういうテイストを『好きかきらいか』だけですね。

  無理強いするほどのものじゃありませんが、
  試しにちょっと口をつけてみる、
  ぐらいの価値は充分にある作品じゃないかと愚考いたします。


僕は、きちんと現代のコンクリっぽい街並みも描かれており、
その中で息づく日本の情緒、
みたいな全体のトーンというか方向付けが、すごく好きでした。

伝統的な価値観に『縛られる』のは好ましくないかもですが、
永く受け継がれてきたものの良さって、
ときどき足を止めて向き合ってみるのもいいなあと思うんですよね。

キャッチーなモチーフやプロットをずらずら並べただけで、
下味もなんにもついてないアニメが多い昨今、
こういうお出汁の効いた作品って希少だよなあと思ってもみたり。

  ちなみに、実際にお料理するときって、
  ちゃんと出汁を取るの、けっこうめんどいんですよね。
  ダシの素だの出汁入り味噌だのに走る方の気持ち、わかります。

    江戸時代というか昔の人って、ほんと偉かったよなあ。

  ただ、ひと手間かけるとやっぱり『お味』は変わります。
  三度三度のお炊事まではムリにしても、
  モノづくりにおいてはそういうの、横着して欲しくはないですよね♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27

66.2 5 2023年度のコミュ障アニメランキング5位
SHY(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (131)
371人が棚に入れました
21世紀半ば、地球から戦争が無くなった―― 各国に突如現れた超人的な力を持ち、平和を願う“ヒーロー”によって、世界は大きく変化したのだ。 新たに得られた平和を維持すべく各国のヒーローたちが活躍する世界において、日本の平和を担っていたのは、人前に出るのが超絶苦手な“恥ずかしがり屋”の少女ヒーロー、シャイだった。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

2期前に再視聴。初回より理解できました。キャラ造形の秀逸さも良かったです。

 2期が来ているので改めて見ました。1回目より結構理解が進んだ気もするし面白かったです。

 シャイの性格の描写から人を助けることと同時に助けられることが描かれますが、この時に心の闇=指輪の話が出てくるんですよね。とりあえずこの正義と闇の話が直接リンクしていると思ってしまうと、読み取り方を間違える気がします。

 で、スターダストの話がまた唐突ですね。共感の話です。ここがシャイの弱さであると同時に強さのような表現になっています。ここまででシャイの性格造形と今後シャイがどうやって戦っていくのか、強くなっていくか、戦う意思が提示されました。
 小石川が闇落ちキャラとしての機能がないかと思っていましたが、見返すとシャイが具体的に助ける人を得たことで成長し始めた感じでしょうか。

 そして、憎しみのなさと共感力ということで、ここでスティグマと対立構造になっていくんですね。

 5話で萌えキャラの黒十字のピルツさんが出ることで強さの形はいろいろあるとかヒーローの力が戦うだけでないということが描かれます。
 書道のところはちょっとギャグっぽかったですけどね。まあ、イメージ云々ですからとりあえずおまけですね。

 6話のここから少し話の構造が変わって「アマラリルク」が自らを夢みるもの達と定義しての登場ですね。ツィベタは年中寒いということで心の空洞を象徴しているのでしょう。
 これが正義に対応する存在として、彼らとの対立構造で話が進むようになるのでしょう。「ペーシャ」スピリッツとの関係性です。あとは「指輪なし」が何を象徴するかです。

 7話で指輪の正体がわかり、つまりダークサイドの心=力だということがわかりました。指輪をつけた本人のダークサイドとスティグマの心の組み合わせみたいな感じでしょうか。世界平和=人類補完計画というイメージ。成熟を拒む=永遠の子供でもあります。

 ちょっと「シビレボ」のトークショーの意味がわかったようなわからないような感じはありました。子供にとってのヒーロー…でしょうか。

 で、8話以降はスピリッツとツィペタです。子供のころのつらい現実と心の空白。思い通りになる空間は幼児性でしょうか。現実拒否の妄想への逃避のようなイメージ。で、母の愛を思い出すことで過去を受け入れる。スティグマは人の心につけ込むイメージです。

 で、最後はお姉ちゃんがいたエンドですね。


 ということで、拾ってゆくとわかりやすいし、ちょっとはじめは話のつながりが見えないのと、ちょっと新キャラの唐突感、エピソードの断絶感で入り込めない部分がありましたが、今回見直したら、結構面白かったです。
 
 なので、ちょっと評価を上げておきます。特にキャラとエピソードの描き方がうまいので、ストーリーとキャラに+0.5づつしました。作画も動きは乏しいのですが、工夫で見やすいので+0.5します。




以下 初回視聴時のレビューです。


あらゆる点で惜しい、中途半端。製作は初めから2クールにしないと結局損しますよ?

 もったいない、惜しい、今一つ、まあまあ、なかなか…面白い要素はあった、テーマもありそうだった、キャラもいいと思う、だけどアニメ作品としては中途半端な印象です。

 ヒーローとしての強さ、心の弱さや闇とか、貧困、子供たちの世界への復讐、そういうテーマの要素はありはしましたけど、メッセージがこっちに来ない感じです。
 ツィベタとスピリッツのエピソードでの母が子供と酒を…というのは色んな意味とか感情が感じられるいい場面だっただけに、その中途半端観がものすごく残念な感じです。

 と思って検索したら、2期の制作発表か…いや、2クール以上で作りなよ…と言いたい。1クールがここまでだとすると満足度、人気という点でものすごく失敗している気がします。

 エイトビットでこのクオリティということは、おそらくは予算か人員かいろいろ苦しいであろう感じでした。その点でも悪くはないけど良い訳じゃないというのも、半端な感じです。
 まあ、逆に言えば苦労は感じられるます。制作陣は大変なのでしょう。ですが、視聴者側からすると、だったらもっと作り溜めて2クールで初めからやったら?と思わなくはないです。
 そこは制作というよりも製作の側がちゃんとお金を出しましょう。結果的にリターンが多いと思います。

 メッセージやテーマ的なことも含め原作のポテンシャルは感じますが、惜しいとしかいいようがない感じです。正直考察や深掘りしようにも、素材が足りなすぎます。

 評価は…ストーリーは深さの片鱗は感じられたので3ではなく3.5にします。2期への期待も込めて。キャラはいいですが1クールの範囲だと使い切れてないので4。作画は頑張ったで賞で3.5。声優さんは早見・東山という私がすごいと思う数少ない声優さんを起用した点で4.5。音楽は3にします。

 平均3.7は盛っている感じもありますが、期待値を込めて。





1話 ヒーロー版「ぼっちざろっく」?なかな面白そうです。

{netabare}  アレ?ヒーローアカデミアの萌え女子版?という感じでスタートします。ヒロインの少女はもちろんシャイで恥ずかしがり屋です。そして、ヒーロー活動時にアクシデントがという感じです。

 まあ、話を見ていくとヒロアカではないことは分かりますし、ヒロインの成長が楽しみになるし、どれくらいサービスがあるんだろうという期待も無くはないです。
 エンタメに振り切っても面白そうですが、題名がSHYですからもちろん恥ずかしさを使命と向き合い遂行することで克服する話でしょう。私はストレス多い話も大好きなのでそれはそれで面白そうです。

 ヒーロー版「ぼっちざろっく」とも言えます。あの話は全然克服してないですけど。

 結構アニメの出来は丁寧です。止め絵とスクロールが多いので作画がすごいというわけではないですが、なかなかの水準に仕上がっていると思います。

 ということで、面白そうです。期待枠の一つかもしれません。ダークホース?なんでしょうか。原作付みたいなので人気作だったらごめんなさい。{/netabare}


2話 世界系がすっ飛ばした「他人を助ける」「他人に助けられる」意味をどこまで問えるか?

{netabare}  助ける方と助けられる方の心の闇を描いていました。感謝というのも本当なら、もっともっと早く全員助けて欲しかったというのも本音でしょう。少年マンガ的な展開ではありますが、分かりやすく描けていたと思います。

 主人公の性格が暗いしちょっとダークな雰囲気はありますが、勧善懲悪から脱していることと、物事は1つの視点だけでは見られないと言う事が、しっかり入っているのはいいと思います。

 としたときにちょっと思うのが、よく経済的には失われた30年とかいいますが、創作の世界で「世界系」が果たした文脈、エヴァ、まどマギの流れが正しかったのか?という気になります。利他の意味が性愛とかパーソナルな感情、つまり「恋愛(友情)」に限定されてしまって、他人とか世間というものをすっ飛ばしてしまった気がします。

 世界系という便利な概念の上でなんとなく相対化、ポストモダン、脱構築のような雰囲気で、創作物が難解っぽくテーマ性があるっぽく作られていた気がします。昭和的価値観へのアンチテーゼだけ示して、やり逃げという感じだった気がしてきました。
 当時はそれも最先端だったかもしれませんが、今となっては創作、特にアニメ界に対しては安易な物語の創作技術に堕してしまい、マイナス影響が大きかった気がします。

 この作品のいいところは、世界系で助けることの葛藤が「恋愛」という便利なツールになってしまった単純な視点からの脱却がはっきりした形で見られます。少年マンガ的な分かりやすく説明が多い進行ですが、読み取れるものはなかなかいいと思います。
 助けること助けられることの表裏と深浅と角度をどこまで描けるか。利他の意味を問う作品になってくれそうな感じで、ちょっと…いや、かなり楽しみです。

 火事で両親によって命をつなぐ…という話は「天使な小生意気」にも「武装錬金」にもありましたね。両方ともゼロ年前後です。皆こういうのを描きたいと思っていたんだと思います。世界系により失った何かを取り戻せる作品になることを期待します。

 なおSHYの尻肉になかなかフェチズムを感じました。{/netabare}

3話 テーマに興味があるし、それ抜きにしても普通に面白い。

{netabare} 黒い指輪の正体で「心」がテーマなのはわかりました。そもそも「SHY」というタイトルから内面の話であることは想像はできますけど、結構直接的な設定でした。

 話の展開は少年マンガ的なリアリティラインですけど、その分テンポ良く進むのがいいです。最近の流行なのか、孤独や心の強さなどがテーマになっているのもも興味があるので継続視聴すると思います。本作の原作者の意図がどこまで計算しているのかわかりませんが、指輪の設定から言って時代を反映する何かがありそうです。
 それを考えなくても、キャラとアニメの出来がなかなかいいので、エンタメとして見ても普通に面白い感じです。

 スターダストがバトルを挑んだ目的が分かってくると、展開も見えてきそうです。 {/netabare}


4話 ベタでテンプレ展開だけど、キャラにテーマがあって熱い作品なのが良い。

{netabare} よくあるヒーローもの覚醒の感じです。ですが、心というテーマが明確にキャラの内面と行動に込められていて、しかも、成長を描こうとしている熱い展開なので面白いです。

 少年マンガ的展開を醒めたような客観的な距離感でやられると見てられないんですけど、隠しきれない熱さが非常にいいです。
 本当いうと、原作はかなりあるみたいですので、1年4クールを日曜朝とかゴールデンでやって小学生~中学生くらいに見てもらいたいですねえ。

 それは決して大人が見て幼稚という意味ではなく、ストレスと挫折と成長がある話は思春期前には必要だし、それを真面目にやるなら大人が見ても面白いと言う意味です。{/netabare}


5話 実験的なカットインの手法。効果的な場面とそうでない場面がありますね。

{netabare} なんか、家の前で変身ポーズと名乗りをしてしまってますが、あんまり身分を隠すことに執着しない世界観なんでしょうか?そもそも腕輪隠してないし。まあ、それはいいでしょう。今回はまあ普通にいい話でした。そしてレディブラックが可愛い話でした。

 アニメの技術的な話なんですけど、本作は不思議なカットインを多用してます。キングゲイナーをちょっと思い出す、画面の一部を図形で差し込んだようなカットインです。10分50秒くらい(dアニメで)から始まる山登りして障害について告白するシーンですね。
 また、もう1種類。学園生活5話の15分11秒(dアニメで)から始まるカットインの連続があります。

 それが効果的かどうかが、本作の演出で問われるところでしょう。予算あるいは人材不足を補うための技法かもしれません。

 画面の一部を差し込むようなカットインは、クローズアップの効果で話の焦点がその人物にフォーカスする、という効果は確かにあります。しかし、例えば背景の絵がなんとなくつまらないというかカットインが効果的に見えるような画面になっていない感じがあります。これはもうちょっと工夫した方がいいかなと思います。

 連続カットインはコミカルな演出だし作画は動いていないですけど、画面に動きと時間経過があるので、止め画の出来が良ければ見苦しくないしダラダラ話をされるよりも見やすいし今のタイパの世の中だといいかもしれません。

 その他、止め画をなんとか面白く見せようという工夫が見られます。工夫次第で止め画を多用しつつバトルなど動かすべき時に動けばいい、という開き直りで新しい演出が生まれればいいと思います。

 それともう1点、この作品は女子のデザインが魅力的な作品ですが、可愛い子のスタンプ絵ではなく、それぞれに個性があるのがいいですね。 {/netabare}


9話 なんとなくどういうモノを描こうとしているかは分かりますが、直接的なアナロジーの割には視点が錯綜してテーマが分かりづらいかも。

 心の闇問題ですね。それは1話の時点で分かっていましたが、子どもに限定するのかと思っていました。母ということは親子関係なんでしょうか?ただ、まあインナースペースのような表現なので、辛い目にあった人が自分の内部に閉じこもる話?だから外部=記憶の問題が出てくるのかな?

 ヒーローショーにおける自分の考えという話と対比して、アマラリルクという自分たち独自の正義感で世界を救う=ネットの適当なインフルエンサー(ひ○ゆき、ホリ○○ン等)に踊らされる小中学生の様にも見えます。自分の言説を持てない歪んだ正義感…というより「はい論破」的正論のことです。

 トラウマなのか、毒親と子供なのか、外部世界が辛いからインナースペースに閉じこもることなのか、ネット社会なのか、子供を取り巻く環境をいろいろ重ねているのか。子供というより未成熟とも取れます。つまり、ネット社会か引きこもっている未成熟な大人の可能性もあります。

 スティグマが持っている錆びた傘が象徴するもの、ですね。ちょっと壊れたトトロのイメージもあります。一見子供の味方に見えますが、何を考えているのかわからない不気味な存在です。その妖怪が考える平和とは?

 また、名前を付ける、意味です。名前とは、つまりこの世に概念あるいは存在として定着させる行為です。つまりアマラリルクというのは、彼らのそれぞれに「辛さ」が定義されているような気がします。

 で、まあそういう含意を描こうという気持ちは買いますが、ちょっと分かりづらいかなあという気がします。まあ、ペペシャの母のパートすら終わってないので何ともいえませんけど。第2話~5話、7話の話とその他が錯綜していて、ちょっと的が絞れていない感じはします。




 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

顔から火が出るヒーローが 凍り付いた心に炎を灯す

恥ずかしがり屋の炎の女子中学生ヒーローが、人見知りな性格と、人前に出て誰かを助けたいとの正義感との間で葛藤したりしながら成長していく同名連載コミック(未読)のアニメ化作品(全12話)

【物語 4.0点】
最終話放送直後に2期制作が発表。元々じっくり行く構想だったのか、特に中盤まではスローペース。
主人公ヒーローが{netabare} 習字{/netabare} で殻を破った時はほっこりしつつも、
これお話進むのか?とちょっと不安にw

最近1クール完走後に分割2クールでしたと明かすアニメが増えていますが、
そういう構想があるならば願わくば放送前に宣言して頂けるとありがたいです。


変身ヒロイン枠?として視聴し始めた私ですが、どちらかと言うとアメコミヒーロー志向。
特にフランスなどヨーロッパ地域での海外原作人気を当て込んでのアニメ化そして強気の2期継続ということでしょうか。

21世紀半ばごろ、突如、世界各国に1人ずつ現れた超人的な力を持つヒーローが頑張って“戦争が無くなった”
との趣旨の冒頭基本設定ナレーションは、
ヒーローはなぜ戦争を解決しないのか?だからと言って戦争撲滅編を描き出すと初期の良さが台無しになる。
というアメコミ積年の課題に対する、新世代コミックとしての解答でもあるとのことで(※)

同時に、上記基本設定は、作品の焦点を現代人が抱える“心の戦争”に当てるという宣言でもあります。
ヒーローと対峙することになる敵集団“アマラリルク”も、現実社会との摩擦で心をすり減らした人間の闇に着目し、
童心の純粋さを歪にデフォルメした悪役(ヴィラン)を生成し送り込んで来る。
勧善懲悪とは違う、心について考えさせられるシナリオでした。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・エイトビット

戦闘アニメーションでは、主人公シャイの炎の能力などエフェクトに見応えあり。
自身を顧みず対峙した人間の心の闇に踏み込んで火を灯しに行く。
恥ずかしがり屋なのは人を思いやれる優しい子だから。
シャイの炎には外面的な派手さだけでなく、凝り固まった心を解きほぐすという
テーマに根ざした内面的な美しさがあり、心を揺さぶられました。


原作コミックから流用した斜線を多用したスタイリッシュな『SHY』のロゴ。
シャイの赤面を表現した頬の斜線も想起させられてくすぐったくもなりますw
そのロゴがピンクに“赤面”するフォント変化するアイキャッチも可愛らしくて印象的。


各国ヒーローのコスチュームも光る本作。
エイトビットと言えば、自分の中では未だに『IS 〈インフィニット・ストラトス〉』の印象が強く、
露出が多い女子が描かれると、恥ずかしながらどうしてもエロ目線になってしまいますw
特に恥ずかしいと言いながらハミ尻するシャイの白短パンにはつい目が行ってしまいますw


【キャラ 4.0点】
序盤、主人公シャイに人命救助に失敗したトラウマを乗り越えさせるために再会させた同級生・小石川惟子(こいしかわいこ)。

中盤、それまで救助が主だったシャイにレジェンドヒーローとして戦う覚悟を問う壁役となったスターダスト。

終盤、ただの酔っ払いロシア人じゃないことが明かされた先輩ヒーロー・スピリッツ。
ツィベタこと(※核心的ネタバレ){netabare} 母・レーニャとの過去と本気の親子喧嘩{/netabare} がエグくて熱い1シーズン目のマイベスト。
お酒は大人だって子供に戻れる魔法の薬。
やめられない酒を正当化する魔法のコトバですw

エピソードごとに骨格となるキャラは確立されており、的は絞れている感。

1クール折り返しの最終話にシャイが惟子との友情を深める心の成長エピソードで静かに締めたのも、
本作らしいテーマを捉えたカップリング。


【声優 4.0点】
主演シャイ役・下地 紫野さんの上ずりがちな高音を、
同級生・惟子役・東山 奈央さんが柔らかく包み込む癒やしの構図が基本線。


敵役(ヴィラン)ではクフフさんを演じた日高 里菜さんがトリッキー。
世界のみんなを笑わせると倫理の壁を無邪気に乗り越えヒーローを苦しめる怪演で、
冷たい大人の世界など忘れ、子供のままでいようと訴えるアマラリルクの狂気を象徴。

ロシアのヒーロー・スピリッツ役の能登 麻美子さん。
個人的に2023年は能登 麻美子さんの年。マイベスト助演女優賞はぶっちぎりでマミさんでした。
『~水星の魔女』にて狂気の母親役の怪演で世を震撼させたかと思えば、
本作では感動的な{netabare} 親子愛{/netabare} を幼少期も含めてカバーし熱演したりする。
二度目の全盛期が来たのでは?と思うほどの能登 麻美子さんの充実ぶりに圧倒された一年。
同じく幼少期~大人まで対応した{netabare} CV.沢城 みゆきさん{/netabare} とのマッチアップが本作のクライマックスでした。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は椿山 日南子氏。
静かなピアノ曲で心情をすくい、バトルシーンでは大火力の金管とストリングスでガツンと来る。
優しさと力強さを併せ持った作曲でシャイのヒーロー像を好アシスト。


OP主題歌はMindaRyn「Shiny Girl」
最近アニメタイアップでも目立つタイ人アーティストが歌うアップテンポナンバー。
斜めに疾走するシャイにスタッフクレジットが並走するOPアニメーションがお気に入りです。

ED主題歌はシャイ / 紅葉山テル&小石川惟子「シリタイキモチ」。
ハードな展開の後でも優しいメロディで締めくくり二人の親睦が深まる。
シャイ、惟子各々がソロ歌唱する特殊ED主題歌もあり。


【参考文献】※コミックナタリー「アニメ「SHY」実樹ぶきみ×安藤正臣 | 女子中学生ヒーローを等身大に描くためのこだわりは?」

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

フツーにおも・・・、う~ん。ふつーかなぁ。

確か週刊チャンピオンに連載中の作品のはず(2024.4.26)の作品。
何となく記憶を遡ると、連載開始時に続けて観ていたような記憶があるような・・・。

その後は、確か進行がちょっとスローに感じてしまい、じれったくなってしまったのと、個人的には原作絵に少しクセがあって・・・。
絵柄やデザインが悪いってわけでは無くて、少しごちゃごちゃした感じに見える作風だったんですよねぇ、私の目には。
それでフェードアウトしてほったらかしになって、それ以来って感じだった気がしています。


アニメ(動く絵)になったので、ちょっと見てみようと思っての視聴です。
正直、キャラ絵はほんの少し平成風かもしれませんが、悪くない感じですし、作画もスッキリと見え、色づかいもキライではありませんでした。
見やすかったので、視聴を継続してみました。


内容は、ヒーローをやっている気弱な女の子の成長ストーリー的な・・・。
当人曰く、陰キャではなく、インドア派という事らしいですがw。


まぁ、キャラがハマれば、この手のテンプレがんばろう女子は割と受け入れられることが多い訳で。。。
前述したように、少しバタ臭い、今風ではない雰囲気も醸し出しながらの作風でしたが、それなりに物語を追ってはいけました。


登城する人物のパターンも物語の流れも、そして登場する他のヒーロー、敵方を含めて、まぁまぁ、オーソドックスな装いでした。
それも、味方側の仲間の魅力度が割と高かったことが救いでしたかね。

当初、いろいろありながらも親友的な立ち位置に収まってきた:小石川惟子、先輩ヒーローかつお姉さん的な立ち位置で登場してきたスピリッツ(能登谷さんw)などなど。


物語も、大体の流れを作った後に、スピリッツ関連の過去~現在、親子の物語などを後半のメインに据え、見ごたえはありました。
やっぱり、原作と同じで、ほんの少しスローな印象、もたもたした印象もありましたが、ちょっと、物悲しく、親子の境遇の憐憫を感じさせる物語に仕上がっていました。
割とよく出来ていたんじゃないでしょうか。

それにしても、やはり沢城さん力がある。
うまい、そして「あ、沢城さんだ・・・」と気づいても、こちらの思いが醒めない、物語を止めない。
素晴らしいと思います。


形にはなっていたけれど、続きあるんかなぁ、どうすんのかなぁ、と思ってHPを見たところ、7月に2期を放送予定との事。
へー、最初から決まってたんかなぁ。
で、あれば、少し余裕を持ったつくりもアリなのかなぁ、と感じました。


割とサッパリと観れたので、続く物語も気にはなりますし、多分見るような気がしています。


ああ、OPは割とカラフルな色使いで、曲調も良く割と好きでした。
EDも絵的にも曲的にも好きでした。
なんか、最初の走っている所が意味もなく好きでした。
・・・なんか、他にもこんなようなのが好きだって思った記憶があるなぁ・・・。

・・・なんかの、フェチなのかなぁw。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
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