コミカルでシリアスなTVアニメ動画ランキング 13

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のコミカルでシリアスな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月05日の時点で一番のコミカルでシリアスなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

94.8 1 コミカルでシリアスなアニメランキング1位
鬼滅の刃(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1678)
7017人が棚に入れました
血風剣戟冒険譚、開幕。舞台は、大正日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変した。 唯一生き残ったが凶暴な鬼に変異した妹・禰豆子を元に戻す為、また家族を殺した鬼を討つ為、2人は旅立つ。鬼才が贈る、血風剣戟冒険譚!

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、櫻井孝宏、大塚芳忠、梶裕貴、加隈亜衣、岡本信彦、森川智之、悠木碧、井澤詩織、浪川大輔、山崎たくみ、緑川光、子安武人、坂本真綾、山下大輝、早見沙織、千葉繁、上田麗奈、日野聡、小西克幸、花澤香菜、河西健吾、杉田智和、鈴村健一、関智一、関俊彦、木村良平、福山潤、小松未可子、諏訪部順一、内山昂輝、小清水亜美、森久保祥太郎、白石涼子、稲田徹

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

流行にのってみた

流行にのって視聴。見終えてだいぶ時間が経過して今更のレビュー。

鬼に家族を殺され、妹を鬼にされた竈門炭治郎が妹を人間に戻して敵討ちをするために奮闘する物語。

設定は割とシンプルで見やすいとは思う。
話の分かりやすさと日常的に使いやすい全集中とか~柱(そんなに使いやすくもない?)とかも人気が出た要因の一つかなと思った。
あとはみんな大好き必殺技というか技の名前。
少年マンガにつきものの主人公の成長もあって、やっぱり成長見るの好き。

素直に面白いと思った。流行しただけはあるのでは?
見ていた人多かったから、初対面の人と話すときの話題に困ったときにもしかしたら使えるかもしれない。

何も考えずにボーっと見るのにも良い。

キャラクター達も個性的な設定にしてある。
上半身裸で猪の顔を被った伊之助なんか衝撃的。ご本人の顔とのギャップ。


OP
紅蓮華 LiSA
ED
from the edge FictionJunction feat. LiSA
挿入歌
竈門炭治郎のうた 椎名豪 featuring 中川奈美
紅蓮華やっぱし良いですね。紅白に出るだけのことはある。ずっと聴いていたい。そして、EDの溢れる梶浦由記感。
竈門炭治郎のうたも注目すべき楽曲のようだ。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
時は大正、日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎は、ある日鬼に家族を皆殺しにされてしまう。さらに唯一生き残った妹の襧豆子は鬼に変貌してしまった。絶望的な現実に打ちのめされる炭治郎だったが、妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため、“鬼狩り”の道を進む決意をする。人と鬼とが織りなす哀しき兄妹の物語が、今、始まる--!

1. 第一話 残酷
時は大正。竈門炭治郎は、家族とともに山でつつましくも幸せな日々をおくっていた。ある日、町で炭を売りに出かけた炭治郎が山に戻ると、家族は鬼に襲われ血だまりの中で絶命していた。唯一、一命をとりとめていた妹・襧豆子を救うべく、降りしきる雪の中背中に背負い必死に雪山を下りる炭治郎。その途中、襧豆子は突然唸り声を上げ、炭治郎に襲いかかる。

2. 第二話 育手・鱗滝左近次
炭治郎は冨岡義勇の導きにより、鬼になってしまった妹・禰豆子とともに狭霧山を目指す。夜の道中、炭治郎はお堂から血の匂いを嗅ぎつける。誰かが怪我をしているのかもしれないと駆け寄ると、なんとそこにいたのは、人を喰らう鬼。突如、鬼に襲われた炭治郎は、斧でなんとか応戦するが、鬼の圧倒的な力に、たちまち鬼に組み伏せられてしまう。鬼がとどめを刺そうとしたとき、助けに入ったのは--。

3. 第三話 錆兎と真菰
鬼殺隊--古より存在し、鬼を狩る組織。入隊のための試験「最終選別」に向けて、鱗滝左近次による炭治郎の訓練が始まった。様々な罠が張り巡らされた山下り、刀の素振り、滝修行、そして呼吸法……。狭霧山に来て一年、鱗滝は「もう教えることはない」と炭治郎へ言い放ち、巨大な岩の前で、最終選別へ行くための条件を突きつける-。

4. 第四話 最終選別
最終選別の合格条件は、鬼殺の剣士が捕らえた鬼たちが閉じ込められている藤襲山で七日間生き延びるということ。若き剣士と鬼の生き残りをかけた戦いが始まる。炭治郎は、鱗滝左近次のもとで身につけた呼吸法と型で着実に鬼を斬っていく。二年にわたる鍛錬は無駄ではなかった。しかし、そんな炭治郎の前に、藤襲山にはいるはずのない異形の鬼が現れる-。

5. 第五話 己の鋼
朝日が昇り、七日間の戦いの果てに生き残った剣士たちはたったの四名だった。生き抜いた炭治郎たちを出迎えた案内役からは、鬼殺隊についての説明が行われる。それぞれに鬼殺隊の隊服、伝令役となる鎹鴉が支給され、最後に、自身の日輪刀を造る玉鋼を選んだ。そして、鱗滝の家へと帰宅した炭治郎を待っていたのは-。

6. 第六話 鬼を連れた剣士
鬼殺隊の隊服に身を包んだ炭治郎。腰に日輪刀を携え、禰豆子が入った鱗滝特製の木箱を背負い、鬼殺隊の初任務として毎夜少女が失踪しているという北西の町に向かう。そこで炭治郎は、恋人をさらわれ、憔悴しきっている和巳と出会う。たしかに、近くに鬼の匂いを感じるが、鬼の姿はどこにも見えない。不穏な事件に鬼の影を疑う炭治郎は-。

7. 第七話 鬼舞辻無慘
三人に分裂した鬼が炭治郎を追い詰める。そのとき禰豆子が鬼に襲い掛かった。鬼になってしまった妹は守らなければいけないほど弱い存在ではない--。意を決した炭治郎は、分裂した鬼のひとりを追い、地面に広がる沼へ飛び込む。沼の中で待ち受けていたものは。

8. 第八話 幻惑の血の香り
次なる任務の舞台は東京・浅草の町。大正の華やかな都会の街並みに戸惑う炭治郎だったが、そこで鬼の匂いを嗅ぎつける。匂いを追った先で出逢ったのは鬼舞辻無惨だった。鬼舞辻を斬ろうとする炭治郎。だが、鬼舞辻は行きかう人間を鬼に変え、町を混乱に陥れる。必死に事態を収拾しようとする炭治郎の前に、 とある人物が姿を現す-。

9. 第九話 手毬鬼と矢印鬼
炭治郎を助けた者は、珠世と愈史郎という鬼だった。珠世は炭治郎たちを、”目隠し”の術を施した屋敷へといざなう。そこで炭治郎は、珠世との会話から、鬼を人に戻す方法についての活路を見出すのだった。そのとき--炭治郎を追うふたりの鬼が屋敷の場所をつきとめ、猛烈な攻撃を繰り出す-。

10. 第十話 ずっと一緒にいる
炭治郎の苦境は続く。矢琶羽が最期に繰り出した血鬼術”紅潔の矢”を、炭治郎は水の呼吸の型を駆使し、なんとかしのいでいた。一方で禰豆子と朱紗丸の戦いは続いており、状況を危惧した珠世は、自身の血鬼術を使い-。

11. 第十一話 鼓の屋敷
鎹鴉から告げられた次なる鬼退治の地は南南東--。その途上で炭治郎は、最終選別で生き残った同期の剣士・我妻善逸と出会う。炭治郎は、善逸の消極的な態度に手を焼きつつも山の奥地へ向かうと、屋敷の前で兄を連れ去られたふたりの子どもたちに出会う。そこで、善逸はどこからか鳴り響く鼓の音を聴くのだった……。

12. 第十二話 猪は牙を剥き 善逸は眠る
鼓を打つ度に、部屋が回転する不思議な屋敷の中で、炭治郎は善逸と離ればなれになってしまう。炭治郎と別れてしまった善逸は正一を連れ、恐怖に絶望していた。その頃、炭治郎は、屋敷の主である鼓を打つ鬼と、猪の頭をかぶった奇妙な姿の男に出会う。

13. 第十三話 命より大事なもの
屋敷の主・響凱が鼓を打つたびに部屋が回転し、炭治郎は苦戦を強いられる。前の戦いで骨折している炭治郎は弱気になる自身を鼓舞して、必死に立ち向かう。響凱が使う血鬼術による攻撃にも圧倒される炭治郎。果たして、無事に響凱の頸を討ち取ることができるのかー。

14. 第十四話 藤の花の家紋の家
死闘の末、響凱との戦いに勝った炭治郎。屋敷の外へ出ると、先に脱出していた善逸と出会う。だが、禰豆子の入った木箱を抱えボロボロになった善逸、そして二刃の日輪刀を抜いた猪頭を被った男が立ちはだかる異様な状況を目の前にする-。

15. 第十五話 那田蜘蛛山
次なる目的地は北北東。炭治郎と禰豆子は、善逸や伊之助とともに那田蜘蛛山へ向かう。その山は蜘蛛の巣が張りめぐらされ、無数の蜘蛛が蠢く山だった--。怯える善逸を残し、山に入った炭治郎と伊之助は、蜘蛛の糸に絡み取られた鬼殺隊員に遭遇する。

16. 第十六話 自分ではない誰かを前へ
蜘蛛の糸に囚われた鬼殺隊員と戦う炭治郎と伊之助。糸を斬り、蜘蛛の巣を破り、ふたりは山の奥へ。森を進むにつれ、蜘蛛の糸がだんだん太くなり、操られている者たちも人間には不可能な動きをしはじめる。操られた隊士たちを、傷つけずに動きを止める方法も困難になる中、炭治郎がとった行動とは--。

17. 第十七話 ひとつのことを極め抜け
ここには鬼舞辻無惨直属の配下・十二鬼月がいる--。那田蜘蛛山の母鬼を倒した炭治郎は、妹の禰豆子を人間に戻す手掛かりになる鬼が、この森にいることを知る。傷だらけの伊之助とともに、ふたりはさらに森の奥へ。一方、ひとり寂しく森を進む善逸の前に、人面蜘蛛が現れる。

18. 第十八話 偽物の絆
那田蜘蛛山の父鬼と対峙する炭治郎と伊之助。応戦する炭治郎だったが、父鬼の怪力に吹き飛ばされてしまう。川の近くに落下した炭治郎は、姉鬼を痛めつける鬼の少年・累と出会う。恐怖と憎悪で結ばれた関係を「家族の絆」と呼ぶ累に、炭治郎は激怒する。累と炭治郎の戦いが始まる。

19. 第十九話 ヒノカミ
鬼殺隊最強の剣士である柱が那田蜘蛛山に到着した。父鬼を一太刀で切り伏せる水柱・冨岡義勇。 その太刀筋を見た伊之助は己との格の違いに興奮し、戦いを申し込む。一方、全身に毒が回り、瀕死に陥っていた善逸の前にも、蟲柱・胡蝶しのぶの姿が--。

20. 第二十話 寄せ集めの家族
累より放たれた血鬼術により死を覚悟した炭治郎。走馬燈の中で亡き父が舞っていた神楽を思い出し、水の呼吸とは異なる新たな技を放つ。”ヒノカミ神楽・円舞”--、相打ち覚悟で繰り出したその技で、ついに累の頸を斬り落とす。満身創痍の中、傷つき倒れる禰豆子のもとに向かおうとする炭治郎の前に現れたのは--。

21. 第二十一話 隊律違反
倒れながらも禰豆子を庇おうとする炭治郎を見て、累の中で過去の記憶がよみがえる。かつて病弱だった彼は、鬼舞辻無惨に出会い、血を分けてもらうことで鬼になった。だが、鬼になった自分を、父と母は殺そうとする。そのときから彼は家族を探し続けてきた。どうしても手に入らない絆を求めて--。

22. 第二十二話 お館様
戦いを終えた炭治郎は、禰豆子とともに鬼殺隊本部へ連行される。そこでは鬼殺隊の当主・産屋敷と最強の剣士・柱たちによる「柱合会議」が行われることになっていた。鬼を庇うという鬼殺隊にあるまじき隊律違反をした炭治郎を、柱たちは糾弾する。そして風柱・不死川実弥は、禰豆子に刀を向けた--。

23. 第二十三話 柱合会議
鬼殺隊の当主・産屋敷が、ついに炭治郎の前に現れた。彼は、炭治郎と禰豆子の入隊を容認するという。だが、柱たちはその判断をすぐには飲み込めなかった。風柱の不死川実弥は自らの腕を傷つけ、禰豆子の前に血を晒して、鬼の本性を引き出そうとする。

24. 第二十四話 機能回復訓練
傷ついた炭治郎と善逸、伊之助は蟲柱・胡蝶しのぶの屋敷で治療を受けることになった。二週間後--炭治郎と伊之助は機能回復訓練を始める。だが、その訓練は過酷であり、炭治郎たちの心はへし折られてしまう。その厳しさも知らず、遅れて訓練に参加した善逸は、女の子を前にしてひと際やる気を見せるが--。

25. 第二十五話 継子・栗花落カナヲ
蝶屋敷で機能回復訓練中の炭治郎は、全集中の呼吸を一日中続けられるように修行に励む。最初は全く敵わなかった同期の剣士・カナヲとの訓練も少しずつ効果を上げるようになってきた。毎日修行を休まぬ炭治郎を見て、善逸と伊之助も訓練に復帰するが…

26. 第二十六話 新たなる任務
炭治郎たちが機能回復訓練に勤しむその裏で、鬼の絶対的支配者・鬼舞辻無惨により、十二鬼月の下弦が集められ、鬼側もあらたに動き出そうとしていた。訓練も終盤をむかえ、カナヲとの訓練も互角の勝負ができるようにまで成長した炭治郎のもとに、鎹鴉より新たな任務が伝えられるのだった。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヒット作を語らう時の心の姿勢

2020.04.12 追記

思うところがあっての大幅加筆。
視聴後に書いた作品レビューは後段に残しときます。
 ※ごく一部のアニヲタ批判も含んでるので気分害されちゃったらごめんね


作品の良し悪しについて各々語るのがレビューサイトの目的の一つですが、この作品は久々に普段アニメを観ない層を巻き込んで社会現象を起こしたということもあって、その観点で一言申し上げたく候。基本雑談です。


{netabare}とあるコーヒー屋にて見かけた風景。
「こんないいものなのになかなか理解されない」

自身が愛好しているものを理解してほしい。誤解を解きたい。なんなら広めたい。趣味人なら自然と沸き上がりそうな感覚です。少なくとも目の前で熱弁をふるってるこの人はそんなタイプの人。そしてその対象はアニメでした。
一緒にいる相手はそれほど興味のない層。よくありそうなシチュエーションです。
時は2016年。大ヒット中の映画『君の名は。』を映画館に出向き鑑賞し感動したと伝える非ヲタさん。話を合わせただけかもしれませんが、そんな会話のきっかけを全力で折りにいくアニヲタさんがいました。曰く、

「あーあれ話の辻褄全然合ってないんだよね」
「話が頭に入ってこないから全く泣けなかったわー」
「それよりも新海監督の前作がなんちゃらかんちゃら…」
「それよりも同時期の『聾の○』『この世界の何某に』のほうが凄かったけどね」
等々

前段でなかなか理解されないというやりとりを耳にしてたからなおさらかもしれません。

 「そりゃあんた理解しろというのが無理だわ」

単に巻き込みに失敗しただけでなく、むしろ遠ざける逆の効果を発揮するコミュニケーションでした。あほらし…
別にあにこれで同種のレビューを投稿するのは一向にかまわないと思います。同じヲタ同士で一定の土台を共有してますし、節度を保って思うところぶちまけてもらったほうがよいしそういう場です。
そのため「『君の名は。』つまんねーのにそう言っちゃだめなのかよ!」とか「思ってもいないこと(面白くないのに面白いと)言うほうが不誠実だと思うが?」という話では全くないので悪しからず。

せっかく興味のなかった人が興味を示してくれたのに。当のヲタさんだって仲間になりたそうにこちらを見ているのに。…全力でへし折りにいってませんか?です。

 「どこらへん面白かったの?」
 「アニメってどんなの想像してた?」

せめてこれくらいのワンクッション置いてから持論を展開してほしかったところ。
非ヲタさんはアニメを観にいちいち映画館に足を運ぶなんて滅多にないでしょうに。ここらへんの想像力がこのコーヒー屋で出会ったアニヲタさんには決定的に欠けてます。
もうなんというかオタクどうこうよりも単なるコミュニケーション下手かどうかの話のような気もしますが、やらかしがちなので自戒も含めて気を付けましょう。


というわけで何を言いたいかはもうお分かりですね。
4年ぶりに似たような局面がきてるわけですよ。クリスマスや誕生日のプレゼントに単行本をせがまれてみたり、芸能人がファンであることを公言して、なかには椿鬼奴さんみたいに番組内でネタにしてたりもする。LiSAさんが紅白に出場してたりもしましたね。

とはいっても、制作会社「ufotable」。声優「花江夏樹」「鬼頭明里」。一般人はまず知らない単語です。紅白出場したからといってアーティスト「LiSA」さん知らない人だって多いでしょう。今回で興味を持って動画を漁ったとしても客席サイリウムが乱舞してる光景を見たらそっ閉じしたくなるのが人情です。
余計なお世話でしょうが、同好の士を増やしたい私としましては非ヲタさんとのやりとりは「お手柔らかに」と願うところであります。

『鬼滅の刃』気に入ったのならこんなのもあるよ(^^)
そんな展開を夢見て以下、


■映像凄かったっす

作画に触れて制作会社「ufotable」を話の枕に『fate』『空の境界』をご紹介。劇伴も同じ梶浦由記さんだったりします。


■声優さん繋がりも

ベテラン・若手・中堅問わず実力のあるCVさんが多く起用されていた本作です。要は年間通して登板回数の多い人たち。
竈門家だけでも父:三木眞一郎、母:桑島法子、子供たち:大地葉、本渡楓、古賀葵、小原好美とかいう水準です。

 「その○○役やってた人だったら、今ちょうど△△ってアニメに出ているよ」

リアタイものだと「じゃあ明後日チェックしてみよう」と敷居が下がったりするものです。

それに各々代表作を持ってそうですから、そちらへの誘導もありですね。
花江夏樹さんなら『四月は君の嘘』。早見沙織さんなら『あのはな』。あたりは非ヲタ向け鉄板でしょう。「いやそれより『俺ガイル』が鉄板だ!」そのへんはどうぞご自由に(笑)

我妻善逸(CV下野紘)からの『ACCA』ジーン・オータス役。
嘴平伊之助(CV松岡禎丞)からの『SAO』キリト役。
本作での役どころとは違う顔を見せている作品も驚きがあっていいですよね。


自分もそうでしたが、声優さん、制作会社、劇伴担当、キャラデザインあたりの繋がりから広がっていったと思います。

まあそんな感じの世迷い言です。お付き合いいただきありがとうございました。
ちなみに私はこの作品を手放しで褒めておりません。{/netabare}




↓以前投稿した作品についての感想
--------------------------------------------------------------
2019.10.04記
旧件名:良いほうの『少年JUMP』

{netabare}
艶やかな街の灯り
静謐な山間の雪景色

とにかく綺麗な作品です。
色使いが独特といいますか鮮やかな色の組み合わせが印象に残ります。
主人公炭治郎の羽織(緑と黒)はサムネでも確認できる組み合わせ。

その一方で、毎話冒頭サブタイトルコールの墨色を用いた水彩風の演出にも味わいがある。全体の色味が和風なんですよね。

そしてこれがぐねぐね動くのを目の当たりにすることになります。
バトルシーン。抜刀時の緊張感。連続した体動作の流麗な運び。対立する“鬼対人”の果てなき抗争の物語のためバトルシーンは多くあり、手を替え品を替えての演出に都度唸ることでしょう。


制作会社『ufotable』は、『劇場版 空の境界』でアニメビギナーだった私の心が鷲掴みにされたこともあって、本作『鬼滅の刃』は事前から楽しみにしていた作品でした。

『空の境界』は、和装のヒロインの殺陣がとにかく流れるようだったのとそれを活かすコマ割りで、これまでバトルを“迫力”という概念でしか見れてなかった自分に”美しさ”というものを教えてくれた忘れられない作品です。



さて『鬼滅の刃』に戻ります。
冒頭作画に触れたのは、この一点だけでも「買い」だと思ったから。なお原作は未読です。
週刊少年ジャンプは『ONE PIECE』が連載される前に卒業した私ですが、いかにもジャンプらしい作品と言えるのではないでしょうか。たしか

 “ 努力 友情 勝利 ”

でしたっけ?
その王道を行くかのような竈門炭治郎(CV花江夏樹)が主役の物語。鬼に親兄弟を惨殺され唯一生き残った妹も鬼と化してしまう。その妹竈門禰豆子(CV鬼頭明里)を人間に戻す手段を探るべく、人外なる鬼を討伐する組織へと身を投じていく流れとなってます。

良いですね。
炭治郎が素直で努力家で妹思いで諦めない強い意志を感じさせるいい奴なんです。私としてはこの主人公と冒頭述べた作画の2点推しです。
・・・以上なんですけど一応5項目整理しておきます。


▼物語

あらすじ読むと暗そうな話ですが、実際展開されたのはシビアな場面とギャグパートとのほどよい緩急。すっと肩の力を抜けるポイントが用意されてそこそこ笑えます。
それにインフレし過ぎない敵キャラ。鬼舞辻無惨(CV 関俊彦)を最終目標と定めてのブレない展開も好感。
炭治郎の鍛錬シーンに尺を取り強くなっていく過程を丁寧に描いたことは戦闘の重みや背負うものの大きさなどに説得力を持たせる効果がありました。また、鬼を一方的な悪として描かないこともお家芸とはいえ好きな設定。


▼声優

弱っちいけど芯のある人物を演じるには花江さんの選択は良かったかと。2018年初頭『グランクレスト戦記』『ラーメン大好き小泉さん』でその名を認知したのち、視聴作品が被ってなかった鬼頭明里さんのフルボイスを久々聞けたのは個人的に◎。
敵方の “ 十二鬼月 ” そして鬼殺隊エリートの “ 柱 ” 両陣営にも豪華声優陣を配置。 一部しか登場してないので今後の発展性の面でも楽しみが残ります。

{netabare}禰豆子を人間に戻すためのキーマン珠世を坂本真綾さんが演じられているのも耳に心地よい。もっと珠世を出しておくれ!{/netabare}


▼キャラ

我妻善逸(CV下野紘) 嘴平伊之助(CV 松岡禎丞)の位置づけが絶妙でした。
濃いっすね。途中からお笑い担当みたいになってましたが…
{netabare}協力プレイで敵を撃破!という印象がないのです。
意図したものなのか、兄と妹の絆に焦点あてていて友情プレイは控えめでした。今後の伸びしろを感じるところです。{/netabare}


▼作画

既述。
追加で、室内戦闘の描写もすさまじかったですね。
{netabare}ジャミロクワイの名曲『Virtual Insanity』のPVイメージで、そこの灯りを暗くして動きをめちゃくちゃ激しくしたような響凱(CV諏訪部順一)との戦闘も目を奪われました。鼓を打つ鬼とのバトルですね。{/netabare}


▼音楽

安定の梶浦案件。
地味に評価したいのが2クールの前後半通してOPEDが変更されなかったことでしょうか。昨今のお作法からみても異例な気もしますが不自然さは感じません。
{netabare}後半で曲を一新して、最終話クライマックスで前半OPどーん!演出って分かっていてもアガるんです。でもそれをしない勇気といいますか、作品の一貫性考えると変えないほうがいい気がします。{/netabare}




整理してみると、個別項目でのマイナスはあまりなかったです。
続きは劇場版でということでしょうが、まだ開けてない引き出しも豊富なので不安はないでしょう。

ただし、2クール後半でやたらキャラ増やしてお披露目パートみたいになってたのをどう見るか?
ちょっとイマイチでした。単に私が消化しきれなかっただけで、これも続きありきということなら仕方のないことなのかもしれません。

それに少年漫画らしいシンプルな面白さを追求した感があって、エンタメとして申し分ないわけですが、天井をぶち抜くような破壊力まではありませんでした。あくまで感覚的なものです。

きっと作画表現に度肝を抜かれたこともあって同等かそれ以上のレベル感で「深み(絶望)のある物語」を期待してしまったのではないかと思われます。


いや充分面白いんですよ。今期(2019年9月終了もの)TOP3に入るのは間違いありません。全方位でおすすめです。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~9月 リアタイ視聴

-------


2019.10.04 初稿
2020.04.12 追記
2021.08.11 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 105
ネタバレ

いしゆう さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

♪強くなれる理由を知った♪~観終わった後の充実感ヤバです!

あらすじはあにこれを参照ください。

放送時間:2019年4月~

◎物語
冒頭から救いのない展開です

大正時代を舞台に家族を鬼に殺され 
唯一の生き残りの妹(禰豆子)も鬼にされ絶望の"炭治郎"が
"冨岡義勇"という剣士に出会い 物語は始まります。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇鬼殺隊入隊 1話~5話{netabare}
家族が殺され途方に暮れている"炭治郎"に対して"富岡義勇"が放つ一言

”生殺与奪の権を他人に握らせるな!

みじめったらしく蹲るのはやめろ 
そんなことが通用するならお前の家族は殺されていない!

奪うか奪われるかの時に主導権を握れない弱者が妹を治す?
仇を見つける?笑止千万!!

弱者には何の権利も選択肢もない 
ことごとく力で強者にねじ伏せられるのみ”

厳しいですが真っ直ぐな正論 しかし心の中では

”泣くな 絶望するな そんなのは今することじゃない

怒れ! 許せないという強く純粋な怒りは
手足を動かすための、揺るぎない原動力になる

脆弱な覚悟では 妹を守ることも治すことも
家族の仇を討つことも、出来ない!”

厳しいけど心に沁みるセリフです○o。. 

彼の人柄が見えると同時に 
厳しい世界観を考えさせられる場面でした。 

そして”判断がおそい”
厳しさの中に優しさや思いやりがある
"鱗滝さん"のもとで修業が始まるのですが渋くて格好良いです。

選別試験で現れた手鬼
"錆兎"と"真菰"たちを殺した憎い鬼も最初は人だったんですよね
少し複雑な思いです。

”よく生きて戻った”
"鱗滝さん"が二人を抱きしめるシーンは胸が熱くなりました。
{/netabare}
☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇鬼舞辻との邂逅 6話~10話{netabare}
”鬼舞辻無惨”の近い鬼から血を採取する!
医者の”珠世さんと”珠世さんラブが深すぎる"愈史郎"の登場で
”禰豆子”を治す方向性が明確になります。

最初に現れたのは 
16歳以上の女は醜いと食べてしまうアホな”沼鬼” 
しかも3体に分身するし歯ぎしりがすごい耳障りでウザ過ぎでした。

さっさと処理して次の目的地東京浅草へ 
薄々感じていましたが
やはり世間では鬼は認知されていなかったんですね

平和な日常を守るため 鬼を狩る鬼殺隊 まるで歴史の闇のようです

そして本来は蹴鞠が好きな小さい子供だったのに
呪いで死んだ"朱紗丸" 残酷だなって思うと同時に 

その人の意思関係なく勝手に鬼にして
蜜をやり操っていると思っていたら
都合が悪くなると殺してしまう ”鬼舞辻”ヤバすぎ許せないよ!

最後に"珠世さん"と"愈史郎"を人と思い守った”禰豆子”に
涙する"珠世さん"に思わず感動 心に響きました。{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇仲間との出会い 11話~14話{netabare}
同じ鬼殺隊の”我妻善逸”と”嘴平伊之助”との出会い
そして元十二鬼月の”響凱”との戦いを描いています。

頼りなくて剣士らしくない”善逸”と
猪突猛進でナイスにデレるチョロ男子”伊之助”

10話まで結構シリアスだったからお笑い回かなって思っていたら
良い意味で裏切られました。

”善逸”の気を失ってからの本気! 度肝を抜かれました。
( 剣士らしくないとかいってごめんなさい )

そして骨折してる”炭治郎”が心の中で
”折れてる”炭治郎”もすごいんだというのを見せてやる!”
根性は凄いと認めますが 最近心の声が多くなってませんか?

14話 お笑い回ですね 和みました○o。.。{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

那多蜘蛛山に住む鬼の一家の討伐 15話~21話{netabare}
"炭治郎"と"善逸"そして"伊之助"が向かった先には十二鬼月がいた。
鬼殺隊の柱 "冨岡義勇"と"胡蝶しのぶ"も交えての乱戦が始まる。

そしてついに”累”と対峙する"炭治郎"と”禰豆子”
爆血からヒノカミ神楽への流れの場面から挿入歌エンディングの流れ
すごい!すごい!すごい! ここ何度も観返しました○o。.

その後"冨岡義勇"の凪 
ヒノカミ神楽が動とすればこちらは靜のようです 

美しい!と同時に美味しいところ全部持っていきましたね
嫌でも好感度上がるやつじゃん!

もう一人の柱”しのぶ”登場
黒目大きくて口調も軽やかで可愛いのに
”正しく罰を受けて生まれ変わるのです”
聖女の様な会話がいつのまにか気付けば他人を煽っている
やっぱり柱 一筋縄じゃないようです○o。.。{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇柱合裁判 22話~23話{netabare}
"冨岡”や”しのぶ”を観ていて何となく感じてました
彼等人の話あんまり聞かないですよね・・・

期待したほかの柱も自由過ぎでしょ
この中だと”富岡”や”しのぶ”がまともに見えるから不思議
{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇蝶屋敷の機能回復訓練 23話~26話{netabare}
弱くてゴメンね あの元気な"伊之助"が弱って
女子との訓練にこわれる"善逸"(平常運転?)

選別試験以来同期の”カナヲ”や”玄弥”との再会 

"胡蝶しのぶ"と”カナヲ”の過去 
過去を知るまでは何か達観してるような感じにみえた
"胡蝶"と”カナヲ”でしたが 今は180度考え変わりました

最初嫌な奴かなって思わせて 実は・・・
鬼滅の刃ってこのパターン多くないですか?
毎回騙されてる気がする○o。.。
{/netabare}

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇キャラ
暗い内容に主人公たちの重い過去
それでも暗くならないのは個性的な彼らのおかげでしょう

幼いのになぜかお父さん目線の炭治郎や
女子大好きな善逸 そして単純な伊之助

そして普段のふわふわしてる態度からは想像できない戦いの顔
このギャップにやられます♪

◎作画
時代背景は大正時代
人物が太く描かれていてかつ背景が落ち着いた配色
凄く丁寧で特に自然現象の表現は綺麗って感じる作画です。

あと この作品で一番好きなのは
夜の闇の背景に華やかで色彩豊かな戦闘シーン!
まるで夜空に浮かぶ花火の様な迫力がある描写はとても優雅です♪

これまでもこういう関係の評価の高かった制作会社ufo
今作は表現に加えて人物の表情が豊かになって凄いと感じました。

〇音楽
OP曲 紅蓮華
ED曲 from the edge 共に歌うのはLiSA安定してますよね
”強くなれる 理由を知った”思わず口ずさみたくなるフレーズです。
{netabare}
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
強くなれる理由を知った 僕を連れて進め

泥だらけの走馬灯に酔う こわばる心
震える手は掴みたいものがある それだけさ
夜の匂いに空睨んでも
変わっていけるのは自分自身だけ それだけさ

強くなれる理由を知った 僕を連れて進め

どうしたって!
消せない夢も 止まれない今も
誰かのために強くなれるなら
ありがとう 悲しみよ
世界に打ちのめされて負ける意味を知った
紅蓮の華よ咲き誇れ! 運命を照らして

イナビカリの雑音が耳を刺す 戸惑う心
優しいだけじゃ守れないものがある? わかってるけど
水面下で絡まる善悪 透けて見える偽善に天罰
逸材の花より 挑み続け咲いた一輪が美しい

乱暴に敷き詰められた トゲだらけの道も
本気の僕だけに現れるから 乗り越えてみせるよ
簡単に片付けられた 守れなかった夢も
紅蓮の心臓に根を生やし この血に宿ってる

人知れず儚い 散りゆく結末
無情に破れた 悲鳴の風吹く
誰かの笑う影 誰かの泣き声
誰もが幸せを願ってる

どうしたって!
消せない夢も 止まれない今も
誰かのために強くなれるなら
ありがとう 悲しみよ
世界に打ちのめされて負ける意味を知った
紅蓮の華よ咲き誇れ! 運命を照らして
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
{/netabare}
挿入歌は中川奈美が歌う”竈門炭治郎のうた”
思わず鳥肌立ちました 何度も見直す場面です。
しかし題名のインパクト凄いですよね 何歌ってるか気になりますよね
{netabare}
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
我に課す 一択を
運命と覚悟する
泥を舐め 足掻いても
目に見えぬ細い糸

泣きたくなるような優しい音
どんなに悔しくても
前へ 前へ 向かえ
絶望を断ち

傷ついても 傷ついても
立ち上がるしかない
どんなに打ちのめされても
守るものがある
守るものがある
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
{/netabare}
映像ばかりに気を取られていたのですが
うん 結構男の子らしい歌詞なんですね○o。.。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇観終わって
”禰豆子”を元に戻すために鬼殺隊に入隊し鬼と戦う!
物語の目的しては非常にシンプルで◎

そして鬼との戦いも頭脳戦とか基本無く
力と技のせめぎ合いでこちらもシンプルでわたしは嬉しい。

映像も綺麗ですし流れるような表現の数々には思わず見入ちゃいました
その中でも お勧めしたいのは鬼との戦闘シーン○o。.

鬼殺隊の武器の刀を使った
様々な”呼吸法”による技の表現はまばたき忘れるくらい綺麗!

激しくて荒々しいのもあれば 華やかな中に清々しさがあったりして
背景の黒(鬼は夜しか活動しないので)に広がる鮮やかな色彩は最高!

そして戦闘シーンと日常風景のギャップ

戦いで鬼と対峙して必死に戦ってる彼らも
なんだかんだ言ってもまだ少年 
彼らの会話の掛け合いとても和みます○o。.

まだまだ書きたいことはありますが

映像以外でも声や音などアニメの特色を生かした演出
これらを上手に化学反応させたすばらしい作品だと感じます
どんな変化なのかはその目でお確かめください♪○o。.

原作がマンガで斬新さはあまり無いですが 
それよりも非常に丁寧な作りで観終わった後のこの充実感ヤバです!


そして続きは劇場版 今から楽しみに待っています♪

以上 最後までお読み下さりありがとうございます。












  











 





 






 



 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34

78.5 2 コミカルでシリアスなアニメランキング2位
ふしぎの海のナディア(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (582)
3140人が棚に入れました
西暦1889年、パリ万国博覧会中のエッフェル塔で、飛行機の発明を夢見るジャンは、サーカスの団員ナディアと、彼女の友達である赤子ライオン(キング)に出会う。彼女の持つ謎の宝石ブルーウォーターを狙うグランディス一味から逃げ、ナディアの故郷を目指す旅のなかで、悪の組織ネオアトラン(ネオアトランティス帝国)の首領ガーゴイルが占拠した島で生き残った少女マリーと出会う。しかし、マリー、キング、ナディアの3人は、ガーゴイルに連れ去られる。初めはブルーウォーターを狙っていたグランディス一味と共にナディア達を助けるうち、ジャンは万能潜水艦ノーチラス号のネモ船長とガーゴイルとの戦いに巻き込まれていく。

声優・キャラクター
鷹森淑乃、日髙のり子、水谷優子、滝沢久美子、堀内賢雄、桜井敏治、清川元夢、大塚明夫、井上喜久子
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ようやく見るに至る

再放送されていたのを見たことはあったが、追っていたわけではなく、話の内容はほとんど知らないも同然だった。
しかし、アマゾンプライムビデオにいつの間にかあったので、見ることができた。

何かと葛藤が多いし、割と人がばんばん死ぬんやなあ。思っていた以上にシリアス。潜水艦離脱からの中だるみしたのか無人島漂流。いつの間にかグランディス、サンソン、ハンソンが良い奴になってるし。キャラソン一挙放送みたいな謎回もあるし。ツッコミどころありすぎ。
さらに気づいたら、最終話に向けて一気にシリアス展開。僕の大好物である後日談も交えて、最終的にはしばらくロスに至る自分史に残る作品だと感じた。本当にずるいよ。庵野秀明。最後の脱出とか、あれだけで泣けてしまうよ。
{netabare}エレクトラがひっそりとネモとの間に子供まで作っているのはたまげた。サンソンはグランディスだと思っていたのに、まさかのマリーと結婚しているのもびっくりだわ。{/netabare}
褐色露出多めヒロインも当時も現在でも斬新でありですね。NHKも共同制作に入っているわりにはやりたい放題やっていたみたいね。なんにせよジャンとナディアがハッピーエンドを迎えられたのは良かった。

鷹森淑乃の声も良かったし、貞本義之のキャラクターたちみんな良かった。

人を殺すくらいなら殺されたほうがまし。とは言うけど、人殺しに自分だけで済むならまだしも、自分の大切な人が殺されても平気でいられるのだろうか?殺人は駄目なのは当たり前だけど、正当防衛というものがある。

23話には驚かされた。あれが例の嫉妬に狂った女エレクトラなのか!背筋がぞくぞくした。まじでとんでもないな。
{netabare}ナディアがネモの実の娘でそっちに愛を注がれるのは嫌だから殺そうとするなんて。清純で冷静沈着なお姉さんだと思ってたのに。挙句、自殺未遂ですよ。これじゃあ、単なるメンヘラですやん。ネモの圧倒的な漢気で全部解決。
嫉妬描写が多いグランディスのほうがやりそうなのに。あ、でも、グランディスのほうが気持ちいいほど分かりやすい性格しているから大丈夫やな。お嬢様育ちとは思えない。料理上手だしね。結婚詐欺の被害に会って、財産も勿論だが、ほぼ全てを失うという悲しい境遇を乗り越えているから強い。{/netabare}

ナディアが肉食を嫌う。科学、文明を嫌う。菜食主義って文明社会でないと達成できないよなあ。なのに、無人島に漂流したとき、自然と共に自分は生きていくだなんて矛盾を抱えている。食糧を盗むことでしか生活できないなら、自然と共生しているとはとても言えない。人間は自然の中では生活しきれないからこそ、文明を作りあげてきた。この便利さからは逃れられない。

子鹿を殺したことを責めるが、ライオンとかは子供を狙うじゃん。動物を殺すのは駄目でも植物は許されるのか?肉食動物が肉を食べることを知らないし、卵が動物の生まれる前の段階なのにそれは食べることができる。一見ヴィーガンのようだが、違う。そもそも僕はヴィーガンの思想自体理解しきれない。菜食主義でも肉を無理矢理食べると感動して菜食主義を辞めたくなるらしい。肉食には抗えない。人間も動物だからね。自分のポリシーとして貫くぶんには構わなくても、人に押し付けてはダメ。おいおい蚊は殺してもええんかーい!!過去のトラウマはそう拭えないもんだね。後日談でも断固として食べてないし。

ナディアは思春期特有かもしれないけれど、非常に面倒くさい。自分の過去を振り返ってもそう思う。なんでこんな面倒くさい思考回路してたんだろう?恥ずかしい。だからこそ、ナディアを見るとイライラしてしまうんだなあ。上手に描いているもんだ。腐った物を食べてお腹を壊したところを助けようとしたジャンに感動してしおらしくなったなあ。

ジャンもデリカシーがないなあ。女性の気持ちに鈍感。女性にキスを誰としたとか訊いたらまずいやろ。かくいう僕も女性の気持ち、ましてや人間の気持ちなんて分からない。努力はしているつもり。男子校生活は終わったはずなのに未だにおかわりしてるもんだから、なんだかんだジャンに共感できる。
キングがなんか可哀想。

そして、潜水艦から切り離されたあたりからシリアスからはほど遠いほのぼのとした生活。無人島とか部族とか。ナディアが浮気してしまえるほどの緩さ。いくらなんでもジャンが報われない。

マリーの声を聴くと水谷優子が忍ばれるなあ。

OP
ブルーウォーター 歌 森川美穂
ED
Yes, I will... 歌 森川美穂
この作品が放映されたとき僕は生まれていなかったけれども、曲は聞いたことがあって好きだった。どちらもいつまでもリピートできる気がする良曲。特にED。メッセージ性も強くて好きだな。
他にも大量のキャラソンやら挿入歌やらあるけど、見ている途中で僕もたるんできたので、あんまり印象に残ってない。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
時は、1889年。発明好きの少年・ジャンは、万国博覧会の会場で謎の少女・ナディアに出会う。ナディアに一目ぼれしたジャンは、ひょんなことからナディアとともに冒険へと旅立つことに―。


1. エッフェル塔の少女
パリの万国博覧会にやってきた発明好きの少年ジャンは、セーヌ川の岸辺で見かけた少女・ナディアに一目ぼれ。そこへ、ナディアの持つ宝石"ブルーウォーター"をねらう三人組があらわれる。

2. 小さな逃亡者
ジャンの活躍で三人組から逃れることができたナディアは、ル・アーブルにある彼の家で夜を明かす。ところが翌朝、三人組が万能戦車グラタンでふたたび襲ってきた。ナディアとジャンは、空を飛んで逃げることに。

3. 謎の大海獣
ジャンとナディアの乗った飛行機が故障し海に不時着。偶然パトロール中のアメリカの戦艦に発見され助けられた二人。しかしほっとしたのも束の間、今度は謎の大海獣が現れ、戦艦と激しい戦闘を始めてしまう。

4. 万能潜水艦ノーチラス号
謎の大海獣と戦艦の戦闘中に、海に投げ出され取り残されてしまったジャンとナディア。すると二人の前に最新の装備を持つ潜水艦が現れる。二人はエレクトラと名乗る女性から親切なもてなしを受ける。

5. マリーの島
ノーチラス号に別れを告げたジャンとナディアは、改良してもらった飛行機でフランスに向かう。ところが、突然攻撃を受け飛行機は近くの島に墜落、しかもその島は謎の侵略者たちによって占領されていた。

6. 孤島の要塞
侵略者にマリーが捕らえられてしまった。ジャンとナディアはマリーを救い出すため、島の中心にある秘密基地へ潜入する。二人はそこで、ノーチラス号と闘っていた潜水艦を目にする。

7. バベルの塔
ジャンをかばって囚われの身となったナディア。ネオ・アトランティスの首領ガーゴイルは、ナディアをなぜかプリンセスと呼び、マリーとキングを人質にして組織への協力を迫る。彼の狙いはいったい何なのか?

8. ナディア救出作戦
グランディスたち悪党三人組と再会したジャンは、ナディアを助け出すため力を合わせることに。ジャンと対面したガーゴイルは、ナディアたちの命と引き換えに、ブルー・ウォーターの在り処を聞き出そうとするが。

9. ネモの秘密
ネオ・アトランティスの基地が崩壊、グラタンで海へと逃げ出したジャンたちは、ノーチラス号に助けを求め、ネモの判断で救出されることに。そこで、初めてナディアに会ったネモは驚く。

10. グラタンの活躍
ネモの命令で部屋を分けられケンカをしてしまったジャンとナディア。一方、ノーチラス号はガーゴイルの飛行船カルカロドンを追撃するのだが、逆に地下水道で新型の浮遊機雷に囲まれてしまう。

11. ノーチラス号の新入生
ノーチラス号の窮地を救ったグラタンの活躍が認められ、グランディスたちは見習い乗組員として採用されることに。客員となったナディアも何か役に立とうと、船内の調理場でグランディスを手伝うのだが失敗ばかり。

12. グランディスの初恋
魚料理にあきて不満をもらすハンソンたちを見かねたネモは「狩りの日」をもうけ、ノーチラス号は無人島に上陸。次々島に繰り出す船員たち。その夜、無人島の浜辺でグランディスはナディアに自分の過去を語る。

13. 走れ!マリー
小鹿を狩ったことに激怒するナディアはジャンとケンカ、ほかの船員たちもみんな仕事が忙しく、かまってもらえないマリーはキングと島の探検に出かける。古い線路を見つけたマリーたちだが、迷子になってしまい。

14. ディニクチスの谷
ガーフィッシュを追い、再び海に出るノーチラス号。そんな時、マリーが灼熱病にかかってしまう。そしてナディアまでもが倒れてしまい、二人ともあと2日の命と診断される。病気を治すには特別な薬草が必要だった。

15. ノーチラス最大の危機
ノーチラス号の科学の力にますます感動するジャン、逆に反発するナディア。そんな折ノーチラス号は、ガーフィッシュとの戦闘の最中に損害を受けてしまった。修理をするため海上へ浮上すると、そこには。

16. 消えた大陸の秘密
全ての争いの元となっているブルーウォーターを持つ自らの運命に悩み苦しむナディア。一方、船体修理中に機関部で漏れた有毒ガスにより犠牲となったフェイトたちを埋葬するため、ノーチラス号は海底遺跡へ向かう。

17. ジャンの新発明
父の死を知りその敵を討つためノーチラス号の正式な乗組員を志願したジャンだったが、ネモに断られてしまう。すっかり落ち込むジャンに、ナディアは「またジャンの飛行機で飛んでみたいな」と、彼を元気付ける。

18. ノーチラス対ノーチラス号
度重なる戦闘補修によって資材が不足したノーチラス号は、補給のため南極にある秘密基地へ向かう。その途中、謎の物体に捕えられてしまう。それは何億年も前に生きていたとされる巨大なオーム貝・ノーチラスだった。

19. ネモの親友
南極大陸の地下に広がる秘密基地に到着したノーチラス号。ネモはジャンとナディアをつれてある場所へと向かう。その途中には遥か太古に絶滅した様々な生物たちが、氷で保存された氷の博物館があった。

20. ジャンの失敗
ガーゴイルは空中戦艦を建造し、ネモを倒すため再び動き始めていた。一方、ますます発明に没頭するジャンは、小型ジェット機を造り上げるが、実験に失敗し、その爆発によってガーフィッシュに見つかってしまう。

21. さよなら...ノーチラス号
ガーフィッシュの集中攻撃を受けたノーチラス号だが、逆にガーフィッシュを撃沈。ところが、空中戦艦からガーゴイルの新兵器・スーパーキャッチ光線が発射され、ノーチラス号は空中に引き揚げられてしまう。

22. 裏切りのエレクトラ
海底へと沈んでいくノーチラス号。ネモ船長は乗組員をメインブロックに集め、戦闘ブロックを切り離した。自爆した戦闘ブロックがガーフィッシュを全滅。ネモ船長は、船長室にナディアたちを呼び出し。

23. 小さな漂流者
ナディアたちを乗せた船長室は、ゆっくりと海中を進み、とある砂浜に漂着。しかし島はもう誰も住んでいない無人島。ナディアは、誰も、悪人もいない、この島で生きていこうと決心する。

24. リンカーン島
一夜明け、ナディアは島を"リンカーン島"、漂着した入江を"キャプテン湾"、砂浜を"ナマジャキビーチ"などと命名。科学文明と縁を切って生きていくと、森の中へと行ってしまった。

25. はじめてのキス
ジャンとナディアは、肉を食べるか食べないかで激しく言い争う。肉を食べない!と一方的に宣言し、意地を張るナディアはジャンに対して怒ってばかり。そして、腐ったホウレンソウの缶詰を食べ、寝込んでしまう。

26. ひとりぼっちのキング
人はひとりで生きていられないと感じ、ジャンにあらためて感謝し優しくなったナディア。その様子を見たキングは、激しく傷つき動揺。そして、仲良く寄り添いあうジャンとナディアを目撃し、ついに家出をしてしまう。

27. 魔女のいる島
リンカーン島を激しい台風が襲う。ジャンがせっかく作った小屋は吹き飛ばされ、発明した数々の装置も崩壊し、キングは強風に吹き飛ばされ行方が判らなくなる。台風が去った夜、見慣れない島が流されてきて。

28. 流され島
エアトンがおびえる「恐怖の大王」から逃げるナディアたち。重力異常でいつもより速く走り、高くジャンプすることが出来るのだが、やりすぎて島を一周してしまう。「恐怖の大王」の正体、それは。

29. キング対キング
新しい島での生活をはじめたジャンとナディアだが相変わらず言い争いが絶えず、グランディスはネモへの思いがつのるばかり。そんな中サンソンとハンソンはふとしたことから意見が対立、ケンカになってしまう。

30. 地底の迷路
グラタンの修理が完了する日が近づいていた。目指す場所はアフリカ東海岸だ。ところが蚊が大量発生し作業どころではなくなってしまう。一方ジャンとナディアは不思議な穴を発見する。その穴の中で目にしたものは?

31. さらば、レッドノア
地下にある遺跡で突然壁に吸い込まれたナディアは、島の中の大空洞に浮かんでいた。そこは衛星都市レッドノア――。そしてナディアの前に謎の巨人が現れ、アトランティス人の歴史を語り始める。

32. ナディアの初恋?
潜水をはじめた島からグラタンで避難したジャンやグランディスたち。だが途中でガーゴイルの空中戦艦に攻撃を受け、アフリカにある村に不時着する。ナディアはそこで出会った少年・ハマハマに一目ぼれする。

33. キング救助作戦
キングを捕らえて宝を要求してきたのは、グランディスの初恋の相手で、彼女から全財産を奪った男、ゴンザレスだった。その上、キングを助けに向かったグランディスとナディアまでもが捕われてしまう。

34. いとしのナディア(はーと)
ジャンはサンソンから、歌を作るようアドバイスされ、自分のすべての科学技術を投入して新しい発明に取り掛かる。ところが、発明に熱中しかまってくれないジャンにナディアは苛立ってしまう。

35. ブルーウォーターの秘密
グラタンが到着したナディアの故郷・タルテソス。何かに導かれるように大きな火山湖の中を進んでいくナディア。すると湖水が割れ、謎の地下遺跡が現れる。そこは古代アトランティス人の遺産「ブルーノア」だった。

36. 万能戦艦Ν(にゅー)-ノーチラス号
突如現れたネオ・アトランティスの空中戦艦。攻撃からジャンたちを守るため、ナディアは捕らわれの身となる。だがガーゴイルは約束を破り攻撃を開始する。ジャンたちは、間一髪のところを謎の小型艇に助けられ。

37. ネオ皇帝
ネオ・アトランティスの攻撃により消滅したと思われたN-ノーチラス号は、アフリカ大陸の地下トンネルを使って空中戦艦の攻撃を回避していた。一方、ネオ皇帝の力によりブルーウォーターが発動し。

38. 宇宙(そら)へ
パリ上空で、N-ノーチラス号とレッドノアの戦いの火蓋が切って落とされた。レッドノアの周囲には1億ボルトの電磁バリアが張られていて、内部に突入することができず苦戦を強いられる。

39. 星を継ぐ者
奇跡的に自らの意識を取り戻したネオは、命をかけてナディアを洗脳から解放する。ガーゴイルは見せしめに、エレクトラ、ジャンを次々手にかけ、悲しみに沈むナディアは、ここで最後の決断を迫られる。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

1度しかない人生、パーッと生きろ!! 良質な愛とJewelの冒険譚をあなたに…

最近、巷では特撮映画『シン・ゴジラ』が大変なブームとなっています。
ゴジラシリーズとしては通算29作目、2004年の『ゴジラ FINAL WARS』から実に12年ぶりに日本純正で作られた映画だそうで、新作を心待ちにしてた特撮ファンの間では久しぶりのゴジラに歓喜の声が多数
また、ここまで一気に知名度が上がった主な理由の1つとしては、スタッフの豪華さが挙げられている事でしょう。
総監督および脚本を務めるのは『新世紀エヴァンゲリオン』で一世を風靡した、トップクラスの人気を誇る庵野秀明氏
特技監督には庵野氏と親交の深い樋口真嗣氏、音楽は鷺巣詩郎氏が担当し、他にも摩砂雪氏、鶴巻和哉氏など庵野作品ではお馴染みの顔である人達の作品を久しぶりに拝見出来るというのも、従来のアニメファンを取り込んだ相乗効果として人気に繋がっているようです。
残念ながら私は特撮については全くと言っていい程、知識が無く、その為スタッフの偉大さについてもイマイチピンときません。
そういった方面には些か疎いので、名前を出されても「聞いた事がある」「○○に関わっている」位の印象でしかなく、「何が凄いのか」「どういったディテールに凝っているのか」など、あまり詳しい説明は偉そうに語れない身なのですが…
しかし、そんな私でも彼らが作り上げた作品の中で1番心に残っている物があります。
それこそ、今日ご紹介するアニメ『ふしぎの海のナディア』です。
こうして私がレビューを書いているという事は、期待していた通りの素晴らしい出来だったという証明と言えるのは間違いありません。
と言う訳で今回は『シン・ゴジラ』放映記念と称しまして、愛と夢の詰まった冒険譚をじっくり語って、盛大に褒めまくっていきます!!
まずは簡単なあらすじから…

汝は冒険者か?
危険と言う名の滝を潜り抜け、その奥に伝説の正体を求める者か?
ならば、我を求めよ……

時に西暦1889年
世界中の海では謎の船舶遭難事故が相次いで起こっていた。
人々は古来より海にすむ怪獣の仕業だと噂し、各国首脳は新兵器による攻撃だと互いに非難し合い、緊張が高まりつつあったその頃…
産業革命以来の急速な産業と科学の発達の中で列強各国は、アジアやアフリカの植民地をめぐって対立し、衝突を繰り返していた。
19世紀末、心ある人々は、迫りくる世界大戦の翳に脅えていたのである……

そんな科学万能主義が世間に良い意味でも悪い意味でも影響を与えていた繁栄期のフランス
そこでは、その「怪獣」とやらが起こした被害によって父親が消息不明になってしまったジャン・ロック・ラルティーグ少年が日々を発明に費やしていた。
彼はめげずに「人生をパーッと生きる」と言う叔父の言葉を胸に、父の生存を信じて今日も健やかに生きている。
さて、ジャンは発明の成果を試す絶好の機会である飛行機コンテストに参加する為、辺境の町ル・アーヴルから大都市パリで開かれている万国博覧会にやってきた。
しかし、コンテストに向けて機体を整備していた折に、彼は自転車でセーヌ川のほとりを滑走する褐色の少女に一目惚れしてしまう。
その少女…ナディアとの出会いこそ、ジャンが大空に、地底に、海中に、そして宇宙へと旅立つ大冒険の始まりだった!!
彼は彼女の持つ宝石…ブルーウォーターを胸に秘め、大切な仲間達と共に壮大な世界の第一歩を踏み出していく…
どんな困難が待ち受けようと、ナディアの手をしっかりと握りながら……


ではここからレビューに入っていきたいと思います。
今作には基になった小説が存在しておりまして、原案はジュール・ヴェルヌ作『海底二万マイル』『神秘の島』と言う有名作品です。
恐らく幼少期に読んだ事がある方も多いのではないでしょうか?
そう、ジュール・ヴェルヌと言えば、子供の頃に読書好きだった方にとっては1度は読んだ事があるであろう作品を数多く手がけた有名人、私のようなSFファンにとっては元祖、始原、神様の如き存在なんです(笑)
なぜなら、彼がいなければSFが生まれる事もなく、空想科学なんて代物が実を結ぶこともあり得なかったかもしれないから…
1つのジャンルの興隆に大いに貢献したとして、SFを語る上では外せないとてもとてもありがたいお方なのです。
しかし、その有名なヴェルヌ先生の名前とその作品名をお借りしておいて大変言いにくい話なのですが、このアニメ、ストーリー展開だけ見るならまるで別物です。
所々、小説に出てきた登場人物がアニメの中で名前として登場して活躍する位であり、キャラ設定や物語はまるで別物
これは狂信的なSFファンからしたら違う箇所のオンパレードで発狂してしまいそうな程の代物ですね(笑)
まあ、「原作」ではないので間違ってないから無問題(日本語って難しい…)
しかし、個人的に作中の織り成す全体的な雰囲気は原案の小説を読んだ時と概ね似ている感じが致しました。
『海底二万マイル』は近代科学、『神秘の島』は自然科学を根底に置いたSF冒険小説であって、どちらも科学技術啓蒙小説である事には変わりません。
読む前の期待感、読んでいる時のワクワク感、読み終わった時の爽快感は計り知れない物であり、したがって登場人物が一部以外違えど、その雰囲気は『ふしぎの海のナディア』でも充分に通じるかと思います。

さて、この物語の概要は既にあらすじで述べた通り、発明好きの少年ジャンがサーカスの少女ナディアと出会う事によって始まるボーイミーツガールストーリーです。
しかし、一般的なこの手のジャンルと一線を画している所がこの『ふしぎの海のナディア』と言う作品にはあります。
それは出会い、仲良くなり、困難に陥り、喧嘩し、仲直りし、また困難に陥り、喧嘩し、ずっと喧嘩し…と、とにかく主人公とヒロインの仲違いがやたらと多い所(主に悪いのはナディア)
私はボーイミーツガールと言うジャンルが堪らなく大好きで、その手の類の作品は良く拝見しているのですが、恐らくいがみ合いの数に関してはこのアニメが1番です。
そして、この作品を観てとにかく感じるのはジャンが凄く良い奴だという事ですかね…
私が彼と同じ立場だったなら、アフリカ編(32話、33話での出来事の総称)でこのヒロインは見限ります(笑)
いやあ、ジャン君、あそこまでやられて大した聖人ですよ、君は……
とまあ、私の反応からも分かる通り、余程の人格者か聖人か、逆に人間の底を知った性格破綻者か狂人でない限り、ましてや一般人なら絶対に彼女の事を性格が悪いと感じるでしょう(勿論、それ=嫌いという訳ではありませんよ!)
しかし、その性格の悪さが上手い方向に作用したのは幸か不幸か、ヒロイン以外のキャラクターも軒並み魅力的に映ってるのがこの作品の大きな特徴です。
主人公のジャンは基より、誰よりも精神年齢の高い幼女マリーや誰よりも人間らしいライオンのキング、グランディス一味のリーダーで恋多き女のグランディス姐御、力持ちの熱血漢で名言宝庫のサンソン兄貴に機械工学の天才でジャンと気の合うハンソン兄貴と、その他にも揃いも揃ってかっこいい、可愛い、美しい、楽しい、面白い登場人物ばかり
また、当の本人であるナディアも島編(23話~31話での出来事の総称。細かく言えばさらに分けられるがここでは割愛)まではおかしくなる事もあれど、気がちょっとばかし強すぎて、多彩な我儘態度を持っていて、少しばかり意地っ張りだけれども、根は寂しがり屋(笑)の女の子と感じられたので、そこまで不快感を感じずに笑いながら観る事が出来ました。
まあ、冗談はともかく、皆を助ける為、自ら囮になったり、死んだ人に向けた墓を命掛けで作ったりと本質は悪い娘ではありません。
なので、だからこそ、アフリカ編が堪らなく惜しく感じるというジレンマ
もしかしたら初見はあの話を観ない方が良いのではないかと個人的には感じてしまいます。(事実、後のストーリーには全く関係ないんです)
まあ、観ても後悔、観なくても後悔の八方塞がりのような物なので、これはもう各々の自己判断で宜しくお願いします。
「一体ナディアは、何を考えて生きているのでしょうか…」
全くもって同感です(笑)

さて、本作は「生と死」「様々な形の愛」「運命のあり方」「異種間同士に交流は成立するか?」など私達に伝えている事が数多くあるアニメです。
そして今作の根幹を成す最大のテーマとしては「科学至上主義は平和を導くか?」という近代から続く科学万能思想に警鐘を鳴らした物
こういった問題について思いを巡らせると、常々、私が最初にレビューした『鋼の錬金術師』と言うアニメを思い出してしまうのです。
あのアニメで軸となっていたテーマも「錬金術という科学が作り上げた魔法のまかり通る世界で、紡がれる科学的探究は果たして幸福へと繋がるのか?」という『ふしぎの海のナディア』と同様の類の産物
科学者の持つ、いや、人間全体が持っている知識の探究の果てにある業を上手くテーマに組み込み、後々にはSF設定と絡めて救われない現実、報われない感情、そしてその「罪」に値する「罰」について赤裸々に、臆することなく、見事に表現したのが『鋼の錬金術師』でした。
それに対して、この『ふしぎの海のナディア』は『鋼の錬金術師』よりも幾分、希望、救いを含めたアニメとなっています。
倫理と科学がいつもぶつかる理由は正に両方が相容れない物
人間が良い心と悪い心を両方持っている以上、科学にも善と悪とができてしまう。
それ自体が世界を跪かせる神の光となるか、世界を滅ぼす悪魔の光となるかは未来を知る者にしかわからない…
しかし、科学を扱っている者は悪魔でも、ましてや神でもない、ただの人間なのだ。
ちっぽけな存在で、間違いを犯す存在で、狂おしいまでに、病的なまでに何も出来ない無力な存在
しかし、だからこそ、科学だけじゃなくそれを創り出した人間自体を信じたい、信じる事しか出来ない…
このアニメは絶望的過程が待っていても「もう少し信じてみてもいいんじゃないか?」と使う人間其の者を「信頼」する勇気を与え、ある観点において、『鋼の錬金術師』とは逆の意味で前向きに捉える事の出来た物だったと思います。

では、存分に語った所で総括を…
私は「スチームパンク」というジャンルをこよなく愛しており、実はそれ関連の物語だと言う噂を聞いて観始めたのが今作へと至るきっかけでした。
しかし、全話観終わった結果、これは「スチームパンク」に収まる話ではないなと断言できてしまいます。
19世紀~20世紀の時代、産業革命以降のヨーロッパが舞台と背景的にはばったり合致
蒸気機関は全く出てきませんが、その代わりに超科学兵器や古代秘密兵器が目白押しに登場してきて、最終的には現代科学も凌駕する発明品ばかりが登場するオンパレード
ライト兄弟が開発する数年前に飛行機を作り上げたり、南極到達を一歩先に登場人物達が行っていたりと歴史改変要素も数多くあります。
だから、どちらかと言うと、このアニメはヴィクトリア朝時代の感覚で見たレトロフューチャーSF作品と捉えた方が上手く実像を捉えてると言えるでしょう。
SF冒険活劇としてはとてもワクワクする、まさしくこれぞ「ジャパニメーション」と呼ぶにふさわしい作品
これが25,26年前、現在から数えて四半世紀前に作られた物だと考えると、いやはや、驚嘆の色しか出てきません。

ただ、これはレビューを書こうと思ったきっかけとはなりません。
なぜなら、それはあくまで「面白い」という範疇に留まる作品であり、私の書く条件となる「心に訴えかけてくる」作品とは少し違うからです。
上記で語ったテーマなども確かに書く理由とはなりましたが、中盤の展開などもあってか、後一歩、後もう少しなのに…という印象がずっとまとわり続けていたのを覚えています。
しかし、最終回になってようやく…
私はこのアニメのレビューを書こうと決めるに値するきっかけを見つけられました。
詳細はネタバレになるので省きますが、要するに、このアニメ、最終回の破壊力が凄まじいのです。
今まで観てきた人なら絶対に損させない、最高のエンディングがあなたを待っています。
製作者の方達は最後、ああいう風に締める事を想定していたんでしょう…
いや、もう、最終回でようやく分かるあの演出の真意は一言でいえばもう、「ズルい」領域です(笑)
私の書いている文章の意味は最後まで見た方なら必ず分かる物
未視聴組の方々にとっては、恐らく喪失感が物凄い事になるかと思うので、観る際には注意してください…

さて、この作品を観ていた最中、私は毎週決まった時間、テレビに噛り付くように観ていた幼少期を自然と想起してしまいました。
誰にでもあった、何かに夢中になっていた時代
ただ、ひたむきに好きな物を追い続けていたあの頃
当時は「追い続ける」事に対して全員が胸を張って応えていたような気がします。
まあ、自分は精神が未だに餓鬼なので、あの頃と全く、何も変わってないような気がするのですが(笑)
しかし、最近は子供でさえ、そういった事に正直でいられない時勢のようにも感じてしまいます。
他人に流され、世間に流され、未来に流され、自らの気持ちに素直でいられない…
ただひたむきに前だけを見つめていた時代とは、少し情勢も変わってしまったのかもしれません……
しかし、だからこそ、こういった昔の情景を思い出させてくれる、とても有意義に楽しめる時間を与えてくれる作品と言うのは貴重であると私は思うのです。
これを観て「好き」を追い続ける事に感化されるも良し!
元には戻れない、過ぎ去りし過去に思いを馳せるも良し!!
ただ、純粋に物語を楽しんで視聴を終えるのも良いでしょう!!!
『ふしぎの海のナディア』を観て楽しんでくれるならば、それで充分。
そして、このように様々な意味の籠っているこの作品は現代だからこそ、是非とも未視聴組の方々にはお勧めしたい作品なのです。

1度しかない人生、純粋な「好き」をこのアニメで追い求めてみませんか?
ここまで読んで下さってありがとうございました。

PS.
この作品ですが、調べてみると実に色々な内部事情に溢れています。
これをレビュー内で書いてしまうのは則さないかな…と悩んだりもしたのですが、他サイトで詳しく説明している記事を見つけたので、URLだけここに記載しておきます。
興味のある方はどうぞご覧になって見て下さい。
もう1つの制作陣が考えていた最終回や、制作現場の裏事情話が垣間見れるので、これを見れば『ふしぎの海のナディア』の見方も変わるかも…!?
http://blog.freeex.jp/archives/51334289.html
http://blog.livedoor.jp/thx_2005/archives/51803823.html

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

褐色の肌をもつナディアが、どうみてもベンガリ顔な件

ここのところ熱いレビューが何本も挙げられて気になっていた本作、取り敢えず完走したのでレビューを挙げておきます。

◆総評

庵野監督は、『エヴァンゲリオン』『トップをねらえ!』が割と好きなので、本作もどちらかというと贔屓目に評価したいのですが・・・1990-91年の制作アニメということもあって、流石にこの作画とシナリオでは、放送当時の評判はともかく、今見ても十分に面白いか?感動できるか?というフラットな評点を付けることにしている私の評価方針では、どうしても低めの評点となってしまいます。

もっとも、本作と同じくNHK製作・放送アニメで、本作よりもさらに古い1978年の作品『未来少年コナン』(宮崎駿監督)に私は ★ 4.1 というかなり高い評点をつけているので、本作に関して、まずそちらとの比較をしてみます。

(1) 作品内容としては、両作とも典型的な“ボーイ・ミーツ・ガール”型のストーリーであり、
{netabare}
 ①割と平凡そうな少年が、ある日偶然出遭った謎の少女に惹かれて、
 ②彼女に振り回されながらも、何者かに追われている彼女を懸命に守ろうと奮闘し、
 ③やがて彼女の信頼を獲得するとともに、周囲に次第に仲間が増えていき、彼女の素性・秘密も明らかになっていく{/netabare}

・・・という展開を取る点も共通しています。

(2) 但し、両作の視聴後の感想として、一番違うのは、

 <1> 『未来少年コナン』には第8話(※{netabare}少女が少年を救うために初めて身を挺する回{/netabare})という圧倒的な ★★★回(=神回)があり、それを境に作品世界にグッと惹き込まれてしまったのに比べると、
 <2> 『ナディア』には(※あくまで私個人の評価ですが)神回どころか、★★回(=優秀回)すら一度もなく、結局シナリオに思わず引きずり込まれる、ということがなかった点です。

はっきりいえば、私は宮崎駿監督の特に後期の劇場作品は、幾ら世間的には名声が確立していようとも、個人的には実は余り高く評価していないのですが、その私であっても、『未来少年コナン』の第8話の思いがけない展開には感嘆せざるを得ませんでした。
それで、本作に関しても、放送当時あれだけ評判が良く、現在でもファンが多い有名作品ということで、きっと『コナン』のような凄い展開があるのではないか?と期待していた部分はあるのですが、結局全39話を完走してもそういった展開には出遭えませんでした。


◆それでも、ナディアはやっぱり青春のヒロインなのかも?

上に、本作は作画/シナリオとも今の水準からみると出来が不十分で、思わず惹き込まれる凄い展開も見当たらない・・・と書きましたが、それでも褐色の肌を持つヒロイン(ナディア)には他のアニメ作品に余り類例のない不思議な魅力がある気がしたのも確かです。
というより、私のナディアの第一印象って「あ、これベンガリの女の子だ!」というものでした。

※ベンガリ(Bengali)←インド東部の西ベンガル州&ビハール州等とバングラデシュ国(旧東ベンガル州)の主要部族(ベンガル族)の人。

本作でも最初のうちは主人公のジャン少年はナディアのことを「インド人の少女」と勘違いしていたのですが、そのうちに彼女の素性が判明して・・・。
←って、ここ、シナリオにケチを付けるのは野暮とは思いますが、アフリカ系とか大西洋・カリブ海系だと、同じ褐色の肌でも、ナディアみたいな顔立ちにはなかなかならないんだよなあ・・・やっぱりどうみても彼女はベンガリ顔ですよ(断言)、何で「{netabare}古代アトランティスの末裔{/netabare}」とか変な設定にするのかなぁ(意味不明)。

・・・ということで、本作に関しては個人的に残念感が強く、余り高い評点にはなりませんでしたが、ナディアは'90年代初期のアニメヒロインとしては例外的にかなり記憶に残る素敵なヒロインである、という点には大いに納得しました。

シナリオの散漫さは・・・制作年代を考えれば仕方ないです。
これから初めて本作を見る方は、ヒロインを見て楽しむ作品と思って諦めましょう。


◆制作情報
{netabare}
原案          ジュール・ヴェルヌ 『海底二万マイル』(海底二万里)
総監督         庵野秀明
監督          樋口真嗣(第23話 - 第39話)
シリーズ構成     大川久男
脚本           大川久男、梅野かおる
キャラクターデザイン 貞本義行
音楽           鷺巣詩郎
アニメーション制作  東宝・KORAD{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============== ふしぎの海のナディア (1990年4月-1991年4月) ==========
{netabare}
第1話 エッフェル塔の少女 ★ 19世紀末のパリ、ジャンとナディアの出遭い、グランディス一味からのナディア救出
第2話 小さな逃亡者 ☆ ル・アーブルのジャン宅へ、ジャン自作飛行機発進・不時着
第3話 謎の大海獣 ☆ アメリカ軍艦エイブラハム号の2人と1匹救助、海獣捜しとナディアの猛反対、交戦・エイブラハム号大破、2人と1匹の再漂流
第4話 万能潜水艦ノーチラス号 ☆ 潜水艦の救助、水中の交戦、離艦(飛行再開)
第5話 マリーの島 ☆ 島への不時着、島への侵略者(ネオアトランティス(NA)仮面部隊)、マリーの父母の死・埋葬 
第6話 孤島の要塞 ☆ 仮面部隊のマリー誘拐、NA秘密基地潜入、ブルー・ウォーターの不意の反応、ナディア投降
第7話 バベルの塔 ☆ NA首領ガーゴイルの野望、殺人兵器「バベルの塔」発射実験
第8話 ナディア救出作戦 ☆ ジャンとグランディス一味の協力、潜水艦ノーチラス来援、ナディア救出・NA秘密基地壊滅
第9話 ネモの秘密 ☆ ノーチラス(NC)号船長ネモとの対面、二つのブルー・ウォーター(ナディア&ネモ)
第10話 グラタンの活躍 ☆ ノーチラス号への機雷攻撃、ガーゴイルからの入電、万能戦車グラタンの機雷排除成功  
第11話 ノーチラス号の新入生 ★ ノーチラス号のオーバーテクノロジー
第12話 グランディスの初恋 ☆ ノーチラス号の目的(NA討滅)、グランディスの過去話 ※空気読めないナディアが微妙・・・・
第13話 走れ!マリー ☆ ナディアとジャンの喧嘩、マリーのNA兵遭遇、ネモ船長のNA兵射殺 ※同上
第14話 ディニクチスの谷 ☆ マリー灼熱病発症、ナディア発症、進路反転(深海洞窟リーフ64へ、薬草採取)、発症者回復
第15話 ノーチラス最大の危機 ★ NA大型潜水艦ガーフィッシュとの海中戦、アメリカ連合艦隊&バラクーダ号の対潜攻撃、機関員フェイトの犠牲
第16話 消えた大陸の秘密 ☆ 海底のアトランティス廃墟、犠牲者の埋葬
第17話 ジャンの新発明 ★ 早く大人になりたいジャン、ヘリコプター開発成功、ナディアへの約束
第18話 ノーチラス対ノーチラス号 ☆ 南極大陸近海の海底の墓場、オウム貝撃退、巨大水中トンネル通過
第19話 ネモの親友 ★ 南極大陸地下大空洞へ、2万年前のアトラン人の超科学遺産、長寿クジラとナディアの対話(父・兄との再会の予言)
第20話 ジャンの失敗 ☆ ジャンとナディアの微妙な心模様、エレクトラへのやっかみ(ナディア)、エレクトラの復讐心
第21話 さよなら…ノーチラス号 ★ ガーゴイルの本格攻勢、エレクトラ副長の自爆具申・ネモ船長の躊躇、ノーチラス号轟沈の危機
第22話 裏切りのエレクトラ ★ 戦闘ブロック切り離し・爆破、ネオ皇帝登場 ※13年前の惨事と船長・副長・ナデイアの素性が明かされる注目回だが脚本・演出は年代相応に稚拙×
第23話 小さな漂流者 ☆ ナディア・ジャン・マリー・キングの孤島漂着
第24話 リンカーン島 ☆ 
第25話 はじめてのキス ☆ ※毒キノコにあてられたナディア
第26話 ひとりぼっちのキング ☆ 
第27話 魔女のいる島 ☆ 台風、エアトン伯爵との再会
第28話 流され島 ☆ グラディス一味との再会、ナディアの手料理
第29話 キング対キング ☆ 
第30話 地底の迷路 ☆ 万能戦車グラタン二号、孤島地下の秘密基地へ、ナディアの異変
第31話 さらば、レッドノア ★ M78星雲から来たアトランティス王家の血を継ぐ者(ナディア姫)、神聖大要塞レッドノア機動、ナディアの運命拒絶、タルテソスへの招待、流され島からの脱出
第32話 ナディアの初恋…? ☆ アフリカ大陸へ、ナディアの一目惚れ(村長の息子ハマハマ)、囚われたキング
第33話 キング救助作戦 ☆ グランディスの仇(悪党ゴンザレス)、ハルハルの許嫁(ナディア失恋)
第34話 いとしのナディア♥ ☆ ※これまでのナディア&ジャンの心情推移のまとめ
第35話 ブルー・ウォーターの秘密 ☆ ナディアの故郷(タルティソス)へ、ノアの箱舟、ナディアの真の力と自己嫌悪、ジャンと仲間たちの励まし
第36話 万能戦艦N-ノーチラス号 ☆ ガーゴイルへのナディア投降、エレクトラ副長・ネム船長との再会、N-ノーチラス号発進
第37話 ネオ皇帝 ☆ ネオ皇帝とナディアの対面、地球人の創造主、ネオの地球人への服従勧告、最終決戦へ
第38話 宇宙(そら)へ… ☆ パリ上空~宇宙空間の戦(レッドノアvs.N-ノーチラス号、グラタン号活躍、レッドノア突入、神前裁判の茶番劇)
第39話 星を継ぐ者… ☆ 続き(ネオの意識回復・犠牲、ナディアの意識回復、ジャン死亡・甦生、ブルーウォーターの力喪失、地球帰還とネモ船長の犠牲)、後日譚(12年後){/netabare} 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)8、☆(並回)31、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.5

OP 「ブルーウォーター」
ED 「Yes, I will...」
挿入歌 「マーメイド・メモリー」

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

70.5 3 コミカルでシリアスなアニメランキング3位
文豪ストレイドッグス セカンドシーズン(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (411)
2286人が棚に入れました
霧深き夜――。
織田作之助がバー「ルパン」へ赴くと、先客の太宰治がいた。そこへ、密輸品の買い付け帰りの坂口安吾も合流。
悪名高い「ポートマフィア」に属する男たちの、いつもの夜だった。
だが、その日を最後に安吾が消息を絶つ。
時を同じくして、暗証番号で守られた最高保管庫のひとつが「ミミック」なる組織に襲撃される。
ボス・森鴎外から直々の指令を受けた織田作は、安吾捜索に乗り出すが……。

声優・キャラクター
上村祐翔、宮野真守、細谷佳正、神谷浩史、豊永利行、花倉洸幸、嶋村侑、小見川千明、小山力也、諸星すみれ、小野賢章、谷山紀章、羽多野渉、瀬戸麻沙美、宮本充、櫻井孝宏、花澤香菜、小清水亜美、三木眞一郎

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

辿りつく先は闇の中…

この作品は、文豪ストレイドッグスの2クール目の作品になります。物語の内容に繋がりがあるので、1クール目を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

1クール目では、横浜を舞台に「武装探偵社」vs「ポートマフィア」の抗争の物語が描かれていました。
お互い対極に位置する存在です…水と油が交わらない様に、彼らも決して分かり合う事はない…
それがそれぞれの組織に与えられた宿命だから…
登場人物の深掘りを交えながら、時には事件を…そして時にはポートマフィアとの命のやり取りを経て少しずつ…けれど確実に自分の居場所を手に入れていった探偵社新人の中島敦…
物語のスケールは逸して大きくありませんでしたが、展開を急ぐことなく丁寧に描かれた1クール目と言っても過言ではありません。

でも2クール目を視聴して確信したのは全ては今期への布石であったという事です。
そして一見さんお断りの今期…大きな2つの物語が動き出すのです。

一つ目は時間を少し遡って太宰治がポートマフィアに籍を置いていた頃の物語…
今でこそ武装探偵社の司令塔になっていますが、昔はポートマフィアの幹部だったんですよね。
探偵社とポートマフィアは水と油…決して、交わらない存在故に生き方や目標もまるで異なっています。
そんな対極の位置から位置へと動くにはそれなりの理由があるはず…
しかもポートマフィアでは将来を約束されたエリート幹部…
自殺願望者で少し変人が入っている太宰ですが、そんな彼にも唯一無二の友がいました。
そんな立場を投げ打ってまでして対極まで行かなければならなかったのか…
一つ目の物語では、そんな太宰の過去と…彼の決意の固さの理由が明かされるのですが、後悔が幾重にも折り重なって…その後悔を固める涙と約束で出来た物語だったと思います。

これだけでも胸いっぱいなところですが、おざなりにしていた「武装探偵社」vs「ポートマフィア」の構図に変化の兆しが見えてきたところから二つ目の物語が始まります。
この二つ目の物語から…一気にスケールが広がっていきます。
なぜならフランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド率いるギルドが横浜の街をエサにとあるモノを手に入れようと動き出したからです。

この物語の特徴は登場人物の異能力は、その人の執筆した物語から引用されていることです。
「武装探偵社」vs「ポートマフィア」の頃はまだ何とかついていけました。
登場人物が太宰治、国木田独歩、江戸川乱歩、与謝野晶子や宮沢賢治といった日本文学の巨匠と呼ばれる方々だったからです。
(それでも正直存じ上げない人もいましたが…)

ところがギルドが加わってくると、意能力の世界もワールドワイドな広がりを見せるんです。
赤毛のアン、トム・ソーヤ、若草物語といった異能力の名前自体は原作も読んでいるのでピンとくるのですが、その著者については殆ど頭に何も浮かんできませんでした。
私がもしもっと文学に勤しんでいれば、今回の自分自身の反応も違ったのかもしれません。
この作品を見て久々に「もっと本を読んでいれば良かった」と少し後悔しました。

このギルド…半端無い強さです。
それに探偵社とポートマフィアにしっかり刺客を送ってくるんです。
その上、横浜を壊滅させると言い出す始末…

横浜の街を守るために探偵社の取るべき行動は一体…?
ここから先は激アツの展開が私たちを待ってくれています。

ここから先の展開を見て感じたのは、組織を一枚岩にする難しさです。
人は優しさだけ…或いは厳しさだけでは心を繋ぎとめておくことはできません。
心がバラバラになった形だけの組織…もうそれは組織じゃありません。

綻びの無い組織…言うのは簡単ですが、実現するのは限りなく不可能なんだと思います。
だから…きっと綻びはあって良いのだと思います。危機や問題に直面した時に綻びの無い面でそれらを受け止められたら、綻びがないのと一緒だから…
大切なのは柔軟性や弾力性…どこまでも柔らかく、物事に応じて形や大きさを自在に変化できるような組織こそが理想なのでは…なんて考えながら視聴していました。

オープニングテーマは、SCREEN modeさんの「Reason Living」
エンディングテーマは、ラックライフさんの「風が吹く街」
個人的にはオープニングが大好きなので、この前カラオケで挑戦してみましたが、あっけなく撃沈しました…難しかったです^^;

2クール目は12話…1+2クールで全24話の作品でした。
終盤の展開は確かに激アツでしたがそれだけではありません…
多分物語を通して最も辛い試練が待ち構えていたんです。
その試練は必要なモノ…だったのかもしれません。
でもその瞬間…頭の中が真っ白になったのも事実です…
だって全ては真逆の先にある光を共に見るために目指していたんですから…
あの展開は正直キツかったです。

そして物語は更なる高みへの布石と「see you…」
この「see you…」は期待して良い「see you…」ですよね?
続編…期待しています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19
ネタバレ

にゃんちゅ(・ω・` さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

主人公は誰なんだ。中島なのか太宰なのか2人ともなのか・・・

分割2クール作品ということで、前回の続きからスタートします。

といっても最初は太宰治の過去回ですね。
なぜマフィアから武装探偵社へと転職されたのか・・・
{netabare}
マフィアの幹部だった太宰治と、マフィアの下級構成員:織田作之助。情報屋のアンゴ。

マフィアの癖に人を殺さない織田作に、
マフィアの幹部として、今よりかはふざけていない太宰。
何を考えているか分からないアンゴ。
友情とはまた違った関係で、距離感がありつつも互いを認め合っているかのような3人。

アンゴの裏切りや、裏で操っていたのはボスだった事、
織田作がなりたかったもの、守りたかったもの、その為に戦わなければならなかったこと。
最終的には太宰を導いてくれた人として
エピソード展開は悪くなかったと感じます。

ただ・・・

その後の、武装探偵社vsマフィアvsギルド の3社戦争。

キョウカがマフィアに捕まり、
マフィアの姉さんが探偵社に捕まり、
敦はギルドに捕まり~Qがギルドに捕まり~となんか大変な事になってきて

もうてんてこまいですな。

騒がしいのはストーリー上仕方がないとは思いますが、
正直、「結局のところ誰が強いのだろう」という印象で
3社の全面戦争はいいが、一般人お構いなしかと・・・

Qの精神破壊は強いと思いましたが、
後半はすでにフェードアウトで最初の勢いだけでしたし、

ギルドも社長以外対したことなくない?残念だったよ私は・・・。

そして、武装探偵社の敦・太宰以外のキャラ立ちがしていない事へ不満も残り、
毎度毎度、中島敦に頼りすぎじゃない?
んで血を流しすぎじゃない?死ぬでしょ普通w(第二の上条当麻なの?)

独歩や宮沢は何をしてんだよ!ってw

最終決戦ともいえるギルドvs探偵社+マフィア
結局全資産を投じて異能力を発動し戦うギルドの団長と
「人虎を殺す為に侵入した!」という空気の読めない芥川
生きる意味を探しながら戦う自信のない敦・・・

でも芥川の見掛け倒しさは、もう分かっていたけどね。
芥川の太宰治依存もどうにかして欲しいねw{/netabare}


結果は、今後の余韻も残しつつハッピーエンドとして処理されていますが
やはり、若干消化不良というか、
詰め込みすぎた感じは否めないと思う。

声優は豪華だし、作画は綺麗ではありますが、
折角みんな素敵なキャラなんだから、個々のバトルとか見たかったな。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

タイトルなし

分割2クールということで、1クール最終話の内容から続くのかなと思っていたのですが、太宰の過去編に突入ですか(´・ω・`)
内容は結構良くて続きが気になるんですが、1期のキャラ達の日常パートから入るかなと思っていたので少し残念です……

1クール目で各キャラについて視聴者は知っているので、それを活かした2クール目かなと思っていたんですけどね(+_+)
まぁ恐らく過去編が数話あって、その後1クールの続きみたいになるんですかね

第1話感想など
{netabare}
冒頭で説明した通り、太宰の過去編(ポートマフィア所属時代)からスタートです。
内容としては太宰メインではなく、太宰と仲がいい下っ端の人がメインな感じ。
太宰と下っ端、情報員の飲み仲間3人の中で、行方不明になった情報員を下っ端が探すといった内容。
でも下っ端といえど、彼の異能力かなり強いですよね、数秒先の未来が見えるとか最強じゃないですか(´・ω・`)
あと、1話目で出てきた、「3人の中で誰かが死ぬ」という言葉。
太宰は生きてるはずなので、下っ端か情報員ですけど、どっちでしょう。下っ端っぽいですけど……
まあ、続きが気になる1話目でしたね。
あとはこの過去編がいつまで続くか、それが問題だ
{/netabare}

第2話感想など
{netabare} やはり主人公が死んじゃいましたか(´・ω・`)
持ってる異能力からして、死ぬのはやはり本編のような時間差ですよね
主人公が死ぬのは予想できていたんですが、裏切りで死ぬとは思ってなかったのでそこが意外でした(+_+)
マフィアですし、そういうのもありなのかな……

……と思ってたんですが、、、
公式HPの次回予告見たら、死んでなかったみたいですね(^^;
そして過去編はまだ続くんですね……
{/netabare}

第3話感想など
{netabare} 過去編終幕
今回で過去編が終了みたいですが、良い内容だったと思います(*^^*)
ジョーカーゲームを思い出すような渋みのある内容でした!

結局死ぬのは彼なんですね(^^;
死んだと思っていたら生きていたりして、〝あれ、これ死なないのかな?”とかも思ったんですが……

次回から現代に戻った話、久しぶりに探偵事務所の面々の登場が楽しみです(#^^#)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

68.5 4 コミカルでシリアスなアニメランキング4位
逆転裁判 その「真実」、異議あり! Season2(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (65)
218人が棚に入れました
奇想天外な事件に巻き込まれた依頼人たち。
主人公の新人弁護士、成歩堂龍一が彼らの容疑を晴らすために立ち上がる。

被告人は有罪なのか、無罪なのか…。
成歩堂は依頼人を信じ、ライバル判事らと法廷で熱いバトルを繰り広げる。
絶体絶命のピンチに追い込まれ、万事休すかという瞬間、
「異議あり!」
の言葉と共にわずかな証拠から、ムジュンを突き、華麗なる逆転劇を巻き起こす!

声優・キャラクター
梶裕貴、悠木碧、中村千絵、玉木雅士、岩崎征実、奈良徹、平田広明
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

1期より面白い 後半クールはさらに良い

前半クールは1期同様数話程度で完結する逆転。時折、オリジナルストーリーあり。特急など。

後半クールはとある極悪美少女が引き起こす数々の事件の繋がりや因縁を巡る話。割と原作を再現している感じのようだ。

毒物??を飲み込むのは笑ってしまう。

ゴドーはやっぱり{netabare}毒殺未遂から復活した神乃木。{/netabare}

{netabare}双子の姉妹。降霊術。綾里姉妹の実の母。などなどたくさんの伏線を回収していく。死んでまで殺人しようとするのは恐れ入る。{/netabare}

良い感じでまとまっているのではないでしょうか。


OP
Never Lose 山下智久
Reason 山下智久
ED
スターティングブルー halca
ビューティフルデイズ コアラモード.
最終話でのビューティフルデイズの歌詞が凄く心に沁みる。


後半クールのあらすじだけ。

13. 第2-13話
新人弁護士の綾里千尋は殺人容疑をかけられた大学生、成歩堂を弁護。薬学部の呑田が殺害された現場に成歩堂がいたのだ。成歩堂の恋人ちなみは半年前まで呑田と交際。亜内検事はちなみを巡る三角関係が殺害の動機だと主張。千尋はちなみが成歩堂に罪を着せようとしていると感じていた。

14. 第2-14話
成歩堂龍一は綾里春美から頼み事をされる。春美は大切な巻貝を壊してしまい、同じものを見つけたいという。この特別な貝はある海辺にしかなく、手掛かりは綾里真宵が書いた道しるべのメモのみ。成歩堂はメモが何を示しているかに気付き、春美を連れて貝探しに出発する。

15. 第2-15話
綾里千尋の弁護士初の依頼人、尾並田は囚人護送車から脱走した間に婦人警官を殺害した罪に問われていた。5年前に誘拐した少女を吊橋から川に突き落として殺害したとして死刑判決を受けた尾並田。そのように証言したのは被害者、勇希巡査部長だった。尾並田はウソの証言をされたと訴える。

16. 第2-16話
美柳勇希巡査部長を殺害した罪に問われている脱走した死刑囚、尾並田の裁判は急展開を迎える。弁護士の綾里千尋は目撃者の里子の証言の矛盾に気付き、里子を真犯人と疑う。千尋の先輩弁護士、神乃木は里子の正体は5年前に尾並田に誘拐され、殺害された勇希の妹、美柳ちなみと考えていた。

17. 第17話
成歩堂龍一は修行したいという真宵、春美を連れて吾童山の葉桜院を訪れ、住職の毘忌尼、尼僧のあやめと出会う。あやめは刑務所にいる美柳ちなみと瓜二つだった。葉桜院には取材中の絵本作家の天流斎エリス、弟子の天流斎マシスと名乗る矢張も来ていた。

18. 第18話
葉桜院で絵本作家のエリスが殺害され、尼僧のあやめが容疑者として逮捕される。絶対安静の成歩堂はあやめを弁護士てほしいと天才検事の御剣に頼む。御剣は葉桜院で関係者から話を聞き、矢張が何かを隠していると察する。行方不明のゴドーの代わりに法廷に現れた検事は狩魔冥だった。

19. 第2-19話
絵本作家のエリス殺害事件の裁判が行われ、弁護士の御剣は矢張を証人として召喚する。御剣は矢張の証言の矛盾を突き、矢張から新たな証言を引き出す。そして、矢張は炎上する橋をスケッチしていた事が判明。証拠として提出されたスケッチには橋の上を飛び越える女性の姿が描かれていた。

20. 第2-20話
絵本作家、エリス殺害事件の調査のために葉桜院を訪れた成歩堂。奥の院の中庭にある灯籠にはエリスの血でマヨイと書かれ、捜査本部は真宵が真犯人の可能性もあると考える。この後、修験洞のからくり錠を解錠するため、容疑者のあやめが検事の冥と共にやってくる。

21. 第2-21話
弁護士の成歩堂は検事のゴドーと対決する。被告のあやめは真宵が命を奪ったエリスの遺体を葉桜院の境内に運んだと証言。証言の矛盾を突いて反撃し、遺体を運ぶ前に橋が燃えていたと主張。だが、逆にゴドーから遺体が本堂で発見されたからくりを立証しろと言われて窮地に立たされる。

22. 第2-22話
成歩堂は法廷にいるのがあやめではなく、ちなみという事を見破る。事件当夜、霊媒師の身体を借りたちなみはキミ子の指示書に従って真宵を襲ったのだ。ちなみはその時、真宵に刺されたような気がすると証言。ちなみは母親を殺害した真宵は罪の意識に苛まれ、命を絶ったと考えていた。

23. 第2-23話
舞子を殺害した真犯人はまだ判っていなかった。検事のゴドーは最後の証人として真宵を召喚する。真宵は事件当夜、誰かに頭を殴られ助けを求めたと証言。成歩堂はその場にいたもう1人は誰なのかと真宵に訊ねる。現場にいた真犯人に真宵は助けを求めたと考えていた。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

ダークフレイムマスオ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

無茶苦茶裁判その「ダメっぷり」意義あり!

タイトルそのままです。完全にネタ枠と悠木碧さんに癒されるためだけの視聴です。コナンでさえもまれに突っ込みどころありますがあちらはまあ納得いくレベルです(コナンが麻薬舐めて一言「麻薬⁉」っておまえしってんのかい!)ぐらいでしたが、こちらは嫌になるぐらいの突っ込み。証拠品素手で触る。闇金が普通に営業してても刑事は知らんぷり。法廷内でコーヒー飲む暴挙。さすがのおっさんでもおこるでしかし!
 
容疑者の事務所じゃ普通に物色してる。犯罪やん!と、血圧が高めの人。U12指定(12歳以上の方)の視聴はやめた方が無難だw

ゲーム原作でもまあひどい。でもこれっておっさんビューだからなのかな?内容的に低年齢年向けでありなんだかんだで水戸黄門みたく「異議あり!」で被告を無罪にして真犯人追及して勧善懲悪でよかったね~。でハッピーエンド。お母さんもチラ見でも「悪いことは最後にばれちゃうからしちゃだめよ~」とまあ安心して子供に見せることができる。

だがしかし子供の目は誤魔化されるほど甘くはない。その昔エウレカという名作が朝7時というまさにお子様向けの時間帯でとんでもない金字塔をぶちたてた。サブカルはじめ宗教問題、ひととの繋がり、大人の責任でさえも物語に取り入れた。作中デューイなるショタ疑惑がある軍人がこういってる「ここにあるすべてがまがい物だ。だが大衆は大きい声と、偉大なる指導者を望むものだ。」いとこは7歳の時これを見ていたそんな彼も20歳になった。子供の頃の話をしたらエウレカだけは何度も繰り返し見たそうだ。子供は感性が鋭い。大人が与えるより自分達でそれを見出す。メイドインアビスやリトルウイッチアカデミアなんか一緒に見て感想をききたいものである

そういや40年前に見たポンキッキは流行歌だけじゃなく随所に洋楽(70年代のHR)もながれていたな~。4歳ぐらいの時でもいまだに覚えているな・・・そして高校生の頃洋楽聞きまくって相当名曲ぶち込んでたんだと驚いた。

エウレカにしてもむしろマイノリティーとの共存や秩序というものの独善さをかなり詰め込んでいるよ。落ちが月に落書きとか壮大すぎるバカップルぶりはご愛敬。

子供に弁護士目指せさせるなら、リーガルハイ。医者ならブラックジャック読んでから親子の会話したいものだ。

追記
デューイ・ノヴァクの言葉は要約しました。本来なら超長くなってしまいます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

石川頼経 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ハチャメチャ裁判ワールド個人的には良かった。

一話目を見ましたが、巷の評判はかんばしくないようです。
「鈴木」と「須々木」の違いくらい捜査段階でわかるだろう? 何でそれで裁判段階まで進むんだ?
とか、おバカにしたり失笑したりする人がいますし、そういう指摘は認めます。
しかし、あくまで、このシナリオは原作ゲームではチュートリアルみたいなものですから、
この回で稚拙すぎると見切っては欲しくないと思います(ただ、その稚拙さがは逆に芸の域に達している気もしましたが)。
個人的にはこれから、面白くなりそうだとは思います。

それにしても前作見ても、思った点ですが、
ナルホド君の性格が原作と違って思いっきり優等生だと思いました。
原作では、性質の悪い犯人に非常に痛烈な嫌味を言うような底意地の悪さはありました。

あと、今回は一話目こそ逆転裁判2の一話目を原作にしてますが。逆転裁判3を原典とする話しのようです。

EDは本当に良いですね。原作では「カエル顔」とか言われた真宵が素晴らしい美少女に描写されています。

最後まで見たので追加
この作品はあくまで、実在の裁判のシミュレートした作品ではなく、あくまで、一般にイメージされる裁判のハチャメチャワールドです。
そういう意味で「ミスター味っ子」に似ていると言えば似てます。あの作品には「ヘンタイ料理人」とか言われた数々のオーバーアクションの変な料理人が出てきますが、
この作品はそういう変人の弁護士、検事、被告人、証人が次から次へと裁判に出てきて笑わせてくれます。
そして、オカルト要素、一応、推理作品の体裁はとってますが、逆転裁判1~3では霊媒というものが重要要素です。
4以降も心理分析や「御霊の託宣」などのオカルト要素が出てきます。
それでも、ちゃんとそういうオカルト要素を取り入れながらも推理作品としては良く出来ていると思います。
とにかく、原作のゲームは本当に名作なんですよね。しかしアニメにしてみると・・・というのは確かにありますね。
個人的には好きです。

なお、以後のアニメ逆転裁判ですがあるとすれば4~6の展開が中心になるでしょう。
参考までにゲーム「逆転裁判6」のPVでも見てください。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm28440296

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

68.3 5 コミカルでシリアスなアニメランキング5位
海賊王女(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (221)
683人が棚に入れました
これは、ある少女の記憶から始まる物語。18世紀、大西洋。父と船旅へ出ていたフェナ・ハウトマンは海賊に襲われ、たった一人小型ボートで漂流し、命をつなぎ留める。フェナが漂着したのは、国家が黙認する娼婦・男娼の島<シャングリラ>だった。10年後──。雪のような肌と白銀に光る髪を持ち、美しく成長したフェナは、初めての“仕事”を目前に控えていた。だが、それを受け入れることはできず、幾度となく想像してきた島からの脱出を決心する。迫りくる追っ手に絶体絶命のフェナは、真っ赤な鎧に鹿の角の兜をまとった青年・雪丸に救われる。雪丸は、フェナを「見つけ出す」と約束した少年だった。そして2人の“再会”は、フェナ自身に眠っていた言葉を呼び起こす。炎に包まれ、沈みゆく船。「必ず俺が見つけ出す!」と約束した少年。そして最愛の父が叫んだ、あの言葉──。「<エデン>に向かえ!」フェナはその真意を知るべく、雪丸たちと共にの謎を解く船旅へ出る。
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

美しい物語をチグハグに繋げた、パッチワークみたいな作品

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
Production I.Gによる、オリジナルアニメ作品。作画のクオリティは非常に高く、ファンタジー要素を含んだ冒険モノとしての期待感もありましたが、評価は尻すぼみという感じ。

レビューでは、ちょっっと誉めた後、酷評してます(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、誉めましょう。

作画、素晴らしいです。ギャグ、センスあります。恋愛、ニヤニヤできます。世界観、良い感じです。

序盤は名作の気配がしていました。00年代のNHKアニメ、『グイン・サーガ』『十二国記』『未来少年コナン』『精霊の守り人』『アリソンとリリア』『獣の奏者 エリン』。こういう系列。もっといえば、「ふしぎの海のナディア」の系譜。

ところが中盤以降、どんどんシナリオが崩壊していく。

まず、謎解きの残念さ。9話の謎解きなんか、「いきなり知らん歌を歌われても」って感じだったし、島を次々と巡っていくのも、そこに必然性を感じないというか。

これは、圧倒的に尺不足なんだよな。本来は、様々な島を巡るなかで、色々な選択を積み重ね、成長し、仲間との絆を深めながら、謎を1つずつ解いていく。そして、真相に近づくに従い、少し変化して(失って)いく自分に恐怖していく、フェナ。

どう考えても、2クール必要です。イムラさんのレビューに「たぶんこうだったんじゃないか劇場」というのがありましたが、私も、本当にそうだったんじゃないかと思いましたよ。大共感でした♪

最終話はマジで酷い仕上がり。いや、仕上がってないので、「仕下がり」とも言うべきか(苦笑)

これまでずっと「勘」だけで道を決め(正解し)てきたフェナが、「選択の巫女」って、どんな嫌味だよと思った(苦笑)

しかも、「世界の命運を定める」なんて神のごとき役割が、「血筋に依存する」とか、不自由な選択を迫った上、「じゃあ後は、子を宿し、産むのが役割だ」なんて、どんな旧時代的な価値観の政治家だよ、世界から嗤われるぞ(苦笑)

さらに、「強い覚悟の上での記憶喪があっさり回復」って、神のシステムはガバガバか、デバッグ作業サボるなよ(苦笑)。

てか、「抜け忍、お咎めなしか?」とか、「ジャンヌダルク要素必要か?」とか、「究極、アベルの物語は全カットでも問題ないだろ」とか、意味不明な設定・伏線数多い。

極めつけは「最後の幸丸の笑顔がキモい」w あそこはあんなヱビス顔じゃなく、もっと格好良い笑顔を浮かべさせてやろうよ(苦笑)

(あと、気にする程ではないけど、海賊王女というより、王女海賊では?と思ったり)。

まあとにかく、1枚1枚の布(小さな物語)は美しいのに、その繋ぎ合わせ方にセンスがないから、結果、何を伝えたいのか分からなくなった、パッチワークみたいな作品になったのかな、と。

これ、アニオリだから、監督(原作)誰だ? と思ったら、作画マンで、テレビアニメは初監督(原作)作品か。(アニメCMやショートアニメの監督としては受賞歴もあるようです)。

なる程、作画だけは素晴らしく、謎を投げるだけの思わせ振りな展開だけはあるという、本作の特徴が腑に落ちた感じですね。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
作画は良いね。本気で作っているアニメだということは伝わる。ゆき丸で、幸村かい。ギャグとイロモノ系? ヒロイン殴るなよ(笑)

2話目 ☆4
真田家の末裔。隠れ里。90年代のNHKアニメっぽい雰囲気が好き。

3話目 ☆4
潜水艦か。オーバーテクノロジー。落ちるところの浮遊感は素晴らしいな。

4話目 ☆4
紫丹の弓を選んだ理由が渋いな。ジャンヌが生きていた、という歴史ロマンを入れてくるか。んで、ジャンヌの娘とか孫とかそんな感じ? なんかこの街、滅ぼされそうだな、そのうち。

5話目 ☆3
たかだか4つの数字を隠すだけにしては、ずいぶん大げさというか、ガッカリというか。

6話目 ☆3
う~ん、どのみち、鍵であるフェナは取り戻さなきゃだしな。イマイチ、説得力が。

7話目 ☆5
今まで観た海戦の中でも、トップレベルの一撃。単純に格好良い。

8話目 ☆3
紫丹の嫉妬w 白い犬だし(笑) 自虐の嵐w 幸丸、イケメンだな~(笑)

9話目 ☆2
こりゃヒドイ謎解きだな。だったら、その歌(歌詞)を作中で何度か歌わないと。やりたいことに対して尺が足りてないんだよな。

10話目 ☆3
シリアスな中に適度にラブやコメが入っているのが良い。

11話目 ☆2
なんかこう、全てが唐突で、チグハグな物語を繋いだパッチワークみたいな作品だな。究極、アベルの物語は全カットでも問題ない。

12話目 ☆1
最後に来て、シナリオが破綻してるよな。選択の巫女なのに、勘が冴えまくり(運命)だったじゃん。それに、それって血筋に依存するの?  あっという間に記憶を失い、あっという間に取り戻す。なんのために記憶を失わせたの? 幸丸、最後の笑顔キモくないか? もっと格好良く笑わせようぜ。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27

saitama さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

序盤レベル高そうだったのに、最期は「なにがしたかったのだろう?」で終わった意味不明作品

まだ1話だが、いろいろと面白そう。

ただ、作画が背景含め基本的にはすごくレベル高いのだけど、キャラ作画がシーンごとに変わりすぎな気が…。

レベル高いのに、のっぺり作画はわざとだろうけど、個人的には合わなすぎると思う。

物語は非常にレベル高そうで楽しみ。

ネトフリだと権利が一切ない。だからネトフリから掠め取った高い制作予算からやりくりして、自分たちが権利持てる作品作りに力を入れているのだろうな。

なので、まだ1話だけど、評価は上振れしそうだし、この先もきっと面白いのではないかと予想。


■2話まで視聴

なるほどー。完全に海外でも売れる路線を模索したんだな。
サムライが完全に海外ウケする路線になっている。
それでいて日本人感覚からもギリギリ外れない設定。
上手いなぁ。

相変わらずキャラ作画と背景作画にアンバランスな部分を感じるけれど、レベルはとにかく高い。

あとはストーリーがどこまで面白くなるのか、今後も楽しみ。


■6話まで視聴

時代設定は18世紀らしい。ジャンヌ・ダルクは1431年没、大航海時代は1415年頃から、真田一族登場は1540年頃から、ガレオン船は1500年代なかばから、イギリス軍が使っている銃がマスケットや小銃でフリントロック式の発明が1600年代初頭、種子島に火縄銃が伝達されたのが1543年、イギリス議会王政開始が1689年、そして英仏200年戦争開始…。私掠船の慣習は1907年に終わる。天正遣欧少年使節派遣は1582-1590年。

まあ、明らかに別時代な潜水艦を除けば、私掠船(海賊)が大手振っていろんな港町を移動しているから、英仏200年戦争中が舞台なんだろうな。

ただ、描かれている真田一族って、その言い伝え含めて、その描写というか設定上の扱われ方は、モンゴル帝国や鎌倉武士な気が…。

ちょっと登場する技術や民族描写等々、時代設定があまりに雑すぎる(前後200年強くらいを一緒くたにしてる、潜水艦を覗いて…潜水艦入れたら300年以上ある)ことを除けば、まあ、ストーリーはまだ楽しめている。

雑だなと思うのは、自国民のはずなのに、この船の中はイギリスと呼ぶところ。イギリスってポルトガル人から伝わったのを日本人が勝手にイギリスと聞こえただけだし…。ホワイトシャツをワイシャツと聞き間違えたのと同じ。せめてイングランドと呼ぶか、18世紀ならグレートブリテン王国と呼称すべきだったな。

そう考えると、宮崎駿や高畑勲はやはりすごい…。雑じゃないんだよな…。

さてさて、ちょっと雑に情報を詰め込みすぎになりつつあるけれど、この先消化していけるのだろうか。破綻しないよう、うまく着地してほしいな。


■10話まで視聴

うーん、なんか話が突然飛びすぎてる…。
アレキサンドリアの図書館???
突然海上に現れる巨大な島…アトランティス???
いろんなものが何一つ回収されないまま、一気に話が飛躍してるけど…。
現実離れした技術の数々はもはや古代人ラピュタな領域だな…。
これ、現実の地名や人種等々、使わなければよかったのに…。

なんか話がとっちらかって終わりそうな、嫌な予感がするのだけど…。
さてさて、今後はどうなる…。
面白く終わるのか、糞駄作で終わるのか…。


■11話まで視聴

いよいよラピュタ感…。
神話や寓話てんこもり…。
創作なのか、ネタや種パクリの集大成なのか…。
付加要素が多すぎたんだな…。
結局のところ、なにも回収出来ていない…。
壮大な投げっぱなしアニメ…。

黄泉がえり要素とか…。
純愛出せばまとまるとでも…。
結局、ただの怪談じゃん…。
そして事実上の夢オチ…なのか???

いやー、起承転結無視はどんなに作画とか頑張っても、
ただの破綻アニメになるんだな…。


■12話まで視聴

いやー、完全に破綻している脚本…。
出来の悪い夢オチ物語のほうが100倍マシ…。

結局、すべてが破綻していて、なにもまとまっていない。
糞のように要素があり続けたのに、なにひとつ回収もなく、
最期は書いた物語自体が壊れているというオチ。

映画「MIB」の最期のシーン、
神々のボール遊びのようなことを言いたいのだろうが、
この企画と脚本書いた人、レベル低すぎるだろ…。

書き手の人格を疑うレベル。
ラピュタ、エヴァ、うる星やつら夢オチ、かぐや姫、50回目のファーストキス等々、
あらゆるアニメと名作パクリというか、なにひとつ、過去の名作が糧になっていない糞アニメ…。
いやー、本当にこんな破綻アニメを、この高クオリティで作ったことが一番の狂気だわ…。

もっとシンプルに、起承転結の冒険活劇にでもすりゃー、成功だったろうに…。





全話観た感想…視聴時間の無駄遣い。貴重な人の時間を返してくれ…。
他にもっと見るべき作品が山程あったわ…。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

余韻が感じられないんです

<2021/12/30 追記>
最終話まで見ました。

初投稿時のレビュータイトルは
「オリジナルなので最後まで見ないことにはわからない。けれども」

最終話は体操で言えば「両足の揃った着地」でした。
ぐらつかず、纏まってる。

ただねえ。
余韻が感じられないんですよね

なぜだろうとつらつら考えると、どうも詰め込み過ぎな気がしてきた。
オリジナルアニメでよくみかけるやーつー。

【たぶんこうだったんじゃないか劇場】
「よし!せっかくのオリジナルアニメ。気合い入れて作るぞ」
「よし!会議だ。オリジナルアニメなんだからみんなたくさんアイデア出そうぜ」
「よし!たくさんアイデア出てきたな。この中から珠玉のとこだけ選んで話つくろうぜ」
「よし!いいアイデアばっかり残ったな。どれもこれも素晴らしい。でもちょっと多すぎないか。1クールだぞ。」
「さらに削ったけどまだまだ多いな。なんとか1クールにおさまんないかな?せっかくのオリジナルアニメ、こんなチャンスなかなかないんだよ。良いアイディアは生かしたいじゃないか。」
「よし!とにかく無理にでも1クール12話に収めよう。視聴者には全部見てほしいじゃないか」

この劇場はもちろん私の妄想ですが笑。
でも本作は全12話の内容じゃないですよね。
少なくとも2クール。
なんなら1年でもいいくらい。
この手の冒険恋愛ものって長ければ長いほど見てる方も気持ちが入るところありますし。

でもクール増やすなんてそれこそ難しいんでしょう。
だったら、エピソードをもっとばっさり切ればよかったのに。

なんか資料作成下手な人が作ったパワポのプレゼン資料のような感じでした。
詰め込みすぎで大事なことが全然頭に入ってこない。

ちなみに映像もキャラもキャラクターデザインも台詞回しも好きでしたよ。
それだけに残念。。

<2021/10/20 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。
オリジナル作品。
3話まで見ました。

アニメオリジナル、というと物語が面白いかどうか最後まで見ないとわからないのがネック。
漫画原作のアニメ化はいろいろな意見あるものの
「数多ある中で一応人気が出た漫画作品がアニメ化」
という競争を勝ち残ったわけで、ある程度の面白さは担保されています。
(と言っても最近は粗製濫造でこれから「面白くなるかどうか」というところでアニメ化される漫画も多いですけど)

その点、オリジナルは打率低いんですよね。
今期、やはりオリジナルの「サクガン」はオリジナルアニメ制作プロジェクトでのコンテストで賞を獲った小説が原案だそうで、そういうのなら期待大なんですが。

そうではない完全オリジナル、のようです。
というわけで物語の出来は未知数。

しかしです。
けれどもです。
それを補うくらいの作画の良さがこの作品にはある。
キャラも背景もクセなく綺麗で動きも滑ら〜か。

好みとしては「綺麗なだけの作画」は正直苦手なこと多かったりします。
表情が張り付いたみたいに見えたり
みんな美男美女で同じ顔に見えたり
いくら絵が綺麗でもそんなだとお話に入り込めない

と言っても自分の「見る眼」の方の問題な気もしたり。

そして本作、どうやら3話まで来て自分の眼が適応してきたようです。
生き生きとした表情が素直に受け止められるようになりました。

気になるのは、なんかこの表情馴染みあるなー、というシーンがちらほら。
なんだっけ?
・・・はたと気がつきました。
昔の宮崎駿作品。
「未来少年コナン」とか「らルパン三世 カリオストロの城」とかで出てくるあの茄子のような顔貌表情。
あれがたまに出てきます。

どーりで。
そういうところも自分がマッチできてきた理由かも

さて物語の方ですが。
てっきり異世界かと思ったら、現実世界の昔のヨーロッパだったでござる。

島の名前とか、ヒロインの出自とか、ニンニンとかは架空だと思いますが。
国名なんかは英国とかそのもの。
最近じゃ結構珍しい。
「天晴爛漫!」みたいな(見てないから想像)

ちょっとまだ地に足ついてない感じがするのは、今後物語が進むにつれ変わっていくのでしょうか

物語が標準以上ならかなりな優良作になる気もします。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 42

80.3 6 コミカルでシリアスなアニメランキング6位
3月のライオン(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (981)
4879人が棚に入れました
主人公は、東京の下町に1人で暮らす17歳の将棋のプロ棋士・桐山零。深い孤独を抱える彼が、あかり・ひなた・モモの川本3姉妹と過ごす時間や、さまざまな棋士との対戦を経て、失ったものを少しずつ取り戻していく様が描かれる。

声優・キャラクター
河西健吾、茅野愛衣、花澤香菜、久野美咲、岡本信彦、井上麻里奈、細谷佳正、三木眞一郎、杉田智和、木村昴、千葉繁、大川透、櫻井孝宏

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

原作者の思いに見事に応えた、新房監督&シャフトの本領が発揮された渾身の力作

NHKで2クールにわたって放送された、第1シーズン。

☆物語☆

中学生で将棋のプロ棋士となった主人公桐山零が、
棋士として、人間として、周囲の人との出会いと関わりを通じて成長していく過程が描かれる。

1話の中で複数のエピソードを区切って消化していくスタイルながら、
尺的に足りないと感じることはなく、どのエピソードも上手く纏められている。
NHKの枠なので途中にCMを挟まず自由に区切れ、25分間使えるというのも制作側には好都合だったでしょう。

さすがにNHKで放送されるだけあって、内容的には王道路線で、
シリアスな場面が多いものの、反対にコミカルな面や萌え要素までバランス良く取り入れて重すぎないので、
アニメファン以外の幅広い一般層に受け入れられる作品なんじゃないだろうか。
将棋のルールなんかが分からない人向けにも、作品内で解りやすく絡ませてあり、この辺りは親切。

作風や主人公がどうしても似ている、と感じてしまうのはノイタミナで以前放送された「四月は君の嘘」。
これは観た人みんな思ってるでしょうね。
タイトルに「月」が入っているのは単なる偶然なのか。。

正直物語自体はそこまで斬新なものでもないし、スローペースで進むので、
昨今の尺的にゆとりのない目まぐるしい展開が多い作品と比べると、退屈さを感じる人も居るだろうが、
自分としては、この作品で特に感じた魅力はキャラクター達の人間模様や日常、
心情描写の細やかさと、台詞の重みや間の取り方など、数々の優れた演出にあると思っているので、
じっくりと丁寧にやってくれたのは(原作通りなのかは知らないが)本当に有り難い。

作品内での零の語り、零と関わっていくキャラ達の台詞には、時には非常に残酷であったり、
とても温かみがあったり、また思わず自分にも改めて気付きを与えてくれるような、
そんな深みがあったりと、毎話感慨深く大きな余韻を与えてくれた。
台詞の一つ一つを噛みしめる事ができる感受性、間を想像力で補える能力は人によって異なるとは思うが、
この作品におけるキャラ描写とそれを引き立たせる演出が素晴らしいことに疑いの余地はない。

第2シーズンになれば嫌でもストーリーは進んでいくだろうし、今後の展開にも大いに期待したいところだが、
これまでどおり、焦らずじっくりと進めて欲しい。

☆声優☆

さすがにNHK作品の配役に関しては、
デビューして日の浅い新人などを主要なキャラに配したりはせず、
実力、人気共に安定している声優とベテランで構成されていて隙がない。

中でも3姉妹に関しては見事の一言だが、
主人公零に関しても、とても良く考えて選ばれていると実感する。
通常の台詞以外に公園のグラウンドでの叫びなど、感情を顕にする場面などは、
イケボでなく、ちょっとヘタれな感じが性格に凄く合っているなと。

☆キャラ☆

先にも書いた通り、この作品の一番の魅力と感じる部分は優れたキャラ描写&演出にある。

キャラクターの心情がポエム的な独白、
ナレーションによってたびたび観るものに訴えかけるのだが、これが深く心に響いてくる。
これはキャラに共感できなければ、やり過ぎると返って逆効果で退屈さと冗長な点として捉えられる事もあるものの、
(同様にポエム的な「あまんちゅ!」で気になった点)
各キャラそれぞれが抱えている思いが、台詞の良さも相まってとても巧く表現されていた。
各キャラに共感、もしくは同情してしまう「要素」がしっかりと解りやすく提示されているので説得力がある。

時間を掛けて丁寧に描かれていることもあって、
主人公とその周りの主要なキャラに関しては、とても興味深く魅力的に映った。
中でも3姉妹は本当に癒され和む存在だったので、後半に出番が減ったのは少し寂しく思えたが、
逆に言えば前半のエピソードが特に良かったということかもしれない。

また、打って変わって香子のような存在は、女性作家ならではの描写力で、
女の嫌らしさやねちっこさなど、非常に生々しく描かれていて、こちらも同様に素晴らしかった。

☆作画☆

NHK作品はさすがに予算も掛かっているせいか、派手さはなくとも安定感があって全く不満はない。
背景美術に関しては、水彩画のような非常に淡くノスタルジックな雰囲気を醸しだしており、
また、それに合わせるキャラも違和感なく淡い質感で背景に馴染ませていて、とても温かみを感じる。

最大の見所としては、やはりシャフトならではの映像演出。
キャラの心象風景を、独自の解釈で映像化された場面は観ごたえと相性の良さを実感した。
観る人によって、または原作を読んでいる人には多少クドいと思われるかも知れないが、
自分はよりキャラの心情を理解する上で、良い方向に作用したと好意的に受け取っている。
原作者がシャフトでの制作を熱望したというのも納得。

OPやEDのアニメーションは、特に制作会社の個性が出る部分だと思うが、
零の息苦しさ、閉塞感や孤独感、葛藤、もがき苦しみながらも前へ進もうとしている様が、
抜群のセンスで表現されていたと思う。

☆音楽☆

1クール目のOP、EDで起用されたBUMP OF CHICKENの曲、
歌詞、アニメーション共に最高の出来だった。
もともとBUMPが原作のファンで以前にMVでコラボしたりしているので、
そりゃこの作品のために書き下ろした曲が、相性が良いのは言わずもがな。
できれば2クール目も変えないで欲しかったくらいだが、
2クール目のOP,EDも曲自体は悪くないし、最終話で戻してくれたのは心憎い。

作中BGMもやはりキャラの語り、ナレーション場面で使われているものが印象的だったが、
コミカルな場面もなかなか良いチョイスがされていて、曲のバラエティ自体も豊富で申し分無かった。
台詞間に挿入されるBGMが良いからこそ、その間が大きな余韻となる。
音響含めた音楽面での演出も、映像に負けず劣らずこの作品では大きく貢献していたと実感しますね。


こうして改めて一つ一つの要素を振り返ってみてみると、褒める所ばかりで殆ど点数を差し引く部分が無いように思える。
王道ながらもシャフトによる優れた芸術性が加味され、とても高いレベルで纏まっている。
本当につくづく続編が楽しみだ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

才能の残酷さを描くことで、人の内面の弱さを表現しています。

 ハチミツとクローバーで恋愛ドラマの仮面をかぶって、才能の残酷さを見せてくれた羽海野チカ。さすがですね。人の愛憎や執着、孤独や過去などのヒューマンドラマの中に、しっかりと才能というものの恐ろしさを見せつけてくれます。
 ただ、ハチクロよりも進化したと思うのが、義姉ですね。あの義姉のキャラがあるから人の内面描写に深みが出て、才能の残酷さは他人にも劣等感という形でつきつけますが、己を傷つけ孤独にする部分も描かれていました。

 才能があるからこそ、居場所が出来た半面、人の居場所を奪ってしまった。周囲の人を巻き込み歪ませる。義姉の態度のコンプレックスの表現は女性作家ならではの迫真のストーリーですね。おしいことにコミック版ほどの禍々しさの中に見える圧倒的な劣等感の表現には至っていませんが、この義姉がいるからこそ、主人公の居場所の無さが浮き彫りになるし、3姉妹との交流に意味が出てきます。

 一方で将棋という特殊な世界にのめり込む男達の心の交流もありました。島田の研究会もそうだし、何よりあの二海堂くんですね。どう考えても村山聖ですよね。聖の青春という小説にもなった羽生善治の少年時代からのライバルです。ちょっと身体の事も村山をなぞっているので、いろいろ心配してしまいますが、詳しくは小説かWIKIで。
 彼がいたからこそ、将棋に向き合うことができたような気がします。良くいる真っ直ぐなおバカキャラに見えて誰よりも将棋に真摯で、主人公のこと…というより主人公の将棋の才能を純粋に愛していたような気がします。(それから学校の先生もですね)

 なお、羽生善治はタイトル99期、史上初の7冠棋士、永世7冠という圧倒的な将棋の天才でので、二海堂=村山だとしたら、主人公が羽生なのかなあと思ったら違いましたね。宗谷でした。宗谷が目指すべきラスボスっぽかったですね。

 その前に後藤ですか。彼の性格の意味は現段階ではちょっとわかりませんね。素の性格なのか、やっぱり宗谷に対比した時にコンプレックスがあるのか。
 ただ、この後藤の態度を見せることで、初めは憎たらしいだけの義姉に対する気持ちが和らぐから不思議です。うまいですよね。結果的に才能の世界の周辺に生きている人たちの惨めさを上手く表現しています。

 そう、義姉が重箱のお稲荷さんを食べるだけで、このキャラに対する見方が全然変わっていました。ここが少女マンガの凄さですね。直前の3姉妹の敵のように見せていて、胃袋で篭絡されてしまう。これで義姉の人間的な内面が表現されて憎めなくなります。ちょっと男の作家には描けないでしょう。ここが一番本作のすごいところだったのかもしれません。

 そしてこの3姉妹ですね。どうも傷があるようです。母性の塊のような長女の内面が見えてこないことが不気味です。この作者が単なる良いおねえさんキャラを出すとも思えませんが…どうなんでしょう。菩薩…で終わるのか違うのか。以前原作10巻まで読んでますが…無かった気がします。

 で、主人公ですね。この構造って、やっぱり主人公がラスボスと対決するために周囲を顧みず…みたいな話になるのでしょうか。ハチクロを見るとそんな気もしますし、3姉妹との交流でそうにはならないのかもしれません。

 将棋の世界の話だけに限定すると、ストーリー展開はちょっとヒカルの碁っぽい感じがありますが、似たような世界ですからね。

 とにかくきれいごとではない人間の内面、特に劣等感を描かせると、羽海野チカは最高ですね。決して「いい話」ではありませんが、特殊な世界をデフォルメすることでヒューマンドラマとして、人間の本質を見せてくれています。この辺りはハチクロのやり方を踏襲している気がします。


 3月のライオンはどちらかと言えばコミック版の方がコマ割りとかモノローグとか少女マンガらしいテイストが話にあっていました。アニメはその点がちょっと表現できていませんでしたね。



 追記 少女マンガ的表現ができていない、といっても、演出で内面描写、モノローグの時は少女マンガらしいエフェクトをいれて頑張っていました。ただ、少女マンガの文法はやっぱりあの独特のコマ割り=時間の使い方と客観主観のシームレスな切り替え、エフェクト=心の動きじゃないと。ここは媒体の特性もあるのでやむを得ないでしょう。

 追記2 水というモチーフは浮かんでいれば羊水のような心地よさがあります。が、泳いだ時のねばりつく水の抵抗は前にすすむ困難、もぐったときの息苦しさは思考が暴走している感じ、音が無くなるような感覚は棋士の集中力ですね。ハチワンダイバーとかにも通じます。

 それと川ですね。川は流れ、広がりなどで原風景のような心落ち着く光景になります。滔々と流れる広い川は、人の営みのアナロジーでもあるでしょう。それを岸から眺めるという意味ですね。また、街の移り変わりを映すことで表情を変えてゆきます。あるいは自分自身の人生そのものでもあるかもしれません。
 また、川岸ですね。これが不思議な効果をだしていました。漠然とした東京の下町の表現というより、俗世界から切り離された特別な場所として機能していました。
 これが演出というだけではなく、内面の重層的な表現に効果的に機能していいたと思います。ただ、とにかく象徴的・抽象的なので何を表現していたかを考察するのではなく、画面から感じるのが作法だと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

少年棋士の心の葛藤と心の成長を描いた作品、作者と制作会社とTV局が一体となった良作

これほど原作が読みたくなった作品は久しぶりのような気がします。終わるまでまとうか、読んでしまおうか、葛藤中です。

シャフトっぽさを消しているようで、ところどころやっぱりシャフトだと思わせるような描写がチョコチョコ見られるのが良いです。特に場面転換で不要じゃね?と思わせるようなカットを入れてきて、それがまた綺麗だったり、インパクトがあったりとするところなんか、シャフトだなと感じてしまいます。ただ、「シャフ度」と言われる首の角度が抑え気味なのはやっぱり寂しいかも(?)

NHKが、しかも総合で流すのですから、力入れているのはよく分かります。まだ前半も途中ですが、引き込まれっぱなしになっています。主人公である零の歩んできた人生の重さ、その重さを少しずつ解放する三姉妹と二海堂との掛け合いの面白い事。

二海堂のモデルは将棋好きの人なら知らない人はいないくらい有名な村山聖なんでしょうね。となると、太っているのは病気のせいであり、あかりが「むっちり」で喜んでいるのはどう解釈したらよいか戸惑いました。このあと二海堂は病気が重くなっていく展開になるんだろうけど、つらいな…

三姉妹は本当にキャラがいい。声も完璧だし、流石としか言いようがありません。話の展開も良く、たぶん、最後まで面白く見ていくことができる作品だろうと思います。すでにお気に入りに入れてもいいように思っています。

【前半を終えて】
結局終わるまで待てず、原作を読んでしまいました…。面白い、何故にこれまでスルーしていたのだろうと思います。前半は零の置かれた状況を表現していた感じです。零が何故に将棋をしているのか、零がどうして三姉妹と関わりを持ったのか、二海堂と零のライバル関係、零と香子の関係等々をシャフト独特の表現でうまく繋いでいた感じです。
とあるコラムニストがシャフトっぽくないのが良いと書いていたのですが、どこを見ているのかと。零の気持ちを表現するときや香子とのシーンはシャフトそのものでしょう。シャフト特有のズルいイメージ(個人的な感想)ふんだんに盛り込んでます。原作のイメージがそのままシャフトっぽいですし、シャフトなら良いと言ったらしい作者の感覚がすばらしいと思います。
三姉妹は癒しそのもの。に対して香子の危うさと言ったら…。香子の声も良いです。老倉育を見て井上さんに決めたらしいのですが、本当にぴったり。

後半はもっと将棋に突っ込んでいくのではないかと思います。また、三姉妹の関わり、零を囲む周りの人々の動きなど、楽しみです。

【後半の中盤】
後半に入り、零の気持ちがどんどん重くなっていきました。そこを救うのが三姉妹であり、先生であり、二海堂であり、島田八段であり…とにかく零は人に恵まれました。回を追うごとにその事が分かります。
将棋に関する話も濃くなってきたのも後半の面白いところです。鍵となる島田八段は飄々としているのに、プロの厳しさを零に伝えてくれます。そしてとうとう出てきた宗谷名人。まさに怪物に相応しい佇まい。アニメになると、その事がいっそう強調された感じです。
零と香子の微妙な関係も相変わらず。が、三姉妹と香子の絡みとか、実は可愛らしい一面もあるところとか見れて良いです。
それから、今の季節に合わせたような進行具合も非常に良いです。これからラストに向けて零がどう成長していくのか楽しみです。

【一期終了】
零のちょっとずつだけど、成長していく感じが見てとれました。
「11年もボッチだったんだ」いう台詞の重みから解放されていく過程を描いたのが一期だったと思います。ゆえに、展開は重く、零の台詞もなにかぱっとしません。耐えられない人はそれでこのアニメはお仕舞です。
零は周りに恵まれました。それは零が成長するための起点になっていきます。二海堂であり、三姉妹であり、林田先生であり、島田八段であり、科学部の面々であり、そういった人々と交わることによって、重く押しかかっていた零の心が開かれて、次のステップへと進んでいきました。見直すと、中盤までの零とは明らかに違う人間になっているのがよくわかります。

この作者は人と人とのつながり、心の葛藤や解放へ向かうまでの描き方が上手だと思います。重くなり過ぎそうなときはわざとデフォルメさせたり、ちゃちゃを入れるような場面を入れてほぐします。これが嫌味に感じないところがまた良いのです。せっかくなので、ハチクロも見てみたのですが、作品は違っても、描き方は同じでした。
それと、ハチクロを見て思ったのが、シャフトで良かったということです。ハチクロも悪いわけではないのですが、ライオンを見た後だと何か足りません。零や香子みたいな人物が多く出演する、心の葛藤を中心とするような作品を作らせたらシャフトは上手です。ちょうど同じ時間帯にAT-Xではefを放送しており、ライオン始まるまでの10分間は視聴していましたが、シャフトの右に出るものはないなとさえ思いました。

二期が決定したので万歳です。二期は{netabare}宗谷とひなが大きくかかわってくる話になると思いますが、この話がどう描かれるのか{/netabare}楽しみでしょうがありません。

少年棋士の心の葛藤と心の成長を描いたこの作品、2クールゆっくりと描かれているので、ドラマ性を求めている人にお勧めです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 53

83.5 7 コミカルでシリアスなアニメランキング7位
ゴールデンカムイ(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (697)
3239人が棚に入れました
明治時代後期。「不死身の杉元」の異名を持つ日露戦争の英雄・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく北海道にいた。
そこにアイヌから奪われた莫大な埋蔵金という、一攫千金のチャンスが舞い込む。
埋蔵金は網走監獄に収監中の男によって隠匿され、24人の脱獄囚の身体に刻まれた刺青がその在り処を示す手がかりだという。
そんな折、ヒグマの襲撃を受けた杉元を、ひとりのアイヌの少女が救う。
名をアシリパというその少女は、埋蔵金を奪った男に父親を殺されていた。
さらに杉元の動きに呼応するように、かねてより埋蔵金を狙って暗躍していた北の最強部隊・第七師団や刺青を背負う脱獄囚たちの動きも顕在化。
果たして、雄大な北の大地を舞台に巻き起こった一攫千金サバイバルの行方は……!?

声優・キャラクター
小林親弘、白石晴香、伊藤健太郎、大塚芳忠、津田健次郎、細谷佳正、中田譲治、乃村健次、菅生隆之
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

お昼の鰊蕎麦はヒンナヒンナ♪酒の肴チタタプもヒンナヒンナ♪オソマ2(つ)。。【第1部】

☆制作スタッフ
▼原作:週刊ヤングジャンプ(集英社)
▼原作者:野田サトル
▼アニメーション制作:ジェノスタジオ
▼話数:全12話{netabare}
▼監督:難波日登志
・実績
(監督)
『いつだって僕らの恋は10センチだった。』(総監督)
▼シリーズ構成:高木登
・実績
(シリーズ構成)
『恋風』『バッカーノ!』『デュラララ!!シリーズ』『将国のアルタイル』他
▼音楽関係
OP曲:「Winding Road」(MAN WITH A MISSION)
ED曲:「Hibana」(THE SIXTH LIE)
▼主要CAST
杉元佐一:小林親弘
アシㇼパ:白石晴香
白石由竹:伊藤健太郎
土方歳三:中田譲治
牛山辰馬:乃村健次
鶴見中尉:大塚芳忠
尾形百之助:津田健次郎
谷垣源次郎:細谷佳正
インカㇻマッ:能登麻美子
アシㇼパの祖母:一城みゆ希(アイヌ語)
他{/netabare}

原作一部既読 通読中(1期相当は既読済み)

☆エピローグ
やれやれ、また北海道か。
ともあれ、原作は多くの賞を受賞しており、それなりに有名だが、アニメとなると話が変わってくる。
原作を読まれた方は分かるだろうが、アニメ化には相当ハードルが高い作品だ。
実際、原作者も過去にアニメ化など毛頭意識して描いていないと何かの対談でコメントをしていたし、事実、内容からして漫画原作ではあるが『物語シリーズ』並みにアニメ化し難い作品でもあるが、多岐に及ぶ設定の副次的効果で5割程度の理解でも十分に見応えはある。
{netabare}
その根拠としてだが、この物語のコンセプトは歴史、アクションアドベンチャーにように見えるのだが、コメディ、ギャグ、スパイサスペンス、陰謀、グルメ、旅行記、グロ、猟奇、サバイバル、エコロジー、ミリタリー、殺陣、アイヌ文化風俗etcと本筋とは必ずしも因果しない挿話も相当数あり『STEINS;GATE』を上回る設定の煩雑さをストレージしつつ、原作のストーリーポリシーを破綻なく構成が出来るか否かがアニメ化成否の鍵だろうし、エッセンスが多いため視聴者の五感に響く間口が広い。

しかし、アイヌ関係はどうしても地雷でもあり、制作スタッフの独断によりポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)を外した描き方をすると大変なことになる可能性もあるし、反面、ポリコレに拘ると開拓の現実を知っている視聴層には臭い芝居に映ることからも、相反する真実の因果をどう解決するか、そのスタビライザーを求めることが演出の手腕であろう。

時代通念に反して「杉元」がアイヌを受け容れているのは単にポリコレ設定ではなく、「杉元」のアイデンティティーも大きく作用してのことだから、矛盾なく峻別する巧みな演出も求められる。
もともと、本作の原作者は史学的手法を駆使してアイヌ文化風俗をはじめ、北海道近代史を精密に紐解いた上で作品を描いているし、素人が下手に弄ることは出来ない。
あらゆることが積み木細工のような職人芸の如きに緻密であり、意図を履き違えた構成を組めば、つまらない作品なりかねず、綱渡り的なコンテを余儀なくされるだろう。

上記のような構成上の難題を考えると、扱うのはとても難しい作品なのであるが、シリーズ構成の高木氏は、ある意味とんでもない作品をよく引き受けたものだと、その勇気にまずは敬意を表したい。

アニメが原作に忠実である限り、本作のアイヌ関係考証は正確であり「アシㇼパ」の解説でアイヌを知る良い機会となるであろう。

※本作のレビューを書いたのだが、もの凄い長文となったので、数回に分けて掲載することとした。
【本作品の背景考察】のうち「Ⅰ」の全文と「Ⅱ《北海道開拓とアイヌ、現在に至るマイノリティと物語の背景にあるもの》」の「(1)北海道における民族問題」、「(4)日本人を「地球上から抹殺することのみを目的とした狂人極左の思想」をまず掲載することした。」
「(2)アイヌ文化における宗教的価値観とその広がり」と「(3)アイヌと北方領土、樺太問題」は2期のネタばれもあるので、次回2期へ。
「(5)韓国左翼層に反日の論理的根拠を与えた【反日亡国論】」は後日、許容文字数から章立てを再構成してこのレビューへ掲載する。
タイトルの第1部とは、考察の初回掲載であり、「Ⅱの(5)」掲載は第2部となる。{/netabare}

【本作品の背景考察】
Ⅰ《北海道あるあるジビエと山菜、自然の恵み》
{netabare}(1)冬の自然環境
冬の北海道で「杉元」や「アシㇼパ」がやっているような「ゆるキャン」は出来ない。
下手すれば「ゆるカン(棺)」になる。
冬期は最高気温が氷点下の日が多く、道北、道東では最低気温がマイナス30度以下となる地域もある。
本作はあくまでフィクションであり、実際やるなら凍死覚悟か冬山登山並みの防寒装備が必要だ。
凍死に至らなくても四肢の切断を伴う重度の凍傷も有り得るので、無謀なことしないこと。
また、沢地は雪崩も多く巻き込まれたり、雪で急斜面が隠れ、知らずに踏み抜き滑落するケースも多くある。
方向感覚を失うブリザードは雪に慣れていない本州の方にとっては。恐怖以外の何ものでもない。
地元民でもブリザードに巻き込まれたら観念せざるを得ないし、凍死するケースも多い。
八甲田山の悲劇もブリザードによるものだ。

(2)ジビエ、山菜、熊と仲良くなるには
本作に登場するジビエ、野草、茸にも注意が必要である。
毒茸は勿論、野草類にも毒野草があるので知識を持って採取し、怪しいと感じたら専門機関で鑑定してもらうことだ。
北海道で起きる毒野草死亡事故で多いのは、ギョウジャニンニクとイヌサフラン(毒草)を誤って食した事故。
また、北海道にはトリカブトが多く自生しており注意が必要だ。
その他、大麻自生区域では私服警官や麻薬取締官が巡回しているので、不審な行為をしないこと。
なお、「ギョウジャニンニク」については北海道では「アイヌネギ」の方が通用するのだが、Ⅱの(1)に記述した経緯もあり、公的文書やスーパーなどの公の場では用いられていない。

また、山菜についても地権者の同意を得ず勝手に採取した場合は処罰の対象となるが、北海道の山野の多くは、国、道有林の管理地域であるので、悪質なことをしない限りは個人採取で問題となることは少ないようだが、山菜採取禁止の看板をみかけたら、何らかの権利関係がある可能性があるので止めた方がよい。
私有林地は周囲に立ち入り禁止の看板があるので、見分けが出来る。

毒草ではないが、山に入る場合はウルシかぶれにも万全の対策が必要であり、何より北海道は熊との遭遇確率が高い。
本作はフィクションであるが、熊との遭遇のような笑えないノンフィクションも描いているのだ。
気安めではあるが、熊との遭遇確率を下げる意味で熊対策グッズの装備も忘れてはいけない。
万が一、熊と遭遇したらこれと言って助かる決め手はない。
死んだフリは迷信であり意味はなく、開き直って熊と格闘をしても絶対に勝てないどころか餌になるだけであり、熊に見逃してもらうよう運を天に任せるしかないのだ。
生還したら必ず地元の役場や警察に熊出没状況を報告してもらいたい。

ジビエには高確率で寄生虫のリスクがあり、ジビエ肉の目利きが出来る専門料理店以外で食するのは大変危険だ。
特に本州の方は北海道でジビエを食した後、地元で献血することは止めた方がよい。
ジビエを食べる機会が多い北海道内では献血された血液の寄生虫検査を行うが、本州ではその限りではないそうだ。
実際、本州で北海道でシカ肉を食べた献血者由来による輸血事故が起きているので、ジビエを食したら寄生虫検査を行った方が良いであろう。

個人的な経験だが、トド肉は絶対に食しないのがよい。
食べているときはそうでもないが、その後に酷い胸焼けと吐き気を催す。
トドの脂肪はすぐ酸化するので胃が受けつけないのだ。
熊のルイベでは知人がE型肝炎になり、生死の境を彷徨ったことも記しておく。

本作を真似て野生動物や鳥類を捕獲したり罠を張ると「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」違反で逮捕されることもあるので御注意を。{/netabare}

Ⅱ《北海道開拓とアイヌ、現在に至るマイノリティと物語の背景にあるもの》
{netabare}(1)北海道における民族問題
多くの方々は北海道の自然や日本離れをした風景に好感を抱いているようだが、北海道の近代史とはイコール流刑地として囚人(政治犯)の過酷な強制労働による開拓と、アイヌ弾圧の血塗られた歴史でもある。

道内の基幹国道の下には、現在でもなお強制労働で北辺も荒涼たる大地で無念に斃れた囚人の骨が埋葬をされず数多く眠っている。
R5、R12、R36など二桁以下の国道は例外なく、月形町の樺戸集治監跡の沿線にあたるR275は、月形市街地を札幌方面へ通り越したところに囚人墓地があり、街灯も暗く交通量も少ないので深夜の通行はかなり不気味である。

三笠市にあった空知集治監の囚人が建設動員されたR234も白骨街道であり、国道と並行して走る室蘭本線の鉄道敷設も囚人労働である。
また、この国道沿線には心霊スポットも多く、岩見沢市栗沢には髪が伸びることで有名な「お菊人形」栗山町には「泣く木」の伝説がある。
それにしても、北海道で交通事故が多のはもしかして…

なお、北海道開拓を強制労働で担った囚人の殆どは凶悪犯罪者などではなく、維新政府に抗い戦った幕府側武士や西南の役、自由民権運動に関わった、所謂政治犯だ。
本作を理解する上でもここは押さえてもらいたいところであり、メタフィクションとしての「土方歳三」を設定した背景動機でもある。

道内の小中学校ではアイヌ文化や風俗をささやかにでも教えてはいるが、「場所請負」や「共有地強制収用」にみられる弾圧の黒歴史には触れていない。
更に、教科書でもアイヌ文化はもとより、松前藩、北海道開拓使、続く旧内務省北海道庁が行った弾圧や文化侵略の事実に一切触れていない。
例示をすれば、1669年に起きたアイヌの一斉蜂起である「寛文蝦夷蜂起」を記述した教科書は全くないが、その30年ほど前に起きた「島原の乱」は全ての教科書に記述されている。
これが、政府のアイヌに対する認識でもあるし、全国的視野で俯瞰をすれば北海道のローカル問題のような認識となるのだろう。

また、本州の方々は知らないと思うが、北海道では今でも小規模ながら摩擦がある。
特に揉めるのはサケにおける「内水面漁業調整規則違反事件」つまり「密漁」である。
川を遡上するサケ(ホッチャレ)はアイヌの食料として開拓以前から重用されていた。
サケはアイヌ語で「カムイチェプ」と呼ばれ神の魚を意味し、サケは食料であると同時に特別な存在でもあるのだ。

しかし、漁業権者の許可を受けず漁をすれば法律上は「密漁」となる。
9月下旬に道東でこの問題が発生し警察が出動する騒ぎとなったが、アイヌ側は「和人が勝手に決めた規則に従う必要がない。」という主張である。
さて、日頃、著作権法違反がっー!とか人権侵害がっー!といきり立つ法実証主義者の皆様はやはり「違反は違反」の二元論で割り切ることが出来るだろうか。

私はそういう立場に立つことは出来ない。
なぜなら、彼等のテリトリー「アイヌモシリ」を犯した側である和人の子孫である私が、法秩序のみでこの問題の顛末を語れば、チベットを侵略しウイグルを弾圧して一つの中国であると居直っているシナと同類になるからである。

国内におけるマイノリティ問題は種々存在するが、政府は現実から逃げず本腰を上げて彼等の失われた権利と法秩序を調和させるべく「事後立法」と「慣習」の関係を明確すべきであり、「伝統・慣習」から「法律の誤謬」を発見し修正することこそが真の【法の支配】である。

我が国の法秩序は明治期に主にドイツ法学から規範を求めた「大陸法(ローマ法体系)」であり制定法(法律)こそが内容や理由の如何を問わず正しいとする「法実証主義」準則であり、このような硬直した考え方で法文の記述や運用がされた結果「優生保護法」や「らい予防法」のような取り返しがつかない悲劇を生んだと認識をすべきである。

帝国憲法以前の我が国の法体系は「武家諸法度」や「禁教令」のような「成分法」と「皇位の男系継承」の統治原理や「小作、入会の権利」など庶民の権利関係に至る「不文慣習法」が入り混じったゲルマン法に極めて酷似した形態であった。
特に人の権利や契約、財産権、家督(家族、相続)など定めた「民法典」はその殆どが「不文慣習法」であり、江戸時代はそれで大きな混乱もなく通用していたのである。
我が国は世界でも屈指である2600余年の伝統を誇るのだから、近代法制の法律に馴染まない権利関係には、伝統から知恵を求める「不文慣習法」を取り入れるなど、柔軟な思考が必要に思う。
そして、これは共産主義(国共内戦、大躍進、文化大革命)で全ての伝統を破壊したシナには絶対に真似が出来ないことでもあるから、彼の国はマイノリティを強権で弾圧するしか打つ手がないのである。

本来立憲主義とは統治権行使は有限(制限される)であることを言うのだが、問題があるのは、我が国のシステムでは憲法が最高法規であり、憲法そのものは立法審査の対象外となっていることである。
米国を例に取れば、憲法には修正第○条と表記され、改正は必要の都度行われている。
こういった柔軟な対応が可能なのは、「法(不文成文慣習法、判例法)[ノモス]」>「法律(人為的成文制定法)[テシス]」という構造を暗黙の了解としている英米法の特色があるからだ。
「法」から見れば憲法も「テシス」であり審査の対象と出来る尺度(ノモス)が存在するから【先人の知恵の結晶である伝統を蔑ろにした驕り高ぶった人間の理性】の過ちも発見出来るのだ。
不文ノモスを成文ノモスに可視化する際に「衡平法」という概念があるが、これも我が国の法秩序には存在しない。
例えれば『STEINS;GATE0』のレビューで「量子力学」の説明をしたが、ノモスを観測不可な「波動」テシスを観測可能な「粒子」とすると「衡平法」は、波動の存在を定義する「波動関数」や「マトリック力学」の立ち位置と似ている。

共産主義や全体主義を経済の集産化や社会の計画化から考察し論理的に葬ったハイエク(ノーベル経済学受賞)による左翼や全体主義批判は「テシス」とそれにより成立した共同体「タクシス」を尊び
(これを「理性万能主義」といい、制定形態を問わずテシスを正しいと信じて疑わない立場を「法実証主義」という)
「ノモス」やノモスが支配する共同体「コスモス」を否定するイデオロギーを「設計主義」とし、「設計主義」がコスモスを浸食する態様を【設計主義的合理主義】として「全体主義」に至る道として批判をしている。
参考(『隷属への道』1944『致命的な思いあがり』1988 F.ハイエク)
関連参考(『開かれた社会とその敵(1)(2)』1945 SK.ポパー)(『自由論』1971 A.バーリン)(『ザ・フェデラリスト』1788 A.ハミルトン他)(『英国法提要(全4巻)』1644 E.コーク)他

また、英米法の本家、英国に至っては成文憲法すら存在しない。
「慣習法」や「判例法」の集合体である「コモン・ロー」が英国の憲法典なのである。
【法の支配】は英国が発祥地であり、その真の意味は【ノモスはテシスに優越する】であり、けっして、法律である日本国憲法が一般の法律(権力行使)に上位する、または「法律」が個人の自由を制限するが如き「狭義の法治」を定義したものではないし、かつ「人治」の対義語でもない。

興味のある方は「法の支配」を確立した「英米法(ゲルマン法体系)」を勉強してみて頂きたい。

因みに、ワイマール憲法下のドイツ(ナチス時代を含む)、旧共産圏の法体系(現在のシナを含む)は全てテシスの誤謬を前提としない「法実証主義」である。
なお、現在のドイツは法実証主義がヒトラー政権(全体主義)を生み言論や表現の自由を認めない「狭義の法治」に至り恐怖政治が罷り通り、民族抹消のような常軌を逸脱した政策が実行された反省から、西ドイツ時代に英米法の考え方を大きく取り入れ「成文制定法(テシス)」の上に倫理(ノモス)を優越させ「法の支配」を確立した経緯がある。

なお、「不文慣習法」を認めている米国では、エスキモー、アリュート、インディアンなどの先住民権を認めている。
この経緯も、米国建国以来、先人民族に対する様々な弾圧や迫害の過ちを繰り返し乍らも、何が正義で何が間違いなのかをノモスを通して問い続けてきた成果でもある。
例えば、アラスカで米国市民が勝手にホッキョクグマ猟を行えば罪に問われるが、ホッキョクグマを生活の糧としてきたエスキモーは罪に問われないのだ。

マイノリティはそれを抱えるどの国でも頭を悩ましている問題だが、知恵と工夫を凝らして共存共栄を図っているのだ。
我が国の法秩序である「大陸法」は本来、我が国の伝統には馴染まない異質なものであり、よって、伝統と現実の狭間では歪みも生じ易いのだ。
しかし、だからといって抜本的対策を先延ばしにし「臭いモノに蓋」はいつまでも通じるものではないのだ。

更に、マイノリティに対する政府の無策や「法実証主義」の弊害により、過去にとんでもない事件が起きている。
これは項を改めて説明するが、私が後年、政治哲学を学んだとき「マルクス」と「エンゲルス」の悪辣な思想をこの世から葬り去ると固く誓った出来事でもある。

なお「マメ」だが北海道を旅行した際に「ウタリ」の文言を見かけることがあると思う。
北海道舊土人保護法時代「アイヌ」は差別用語であるとして、公式文書でアイヌを示す場合は「ウタリ(同胞)」を用いていた名残であり、ウタリは慣用的にアイヌと同義である。
(法律の「土人」という表現も現代では考えれないほど酷い…)

和人支配の象徴として批判の対象とされた本法律は、制定から約100年後の1997年にようやく廃止されたが、実に1世紀もの永きに亘りアイヌ民族のアイデンティティーを否定し、迫害し続けたのである。
「アシㇼパ」が生きていた時代とは、松前藩の時代に開始され明治政府が引き継いだアイヌの和人との同化政策により明治4年の戸籍法制定に伴い日本語使用、和名強要、北海道地所規則によりアイヌの財産の没収や各種アイヌ風俗の規制が始まり更に狩猟規制と、和人による支配体制の強化により、アイヌ民族に餓死者が出るまでに至る。
それをきっかけに、北海道舊土人保護法の制定でアイヌの生活を狩猟から農耕主体に切り替えさせるなど、アメとムチでアイヌ民族の存在が確実に否定されていった時代でもあり、これらの諸施策はアイヌの立場は一切考慮せず、我々和人の一方的な都合であったと認識する必要がある。

(4)日本人を地球上から抹殺することのみを目的とした狂人極左の思想
「(1)」で少し触れたが、アイヌ問題と切っても切り離せない問題である。
どういうことか。

それは、無差別殺人の極左テロ集団【東アジア反日武装戦線】と【反日亡国論】である。
なお「東アジア反日武装戦線」についてwikiに記述されていることは、関係者が編集したのか事実をねじ曲げ生温くなっているので、参考にはならない。
最も本音に近かったのは「東アジア反日武装戦線」の関連サイトに、数年前まで「東アジア反日武装戦線」のリーダー格大道寺将司元死刑囚が直接述べた「反日亡国論」の考え方だが、相当ヤバイ内容であったからか大道寺死亡後は閲覧不能となっている。

その要旨は、
帝国主義戦争に反対する立場から自国の敗戦と革命を目指す「革命的祖国敗北主義」ではなく、また単に「明治以降の日本帝国主義が為した悪行」を批判するのでもなく
【歴史をはるかに遡って日本の建国や日本民族による歴史そのものを否定し、その絶滅を主張した】
ものである。
「東アジア反日武装戦線」では、これを「日帝本国人(大和民族)の血債(血で償う贖罪)」と称している。
そして、これは朝鮮人やシナ人が考えたことではなく、同じ日本人が考えたものであるのだ。
さて、このレビューを閲覧した皆様はおそらく初めて知る戦慄かつ狂気に満ちた極左思想にショックを受けたことだろうと思う。

しかも、これは脳内妄想などではなく実際に実行に移され、日本を滅ぼす前段として、三菱重工をはじめ大東亜戦争協力企業を標的に定めた連続企業爆破事件、さらには昭和天皇暗殺未遂をも引き起こした。
また、おそらく知っていると方もいると思うが、爆弾製造マニュアル『腹腹時計』は東アジア反日武装戦線のメンバーが著したものである。
なお、大道寺ら「東アジア反日武装戦線」の基地外思想はその著書『反日革命宣言』でも確認出来るが、左翼独特の言い回しであり左翼に対する一定の知識を要する。

さて、本論はこれからだ。
大道寺将司をwikiで検索してみて欲しい。
そこに、以下の記述がある。
「・・多くのアイヌの同級生たちと交流する中で、その厳しい暮らしぶりや中学3年時でのアイヌに対する就職差別を目の当たりにし、問題意識を抱くようになった。」
解るだろうか。
釧路市出身の大道寺はアイヌ差別の現実から、トロツキー主義(連続共産革命主義)の太田竜が提唱した「窮民革命論」に強い感銘を受け、そのような社会になったのは元を辿れば日本人の帝国主義意識に起因し、全ての日本人は革命で解放する価値などなく贖罪のため滅びるべきであるとした【反日亡国論】を完成させたのである。
しかし、当時のアイヌの困窮は失政が招いた側面が強く確かに体制の被害者として同情すべきことではあるが、それを全日本人の抹殺まで考えを飛躍させてしまうのが、マルクス主義の真の姿であり恐ろしさであることを強く念押しする。

大道寺一人なら狂人の戯言で済むであろうが「東アジア反日武装戦線」という複数の人間が所属する集団を狂わすのが「思想」という魔物の恐ろしさでもあるのだ。
なお「東アジア反日武装戦線」が対象とした「窮民」とは、アイヌの他、琉球人、在日朝鮮人、被差別部落、マルクスが称したところのプロレタリア未満の下層階級「ルンペン(所謂、東京の山谷や今の大阪市あいりん地区の日雇い労働者や生活困窮者を対象としている。)」である。
北海道庁爆破事件、北海道警察本部爆破事件、山谷暴動、釜ヶ崎暴動(現在のあいりん地区)は「窮民革命論」を用いて「東アジア反日武装戦線」の煽動や実行によって引き起こされたものである。

特に、アイヌ解放を出汁に引き起こした北海道庁爆破事件では80名近い死者重軽傷者を出している。
そして、最も重要なことは「窮民革命論」も「反日亡国論」もそのベースとなったのは「マルクス=エンゲルス」による「唯物弁証法」と「史的唯物論」であることだ。
政府のマイノリティ政策の無策が、サイコパス極左に利用され多くの方々が犠牲となったのとともに「史的唯物論」などマルクス思想は究極の自虐とも言える「日本は滅亡しか選択出来ない」などの妄想を編み出し「東アジア反日武装戦線」のようなテロや大量殺人を正当化する狂気のロジックをも構築するのである。

連続企業爆破事件では、当時東京に単身赴任をしていた私の幼馴染みの父親が犠牲となっている。

記憶に新しいことから、無差別テロを引き起こした「オウム真理教」について少々。
これは、現在論議されていることもあり、またオウムの松本(麻原)が一切手記的なものを残さなかっことや、NO2の村井が暗殺されたことで「東アジア反日武装戦線」のような証言記録からの分析は厳しい。
そのなかで諸説各論はあるものの、一部の社会学者は「オウム真理教」の「終末思想」と「史的唯物論」の関係性を指摘しているが、オウムに関してはまだ私の頭でマルクスとの関係性が整理出来ていないので、そうした指摘もあるということだけ記述をしておく。
なお、当時私は都内で仕事をしており、路線が少し違えばサリンを吸っていたかもしれなかったのだ。

しかし、全日本人の抹殺を企てた「東アジア反日武装戦線」の狂気は日本赤軍やオウムの比にならず、忘却することは絶対に出来ない。
左翼の適当な本質が明確に現れているのは、自分達の保身の為にオウム批判は盛んに行うも、マルクスが絡んだ「東アジア反日武装戦線」批判は同族擁護のように物凄く歯切れが悪く、ほとぼりが冷めたら口にもしないのだ。

この事実はもっと広く社会に周知をすべきであり、自虐史観は謂うに及ばず、ラジカルフェミニズムや絶対平等主義をはじめ多くの方々が、これの源泉であるマルクス=エンゲルス思想とは知らずに感化され、大量殺人を実行した「東アジア反日武装戦線」同様マルクスやエンゲルスの罠に嵌まっていることは断じて見過ごせないのである。
ただ、実行犯である大道寺や大森を糾弾するだけでは、また誰かが同じ過ちを繰り返すだけだ。
連中の考え方の根本である「思想」に影響を与えた源泉から根絶することが重要なのである。

地球から葬り去るべきは「反日亡国論」だけではなく、世界中に狂気を撒き散らし多数の人命を奪った源泉であるマルクス=エンゲルス思想そのものである。

過去、このような極左連中によるアイヌの社会的立場を利用した自己陶酔的な極左思想による非人道極まるテロがあったことからも、マイノリティを巡る諸事情は、サケ問題一つを取っても今もなおデリケートであり慎重になるのは御理解頂けるかと思うし、したがってポリコン抜きにしても、本作のレビューでは抑制的に行うこととする。{/netabare}

【作品総論】
{netabare}1期物語には大きく三つの流れがあり、それぞれエピソード平行または交差し展開される。
目的はアイヌの金塊探しという共通項があるが、この三群の動機や思惑はそれぞれ異なる。
①「杉元」「アシㇼパ」のグループ。
②「土方歳三」のグループ。
③「鶴見中尉」をリーダーとした第七師団の叛乱部隊歩兵第27聯隊のグループ。
④?(2期で明らかになる)
本作では「杉元」「アシㇼパ」の出会いと互いの信頼関係の熟成に多くの尺が割かれており、したがって、コタンの風景と生活、口周りの入れ墨や食事や服装などのアイヌ風俗、極め付けはアニメ史上初めての「アイヌ語」のセリフだが、アイヌ文化の登場シーンが多い。
また、合間合間で明治後期の小樽の様子、鰊番屋、草競馬など北海道の和人文化も紹介するなど、シリアスとギャグのシーン転換も合わせて、見せ場をしっかり考慮した巧いプロットである。

本作は見どころが多くてセレクトに困るが、7話は他のアニメに比しても「神回」と謂っても過言ではない。
エゾオオカミの「レタㇻ」と「アシㇼパ」の出会いと別れには、感極まって涙腺が緩んだ。原作とはまるで違う感動感が溢れ出たことにアニメの力(ちから)を感じずにはいられなかったのだ。
そして、何気ない振りをして最初から「レタㇻ」の伏線を張っていたのである。
原作の名作部分を、物語の基軸を外さずにしっかりとアニメで表現したことは評価に値しよう。
さらに7話では「二瓶鉄造」と「レタㇻ」の息詰まる死闘という冷徹なシリアスも同時に進む。
「二瓶鉄造」の「勃起」の裏に隠された猟師としての「美学」に思わず驚愕せずにはいられなかった。
生きることが当然になっている現代社会に「生存すること」の意義を再確認させた明治男の壮絶な美学が現代を生きる私の心に強烈に焼きついたのである。
私は「レタㇻ」がもし殺されるのならば、同じ覚悟で臨んでいる二瓶にこそ、その権利があると思うのだ。
「レタㇻ」の物語には、私達が忘れてしまっている自然と共生していた太古の時間が無意識下から湧き出るカタルシスを生じるのである。
そして、この壮絶かつ感動のドラマを話数を使って入念に伏線を張りつつ、7話で最高潮のテンションに仕上げた制作スタッフに最高の謝意を述べたい。
本作ではこのような超弩級の感動シーンもあり、他のアニメ作品とは何もかもスケールが異なるのだ。
また「二瓶」と行動を供にしたマタギの「谷垣源次郎」も興味深いキャラだ。
マタギとアイヌの関係は【本作品の背景考察】のうち「Ⅱ《北海道開拓とアイヌ、現在に至るマイノリティと物語の背景にあるもの》」の「(2)アイヌ文化における宗教的価値観とその広がり」で触れる。

物語はまだまだ続くので、1期での物語の評価は差し控えたい。

キャラ設定で面白いのは第一師団の元兵卒「杉元」と第七師団の兵卒は旅順の二〇三高地の戦いで知見があるとの設定だ。
あえて「杉元」を第七師団としなかったところに、軍全体を巻き込み物語の展開を拡大する意図があるのが分かると思う。
「白石」や他の濃いキャラについても触れたかったのだが、2期も始まったし機会を改めよう。

キャラも各群のトリックスターが明確となる2期で評価しよう。
1期で分かったのは①の「白石」であるのは皆様御承知のとおり。
2期では現在放送までで③のトリックスターが明らかになった。

作画に関してはアイヌの民族模様や重要な場面は緻密に描いていたり、モーションに気を遣っているが、良いときと悪いときの差が大きく全体的に不安定であり『刻刻』で懸念をしていたジュノススタジオの悪い癖が出ている。
更に背景だが、本作の背景屋はロケハンをしていないことがバレバレである。
なぜならば「アシㇼパ」のコタンは小樽の山林だが、背景は針葉樹だらけの「亜寒帯」で描写されておりデタラメである。
小樽近郊の道央は広葉樹も混雑する「冷温帯」であり、このことだけでも北海道のイメージで適当に背景を仕上げてあることが分かる。
広い北海道は地域によって植生がそれぞれ違うのだ。

私が『アンゴルモア』で本作をNAZにお願いしたいとした動機は、対馬の自然を正確かつ繊細に描写したことを評価したからだ。
また、『ゆるキャン△』でも述べたが、本作も大自然の描写が多く背景が問われる作品の一つだが、北海道の大自然はダイナミックに描かないと「絵」にならないが、本作はダイナミック感にも欠けている。
つまり、北海道を表現出来ていないのだ。

また、原作ではしっかりと表現されていた2話「杉元」と「白石」の凍死寸前のシーンに迫力が感じられないし「アシㇼパ」の変顔も恐る恐る描いている印象だ。
話数が進むにつれて原作の味が出てきたが、まだまだである。
総合的に考えると「3」が妥当だろう。

声優に関してだが、CVのことなど、どうでもよくなるのが先にも述べたアイヌ語の再現だ。
この言語は「消滅危機言語」つまり地球上から消える危機がある極めて貴重な「無形文化財」なのだ。
現在、北海道ではアイヌ語を喋ることが出来るのは10名程度で何れも高齢だ。
今般、千葉大学の中川裕教授他、北海道大学を始め多くの言語学者が監修し再現したもので、アニメ以上にアイヌ語の学術的見地からも、永久保存すべきほどの価値を有する。
この事実をもってしても満点以外の評価は考えられない。

音楽だが、OP曲は本作の壮大な世界観を予見させる曲で良い出来だが、ED曲はもっとOP曲との差別化を図り、一話終わるごとのカタルシスを奏でるスローテンポな曲の方が良い。
その点『アンゴルモア』のバランスはよかった。
次に、劇伴だが、せっかくアイヌ語を再現したのであれば、アイヌの伝統音楽を採用するなど側面支援すべきであった。
「オソマ」のテーマソングのみとはなんとも寂しい限り。
公式のインタビューは力量不足を認めた「言い訳」にしか聞こえない。
評価は「3.5」といったところだろう。{/netabare}

(★は一個0.5点)
物語★★★★★★☆☆☆☆3.0(評価は2期に繰越)
作画★★★★★★☆☆☆☆3.0(評価点)
声優★★★★★★★★★★5.0(評価点)
音楽★★★★★★★☆☆☆3.5(評価点)
キャラ★★★★★★☆☆☆☆3.0(評価は2期に繰越)

2018/10/28初稿

投稿 : 2024/11/02
♥ : 56
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

生命の輝きに別角度から光をあててみました

2018.07.01記


原作未読

2018年春期の1クールものでは個人的にNo.1でした。
10月に2期放映が決定してるとのことも納得の面白さです。

日露戦争あとの北海道が舞台。ありそうでなかった場面設定が興味を引きます。それになんか骨太そうな印象も私好み。
第一話、熊との格闘シーンで先制パンチを食らい、帰還兵の悲しみを描いたハードボイルド路線か?と見せかけて、コメディありグルメあり。しかも物語の邪魔をしてなかったりする。なんじゃこりゃ、詰め込み過ぎでしょ?といい意味で。

戦友との約束を果たすためにまとまった金が必要な杉元がアイヌ埋蔵金を求めて奮闘する話。アイヌの娘アシりパさんと行動を共にする中で、アイヌの慣習やものの考え方など作品を通じて知ることができます。
その埋蔵金を狙っているのは杉元だけではなく、帝国陸軍の軍人たちだったり、函館戦争の生き残りだったり、複数勢力が絡みます。


【命のやりとり】


冒険、グロ、エロ、メシ、歴史、アイヌの文化、サバイバル、奇怪な登場人物たち、このアニメを構成する要素はいろいろあってエンタ-テインメント性の高い作品です。これら複数要素を含有し空中分解しないでまとまっているのは、演出の巧みさと合わせて、根っこの部分では生々しくてゲップが出るほど“生命のほとばしり”を感じられるという点で一致しているからです。
「生きろ」とか「命どぅ宝」とか「生命万歳」とか命は大事と言うのを悪く言うつもりはありませんが、そういったものにときおり感じるうさんくささみたいなものをこの作品からは感じません。
そのへん詳しくは後述するとして、ありきたりのヒューマニズムには寄らないアニメと思って観ると面白いと思います。
{netabare}2期ありき(最終回にて3か月後に続きやる!と発表)で、最終話が中途半端に切れちゃったのは残念です。今後の期待もありますが、物語の評価を下げております。{/netabare}


以下、思いついたことを徒然に。。。※ネタバレ含みます
{netabare}
■弱い奴は食われる
アシりパさん初対面でこれですからね。日露戦争の死線をくぐりぬけ「戦争で学んだのは殺されないことだ」と語る杉元ですから、根っこの部分で似た者同士だったのでしょう。豊富な知識を持つアシりパと戦闘に長けた杉元のコンビはバランスが良いし、二人とも勘が鋭いというかよく人間を観ている。これだけでも二人がぬるい人生を歩んでいないということがよくわかります。

■死に場所を無くした元新選組の面々
男が泣く理由として「死ぬべき時に死ねなかった」というのは充分なものです。100年生きると土方は嘯いてましたが、2期でどういう死に方をするのかは楽しみの一つです。死なんかもしれないけど。

■狩猟して食べるということ
クマ、シカ、リス、ウサギ、ウマ、あとなんか魚。狩猟して解体して調理するところまで見せる演出は新鮮でしたね。
ウチの親は解体を目の当たりにして牛とウナギが駄目になってたし、嫁は魚を三枚に下ろせない。生命をいただいている実感が乏しい時代にこのアプローチは素晴らしい。
だからこそ、感謝する意「ヒンナヒンナ」が活きた言葉となってきます。
{/netabare}


■軍人目線で観た時の杉元佐一
{netabare}※不死身の杉元って
まるで船坂弘軍曹だなと思ってたら同じこと考えてた人がいたみたい。
不死身の生命力と敢闘精神が語り継がれている昭和の軍人さんです。渋谷センター街入口にある大盛堂書店の創業者としても有名。本買う時はだいたいここで購入してます。
杉元以外でも史実をモデルとした人物が多数いる模様です。

※杉元の切り替えの見事さって
ギャグってたりほっこりしている中でも危機を察知したら一瞬で目つきが変わり戦闘モードに切り替わる描写が多用されています。これってもともとの日本の軍人さんの凄みなんです。温厚で優しく良く笑い平時はおおらかに構えていて、いざ有事となればスイッチが完全に切り替わる。史実本にはそのようなエピソードが多く書かれています。ゴールデンカムイでは旅順攻略に従軍した帰還兵が数多く登場しますが、軍人さんのイメージギャップが少ないことも魅力の一つとなってます。{/netabare}


エッセンスの部分は原作を踏襲しているでしょうし、原作既読組が物足りなく感じるというくらいなので、原作マンガも期待できますね。
この手の作品がウケるというのは日本もまだまだ捨てたものではないなと思う次第。最終的な物語の評価としては2期待ちとなりますが、導入部分としての1期も面白い、オススメの作品です。


以下、オマケ
注)これより以降の記載内容について、人によっては不快に思われるかもしれない政治・軍事的な内容を含んでおります。ネタバレ開く時はこれら承知の上で開帳してくださいね。



■切り替えについてもう一言(本編とは関係ないので暇な人向け)
{netabare}北海道繋がりということで占守島の戦いに触れておきます。
ポツダム宣言を受け入れると発表してからの昭和20年8月17日深夜、樺太最北端の占守島に突如ソ連軍が上陸を開始し武装解除済みだった日本軍と交戦した事案。敗走すればそのまま北海道が分割されていただろう局面で日本軍の奮戦により有利な条件で停戦合意に至ったという重要な戦いです。かって司馬遼太郎の上官でもあった戦車隊の池田末男大佐の猛烈な戦いっぷりや杉原千畝より多くのユダヤ人を救ったとされる樋口李一郎中将の戦闘継続の判断だったり、取り上げるべき人物も複数登場します。
長くなってしまうのでご興味あればご自身で調べていただければと思います。
その日は武装を解除しての残念会が催された日、つまりどんちゃん騒ぎしてしこたま酒をくらい、意識も戦闘終結後に内地へ復員してさて何やろうかなとでも考えてたりしながら就寝したタイミングでの敵襲来です。普通まともに戦えませんし、戦闘するという判断を下すのも難しい。しかし、満州でソ連軍がどういったものだったか現地も司令官も知っています。また戦闘意思なく降伏すればどうなるかも知っています。
短時間で武装を整え作戦を遂行し、結果として足止めに成功しました。闘う時は闘う。避けてなんとかなると言い切れない場合はリスク要因を徹底排除する。
この時点で白旗を揚げて降伏していれば?
日本人にとってはけっして面白い結末が用意されてなかったでしょう。

アニメに戻って…
杉元が殺気を見せて対峙しなければ?
同様の面白くない結末に至ってたでしょうね。{/netabare}

■アイヌの現在とやら(本編とは関係ないので暇な人向け)
{netabare}アイヌや琉球については日本人と区分けして分断を図ろうとする勢力が跋扈しており、現在のアイヌ協会は差別利権、補助金食いつぶし団体に。
DNA配列ないし森羅万象生きとし生けるものを神(カムイ)と捉える宗教観は日本人に属するものであり、一見独特に見える文化風習・言語も土台が同じところからその地域の風土により独自発展したものに過ぎないと私は考えてます。
私の物言いも解釈の一つ。独自の先住民か広義の日本人であるかの論争はあってしかるべき。
しかしながら協会に多数の外国人が入り込んでおり、アイヌの定義も不明確なまま、協会がアイヌと認定したらあなたはアイヌそして補助金みたいな出鱈目は正されるべきでしょう。彼らにとっては差別は未来永劫あって欲しいものなのです。
そういえば北海道に侵攻したソ連軍はこうも言ってました。
「アイヌを開放するよん」
占領(したい)地の統治政策、植民地政策の基本は『分断して統治せよ』、わかりやす過ぎます。{/netabare}



視聴時期:2018年4月~6月 リアタイ視聴

-----
2018.12.08追記

区切りの最終話の収まりがよければもっと高い点数をつけていたと思います。

命のやりとりを杓子定規にシリアスにしなければならないというのに以前から私自身は違和感があって、そこに、もともと生死は表裏一体、喜怒哀楽すべてを含んであっけらかんとした描写が本作で描かれていたことが新鮮でした。

-----
2021.10.16追記/配点修正 +0.2

うーん、、、なんだかんだ言わんこっちゃない展開↓
・2019年:「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」施行
・2020年7月12日:ウポポイ開業
・2020年:アイヌ団体、サケの漁業権求めて提訴



2018.07.01 初稿
2018.12.08 追記
2020.12.04 修正
2021.10.16 追記/配点修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 75

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

アイヌ文化についてよく分かる

囚人の皮膚をはいで宝の地図探しといったところ
そこに陸軍の思惑が重なって不死身の杉本とアシリパさんが巻き込まれてしまう。

個性的な元囚人だったり、陸軍との戦いだったり、北海道特有の野生動物との戦い、アイヌの伝統文化など様々。

裏切り裏切られの人間交差点的な作品でもある。
1期は律速段階といった感じ。

白石晴香さんのアシリパ声良いですね。
以前コクリコ坂からで声優されていたようだ。


OP
Winding Road MAN WITH A MISSION
ED
Hibana THE SIXTH LIE


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
明治時代後期。「不死身の杉元」の異名を持つ日露戦争の英雄・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく北海道にいた。そこにアイヌから奪われた莫大な埋蔵金という、一攫千金のチャンスが舞い込む。埋蔵金は網走監獄に収監中の男によって隠匿され、24人の脱獄囚の身体に刻まれた刺青がその在り処を示す手がかりだという。そんな折、ヒグマの襲撃を受けた杉元を、アイヌの少女アシ(リ)パが救う。アシ(リ)パは、埋蔵金を奪った男に父親を殺されていた。さらに杉元の動きに呼応するように、かねてより埋蔵金を狙って暗躍していた北の最強部隊・第七師団や刺青を背負う脱獄囚たちの動きも顕在化。果たして、雄大な北の大地を舞台に巻き起こった一攫千金サバイバルの行方は…!?


1. ウェンカムイ
「不死身の杉元」と呼ばれた日露戦争の英雄・杉元佐一は、除隊後、一攫千金を狙って北海道で砂金採りに明け暮れていた。そんな折、杉元は現地で出会った中年男に、アイヌから奪われた埋蔵金の話を聞かされる。埋蔵金を奪った人物は網走監獄に収監中で、同房になった脱獄囚たちに埋蔵金の在り処を示す刺青を施したというのだ。当初はホラ話と思っていた杉元だが、その後の出来事によって話はにわかに真実味を帯びはじめる…。

2. のっぺら坊
杉元とアシ(リ)パは埋蔵金の手がかりを求め、北海道一の商業都市である小樽の街へと出向く。あまり有益な情報は得られなかったが、帰り道に後をつけてきた脱獄囚のひとりを罠で捕えることに成功。その男を尋問し、脱獄囚たちは殺し合いの末に散り散りとなり、刺青を彫った男が「のっぺら坊」と呼ばれていたことを聞き出す。そんな中、男が何者かによる遠方からの射撃で殺される事態が発生し、杉元とアシ(リ)パに緊張が走るッ…!

3. カムイモシ(リ)
森の中を進む杉元とアシ(リ)パは、ヒグマが冬眠に使う横穴を発見。穴の前でアシ(リ)パが語るヒグマの知識に感心しきりの杉元だったが、そのときアシ(リ)パが自分たちに向けられた双眼鏡の光に気づく。時を同じくして、彼らに向かって移動を始める陸軍第七師団の追っ手たち。二人は急いでその場を離れるが、スキーで移動する相手との距離はどんどん縮まっていくッ! 杉元は二手に分かれてアシ(リ)パだけでも逃がそうとするのだが…。

4. 死神
アシ(リ)パの生まれ育った村に招かれた杉元は、住民たちに快く迎え入れられる。アイヌ料理に舌鼓を打ち、村の子供たちと遊ぶなどして和やかな時間を過ごす杉元。そんな中、杉元はアシ(リ)パの叔父から、埋蔵金やアシ(リ)パの過去について話を聞く。アシ(リ)パは大人びてはいるが、寂しがり屋でまだいたいけな子供--叔父の言葉に、杉元の心にひとつの決意が宿る。その夜、杉元は寝ているアシ(リ)パを残したままひとりで村を後にする…。

5. 駆ける
杉元は二階堂兄弟に自ら食ってかかることで、身に迫った危機を回避する。その頃、杉元を追って小樽の街を訪れたアシ(リ)パは、レタ(ラ)の導きで白石と予期せぬ再会を果たし、彼の情報から鶴見たちの根城に行き着いていた。埋蔵金の分け前を得ることを条件に、杉元を救う手助けを買って出る白石。しかし、白石が建物への侵入に成功したのも束の間、レタ(ラ)の匂いに気づいた馬が騒ぎ出し、さらに二階堂兄弟の魔の手が杉元に迫るッ!

6. 猟師の魂
過日、小樽の山中でアシ(リ)パを追い詰め、狼のレタ(ラ)に重傷を負わされた谷垣は生きていた。彼を助けたのは、足を踏み入れた山の熊を全滅させてしまうと言われる凄腕の猟師・二瓶鉄造。二人は絶滅したとされる狼の存在に猟師の血を刺激され、レタ(ラ)との勝負を渇望していた。そんな中、二瓶の猟犬・リュウがいつもと違った行動を見せる。熊を恐れないアイヌ犬の怯えた姿に、ひとつの確信を得る二瓶--我々は狼の縄張りにいるッ!

7. 錯綜
雪山の中で死闘を繰り広げる杉元と二瓶。だが、谷垣にアシ(リ)パを人質に取られた杉元は、白石とともに動きを封じられてしまう。白石の縄抜けで拘束状態から抜け出したものの、アシ(リ)パと離れ離れになる二人。一方、狩猟用の罠で重傷を負った谷垣を置き去りにした二瓶は、アシ(リ)パを使ってレタ(ラ)をおびき寄せようと画策。狙い通りにアシ(リ)パの危機を察知したレタ(ラ)が姿を現し、銃を手に待ち構える二瓶に雷光のごとく迫るッ!

8. 殺人鬼の目
牛山に追われる白石は、鉢合わせた第七師団の兵士たちを巻き込むことでピンチを脱する。そんな中、町の建物が土方の一味に次々と爆破される事態が発生。騒動を尻目に銀行へと侵入した土方は、貸金庫から愛刀・和泉守兼定を奪取する。そこに爆破が陽動だと気づいた鶴見中尉が駆けつけ、撤退しようとする土方と火花を散らすッ! 一方、転んでもただでは起きない白石は、騒動後に土方の居場所につながる手がかりの入手に成功する。

9. 煌めく
辺見に誘われ、ニシン番屋で馳走に預かる杉元とアシ(リ)パ。そんな中、アシ(リ)パに隠した死体を発見されそうになった辺見は、杉元を外へと連れ出す。そこに第七師団の兵士が現れたことで、二人はニシン場の親方が住む豪邸に身を隠すことに。しかし、建物内にいた鶴見中尉らと遭遇し、戦闘状態となってしまう。負傷した辺見と建物を脱出した杉元は舟で逃げようと浜辺を走るが、背後から殺人衝動に突き動かされた辺見の凶刃が迫るッ!

10. 道連れ
世話になったアシ(リ)パの村を後にした谷垣は、二瓶の村田銃を手に尾形と二階堂との戦いを決意する。だが、残された弾は1発しかなく、足のケガもまだ完治していない谷垣にとって状況は圧倒的に不利。そんな中、ヒグマが食いかけた鹿の死体を発見した谷垣は、相手をそこにおびき寄せる作戦に出る。鹿の死体を調べる二階堂をヒグマが襲い、これを精密射撃で退ける尾形。その瞬間、尾形の居場所を察知した谷垣の銃口が火を噴くッ! 谷垣の一撃を食らいながらも、運良く致命傷を免れた尾形。そこに鶴見中尉らが駆けつけたため、尾形は逃亡し、一部始終を見届けた谷垣もその場から姿を消す。

11. 殺人ホテルだよ全員集合!!
札幌で武器を調達後、宿に泊まることにした杉元たち。一行は宿泊先に札幌世界ホテルを選ぶが、時を同じくして土方一味の牛山も同じホテルを訪れていた。女将の家永を気に入り、いきなり口説きにかかる牛山。だが、家永の正体は女装した老人男性で、しかも刺青を持つ脱獄囚のひとりだった。体の悪い部分を同じ部位を食べて治す考えを実践し、客を次々と餌食にしてきた家永は、新たな標的として牛山とアシ(リ)パに狙いを定める!

12. 誑かす狐
札幌を発った杉元たちは、長沼にあるアシ(リ)パの親戚の村を訪れる。村には占いが得意なインカ(ラ)マッという女性が滞在しており、彼女のよく当たる占いに村人は浮き足立っていた。杉元たちに会うなり、アシ(リ)パが父親を探していると言い当てるインカ(ラ)マッ。アシ(リ)パは驚きながらも、占いなどに惑わされまいと警戒を強める。一方、高い的中率に目を付けた白石はインカ(ラ)マッを競馬場に連れていき、占いで馬券を当てようとする…。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

81.8 8 コミカルでシリアスなアニメランキング8位
僕のヒーローアカデミア(第3期)(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (442)
2702人が棚に入れました
超常能力“個性”を持つ人間が当たり前の世界。No.1ヒーローのオールマイトと出会った“無個性”の少年・緑谷出久、通称「デク」は、その内に秘めるヒーローの資質を見出され、オールマイトから“個性”ワン・フォー・オールを受け継いだ。デクはヒーロー輩出の名門・雄英高校に入学し、クラスメイトたちと互いを高め合う切磋琢磨の毎日を過ごしていた。雄英高の生徒同士が激突するビッグイベント「雄英体育祭」、プロヒーローの下で技を磨く「職場体験」、“ヒーロー殺し”ステインとの死闘、期末テストでのオールマイトとの戦い、そして敵(ヴィラン)連合の死柄木弔との邂逅…。次々と課される試練に対して、デクはヒーローを目指して果敢に立ち向かっていく。一方、死柄木や、オールマイトの宿敵である巨悪オール・フォー・ワンも仲間を増やし、その悪意をふくらませるのだった。デクの、最高のヒーローになるための道と、敵(ヴィラン)たちとの戦いは、ますます加速していく!

声優・キャラクター
山下大輝、岡本信彦、佐倉綾音、石川界人、梶裕貴、悠木碧、井上麻里奈、増田俊樹、諏訪部順一、内山昂輝、三宅健太、大塚明夫
ネタバレ

いしゆう さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

君が凄い人だから・・・勝ちたいんじゃないか!! 胸熱くする青春ヒーロー好きにはこれでしょ♪

あらすじはあにこれを参照ください。
放送時期:2018年4月~9月

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

◎物語 
39話~45話 夏の林間合宿編
46話~51話 神野区の悪夢編 

雄英高校に入学してから初めての夏休み
この一学期で心と体は鍛えられた
この林間合宿では”個性”を伸ばす○o。.

どんな困難にも立ち向かい 笑顔で人々を救う
そんな最高のヒーローになるために新たな一歩を踏み出した!

出発する前に謎のプール編あります○o。.。

〇音楽
OP曲は UVERworldが歌う”ODD FUTURE”
夏の季節に合う爽やかな曲です

ED曲はmiwaが歌う”アップデート”
気持ちが落ち着く ED曲にピッタリです。

〇キャラ
合宿は雄英1年ヒーロー科 A組とB組が参加
他にも講師に新たなヒーロー迎えたり生徒たちの家庭訪問あったりで
相変わらずキャラ豊富♪ 
推しのキャラを見つけて応援するのも楽しいです○o。.。

今回特に好きなキャラ

夏の林間合宿編・緑谷出久
神野区の悪夢編・オールマイト

両者 立場は違いますが
絶望の涙を感激の涙へ変える二人 最高!
ヒーローとしてのその姿に胸が熱くなること間違いなしです!

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇観終わって{netabare}
雄英高校の警備がザルなのかヴィラン連合が凄いのか・・・
楽しいはずの林間合宿が開闢行動隊(ヴィラン)の登場で悪夢へ

光汰くんを守るデク君カッコいい!

この夏の林間合宿編では
ヒーローとして戦うことを選択した雄英ヒーロー科の面々
それが神野区の悪夢編では戦わずして”かっちゃん”を助ける

戦うだけがヒーローじゃない! ちゃんと成長してるの嬉しかった♪

そして オールマイトとオール・フォー・ワン
心が震えるような戦いでした 

どんな姿になっても平和の象徴として先生として
そしてワン・フォー・オールを受け継ぐものとして戦う姿は
涙無しには観ていられませんでした!

さらに死柄木弔が志村菜奈(7代目ワン・フォー・オール)の孫!
戦いの中でサラッと判明したは驚きでした

それにオールマイトから緑谷出久 
オール・フォー・ワンから死柄木弔へ受け継がれていく内容もあり
大満足!でもスゴイ情報量! 
色々な意味で頭が熱くなりかけました○o。.

最後は雨降って地固まる とても良かった♪。

( でも内通者なんているのかな? 誰だろう? 気になります! )
{/netabare}
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

◎物語
52話~63話 プロヒーロー仮免試験編
全国各地で行われる試験会場に集まったヒーローの卵たち

その中の国立多古場競技場に到着した
デク君たち総勢1540名 その中から一次合格は100名という
とても狭き門の中 仮免試験が始まる!

58話のみ特別編 ”愛で地球を救え” 犯人探しが楽しいです。

〇音楽
OP曲は Lenny code fictionが歌う”Make my story”
ED曲は 菅田将暉が歌う”ロングホープ・フィリア”

”ロングホープ・フィリア”映画版で流れてました
今回は曲調を変えたTVバージョン また違った感じで素敵です!

熱い歌詞を勝手に紹介します!

{netabare}
歩くほどに靴底が汚れてく そんな風に
僕らの魂も磨り減れば影ってしまうよ
そんな時に思い出して 君が諦められない理由を
救ったはずが救われたっけ 握ったつもりが握られた手

遍く旅路に光あれ 強さや弱さでは語れないぜ
立ち向かうその一歩ずつが 君の勇敢さの勝利だった
叫ぶ為に息を吸うように 高く飛ぶ為に助走があって
笑う為に僕らは泣いた それを敗北とは言わない
ロングホープ・フィリア

時を経ては変わってく 街並みも友達も
大抵は離れて分かる 寄る辺なさは瞭然たる感傷
ましてや自分 僕は僕を離れられぬやましさを背負って
だから友よ見届けてくれ 変わったのじゃなく変えたのだ

遍く挫折に光あれ 成功、失敗に意味はないぜ
最終話で笑った奴へ トロフィーとしてのハッピーエンド
願わなきゃ傷つかなかった 望まなきゃ失望もしなかった
それでも手を伸ばすからこその その傷跡を称え給え
ロングホープ・フィリア

諦めて疑って塞いで 期待外れって言われたっけ
でも失くしたことが武器になった それがどん底に咲いた花
遠き友よ 今ではもう蒼い星座 少なからず僕ら生きてる
荷物ならばそれで充分だ

遍く命に光あれ 生きる為に理由はいらないぜ
うなだれても踏み留まった そこをスタートラインと呼ぶんだ
今日の君が笑ったことで 敗北も無駄にはならなかった
故に咲くどん底の花 友よ、末永い希望を
ロングホープ・フィリア{/netabare}

〇キャラ
プロヒーロー仮免試験編では
士傑高校・傑物学園・聖愛学院など全国の色々な選手が登場します
この作品って登場人物多いけど 一人一人特徴があるから
見分けが付きやすいなって感じます○o。.。

特に好きなキャラ
・爆豪勝己 

普段強がってる彼が胸の内を明かす場面はグッときました!
今回はⅢ期通しての結果になります○o。.。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇観終わって{netabare}
雄英体育祭で全国に顔と個性がバレてるというハンデの中
競い合う雄英生たち こういう展開の中 
青山君が鍵になるなんて とっても意外 
蛙吹さんは寒くなると 冬眠に入るって・・・驚きました。

救助活動では
戦うか守るか 助けるか逃げるか
瞬時に色々な選択を迫られる現場でケンカしてる轟と夜嵐
だから出久の”なにをしてんだよ!!”
モワモワしたわたしの思いを代弁したデクくん 最高かよ!

プロヒーロー仮免試験後
このⅢ期の主役と勝手にわたしが思っている”爆豪勝己”

彼が心に抱え込んでいたものを爆発させる場面
良いライバル関係誕生の瞬間 ますます爆豪くん好きになりました。 
{/netabare} 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

〇一言
洋画”アベンジャーズ”と学園青春ものをかきまぜた様な作品です

話数は多いですが 内容はストレートで分かり易く 
割と一気に観れちゃいますのでオススメです♪。

10月からⅣ期が始まりますので今から楽しみ!○o。.

以上 最後までお読み下さりありがとうございます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

kakelu さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

タイトルなし

1話の感想 ★★★ 3.0
2期の総集編
{netabare}
林間合宿前の水泳!
まぁ、今回は総集編がメインだけど。
こういう所、親切。
今期のOPとEDはUVERworldとmiwaか。
豪華だな〜{/netabare}

2話の感想 ★★★★ 4.0
合宿初日
{netabare}
初日からハードだったな。
楽しんでいられるのも今のうち、って言葉まさにその通りだった。
合宿はこれからだ。{/netabare}

3話の感想 ★★★★ 4.0
こうたくん
{netabare}
能力社会が嫌いか…
親が死んじゃってたらそうなるよな。
生きていたら憧れだったのに…
ヴィランが襲撃してきた。
見つからないように少数精鋭にしたのが仇となったな。{/netabare}

4話の感想 ★★★★★ 5.0
僕のヒーロー
{netabare}
ヤバい、緑谷かっけぇえ!!
自分も怖いのに泣きながらも戦うとか…
あの声に表情、必死さがビンビン伝わった!!
これで憧れないやつは男じゃないよ!!
泣けた…
超いい話だった。{/netabare}

5話の感想 ★★★★ 4.0
鉄哲の底力
{netabare}
Bクラスが初めて活躍したな。
あの手の女の子見た目アレだが、強いな。
これで10人中2人は戦闘不能で2人はプロが見ている。
障子くん、片手無かったけど再生するのか?{/netabare}

6話の感想 ★★★★☆ 4.5
かっちゃんを助けに
{netabare}
かっちゃんを助けることが出来たと思ったらまた攫われた!
そして、捕まえたと思ったら敵のど真ん中!
なんて、不運なんだ。
常闇の能力って強いな〜
弱点がでかい代わりに自分の陣地では無双だな。
あのイカレ女は血を集めてた。
もしかして、その血でノームを作る気なのか!?
なんか色々とやばそう。{/netabare}

7話の感想 ★★★★☆ 4.5
あと少し
{netabare}
爆豪を助けることが出来なかった。
あと少しだったのに。
爆豪は最後まで助けてとは言わなかったな。
轟くんもいい人になったな。
あんなクラス思いだったか?
果たして、緑谷はどんな判断をするのか…{/netabare}

8話の感想 ★★★★ 4.0
救出に行くのか?
{netabare}
緑谷の怪我そろそろヤバそうだな。
動かなくなるとか…
でも、無茶は辞めれそうにないよな。
相手が強いんだから。
ヒーローっては1回の失敗で非難される。
決して、非難されるような行いはしてないのに。{/netabare}

9話の感想 ★★★★ 4.0
爆豪、救出
{netabare}
緑谷たちが救出するかと思いきや、オールマイトたちがきっちり制圧してしまった!
なんか呆気ないぞ!!
まぁ、オールフォーワン出てくるよね〜{/netabare}

10話の感想 ★★★★☆ 4.5
オールフォーワン
{netabare}
やっぱり出てきたオールフォーワン。
そして、めちゃくちゃ強い!!
緑谷の作戦で見事、爆豪は救出できたがオールフォーワンを倒しきれなかった。
オールマイトは時間切れ…ヤバくない?{/netabare}

11話の感想 ★★★★★ 5.0
No.1ヒーローの最期
{netabare}
かっこよすぎだろ、オールマイト!
限界を本当に超えて勝ってしまうなんて…
絶対に負けると思ってたよ…
意地を貫き通したかっこいい最期だった。{/netabare}

12話の感想 ★★★★☆ 4.5
師の想いと母の愛
{netabare}
オールマイトは本当に戦えなくなってしまったんだな。
もし雄英が襲われた時、絶対的なヒーローはもういない。
教師一人一人が死にものぐるいで守らなくては。
緑谷の母は臆病で怖がりだけど、凄く優しい息子想いのお母さんだ。
こんなに素晴らしい親だから子も純粋で真っ直ぐに育ったんだろうな。{/netabare}

13話の感想 ★★★☆ 3.5
寮生活、スタート
{netabare}
寮生活が始まった。
んで、今回はほのぼのとした回だった。
前までシリアスが続いたからその反動かな。
梅雨ちゃん、厳しく言ったことで抱え込んでしまってたんだな。
みんな、不安だよな。
みんなのため自分のために、早く強くなれ!{/netabare}

14話の感想 ★★★★ 4.0
必殺技
{netabare}
腕がダメなら脚で。
シンプルだがいいと思う。
コスチュームも少し変わって、これから始まるって感じがするよ!
爆豪はやはりセンスがいいな〜
いろんな技を思いつく。{/netabare}

15話の感想 ★★★★ 4.0
第一次試験、スタート
{netabare}
みんなパワーアップしてんだな〜
コスチュームもかっこよくなってるじゃん!
そして、始まった試験!
5割と言われていたのが、一次試験から1割とは差がすごいな。
雄英からは何人残るかな。{/netabare}

16話の感想 ★★★★ 4.0
狙われる雄英
{netabare}
バラバラにさせてしまったが、何とか緑屋とお茶子、瀬呂くんが合流できた。
士傑高校はどいつも曲者ぞろいだ。
あの痴女が全裸になった時、白色の泥みたいなのが着いていたのかな?
あれのせいで全裸に見えなかった。
そこをどちらかに一致させて欲しかった。{/netabare}

22話の感想 ★★★★ 4.0
仮免、結果発表
{netabare}
仮免を見事取得!
良かったな、デク!
そして、ヒーロー名がデクになってた。
本当にそれで良かったのか…
かっちゃんはデクの能力について分かったみたいだな。
オールマイトは隠し通したがデクには無理だったか…
この心の緩みが後々響かないといいが…{/netabare}

特別編 ★★★ 3.0
愛は世界を救う
{netabare}
映画の繋ぎの話。
番外編って感じで特に面白くはなかった。
普通だった。
映画の方はクソ面白かったな!{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

なっぱ‪‪𖧷‪‪𓈒𓂂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

3期は精神的に成長していく姿が多く見られた

プール回からの林間合宿!
{netabare}
かっちゃんのボール投げの時の掛け声が
「しねー!」から「くたばれー!」に変わってて
そこも変化していくんだと面白かったですw
{/netabare}

林間合宿での肝試し中に↓
{netabare}
合宿の疲れを残したまま2人1組での肝試し中に
荼毘率いるヴィラン達が生徒達を狙って襲いかかる。
ヒーロー嫌いの洸太くんを守るため最強の敵と
1人戦った出久くんは勝利するもボロボロに。
自分を命懸けで助けてくれる出久くんを目の当たりにし
洸太くんのヒーローに対する考えが変化していった。

出久くんから報告を受けた相澤先生は
ライセンスのない生徒達にヴィランへの攻撃を許可し、
B組の鉄哲徹鐵はガスを操る敵を何とか倒した。

森の中を駆け回る出久くんを障子くんが抱える。
2人の通るべき目の前の道には常闇くん、
暗闇によりダークシャドウが制御不能となっていたが
かっちゃんと轟くんの所で光を当ててもらい元に戻る。
だけどヴィランの狙いであったかっちゃんは
相手の個性によって捕まり連れ去られてしまう。

連れ去られた先でかっちゃんがまた名言作ってたな、
「寝言は寝て死ね」ってwww なんそれwww
あとかっちゃんのオールマイト愛が一途すぎる!
{/netabare}

ヴィランのアジトへ乗り込む↓
{netabare}
拐われたかっちゃんを救出するために
ルールを破りノームの場所へ向かった出久くん達、
それより先に乗り込んだオールマイト達。
かっちゃんを救助することには成功したけど
オールマイトはオールフォーワンとの死闘の結果
ワンフォーオールの火は消え事実上の引退となった。
49話は涙が止まりませんでした( ᵕ ᵕ̩̩ )
{/netabare}

プロヒーロー仮免試験↓#53〜
{netabare}
試験前に必殺技を編出す訓練を全員が行う中、
林間合宿での戦いで腕に爆弾を抱えた出久くんは
足を基本にした戦いのスタイルに変更した。

1次試験はボール当てで先着100名、
参加者1割以下しか通過できない内容。
雄英高校だけは体育祭のテレビ中継で個性がバレていて
毎年最初に行われる雄英潰しの壁を超えていく。

1次試験を通過した出久くんに
「そんな力があれば当然だ。」
とかっちゃんが言うシーンは、
出久くんを認めたから言ってくれたのか
個性の事を察して言ってるのかハラハラします!

青山くんが途中から仲間を思いやる行動に出たのは
なかなか思わせられるところがありますね。

なにより全員通過おめでとう‪(*ˊᵕˋ* )
相澤先生の生徒たちに抱く感情の変化があって良いな〜

2次試験は救助演習!
ヒーローにもプロがいるように、
救助されるプロがいる設定が面白い‪ところ( ॑꒳ ॑ )
審査は救助される側が直接行う。
しかしただ救助するだけとはいかず
途中からヴィランのテロが発生というシナリオ追加で
ヴィラン役を率いるのはNO.10ヒーロー!!

試験を終え1-Aは轟くんとかっちゃん以外が仮免合格。
寮に戻ったその晩かっちゃんに呼び出された出久くん、
オールマイトと出久くんの仲について考え続けていた
かっちゃんに出久くんの個性の正体を暴かれる。
オールマイトに憧れヒーローを目指したかっちゃんは
出久くんと戦いを望み出久くんもそれに応えた。

初めて本音でぶつかりあった2人の喧嘩は
最後にオールマイトが止め個性についての秘密を話し、
オールマイトと出久くんの2人の秘密は
かっちゃんを含めた3人の秘密へと変わった。
出久くんとかっちゃんの関係も
お互いに高め合えるライバルへと変化する!(#61)
※出久くんとかっちゃんは謹慎処分w
{/netabare}

後期課程の始まり↓#62~
{netabare}
オールマイトが引退となった今、
ストッパーの外れた悪人たちは増え続け
死柄木たちヴィランも裏で動き続けている。

雄英高校ではインターンの話があり、
ここで初めて通形ミリオ達ビッグスリーが登場する!
3期はミリオくんが1-Aのみんなに実践形式で戦い
インターンについて教えて終わる。
ミリオくんがビリから努力でトップになったこと、
個性が強いわけではなく使い方次第で強くなれることを
知った出久くんは何か大きなヒントを得た様子だった。
{/netabare}

1期の時からナレーションとして
出来事の解説をしている出久くんの声は
いつの頃の出久くんが話してるのか気になる。
「この時の僕達は〜」などの言い方をしているから
未来の出久くんなのは確かなんだろうけど、、
卒業したあと?大人になった出久くん?プロヒーロー?
とても気になります(゚^ ゚ )

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

81.2 9 コミカルでシリアスなアニメランキング9位
鬼滅の刃 遊郭編(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (516)
1898人が棚に入れました
無限列車での任務を追えた炭治郎たちの次なる任務を描く『遊郭編』。鬼殺隊最高位の剣士《柱》の一人、音柱の宇髄天元とともに炭治郎たちが向かうのは、鬼の棲む遊郭。

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、小西克幸
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

遊郭編が一番面白かった。

↓無限列車編感想
{netabare}
劇場版視聴済みなので2週目。
1週目のときはかなり楽しめたし、去年の映画で一番面白かったと思ったけど、こうやって話数で分けてみると結構違和感もあったりで正直1週目ほど面白いとは思わなかった。いや、面白いのは確かなんですが。

流れとしては基本映画と同じ、一話だけアニオリと言う感じでした。
一話のアニオリ回が正直一番楽しめた、というのはやっぱり他が2週目だからかな。駆けつけておばさんや子供を助ける煉獄さんがかっこよかったし、この映画までの範囲で煉獄さんの掘り下げが全然なかったということも加味するとかなりいい補填となってるアニオリだったかなと。
アニオリにもかかわらず作画も映画並みにすごく、そばを作るシーンはいまだに覚えてるぐらい。

2話~4話ぐらいは個人的にはそこまで。話は普通に面白いけど、鬼滅の誰得なんだってレベルの寒いノリは嫌い。まあ、炭次郎が自分の理想である夢よりも現実を考えて自害して覚醒するところとかはいいんですがね。

5話~最終話まではやはり今見ても面白い。鬼滅の刃の面白さの7割ぐらいはやはり話と言うよりもUfotableによるハイクオリティな戦闘シーンか。
鬼滅の刃は作画だけという人も多いけど、戦闘アニメで戦闘シーンが良ければそれで評価に値すると個人的には思いますね。VS魘夢のラストはほんとに演出や見せ方が上手い。

そしてその後の猗窩座戦では魘夢戦で上がったハードルを軽く超える作画。出てからそこまで経ってない煉獄さんがかっこよく見える点に関してはやはり作画のおかげか。あれほどすごい戦闘シーンを見せられたらさすがに。
自分は泣けはしませんが、煉獄さんの最後のセリフもほんとにいいと思います。他の誰でもなく主人公に後を託そうとするのが煉獄さんらしいなと。
炭次郎が負け惜しみを言う中、煉獄さんは負けをしっかりと受け入れている雰囲気もいい。

まあ駄目な点としては、死ぬほど寒いノリと戦闘中の実況かのような解説に笑ってしまうことぐらいですかね。
OPとEDも良かった、まあ、紅蓮華とFrom the edgeほどではないけどこの二つが強すぎるだけで、OPもEDも今期TOP15ぐらいに入るぐらい好き。

話も普通に面白いし、作画だけのアニメだとは思いません。
ただこの放送の仕方は稼げるときに稼ごうという魂胆が見えて大嫌い。
映画で一回やっている上に金ローで地上波もやったのにまた話数分けて放送って...。

一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆9
面白かったけど、こういう金を稼げるときに稼いでおこう見たいなスタイル嫌いだな。
一応変えてるらしいから見るのは見るけど。
そば作って盛り付けるところの作画いいなぁ。
煉獄さんが列車に乗るまでの過程は映画になかったな。
煉獄さんおせえよ。速さが足りない。
おばあちゃんたちいいな。

2話 ☆8
OP映像かっこいい。
あ、分岐切符。出た、くっそ寒いノリ 

3話 ☆8
くっそ寒い。ここ映画で唯一つまらんかったな。
女に厳しい。

4話 ☆8
あの精霊みたいなやつが殺そうとしてる人を核まで案内するところ好き。
自殺RTA 

5話 ☆8
激寒ノリ。
穴があったら入りたいってなんだよ。
戦闘の実況してるの今見るとくっそシュールだなw

6話 ☆8
カットされてない?
ここの主人公側を褒める流れ草。
改めてみるとおかしなシーンばっかだな。
スーパー解説タイム。
初対面だが既にお前のことが嫌いだのセリフ好き
さすがにここからは面白いな 

7話 ☆9
正直鬼になった方が幸せそう。
実況プレイやめろ。確かに正々堂々戦って勝ったよなw
炭次郎が負け惜しみが煉獄さんの活躍台無しにしてる。
煉獄さんは負けを受け入れている感じでいい。
泣けはしないけど、煉獄さんの最後のセリフはほんといいわ。
{/netabare}

曲評価(好み)
OP「明け星」by LiSA ☆8
ED「白銀」by LiSA ☆8
ED2「炎」by LiSA ☆9

{/netabare}

↓遊郭編感想
{netabare}
遊郭編最初の3話ぐらいはずっと寒くて微妙だったけど、やっぱりいつも通り戦闘が始まると面白くなった。

とにかく作画が劇場版レベルというかもはや劇場版すら超えてるぐらい良かったし、作画だけじゃなくて見せ方と言うか構図も上手くて見ていて楽しい戦闘シーンだった。
たぶん5話ぐらいずっと同じ相手との戦闘シーンやってたけど全然引き延ばし感もなかったし飽きなかった。
こんなに同じ相手との戦いを長引かせてずっと楽しめるのはこのアニメぐらいなんじゃないかな。特に最後の戦闘シーンはまさに死闘と言う感じで熱かった。
それと、子供も結構見てるだろうに、グロシーンも健在だったのが良かった。
やっぱりこういう系のアニメは残虐なカットがあると絶望感が増していい。

作画のことばかり言ってると内容はないと突っ込まれるので()、内容についても書くと、今回の話は無限列車編からの主人公たちの成長が描けてたんじゃないかなとおもう。
柱(煉獄)と上弦(アカザ)が互角の戦いをしてたけど何もできずに煉獄さんが死んだ無限列車編に対して、今回はちゃんと柱(天元)の手助けをすることによって上弦を倒せた、と足手まといじゃなくてちゃんと応戦できるようになっていて少し成長を感じた。

最終話の話も良かった。自分も妹を持ってるからこそ、鬼とは言え妓夫太郎と堕姫に同情して、仲直りの手助けをする炭次郎がかっこよかった。
兄弟愛系の話好きだから最終回は泣けはしなかったけどすごくいい話だったと思う。あと、特に書くことはないけど、煉獄家の話もかなり好き。

全体として最後の方の盛り上がりは良かったけど、微妙な点も少し書くと、やはりノリが寒い。あのノリを面白いと思って見てる人はいるのか...?
カットしたほうがいいんじゃないかって思うぐらいには寒い。
あと、戦闘中の実況プレイ。漫画ならまだしも、アニメだと尚更緊迫感が台無しになるからカットした方がよくね?って思う。
あと、これは内容とは一切関係ないけど無限列車編を再放送したのは愚策だったかな。鍛冶里編がどれぐらいの長さなのかは知らないけど新しい部分で2、3クール放送した方が良かったのでは。放送遅れたとしても
無限列車編全然盛り上がってなかったし。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆9
やっと始まった。デフォルメさっむ 何だこの父。
他人の父に何言ってんだよw 弟君性格真逆。
系譜が断絶というのはきついな。
辛そう。それでも前向きにできることを探すのは好感。
父に恭二郎が残したセリフを伝えて、父が動揺するところの煉獄死ぬシーンよりも良かった。お前何様やねん、炭次郎
鬼滅っぽくもAimerっぽくもないOPだけど好き

2話 ☆3
ほんと激寒だ。ハーレムやめろ。いやほんとさっむ
ましろのおと 怪しい飴 くっ殺 えっろ 子供が見てええんか?
今回寒すぎだわ。edいい感じ

3話 ☆7
今回は寒いノリ辞めてほしいな。
OPいい曲だけど発音分かりにくいから流行らなそう。
エロい。子供も見るんやぞリョナはいいぞ 部屋を荒らすな。
あの高さで良く死ねたな。
敢えて柱を連れてきてもらうために見逃したのか? あっ...

4話 ☆7
ノリが寒すぎる。あっ...露骨なフラグ
勝てるわけないのに戦うな。

5話 ☆7
ほんと解説台詞多いな。イノシシガイジ化展開寒いわ
ゲゲゲの鬼太郎で見た。解説長い。

6話 ☆10
ほんとに戦えてる? 帯が本体か?
グロ描写がちゃんとしてていいわ。
子供も見てるだろうけど容赦なく入れてくれて。
父も無惨みたいな雰囲気w ほんと説明台詞多すぎ。
さすがに戦闘がおもしろすぎる。音柱さん遅くね? 

7話 ☆9
堕姫弱くないかw 竹がないから... 音柱はよこいや。
急にギャグ入れるな。判断が速い!
同時に二つの首切り落とせばよさそう。

8話 ☆9
宇随さんもなんやかんや死にそうだな。
女の方は口だけで弱いw ゲームみたいな撃破法。
寝ながら戦うの滑ってますよ。
構図がやばい。映画か? やったか!? 

9話 ☆9
この回想と言うか露骨な死亡フラグいる?
恒例の実況プレイ 草、のこぎりかよw 伊之助死んだの?
ラストシーンの絶望感がかなり良き。

10話 ☆10
敵キャラ全員同じように解説実況するの草。
マジでみっともねえw お前も鬼にならないか?
この二人炭次郎と禰豆子の対比なのか? 解説乙w
僕の王の力がああ
無限列車の時と同じ構図で、実質あれのリベンジになってるのがいいね。
なんかシュール。

11話 ☆10
死んだか? 実況プレイ。火葬か? ゆっくりかな?
生首が喋ってるのくっそシュール。
炭次郎、いい奴。仙台民。
人間の頃から既に鬼じゃん。親ガチャ失敗
何もしてない奴がイキるな。
いい最終回だった。

OP「残響散歌」9.5/10
ED「朝が来る」8.5/10
{/netabare}
{/netabare}

2022/2/16 投稿
2023/1/19 訂正(文章が酷すぎたため)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

あなたと越えたい 梅妓越え

原作未読


まだ見ぬ作品を発掘し視聴の参考にする目的としてはレビュー不要な気がする程の有名作品。名前くらい聞いたことあるでしょうし、アニヲタ界隈だけに留まらない現代用語の基礎知識です。

“不倫”の語意は人の道に背くというのが本来の意味らしく、そんな修羅の道を進む男女の情愛を表現した稀代の名曲よろしく餓鬼道に堕ちた兄と妹が今回の敵さん。いったん劇場版を挟んでのシリーズ3本目となる第2期全11話となります。物語の背骨が“鬼にされた妹を連れた兄”の構図であるため、今回の敵さん兄妹との対比も楽しめれば良いってところでしょうか。『遊郭編』の主だったキャストはこちら↓

 ・宇髄天元(CV小西克幸):音柱
   {netabare}3人の嫁 - 雛鶴(CV種﨑敦美)、まきを(CV石上静香)、須磨(CV東山奈央){/netabare}
 ・堕姫(CV沢城みゆき)
 ・妓夫太郎(CV{netabare}逢坂良太{/netabare})←驚いた!

変わらず隅々まで豪華なメンバー。劇中で続編に繋がる新キャラも登場して耳が幸せとの表現がしっくりくる布陣です。職業声優さん以外をねじ込みたい事務所あったろうに今回もナシでした。無駄なハレーションを避ける英断の裏に、作り手有利だったことが推察されます。
“作品としての内容の良し悪し”もさることながら“ビジネス的にどうだったん?”の文脈で語れる稀有な作品ってことになりましょう。


■作品としての内容の良し悪し

いかにも少年漫画的な善逸と伊之助がさほど気になりませんでした。あるいは慣れたか。
キャラに語らせて説明過多に陥るのは今回もそれなりに。ただし本流部分{netabare}(環境の違いで道の別れた二組の兄妹){/netabare}はアニメーションで魅せてましたね。大事なところは画で語るスタイル。
なお、作画素人の私でも凄いことがおきてるくらいはわかります。なんかで聞いたことあります。同じ動かすでも無地と柄ものでは手間がン十倍違うとか。全11話通じて柄ものしか動いてませんでした。

かれこれ所作は決まってきて、強い鬼登場→当番の柱参戦→成敗→鬼の履歴書 みたいな流れが今後も続きそうな予感はします。
そんな勝ちパターンの繰り返しと捉えるだけでは“作画の凄さを前後比較してみる”と“YOUは何しに鬼になったの?”の2点を見届ける作業ゲーになっちゃいそうなのですがどうなんでしょうか。実際はきちんと積みあがってる感じはします。

 {netabare}恨んでも 恨んでも 躯うらはら 山が萌える じゃなくて燃える …実際業火の中へと{/netabare}

無限列車に乗り込んだ炎柱が見せたのは“ノーブレスオブリージュ”人と鬼との価値観の違いでした。
花街に乗り込んだ音柱が見せたのはそれよか身近なものへの責任でしょうか。兄妹愛の傍らで地味に咲く夫婦愛みたいなもの。

実力者である先達(柱)らは似てるようで各々異なるメッセージを送ってくれてます。
それと並行して、音(痕跡)を消す忍者の特性と音を駆使して闘う音柱とでは一見相反してるようにも見えるのですが、こちらはこちらで環境やらイベントやらでアップデートした結果だったことが示唆されているんですよね。やはり鬼とは違うんだよなぁ。

音の粒を拾って集めて譜面が完成したら無双の力を発揮する音柱よろしく、我々もビジュアルに目が行き過ぎて音の粒(物語の積み上げ部分)を拾い損ねたら譜面完成しないかもわからんと思われ、だったら“漏れ”に気を付けようと意識した『遊郭編』でした。


■ビジネス的にどうだったん?

これは今後わかることでしょうから結果待ち。
予算と時間は潤沢だったように思えるのと、あとは深夜帯常連のプロヲタではない一般人向けの親切設計なのを目の当たりにして、如何に自分が深夜アニメのお作法に染まっているか自覚しました。誇っていいのか凹んだらいいのか微妙…



映画『無限列車』のレビューでがっつり書いたのでここでは割愛しますが、我々って多かれ少なかれ鬼だったり人だったりあるいは行ったり来たりする存在なんだと思ってます。

 ・俺は俺の責務を全うしているのか?
 ・迷わずに利他的な行動を選択できるだろうか?
   {netabare}命の優先順位:「まずはお前ら三人、次に堅気の人間たち、そして俺だ」{/netabare}

とてもじゃないが俗物な私にはできてる気がしません。なので本作を見てショボい自分を省みるようにしております。明日から頑張ろう!



※閑話休題

■遊郭が舞台

吉原大門っぽいの出てたしまあ日本一有名な花街がモデル。
ちっちゃい子にも大人気なコンテンツで遊郭ってどうなん?と思わなくもないけど別にいいんじゃね?ってところでしょうか。
行為のみ海外の娼窟と日本のとは趣きがだいぶ違うので外人さんイメージ湧くのかしら?


■ある種のリアル

派手派手言うわりには相反して地味で堅実さが見受けられる第2期でした。細かい部分で一例挙げると↓
{netabare}バトル。妓夫太郎初登場のシーン。堕姫の中から登場するかしないかで天元は斬りつけております。
普通なら登場して口上述べてからバトル開始となるわけですがそうしない。瞬時で相手の力の計算してるのが一点。次に体制整える前に方を付ける行動に動いてる点。超合理的な思考を基に行動する“忍”のパブリックイメージと相反しません。{/netabare}

ポジに捉えりゃエンタメ性の優れた作品。ネガに捉えりゃ子供だましの作品。と視聴者の分母が大きくなれば両意見出るのが世の常でしょうが足元けっこうまともです。



■プロヲタと一般人の境界線

“ビジネス的にどうだったん?”とリンクしますが深夜アニメ常習者と一般視聴層を繋ぐ配慮が所々になされてたと思います。
まず目立つのが物販。『デフォルメシールウェハース』『PS4ソフト』『全集中パッド(漢検)』『フィギュア』『AUとのコラボ(鬼滅アプリ)』『楽曲』『折れた日輪刀(ボイス付き)8,800円』。お馴染みのから普段は日曜朝でしかご縁のなさそうなものがあれやこれやと洪水でした。異例ですよね。
その他一般層への配慮と思しきものは以下↓
{netabare}・手前でのTV版『無限列車編』放送。劇場版を分離しない仕掛け。
・初回1時間枠。半分はおさらいと掴み。
・最終話の放送開始前冒頭で「最後に発表がある」と告知。Cパートへの呼び水。
TV版の放送で連続したナンバリングが可能となりましたし、おさらいを強要するでもなくこちらが用意しましたし、往々にしてCパートなんて単語知らないでしょう。{/netabare}

きちんと配慮しながらヲタ世界への誘導が図られてましたね。職業声優さんばかりのキャスティングや力のある制作会社の本気というのもさることながら↓
{netabare}・第1話1時間。最終話CM無し32分ロングバージョン。
・第1話でなく第2話でAimerさん登場
・冒頭OP無しからの最終話。もちろん締めエンドロール。

お馴染みの演出構成とはいえお見事でした。
とりわけCM無しの決断は異例といってよく、制作側とフジテレビ側には相当交渉があったんだと推察されますが、最後はコンテンツをしっかり伝えたい制作側の意志が通ったんでしょう。クール無視の放送スケジュールもそうですね。{/netabare}


制約やルールあってのコンテンツにおいてとりわけクローズアップされるのは品質と納期のバランスです。このへんは某ドラクエや某ジブリが脳裏に浮かびますが、リリースしたらある意味手の離れるものと違って地上波でやりきったところにTVマンの意地みたいなのすら感じました。
ネット全盛もけっこうですが、独占状態になってきたら地上波以上に制限加えたりするのが始まっているのよね。SNSや動画コンテンツがそのへん先鞭をつけてますが映像配信だって潮流からは逃れられないでしょう。チャネル多いに越したことないので地上波も頑張ってね。
今回みたいなチャレンジは歓迎です。



視聴時期:2021年12月~2022年2月 リアタイ

-----

2022.04.10 初稿

投稿 : 2024/11/02
♥ : 46
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

構造は子供向けですね。思想的にもアニメ史的にも革新はなかったと思います。

 本作についての印象はやっぱり子供向け、なんですよね。確かに敵役も完全な悪ではなく過去の因縁がありました。鬼とは人の負の感情の象徴のような描かれ方をしているので、キャラの造形そのものはそう単純ではありません。

 ですが、やっぱりストーリーの構造そのものは勧善懲悪から脱しきれていないと思います。いくら敵になんらかの事情を見たとしても、鬼たちが価値観を逆転するような話はなく、人間性を取り戻して死んでゆくだけです。

 つまり、このエピソードそのものに感情論として感動することはあっても、ストーリーに深さがありません。その点において子供向け感が非常に強かったです。

 知識を持っている人が、あるいはこの作品に意味性を見出すかもしれません。エピソードとキャラが上手くできているので逆にありもしない深さを見出す可能性はあります。あるいは牽強付会的に解説することは出来ると思います。それは知識を持っているがゆえに個人的に作品に自分の思想をフィードバックするだけのような気がします。

 本作で深さと錯覚する人情噺は、炭次郎、襧豆子というキャラを正義…というより「いい子」の側に置いておくための理屈だと思います。この2人が鬼という「人」を殺すことを正当化するためには「鬼」として死ぬのではなく、人間性を取り戻す=殺すことは救いだ…という形にするため、と言えばいいのかもしれません。

 この炭次郎、襧豆子を正当化する構造が、子供向けに感じてしまいました。むろん、子供向けでも面白い場合もあります。が、やっぱり鬼滅が面白かったのは、兄妹が絶望の中でもがき苦しんで死に物狂いで解決に向かっていく部分ですね。もうちょっと「正義」のチューニングが相対化できればよかったんですけどね。

 ですので、いくら興行収入が良くても、発行部数、視聴率が驚異的でも思想性を生み出すことはなかったし、アニメ史の中で何か歴史的な転換も無かったと思います。
 その点で鉄腕アトム、ヤマト、ガンダム、エヴァ、ハルヒ、まどマギ、宮崎アニメ、新海アニメ等々と並べた時に比較にならないなあ、と感じる所以です。
 これは数字ではなく、歴史が証明してくれると思います。数年たって省みられる何かを生み出したとは思えません。

 遊郭編そのものは、技術的には感心したし、まあまあ面白いかなあと思いましたが、それだけですね。再視聴はしないと思います。



以下、途中のレビューです。

 驚異的な作画と動きが素晴らしい。こういうのがアニメだよなあ…

{netabare} あんまり本作をレビューする気が無かったんですけど7話の前半の襧豆子VS堕鬼戦を見てやっぱり書きたくなりました。アニメーションとして見た場合、やっぱりすごいですね。特に戦闘が始まった4話以降には素直に感心します。

 ストーリーの好みや深み等々の内容についてはさておいて、やっぱり作画というか「動き」がTVアニメとしては頭1つどころか3つくらい突き抜けています。1期よりも進化しています。
 もちろん無職転生の戦闘シーンや進撃の巨人、京アニなど高いレベルの作品はいっぱいありますけど、戦闘シーンの見ごたえという点では鬼滅ですね。

 襧豆子の肉体表現や遊郭という単語などに批判があったみたいですけど…まあ、感性は人それぞれなのでなんとも言えませんけどポリコレかあ…少数意見がネットで騒いでいるから増幅して見えているだけじゃないんでしょうか?話題作なので多少いろんな意見はあるでしょうけど…フェミの方というより海外勢ですかね?

 いや、襧豆子VS堕鬼戦は見ごたえありましたよ?これも駄目なの?超人気コンテンツを深夜に放送する意味って、残虐表現があるからだと思いますが、多少の肉体の表現とかそういう配慮の中に含まれる気がするのですが…それにテーマも「鬼」だし…制作者サイドはあまり萎縮しないようにお願いしたいところです。

 それにエフェクトを止め絵で見て批判している人もいましたけど、いやエフェクトを止め絵で見てもしょうがないから…としか言いようがありません。ビッグコンテンツとはいえ無限の予算があるわけでもないし、フルアニメで作れるわけもなく…その人間の視覚の認識の仕方を踏まえた工夫が面白いともいえと思います。

 視聴率についても期待より低いという批判があるみたいですね。ですが視聴率が7~8%くらいあるそうですね。プリキュアですら初代、マックスハートで7~8%だったそうです。サザエさんは10%を超えているらしいので別格ですが、名探偵コナン、ワンピースですら4%台だそうですね。
(追記 コナンは日曜じゃなかったですね。ただ、7%行く週もあるみたいです。ちびまる子ちゃんも7%はあるそうです。なお、歴代最高はちびまる子ちゃんの39.9%…だそうです)

 サザエさんを配信サイトで見たり、録画して見る人もいないでしょうし、円盤が売れている(そもそもあるの?)とも思えません。私のように配信サイトで見ている人や録画で見ている人を合わせるとどんな感じなんでしょうか。

 TVアニメとしてはこの5年でもっとも見られていると言ってもいいのではないでしょうか(それ以前はまだコナンとかクレヨンしんちゃんなんかが10%以上出していたこともあったみたいです)。

 で、本作を見て思うのは原作人気もそうですが、やっぱり十分な時間と金をかけて作ったアニメは違うなあ、という単純な話です。成功が約束されているからこその金のかけ方だとは思いますが、それをいえば鬼滅の1クール目や無職転生は成功の約束も無く工夫でレベルの高い作品に仕上げてましたからね。

 リスクがあるので投資する側が求めるものがあるでしょうから、今の制作体勢を批判しても事情があるでしょうから強くは言いませんが、本作のようなレベルの作品がもうちょっとあるとアニメファンとしてはうれしいかなあ…

 鬼滅については、好みの問題があって、私にとってすべてが満点というわけではないし、無限列車以降、つまらない、気に入らない、浅いと思える部分もあるものの、やっぱり作画というかアニメーションの出来でいえば出色です。その点では非常に楽しませてもらっています。こういうのがアニメだよなあ…{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27

78.1 10 コミカルでシリアスなアニメランキング10位
ドロヘドロ(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (359)
1581人が棚に入れました
おいでませ、混沌。魔法によって顔をトカゲにされてしまった記憶喪失の男、カイマン。本当の顔と記憶を取り戻すため、相棒のニカイドウと一緒に自分に魔法をかけた魔法使いを探し続ける。いったい自分は何者なのか……。

声優・キャラクター
高木渉、近藤玲奈、堀内賢雄、細谷佳正、小林ゆう、高梨謙吾、富田美憂、江川央生、市来光弘、鵜殿麻由、ソンド、稲田徹、三木眞一郎、郷田ほづみ、勝杏里

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「アニメ化不可能」を可能にした3DCGと作画の融合にMAPPAの本気を見た

☆物語&感想☆

2020年冬アニメの中でもひときわ異彩を放った本作品。
「おいでませ混沌」という謳い文句通りのクレイジーな作風は、
昨今似たような作品が多いなか、強烈な個性を感じさせる。
ショッキングなシーンが多いので好みは別れるかもしれないが、
何よりNetflixなど配信を通じて、海外ウケしそうに思える。

「混沌」とは言うものの、
それは世界観や設定に関して言えることであって、
物語の内容や方向性は非常にシンプルかつ分かりやすく、
シリアスさよりもコメディ色の方が出ており、
ある意味ポップかつキャッチーさが売りになっているのではないかと思う。
あまり物語の事を突っ込んで書くような作品ではないと思うので、
取り敢えず、観て感じろ笑、と言いたい作品。
1話観てダメなら続けて観るようなもんでもないかなと。

物語はまだ混沌のなか...正直ここまでの内容だけで点数を点けるのは難しい。
とりあえず暫定的に。

☆声優☆

若手と人気声優、ベテランをバランスよく配しており、
カイマン役の高木渉さんなどはさすがのハマり具合。
(原作者のリクエストによるものらしい)

個人的に面白かったのがノイを演じた小林ゆう。
存在自体が混沌としている彼女を選んだのは、
製作陣が本当によく理解しているな~と思う笑

☆キャラ☆

とにかくどのキャラもインパクトがあり濃かった。
特に昨今の作品ではバトル、
アクション系であっても線の細い美少女が描かれることが大半のなか、
作品内に出てくるような、
ニカイドウやノイのような筋骨隆々とした女性は非常に稀でユニーク。
なんでもありな中でも魔法使い3人の過去~現在へ至る経緯はしっかり描かれていたのも良かった。

☆作画☆

本作品の作画は特に高く評価されるべきだと思っている。
昨今3DCGを用いた作品の比率が多くなってきてはいるが、
視聴者が見慣れてきてはいるものの、
今だに観ればそれと分かるものが占めている。
しかしながら、本作品の3DCGは、
どこまでがそうなのかが判らないくらいに従来の作画との違和感がない。
いや、本当に最初観た時はED観るまで、
これが3DCGであることに殆ど気付かなかったほどに。。

これまでのTVアニメは、ほぼ全てを3DCGで作っているものと、
作画をシーンによって切り替えているものが大半だったが、
本作はシーンによる切り替えに加えて、
3DCGに作画で細かく手を入れることによって、
その境界線を限りなく消すことに成功したように思える。
(厳密には作画だけではなく3DCGを作画に寄せる為の取り組みも大きい)
3DCGを作画に見せるような取り組みは、各社やっているとは思うけど、
このレベルで仕上げてきたのは恐らくTVアニメでは初だと思うし、
恐らく業界をざわつかせたことでしょう。
何はともあれ、このような新たな試みが上手く行ったのは、
3DCG専門の制作会社だからではなく、
作画ベースで作ってきたMAPPAだからこそ出来たんじゃないかと。

そして、独特の世界観を見事に描き切った背景も非常に手が込んでいて凄みがある。
ここまでのレベルの背景はなかなか並みのTVアニメではないでしょう。
セル画時代の大友作品を思わせるような質感(キャラも同様に)が、
デジタル化が進んだ現代、ここまで表現できている事は驚きしかない。

☆音楽☆

生半可なOPではこの作品にはインパクトが足りないと思われるが、
アニメ専門のクリエーターである(K)NoW_NAMEは最高のものを持ってきた。
混沌でよく意味が解らない歌詞でありつつ、ポップでキャッチーさを持っており、
ノイジーでローファイな音使いまで、見事に作品の世界観を表している。
またそれに合わせたOPアニメーションの出来も同様に素晴らしい。
作中の音楽もHOLEの退廃的な世界観に相性のいいものと、
全く合いそうにないアコーディオンの音色などを用いてポップさを出しているのが印象的。
作品を本当によく理解して作っているというのがよく解る音楽だった。


このような尖った原作の世界観を壊さずアニメ化に果敢に挑んだ、
MAPPAという制作会社は近年勢いに乗っている感があって個人的には特に注目している。
オリジナルも作っているし、原作のあるものは他社が取り上げないような、
挑戦的で攻めた内容のものを敢えて選んでいるのが好印象だが、
(バナナ・フィッシュ、どろろ、いぬやしきなど)
その中でも本作はその最たるものかも知れない。
アニメ化、映像化不可能と言われた原作を、ここまでの作品に仕上げたのは本当に見事。
引き続き続編の制作を期待したい。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

おいでませ、混沌。

この作品の原作は未読です。
実は、最初は視聴するのを躊躇っていたんです。
画面から受ける印象がゴチャゴチャしていたのと、主人公がトカゲ男という点も私の引っ掛かった点でした。
ですが、ヒロイン?であるニカイドウを演じる近藤玲奈さんの声質が気持ち良く2~3話視聴してみると案外面白い作品であることに気付き、完走して今に至っています。


魔法によって顔をトカゲにされてしまった記憶喪失の男、カイマン。
本当の顔と記憶を取り戻すため、相棒のニカイドウと一緒に自分に魔法をかけた魔法使いを探し続ける。
いったい自分は何者なのか……。

2000年の連載開始から18年にわたって愛され続けた林田球の「ドロヘドロ」(全23巻)。
唯一無二の世界観によって国内外で熱狂的なファンを獲得し人気を誇っている。
そのあまりにショッキングでカオスな内容が故、映像化不可能と思われていた衝撃作が
「どろろ」「ゾンビランドサガ」などハイクオリティで挑戦的な作品を数多く手掛けてきた
MAPPAによって、ついに奇跡のTVアニメ化!

ドアの向こうからやってくる 魔法使いの『練習』
陽気な笑顔と鋭いナイフ ビールを飲んでスカッとしよっと
黒いケムリと美味しいキノコ ホールか…胸クソワリィ場所だ
これだとケツが丸見えになるし 大葉ギョーザ時々ゾンビ
死にたくなければよく聞いてください 三遊間に底なし沼
なんでフォークを投げんだよ?ナイフだろ、フツー
口の中にもう一人男がいるぞ お前は違う こうなったらヤケ酒だ

これらの要素が作り出すもの。
それはまだ…混沌の中。それが…ドロヘドロ!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

18年間も連載を続けた作品とは知りませんでした。
物語は完結しているのに、何故途中までしかアニメを制作しないんでしょうか?
物語としては面白くなってきたところだと思います。

ニカイドウのことが色々分かって府にも落ちて、カイマンの目的に対する手掛かりが掴めそうなんですから…
しかも、この作品の音楽プロデュースは、「灰と幻想のグリムガル」や「 Fairy gone」の音楽を担当した(K)NoW_NAMEさんなんです。
(K)NoW_NAMEさんといえば、1つの作品で沢山の楽曲を提供されるのが特徴ですよね。
本作品でもオープニングとエンディング合わせて7曲も提供されているんです。
作り手の気合が感じられるのをとても嬉しく思います。

しかし、繰り返しになりますが、近藤玲奈さんの声質…耳障りが心地良いんですよね。
前田玲奈さんの声質に似ている気がするのは私だけでしょうか。
ニカイドウを見ていると、「それでも世界は美しい」のニケ姫が頭をよぎるんですよね。
どちらも女性っぽくない口調だからそう感じたのでしょうか…?
でも口調だけなら照井春佳さんが演じた「未確認で進行形」の夜ノ森 小紅も負けてないと思いますけれど…
すみません、レビューが発散してしまいました^^;

声優さん繋がりだと完全にノーマークだったのが、恵比寿というキャラを演じていたのがとみたんだったということです。
気付いたのは完走後にレビューを書くため公式HPを視聴したとき…
破天荒なキャラだなぁという印象が強く、演じるのが難しいキャラだと思いましたが、冬アニメでのとみたんは新境地を切り開こうという気概を感じた気がします。
この恵比寿も十分に難しいキャラですが、異種族レビュアーズのクリム…これまで演じてきたキャラとは真逆じゃありませんか。
まぁ、視聴する側は嬉しい限りなんですけれどね^^;

登場するキャラが何故マスクを多用するのか…実はこの意味も良く分からなかったのですが、少なくてもアニメ化に際する効果はあったと思います。
人間の多彩な表情を全てアニメで表現するのは骨が折れますが、マスクを被っていたらこの部分はスルーできるでしょうから。
でも、それを差し引いても派手なアクションシーンが盛り沢山で、キャラもヌルヌル動いているから手抜きには見えませんでしたけれど…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「Welcome トゥ 混沌」
エンディングテーマは、「Who am I ?」「Night SURFING」「D.D.D.D」「Strange Meat Pie」「SECONDs FLY」「404」
全て(K)NoW_NAMEさんの楽曲です。

1クール全12話の物語でした。
何だかんだ言いながら面白かったので「俺たちの冒険はここからだ!」というところで終わると少し寂しさを感じます。
続編が制作されるなら是非視聴したいと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

これ言葉にするのしんどくないすか?

原作未読


はじめに

どうも言葉に落とす作業が難儀な作品です。
とりあえず“独特な世界観”ということでお茶を濁してそれ以上言うのが難しい。


原作はほぼ20年かけて完結したとのこと。そんな事情は一切知らずタイトル買いした作品。なんか画面から流れてくる溢れんばかりの“底辺”感が素敵です。
そして観てみた第1話。背景美術が美しいですね。制作は“MAPPA”仕事はしっかりしてくれそう。息をのむという美しさとは違う、底辺を這いずる質感、吹き溜まり特有の湿気を感じることができる美術といったらいいかしら。かつてドブネズミみたいに美しくなりたいといったあのセンス。
基本的に気持ち悪いので、初回で合いそうか否かわかる親切設計だとは言えると思います。

魔法によって頭を爬虫類に変えられた記憶喪失の男が、自分の本当の顔と記憶を取り戻す姿を描いたダーク・ファンタジー作品。
wikiの記述そのまま引っ張ってきましたがこれだけじゃわかりません。端的に“ヴァイオレンス”です。

私がヴァイオレンスに期待するものはズバリ殺す側の所作。
感情の上下がないのが理想。美学の有る無しは問わず鼻をかむくらいの軽さで殺すのが良い。一方で殺す時にドヤ顔決めたり、ビビりながら引き金を引くのは好みではありません。
理想は実写映画の『ナチュラル・ボーン・キラーズ』『パルプ・フィクション』あたりだろうか。この作品『ドロヘドロ』からはそんな名作の波動を感じました。個人的にはこれで充分満足です。
なお、殺す/傷つけるが基本の作風ですがそればかりではありません。キャラ達が自分の意思で動く。たくましく生きる姿は頼もしくもありコミカルで愛らしかったりします。生き生きしてるんですね。


どこか気だるくて陰鬱な空気に覆われてはいるんですけど、生き生きしたキャラクターたちが織り成すカラフルモザイクな世界は居心地の良いものでした。見てお楽しみなEDの仕掛けや背景美術のクオリティの高さがさらに作品を底上げしてます。良作でしょう。


※ネタバレ所感

■飯テロリング

二階堂と恵比寿って共通項は“麦”ってことですかね。ニカイドウ経営中華屋の看板メニューが餃子ということでビールにとても合いそう。
そこにこだわります?って程料理作画に気合入れとりますので深夜空腹に耐えるのがたいへんでした。

{netabare}そもそもOPアニメーションがひたすらニカイドウの餃子仕込み映像という謎っぷり{/netabare}

{netabare}そしてカイマンへ強くコミットしている女性は“友人としての”ニカイドウと“たぶん敵としての”エビスってことなんですかね。餃子とビールコンビに勝てる男性はおそらくいません。{/netabare}

いちおう飯テロネタということでこだわりの謎作画は他にも。

{netabare}焼肉。肉のサシの入り具合や弾力を感じる動画。これも素晴らしい。鳥や豚ならともかく牛は飼育に手間がかかるイメージ。あんな殺伐とした世界でまともな畜産業出来るんかいなというのがよぎり、何の肉なのか気になってしまった。牛ではないのかもしれない。でも美味そう。{/netabare}


■自由人

自由すぎる登場人物は物語の良きアクセントになります。例えば『キルラキル』満艦飾マコ。『ゾンビランドサガ』山田たえみたいな。自由すぎる振る舞いに笑いつつ、時おりハートウォーミングな行動を見せて不意打ちでうっかりこっちが感動しちゃうことがあるような存在です。

{netabare}その点で本作の恵比寿はとてつもない耀きを放ってました。{/netabare}

トップ of 自由人な一名が突出してますが、{netabare}カスカベ博士{/netabare}あたりもたいがいです。そして各々のコミュニティにも馴染んでいて二人とも浮いた存在にはなっておりません。強烈なキャラクターを受け止める側も個性が強烈だから違和感なく見えるのです。


これはちょっと後に引く感じでクセになります。ただこの面白さ文字にすると陳腐に映りますね。
やはりどうも言葉に落とす作業が難儀な作品です。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

-----


2020.04.11 初稿
2020.05.04 タイトル修正
2020.10.15 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 57

60.5 11 コミカルでシリアスなアニメランキング11位
ファイブレイン 神のパズル(TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (252)
1305人が棚に入れました
「オレに解けないパズルはねぇ!」 私立√(ルート)学園高等部1年生・大門カイトは、パズルが大好きな少年。ある日、生徒会長にもらった携帯端末に誘われ、幼なじみの少女・ノノハと一緒に、学園近くの地下遺跡にひそむ「解けないパズル」に挑む。それは、謎の知能集団「POG」が作り出した、命の危険を招く「賢者のパズル」だった。パズルを愛するカイトは憤り、その頭脳を駆使してパズルを見事に攻略。だが、そこである「もの」を手に入れたことから【ソルヴァー(解答者)】に指名されたカイトは、ノノハや個性豊かな仲間ソルヴァーたちと共に、世界各地の「賢者のパズル」を舞台にした、
POGとのパズル・バトルに巻き込まれていく…。

声優・キャラクター
浅沼晋太郎、清水香里、福山潤、宮田幸季、ゆきのさつき、石田彰、櫻井孝宏、宮野真守、佐藤利奈、後藤麻衣、矢部雅史、岸尾だいすけ、三宅健太、斎藤千和、谷山紀章、子安武人、森川智之、藤原啓治、竹達彩奈
ネタバレ

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

アナが思うに~この作品の魅力を見つけて欲しいんだなぁ~=*^-^*=

■ファイ・ブレインってどんなアニメなの∑( ̄Д ̄;)なぬぅっ!!
アニメ放送に先駆けて「週間少年マガジン」でアニメとは全く違うオリジナルストーリーで連載をしているのと、放送時間が日曜17:30と言うのを考えると狙いとしている対象年齢がわかりますよね!
アニメの方は漫画よりもスケールを大きく描いた印象を受けました♪
ストーリーは『パズル』を題材に使って、皆で力を合わせて悪を討つって感じになるのでしょうね!
パチッ☆-(^ー'*)bナルホド、ココらへんはサンライズらしさかなぁw
そういえば、NHKとサンライズのコンビは「プラネテス」以来7年ぶりらしいのですけど、プラネテスとファイ・ブレインでは狙いの年齢層が違うのでちょっと比較は出来ないですね!
 
『賢者のパズル』っていう挑戦者の命を奪うような大掛かりな仕掛けのパズルに、神のパズルを解くことが出来る『ファイ・ブレイン』の候補者達が命を賭けて挑んでいくのです♪
謎の頭脳集団「POG」と主人公カイト達に課せられた運命とは…(-""-;)
命を賭けたパズルバトルの行く末はいかに…(-ω☆)キラリ

 
■ファイ・ブレインと出逢った日の日記((φ(-ω-)カキカキ
佐藤順一監督ということで期待をしているのですけど、今までと違う土俵でどこまでサトジュンらしさをこの作品の中で見せることが出来るのか注目ですね♪
それと、作画は綺麗で好感が持てますけど、キャラデザは観る人によっては馴染まないかもしれませんね♪
やっぱり少年漫画っぽさはあるのですけど、からくり仕掛けの大掛かりのパズルの設定にしたのは、キャラに動きを与えてる効果と命懸けの緊迫感や緊張感を観ている人に伝えやすい点では良かったんじゃないかなぁって思います(*^-^)
 
それと番組最後のコーナー「もっとx2神のパズル」はとっても良いと思います♪
おそらく各話で登場するパズルをより掘り下げて説明してくれますし、パズルにチャレンジできるように問題を用意してあったりと、結構視聴者と共に楽しんでいこうという気持ちが伝わってきますね♪
デジタル放送の「d」ボタンはどうかと思いましたけど、今までに無い試みにチャレンジする姿勢は好感が持てました(o^∇^o)ノ
 
1話観ただけではなんとも言えないのですけど、キャラの心情描写に定評のあるサトジュンと安定してまとまったアニメ制作に定評のあるサンライズの力を信じて長い目で見守っていこうと思っています♪


■総評
この作品あまり注目されてないのがちょっぴり残念って思ってたりして(_ _。)・・・シュン
「パズル」を題材に構成されたストーリーなのですけど、必ずしもパズル好きの人向けってわけでは無いように思えます(・0・。)
どちらかというと「パズルを通して仲間との絆を深めていく」って過程を楽しむ作品じゃないかなぁって♪
キャラはそれぞれ個性的でわかり易い設定で、ストーリーも目的が明確で一本筋が通っている感じなので、どんな年齢層でも楽しめるんじゃないかなぁって思ってます!
安定感ある無難なとこがなんとなくサンライズって感じかなぁw d(>_< )
ちなみに学園・パズルっていうキーワードから、恋愛・萌え・高度なパズル(謎解き)を期待している人は少々肩透かしを食らうかもです (^ー^* )フフ♪
アナが男の子っていう設定からも恋愛要素はあえて抑えていたのかもしれませんね♪~(´ε`*)

σ( ̄∇ ̄*)アタシが「ファイ・ブレイン神のパズル」を観てて「あっいいなぁー」って思ったのが、『パズルの作り手の想い』を表現していた点でした♪
彫刻家・写真家・料理人…等々、その作り手のちょっとした気配りが感じられたり、特別な想いが込められた作品って素敵だなって思います。
掛け合いや言動から作り手の想いを表現しているところは、やっぱり佐藤順一監督らしいなぁって感じたりもしました (*^▽^*)
最初はパズルだけで2クールって大丈夫かなぁって思ってたんですけど、『パズル』の作り手(ギヴァー)と、解き手(ソルヴァー)の両方の視点からストーリーが展開されているので、飽きることなく最後までしっかり楽しめるんですよね (*^0゚)v

ただ、無理矢理すぎる展開や説明不足かなぁって思えるシーンがちょこちょこあったのが残念だったかも・・・
特に一時的にカイトから仲間が離れていってしまう場面とかはもうちょっと納得いくように表現してほしかったなぁ・・(〃 ̄ω ̄〃ゞ

そういえば「もっとx2神のパズル」にパズルをこよなく愛する人達が登場していましたけど、みんなおんなじオーラを感じました…
コーナー自体は作中で登場したパズルのおさらいとか、歴史みたいなものが学べて面白かったですけど…なんかみんな目が怖いよぉ…(^▽^;)
それと個人的にかなり引いたのが…カイトのライバルであり、親友ルークのこの一言!!
{netabare}「(pT▽T)p僕のカイトおおおおおおお!!」{/netabare}
かなりゾッーーーーーっとしました!BL嫌いですし…(^=^;

1クール無難に楽しめたので2期も引き続き楽しく視聴したいと思います♪


■MUSIC♫
OP曲『Brain Diver』
 【歌】May'n
 アップビートのロックチューンナンバー
 サビの歌詞に謎解きがあるみたいですけど…
 「Misskey-Misskey La-Tu-Ma」「Mirror-Mirror Ha-Su-Ma」
 いまいち解釈にこまってます…(^▽^;)

ED曲『ホログラム』
 【作詞・歌】清浦夏実
 ギター・ピアノ・ベース・ラッパとAメロからサビにかけて折り重なるように曲を構成されていくので、
 楽曲にとっても奥行きと広がりが感じられるとっても爽やかなお気に入りの曲です b( ̄▽ ̄*) Good!!
 清浦さんのやさしい歌声が重なって最高に聴き心地の良い曲ですね♪
 

2011.10.06・第一の手記
2012.07.26・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC♫)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 42
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

パズルの向こうに何を見るのか

2011年10月~2012年3月にNHKで放送されたオリジナルアニメ。全25話。
バンダイチャンネルで無料配信しているのを知り興味本位で見始めたら、内容も面白くテンポも良くて、一気に最後まで見てしまいました。

物語や設定に尖った所がありますが、シリアス・コミカル・ハートフル要素のバランスがとても良いですね。ハッピーエンドで楽しく見終わることが出来ました。
パズルを題材にした冒険ものと思った方が楽しめそう。

キャラクターも良かったです。良い意味で多面性を持たされていて時には意外な行動もするのですが、きちんと紐解いていけばその行動原理が理解できる良い塩梅でした。
特にカイトとノノハは物語の中心にいるだけあって、素直なキャラクターで感情移入しやすかったです。

声優さんも安定したキャリアのある人が多くて良い。メイン全員生き生きしていて好きですね。
軸川先輩の石田彰さん、謎も多いけど優しいタイプのキャラクターで印象に残りました。

くっきりしたちょっと古風なキャラクターデザイン、個人的には結構好きです。独特でちょっと描きにくそうではあるのですが、描く人の個性が出ていて私は楽しかった。キャラクターの動きを見ていると上手な人が多かった印象ですね。
演出も物語が進むにつれ良くなって行って、見応えを増していきました。
OPEDどちらも良かったです。尖ったBGMも聴いていて楽しい。


【パズルの向こうにあるものとジョーカーの存在】
{netabare}本作は、主人公のパズルで人を傷つけることは許さないというポリシーを一貫したことがとても良かったです。
客観的に見ればパズルに大きな意味を持たせるのは難しいけれど、それもパズラーの矜持やPOGという組織の在り方でクリアしていたと思います。

両親との思い出とその死、親友や恩人との絆。そういう喜怒哀楽とパズルは、カイトの心の中で密接に紐づけられている。心だけではなく人の命にも。
そのことがカイトにとっては重荷であり、大きな支えでもありました。

カイトの繊細さを垣間見られる第4話や第8話好きですね。死者が大切な人に残したものが、パズルを解いた向こう側だけでなく、ギヴァーが作り上げたパズルそのものにも映し出されていました。
それは本作のパズルの描き方にも繋がり、カイトのスタンスを明確にもしている。

本作ではソルヴァーとギヴァー(解き手と作り手)という二つの視点を持ち込み、パズルを言葉の無い会話のように描いています。
パズルに込められたメッセージをそのまま受け取り、相手との絆を確かめることもあれば、ギヴァーが用意した一つの回答しか持たないパズルに対してソルヴァーは他の可能性を提示し、導き出した答えによって意思表示することもある。
それが様々に描かれた人間関係であり、作中の「人生はパズルだ」という言葉にも繋がるのだと思います。


ギャモンはパズルに対するプライドを捨てられなかったからこそ、命を懸けてカイトに敵対することを選びました。カイトはその心と命をパズルの向こう側に見ることになる。
神のパズルやオルペウスの腕輪に惑わされず、ギヴァーの執念と心意気を真っ向から受け止めること。それがカイトが迷いを吹っ切り、自分本来の姿を取り戻すのに必要なことだったと思います。

そしてカイトを最も支えたのが、ソルヴァーでもギヴァーでもないノノハです。
彼女はカイトのパズルに対する想いを決して否定せず、しかしパズルに深くは関わらない。そのことがカイトをかろうじて日常に繋ぎとめました。
ノノハはパズルバトルの見届け人であり、時に道化であり、POGが仕組んだゲームに思いもよらない事態を招くジョーカーでもあった。
そのジョーカーぶりは、カイトにルークの命と心を救うというどんでん返しのきっかけをも作っていくのです。

個人的には、大人達がパズルに拘り過ぎたことが様々な不幸を呼んだのだと思いました。けれどもそんな中で、カイトの傍にノノハがいたことが一つの幸運であったと感じます。{/netabare}


【気になった点】
{netabare}まず、予想と違っていたところ。
作中でパズルを視聴者が一緒に解く作品ではないのが意外でした。
アニメの放送と連動してデータ放送か何かやっていたようだし、本編外にパズルコーナーがあったということで納得しました。こういうの、配信サイトではカットされてしまっているのが勿体ないですね。私はバンダイチャンネルで見たので。

個人的にすっきりしなかったのが、大人達の”やらかし”が子ども達に苦難を強いていること。
過去に大人が解決できなかった問題を子ども達に背負わせたことが、子どもが主役であるはずのこの作品に影を落としてしまった気がします。そもそも、第2話で学園長がカイトを金銭や人命で脅して賢者のパズルに挑ませるのはどうなのかなあ?それ以外にも色々あるんですけど…。
1期で負の遺産を清算したのだから、2期からは子ども達の物語になればいいなと思います。{/netabare}

2期と3期も可能なら見て行きたいですね。
ちょっと尖った少年向け作品が好きな人にオススメです。(2020.3.29)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

robelt さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

思っていたより・・・ 

主人公は√学園に通う天才パズル高校生。

ひょんなことから自分のパズルを解く能力を限界まで引き上げるオルペウスの腕輪を手に入れたところから話は始まります。

見どころとしては、パズルを題材としているだけあって、毎話毎話パズル対決があります。
本当に多種多様なうえに、番組の後のパズル紹介コーナーも珍しいパズルやパズル界の巨匠(?)を見ることができよかったです。
ちなみにアニメではパズル対決中にデータ放送を使うとより詳しくパズルを見ることができます。
自分で考えてもわかるものが多かったので、一緒に考えて見るのもなかなか楽しかったです。
ただ、後半のパズル対決はストーリーの関係上なかなか参加型とは言いにくかったり、こんなんルール―違反でしょみたいなところもあり、一緒に楽しむ雰囲気ではありませんでした。
個人的にはストーリー優先のため仕方ないなという見方が強かったので気にはなりませんでしたが。

ストーリーと言えばこのアニメなかなかに熱いです。
パズルのこととなるといかにも少年たちが好きそうな正義感をたぎらせる主人公は個人的にはなかなか好きでしたw
しかしこの熱さはへたをするとひいてしまう要素の一つになるのではと思います。
僕も正直始めは一歩引いていた気がします。
僕は途中で慣れましたが、嫌いな人はおそらく最後まであまり好きにはなれない気がします。

2クールとかなりボリュームがありましたが、それなりに話の本筋はしっかりしていてわかりやすかったです。
少年たちに好かれそうな話だと思います。

ちなみにすぐにはじまる2期も僕は見ますよww

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

72.5 12 コミカルでシリアスなアニメランキング12位
さらざんまい(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (315)
1236人が棚に入れました
舞台は浅草。中学2年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人はある日、謎のカッパ型生命体“ケッピ"に出会い、無理やり尻子玉を奪われカッパに変身させられてしまう。『元の姿に戻りたければ“ある方法"でつながり、ゾンビの尻子玉を持ってこい』ケッピにそう告げられる3人。少年たちはつながりあい、ゾンビの尻子玉を奪うことができるのか?!同じ頃、新星玲央と阿久津真武が勤務する交番でも何かが起ころうとしていたー。

声優・キャラクター
村瀬歩、内山昂輝、堀江瞬、諏訪部順一、宮野真守、細谷佳正、釘宮理恵、津田健次郎、伊瀬茉莉也、帝子、加藤諒
ネタバレ

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

社会の不寛容に目を向けながら…

【総合評価:☆☆☆】
 バンクシステムを使い倒した見事な作画、歯切れの良いカッティング、無類の可笑しさを醸し出す下手クソなミュージカルシーン--多くの見所がありながら、それでも、『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』という、テレビアニメ史上の頂点と言える傑作2本を作った幾原邦彦にしては、いささか物足りない。
 幾原の作品に共通して描かれるのは、表面から窺えない人間心理の不気味さと、こうした訳のわからないものを排除しようとする社会の不寛容である。このテーマは、『さらざんまい』でも取り上げられる。ただ、透徹した眼差しで現代日本の暗部を見つめた『ピングドラム』などに比べると、問題の取り上げ方が中途半端である。

【「排除の論理」の怖ろしさ】
 『さらざんまい』のメインプロットは、カズキ、エンタ、クジという3人の少年が、カッパ(らしき生き物)のケッピが与えるミッションを遂行し、クリアすれば報償として、どんな願いでも叶えられる希望の皿を受け取るというもの。これだけ見ると、少年向け冒険アニメの一パターンに思えるかもしれない。しかし、ミッションの内容と少年たちの状況を見比べると、そんなに生やさしい話ではないとわかる。
(以下、『さらざんまい』『少女革命ウテナ』の重大なネタバレがあります)
{netabare} ミッションは、異常な欲望に執着するゾンビ(カパゾンビ)の「尻子玉」を抜いて欲望を昇華させ、この世から消滅させるというもの。尻子玉とは、カッパが水に引き込んだ人間から抜き取って食うと言われる臓器で、抜き取られた人間は力を失い死んでしまう。本アニメの設定では、欲望の根源とされる(これって前立腺のことではないかしら。主要キャラはみんな男性だし、稲垣足穂のA感覚を連想させる)。
 ところが、カパゾンビの執着とは、概して単なる変態性欲であり、それほど悪辣な欲望ではない。例えば、ソバにこだわる男の欲望は、好きな女性が入った風呂の残り湯でソバを茹でて食べたいというもので、異常ではあっても反社会的というほどではない(私はリアルに想像してウゲッとなってしまったが)。にもかかわらず、尻子玉を抜かれたカパゾンビは、恥ずかしい一面を他者に知られたことを嘆きながら消滅する。それほどの罪だったのか?
 もっとも、現代日本でこのような性癖が暴かれた場合、その情報はSNSで拡散されて、「キモイ」と罵られ社会的地位を失うだろう。アニメのカパゾンビは、警官の(制服を着た)レオとマブに目をつけられ殺されたことが示唆されるが、これは、異常者を社会的に抹殺する「排除の論理」を象徴する。レオが拳銃を突きつけるとき、「欲望か愛か」と二者択一を迫るが、「清潔な愛なら容認するが、醜い欲望なので排除する」という強引な自己正当化に聞こえる(レオとマブは、欲望エネルギーの持ち主をゾンビにしてカワウソ帝国に送るエージェントなので、続くミュージカルシーンでは欲望を称揚する)。
 カパゾンビを消滅させた少年たちも、決して身ぎれいな訳ではない。カズキ、エンタ、クジは、それぞれ、「血縁の欠如を乗り越えた家族愛」「サッカーを通じて結ばれる友情」「家庭の窮状を救うための兄弟愛」で他者とつながっているように見えながら、その実、「ネット上でのなりすまし」「同性愛的な衝動」「殺傷事件への関与」という、人には知られたくない隠し事がある。これらは、カパゾンビが社会から排斥された要因と、それほど差があるわけではない。
 このように、断罪する者とされる者が、実は等しく罪人だというのは、幾原アニメでしばしば取り上げられる構図である。例えば、『少女革命ウテナ』。ウテナは、アンシーを薔薇の花嫁として非人間的に扱う生徒会メンバーに決闘を挑み、彼女を自分のものにする。しかし、物語終盤になると、ウテナ自身がアンシーの本心を理解していなかったことが示される。その意味で、ウテナと生徒会メンバーは大差なかったのである。
 ラストでウテナは闘いに敗れ、姿を消す。ウテナが去って平穏に戻った学園では、もはや彼女のことを思い出す人はいない。『さらざんまい』でも、カパゾンビが消滅すると人々の記憶からもスマホの待ち受け画面からも姿が消え、その存在は「なかったこと」にされる。社会にとって好ましくないものは、もともとなかったかのように扱われるのだ。『ウテナ』の場合、アンシーだけはウテナの消失を覚えており、社会に向かって一歩を踏み出すためのきっかけとする。しかし、カパゾンビを覚えている者は、誰もいない。{/netabare}

【社会問題の取り上げ方】
 幾原は、『美少女戦士セーラームーン』『少女革命ウテナ』と社会性の乏しい作品を発表した後、12年の期間をおいた『輪るピングドラム』で、社会問題を直視する姿勢を示した。この姿勢は、次の『ユリ熊嵐』にも受け継がれるが、『さらざんまい』になると、問題意識が形骸化しているように感じられる。
(以下、『輪るピングドラム』の重大なネタバレがあります)
{netabare} 『ピングドラム』では、無差別テロ首謀者の子供というだけで、「きっと何者にもなれない」と社会から排斥される3人の少年少女が描かれた。そこには、決して贖うことのできない「原罪」という重いテーマが垣間見える。彼らに絡む人々は、いずれもテロと深い関わりを持ち、テロによって人生が狂わされていた。
 また、『ユリ熊嵐』は、正当な社会規範の枠に収まらない性愛を取り上げ、規範を逸脱した者に対する制裁を問題視する。
 一方、『さらざんまい』は、これら2作と同じく、社会が異質なものを排除する怖ろしさに目を向けながらも、その描写はあまり徹底されていない。そのことは、排除のきっかけとなるものが何かを考えると、わかりやすい。
 『ユリ熊嵐』で描かれる性愛のシーンは、見ていて息を飲むほど生々しい。しかし、『さらざんまい』になると、カパゾンビの変態性欲は戯画化されて表現され、笑いを誘うだけ。エンタが好きな子の笛を舐めるのは、思春期の男子にありがちなこととして容認できる範囲であり、カズキの女装はむしろ可愛らしい。3人の少年の隠し事で明確に反社会的なのは、ヤクザとつながりを持つクジの行為しかない。しかし、ヤクザの描き方は類型的で平板であり、彼らがどれほど悪行を重ねようと、ヤクザと無縁である大多数の視聴者には心の痛みを感じさせない。『ピングドラム』における憎しみの連鎖や、『ユリ熊嵐』のヒリヒリするようないじめに比べると、他人事なのである。
 「つながりたい」という欲望をテーマにしているにもかかわらず、取り上げる社会問題が小粒すぎ、社会性が充分に描かれていないとも言える。このテーマに関わるものとしては、SNSで無視されたために衝動的な無差別殺人に走ったケースや、社会になじめず引きこもりになってゴミ部屋で孤独死したケース、親からDVを受けながらなお赦しを請うた子供のケースなど、マスコミに注目された現実の事件が少なからずある。しかし、『さらざんまい』では、敢えてこうした事件には目を向けない。もしかしたら、『ピングドラム』におけるテロ事件の取り上げ方が批判を招き、幾原の腰が引けたのかもしれない。{/netabare}

【アニメ表現の極北】
 社会問題の取り上げ方は煮え切らないものの、『さらざんまい』の作画は、アニメ表現の極北とも言える水準に到達している。特に、バンクシステムを活用した見せ場が素晴らしい。バンクシステムとは、すでに使われた画をストックして使い回すやり方だが、近年のアニメでは、必ずしも手抜きではなく、象徴的シーンの繰り返しによってエモーションを高める目的で使われる。『ピングドラム』でも、プリンセス・オブ・ザ・クリスタルが「生・存・戦・略~!!」と叫ぶシーンで効果を上げたが、『さらざんまい』のバンクもそれに匹敵する。
 レオとマブが「カワウソイヤァ」を歌い踊る場面(私も一緒に踊ろうとしたが、動きが速すぎてついて行けない)、あるいは、カパゾンビとの対決に向けて、カッパの姿をした3人の少年が危なっかしく繰り広げるミュージカルシーン(地面にヘチャッと叩きつけられて慌てて起き上がる仕草の可笑しさ)は、何度見ても楽しい。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7
ネタバレ

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

愛の鬼才が現代人の「繋がり」を問う

☆物語&感想☆

2015年に放送された「ユリ熊嵐」から4年余り…
思えばイクニ作品との出会いは「ユリ熊嵐」が初めてのことだったわけですが、
あの時受けたインパクトは本当に大きく衝撃的だった。
あれから色々作品を観てはいますが、純粋に感動できる素晴らしい作品は数あれど、
あの時受けたインパクト以上の作品とは出会えていない。
やはりイクニが作る作品はワン・アンド・オンリー、彼にしか作れないのだと、
本作を観た後でも思った次第。

さて、本作1話目を観て思ったのは…なんやねんこれ?と。
これはもちろん彼の作品に於いては良い意味で想定内。
1話観て大体の物語の道筋や、目的、方向性が分かるものが多いなか、
イクニ作品に於いては意味不明、予測不可能なのが特徴でもある。
(最後には感動的な結末がある事はファンなら知っている)

これは自分が思うに、ある意味イクニが視聴者を振るい落としに掛けているのだと思う。
1話から尻の中に突入する画はシュール過ぎ、正直観るものを当惑させるに充分なものだったし、
どうやら出てくるキャラが殆ど男ばっかりでBL的な要素があると察知した視聴者を、
早急に撤退させるに充分な要素が揃っている。
前作で言うなら「百合」でアレルギー反応を起こさせ観るものを振るいに掛けた訳だが、
このような、1話観て訳が分からなくて、BLとか百合要素くらいで切るくらいの視聴者には、
どうせ観ても作品の本質やメタファーの意味合いなどは理解できないだろうから、
観なくて結構と言うことなのだろうと思う。

彼の作品の特徴として、明確なテーマを掲げ幾つかのキーワードを繰り返し使用する点がある。
本作においてはテーマが「つながり」キーワードは「欲望」「愛」など、
これらの言葉が本作中何回も何回も繰り返された。
難解なイメージのあるイクニ作品だが、本作のキーワードであり彼の考える「欲望」は、
自己中心的なエゴイスティックなもの、
に対して「愛」が見返りを求めない無償のもの、と先に捉えておくと、
彼の作品のもう一つの特徴でもあるメタファーの意味が解らなくても、
(例えば頻繁に登場した㋐の意味なんかが解らなくても)
物語の内容自体は過去作品と比べれば比較的理解しやすかったのではないかと思う。

キャラクターが発する言葉の真意や、映像のメタファーの分析をしなければ、
彼の本当の考えや思いは窺い知ることが出来ないと思うけど、
{netabare}10話のサラとハルカの会話の中で、
「この世界は再び試されようとしている、繋がっているのか繋がっていないのか」
11話の「喪失の痛みを抱えてもなお、欲望を繋ぐものだけが未来を手にできる」
「大切な人がいるから悲しくなったり嬉しくなったりするんだね。そうやって僕らはつながってるんだね。」{/netabare}
という台詞は物語の前後の繋がりから考えると、
珍しくストレートに彼のメッセージが現れた部分として受け取れるのではないかと思う。
そこから考えるものは各自人それぞれだろうと思うけど、
何かしら観た人それぞれが実際の「つながり」を考えさせられるような、
本作に於けるイクニのメッセージは随所に見られたのではないだろうか。
恐らく本作では過去作よりもイクニは意図的に視聴者にメッセージを解りやすく伝えたかったのだろうと思う。

そうは言っても、やはり相変わらずメタファーを読み解くのは難しい。
解らなくてもいいけど解ると更に面白い。
個人的には何となくこういうことなんかな?何となく意味ありそう、位な軽い感じで、
ネットで分析されている記事なんかを見てなるほど、
とか答え探しをしたりするのが楽しいし、
そういうライトな楽しみ方もありなんじゃないかと思ったりしている。
その上でもう一度作品を観返してみると、なるほどと納得できてまた面白い。

そんな中、本作を検索してると{netabare}ラスト3人死亡説{/netabare}
みたいな驚きの解釈、考察も出てるじゃないですか。
根拠を見ていくとなるほど、そういう考え方もあるなと興味深かったし、
こういう楽しみ方が出来るのもイクニ作品ならではだなと思う。

☆声優☆

前作と比べると人気実力共に安定した声優の豪華な顔ぶれでキャスティングもドンズバ。
レオ&マブに宮野、細谷さんという起用は腐女子も納得だろうし、
宮野の演技は特に素晴らしかった。
個人的にはハルカ役に釘宮さんを起用してくれたのが嬉しい。
そういや前作でも起用されており役柄も少々似ているのは気のせいだろうか。
恐らく何らかの意図があるに違いない、と思ったりもするけど、
単にイクニが自分同様釘宮押しなのかも知れない笑

豪華な顔ぶれのなか、驚いたのはサラ役で起用された帝子という人。
聞きなれない人やなと調べてみると、
監督がプライベートで知り合ったインディーズバンドのヴォーカルらしい。
つまり女優でも声優でもない言わばド素人の起用と言うことになるが、
こんなことを広告代理店やスポンサーに影響を受けやすい、
ノイタミナ枠でやってのけるイクニはやっぱり凄いと思う。
イクニ曰く「振れ幅が欲しかった」とのことだが、
特徴的で不思議な印象の声は作品内で非常に良い効果が出ていたと思う。

☆キャラ☆

1クールオリジナルの場合、キャラが多くなると当然存在感が薄くなる事が多いが、
この辺りもイクニはしっかりと解っているなと思う笑
各キャラクターの過去~現在に至るドラマ、想いが全て丁寧に表現されていたと思う。
BLに興味のない自分にもレオ&マブの思いには思わず涙

☆作画☆

純粋に人物の造形、背景の美しさや浅草の再現性はかなり高く、
劇場版作品でも充分通用するレベルだったと思う。
キャラクターと全く繋がりのない通行人などの所謂モブに関しては、
記号のような扱いで描写されていたのも印象的だった。
またイクニ独自の奇抜な演出に合わせたCGや実写映像の挿入、
アニメでは珍しくEDには実写映像にVFXを組み合わせるなど、
やはり作画面に於いても並の監督にはない、個性やセンスが際立っていると感じる。

☆音楽☆

前作はイクニがEDの歌詞を書いたり、作品の世界観への拘りも非常に感じられたので、
所謂アニソン歌手が歌わないノイタミナ作品において一抹の不安もあったのだが、
この点に関しては杞憂に終わった。
OPは繋がりをテーマに、この作品のために書かれた曲で開放感がある良曲だったし、
EDはレオ&マブの関係なんかを想起させる歌詞だったり、曲としてよく出来ていた。
AパートからのOP、BパートからのEDへの繋ぎがとても良かったのも好印象。
最終話はEDの後にOPを持ってくるのも良い演出だった。
その他劇中曲の「さらざんまいのうた」や「カワウソイヤァ」は繰り返されたことで中毒性があり、
サラ役の帝子が歌う自身の楽曲「放課後カッパー」もインパクトが有った。

劇伴は「輪るピングドラム」「ユリ熊嵐」同様に橋本由香利さんが担当。
この人の最近の仕事では「3月のライオン」が本当に素晴らしかったけど、
本作でも劇中曲含め良い仕事だった。
この人はどんな作品にでも合わせられる柔軟性やセンスを持っていますね。


繋がりたいけど、繋がりは脆く壊れやすい。
現代におけるSNSやネットでの繋がりなどは、最たるものだろうし、
本作を観てもそれはイクニの言いたいことの一つとして受け取れる。
「あにこれ」での繋がりも、自分は度々放置してしまうし、正直いつ終わってもおかしくない。
他人に読んでもらいたい、認めてもらいたい、共感してもらいたい、
そんな欲望をどれだけ持ち続けられるだろうか。
記事を書くという行為はその労力に比べれば見返りは殆ど無い、それは愛だと言えるかも知れない。
自分はどれだけアニメを愛しているのだろうかと。。
イクニのメッセージが胸に突き刺さる。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

幾原節半端ない

河童になるときは尻から生まれるのね。1話から尋常じゃない衝撃。{netabare}女装して吾妻サラみたいになってる一稀、車上荒らししてる悠、盗んだ段ボールを裸で被るのが好きな奴。以降も色んな性癖もとい欲望を持つ人たちが登場。自分がボールになって蹴られたい奴の回は金玉蹴られてるAVを思い出して笑ってしまった。{/netabare}

パッと見で欲望に関する話題を扱ってそう。だけど、やっぱりサブタイトル通り繋がりを扱っている。人間は繋がっていないと自己を規定できないよね。だから死ぬ=縁の外かなと思った。
それと絡んで縁=円=丸い皿ということではないかと僕は勝手に思った。でもって人間は多くの縁で成り立つから皿三昧。それとも3人で皿三枚?
語尾もでぃっしゅで皿を強調しているのかな。
繋がりたいって気持ちは愛でもあるし、欲望でもあるからなんというか紙一重で、難しい。

怪物を生み出す敵がいて変身してそれと戦うヒーローみたいなとこもある。{netabare}勝利後はお互いに隠し事が何故か筒抜け。恥ずかしい。漏れるのは尻から。{/netabare}

パロディとかギャグ要素ありだけど、時折、シビアな展開。中々のメリハリ。

最終話は怒涛の展開。サブタイトルも凄く良い。{netabare}サブタイトルと絡めてあるかもしれない未来の話と過去。叫び声をバックに振り返る演出好きかも。悠は受刑者になるけど、繋がりは切れない。{/netabare}欲望を手放すな。そして、繋がりを取り戻したい。いつかは切れるけど、繋がりあってこそ人生が豊かなんだなあとしみじみ感じた。勝手にだけど。

演出がいかにも幾原監督作品らしい。輪るピングドラムみたい。時折、作中に描かれている言葉が面白い。前回監督した作品が百合だったからか今回はBL描写みたいなの多め。特に{netabare}燕太から一稀への熱い想い。妄想が凄い。後でバレるけど、こっそりキスしてるし、相撲して肌の触れ合いから興奮が高ぶってて笑える。{/netabare}
見終わってみれば結構面白かった。タイトルで油断してたけど、この作品は意外と推せる。{netabare}結局、ケッピとサラは河童なのか?よく分からない生命体だった。{/netabare}

一稀の弟春河役がくぎゅなのは嬉しい。くぎゅ~。

三匹が斬る!は世代じゃないので、よく分からない。


OP
まっさら 歌 KANA-BOON
失踪したなあ。びっくり。
ED
スタンドバイミー 歌 the peggies
浅草実写映像?なのかな。
劇中歌
さらざんまいのうた
歌 矢逆一稀(村瀬歩)、久慈悠(内山昴輝)、陣内燕太(堀江瞬)、ケッピ(諏訪部順一)
歌 新星玲央(宮野真守)、阿久津真武(細谷佳正)、ケッピ(諏訪部順一)
11話でまもがメインで歌うわけだが、11話は本当に切なかった。{netabare} 大切な人に愛を告げると死んでしまうし、大切な人なのに記憶から消えてしまうし。お互いの誤解が解けたのがせめてもの救い。{/netabare}
放課後カッパー 歌 吾妻サラ(帝子)
放課後カッパー_Salala Scat 歌 吾妻サラ(帝子)
カワウソイヤァ 歌 新星玲央(宮野真守)、阿久津真武(細谷佳正)
ソイヤァソイヤァつい言いたくなる。曲に合わせて踊るのもよい。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
つながっても、見失っても。手放すな、欲望は君の命だ。 舞台は浅草。中学2年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人はある日、謎のカッパ型生命体“ケッピ”に出会い、無理やり尻子玉を奪われカッパに変身させられてしまう。『元の姿に戻りたければ“ある方法”でつながり、ゾンビの尻子玉を持ってこい』ケッピにそう告げられる3人。少年たちはつながりあい、ゾンビの尻子玉を奪うことができるのか?!同じ頃、新星玲央と阿久津真武が勤務する交番でも何かが起ころうとしていたー。

#1 つながりたいけど、偽りたい
東京・浅草。中学二年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の三人は、カッパ王国第一王位継承者を名乗る謎の生命体ケッピと遭遇し、「尻子玉」を抜かれてカッパにされてしまう。人間の姿に戻るため、三人がクリアしなければならないミッションとはー?

#2 つながりたいけど、奪いたい
「さらざんまい」にはおそろしい副作用があった。それでも一稀は、今日もラッキー自撮りアイテムを探して街をさまよう。ひょんなことから悠と鉢合わせ、二人は行動を共にすることに。一方、燕太は悠の重大な秘密を知ってしまいー?

#3 つながりたいけど、報われない
燕太はサッカーの「ゴールデンコンビ」復活を願いながらも、一稀への想いを募らせていく。そんな中、姉の音寧が一稀のためのミサンガを身につけたままゾンビに攫われてしまう。燕太の想いは一稀に届くのか-??

#4 つながりたいけど、そばにいない
兄と離れて居候している悠のもとへ燕太がやってくる。「希望の皿」を一稀に譲って欲しいと頼み込む燕太だったが、悠にも譲れない望みがあった。一方、吾妻サラの握手会が開催されることを知った一稀が、悠に持ちかけたある計画とは-?

#5 つながりたいけど、許されない
吾妻サラの握手会当日。一稀と悠は極秘計画を実行に移す。そうとは知らず、春河とともに握手会にやって来ていた燕太が見たものは・・・?一方、ゾンビを使って欲望を集めている謎の警官、玲央と真武の関係にも変化が現れていて-?

#6 つながりたいから、諦めない
カッパ姿のままでいることを余儀なくされた三人。カッパ一稀の様子が何やらおかしくて・・・?一稀を励まそうと試みる燕太と悠も喧嘩中。そんな中、一稀の帰りを待っていた春河が行方不明になってしまった-!

#7 つながりたいけど、裏切りたい
夏休みを前にして、一稀と燕太は悠をサッカー部に誘う。三人の夏が始まろうとしていた。そんな時、燕太が守ってきた思い出の練習場が何者かに荒らされる事件が起こる。何かを計略している玲央と真武。二人の過去が、今明かされる-

#8 つながりたいけど、もう会えない
仲違いしてしまった一稀と燕太。ふてくされた燕太が街で偶然出会ったのは、悠の兄・誓だった。指名手配がかけられた誓は、玲央と真武の包囲網から逃げ切れるのか-?それぞれの想いが交錯して明かされる、大切な記憶とは・・・?

#9 つながりたいけど、伝わらない
何も知らずに浅草を離れた悠。ひとり立ち尽くす一稀の背中を押してくれたのは・・・?一方で、カワウソに翻弄される玲央と真武の関係を決定づける出来事が起こる。その頃、兄と行動を共にしていた悠は、組織の抗争に巻き込まれてしまい-?

#10 つながりたいけど、つながれない
一稀はカワウソ帝国のアジトに再び潜入することを決意する。その直後、玲央によってケッピが拘束されてしまった。ケッピと玲央、そして真武の知られざる秘密とは・・・?一稀は皿を取り戻し、燕太を救うことができるのか-?

#11 つながりたいから、さらざんまい
兄に導かれ、縁の外側を目指す悠。あとを追う一稀と燕太は悠を取り戻せるのか・・・?ケッピとカワウソの戦いの行方は?愛も嘘も欲望も、すべての痛みを共有してきた三人は、今何を願うのか-?辿り着いた場所で、三人は何を見るのか-?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

67.6 13 コミカルでシリアスなアニメランキング13位
ありふれた職業で世界最強(第2期)(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (172)
701人が棚に入れました
“いじめられっ子”の南雲ハジメは、クラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。つぎつぎに戦闘向きのチート能力を発現するクラスメイトとは裏腹に、錬成師という地味な能力のハジメ。異世界でも最弱の彼は、あるクラスメイトの悪意によって迷宮の奈落に突き落とされてしまい――!?

脱出方法が見つからない絶望の淵のなか、錬成師のまま最強へ至る道を見つけたハジメは、吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす――。

「俺がユエを、ユエが俺を守る。それで最強だ。
 全部薙ぎ倒して世界を越えよう」

奈落の少年と最奥の吸血鬼による“最強”異世界ファンタジー、「ありふれた職業で世界最強」の第2期

声優・キャラクター
南雲ハジメ:深町寿成
ユエ:桑原由気
シア・ハウリア:髙橋ミナミ
ティオ・クラルス:日笠陽子
白崎香織:大西沙織
八重樫雫:花守ゆみり
畑山愛子:加隈亜衣
ミュウ:小倉唯
リリアーナ・S・B・ハイリヒ:芝崎典子
ノイント:佐藤利奈
フリード・バグアー:小西克幸
ミハイル:石井真
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

主人公がサイコパス

{netabare}
作画がマシになって(いいとは言っていない)帰ってきたありふれた職業。
但し、原作から駄目なんだろう、内容は全く良くなってない模様。
最強になるまでのパートですら面白くなかったんだから、最強になった後の話なんて面白いはずもなく。
ただただ、10年代前半のラノベ感を感じるのクソ寒いノリを延々見せられるというきついという感想しか出てこない作品だった。
ふざけた会話をしながらの各個撃破のシーンは寒いし、主人公と唐突にヤったりいちゃいちゃするヒロイン"達"もきつさを増長してた。
性描写が不快な作品とそうでない作品の差ってなんなんだろうね。
自分はそこまでの過程が雑と言う点とハーレムだからと言う点不快に感じた理由だと思ってるけど。
話自体も基本的に元の世界へ帰る方法の模索と言う目的から逸れている感があってgdgdとやっている印象しかない。
本来の目的のためを果たすための目的と言う風にだんだんと遠ざかって行ってるのがね。
そもそも、そんなに帰りたそうにしている描写もないし、この目的設定自体に特に意味はない。一応つけてる設定と言う感じで面白みがない。

最悪なのはキャラ。相変わらず元日本出身という共通点のあるクラスメイト達が異国の地で団結せずに争いを始めるのが全く持ってリアリティがないし、生徒の裏切りの理由にも説得力が全くなくて理解できない。
裏切る生徒を作るなら、現世で何かしらのバックボーンが必要だと思うんだが、特にそれらしい理由もなくただただサイコパス的な理由で裏切るという...。
いや、たとえバックボーンがあったとしてもそもそも殺人未遂を犯す高校生って...と言いたくなるが。
異世界で何かを吹き込まれたとかも特になく、元から犯罪者予備軍が複数人いたクラスってことになって、いくら何でもアニメとして酷い。
100歩譲ってそこまではまだいいんだけど、主人公が最悪。
1期でも同じことがいえるが、裏切った生徒を何のためらいもなく攻撃、揚げ句の果てに殺害するのが本当に主人公か?って言いたくなる。
サイコパスかよ。
おまけに最後はダンジョン攻略に生徒を利用しようと企むとか、あの殺された生徒と何が違うんだよと。
で、隙あらば中二臭いセリフやシーン。元クラスメイト達に現世とは打って変わってクラスメイトみんなが主人公を称賛。
ヒロインたちは主人公にぞっこん。
こういう拗らせいじめられっ子の妄想みたいなオナニーなろう小説誰得だよ。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆6
クソアニメ2期。人間パートいる?
このアニメが今期のなろうの中では一番マシと言うw 
主人公イキるな。残響散歌?w

2話 ☆6
ダイナマイト漁w レナかな? やるか(イキリ)
会話がきつい これ熱いどころじゃすまないだろw
嫌いなノリの撃破前のセリフ こういう寒い会話しながら敵倒すの嫌い
 
3話 ☆8
主人公やられてて草。あれ、意外と王道してる?
マグマの水位(矛盾) 勇者パートいる?
 
4話 ☆4
何がどうなってんねん。現代的施設w
てか簡単に脱出できるんかい。おもんないな。家族ごっこやめろ。

5話 ☆3
戦闘が面白くない。何が面白くないんだろうなぁこれ。
ハーレム肯定しろってか? 

6話 ☆5
前回の内容忘れる。怪しい。慰めてほしい(直球)
茶番 主人公イキるな。ジムバッヂゲット

7話 ☆2
は? 性描写がむかつくアニメとムカつかないアニメの違い。
きっつ。きつすぎる。なんだこの回。画面切りたい。怪しい。知ってた。

8話 ☆4
大介殺しとけ。イキるなや。俺も覚えてない。イキリ顔
クラスメイト殺すクズ 

9話 ☆6
イキるな。攻撃ギャグアニメかよw
上行っても当たるやろw 攻めに弱そう。
主人公以外の戦闘は絶望的につまらなかったけど主人公の戦闘は面白い

10話 ☆5
お得意のイキリ顔 媚薬か? 落下は生存フラグ。
見てたら洗脳されそう。奇襲のわりに成果薄すぎて草
もっと急所狙えやw
クラスメイト仲悪すぎやろ。前半の戦闘は面白かった。

11話 ☆0
ヤンデレこわw このクラス治安悪すぎだろ
不快だわ。茶番。
普通異世界に仲間と飛ばされたら結束強まるはずなんだよな。
こういう展開にするならもっとバックボーンがないとは?ってなるだけ。
主人公の登場シーンがいかにも中二病が好きそうって感じできつい。

12話 ☆0
生徒殺すな。お前こそ罪悪感背負え。
おれにはもう感じることのないものだから(中二病)
偶然手に入れた力でイキるなゴミ主人公。
主人公が気持ち悪すぎる。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

檜山を操っている黒幕は?

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。

レビューのタイトルは、公式サイトに行くと一番最初に目にする文字になります。
公式サイトでドーンと表示されているんです…だからネタバレじゃありませんよね!?


かつてのクラスメイトたちと別れた後、
主人公ハジメが率いるパーティーは新たな神代魔法を手に入れるため大迷宮へと向かっていた。

様々な試練を突破し、元の世界に帰るために着々と力をつけていく一行。
しかし、その裏では魔人族たちも不穏な動きをみせていた。

王都に忍び寄る影と暗躍する謎の人物。

「敵はすべて倒す――たとえそれが神だとしても」

彼らの前に立ちはだかる真の敵とは一体何者なのか――!?
“最強”異世界ファンタジー、セカンドシーズン開幕!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

私にとって第1期から大好きな作品でした。

異世界に転生して手に入れた力は、凡そ戦闘に向かない最弱の天職だけでしたが、藻掻き苦しみながらも自らこの世界で生き抜く術を身に着け、ここまでやってきました。

彼の姿に最弱の陰は、もはや微塵も見ることはできません。
それどころか、頼もしい仲間…というか気付いたら美女に囲まれたハーレム状態になっていましたから…
つい先日見た作品でも、「メスは、より強いオスに惹かれる」という感じのことを言っていましたので。

そう言えば、この作品も放送直前の特番が放送されていましたね。
ハジメ役の深町寿成さん、ユエ役の桑原由気さんと、シア役の髙橋ミナミさんの3人が出演されていました。
第2期の見どころや、今期からシアの服装のデザインが少し変更された情報など、否が応でも第2期の視聴が楽しみになる特番だったと思います。

私が個人的に一番気になっているのは、大西さん演じる白崎香織とゆみりん演じる八重樫雫のお二方です。
今はハジメの正妻?の座についているのはユエかもしれません…
ですが、香織には是が非でも頑張って正妻の座を奪い取って欲しいと思っています。

誰よりも長く、そして深くハジメの事を想っていたから…
香織が真っ先に思い描くのはハジメのことばかり…
それは自らの命が危険に晒されている、その瞬間ですら微塵も揺らぐことはありません。
この想いは報われて欲しい…そう思っているのは、きっと私だけじゃないと思います。

そして八重樫…
演じているのがゆみりんなので、フィルター越しに見ているのは否定しません。
彼女の決してブレることのない信念は評価に値すると思っています。
ハジメとの接点が増える中、彼女の心はどの様に変わっていくのか…
親友の香織がハジメのことを想っているのを痛いほど知っているので、決して羽目を外すことは無さそうですが、でも人の心ってそんな簡単に割り切れるモノでは無いと思うんです。

今期の展開は、決して八重樫に優しくありませんでした。
きっと心を何度もへし折られつつも、首の皮一枚繋がっていられたのはハジメを信頼しているからにほかならないと思うんです。
そんな八重樫には、損な役回りだけじゃなく全うな幸せを掴んで貰いたい…
こちらも、そう思っているのは、きっと私だけじゃないと思います。

物語の展開は混沌さを増してきました。
誰がこんな展開を予想できたでしょうか。

勇者が本来の立ち位置に留まることのできない物語…
でも、それがよりリアルなのかもしれません。
だって、勇者って所詮人が決めた役割でしかなく、見合う実力が伴うかどうかなんて別問題…
それに、時代や置かれた状況だって異なるのに、それを十把一絡げで勇者として括ってしまうのは、かえって残酷なのかもしれません。

そんな厳しい世界を生き抜こうとする彼らの生き様をこれからも目に焼き付けることができれば、と思っています。

オープニングテーマは、MindaRynさんによる「Daylight」
エンディングテーマは、FantasticYouthさんによる「外道讃歌」
この作品は、主題歌も抜群なんですよね~^^

1クール全12話の物語でした。
OVAの制作が決定したようです。
何でも今年の夏に発売が予定されているとか…
公式サイトでは先行カットも紹介されていました。
dアニメストアなどで配信してくれると嬉しいんだけどな^^;
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

9話 コンプレックスの反動でもっとイキってくれないかなあ…

9話 一度断念しましたが、1期で付き合った分、ちょっと気になって飛ばし飛ばし内容確認しました。まあ、それで十分な感じですね。
 言えるのはなんで本作が2期で急につまらなくなったか。それは主人公がこの世を恨んでいないからですね。

 要するにクラスメイトに敵対していないから、でしょう。クラスメイトが近くにいて俺TUEEEでそいつらに無双できる。多分それが見ていてスッキリというか、厨二的な願望の妄想に近かったかもしれません。一期は話の中身としては終始そんな感じでした。

 もっとコンプレックスでイキッてくれないと。現代で言えば株で大儲けして、先生、パリピ、上司、嫌いな奴、好きだったけど振られた子の彼氏とかを札束で頬っぺた叩いてやるような話が見たいわけです。で、いい女でハーレム作って札束の風呂に入ってニヤリとイヤな笑い方をするような…

 で、まあ、本当は気が小さいんでしょう、ちょっとだけ人情だして、しょうがねえなあ、で助けちゃうみたいな。

 「倍返しだ」が流行る世の中ですからね。そういうことでしょう。

 それが2期では単なるハーレム俺TUEEE、たまにいい人、になってしまいました。これでは駄目です。1期を評価した人全員がというと語弊がありますが、まあ多かれ少なかれそういう要素はあったんでしょう。2期は需要に対する供給がずれましたね。



以下 2話で断念したときのレビューです。

 1期は主人公が拗らせて捻くれてロリ吸血姫以外相手にしないで孤立しているのが楽しかったんですけど、なんといいますか、普通?ハーレム物?

 ただ、敵の魔物が主人公にビビっている感じでしたので、主人公が悪役になる感じでしょうか。魔物視点だと面白くなるかも。あるいはクラスメイトをいじめたり。そっちで面白くなることを期待します。

 2話で一回断念ですね。1期のちょっとズレた感じがなくほとんどテンプレの異世界になってしまい、まったく集中して見られませんでした。キャラももう誰が誰だか…いや設定はわかるけど誰でもいいじゃんという感じです。

 評判が出そろって、あらすじが分かったら見るかもしれません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ページの先頭へ