イジメでファンタジーなTVアニメ動画ランキング 3

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69.6 1 イジメでファンタジーなアニメランキング1位
魔法少女サイト(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (396)
1489人が棚に入れました
学校でクラスメイトからのいじめを受け、家では実の兄からの虐待に耐える日々を送る中学生の朝霧 彩(あさぎり あや)。いつも死ぬことばかり考えていた彼女は、ある日、不気味なWEBサイト「魔法少女サイト」と出会い、魔法の力を秘めた”ステッキ”を手に入れる。彩は魔法の力を手に入れたことで、同じくステッキを持つクラスメイトの奴村露乃(やつむら つゆの)、そして他の“魔法少女”とともに苛烈な運命に巻き込まれていく――。

声優・キャラクター
大野柚布子、茜屋日海夏、鈴木愛奈、芹澤優、山崎はるか、岡本信彦、鈴木達央、中尾隆聖、安里勇哉
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

過酷な運命に翻弄される魔法少女たちの行き着く先

アニメーション製作:production dóA、
監督:松林唯人、シリーズ構成:伊神貴世、
キャラクターデザイン:渋谷秀、
音楽:井内啓二、原作:佐藤健太郎

魔法少女まどかマギカから広がったダーク系・魔法少女ものの作品。
設定としては魔法少女育成計画に近い印象。
不幸を背負って生きてきた少女が、ある日サイトによって
ステッキによる魔法少女の力を手に入れ、
様々な争いに巻き込まれ、翻弄されるという物語。

4話まで視聴した感想だが、物語の端々から陰惨なシーンを喜んで描写する
というような気持ち悪さが滲み出ている。
そして、最初の設定やステッキの能力などが、もう使い古されたネタばかりで
面白味がないため、より惨たらしくインパクトのある方向に
持っていくような気がする。
WEB連載から週刊少年チャンピオンに移籍したということで、
本流から大きく外れたところにある作品というのは理解できるが、
この後、よほど上手くやらないと、ただの趣味の悪い、
物語として成立しないような作品になりかねない危うさを孕んでいる。

ただ、こういう「バトルロワイヤル」のようなストーリーの能力モノは
案外、継続して視聴できてしまえるというのはある。
今後の展開にもよるが、おそらく最後まで見てしまうだろう。

5話~12話レビュー
{netabare}結論から言うと、危惧していた通りの展開になってしまった。
まどマギの形をとっただけで、より陰惨でインパクトのある
ストーリーにしようと考えているだけなのが透けて見えてしまう。
何を目指しているのか、よく分からない。

いちばん良くないのが登場人物の気持ちや心情が
致命的に描けていないということ。
これは私が物語を鑑賞するときの大前提なのだが、
どんな世界の人間であっても、その背景をしっかりと考えて、
「人間」を描いてさえくれれば、物語に入っていくことができる。
しかし、この作品においては、そういうことを
最初から放棄しているようにしか見えないのがとても残念。
多くのキャラの行動原理が分からない。
テンペストを防いだり、サイト管理人を打倒するという
最終目標は共通しているものの、
それ以外の面で一緒に戦うなんてとても無理だと思えてしまう。

例えば、私がいちばん引っかかるのは、魔法少女を殺しまくった
潮井梨ナが簡単に仲間になってしまうこと。
こんな自分のことしか考えない奴と共闘なんてできるわけがない。
もし共闘させるのだとしても、それなりの過程が必要。
それをすっ飛ばして、軽いお調子者の潮井梨ナが仲間になるのを
簡単に受け入れる展開は、どう考えても無理だと思う。
また、にじみんが簡単に彩の兄にだまされてしまう展開にも
首をひねった。復讐に燃えている人間が、
あまりにも簡単に秘密を打ち明けてしまう。
もう少し、それらしいストーリーがないと納得できない。

結局、この作品がやりたかったのは、兄のような強烈なキャラを出して、
インパクトを与えたいだけなのだ。
全話を通して、計算しつくして構成されたまどマギとは比べるまでもない。
露乃が自分の身を挺して仲間を助けるところも、
あまりにもとんでもない展開だった。これでは感動することはできない。
{/netabare}

全話を通してのレビュー
まどマギという魔法少女ものとしては飛び抜けた作品があるので、
同じ方向性のものはやり方が難しいと思う。
より陰惨で過酷な運命を描くのは構わないのだが、
キャラの行動や考え方の描き方が浅すぎるため、
色々なところで引っかかってしまうのが残念な部分だった。

ステッキやソウルジェムのような手法は、
まどマギはもちろん、ハンターハンターのクラピカの
エンペラータイムの能力も思い出した。

良かった点は、あまりにもダメな主人公の朝霧彩が
少しずつ成長して強くなっていくところ。
ステッキの使用すらためらっていたが、{netabare} 最後には仲間を助けたり{/netabare}
(ここの描き方も突っ込みどころ満載なのだが)、
強い決意が見えた点は面白かった。
また奴村露乃との友情関係の描写も悪くはなかったのではないだろうか。
酷評になってしまったが、2期がもしあったなら観てしまうかも。
何となく観てしまえる作風なのだ。
こういう方向性のアニメがいくつも企画されるのは、
製作側の考え方としては、分かる気がする。
(2018年6月18日初投稿)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 52
ネタバレ

dbman さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

胸糞注意

原作:漫画(週刊少年チャンピオン)/魔法少女、ダーク・ファンタジー/全12話/アニメーション制作:production dóA

原作は未読。あらすじにもあるように序盤はイジメ描写から物語がはじまるので胸糞注意。

大きな声で言うべきことではないが、こういったダークな要素の強い作品は好物とあって全12話をぶっ続けで一気に完走。{netabare}登場するキャラクターもざっくばらんでそれぞれに個性があり、なかでも彩は主人公らしく応援したくなるようなキャラだったし、その兄貴はクソっぷりがイカしていました。(デスノ・月を極悪にした感じで)

ただ、作中では不可解なシーン・演出面で雑に感じてしまった箇所が幾つかあり、見せ場と思われる場面が陳腐なものに。最初に感じたのは、第2話中盤で潮井梨ナとの戦闘シーン。ここで彩は、相手を殺したくないとステッキを使う事を躊躇しながらも、あっさりとステッキ使用。全体を通して演出おかしくね?と突っ込んでしまったシーンが多々見られたのが残念だった。

制作会社を軽く調べたところ、「production dóA」は、Wikipediaにはまだ登録されていない新規? のアニメ会社の模様。

かなり辛らつ気味になってしまうが、物語としてもどこかで観た事があるような展開や設定も多かった印象。似ているなんていう作品なんて星の数ほどあるのでさして問題とは思わないが、同じジャンル・魔法少女系の作品と似通っているというのはあまり美味しくは頂けない。

ちなみにラストでのクソ兄貴がウホッされる結末は良かったw プライドの高い彼にとってはこの上ない制裁となったことでしょう。

原作を読んでいないので、あくまでこのアニメに関しての評価になるが、色々と残念な部分が多かった一作でした。ただ、一気に完走してしまったという事実からも結局は楽しんで観ていたことも間違いないので、もし続編が制作されたらきっと視聴している自分がいると思います。


▼キャスト
朝霧彩:大野柚布子
奴村露乃:茜屋日海夏
潮井梨ナ:鈴木愛奈
穴沢虹海:芹澤優
雫芽さりな:山崎はるか
雨谷小雨:原由実
燐賀紗雪:M・A・O
泉ヶ峰みかり:本渡楓
水蓮寺清春:松井恵理子
滝口あさひ:Lynn
朝霧要:岡本信彦
美炭貴一郎:鈴木達央
サイト管理人漆:中尾隆聖
サイト管理人弐:悠木碧
サイト管理人捌:キズナアイ
直戸圭介:安里勇哉{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 25

sMYVP12210 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

名作アニメの予感 だったけど。。どうなった

原作しらずに1話チェック。
ズバリ イジメしかえしアニメ。と理解した。

視点はいじめられる側で、ヒロイン。かなりえぐい状況におかれているようす。
1話としてはがっちり視聴者とらえられたと思う。そのくらい見入ったし、今後に期待して視聴続けます。

★★視聴完了したので追記

6話くらいまでは、まあ最初の印象通りで展開したが、7話くらいから脱線というか、脚色が変わりだした。
魔法を使えるはずの女子たちがワラワラで始めるんだけど、なんか魔法描写が少ない。それもそのはず、魔法ステッキをほとんどの女子が敵さんに奪われていて魔法が使えない状態w なんだこれw

最後はまあ一応収まったな感があったけど、なんかだいぶ最初の印象から変わっちゃったなアニメでした。

おもしろくないことはないですよ OPはなかなか良曲。よく聞いてます。

あ、そういえば、ヒロインのしゃべり方、性格は大嫌いです、イライラする!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

59.1 2 イジメでファンタジーなアニメランキング2位
骸なる星 珠たる子 なるたる(TVアニメ動画)

2003年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (208)
870人が棚に入れました
『なるたる』は、鬼頭莫宏による漫画、及びそれを原作としたテレビアニメ。タイトルは「骸なる星、珠たる子(むくろなるほし、たまたるこ)」の意味。
【ストーリー】小学6年生の玉依シイナは小学校最後の夏休みに祖父母の住む島に行き、海でおぼれかけて、星の形をした変わった生き物『ホシ丸』に助けられ出会う。
ホシ丸は少年少女の意識とリンクし、変幻自在の能力を発揮する「竜の子」の一体であった。他の「竜の子」の持ち主(リンク者)との出会いのエピソードを挟みながら、シイナは「竜の子」を用いて世界をリセットしようとするリンク者たちの一派との戦いに巻き込まれて行く。

QMA@MADLAX さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

鬱展開を見せたかっただけのアニメ

大体原作通りに作ってるんですが、ラストは中途半端、唐突、テキトーに終わりました。
ストーリーの根幹である世界のリセット云々は完全に丸投げ。

最後に鬱展開を見せられただけでアニメだけでは結局何を伝えたかったのか分かりません。

原作者作品のキモであるメカ類も動きが少なく作画も雑。

ただキャラデザだけは原作を踏襲した感じになってます。


ちなみに原作読むと分かるんですが、
OPにあるホシ丸がケーキを食べるシーンは設定上絶対にありえません。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

bujiharu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

OP詐欺な最高の鬱アニメ!!

 かの伝説的鬱作品「ぼくらの」で有名な鬼頭莫宏が原作のアニメです。
 ポップで子供向け番組を匂わせるOPで始まるこの作品は、鬱作者が描くだけあって展開はダーク。子供に見せたらトラウマもの間違いなしの作品でしょう。
 この作品のあらすじを書いておくと、主人公である「シイナ」は海で溺れた際、「竜の子」と呼ばれる生物と遭遇。シイナはその生物を「ホシマル」と名付け、後に出会う同じ竜の子を所持する人間との奮闘する、といった感じです。
 私が個人的に最も衝撃を受けたのは11〜13話です。ここを見るまでは絶対に視聴をやめないで欲しいです。最悪この部分を見るだけでも充分この作品の魅力ならぬ気持ち悪さが分かると思います。
 ネタバレになるのでキーワードだけを記しておきます。

試験管 ミミズ水 目には目を歯には歯を

 またあらかじめ鬱加減を知っておきたい場合は以下の動画をおすすめしておきます。
https://m.youtube.com/watch?v=76V4n1GNeXw
 
 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

お寿司ちゃん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

作画があまりにもひどい、後半の失速も最悪

クオリティが低すぎて見る必要のないアニメ。

まずは、作画があまりにも酷くて見てられない。
あまりにも歪み過ぎているのと、
人物のかき分けが出来ていないのも相まって、
登場人物が誰が誰か分からなくなる。
(原作漫画で絵が下手なので、仕方ないのかもしれないが)
近年見た作品の中でも、稀に見る酷さ。

また、前半のストーリー自体はいい感じで進むものの、
後半の失速はハンパない。
王道SFファンタジーなり欝展開なり、
どの視点で展開しても楽しめたはずなのに、
ことごとく全てを外して、中途半端。
ここまで自分から支離滅裂にしている作品は、
なかなか見当たらないという意味では貴重。

欝展開にしようとしている割に、
テーマの的を絞らずに、登場人物の心理描写で誤魔化して、
惰性でストーリーを走らすため、
主題が明確でなくなるのがこの原作者の悪いクセ。
無理矢理、主題を抽象的にして、
青少年の過去パターンに戻るベタパターンなので、
結局、とっ散らかった印象しか受けない。
(「ぼくらの」にしても、このあたりがきちんと
整理されていれば、もっともっと名作になりえたと思う。)

う~ん、濃い欝展開やりたかったんだろうけど、
トータル的にもつまらないし、全然ダメなアニメ。

OP曲とDVDジャケは詐欺です。
こんなにいい感じの内容ではない。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

72.1 3 イジメでファンタジーなアニメランキング3位
BRIGADOON[ブリガドーン] まりんとメラン(TVアニメ動画)

2000年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (161)
816人が棚に入れました
時は1970年。大阪万博の開催まで一年をきったある日、東京下町の長屋に住む平凡な少女浅葱まりんは突如空に現われた異世界「ブリガドーン」からやってきた謎の生体兵器(モノマキア)に襲われる。その時、根津神社に御神体として祭られていたアンプルの中から別のモノマキアが現れ、まりんを救う。彼の名はメラン・ブルー。まりんを守るのが任務だという。二つの世界の運命をかけた戦いが始まる。

duke さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

最近のアニメにはない傑作です!!!!

まず、言えることはこの作品は最後まで見ないとなかなかこの作品の良さが分からないと思います。
なので、是非ちょっとでも観ようかなと思った方は26話まで全部見て欲しいです!!!

そしてこのアニメの最大のポイントは、生体兵器メランとみなしごのまりんの絆と真っすぐ透き通った愛だと思います^^
もちろん、その2人だけでなく、この2人に関わる色々な人や生物兵器も注目ポイントです。

涙あり、笑いありとにかく現在のアニメではなかなか見られないものがこの作品にはあると思います。

作画は、時代を感じますが、戦闘シーンや音楽は最高です!!!

付け加えると、生体兵器であるメランがちょっとずつ変わっていく様子は、心和みます^^

私がこの作品に出会えたきっかけは、ロボットと少女の組み合わせが好きということでしたが、別にそういうのが好きでない方もたくさんのことを考えさせられる作品です。

知名度はあまりなく10年以上前の作品ですが、私は胸を張ってこの作品をお勧めします^^!!!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

夢の中の熱き純情。9話から観ちゃイカン。

原作監督・米たにヨシトモ、構成脚本・倉田英之

オープニングのフォルクローレな民族調歌声、すごく物語にあっていて伝承性が増して気持ちが惹きつけられますね。何度も飽きずに聴けてしまった。

ある日空からの謎の落下物とともに、頭上にはブリガドーンなる空中都市が浮かぶようになっていた。地上の下町に住むまりんは、神社の祠でロボットのような生き物を目覚めさせる。「生体兵器メランブルー」と名乗る彼が付き従うようになり、まりんは二つの世界のひずみに巻き込まれてゆく…。

ぐりんぐりんの目玉、13才には見えない眼鏡っ娘まりんのあんまりありがたくないパンチラネタ、設定の1960年代風味な駄洒落、アハーン?って口癖に閉口しつつも、何だか気になる勢いで始まりました。
メランブルーは全身タイツ姿の肢体の端々にメカがくっついたようなデザインで、ハイヒールのような脚の耽美さに反してストイックな堅い奴です。(´・_・`)お腹と尻は出しといていいのか。

まりんを囲む長屋の憎めない面々のキャラクターも、芸が細かく和ませられます。その手厚さに、てっきりまりんはこの世界における愛されキャラなのかと思いきや、次第に「みなしご+謎の武器用心棒持ちの貧乏少女」として学校で迫害を受け始める。
しかし登校拒否になったまりんに、まっすぐな優しい言葉を向ける長屋の婆さんのセリフ、ちょい百合入ってそうだったモエちゃんとの熱い友情、かっこいい先輩のセリフ…4話にて、これは善いアニメだ!!と断定しました。なんていうか…それぞれのキャラクター、脇役に底力を感じます。


しかし、9話のヤーラシサってばどう〜なんですか。
この回から見たら絶対、違う目的のアニメだと思われるでしょう…~_~;
{netabare}
( 銭湯でまっ裸 + 泡と縛りの攻撃 + 味方メカ「ポイクン」の運転方法…。
乗り物になる亀型生体兵器ポイ君、内部に生えてる
弾力のありそうな有機的突起ブツをギュッて握って運転するんすよ。子供が考えそうなデザインでしょ?って見た目で、ああいうことする…。意味わかる方がやらしいとでも言いたいんかーオイッ!){/netabare}


そして10話以降の不幸の連鎖には、すべての中心点にまりんがいるのは物語だから仕方ないのか?、虚構が時に冗談のように束になって襲ってくる、ユメウツツ。

それでも先が気になるのは、主人公たちの主張や心情が吐露される時の、本気の純情さにグッとさせられるからです。ここは冗談にしないで頂きたい、と見守るしかない。もっとも、一話ごとに展開が早いのでひとつの苦しみが解決されるのも手早く、次への引きも上手いのですが。宵越しの銭はもたねェぜ( ´Д`)y━・~~的な感じで、話をまたぐ鬱はもたねェぜ(T ^ T)という甲斐性(解消)ありです。

{netabare} そして16話での、メランの理性的な説得の中に想いが滲んでいる様子にはジワジワ泣かされましたよ…。またメラン、いい声なんす。定められたと思われた絆を一旦不確定なものとして揺さぶるところがシビアなドラマでした。

そんでもって17話以降のさらに怒涛の、世界の崩壊の連鎖と逆恨みにあてこすられるまりん。やりすぎなような、ここまでやらないとみなしご様式美として意味ないのか。
救っては落とし救っては落とし救っては落としの夜店の金魚状態。生き抜くのに必死な昭和の時代の苦労ドラマ成分を目一杯盛り込んであるのか?、避難した人達の生活や群像心理など、いやに生々しく執拗な描写もあるし。
けれど、まりんを助けた先輩はカッコ良く善い人だったし、逆恨みしたり差別した人の後の扱いもきちんと考えてあったと納得。あと、崩壊後の世界だからこそ自分のあり方に立ち返ったキャラもチラホラいて、悪くなるばかりじゃないな、とも。
先に書いたように、苦難にぶつかってもまりんは脱出する糸口に恵まれていたと思います。だからやっぱり夢のあるお話。{/netabare}

面白いのがトリックスターのように現れる、猫のようなブリガドーンの奴ら。全てを知って誘導しているかのようで、翻弄されつつ、どこか憎めない。こいつらのおかしみで、重い展開もどこか安心して観られました。


20話を越えると、まりんは顔身体つきは変わってないちんちくりんなのに、妙に女性っぽく見えるのが不思議です。苦労は女を磨くんでしょうか。
メランの同期で女性型のエリュンにも「あの女のために強くなったのか」って、あのオンナ呼ばわりされてましたが。全体的に飛ぶ戦闘の切れ味がよく、とくにエリュンとメランの戦闘シーンがカッコ良かったです。

最終話まで行って特別意外な結末でもなかったのですか、壮大のちに全てを大事にして終わった、熱く優しい話でした。
まりんとメランのラブストーリーがロマンチックに締められるなか、私が感動していたのは、登場人物たちのその後を描く中で、子供を失って逆恨みした人を最後まで忘れずに一瞬ですが描いていたところ…。(;_;)こういうところがとても響きます。



物語の舞台となっている1969年(昭和44年)はどんな年か
{netabare} テレビでは「サインはV」「8時だョ!全員集合」「ひみつのアッコちゃん」「サザエさん」放映開始、リストに「海底少年マリン」なんてタイトルもありましたがまりんとマリン?
漫画はドラえもん連載開始。
学生運動で安田講堂でブイブイ、アポロ11号で初月面着陸、高度経済成長の盛りで地方の過疎化と公害問題がいろいろ。そろそろカラーテレビが一般に出回る時代、作中に出てきたテレビはまだ白黒でしたね。
原作者の方は、人情味溢れるまりんたちの暮らしの時代から先を分岐点と表現したのでしょうか。 {/netabare}


この作品を知り観てみたいと思っていたきっかけは、 {netabare} ちょっと古いアニメ好きな人なら結構名作扱いしていることと、以前「ノエイン」感想サイトさんで地味に推されていたからなのです。

そう言われれば、異世界から来た訓練された大人型の守護者と、世界の鍵を握る子供の組み合わせってところ、共通ですね。守護者が感情表現が下手なところも。エリュンとコサギ姐さん似てるし。あと真面目な顔で全身タイツなところも。


端々のデザインの冗談みたいなぬくぬくした垢抜けない感じや、まりんの目玉のデカさのおかげで、オススメされていなかったら観なかったと思います。観て良かったよ、もちろん。観返すと思います。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 25

さと さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

心温まるお話!

最初は絵が好みではなく、日曜日朝一に放送している
アニメと同じなんだろうと勝手に思い込んで
見てなかったのですが。

たまたまやってた時に見てみたら
想像と全然違う!
家族愛、友情、…感動と鬱と、ちょっとしたエロ

見事にはまりました!

監督が人気がなければ打ち切りというど根性で作った作品

その心意気がこんな素晴らしい作品を生み出してくれました。

本当に神作ですo(^▽^)o

追記
朗報です!!
スカパー、csチャンネルの映画チャンネルNECOで2015年8月7日から放送されます
録画保存されたい方必見!
私も録画保存します。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6
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