イギリスで戦いなおすすめアニメランキング 6

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのイギリスで戦いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月08日の時点で一番のイギリスで戦いなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

67.9 1 イギリスで戦いなアニメランキング1位
ダンタリアンの書架(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (717)
3926人が棚に入れました
蒐書狂(ビブリオマニア)である祖父から、古ぼけた屋敷とその蔵書を引き継いだヒューイは屋敷の地下で静かに本を読む少女、ダリアンと出会う。彼女は禁断の『幻書』を納める『ダンタリアンの書架』への入り口、悪魔の叡智への扉だった……。

声優・キャラクター
沢城みゆき、小野大輔

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

雰囲気が良いですねo(*^▽^*)o~♪

■「ダンタリアンの書架」ってどんなアニメなの(*゚・゚)ンッ?
ラノベが原作のダーク・ファンタジーなのですけど、ミステリーっぽい内容にもなってますね♪
ミステリーと言い切れない点は、基本1話完結だと思うので、綿密な伏線も張れないでしょうし、絶対に謎解き不可能なシナリオ構成もありますので、本格的なミステリー小説と比較してしまうと、物足りなさを感じてしまうのではないでしょうか?
そう考えると、やっぱりファンタジー作品なのでしょうね♪
 
日本では、マジックリアリズム的な表現を用いている作品が多くなってきているようですけど、「ダンタリアンの書架」の独特な雰囲気もその部類に入るのでしょうね♪
そう考えると「GOSICK」に似た感じを受けるのも頷けるような気がするのです。
ミステリーとファンタジーの狭間でグレーな部分の位置付けの作品って評価の目線をどこに持ってくるかでだいぶ評価が分かれそうですけど、アタシσ(゚-^*)はこういう作品は大好きです♪
どうせ推理しても解らないので・・・
(´ρ`)ヘー・・・とか( ̄。 ̄)ホーーォとか・・・(^ー'*)bナルホドとか言いながら雰囲気を楽しめれば良いなって思ってます♪
 
 
■注目はやっぱり「ダリアン」と「ヒューイ」ですよね(-ω☆)キラリ
ヒロインのダリアンは小さくって、とっても可愛い女の子なのです♪
そんな小さな体に、90万666冊の幻書を封印している迷宮図書館の入り口と、その錠前を胸元に持っているのです。ちょっとインデックスっぽいですねw
お人形さんのような美貌と、赤ワインのような瞳が魅力的なのですけど、その美貌とは裏腹に、強烈な毒舌の持ち主でもあるので・・・
ポカッ! (._+ )☆ヾ( ̄ヘ ̄; ) ォィォィって思わずしたくなっちゃいますねw
でも可愛いからなんか許されちゃうのかなw
 
「ダンタリアンの書架」の鍵を持つ主人公のヒューイがどのように立ち回っていくかがこの作品の方向性を決めていくような気がします。
迷宮図書館内の子供の頃の回想シーンをどう結び付けていくかも注目ですよね♪
 
 
■前半まで視聴した感想(*^o^*)
まず、沢城みゆきさんの演技がとっても良いです。
ダリアンの魅力を余すことなく出し切っている所はさすがですね♪
まり†ほりの寮長先生とはまた違った毒舌っぷりでした!!(*`◇)<毒毒毒毒ブオォォオ*_*;)
 
舞台は20世紀初頭のイギリスで、その街並みや情景とシリアスな展開が非常にマッチしていて、コントラストの使い方がしつこくなく、重い空気感を演出していてダークな雰囲気をさりげなく演出しているような印象を受けました。
 
残念なのは幻術をつかったバトルシーンには物足りなさを感じちゃいます。
せっかく良い雰囲気を作っているのに、幻書の危険な香りや重みが感じられずに、魔法少女的なきらびやかな演出で綺麗に終わってしまっているのです・・・。
幻術を使わない格闘シーンは悪くはないので、もったいないなーって印象です。
  
 
■総評
各話単体での出来自体はショートストーリーとしてそこそこ面白いのです♪
でも・・・最終話まで通しての印象としては、各話の出来栄えにバラつきがあるので全体を通してのストーリーがぼやけてしまっていましたね。
なんだかドラえもんのポケットを迷宮図書館に例えるなら、ポケットの中のアイテムが幻書ってところでしょうか!
色んな幻書をクローズアップしてショートストーリーを構成するのはもちろん魅力的なのですけど、この物語の根底でもある迷宮図書館や鍵守や読み姫の関係などの説明や描写が不足しているのです♪
「ダンタリアンの書架」の世界観を作るだけ作って放置という状態になっちゃってますね!
雰囲気の作り方が良いだけに、肝心の物語に深みが感じられない要因となってるのが残念だなぁって思っちゃいました><
 
ともあれ、ダリアンちゃんの毒っぷりと可愛らしさは一見の価値はありますね♪
続編みたいですか?と言われたら。。。o(゚^ ゚)ウーンとなりますけど、他の読み姫との絡みも気になりますし2期やるならきっと観ちゃうと思いますけどね(*v.v)
 
 
■MUSIC
OP曲『Cras numquam scire』
 歌:Yucca
 寂しさを感じさせる、しっとりとした歌声で作品の雰囲気作りに一役買っているナンバーですね♪
 
ED曲『yes,prisoner』
 歌:maRIONnetTe
 意味腐なED映像はさておき・・・この曲のタイトルもかなり鬱ですねw(@`▽´@)/ ハイッ囚人!!
 聴くと心が病んでいくようなプログレッシヴ・ロック的?なナンバーですw
 
 
2011.08.28・第一の手記
2011.10.02・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 49
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

結局よく分からなかった(55点)

全12話。
ライトノベル原作。原作未読。

個人的満足点:55点
アニメ系統:ダークファンタジー

舞台は1900年ごろ?のヨーロッパ。
「幻書」によって引き起こされる出来事を
主人公ヒューイとダリアンが解決する物語。

作品の雰囲気はかなり好みだったが
どうも、毎回、パターンが同じで退屈。
さらに、急に話がすっとんでいくので大筋が見えない。

7話では急に新たな登場人物と読姫が出てきて
またもや、話がつながらない。
11話も何の前触れも無く過去の話が出てきて
新たな読姫?出現。
12話で3人とも出てくるが何のことだか意味が分からない。
雰囲気はお気に入りだっただけに少々残念な出来だった。

しかし、ダリアンはいい。
この毒舌に沢城さんの声。
毎話、ダリアン見たさにアニメを観ていたのは間違いない。
過去の自分の感想みても、ほぼダリアンで吹いたw

音楽の雰囲気は非常に良かったが
EDの実写が少々違和感を感じた。

全体的に残念な作りだった。
お勧めではないが沢城さん好きなら
それだけでいけるかもしれない。


と、まあ、残念な内容になってしまったが
つまり、何が言いたいかというと

ダリアン=真紅+翠星石 つまり俺得w


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以下、毎話後の感想。
ネタバレを含む場合があるので
未視聴の方はスルー推奨。

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{netabare}
1話視聴。

作品の雰囲気は結構好み。
今後、どのように物語が展開するのか楽しみである。

ダリアンの声優さんが沢城さんなのも見逃せない。
個人的にはダリアン役の沢城さんはかなりツボだ。
ダリアン可愛いよダリアン。
(真紅+翠星石と感じ「ゴチです」と思ったのは内緒w)


2話視聴。
作品の雰囲気はかなり好みぽい。
だが、面白いかと言われれば今のところ、そこまで面白みを感じない。
それでもダリアンが好きだわ。
アニメの雰囲気とダリアンだけでしばらくはいけそうw
来週も継続。


3話視聴。(3話、4話)
ダリアンが可愛い♪
スコーンを出すのですっ!
スコーンは?
可愛すぎるw

展開は相変わらず幻書のからんだ事件。
少々展開に飽きてきてしまった。
が、ダリアンが可愛いので継続w

4話視聴。(5話)
物語は可もなく不可もなくかな。
ちょいとグロイ所もあるので
グロ耐性が全く無い人は気をつけたほうがいいだろう。

そんなことより、ダリアンの1つ1つのセリフがいいね。
あのしゃべり方で毒吐くのがたまらないw
ダリアン可愛いよダリアン。

5話視聴。(6話)
なんだか飽きてきたw
毎話幻書がらみで事件が起きて解決の繰り返し。
何かこうもっと盛り上がる展開にならないものかな。
でもダリアン可愛いのでがんばります。

7話視聴。(8話)
あれ、俺のダリアンは?
ダリアンが出てこないんだが・・・
ダリアーーーーーン。
変わりに幼女思考の変態とガラクタなるものが出てきた。
一瞬違うアニメ見てるのかと思ったw
どうやら、主役はダリアンだけじゃないようだ。
話によって違うみたい。
ダリアンは「黒の読姫」でガラクタは「銀の読姫」らしい。
まあ、ガラクタもいい味出てたのでこれはこれでよしとしておこう。

8話視聴。(9話、10話)
ダリアン復活\(^O^)/
久しぶりにダリアンの毒舌が惜しみなく炸裂。
毒舌を堪能できて満足。
しかし、毎話同じことの繰り返しかな。
盛り上がりに欠けるね。

9話視聴。(11話)
作画が変わったのかと思ったw
どうやら本の世界に入っていたようだ。
うむう、しかし、毎回代わり映えしない。

10話視聴。(12話)
今回は楽譜が幻書みたいな感じ。
そして、いつもとあまり変わらない。
10話だな内容は12話。
次で終わりなのかな?

11話視聴。(13話)
ヒューイの過去の話かな?
何か意味がよく分からなかった。
来週まであるみたい。
ふむう、なんだか微妙だなあ。

12話視聴。
結局最後も意味が分からず終了。
まあ、ダリアンが可愛いので、許すとしようw
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ゴシック―ロマネスク

ミステリー? いや、凝ったトリックも謎解きもないし、
魔法もの? といっても壮大な世界観もバトルもないし、
何やら不思議なアニメではある。
個人的な、ざっくりの印象で強いていうなら、
奇譚風に仕立てられた、正統派ヒューマンドラマといったところか。


幻書、というものをめぐって物語は展開する。
幻書とは、この世界にあってはならない禁断の書物で、
世界の秩序を変えてしまうほどの、恐るべき魔性の力を秘めている。

このアニメが最終的に人間ドラマとなる理由、それは、
各話それぞれの事件がつねに、おのれの歪んだ願望を遂げるために、
幻書のもつ強大な力を利用しようとする、世の人間たちが引きおこすものだからだ。

その結果、幻書を管理する立場にある主人公の二人が、
事件に巻き込まれるたびに、いやでもそこに見ざるを得ないのは、
人間のかなしい業であり、愚かさであり、狂気である。
二人とも、そうした人間模様を、どこか達観して眺めている風があって、
この作品を一貫する静かな、はかなげな雰囲気はどうもそこから来ているようだ。


ゴスロリ幼女に全部持っていかれた感はあるが、
主人公のヒューイはそれなりに魅力的なキャラクターだと思う。
一抹の影を帯びた、若くして老成してしまったような彼の人格の奥には、
確実に戦争の傷跡がある。この事実は11話で明らかにされる。
大空への無垢な憧れが壊されてゆく、この11話が、最も詩的で、美しい。
ラストは、来るべき次の動乱への予感をはらんで、張りつめた終末感を漂わせているようだ。

人間の最大の狂気としての戦争、どうやらこれが本作の隠しテーマであるらしい。
うっかり見過ごしていたが、全編見終えてから1話を見返すと、
過去のプレイバックの中に、しっかりと予示されているではないか!


舞台となる英国の風土を象徴する霧が、冒頭から立ちこめているように、
繊細な情景描写がストーリー以上に雄弁なのも、このアニメの特色だろう。
明暗のコントラストの効果は全編を一貫しているが、
とりわけ印象深いのは、しばしば描かれる月明かりの場面だ。
月は古来、狂気を象徴するものとされている。ここに、
隠しテーマの暗示を推測するのは、うがちすぎる深読みだろうか。


オープニングのソプラノ独唱に代表される、
静謐な作品世界のトーンを際立たせる音楽の素晴らしさも付け加えておきたい。
一方で、そうした雰囲気からは突出した異物のような、
エンディングの不気味な実写映像は何を意図しているのだろうか?

「この世界には知るべきでない事があるのです。」
・・・作中、ダリアンが時折つぶやく言葉だ。

決して見てはならない、知ってはいけない禁忌の領域の一端を垣間見せるために、
あえて実写を用いて、現実そのものに潜む禍々しさを象徴風に表現した、そう解したい。
おどろおどろしくも不思議に懐かしい、寺山修司の世界などに通じるものが感じられる。


最後に総評です。

いぶし銀のような渋さと、深い余韻が味わえる、玄人好みの秀作。
O・ヘンリーの短編などを好まれる文学愛好家には、特にツボかもしれません。
勿論、ダリアンの可愛さを愛でるためだけでも、断然、視聴する価値はありです。
(え? こっちが王道ですか? 失礼しました。)


(初投稿 : 2019/07/07)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

65.0 2 イギリスで戦いなアニメランキング2位
屍者の帝国(アニメ映画)

2015年10月2日
★★★★☆ 3.7 (301)
1620人が棚に入れました
19世紀末、かつてヴィクター・フランケンシュタイン博士が生み出した、死体に新たな生命を与えて「屍者」として動かす技術が世界に広まり、いまや屍者は労働力や兵力として世界を支えていた。
親友フライデーとの約束のため、自らの手で違法に屍者化を試みたロンドン大学の医学生ジョン・H・ワトソンは、その技術と野心を見込まれ、政府の諜報組織「ウォルシンガム機関」にスカウトされる。
そこで極秘任務を与えられたワトソンは、フランケンシュタイン博士が残した、生者のように意思を持ち言葉を話す屍者=ザ・ワンを生み出す技術が記された「ヴィクターの手記」を求めて旅に出る。

声優・キャラクター
細谷佳正、村瀬歩、楠大典、三木眞一郎、山下大輝、花澤香菜、大塚明夫、菅生隆之
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

娯楽作品としては原作よりよくまとまっています

-・-・-・-・-・-・-視聴前レビューー・-・-・-・-・-・-
本日公開の作品
私は来週けみかけさんと観てくる予定ですが
全くレビューが無かったので
誰か少しでも興味を持ってくれればと思い
筆を執ることにしました

この作品はノイタミナムービー第2段
Project Itoh3部作の一つとして
先陣を切る形になります

Project Itohというのは
2007年に彗星のごとくデビューし
2009年に世を去ったSF作家伊藤計劃の作品を
アニメ映画として公開するプロジェクトです

計劃が作家として活動できた期間は短く
世に送り出した長編作品は
虐殺器官
METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS
ハーモニー <harmony/>
の3本だけですが
その短い期間で書き上げられた作品は
閉塞していた国内SF界に
新たな潮流を巻き起こす契機となりました

PSYCHO-PASSが最初にアニメとして放映されていた時も
ネットでは計劃作品との共通点などが指摘されていましたが
こうやって同じノイタミナプロジェクトとして発表されると
やはりPSYCHO-PASSシリーズのルーツの一端は
伊藤計劃にあったんだなぁと改めて思います

既にお気づきの方もいると思いますが
前に述べた3作品の中に屍者の帝国は入っておりません
昔から文芸の神様というやつは
俊才を見つけるとすぐに手元に置きたがるようで
計劃もこの作品を数十ページ書いた時点で
神の御許へと召されていきました

後を引き継ぐ形で残りを円城塔が書き上げたものが
このアニメの原作となる屍者の帝国となります
円城氏はスペースダンディの豪華すぎる脚本家の1人だったので
小説はあまり読まない方でも
アニメに精通している方ならばご存知かもしれませんね

しかしまぁ
この作品は計劃自身がほとんど関与できていない上
他2作は近未来SFだったのに対し
この作品は19世紀を舞台にしたいわゆる伝奇ロマン
これをProject Itohトップバッターに持ってくるのは
かなりの冒険だと思います
Project Enjohの間違いじゃないのか?
とか突っ込みを入れたくなります
これがこけたら他の計劃作品に響くんじゃないか?
とか心配になります

しかしこの小説を計劃作品と認められるかどうかは別として
読み物として十分に面白かったのは確かですので
映画版の出来はどうなのかこの目で確かめてこようと思います

-・-・-・-・-・-・-視聴後レビューー・-・-・-・-・-・-

原作から比べると大分いろいろ弄ってありますが
概ねプラスに働いていたように思います

原作未読既読に関わらず楽しめる作品だと思います
原作を一切読まずに見た場合
ストーリーの細かい部分はよくわからないでしょう
しかし、そこを画面の中で細かく描写してテンポを損ねるよりも
アクションシーンで一気に押し切ってしまう方が
ずっとスクリーン映えするのは間違いありません
終盤の圧巻の映像美にはただただ絶句するばかりであります

そもそもの原作自体がハイパーテキスト性の高い小説です
文学におけるハイパーテキストすなわち超文脈とは
語句や人物、事件などの名前だけを作中に使い
その説明は作品の外に置いてあるものを指します。
もしもその言葉をしっかり理解したければ
Webのhtmlリンクをクリックして別のページに飛ぶように
別の小説や聖書、哲学書、理工書など開かなくてはいけません
場合によっては映画、漫画、アニメなどに行きつく場合もあります

この手法を使う事で限られた紙面の中に
無限の奥行きを出すことができますが
同時にベースとなるジャンルの知識に乏し人間には
その面白さがさっぱり理解されない危険性も孕みます

かつてエヴァンゲリオンが空前のブームを引き起こした背景に
この手法がありました
難解な言葉を断片的に並べ一切説明しない
その結果たくさんの解説本考察本が出版され
それらが飛ぶように売れたのは
作品の外にある科学・哲学・宗教を
ガジェットとして次々に使い捨てた結果
非常にたくさんのハイパーテキストリンクが張られていたからです

この屍者の帝国という作品でも鏤められた要素全てを理解するためには
SF・ミステリ・科学・哲学・宗教そして19世紀の歴史背景など
幅広いジャンルの造詣を要求されます
また原作ではハイパーリンクを張らずに
作中にて詳しく解説されている事柄も
映画では冗長すぎるため解説部分を丸々削除されていたりします

こんな風に書いていくと
まるでこの映画が極めて難解で一握りの人だけが楽しめる作品
というように見えがちですが
この作品の見事なところは
細かいところがわからなくても楽しめる点にあると思います
まっさらな状態でこの映画を見て細部まで理解するのは不可能ですが
スタッフもそんなことは承知の上で
全てを理解できなくても楽しめるように作ってあります
原作の魅力を言葉で説明するのではなく
直接感じてもらうというのがこの作品の切り口で
それは非常にうまくいっていたと思います

従って原作未読既読問わずオススメできる映画だと思います

以下原作と映画版の相違点について
{netabare}
かなりいろいろな点にアレンジが入っていますが
各国陣営のキャラ数の削減と果たす役割の変化が一番大きいと思います
物語の流れに沿って違いを確認していきましょう

英国

ジョン・H・ワトソン&フライデー

本作主人公にして最も大きく改変がされた人物
後にシャーロック・ホームズの右腕となる男
原作のワトソンは医学部の優秀な学生で
教授に推薦されウォルシンガムに所属することになります
そこで貸与された最新鋭の実験体が
Noble_Savage_007コードネーム:フライデー
つまりもともとワトソンの友人であったという設定自体が
映画版のオリジナルです
時折見せるフライデーの暴走も映画のみの設定
映画版のワトソンを突き動かす動機の大半はフライデーにあり
ワトソンとフライデーのエピソードは作品の中核の部分です
この部分がオリジナルなので作品としてはもはや別物に近い印象
先に映画を見てから原作本を読んだ人には
淡白すぎるワトソンがただ周りに流されて動いている様は
おそらくかなり物足りないのではないでしょうか?
このワトソン&フライデーの肉付けの巧さが
映画版を原作以上に魅力的な物語にしています

フレデリック・ギュスターヴ・バーナビー

ワトソンたちとは逆で原作でも映画版でも全く変わりませんw
実在の人物でアジアロシア境界を旅行し手記を発行しています
作品内ではその経験と胆力を買われ諜報員に選ばれたようです

エイブラハム・ヴァン・ヘルシング&M

ワトソンたちの上司にあたる人物たち
映画版では一人に役割をまとめています
原作ではMはほとんど出てきていませんが
弟が探偵をしているという発言から
マイクロフト・ホームズであると考えて良いでしょう
しかしマイクロフトはものぐさで人嫌いな性格なので
実際に表に出てきて指示を出したり対立したりする役割は
ブラム・ストーカーの作りだしたヴァンパイアハンター
エイブラハム・ヴァン・ヘルシング卿が担当しています
映画ラストにつなげるためにMの方の名前を残したのだと思いますが
クライマックスの立ち回りはMではなく
ヴァン・ヘルシングにやってほしかったところですね
なおトランシルヴァニアにおけるヘルシング卿の活躍も
作中ではザ・ワンと花嫁を巡って対決していたことになっています

ロシア

アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフ&ニコライ・クラソートキン

どちらもカラマーゾフの兄弟の登場人物です
アレクセイとクラソートキンの設定は改変されていません
改変されてはいませんがいろいろと省略されています
そして結末もいじってあります

アレクセイの計画は自身を屍爆弾化し
「証拠品」として大物を吹き飛ばすという一種の自爆テロ
原作ではクラソートキンは屍者化しません
アレクセイを連れてぺテルスブルクに行き
アレクセイの計画を実行する役割がまだ残っているからです

映画の方ではインパクトを重視してか
アレクセイとクラソートキン両方とも屍者化してしまいました
これでは計画が実行できません
実行できない計画そのものの話が無かったことになり
アレクセイが一体何をしようとしていたのか
真相が明らかにされぬまま物語は進んでいきます

アメリカ

レット・バトラー

風と共に去りぬにおけるスカーレットの恋人です
原作ではピンカートンの一員でハダリーの上司
ハダリーの能力を使ってグラントを襲撃している張本人
本来なら主人公パーティの5人目だった男です
ハダリーが火炎放射器で屍者を一網打尽にするシーンは
元々は彼の登場シーンのはずでした

原作では大里化学の事件の後
日本編は続きがあり
会談するグラントと日本皇帝が襲撃されますが
首謀者が居なくなっている以上
エピソード丸々カットになっています

ハダリー・リリス

出典はSF小説未来のイヴ
映画版では発明王トーマス・エジソンが作ったことになっていますが
未来のイヴにでてくるのはそれをもじったエディソン博士
元に戻さずにエディソンで良かったような気もしますね

原作ではピンカートンの一員としてグラントに仕えていますが
実際の主はレット・バトラーで
彼の利益になること以外はやりません
屍者を操りグラントを襲撃していましたが
レット・バトラーが出てこなくなったことで
その設定もうやむやとなり
作中の彼女の存在意義自体がだいぶ薄くなっています

さらにはラストシーンでも出番を奪われています
原作では事件を終息に導いたワトソンは諜報機関に高く評価されます
しかし、その評価は身内だけではなく敵対者も含まれていました
レット・バトラーを人質に取られたハダリーが
暗殺者としてワトソンの前に現れます
ワトソンは事件の際に手に入れた屍者を作る菌株あるいは言語の結晶
それをハダリーの手で自らに注入し
諜報機関が容易に手出しの出来ない重要度の存在へと引き上げます
しかし、それによって元のワトソンの人格は失われてしまい
それが映画のラストシーンに繋がります

このシーンは介助者がハダリーからフライデーに変更され
そこに至るまでの経緯の描写もなくなっています
原作と同じような顛末なのかどうかも分かりません

日本

登場人物には特筆するものがありません

暗殺未遂事件の話は先ほど述べたとおり

ヴィクターの手記を見つけてからのシーンはほぼオリジナル
あそこも映画版ワトソンとフライデーの絆が確認できる良いシーンでした
ここに限らずフライデー絡みの改変はとにかく出来がいいですね

このあたりからロンドンに戻るまでは
ほとんど別物と言っていいくらいのオリジナル展開です

ザ・ワン

フランケンシュタインの怪物
チャールズ・ダーウィン
Noble_Savage_001
原作ではヴィクターによって造られたのではなく
ヴィクターが見つけ出し再起動させた古代文明の遺産のようです
その肋骨から生み出された彼の花嫁となる存在を
心変わりしたヴィクターが命を吹き込む直前に殺してしまったことが
メアリー・シェリーが脚色し記述した事の発端の物語という事になっています
映画版ではハダリーを花嫁に作り替えようとして失敗していますが
原作では虚空から花嫁を召還することに成功し
花嫁を連れて現場を去りそのまま行方知れずとなって終わります

おそらく原作を読んでいない人は
たいていの人がハダリーが花嫁になるシーンで
ワトソンたちが阻止して終わることをなんとなしに予測すると思いますが
ザ・ワンが花嫁を手に入れる原作の結末を先に知っていると
本当にどっちに転ぶかわからない手に汗握る展開でした

全体的に映画化における原作改変は成功だったと思います
やはりワトソンにフライデーという強い動機を与えたことが何よりも大きいでしょう
傍観者の代名詞でもあるワトソンを主役に据えたはいいものの
元来の傍観者としての性質と物語を動かしていく主人公の性質が
どちらも中途半端に発揮されてしまっているのが原作ワトソンです
よりアクティブなワトソンを用意して
傍観者となったのは事件後であると繋げた映画版のほうが
一味上手だった印象です{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

おかえり、フライデー。おかえり、ワトソン。そしておかえり、伊藤計劃。

2015年10月4日記載
多くのアニメを観ていると、中には観た人をおっ!? と驚かせるような作品が多く存在します。
心の中にぐいぐいと入り込んできて、次の展開はどうなるのか、キャラクター達がどのような運命をたどっていくのか気になってしまう。
そして一気に観終えた時、ああ、終わってしまった…という虚無感を与え、他の物事に手がつかなくなるほど影響力を与えてしまうような作品。
物語という物は人間の思考を大きくかき乱し、観てくれた人の何割かに何らかの感銘を与える。
それが人生を生きる上での指針として心の中で生き続けている人もいるほど強い力を持った媒体なのです。

それは小説でも同じことが言えます。
私にとって伊藤計劃とはそのような作品を生み出していた作家でした。
彼の作品は読者が予測すらできないほど引き込まれる力強いストーリー、誰も考えた事のない斬新な発想力、そして類稀なる構想と調査を重ねた魂の作品ばかりでした。
そんな彼も2作品目を生み出した後、3作品目のプロットを書いている途中で亡くなり、お蔵入りになったかと思われた3作品目も親友、円城塔氏によって完成したのも記憶に新しいです。
そして、昨年伊藤計劃3作品の映画が決まりました。生粋の伊藤計劃ファンとあっては観に行く行く他ない!! と堅く決意しており…


そしてついさっき『屍者の帝国』観終わりました。
もうね、圧巻の一言です…
原作とは変更点が数多くあれど、著者の伝えたかった事「意識・魂とは何か」というテーマを失わず、ただでさえ把握しにくい物語を2時間という限られた時間で理解しやすい形に持って行ったWIT STUDIOの方々に拍手を送りたいです。
しかも元々、この作品は伊藤計劃3作品の映画の中で最後に上映する予定だったとの事。
諸事情により『屍者の帝国』は前倒しになり、急ピッチで作られた作品であったにもかかわらず、ここまで凄まじい破壊力を持った作品を作れるとは、まさに感無量です。

そして内容について詳しくは伏せますが、キャラクターそれぞれが原作を読んでいる時よりとても魅力的に感じました。
主人公ワトソンが死んでしまった親友フライデーとの約束の為、仲間達と旅をしていく中で魂の本質、屍者が政治利用に使われている実態の真の意味を知っていく過程はもう見逃すことは出来ません!!

恐らく、今年のアニメ映画で一番と言える出来でしょう。
大大大、お勧めです!! 観に行くなら映画館で!!!
21グラムの魂は何処に存在するのか、ぜひ自らの眼で確かめてください。
そして、出来る事なら何度も見返してほしい。
これは観るたびに新しい発見、そしてラストシーンへの理解が深まる映画なので…
長文、ここまで読んで下さりありがとうございました!!

PS.
先の方も書いておりましたが、もし観に行くならメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』の概要は知っておいた方がいいかと…
最後らへんはその話が結構絡んでくるので…


2017年1月24日再追記
あの時の息迫る感動から早い物で、もう1年以上経っていたんですね…
今思うと、何とも感情に任せて書いた文章でいやはや、お恥ずかしい限りです(笑)
こうして過去を振り返ってみると、ここまで私が熱狂的になったのは時勢もかなり影響していたと感じます。
『屍者の帝国』が上映される前に分かった悲劇的事態
観ようと考えていた多くの方が不安、懼れ、戸惑い、衝戟に飲まれた事と思います。
しかし、皮肉な物か、そのおかげか、そのようなネガティブ要素が生じた事によって、今作は私にとっての「救済」と成り得たのです。
原作のストーリー、キャラをかなり改変しても満足できた衝撃の事実
あのスチームパンク的幻想世界、闇と暗黒に満ち溢れた希望もない世界を、巧みなまでに描写された事で得た満足感
そして何より、「伊藤計劃」の遺志を貫き通した親友、円城塔氏の彼に対する想いが、最大限尊重されて描かれていた2時間
これらを融合した事で生まれた映画『屍者の帝国』は、今でも「宝物」のように輝いています。
私にとって「希望」を生み出してくれた作品こそ『屍者の帝国』であり、伊藤計劃氏の伝えたかった事を昇華した答えが見事なまでに詰まっているといえるでしょう。

さて、今作から始まった長いプロジェクトは来月の「終わりの始まり」を上映する事によって、遂に終焉を迎えます。
ここまで至る道は1年以上に亘った大変長い物でしたが、何、なんて事ありません。
人間の魂に及んだ解答が1年と少しで解明されたんです、こんなに短い物は無いでしょう…
しかも、どうやら深夜に『屍者の帝国』と『ハーモ二ー』が放送されるそうですね、こんなに嬉しい事は無いでしょう…
私も深夜放送で「終わりの始まり」に至るまでの雄姿をもう1度拝見し、それから最後の戦場、ジョン・ポールとの戦いへ臨みたいと思います。
そして、「伊藤計劃」の全てが揃ったその時はもう1度全体を観るとしましょう、読みましょう!!
「物語…それは死してなお、この世界にあり続ける技術」

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さあ、行進しよう、とぼくは穏やかに呼びかけた。
のろまも、せっかちも、思い思いに。
足並みなんてばらばらでかまわない。
のっぽも、ちびも、僕らは歩く。
丘を下って。
人の営み、生活の匂い
それを運ぶ涼やかな風の上方へと。
伊藤計劃『The Indifference Engine』「The Indifference Engine」より
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投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

アーキテクチャの帝国

原作小説の印象が今一つ薄かったので細部の変更について十分に把握できてはいないが、主人公とフライデーの関係性が改変されていることが、映像化には大きく有効に作用しているようだ。
二人の関係の描写がややくどいような印象もあるかもしれないが、物語を駆動する主人公の行動の動機付けを強化することは、限られた時間の映像作品で思弁的な内容を展開するためには避けられない事だろう。

実在、非実在の様々なキャラクターが取り込まれ(主人公にしてからがそうだ)、その引用元の設定を暗示することで物語の「語り」上の情報量を増やす原作の手法に対し、本作ではその点はほとんど考慮されてはいない。

時間的に映像と共に展開する映像作品では、立ち止まって背景を考察する手法は使用できない。
キャラクターの背景についてはとりあえず棚上げして、映像の力で物語を進めてゆくが、その映像的な想像力は説明の浅さを補って余りある。
スチームパンク的な19世紀世界の情景は、有無を言わせぬ説得力で本作の「世界」を視聴者に提示してくるものだ。
シリコンチップ内の可視化できない電子の作用の代わりに、機械的に駆動される電脳ネットワークのビジュアルはこの「世界」の空気感を支配している。


{netabare}魂=(自)意識の宿る場所の探求という本作の主題は、次いで映像化される伊藤計劃の諸作にも共通するものだが、それら諸作と比較して、SF的に科学的なインスピレーションで解読を試みるものではなく、思弁に終始しているように思える。

SF的な解読の試みに欠けている分、本作の主題を呼び込むものは、伊藤計劃的な実存的な関心ではなく、社会的な領域の問題であるように見える。
そう、現代の社会で生きる上で否応なく感じさせられる欠落感が、魂=自意識の問題を引き寄せているようだ。

屍者が生者の下僕として混淆して営まれる社会は、しかし、生者が必ず死すべき存在である以上、生者は必然的に屍者に転ずる、両者が画然と区別される異質な存在ではなく曖昧に連続した同質の存在であると示している。
いわば「生者」は「屍者」の別形態であるのだと。

屍者をその部品として構成される社会システムは、したがって、生者もまた部品に過ぎないと暗示する。
「魂」の主題は、屍者=部品=生者というシステムへの反抗として立ち上がってくるものだ。

人間を部品化するディストピアはSFでは古典的なモチーフで、本作でもどこかグロテスクさを感じさせる屍者の労働の映像表現は、それを踏襲している。
が、本作の独創は、終幕で暴露されるMの野望だ。

屍者も生者も一律に「魂」を書き換えようという野望は、伊藤計劃の他作品にも共通するモチーフに見えるが、あくまで実存的な伊藤の主題化に対し、本作はやはり社会的な方向に照準しているように見える。

部品として、それでも個別の部品として管理される屍者=生者に対し、一律化して個別の管理を不要とするMの構想は、監視=規律権力の段階から、東浩紀に主導されたゼロ年代論壇で盛んに議論された、アーキテクチャ=環境管理権力への飛躍を示していると言えるだろう。

個々人の意識とは無関係に、アーキテクチャの管理で行動を管理し、意識せずにふるまうだけで社会は機能するよう設計するという環境管理権力は、ゼロ年代論壇では、欲望のままに行動するだけで良いという、社会参加の忌避を合理化してくれるオタクのユートピア的な楽観性で語られることが多かったようだ。

が、東日本大震災の衝撃でゼロ年代論壇が雲散霧消したように、オタクカルチャーからも本作のような形で異議は突きつけられている。

クライマックスで描写される、全てが屍者と化した社会で、屍者同士が演じる日常や社会活動の映像は、ゼロ年代論壇で賞揚された「動物化した人間」の「何も考えずに社会が維持される」ユートピアの行きつく先がいかにグロテスクなものであるか、はっきりと異議を申し立てている様だ。
アーキテクチャによって絶望が絶望と認識できなくなれば、「絶望」は消滅するのだというMの主張は、オタクの「ユートピア」の実相がどんなものであったのかを歴然と示している。

「魂」の特権性と、最後に屍者にも「魂」が宿る可能性を示して、作中ではアーキテクチャ権力の否定を打ち出したようには見える。
が、ラストで記憶を封印し、屍者のいない19世紀ロンドンを駆け回る主人公の描写で幕を閉じるものの、ホームズの活躍する19世紀ロンドンの世界が、アーキテクチャの支配する現代まで連続するものである以上、今でも進行を続けるアーキテクチャ権力に対して、問題を差し戻しただけと言えるだろう。


この先については、後続の伊藤計劃の諸作品に引き継がれていくのだろうか。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

76.7 3 イギリスで戦いなアニメランキング3位
ハウルの動く城(アニメ映画)

2004年11月20日
★★★★☆ 3.8 (1053)
6623人が棚に入れました
魔法と科学が同時に存在する時代。町の小さな帽子屋で働くソフィーは、自分に自信が持てない内気な18歳。彼女の住む王国では戦争が起きているが、それも遠い世界の話でしかない。しかし、町はずれの荒野に住む荒地の魔女の意地悪により呪いをかけられ、90歳の老婆の姿に変えられてしまう。家を出て荒地を放浪する彼女の前に現れた巨大な動く城。生きるために城の主で魔法使いのハウルに掃除婦として雇われるソフィー。

甘ったれで自信家のハウルに呆れながらも、彼の弟子のマルクルや、荒地からついてきた案山子のカブ、この城を動かしている火の悪魔であるカルシファーと家族のような時間を過ごすソフィー。風変わりなハウルとの生活に驚きながらも心を開いていくが、戦火は確実に彼らへ忍び寄っていた。

声優・キャラクター
倍賞千恵子、木村拓哉、美輪明宏、我修院達也、神木隆之介、伊崎充則、大泉洋、大塚明夫、原田大二郎、加藤治子

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

魔法と恋。世界はファンタジーに溢れている。

2004年公開のジブリ映画作品。

公開当時も一度観た記憶があるのですが、

話がよくわからず途中からまどろんでいたため、
「カルシファーかわいい。」な印象しかありませんでした。

改めてちゃんと観てみると、
ああなるほどこんな話だったのねとようやく理解できました(笑)

この作品は音楽がずば抜けて素敵!!


● ストーリー
帽子屋の少女・ソフィーは“荒れ地の魔女”に襲われ、
90歳の老婆へと姿を変えられてしまう。

呪いを解く方法を探す旅に出た途中で
魔法使い・ハウルの動く城と出会う。


序盤はとにかく「ソフィーがたくましい。」としか言いようがないw

ハウルという謎の魔法使いと接点があったとはいえ、
少女が急に90歳のおばあさんに変えられちゃうんだよ?

その次の日には旅に出るその行動力が素直にすごい。笑

道中も決して怯えたりひるんだりする様子がない。
(たまに老化を嘆いてはいたけれど。笑)

よくわからん城に入った後は当たり前のようにくつろぐわ、
掃除婦として誰の許可もなく勝手に居座るわ、

いやー「年をとったから」で説明つかんでしょうw
ソフィーたくましい…。

こういう精神でなきゃ人生はうまく渡れないのね、勉強になりましたww


≪ 恋 ≫

戦争が描かれていたりで、冷酷な印象もあるけれど、
柱に据えられているテーマはこれ。

ヒロインは90歳のおばあさんだけど、
恋をするのに年齢なんて関係ないのよ!
と言わんばかりのロマンチックさ。

むしろ恋するシーンでは若返って見えるソフィー。

恋をすると人はいつでも乙女に戻るのね…♪
恐るべし、恋のパワー。


● キャラクター
ハウルかっこいい!のかと思ったら
ショックなことがあると文字通り溶けちゃうぐらい落ち込んだり、
魔女に本気で怯えていたり、

なんだかよくわからないキャラです(笑)

まあ、全体的にはかっこいいんですけどね。
ソフィーの前では基本かっこつけてますもん。

cvはキムタク。

違和感はないかなーとあまり気にせずにいました。

が、たまに「まんまキムタク出てきたww」なところもあり、
それは笑ってしまったけどww


そしてやっぱりカルシファーがかわいい♪

ハウルとある契約を交わした火の悪魔。

動く城を動かしているのも彼だし、
カルシファーがいないと物語の設定の8割がたは成り立ちません(笑)

でもなんだかいじめたくなる可愛さ…(*´Д`)σツンツン


● 音楽
この作品の雰囲気づくりに欠かせないのが、音楽。

どれも耳に心地よくて素晴らしい♪

特に「人生のメリーゴーランド」は
3拍子のワルツが特徴的。

ジブリ音楽の中でも上位で好きですね♪


● まとめ
「今までのごたごたは一体何だったのか。」と言いたくなるほど、
あっさりとしたラスト。

正直ストーリーには「えー…(;´Д`)」と言いたくなったけれど、
まあ“恋”という柱はきれいに描かれていたので、

めちゃくちゃでつまらん、というほどではないかな。

しかしジブリは
やっぱり作画と音楽が好き。

空。緑の色遣い。ハウルの城の変な動き。からくりの動き。
そして雄大な音楽。

ここが楽しめたので、
観直してよかったなと満足しています♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

future☆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

スタジオジブリ作品、感想☆「ようやく守らなければならないものが出来たんだ、君だ」

.。o○ ○o。.作品情報.。o○ ○o。.

「ハウルの動く城」

制作:スタジオジブリ
監督、脚本:宮崎駿
音楽:久石譲
配給:東宝
上映時間:119分
原作:魔法使いハウルと火の悪魔
小説著者:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
主題歌:世界の約束
興行収入:196億円


.。o○ ○o。.あらすじ.。o○ ○o。.

魔法と科学が同時に存在する世界で、隣国と戦争している王国の、とある町。そこで、自分に自信が持てない主人公―ソフィーは、小さな帽子屋―ハッター家の長女としてお針子の仕事をしている少女。しかしある祭りの日、妹―レティーの元へ向かう途中で出逢った噂の魔法使い―ハウルと共に、長年ハウルを追う魔女―荒地の魔女の使い魔から町を逃げ回る。が、その晩、荒地の魔女本人が店に現われ、ソフィーにまるで90歳の老婆のような年寄りへと姿を変えてしまう呪いを掛けていく。翌朝、義母―ファニーに嘘を吐いて家を出たソフィーは、荒野で不思議なカカシ―カブにより、ハウルの“動く城”へと導かれる。

動く城の掃除婦となったソフィーは、実は甘ったれで臆病者のハウルに呆れながら、その弟子の少年―マルクルや、ハウルとの契約で城を動かしている火の悪魔―カルシファーやカブと家族のように時を過ごす内、次第にハウルに惹かれるようになるソフィー。しかし戦火は確実にソフィー達へ忍び寄り、ハウルの師匠―サリマンによる戦争への招聘を嫌がっていたハウルも「ようやく守らなければならないものが出来たんだ、君だ」とソフィーに言い残し、異形の姿で戦場へ飛び立ってしまう。

城に避難させられたソフィーだったが、ハウルを救おうとカルシファーを説得して城を動かし、逆に崩壊させてしまう。サリマンの使い犬―ヒンと転落した谷底で、目の前に残されていた扉から過去へ赴いたソフィーが視たのは、星の降る夜に秘密の花園でカルシファーと出会う幼いハウル。そんなハウルに、「必ず行くから未来で待っていて」と叫びながら現在に戻ったソフィーが目にしたのは、戦場からは戻ったものの怪我や悪魔との契約による負荷に蝕まれた、瀕死のハウルだった。涙を拭いたソフィーはハウルの命を救う為、ハウルとカルシファーの契約を解きに掛かる。


.。o○ ○o。.感想.。o○ ○o。.

ソフィーの「ハウルの力になりたい!」ってところで、ぐっと来ました...(*´∀`*)

スタジオジブリは、とても好きで同じ作品を何度も何度も繰り返して見るのですが、何回見てもスタジオジブリ作品はとてもいい作品です!

この作品を見てない方は、絶対見た方がいいです!

スタジオジブリ作品は、細かいところまで手を抜かずに書いているので、絵は綺麗だと思います♪

最後のカブについては、あまり触れませんでしたね...

カカシが動くっていうのに(実は)結構ビビりました...(沙*・ω・)w
(普通に怖かった...)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

我を通す!

原作「魔法使いハウルと火の悪魔」は未読。


「荒地の魔女」の呪いで老婆に変えられたソフィー。
彼女は魔法使いハウルの家で、清掃婦として働くことになる。


なんとも支離滅裂なストーリーです。

・ソフィーの冒険記
・ソフィーとハウルの恋物語
・戦争ストーリー

複数のエピソードを切り貼りしたような感じです。
主軸が定まっていません。
山場がどこにあったのかもわかりません。


しかし、そこはさすがジブリマジック。
どこに面白みを見つけたらいいのかわからない脚本を、それなりのエンターテインメントに仕上げています。
映像や効果音など、アニメーションとしての見せ方が上手なんですよね。
ソフィーが時によって少しだけ若返る描写など、さすがジブリという感じです。

配役も言われるほど違和感はありませんでした。
特にハウル役の木村拓哉は、よく合っていたのではないかと思います。
気になる人は気になるだろうけど……。


でも、ちぐはぐな展開はやっぱりひっかかります。
そこで、一貫したテーマ性を自分なりに模索してみました。

「大人の中にある子供心、特にわがままな点」

主人公のソフィーは老婆の姿。
しかし、中身は少女のままで好奇心旺盛。

ハウルはクールで大人っぽい印象。
しかし、幼稚な面を多分に持っています。
{netabare}
特に、髪の毛の色が変わったシーンが印象的です。
それまでのハウルとのギャップに驚いた人は多いのではないでしょうか。
{/netabare}
荒れ地の魔女や国王、サリバンなど、準レギュラーメンバーも同様です。
子供っぽいわがままな態度が目立っています。
「我を通す」という意味では共通していると思います。

これなら戦争というオリジナルの要素にも、ある程度筋が通ると思います。
戦争の原動力は「エゴ」だと思うので。
制作側がこれを意図していたかどうかはわかりません。
しかし、ひととおり見た感じではこの解釈が一番しっくりきました。

恋愛に関しても惚れた腫れたの描写はありませんが、一目ぼれってことにしてしまえばOK。
あとは「わがまま」で目標に向かってまっしぐらです。


まあ、ジブリ作品の中ではよくわからない部類に入ると思います。
伝えたいこともはっきりしません。
それでもアニメーションとしての面白さは持っています。
大ハズレということはないと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 52

68.6 4 イギリスで戦いなアニメランキング4位
黒執事 Book of Circus(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (490)
2800人が棚に入れました
街を賑わすサーカス団。しかし、彼らの移動とリンクするように街では子どもたちが消えていた。調査のためサーカス団に団員として潜入した、セバスチャンとシエル。そこで思いがけない人物…に遭遇する。サーカス団の隠された目的とは!?

声優・キャラクター
小野大輔、坂本真綾、宮野真守、高垣彩陽、甲斐田裕子、岡本信彦、寺島拓篤、泰勇気、新谷真弓、小柳良寛、三上哲、東地宏樹、梶裕貴、加藤英美里、藤村俊二、杉山紀彰、KENN、福山潤、立花慎之介、安元洋貴、田村ゆかり、遊佐浩二、矢作紗友里、諏訪部順一、菅沼久義、木村良平、前野智昭

nani-kore さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

3期キターーーけど。。ラストの後味の悪さがハンパない;

ウキウキ、ウッキウキ観始めたのだけど。。ラストの後味の悪さったら;
苦い砂を飲まされるようなクライマックスは九話から(八話からかも)。

(第九話)
え、シエル?
どーしちゃったの??
そんなア〇イスみたいな惰弱で残酷なシエル、おばちゃん観たくないよ。。

(第10話)
いきなり終わっちゃった。。後味の悪さを残したまま。
見た目からそそられる、甘くて美味しいケーキの中に、苦い砂のような異物が混入されていたかのようなラストです。
じゃりじゃりと、ハートにサンドペーパーをかけられた様な感じ。。

てな感じで、終わり悪ければ全てがと、残念に締めくくって良かとでしょうか?

八話まではシエル萌え天国でした、アーメン。
興味ある方、以下ご参照に。

**********************************

女子のための不動の名作、黒執事TVシリーズ3期来ましたね!!
シエルの可愛らしさがパワーUPして、どんどんショタへ走りそう。。
TVシリーズ2期で完結しているから、当然の成り行きでしょうが、物語の時期的には、1期の途中にあった事件がらみのエピソードみたい。
つまり、マダムレッドがあーなった後で、女王様があーなる前ですね。
詳しくは1期をごらんください♪

中間期エピソードで、OVA的な内容になるのかなぁと思いきや、シエルの、ファントムハイブ家の、あの惨劇に繋がるよーです。
つまり、物語の核心に迫るワケですね=33
そーいや2期でキレイに完結してたけど、シエルとセバスチャンの詳しいなれそめとか、サワリの部分がぼかされていたよーな。

EDラストのセバスチャン、文字通り、食べちゃいたいくらいシエルが愛おしそうな仕草がたまりません~3

以下、萌えどころを中心に感想。

(第一話)
ファントムハイブ家らしい日常、定番デス☆
シエルのおみ足にソックスを履かせるセバスチャン(今期、このシーン多くて好き♪♪)、どっちもうらやまスィ~;

(第二話)
女王様、まだご健在でなにより。。
危険なニャンコにからむセバスチャンにびっくり☆
シエルがネコアレルギーって、私も、私もだよっ、シエル~(#^.^#)♪

(第三話)
事件はサーカスがらみ?
でもイイコ達に思えるけどなぁ。。
庶民なシエルも可愛いです~~

(第四話)
なんと、あの人も潜入中とはっ!
例のあの人じゃなくて、まさかのあの人の方だよ!!
。。何しに来たのかしら?例の人より萌えるっスけど♪

(第五話)
熱にうなされるシエル。。くぅ、かわゆい~ぎゅううぅぅ~~
吸い飲みでお水を飲むシーンなんて、愛らしさの極致デス☆☆
ああもうっ!こんなん、誰だってショタになっちまうぜっ!!

(第六話)
まぁ、なんてイケナイ悪魔でしょう、セバスチャンは。。
王子様方が久しぶりに大騒ぎで大活躍、ナマステ~
ひよわな坊ちゃんは寝かされてしまいマス。Good night, baby☆

(第七話)
いよいよ敵地へ踏み込むゾ=33
病んだ男のヘンタイぶりにヘドが出ます、ぺっ!!
でもそのヘンタイを目覚めさせたのはシエルの愛らしさ。。うん、分かるぅ;

(第八話)
惨劇のトラウマがフィードバックするシエル。
シエルパパったら、セバスチャンにそっくり??おいしそーな美形っス;
ヘンタイ男は天誅でとーぜんだけど、サーカスの子たちは、ねぇ。。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19
ネタバレ

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ドラクエⅦの1エピソードのような話

2014年7月~ MBSアニメイズム枠にて放送
全10話

私は原作未読、1期は全話完走、2期は途中で断念という状態で視聴しました。

【1話で設定と世界観の説明を上手くまとめていた】
おそらく初見さんに配慮した話だと思いますが私のような所謂「視聴復帰組」にとっても1話で端的にわかりやすくまとめられていると色々思い出せて物語にすんなり入り込めました。普通3期まで続いているシリーズは途中で断念してしまうと中々また見るということも無いので非常に良い導入でした。


【OPの映像に魅せられて視聴継続を決意】
1話の最後にOPが流れたのですが映像がすごく格好良くて一気に視聴意欲が湧きました。
事前知識でどうやら「サーカス」が深く関わっていることしか知らなかったのですがその「サーカス」色を全面に出しつつオシャレでスタイリッシュな映像に仕上げていました、
そういえばサーカスって子供のころに木下大サーカスを1回見たきりですが何だか薄暗くてちょっと不気味だったなぁとこのOPを見て思い出してました。


【物語】
2話以降から「サーカス編」の開始
序盤はギャグを交えながら明るい雰囲気で進行していくも徐々に明らかになっていく闇とサーカスの真実。物語の緩急の付け方が非常に上手いと感じました。
あいだあいだで前作までのキャラが登場しますが初見向けの説明をはさみつつ基本ギャグで処理されて本筋にはあまり絡まなかったので全員を把握してなくても特に問題はありませんでした。
後半、ケルヴィン男爵が出てからは怒涛の展開、丁寧な伏線回収で見入りました。
ケルヴィン男爵役の茶風林さんの怪演がすごかった。
そして最終回、{netabare}サーカス団の面々は全員死亡、守っていると思っていたワークハウスの弟たちも既に・・・
本当に誰も救われない展開。
醜悪で残酷な人間の性をまざまざと見せつけられ良くも悪くも心にズシンと突き刺さる展開でした。{/netabare}
徹頭徹尾ピエロだったということですな。サーカスだけに


【総評】
全10話と1クールでも短めの話数でしたが急ぎすぎということも無く非常に丁寧に物語を進行していて最後はバッドエンドながらも説得力があり不思議とモヤモヤの残る印象はありませんでした。
ハッピーエンド至上主義なところがある私があまり悪いイメージをもたなかった珍しい作品となりました。
人体に欠損のある人の描写や拷問シーンは規制が少なく、細かいところで妥協の無い映像作りをしているなぁという印象。
1期、2期ともアニメオリジナル要素を入れながら一定の評価をされたシリーズが今回初めて完全な原作再現を果たし、個人的には今回1番面白い黒執事を見せていただいたので是非続編も見てみたいと思いました。(OVAでは出るみたいですがやっぱりTVシリーズがいいよね!)

【レビュータイトルについて】
{netabare}完全に余談
ドラクエⅦはシリーズ屈指の鬱エピソードが多いことで有名です。
最終話で荒廃したワークハウスの悲しくも美しいシーンを見たら妙にドラクエⅦを思い出してしまいました。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

双葉。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「美しき残酷な世界」とはまさにこれだ!(・∀・)

タイトル、分かる方に何となく分かって頂ければそれで良いです(笑)

原作既読(アニメ1,2期視聴→原作→本作視聴です)。
1期は途中から原作と話が変わり、2期もアニメオリジナルということで
次は期待できないかと思っていたんですが何と来た!!
漫画ではモノクロだったサーカスが、アニメになることでカラフルな世界に変わり、今までの私の印象もガラッと変わりました。
とても嬉しいことだ!

【物語】
所々笑えるところはあるものの、全体的に暗いお話。
血が大量だったり、とにかく色々不純でした...(笑)
それでも何故か、黒執事の世界は美しいと思ってしまうんですよね!
不思議です。

原作で読んでいたので展開に驚いたり、というのはなかったですが
本作は結構原作に忠実だったので楽しめました。
そしてシエルとセバスチャン&ファントムハイヴ家の使用人たちの主従関係もよく表れていました!
他の方もレビューに書かれているように、{netabare}サーカスVS使用人のシーンはかなりかっこよかったし、意外に感動があります。{/netabare}


【キャラ/声優】
今までの豪華声優陣に加え、サーカスの面々も豪華過ぎです。

(敬称略)
セバスチャン・ミカエリス-小野大輔
シエル・ファントムハイヴ-坂本真綾

ジョーカー-宮野真守
ドール-高垣彩陽
ビースト-甲斐田裕子
ダガー-岡本信彦
スネイク-寺島拓篤
ピーター-秦勇気
ウェンディ-新谷真弓
ケルヴィン男爵-茶風林

セバスチャンとシエルの声は、6年経っても変わらなかった...!
2人共、凄く良い声で大好きです。
あと、スネイクの寺島さんは素晴らしいですよ~。
きちんと「蛇の使い分け」をしてました!!
{netabare}しかも5話の次回予告では15役全部に挑戦!
面白かったので是非耳を澄まして聞いてみてください。
スネイクは黒執事の中で多分一番好きなキャラです!{/netabare}
ジョーカーは、活字体だとあの似非関西弁も気にならないんですが
声になるとウザさがあったかな(ちょっと悪い意味でw)。
見た目が子供のまま成長しないブランコ乗りのピーターとウェンディ、
ケルヴィン男爵の声はイメージと違ったので残念でした。

【作画】
今までと変わらず、美麗でアクションシーンも素晴らしい絵でした。
(私は原作の方が好きなので減点してしまいましたが^^;)
OPが良かったです。

【音楽】
黒執事の主題歌は、曲自体はあまり好きではないんですが
絵とマッチして世界観が上手く表現されているところが良いです。

OP-ENAMEL/シド
ED-蒼き月満ちて/AKIRA

【全体を通して】
1期、2期、本作の3期、そして映画化...
と、さらにアニメ黒執事の世界は広がっていきますね。
流石の人気です!
個人的には原作を続けて読むのがおすすめなので、アニメを観て気になった方は是非そちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

72.2 5 イギリスで戦いなアニメランキング5位
アンデッドガール・マーダーファルス(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (224)
689人が棚に入れました
19世紀末。吸血鬼・人造人間・人狼など、異形な存在がまだ暮らしていた世界。首から下のない不老不死の美少女探偵・輪堂鴉夜が、“鬼殺し”の異名を持つ半人半鬼の真打津軽と、彼女に付き従うメイドの馳井静句と共に、怪物専門の探偵 “鳥籠使い”として数々の事件を解決しながら、鴉夜の奪われた体を探してヨーロッパを巡る―――。
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

究極のグノーシスヒロイン登場!?

●「名前のない怪物」が宿る場所

今回触れるべき話題は「名前のない怪物」が生まれる背景的なことでありますが
この件は究極のネタバレにもなり兼ねませんのでさらりとこなして別件に進むことにいたします。

「バンケット」とは{netabare}「宴会」や「宴」のことでありますが個人的解釈では
「ダークギャザリング」と同じ意味になるのであろうと推測いたします。

「晩餐会」とは「最後の晩餐」を意識しているとも考えられますが
「前夜祭」とも考えられるわけであります。

前夜祭と言えば宗教行事ということになりますが、本作との関係性で考えるならば当然
【呪術文化】に絡む宗教行事になるのでありましょう。

アニメには「裏設定」というものがあるのですが、それと同じように
「裏テーマ」というものもあるようであります。

「メイドインアビス」のプリンセスファプタや成れ果てたちそして
「天国大魔境」のヒルコに共通する裏テーマは「進化」であります。

「キメラ」という人工生命体を作る秘術が【錬金術】というものでありますが
詳しい話は「ライザのアトリエ」の方にでも譲るとして、ざっくり言うなら
【ボアズとヤキン】という2本の柱を掛け合わせて融合するという発想でありまして
女神転生みたいに?新しい生命体が生み出されるわけであります。

これは禁断の秘術でありまして、もしかしたら【カバラ】と一致するのかもしれません。

「バンケット」なる組織は新たなる種族を創造しようと目論んでいるようですが
それが「名前のない怪物」なのか、人類の救いとなるのかは未だ定かではありません。

そんなわけでここからは現実世界の「生首事件」について言及いたします。

事件の詳しいことには触れずこの事件に関わった「被疑者R」についての情報を記載します。

「被疑者R」の趣味とコレクション
・ゴスロリ
・パンク
・仮面
・黒魔術
・髑髏の置物
・ジャックスケルトン

「ゴスロリ」は「ゴシックロリータ」のことであり小学生当時の「R」が好んだ
ファッションでありまして、特に気に入っていたブランドが「h.naoto」ということであります。

「デスノート」のミサミサもこのゴスロリファッションをしておりますが、パンクの要素も
入っているのが偶然にしては出来過ぎと思えるくらいのシンクロ率であります。

ゴスロリと言えば黒色基調のパターンが多いのでありますが、何故黒かと言えば
当方の個人的解釈によればゴスロリが【堕天使】を題材にしているからであるということになります。

「パンク」と言えば「反体制」や「反発」的な意味合いがありますが、【堕天使】とは
神に背く【反逆者】でありますので両者のイメージは一致するわけであります。

「黒魔術」と言えば【フリーメイソン】であり、【ドルイド教】の【ドルイド】が使っていたもの
であるとも言われておりまして、早い話が【オカルト】であります。
【オカルト】と言えば、【バビロン、古代エジプト、ケルト】などの【呪術文化】と
当然繋がるわけであります。

小学校の同級生の証言によりますと「R」の部屋には本物の髑髏の置物があったという話であります。
髑髏と言えば秘密結社【スカル&ボーンズ】であり、【ケルト人】であります。
【オカルティスト】はグロイものを好むようです。

「ジャックスケルトン」は骸骨のアニメキャラでありますが、要するに【スカル&ボーンズ】であり
「ハロウィンパーティー」の【ジャック・オー・ランタン】と関係性があるものと考えられます。

「ハロウィン」の元ネタは【ドルイド教】の【サウィン祭】でありまして
10月31日は「前夜祭」に当たります。

「バンケット」には「宴」や「前夜祭」といった意味がありますが、
これはただの偶然でしょうか?

そしてついに触れてはいけないタブーに該当する「R」のコレクション
「仮面」について触れてみたいと思います。

「仮面」とはタキシード仮面やセーラーV、美少女仮面ポワトリンなどが付けているものであります。
他にもアイドルのミステリーキッスやアザリエも変態仮面仲間であります。

「仮面」のことを【マスカレード】と言いまして【仮面舞踏会】のことも意味します。

【マスカレード】は貴族文化でありまして、発祥が【ヴェネツィア】であるということですので
当然【ヴェネツィアの黒い貴族】が絡んでくるだろうという推測が成り立つわけであります。

「黒い貴族」とは「褐色の肌を持つ貴族」たちのことであり、つまり
【フェニキア人】であったなどと言われています。

彼らの行う【晩餐会】でありますので当然「宗教的な儀式」ということになります。
そんなわけで【マスカレード】とは貴族特有の文化で、それは
【乱交パティー】であったなどという説が生まれるのでありました。

貴族文化である【マスカレード】の秘密を命がけで暴露しようとしたのが
映画界の巨匠「スタンリーキューブリック監督」でありまして、彼の遺作
「アイズ・ワイド・シャット」では秘密の儀式の一部が暴露されております。
https://youtu.be/k1Q7aCzpEuk

この監督が大成功を収めた背景には当然の如く、「出資者」という計り知れない程強大な存在が
いたからでありますが、自分の実力とは関係なく出来レースみたいな感じで結果が決まる映画業界の
在り方について監督本人のプライドがどうにも許容できなかったようで
命がけの暴露でもって一矢報いようとしてこの遺作を作ったとのことであります。

しかしながら貴族文化の闇を完全暴露するはずだったノーカット版は封印され
彼の願いは叶わなかったようであります。

それでも「アイズ・ワイド・シャット」を見れば【マスカレード】が特別な儀式であり
彼らの思想が濃厚に反映された「宴」であることが、なんとなく理解はできるので
それが唯一の救いであると言えるのかもしれません。

【ヴェネツィア】にいたのは【黒い貴族=フェニキア人】ですが「アイズ・ワイド・シャット」の
「仮面舞踏会」が「ハロウィンパーティー」に酷似してるのが少し妙であります。

しかしながら【ヴェネツィア】に伝わる伝統的な祭りでは実際に「ハロウィンパーティー」のような
奇妙な仮面を被るのは事実のようでありますから、【フェニキア人】と【ケルト人】の文化は
予想外に似ていたということなのかもしれません。

・ゴスロリ・パンク・マスカレード・黒魔術・髑髏の置物・ジャックスケルトン
これらは被疑者「R」の趣味嗜好であり、彼女の思想を解明する手がかりであります。

ざっくり言えば「R」は【オカルティズム】に毒されているわけですが、酒鬼薔薇聖斗のように
儀式めいたことをするならば、それはもはや【サタニスト】ということになります。

「名前のない怪物」が心に宿ると人は【オカルティスト】となり
【サタニスト】になるのかもしれません。

「生首を愛でる」価値観や正当化できる理由が「R」とは別にあるとしたら
それが何なのか是非ともお伺いしたいというのが個人的な意見であります。

【マスカレード】は紳士淑女の変態的晩餐会であります。
「生首を愛でる」趣味嗜好にも同じような変態性を感じます。

冷静に考えれば【グノーシス主義】とは倒錯した価値観の表明でしかないのですが
そんな【グノーシス主義】的な本作のヒロインに何か特別な意味があるのでしょうか?{/netabare}

●カリスマ黒魔術師

モリアーティー教授御一行の中に{netabare}切り裂き {/netabare}ジャックなる人物がいますが
その犯人像は「変態的英国紳士」だとも言われています。

英国名物の英国紳士でありますので、当然それに対を成すのは貴婦人でありまして
カーミラなるキャラが登場するわけであります。

{netabare} 吸血鬼カーミラはレズビアン的性癖があるようですが、その元ネタと言えば
もちろん「現実に存在した吸血鬼」=血の伯爵夫人【エリザベート・バートリー】であります。

「血の伯爵夫人」については語るべき要素が多々ありますがここでは単純に
「変態貴婦人」であったことを強調しておきましょう。

紳士と貴婦人の「とある変態プレイ」は貴族文化を象徴的に示すものでありまして
それ自体がタブーでありますが、その変態性思想について本作に相通じるところがある
現実で発生した「とある殺人事件」と関連付けて、ある種の思想性、つまり
【グノーシス主義】についての解析を行おうということでありまして、現実と創作を関連付ける
という行為はある意味最大のタブーとも言えますが、敢えてリスクを冒してでも、
思想の秘密について暴露して参ろうという話であります。

それについては来週の話になるでしょう。

先に言及すべきは現実に存在した【黒魔術師アレイスター・クロウリー】であります。

【黄金の夜明け団】というある意味【フリーメイソン】のような秘密結社に属し
【黒魔術】を研究していたカリスマ的存在でありまして、そっちの界隈では
絶大なる影響力を発揮していました。

「ヒッピー文化」や「ニューエイジ運動」などもこの「カリスマ黒魔術師」の思想的影響を受けたものでありまして、同性愛を是とするヒッピーの価値観も
【クロウリー】自身が「バイセクシャル」であったことに関係すると考えられるわけであります。

LGBTの思想的先駆者であった「カリスマ黒魔術師」、同じように現代のLGBT
推進論のカリスマである【レディー・ガガ】、そして「L」の傾向が見られる
【血の伯爵夫人エリザベート】、この三者に共通する思想性を示すなら
【サタニズム】ということになるでしょう。

「思想的LGBT推進論者」は【サタニスト】であります。

【サタン】とは【反逆者】のことでありまして、
それは「モーセの十戒」に「反逆する者」であり
「創造主ヤハウェ」に「反逆する者」であります。

創造主は、男のアダムのために女のエバを生み出し、
互いを思い、愛し合うことを望んだのでありますが、
【反逆者】は男と女が愛し合うことに反逆して敢えて同性愛を選ぶのであります。

【サタニスト】とは同性愛が是か非かよりも【反逆】自体に重きを置く人種でありまして
ある意味反抗期の子どもみたいなへそ曲がりであると言えます。

【アレイスター・クロウリー】は【チャネリング】が得意でありまして
エジプトのピラミッドの下に眠る【トート神】と【チャネリング】をしたということであります。

【チャネリング】とは【シャーマン】などが使う秘術でありまして、ドラッグを服用し
普段使われていない脳の部分(松果体?)を活性化させ、神秘的幻想体験の中で
神や悪霊と繋がり、啓示を受ける類のものでありまして、神降ろしの儀式とも言われます。

ドラッグと言えば当然の如く「ヒッピー文化」に繋がるわけですが、
「ニューエイジ運動」とも深い関係性があります。

日本では「ニューエイジ運動」というとあまり聞きなれないものでありますが
日本では「スピリチャル系」という名前でかなり広範囲に浸透しておりまして
少し前のことになりますが日本の若者が、「アヤワスカ」なるドラッグがもたらす
神秘体験を求めてわざわざアマゾンの奥地まで赴くということが一部でブームとなった
ことがありまして、この事例により神秘体験に対する関心が異様に強い「スピリチャル系」
なる謎人種が日本にも意外といるということが見えてくるという話であります。

「黒魔術」に「神秘体験」に「スピリチャル」、早い話が全部【オカルト】でありまして
聖書で「やってはいけない」と記される【サタニズム】の行為と【オカルト思想】が見事に
リンクし【ドルイド教】などの「古代宗教」と【オカルト思想】も見事に繋がるわけであります。

6話で生首女が車に轢かれグシャりましたが、何故そのような描写を挿入するのでしょうか?
何故【アレイスター・クロウリー】?
何故【エリザベート・バートリー】?
何故【アンデッド】?
何故【生首】?

「生首」というのはとても重要であるのかもしれません。
「生首」はタブーとも言えますが、【グノーシス主義】的にはそれこそが
肝であると言えるのかもしれません。{/netabare}

果たして、「生首」の思想性とは如何なるものでありましょう?


●英国紳士は変態プレイを好む

真打登場して駄洒落で落とすというバルス展開は悪くもないとも思えますが
{netabare}「吸血鬼」も「鬼」も同じ「鬼」であり【デーモン族】であるのに「鬼」の攻撃力だけ
チート級に高いという設定には微妙なものを感じました。

肉を食らい血を飲むのが「鬼」であり、【ネフィリム】であります。

【ネフィリム】は【堕天使】と人間から生まれた「ハイブリット」の眷属でありまして
早い話が「怪物」でありますが、【巨神族】とほぼ同じの【鬼神】に比べると
「吸血鬼」は体格も小さく人間に近いという解釈もできないこともありませんので、
より【堕天使】の血が濃い【鬼族】の方が攻撃力が高いという発想ももしかしたら
間違っては無いのかもしれません。

しかしながら真打の芸人が証言している通り「人と怪物は共存なんてできませんよ」
というのは真理でありまして、「吸血鬼」も「鬼」も【ネフィリム】であり、
怪物でありますので、ゴダール卿が目指す人類との共存という理想と彼の家族ごっこは
「悲劇」どころか、「喜劇」でしかないというがこの話のオチであります。

伏線回収は相応に巧く「血は水より濃い」という言葉の通り、【ネフィリム】の一族の独特の血統
故に息子が見事に【優生思想】丸出しの思考回路に染まっていまして、
下等な人間族を見下し、人類との融和路線をぶっ潰す暴挙に出るわけであります。

【グノーシス主義】が目指すものは人類との共存ではなく、支配であり飼育でありまして
何故ならば【ネフィリム】の種族の方が力があり優秀だからということであります。

「創造主ヤハウェ」が純血の種族であるユダヤ人に【カナーン人】を聖絶せよ(=滅ぼせ)と
命じたのも血統の性質により両者が共存するのは不可能と判断したからと推測されるわけであります。

鬼族、巨人族、ヴァンパイア、エルフ、ドワーフ、魔法少女、ネクロマンサー、ポケモン等々
これらすべては怪物であり、【ネフィリム】の血統の為人類との共存は根本的に不可能でありまして
そのことについて一番よく知っているのは【優生思想】に毒されている彼ら自身であります。

しかしながら【ネフィリム】の血族は知能が高いため、争いの原因は人間族が
差別的で好戦的であるからであると責任転嫁のフィクションをでっち上げるわけであります。

亜人種などが人間により差別され冷遇される類の話が腐る程蔓延してますが
すべては【グノーシス主義】に毒された確信犯の仕業であります。

「生首女」と「成れ果て鬼」のコンビが出てくる時点で本作も【グノーシス主義】の影響を
受けていることは明白ですが、【優生思想】に毒された典型的というべき貴族を登場させ
それなりに真実を描いているだけ大分マシと言えるような気もします。

黒幕の謎の「M」が英国紳士だとしたら、スパイ映画「007」の「M」ということになるでしょう。

確かに見た目は「モリアーティ教授」ですが、明治維新や明治政府との関係で考えたら
「M」は英国の諜報機関「MI6」であるように思います。

「MI6」や「モサド」、「CIA」の創設にかかわった「陰の実力者」と言えば
【アイゼンベルグ】という名の「ユダヤ人」であったと言われていますが、
ユダヤ教を信じているはずのユダヤ人が世界の黒幕であるとする「ユダヤ人の陰謀論」の類の理屈は
思想的に言えば完全に本来のユダヤ主義と矛盾しており、むしろ反ユダヤ主義的であると言えます
のでユダヤ人と敵対関係にあった【バビロンの種族】の残党であるところの【フェニキア人】が怪しいという結論に至るわけであります。

英国紳士の中でもとりわけ大富豪が鬼畜であった理由としては、切り裂きジャックの件もありますが
やはり何と言っても【英国東印度会社】による悪行の数々が決定的でありまして
その株主、資金提供者は誰なのかと言えば、英国の有名な金融マフィアや同じような
欧州の金融関係者に、莫大な資産を持つ王侯貴族の類ということになるでしょう。

金の亡者どもの資金ルートを追うとすべては繋がるという話でありまして
陰謀機関であれ、秘密結社であれ、何かの組織を作るには莫大な資金がいるという時点で
そのような資金を出せるような陰の実力者に相当するクラスの人物ならば自ずと
的が搾られるわけであります。

「M」は「MI6」の意味もあるでしょうが、【ジャーディン・マセソン商会】の
「マセソン」の「Ⅿ」とも考えられるわけであります。

【ジャーディン・マセソン商会】は【東印度会社】の系統でありまして、この商会の
「長崎代理店」と言うべきものが【トーマス・グラバー】が設立した【グラバー商会】であります。

【トーマス・グラバー】なる商人こそが長崎を拠点に坂本龍馬などを取り込んで
意のままに操り、明治維新という日本の近代化を仕込んだ工作員と言われる人物でありまして
明治維新の立役者と呼ぶべき英国紳士でございます。

【グラバー商会】の背後には【ジャーディン・マセソン商会】があり、それには
【香港上海銀行(HSBC)】が絡んでいたことから、英国の有名な金融マフィアである
【ロスチャイルド家】に繋がるわけであります。

英国紳士は金稼ぎの「鬼」であり、金儲けの為ならば何でもやる潔い生き方を貫く
変態種族でございます。

なぜそれ程までにポリシー貫けるのかと言えば、恐らくは彼らの血統に秘密があるのでしょう。

【ネフィリム】とは【堕天使】と「人間」のハイブリットであり、
「巨人族」であり、「鬼族」であり
そして力ある勇者、名の知れたものであったと言われています。

勇者は【黄金の魂】を持ち、その能力を発揮して「王」となるわけあります。
【黄金の魂】を持つ種族だから【優生思想】に毒されているというのは辻褄が合う話であります。

優れた種族がより劣った種族を支配するという発想自体はとりあえずは理解はできます。
しかしながら「彼ら」との共存はそもそも無理というのが結論であります。{/netabare}



兎にも角にもアニメアンチの知ったかぶりをまずは披露させて頂きますと
本作は「魍魎の匣」のぱくり、いえ、オマージュ作品であります。

如何にも見世物小屋の客引き名物になりそうな感じの「生首女」の元ネタは
「魍魎の匣」に登場する美少女でございます。

魔法少女と言えば聞こえはいいですが、要するに魔女でありまして
{netabare}魔女と言えば醜い老婆であり、早い話がグロであります。

本来ならば見た目がグロの悪役側である、魔女や鬼族やネクロマンサー、吸血鬼、エルフに
魔王、ドラコニアン、進撃の巨人とか、無理やりデフォルメ美化させて、主人公やヒロインなど
主要キャラに抜擢しあべこべな捏造しちゃうような思想傾向を【グノーシス主義】と言います。

ということで本作の生首アンデッドモンスター娘もグノーシス主義ヒロインということに
なりますが、いい加減ネタ切れのようでありまして、「魍魎の匣」のキャラをぱくっ、いえ、
オマージュしたのでありましょう。

まったく面白くないわけでもありませんし、むしろ粋な会話劇などには好印象を抱きますが
コメディ路線の本作が「魍魎の匣」を越えられるかどうかは定かではありません。

敢えて「魍魎の匣」に喧嘩を売ったのならその意気込みは買いたいところですが
如何せん【グノーシス主義】という自己満足傾向がある作品には加点するよりも
減点するバイアスの方が強く働くのは宿命と言うべきかもしれません。

「匣入り娘(=生首)は粋だ!」という感覚こそが【グノーシス主義】の最たるものでありますが
「マイホームヒーロー」の頭蓋骨も含めて、【スカル&ボーンズ】的な悪趣味性には
いい加減自重を要請したいところでございます。

例えば吸血鬼をヒロインにして、人間から差別されるとかいうパターン
そういうのはもううんざりするほど見飽きたので2度とやらないで欲しいというのが
当方の個人的願望といいますか、率直なアレルギー反応の表明であります。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

評価修正。作品の完成度は高いけど3つ目の話以外は物足りないかも。

 本作は3つの話に区切れていましたが、1つめの話のときはスノビズム臭が強くて「本格推理」のトリックのデータベース紹介を、オカルトと合わせて視点のズラしを狙った作品なのかなあと思いました。

 1つめの話は本格推理として、若干アラは感じますがその狙いが上手くいっていて、オカルト設定を絡めながらフェアな本格推理として成立していることに関心しました。が、まあ面白いけど飽きるかなと思いました。

 しかし、2つめの話で突然ロンドンで恥ずかしいくらいの「有名どころ」を集めて活劇を始めました。アレ?と思いましたが、結構引き込まれて行き、結果的にかなり面白いです。ルパンVSホームズ的な作品の中ではかなりレベルが高いと思います。

 話はベタな予告盗難もので、トリックというよりは仕掛けですが、これの仕掛けの大がかりですが説得力がありました。展開もいいです。主要3人のキャラも立ってきて愛着がわき出すのもあるでしょうが、上手くゲスト・サブキャラと絡まっていました。

 そして、3つめ。この活劇のままで行くのかなと思ったら、また視点が変わりました。〇〇モノと書くとそれだけでネタバレになるので書きませんが、舞台設定とキャラの動き、そして肝心な幹になるストーリーが絡まって面白い、迫力がある、考えさせられる話になっていました。

 本作全体が、推理+オカルトという題材でしたが、3つの話でその方法論が違うのに、主要キャラ・サブキャラの動きに違和感がありません。これは原作者が相当優れたストーリーテラーなんだと思います。

 推理スノッブの人でもそうでない人でも楽しめる上に、ラノベ的な痛快さとキャラ萌えを両立できていると言えるでしょう。

 それを支える作画、美術、演出、声優さんの演技、構成などなどすべての要素の水準が高かった思います。OPとBGMの水準も高いと思います。

 テーマというか作品の構造ですが、仮面ライダー的あるいは人魚伝説的な根底にある不幸と、ゲストキャラの素性の悲惨さで、決して軽いだけの作品ではないです。
 ですが、それを覆い隠すエンタメ要素があるので表層ではまず楽しめる。けどやはり感じるもの、考える素材も提供してくれる感じです。1クール作品としての完成度はかなり高いのではないでしょうか。

 あまりこの辺、作品の構造を詳しく書くとネタバレになるのでこれくらいにします。シリーズとしては、主要キャラの目的は達成できていませんが、逆にもっと続いて欲しいと思わせてくれました。

 今期のアニメ、途中で嫌になる作品が多く、あまり完走した作品は多くありませんが、いまのところ作品の出来としては本作がナンバー1かなあという気がします。
 ただ、この作品を面白がれるかどうかは、人を選ぶかもしれません。その要素は…言わないでおきましょう。一つだけ言うと推理小説が好きかどうかは必要条件な気がします。

追記 23年夏のベスト1にあげていましたが訂正です。3番目のエピソードは深みがあって面白かったし完成度は高かった。ここは高く評価していいと思います。
 真ん中のエピソードは活劇として面白かったですが、ドタバタ劇だったかなあ…ここの評価は下げたいですね。
 本格推理のところも、トリックの壮大さとかハッとする感じではなかったかな。ただ、オカルトと本格推理の組み合わせは良かったです。

 評価4.7でしたが、4.3に修正します。夏の中では良かったほうには変わりないですが、ナンバー1ではないですね。



以下、視聴時の感想です。

3話 「その怪物を殺す独特な方法」による殺人を推理する?首だけの意味を出せるか?

{netabare} 1話目を見ると、初め題名にマーダーが入っているし、頭だけの存在=頭脳で勝負するという感じで、探偵ものかな、と思って見ました。
 なんだ、妖怪もの?という感じで、ただ、話の建て付けは、石ノ森章太郎氏的な改造人間の悲哀とか、人魚伝説のような不老不死の物語のような感じでした。

 ところが2話です。やっぱり探偵かい!というツッコミを入れたくなります。急におどろおどろしい感じが無くなって、古き良き探偵ものの始まりです。完全な頭脳だけで勝負の安楽椅子探偵というのがありますが、この作品は首だけでも動き回るのが面白いところですが、その首だけ設定がどこまで生かせるか?

 現状では首だけというのは、画面と設定としての面白さ以外には、あまり効果的ではないです。首だけだからこその探偵というのが描けるかどうかでしょう。あるいは、不死・改造人間問題がありますので、焦点はそこだけなんでしょうか?だとしたら、探偵ものとして描く必要があるか、です。

 Mでシャーロックホームズがいる世界ですから、オールマイティーの悪役である、モリアーティーだとしたら、ちょっと笑ってしまいますが。
 本格の推理作家の人はシャーロックホームズをネタに使い勝ちです。ですが、シャーロックホームズ的な推理はジョークネタとしてはやっても、肝心な部分の推理の組み立ては「君のシャツのエリは…」ではないと思います。

 少なくとも「ノックスの十戒」を守るとは思います。殺人に関する探偵ものとしては、トリックのズラしとして「その妖怪・怪物を殺す特有の方法」がミソっぽいですね。そこ以外は多分フェアにヒントと証拠を入れてくるのでしょう。

 ということで、設定を活かしきれるかどうかという不安はあるものの、結構妖怪殺人の探偵という流れは面白いです。
 なお、メイドはロベルタにしか見えませんでした。

 それと声優の黒沢ともよさん、さすがですねえ。あの生首っぽい声がだせてます。クレジット見るまでわかりませんでした。
 なんで生首が声だせるんだ?空気漏れないの?という疑問はさておいて。{/netabare}


4話 ちゃんとフェアな推理小説の形式になっていると思います。

 本作はやはり本格推理の様式に乗っ取り「その妖怪の特性」を作中で提示することにより、読者(視聴者)も推理可能な証拠を提示していると思います。ただ、吸血鬼編は3点ほど理解できてない部分がありました。

 ネタバレになるので未視聴の方はご注意を。

以下、トリックのネタバレ含みます。気になる点3つ。
{netabare}

1つめ。 氷のナイフによる殺人というのは非常に古典的な方法でつららを凶器にするなど、さまざまなバリエーションがります。
 そもそも、氷の凶器で人を殺せるか問題は議論があるところですが、本作は推理の古典的様式にのっとっているのでそれは不問とします。

 本作の問題は吸血鬼の弱点として「銀の杭なら殺せる」というミスリードが上手いかどうかです。
 というのは、聖水でやけどするのは明示がありましたが「聖水で殺せる」というのが明示されていない気がします。
 アリバイ工作の銀の杭が、唯一の殺せる武器だとも言っていないので、間違いではないのでしょうし血液のトリックが活きる部分ではあります。しかし、単なる杭でも心臓に突き刺せば殺せるのでしょうか?そうすると、普通の氷でもいいんじゃね?という気もします。やはり銀の杭の代替として聖水は機能するという説明は必要だったのでは?
 それと銀の杭の破壊力から言って、傷口が綺麗すぎるというのもあると思います。名探偵なら気が付くと思いますが、どうでしょうか?

2つめ。左側の血液が少ない…と言っているのは血液を採取したからという画でしたが、説得力あるかなあ?。衣服の上を流れる血液をビンで採取したんでしょうか?それにそんな左右で差がでるくらい左から採るという状況が物理的に分かりません。

3つめ。穏やかな笑顔で死んでいた、といいますが、その伏線回収が弱いです。心臓を貫かれて即死にしても、表情は変わるのでは?息子が犯人だから覚悟して穏やかに殺された、とならないと説得力がありません。本格でわざわざ言うからには、そこの説明は必要でしょう。寝てたからで終わりでしょうか?{/netabare}

 もちろん初見ですので、見落としているかもしれませんが、ここは後でフェアだったかどうか考察したいところです。

 と文句もありますが、行き詰ったジャンルとしてのパズル的な本格推理に古典的で知名度が高い妖怪の弱点を組み合わせたのは面白いところです。
 本格推理は「人が描けない」ことも特徴ですので、メインキャラへの感情移入は難しいでしょう。つまり、首だけ=頭脳の役割、鬼は怪異を殺せる以上のキャラ付けではない気もします。

 それと、予告編で今後の登場人物出てましたね。モリアーティまで出てました。これは興をそがれるなあ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大乱闘大衆カルチャーブラザーズ

“怪物一掃”が推し進められる架空の近代世界。
鳥籠の中に佇む主人公の“不死”の生首女探偵・輪堂鴉夜(りんどうあや)
半人半鬼の“鬼殺し”真打津軽(しんうちつがる)
鴉夜(あや)に仕える色々な意味でクールなメイド・馳井静句(はせいしずく)
怪物専門の探偵グループ“鳥籠使い”の3人が、鴉夜の奪われた身体を探し求め、
欧州各地を巡り、怪異事件を解決していく。
同名小説シリーズ(未読)の連続アニメ化作品(全13話)


【物語 4.0点】
一応の基本ジャンルは伝奇ミステリーですが、
ルパンやホームズなど誰もが知っているようなフィクションの登場人物との絡みあり、
真打津軽らとヨーロッパでお馴染みの怪物とのバトルもあり、
五体が不満足どころか皆無な鴉夜が繰り出す自虐ネタのノリは落語の小噺のようでもある。

近代は、教育の普及による庶民の識字率の上昇と共に、
彼らに向けた大衆文学や新聞などのマスメディアが急速に発達した時期でもあります。

本作の近代世界においては“怪物一掃”により、
怪物は人間を襲撃せず共存を誓った「親和派」以外は撲滅される一方。
ですが、実際は近代こそが、怪物だの怪盗だの、
庶民の妄想ワールド(切り裂きジャックにまつわるゴシップなども含む)が急拡大した時代。

ジャンル横断的な展開は闇鍋感たっぷりで、悪く言えば的が絞れていない感じもしますが、
本作は大衆文化のオールスター展開により表現された、
近代空想世界の爆発的なエネルギーを浴びる作品なのだと思います。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ラパントラック

始まり地・明治日本や欧州各地などの多彩なロケーション。
多種多様な怪物たちやその社会性を反映した建物、小物。
再現すべき要素は多いが無難に対応。

バトルシーンも極上と言うわけではないですが、
広い空間を躍動する人物や怪物のスピード感には時々目をみはる。

表情変化の描写もまずまずですが、
脳裏に焼き付くのは、いつ何時でも変わらない生首探偵・輪堂鴉夜の不敵な笑みw
作中では一度、{netabare} 馬車に轢かれて真っ二つになった後でも微笑み続けた{/netabare} 不気味なことこの上ない不死の生首ですが、
900年以上生きている間に鴉夜様が泣いた夜とかあったのでしょうか?

尚、作画も闇鍋なので唐突に部位欠損や出血多量が飛び出したりしますが、
主人公が生首でも視聴するような奇特な方なら心の準備はできているでしょう。


【キャラ 4.0点】
津軽による真打とは名ばかりの前座レベルのネタを
鴉夜(あや)に吹っ掛けてはヤレヤレといった感じで流される。
津軽の落ちないネタを、メイドの静句(しずく)の毒舌に痛打される。
灰汁が濃い掛け合いが珍道中の定番。

生首だの鳥籠だの、こんな濃厚な闇鍋メインキャラ要るの?
となりますが、オールスター級の面子を相手に事件に挑むなら、
むしろ、これくらい濃くないとメインがゲストに負けて埋没してしまいます。

某話にて、{netabare} 鳥籠使いの3人が名探偵らと共に、怪盗の挑戦を受ける展開があって、
これは灰汁の濃い闇鍋が出来上がったな。そろそろ灰汁取らないとアブナイな。
と思っていたら、引きでさらに、怪物界隈の“夜宴(バンケット)”の一味が横槍を入れて来まして。
闇鍋にまだゲテモノを放り込むのかと、私は胃もたれしながらも、ブラックな笑いに酔い痴れましたw{/netabare}


鬼の力を持つ津軽だけが“不死”の鴉夜を殺せる。
死を願う鴉夜に、津軽が、肉体の捜索がてら、もう少し人生を楽しんで頂きましょう。
といった感じで始まったこの欧州行脚。

落ちたら旅も人生も終わってしまう。
だから津軽の話は滑ったまま落ちなくて良いのですw


ただ持ち越しとなったシナリオの方は決着して欲しい所。
鍵となる黒幕の夜宴(バンケット)首魁・{netabare} モリアーティ。{/netabare}
不死を求めていると思しきラスボスが、不死に飽きて来ている鴉夜とどう対峙していくのか。
拡大し続ける大衆文化の妄想ワールドの大風呂敷を鮮やかに畳む一手はあるのか。
鴉夜様の本気。是非見てみたいです。


あとはパリの新聞特派員・アニー。
メディア・スクラムを通じてマスコミの発達と弊害が印象付けられる中、
真っ直ぐな14歳記者がどんな取材で食い込んで来るのか。
私が地味に楽しみだった隠し味です。


【声優 4.5点】
鴉夜役の黒沢 ともよさん。
動けない生首でも、探偵は頭脳さえあればできる職業などと鴉夜様は述べられますが、
数分間、人外含む曲者相手に論理的な推理に傾聴させるなど、
口車が回らなければ出来ない芸当でもある。

津軽役の八代 拓さん。
時に落語の演目も拝借しつつ鴉夜や静句や怪物たちに減らず口を叩き続ける。
こちらもスタミナが要るタフな役柄。

メイン2人には噺家の如き長尺のセリフをオーディションの段階から要求し選出。

前期『スキロー』みつみ役で主演を務めた、ともよさんのロスを埋めるように本作を観始めた私ですが、
田舎出のほんわかJKから不敵な生首探偵へ。この落差w
聞く度に毎回ニヤニヤが止まりませんでしたw


【音楽 4.0点】
劇伴担当はyuma yamaguti氏。
ジャズやクラシックを軸に伝奇ミステリーを演出。
民族音楽を想起させるコーラスや、電子音なども幅広く取り入れる大胆なアレンジもまた、
ジャンルをまたぐ作品の志向性を後押し。


OP主題歌はCLASS:y「Crack-Crack-Crackle」
明治日本、近代欧州と来て、主題歌はK-POPともはや何でもアリですがw
トレンディーなダンス音楽が、混沌としたOPアニメーションと割りとマッチしていたのが意外性。

ED主題歌はAnna「reversal」
不気味な電子和音に乗せて生首探偵の矜持を述べる怪作バラード。
いくら常識に囚われた人間が浅はかだからといって、
脳の蜜を吸い取ってしまうのはあんまりなので、
鴉夜様落ち着いて欲しいのですw


【余談】
掛け合いも独特な本作の余韻に浸ろうと。
また、落ちない津軽の講釈ばかり聞いてないで、たまにはちゃんと落ちる話を聞こうとw
先日、落語の寄席に行って参りました。

正真正銘の落語の真打の演目はラスト、少々の感動も伴いながら、見事にストンと落ちました。
俺たたENDとなった本作のモヤっとした気分も晴れて、今はスッキリとした気分。

続編のアニメ化は微妙なラインでしょうが、無心で待ちます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

69.3 6 イギリスで戦いなアニメランキング6位
スプリガン(Webアニメ)

2022年6月18日
★★★★☆ 3.6 (46)
154人が棚に入れました
かつてこの地球には、優れた文明が存在した。現代では到底及びもつかない知識や科学力を持っていたという超古代人の遺産が、今もなお世界の各所で人知れず眠っているという。高速の通信網が世界中を覆い尽くし、衛星のレンズが全ての秘密を暴き立てようとしている今、不可思議な“力"を持つその遺産の発掘・研究に大国の軍部が介入し、その争奪戦を開始した。そんな中、超古代文明の何者かがプレートに綴った『我々の遺産を悪しき者より守れ 』というメッセージを誠実に受け止め、超古代文明を封印する事を目的に活動する組織があった。その組織の特殊工作員を…スプリガンと呼ぶ。

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

古い作品のリメイクは良いですが、少年向け、古すぎるものは手を入れて欲しい。

 ネトフリの方向性として、古の作品を現代の技術でリメイクするのは悪くないと思います。人物の作画は丁寧だし、エフェクトもいいです。ちょっと室内の背景、家具等が安っぽいというか抜きすぎな感じもしますが、なかなかの水準で仕上がっていました。

 作品としては、とにかく古さは隠せません。バトルしながら自己紹介とか自分の武器を解説したり、作戦を個人に頼ったり。頭になんの防御もなかったり。
 要するにバトルとヒューマンドラマ的な何かがある、スーパーロボットアニメ的なものです。古いというのか少年マンガ的な展開というのかわかりませんが、ストーリーに理屈も論理性もない感じです。少年がちょっと年上のお兄さんの活躍のカッコよさを楽しむような作品に見えました。

 失敗は、少年向けのマンガを深夜アニメ(本作の場合はサブスクですが)にする場合には、若干ストーリー展開の理屈、キャラの行動原理、設定のチューニングを変えないと、視聴者層と内容が合わないということです。

 1話で出てきた言語学の教授を中心に、古代遺跡の発掘と解読をしながら、その辺をテーマに進めればなかなかのSF作品あるいはバトルアクション作品になると思いますが、1話でいなくなりますので、あれ?という感じでした。
 古代遺跡とか先史文明とか雰囲気はよかったんですけど。現状転戦しながら出会いがあって1話でサヨナラ、みたいな感じで進むので、謎そのものに魅力が作り切れていないので厳しいです。
 設定としてオーパーツというのは悪くないんですけど…そこに謎解きの仕掛けとかはなさそうです。

 とにかく主人公以外にメインキャラ、サブキャラがほとんどおらず、ゲスト制なので主人公に乗れなければ感情移入の相手先がいません。そこが辛い。朧というキャラがなかなか面白そうでしたが、あまり活躍しないまま終わってしまいました。


 総評すると、昔のコンテンツから金があるサブスクが丁寧にリメイクするという取り組み自体は悪くないと思います。結果的にアニメの出来はかなりの水準に仕上がっていました。

 ただ、過去のアーカイブから作品を拾ってくる場合のチューニングの仕方、アニメマンガの視聴者の年齢層が上がっているし、リアリティということに関しては昭和平成初期からは格段に目が肥えていることを考えて、もう少しいじってもいいのかな、という気がします。
 
 原作通りというのは誠実に見えて手抜きです。特に原作が今の作品ではない本作はなおさらです。平日の夜7時に1年かけて4クールでやるなら本作は優れた作品でしょう。が、そういう時代ではありません。時代に合わせて、あるいは視聴者に合わせて、作品をいじるのがアニメの魅力でもありますので、取り組みは継続しつつ頑張ってほしいところです。






 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

皆川さん作品は私の中2期から外せない。Netflixアニメ問題。

 「スプリガン」と「アームズ」といえば、私の中2期には欠かせない中2作品として青春の1ページでしたが、残念ながら映像化にはあまり恵まれてこなかった。故に本作には期待するところもあったが、正直日本発のNetflixオリジナルアニメには共通する問題点を抱えていることが多いので不安もありました。その不安はやはり的中してしまったと言わざるをえません。


 日本発のNetflixオリジナルアニメは、どういう風に予算を確保してリソースを配分してるか詳しくはわかりませんが、どうにも予算が潤沢とは思えないクオリティーの凡庸さが目立つ。しかも、共通してCGを多用したがるが、これまたレベルが低くて益々不安を募らせる。皆川さん作品の最大の魅力はなんといっても皆川さんの画力なのでそれが表現できていないのは勿体なさ過ぎる。


 昔の映画版も皆川さん絵柄じゃなかったし、アニメで表現するのには地味に向いてないタイプなのかな?という気もしますが(映画版は絵柄は違うとはいえ作画の力はかなりのものだった)。



 となると全然駄目なアニメ化なのか?と聞かれると個人的にはそうでもないのです。4話の「帰らずの森」は明らかに他とは違う気合の入りようで、特に好きな脇役キャラである暁と吉野が活き活きと躍動しているのは本当に嬉しかった。特に暁を、現在一番信頼できる声優な細谷さんがやってるのが最高すぎる!。あと、朧を映画版ではジャンを演じていた子安さんがやってるのもニヤリとさせられる。それだったら優も映画版と同じく「しょーなの!」こと森久保さんで良かったような。


 ただ、この6話だけじゃ全然もの足りない。こっから話数を重ねていくからこそ、彼等の物語終盤の展開が活きるのであってこれだけではなんとも言えない。昔の漫画だから人気作品とはいえそこまで膨大な巻数ではないが、いくらなんでも話が緒についたばかりで最後までつくっていただけなれば始まらない。あと、刃牙もそうだったけど、CGの使用は止めていった方が効果的ですので一考ください。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

疾走する妖精たち

原作・漫画、たかしげ宙×皆川亮二。

超古代文明の遺産が世界各所で眠っている。
その優れた遺産の研究に大国の軍部が介入し、
世界では秘密裏に争奪戦が繰り広げられている。
特殊組織アーカムはスプリガンを擁し、
彼らの遺産を権力から守り平和維持に尽力する。

ミリタリー色の強い冒険活劇です。
主人公は天性の身体能力を持つ御神苗優。
{netabare}敵兵との迫真の格闘戦、銃撃戦は、
残酷なほどの描写で、身体は肉片と化し、{/netabare}
彼はかつて栄えた、超文明の遺産を巡り、
世界各地を探索し、遺跡の封印をして行く。

旧劇場版はノアの方舟を巡る物語ですが、
こういった考古学的な物語設定も魅力であり、
{netabare}富士山麓の祭壇、呪われた森と王の物語、
水晶髑髏など、幾多の遺産が登場します。{/netabare}

緩い日常もまた楽しいです。
陰謀に巻き込まれ奮闘する少年が、
普段は出席日数を気にする高校生である。

原作漫画も人気ある作品、
シーズン2も楽しみにしています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22
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