2017年度のやなぎなぎおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2017年度のやなぎなぎ成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月25日の時点で一番の2017年度のやなぎなぎおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

81.8 1 2017年度のやなぎなぎアニメランキング1位
Just Because!(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (901)
3648人が棚に入れました
高校三年の冬。
残りわずかとなった高校生活。
このまま、なんとなく卒業していくのだと誰もが思っていた。
突然、彼が帰ってくるまでは。
中学の頃に一度は遠くの街へと引っ越した同級生。
季節外れの転校生との再会は、
「なんとなく」で終わろうとしていた彼らの気持ちに、
小さなスタートの合図を響かせた。

声優・キャラクター
市川蒼、磯部花凛、村田太志、芳野由奈、Lynn、櫻庭有紗、貫井柚佳、近藤玲奈、千本木彩花、天﨑滉平、山本祥太、柳田淳一、小林大紀、大川透
ネタバレ

るるかん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

気持ちの揺らぎを感じとりつつ・・・

好き、嫌いの感情の白黒じゃなく、そのときどきの感情の揺れや移り変わり・・・、卒業間近の高校3年生達が恋をあきらめたり、恋が芽生えていく過程や揺れ動く心情・心理の方に命題を置く本作は非常に秀逸な作品です。登場人物はみんな高校3年生としては真面目で賢い一般的な生徒達で、かなりリアルな設定となっている。ラブコメのようなバカっぽさや面白さは全然ないので、好みじゃない方も多いでしょうが、私には今年一番の作品であり、傑作と断言できる作品です♪
{netabare}
メインヒロインである夏目美緒と泉瑛太は割と似たようなタイプのように思える。 二人とも共に不器用で自分の気持ちを想う相手に率直に表せない。想いを明確に表すことで心地よい関係が無くなってしまうことも避けたかったのだろう。この切ない想いを抱いたまま中学・高校生活を送ってきた二人の心がどのように変化をしていくのか、そしてどのように気持ちを近づけていくのか、その『なんとなく』近づいていく二人の距離(恋)をどのように捉えるのかが視聴する側に大きく委ねられているように思う。だからいろいろな見解があっていいと思うし、良否も分かれる作品だと思う。的外れなレビューは相手にしないが、恵那や葉月推しのレビューがあっても然りだと思う。恵那ルート&恵那エンドを望む方がいても全然意外には思いません。
 
メインキャラクターそれぞれに、その性格に見合った恋愛観があって、優劣がつけられないように気を配ってあったと思う。美緒は陽斗への好意を自分のこころの中で大切にし過ぎて、決着(告白)をつけることから逃げていた。自分の中から『陽斗への想い』が無くなってしまうことや、告白をして実らなかった時の怖さもあったのでしょう。普段は活発そうに見えても実は臆病で繊細な子のように印象付けた。そして、陽斗が森川葉月のことを好きだということを、なんとなく陽斗の行動から分かっていたから自分の気持ちを自分の心の中にしまい込んでいたのだと思う。私はこういうタイプの子が好きなんだろうねw・・・切ないけど、美緒はかわいいなって思いました。
 
瑛太は柏尾川高校に転校して来てから再会した美緒がまだ陽斗への想いを引きずっていることにすぐに気付き、そんな美緒を前に進めようとする。しかし、瑛太自身も美緒への想いを抱き続けていた為に、心から美緒と陽斗がうまくいくことを望んではいなかったのだろう。もうただただ切なく地味なシナリオを鴨志田氏は序盤から丁寧に表現していたと思う。
二人とも想う相手の気持ちを考えて行動するが、結局それは自分のためになっていない・・・ただの『いい人』になっているところを、本作では『不器用』と表現しているのでしょう。
 
陽斗と葉月の関係ももどかしいものになったが、陽斗は想いを告げて葉月の答えを待つことになる。葉月は恋愛経験も無く、しっかりとした地味で真面目な女の子だったことがJBを綺麗に輝かせた一因でもある。葉月は陽斗の気持ちをしっかりと受け止め、考える時間をとって答えを出すわけだが、その答えも、堅実で真面目な彼女らしい内容で良かったと思う。高校卒業間近のしっかりした女の子らしい答えで終始葉月のままで物語が終わったことも評価できる。変わらなきゃいけないということも自覚し努力していた所も可愛かった。(明確な陽斗への返事は10話)
 
葉月は陽斗の告白を断った後に美緒に相談を持ちかける場面があったが、そこはとても大切な場面でした。美緒は、真剣に陽斗の気持ちを受け止め考えている葉月と話をして、女性として自分よりも葉月の方が上だと感じ、『自分の想いは叶わない』と感じたのではないかと思う。だからこそ、陽斗の告白を断ったにもかかわらず、真剣にもう一度考えようとしている葉月の気持ちを受け止め、アドバイスができたのであろう。自分(美緒)はこんなことはできないと痛切に感じながら・・・。葉月が陽斗のことを話している時に葉月をチラリと見る美緒の目が全てを物語っていた。美緒の気持ちを考えるとほんと切ないシーンでした。
 
自分の好きな陽斗が告白した相手から相談を受けるなんて、ちょっと冷静になれないと思うが、美緒は真剣にその相談を受けとめ、精一杯の助言をする。女子高生の切ないながらも、そのホスピタリティには感動せざる得ない。美緒の魅力の一端を垣間見た気持ちになりました。いい場面でした。
 
初詣の時に、陽斗に対する気持ちを引きずり続けて苦しんでいる美緒に対し、瑛太は強く咎めるような口調で美緒に現状の可否を問う。しかし、これは瑛太にとっても当てはまることで、彼自身も傷ついたであろう。核心をつかれた美緒は逆切れするわけだが、瑛太の指摘を痛感したに違いない。そして、瑛太じゃなかったら言えないことだったことも美緒は自覚したのではなかろうか・・・。後日瑛太に謝罪に行く場面があったが、美緒にとって、厳しくも温かい指摘であることに彼女自身が気付き理解したからだろう。美緒は素直で賢いいい子なんだな・・・って強く印象づけられた。
 
瑛太の美緒に対しての想いは、陽斗への劣等感に苛まれていたように思う。陽斗は親友であったが、中学の野球部では常に陽斗の方が檜舞台にあがる人気者で、瑛太は逆だったのだろう。瑛太が美緒への気持ちをハッキリさせるためには、陽斗との勝負に勝たなければならないという自分なりのプライドと意地があったように思う。野球の一打席勝負に込めた強い想いが瑛太から滲み出ていたところ(6話)も彼のこだわりが感じ取れて切なかった。瑛太と陽斗は中学の時の親友だったから、野球勝負以外では男同士の友情が描かれていて見てて気持ち良かった。男の友情と恋は全くの別物として描かれていたところも好きでした。
 
6話くらいまで、瑛太には陽斗、美緒には葉月という高いハードルがあり、飛び越えることができなかった瑛太と美緒の心情はただただ切なかった。瑛太は密かに美緒と同じ大学を受験することを志したわけだが、自分の気持ちを受験にぶつけ合格をして告白をしようと考えていたのでしょう。それはそれで彼らしい自分だけの美緒への愛情表現だったのかもしれません。高校在学中に美緒に告白しても陽斗のハードルを越えられないと思っていたのでしょう。後半はもう両想い状態だったので、見ている方も胸が苦しかったです。

もう一人重要な人物は後輩の小宮恵那ですね、彼女のファンは多いのではないかと思う。自分の気持ちを率直に表現できる恵那は依子(葉月の親友)の言うように男子から人気があったでしょうね。美緒を「会長」と言って慕い、コンテスト用の写真の件で瑛太と親しくなり、瑛太が美緒に気があることも察知すると、最初は応援する気持ちでいたが、美緒に対して一途で不器用な瑛太を気になりだし、彼の不器用な中にある優しさや思いやりに惹かれていく。彼女の天真爛漫さは地味な本作の清涼剤のようでした。小宮や依子の存在はJBの潤滑油になっていて、楽しく見ることができた理由でもあります。ペットのプータはなかなか主思いの粋な奴でした(8話)^^
 
6話は瑛太、美緒、陽斗、葉月の心が揺れ動いた大切な話でした。瑛太と陽斗はそれぞれの想いを懸けて校庭で一打席勝負をする。陽斗が勝ったら葉月のLINEに躊躇していた返事をする、瑛太が勝ったら(美緒への)気持ちをハッキリさせるという勝負だった。この勝負を美緒と葉月も遠くから見ていた。小宮もカメラを構えながら見ていた。瑛太は1球目に陽斗めがけて悪球を投じる。それは美緒の想いにひとつも気付かない陽斗に対しての怒りの投球のように私には思えた。2球目はスローボールを投じた。どんなことをしても陽斗に勝って、美緒への想いをハッキリさせたい(告白するということだと思うけど・・・)と思う瑛太の気持ちが伝わってくるようだった。そして、3球目からは全力の直球勝負で陽斗から三振を奪いにいく。

自分の気持ちを美緒に伝えるには陽斗に勝つことが瑛太にとって最重要なことだったからだろう。美緒は全力で投げる瑛太を見て、葉月は、懸命に打とうとする陽斗を見て、心を動かされるのである。延々とファールで粘る陽斗を見ていた葉月は突然吹奏楽部の部室へ走り出す。陽斗が好きだったトランペットを吹く姿を捨ててしまってはいけないと感じたのだろう。陽斗の気持ちに対して如何に真剣に向き合おうとしているかが分かる葉月の所作でとても感動した。恵那はファインダー越しに陽斗に負けた瑛太の姿に、何か違う想いを感じ取ったのだろう。「なんだろう・・・この感じ・・・。」と呟いた恵那の一言が、瑛太の負けたこと以上に、色々な感情がこもった悔しさを表現していたように思う。

一方美緒は、瑛太からの想いの欠片(初詣の時に気付いていれば・・・)を持っている状況で、陽斗に懸命に勝とうとする瑛太を見て中途半端な自分の気持ちに踏ん切りをつける決心をする。中学の時に陽斗にもらった消しゴムを返す時に、陽斗と一緒にいた瑛太は美緒が陽斗に告白をするのかと勘違いして先に帰ろうとしたが、その刹那に美緒から「ダメ、すぐ終わるから居て。」と言われる。そして消しゴムを返した後、最後に瑛太に視線を向ける(ここは見逃してはならない!)。ここの解釈が難しいが、瑛太に『ハッキリさせたからね!』という物言わぬ視線のように私は捉えた。
しかし、たまたま通りかかった葉月はその場面を見て美緒が陽斗を好きなのではないかと思ってしまう。ただ物語に大きな影響を与えたわけではなく、葉月は、あくまでも自分の気持ちと真摯に向き合った方に重点が置かれていた。(そこもとても良かった所です。)

美緒のアドバイスを受けていた葉月は、野球勝負の後、陽斗へもう一度考えてから答えを出すと告げる。葉月の真面目で真剣な姿勢はとても好き。ラストは瑛太が小宮に抱きつかれている所をたまたま目撃した美緒が動揺するところでED曲へ・・・。6話はそれぞれの想いが交錯した内容の濃い回で唸ってしまいました。
 
7話は恵那にとっての写真部存続の重要性を瑛太は知り、瑛太がコンテストへ写真を出すことを承諾するところから始まる。男心をくすぐるような普段とは違う恵那の真剣な言動が瑛太の承諾を引き出した。恵那は瑛太が真剣な自分の気持ちを理解してくれたことで、『人として好き』から『瑛太が好き』に気持ちが変化し、ここから瑛太を恋愛の対象として強く意識していくことになる。ただ、律義なのは、会長(美緒)とのことを応援すると言った約束は決して忘れてなくて、その後も会長との仲を恵那なりに気にかけるが、そんなことが上手くいくわけがなかった。恵那の心の移り変わりや応援から自分の気持ちを優先する過程の表し方がとてもリアルで、10話のラストで恵那が告白するというアニオリ引きで終わる。小説を読んだ人ですら、ひょっとしたら恵那エンドもあるのか・・・?と思わせる本当にうまい演出でした。

センター試験当日(7話)は雪で交通網が麻痺し、美緒は会場に行く手段を失くし路頭に迷う。瑛太はその状況を察知し駅まで全力で走る。半ば受験をあきらめかけていた美緒を見つけ、瑛太なりの激励と応援をしてセンター会場まで美緒を送る。ここまでやったら、「好きだ!」って言ってるのと同じようなもんだと思うけど、中学時代から困った時に助けてくれた瑛太のことを美緒はまだこの時点では恋愛感情としてみることができていなかったのかもしれないし、センター試験が優先でそこまで考えられなかったのかもしれません。

でも「聞きたいことあるかも」「ある!」と言ってた所から察するに、瑛太に対して今までとは違う感情が生じたということは十分理解できた。帰りの電車の中で、瑛太との中学時代のエピソードを回想する場面で、困ったときにいつも自分を助けてくれたのは瑛太だったことを美緒は振り返り、瑛太が大切な存在だったことの記憶と共に、気持ちは恋へと傾きかけていく。
引きの作画は残念だったけど、ラストの小宮に語りかけながら階段を降りる美緒の横顔の描写は気持ちのモヤモヤが吹っ切れたようなとても綺麗な表情と演技(CV)でした。一連のBGMも抒情的で良かったです。
 
そして誰もが唸ったであろう名場面7話最後の『・・・・・・ダメ』は衝撃的過ぎるラストでした。まだこの時点では瑛太のことを恋愛の対象として意識していなかったはずなのに、反射的にイヤだと思った美緒の素直な感情表現でほんとに胸に響きました。「・・・ダメ」と明確に意思表示させたラストは本当に素晴らしかった。シナリオのセンスはこの場面だけじゃなく、全体的に本当に秀逸でした。この7話のラストで感動できなかったら、もう見る必要はないんじゃないかな。「・・・ダメ」までに至った経緯とその重みすら分からないのではJBを楽しむことは無理だと思う。
 
もう一つ、センター試験の帰りの電車の中で、美緒が回想し終えた後に「損な性格はどっちよ・・・肝心なことは何も言わないんだから・・・」と呟くシーンがあった。
肝心なこととは・・・『告白してくれてれば・・・』ということなのかちょっと分からなかったが、陽斗への想いに区切りをつけた今だからこそ言える美緒の素直な気持ちなのだろうと解釈した。
 
8話の美緒の行動はとても重要。6~7話では小宮の言動に揺り動かされ、小宮とのデートに向かう瑛太に偶然会った美緒は、予備校へ行くと言いながら、わざわざ遠回りとなるモノレールまで瑛太について行く。この行動が意味するものは、美緒の瑛太に対する気持ちが恋へと発展したことを表現している。ただ、美緒は、その気持ちを完全に自覚できず、瑛太に対して冷たく接してしまう。そして自己嫌悪する。小説にはこのシーンで本気モードで瑛太のことを想う自分を嬉しく思った・・・と表現してあったが(アニメでは10話)、8話では嬉しい様子まで表現されてなかったですね。美緒の予備校までの遠回りは、瑛太のことが好きな自分の気持ちをかなり自覚できた行動だったわけです。

もう一つ、小宮に会う前に美緒に会った瑛太は、小宮に抱きつかれた場面に遭遇したことを美緒から遠まわしに告げられるが、彼は言い訳も否定もいっさい言わなかった。美緒もそれ以上の理由を聞かなかった。センターの時に聞きたかったことの一つだったはずなのに聞かなかった。この場面は二人が似た者同士で不器用であることを表現していたように思った。お互いに好きだと言ったわけでも言われたわけでもない。中学時代の友人同士という状況で、言い訳したり、問い詰めることは自分が『好き』であると告げることになると思ったからだろう。そして、そうすることで関係が疎遠になることを恐れていたのでしょう。なんか面倒くさいなぁ・・・と思う人がいるかもしれないが、『なんとなく』続いているいい関係を保つため、二人とも好きな人に好きと言えず数年間心の中で想い続けたわけだから、これくらいのことで自分の気持ちをあからさまに表現するようなことはしないだろう。地味だがよく考えれば二人の不器用さをよく表したシーンだった。こういうところに不合理な点が無い所も、細部までよく練られてあるなぁ~と感心しました。
 
「ダメ。」と言ったにもかかわらずデートに誘った恵那に対する美緒の視線はちょっと怖かったですが、美緒に許可を取りに行った恵那は、行った理由を「なんとなく」とあっけらかんと答えた。(美緒は怒るわな・・・)
美緒は恵那のような天真爛漫さを持ち合わせていないので、自由に感情表現をする恵那を羨ましく思っていたに違いない。これはパーソナリティの違いとはいえ、この時期の女の子にとっては、かなり辛いことだったのではないかと思う。

陽斗の時には葉月が越えられないハードルになったように、今度は恵那がそうならないか心配で・・・且つ、なんで自分は素直になれないのか・・・という自己嫌悪の渦に美緒は巻き込まれてる感じが可哀想でした。恋するって苦しい時もあるけど、美緒はずっとその状況ばかりで、報われて欲しいと思わずにいられなくなりました。

瑛太は恵那と一緒にいる時には素の自分を出すことができていた。それは、美緒に対する気持ちを恵那が知っていて、応援すると言われていたからだろう。瑛太も美緒への想いを隠し続けていることに辛さを感じていたことの証しで、後輩である恵那には利害関係は無いと思い気を許していたのだろう。親友である陽斗は、瑛太が中学時代から美緒のことを好きだったということを知っており、且つ、美緒の意中の人だったわけだから、親友とはいえ自分の気持ちを吐露できなかったのであろう。
しかし、8話後半でコンクールで賞を取ったら告白すると恵那に言われて驚く。そもそも瑛太は恵那に対して恋愛感情は無かったと思うので驚いたのでしょう。(照れてちょっと頬を染めてましたが・・・)美緒だけでなく、瑛太の鈍さも天下一品なので、美緒の気持ちにいつ気が付くのかヤキモキしました。
ラストの葉月の変身登場で終わる演出も絶妙でセンスの良さを感じました(笑)。ただ変身前の方が、私は好きでしたけど・・・w 葉月はどっちでも普通にモテますよ。女子力は本作中1番だし、文句なしの素敵な子です!!

10話はほとんどアニオリで、しかも恵那、美緒、葉月それぞれのシナリオにそれぞれの固まった気持ちが表現されていて、文句無しの出来栄えでした。美緒が瑛太のスマホの壁紙(待ち受け変えとけよ!!)となっていた小宮の画像を見て走り去るときの切なさ・・・せっかく思い切って自分の想いのまま頑張って行動したのにVデーのチョコも渡せず、涙を見られたくなくて走り去るシーンは胸が痛かった。でもここで、美緒は瑛太への想いをしっかりと確信できた自分が嬉しくて、泣きながら笑うシーンでしたが、抜群の改編でした。相当考えたね、この大切なシーンの入れどころを・・・。

その場面をこっそり見ていた恵那は瑛太のスマホ画面を直しただけで、手作りチョコを渡せず走り去る。も~モヤモヤがいっぱいでしたが、写真部の男の子二人が面白くて悲壮感を和らげてくれましたね。(この鉄マニの二人はいつも笑わせてくれました♪)
葉月と陽斗の話もほぼアニオリで演出も綺麗で良かった。堅実で真面目で思慮深い葉月の返答も表情も完璧でした。
恵那のお守り集めも最後の告白もアニオリで、ラストシーンの作り方は本当にうまかったです。

他にも作中で、相手の真剣な告白に対して難聴になったり、はぐらかしたりしなかったこともJBの優れている所です。
4話で陽斗の告白に『ごめん。付き合えない。』とはっきり答えた葉月や、7話ラストの美緒の『・・・ダメ。』とか10話の葉月の返事や恵那の告白も、すべていい加減にはぐらかさなかった。こういう作品を作りたかったのだという意識が多分に感じられたし、とても良かった。 
 
美緒のお姉さんは美緒にとって、とても大切な存在であることも見ていて感じました。お姉さんは美緒と違ってさばさばとした素敵な人物で瑛太と美緒が中学時代からいい関係であったことも知っていたのでしょう。(11話)女友達との間でも自分の気持ちを隠し続けた美緒が素を出せる存在が瑛太であったことは、潜在的な『好き』が美緒の心の中に宿っていたことも表している。美緒が陽斗から瑛太に心変わりすることの整合性も充分でした。

美緒は葉月に瑛太が好きであることも告げている。美緒にとって葉月は心底信頼できる素敵な女性としての位置づけであることも11話で描かれていた。何から何までしっかりと作られている。感服です。
受験の前日の夜に、美緒と瑛太はベランダに出てお互いの家の方を眺める。二人の『受験に込めた万感の想い』が伝わってくる静かないい場面でした。(11話)
 
JBのラストを私はどう捉えたかというと、二人とも想っていても決して言えなかった『好きだ!』という言葉を、ようやく言える自分になった・・・つまり成長し大人になったということと、本当に人を好きになるということは喜びであるということ。最後は美緒と瑛太が笑顔でお互いの距離を詰めて終了とは美しいエンドだと思いましたよ。物足りないと思う方もいるでしょうが、あそこで涙流して抱き合ったんじゃ、リアルを追求してきた鴨志田氏のシナリオに泥を塗ることになりますからね。

もし、転校先で突然美緒と恵那が目の前に出てきたら、恵那を選ぶ人の方が多いかもしれません。それくらい恵那はいい子でしたよね。だけど瑛太は恵那を選ばなかった。それは美緒と過ごした中学時代の数々のエピソードと不動の恋心があったからです。恵那の告白に微塵も美緒への恋心を揺さぶられることはなかった瑛太の強い想いは分かる人にしか分からないかもしれないですね。美緒の気持ちは卒業式の答辞が全てでしょう。なんか凄く懐かしい光景を見せられているようで私は感動しました。リアリズムってのはこうでなくちゃいけないんです。最後まで徹底した小林監督と鴨志田氏の姿勢がこの作品の品性をとても高めていました。『君じゃなきゃダメなんだ!!』っていう気持ちをここまで地味に熱く表現されると感服の域に達しますね。{/netabare}

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葉月には親友の依子がいて、美緒には大好きな姉や友人たちがいて、陽斗には猿渡や陸生、そして瑛太がいて、瑛太には陽斗や恵那がいて、恵那には清水や山口(写真部の二人)そして瑛太がいて、周りを取り巻く友人たちにも案外重要な役割があって、作品の質をあげてくれました。アニメ版の素敵な学園ドラマを見せてもらいました。人間が演じるよりも、もっと人間らしい感覚を得られたのは、それぞれの演技(キャラクターや声優)・演出・構成が素晴らしかったからでしょう。こういう作品は年に1回は見たいですね!!

陽斗と葉月、瑛太と美緒の恋の分岐点となった5話と、神回だと思った10話はプラメモの林直孝氏が演出を担当したようで、彼の演出はここでも冴えていました。この系統の作品なら彼は間違いなく素晴らしい演出家だと私は思っています。特に10話はとても良かったです。7話もやって欲しかったなぁ~。
 
原作・シリーズ構成・脚本の鴨志田氏はアニメありきで小説を書きおろしたことは間違いないでしょう。小説は美緒と瑛太の視点のみのストーリーで、アニメでは読みとりにくい二人の心情をしっかりと書いてあります。

アニメの肉付けに不合理な点や不可思議な点が一切なく、むしろ小説以上の出来栄えである構成と脚本になっていたと思うので、鴨志田氏はアニメの方に力を入れていたのだろうと思われます。そのあたりも大いに評価できる。美緒と瑛太以外のキャラクターが活き活きと描かれていたことからも、そもそもアニメで全てを語ろうという意図があったのでしょう。

気持ちのすれ違いの多い地味で味わい深い人間関係を、まとまりのあるシナリオにできていたことも、小説執筆以前にアニメ視点でこの作品の構成を考えていたからだと思う。美緒と瑛太に関してはアニメでは描ききれないから、小説で読んで下さいと言われているように感じました。読む価値は十分にありましたよ!
 
私が見た今年のアニメの中では一番内容の詰まっている美しい作品です。こういう地味な傑作にはなかなかお目にかかれないだろうなぁ・・・って思います。人を選ぶ作品だと思うので誰にでもお薦めできる作品ではありませんが、私にはどっぷりと嵌れる作品でした。円盤は作画が良くなってることを期待して絶対に買います♪
プラメモ以来、久々に円盤買うぞ!!と思った作品でした♪
 
卒業間近の17~18歳(高3)の若者たちの数カ月のドラマをリアルにアニメで再現したようなシナリオは、そこいらの実写学園もの映画とは比較の対象にならないほど完成度が高く、アニメだからこそのリアルさ、面白さがありました。鴨志田氏が描きたかった美緒と瑛太のリアルな物語に膨大な味付けと、きめ細かいキャラ設定を施し、全話が連鎖している構成・脚本の完成度の高さは、もはや圧巻としか言いようがないです。微細な感情の変化をこれだけ綺麗にまとめあげた優秀なスタッフの皆様にも拍手と感謝です。本当にありがとうございました。私の3作品目の5.0作品となりました♪

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評価は5.0なので、全て5.0評価にしていますが、作画は4.0程度の評価が妥当だと思います。しかし構成・脚本が秀逸な作品で総合評価が5.0相当なので、5項目を5・0評価にしてあります。
 
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各話のエピソード♪ 

12話{netabare}
最後まですれ違う二人。それでも二人の気持ちは赤い糸で結ばれていた。
美緒は本当の恋を知り、瑛太は好きな人に告白する強い気持ちをもてた。それは、友人たちの力でもあり、人が生きて成長していく上で大切なものは何か?・・・というこの作品のメッセージでもあったと思う。
好きな人と気持ちを分かち合うまでの過程を、微細に美麗に描いた素敵な作品でした。最後の二人の笑顔が二人の始まりなのです。感動しました。続きがあったら是非見たいものです。{/netabare}
 
11話{netabare}
私の中で絶対に必要なシーンがもう一つあったのだが、それがしっ
かり入っていました。それは、美緒のお姉さんと瑛太による車内で
の会話です。
ここで美緒の姉は、美緒は瑛太の前ではかなり素を出すということ
を話している。瑛太はそれをネガティヴに受け止めていたが・・・。
この部分も瑛太と美緒の関係がとてもフランクであったことを表す
大事なシーンでした。そして、美緒のお姉さんは二人の関係がいい
ことをかなり以前から感じ取っていたことも分かった。
美緒の姉は、とってもいい人だなってしみじみ感じる場面でした。
 
グループラインでの友達の応援シーンも心温まるシーンでした。
 
試験問題を解いている時に今までの二人の気持ちを表す各話の印象
深い会話が流れた。
この二人がどんな気持ちで試験を受けているのかを伝えるための
いい演出でした。
原作のいい所はしっかり入れてあり、改編も文句なし。ここまで
完璧に作られてるシナリオは本当に感動的です。約70%くらいは
改編で構成も変えているのに、原作の遥か上をいくアニメ作品なん
てなかなかお目にかかれないです。早いうちから傑作だと言いまし
たが、間違いなく傑作です。最後はどういうシナリオと構成で魅せ
てくれるか楽しみにしたいと思います。
美緒、合格おめでとう!!{/netabare}

10話
これは神回だな。
ほとんどアニオリで、素敵なシナリオです。これ以上の形容はない。
絵コンテと演出にプラメモの林直孝氏の名前がありましたね。
10話の演出の妙に納得しましたね♪彼が絡んできたことはとても
光栄で嬉しいことです♪
しかし、ほぼアニオリなのでラストはどうなるか分かりませんね。
アニメオリジナルなラストも十分あり得る展開だし、どうなるか
最後の2話は必見です!!
{netabare}終わり方がさ・・・ほんと心憎い。 
瑛太、美緒だぞ!美緒じゃなきゃいかんぞ!!
「がんばれ!!美緒!!」・・・と言いたくなる話でした。

葉月と陽斗のシーンも良かったよ。葉月らしい陽斗への返事で、
この二人は、きっとうまくいくんじゃないかな・・・。

美緒が自分の本気に気付いて笑顔で涙するシーンがしっかりあった
ので感動しました。この場面は絶対に必要だと思っていたので、ここ
できたか~って感じです。

小宮さんも、本当にいい子なんだよね・・・。瑛太にチロルチョコを
渡す時の心境を思うと胸が締めつけられます。
シナリオも構成も一級品です。JBを見て本当に良かったよ。
来週も楽しみです♪ {/netabare}

9話{netabare}
美緒が自販機でコーヒーを買った。森川が髪形を変えたように、
美緒も飲み物を『なんとなく』変えてみたのだろう。誰にでも
経験のあることではないだろうか・・・?鴨志田氏の構成・脚本
は、本当に素晴らしい。小説はアニメの為に書いたものだろう。
これだけ肉付けが完璧な作品は賞賛しかないよ。紛いなき傑作を
私は見ていると感じています。
美緒と葉月の陽斗に関する会話は、美緒が葉月に陽斗に対する好
意があったことをしっかりと話した。
美緒は一歩でも前進しようと葉月に話したのだろう。そして本当
に好きな人がいることも葉月に告げた。大学も自分の気持ちを率
直に汲んで瑛太が推薦で合格している大学を受験しようと決めた。
瑛太と美緒はやっぱり、好きな人に対しての姿勢が似ているよう
です。二人とも合格したら、一体どうするんだろうね・・・。
 
JB待ちの木曜日の夜中はとても楽しみですが、あっという間に
終わってしまって、はやく次が見たいです。シナリオは完璧に鴨
志田氏の思った通りに仕上がっているのでしょうね。鴨志田氏の
アニメ用のシナリオとストーリー構成は練りに練られてあること
が小説を読むと分かります。安心して残りのシナリオを堪能して、
監督はじめ、他の優秀なスタッフを称えたいと思います。
 
皆さんは、小宮派でしょうか?美緒派でしょうか?葉月派でしょ
うか?私は美緒派になりました。最後に幸せな美緒を見て終われ
ればいいのですが・・・。{/netabare}

8話{netabare}
絵コンテや原画の人数を増やしたようですね。かなり画がまとま
って全体的に綺麗でした。8話を見て確信しました。この作品は
素敵な作品に仕上がると思います。やはり、アニメの脚本は原作
にほどよい脚色を加えてより良い作品になっています。
今回は小宮と夏目の気持ちと森川の気持ちをほどよく表していま
した。JBは人物のアップ画はとても繊細で心情を表している場
合が多く、各話の随所で目を中心とした表情の構築に気を配って
いると思います。小宮は気持ちをストレートに表す子なので分か
り易いですが、夏目は胸の内に秘めた感情を表に出さないので、
その表情がとても大切な言葉になっています。全話見たら、その
あたりも含めてレビューを書きたいと思います。
夏目は、泉に対する自分の気持ちを自分の行動で再認識して、う
まく気持ちを表現できない自分に葛藤しつつ受験勉強に取り組む
という苦しい状況なんだと思う。そのあたりも上手く表現できて
いました。やっぱり小説はそのあたりの夏目の気持ちを理解する
為の補完本となりますね。
全体的に原作のいい所を残し、邪魔をしないような脚色を加え、
見応えのあるシナリオになっています。8話も良かったです。
後半に向けて作画も安定しそうですし、次週以降も期待できる
と思います。ほんと楽しみです。JBは円盤買おうと思います。
こういう作品はまたしばらくお目にかかれなそうだし・・・。
小宮のペットのプータはいい味出してましたね♪{/netabare}
 
7話{netabare}
最後の『ダメ・・・』の一言に至るまでの過程がとても綺麗でし
た。この一言に集約されている想いや記憶、そして夏目が泉に対
して抱いていた中学時代からの感情が全て込められた一言。この
二人の気持ちが徐々に近づきつつある今、中学時代に遡った場面
を挿入し、今思えば・・・と思える数々のエピソードが二人には
もっとあるのだろうと推察できるストーリー構成で大いに意味が
あり、刹那的な感情ではないことを印象付ける丁寧なシナリオで
した。
6話まではため息の多いジリジリとした内容でしたが、後半は
微妙にズレていた夏目の想いや気持ち、森川の想いや気持ちが微
妙に変化していく過程を、どのように見せてくれるのか楽しみで
す。夏目は泉の想いに気付いていたんだろうね。そして今回、そ
れが確信に変わって、小宮のデートの申し出を拒絶したのだろう。
夏目も泉のことを大切な存在として認めた『ダメ』の一言で終わ
るところが心憎い演出です。いい作りをしています。
半信半疑で見始めた作品でしたが、こんなに次回が待ち遠しく思
えるなんて、嬉しい誤算でした。小宮と待ち合わせた駅での夏目
の作画がちょっと荒かったのは残念でした。{/netabare}
 
6話{netabare}
個人的に感慨深い場面がありました。森川の演奏を相馬が聴いて
いる場面。好きな人が自分だけの為に演奏してくれるって凄く感
動するんだよね。だから相馬が「やっぱり好きだわ・・・」って
森川に言う場面が心の底から共感できました。
なんか自分のとても大切な想い出のシーンと重なってしまい、こ
の二人を応援したくなっちゃったなぁ・・・。この場面は相馬君
の心の中に一生美しく残る、そんな素敵な一幕です。
受験が終わったら夏目はどうなるんだろう・・・。なんか切ない
気持ちに覆われそうですね。胸が痛くなるシーンもあったり、
素敵なシーンもあったり、とっても構成がいいです。もう早く次が
見たいです。森川の性格を考えると、夏目の気持ちに気をつかって
またジリジリ展開になりそうな気もするけど、要はそれをどう見せ
るかが大切。でもこのシナリオを作っている方のセンスは何気なさ
を上手に表現されているので期待できそうです。ここまでは、とっ
てもいい作品ですね!!{/netabare}

5話{netabare}
森川と夏目の心の動きをゆっくりと進めていて気持ちの交錯部分を
丁寧に表現しているように感じます。こういうシーンはきっと何か
につながる大切なシーンなのではないかと思います。夏目の友人3
人(佐藤・鈴木・高橋)は相馬と夏目を応援しているが、その気持ち
に素直に喜べない夏目の気持ちの揺らぎを感じるところまでストーリー
にハマっちゃいました。森川の相馬に対する気持ちもまだ明確では
なく、自分の本当の気持ちに鍵をかけたまま泉と接している夏目と
相馬が障壁となって夏目にあと一歩踏み込めない泉の微妙な気持ち、
どれも繊細で微妙な思春期の一幕で、どう展開していくのかとても
楽しみです。不思議なことに、この作品にはご贔屓キャラがいない
のです。でもそれがこのストーリーに没頭できる一因になってる気が
します。どう終われば納得がいくのか、自分でも分からない状況な
ので、中盤の核になる事象を見逃さずに堪能していきたいです。{/netabare}

4話{netabare}
夏目と泉、森川と相馬、夏目と相馬、どの組み合わせも成就しない
恋愛感情が交錯しててなかなか良い。これをどうまとめていくのか
とても興味深いです。森川が誰を好きなのか??・・・・もともと
恋愛気質って感じじゃないキャラに仕立ててあるものの、なかなか
な思わせぶりを発揮し、あっさり相馬の告白を賺すあたりは森川
の気持ちの中により強い何かがあるのだろう。それが何か気になる。
恋愛が成就しない話はよくあるが、リアルにありそうな状況でなん
か見てるこっちの気持ちも切なくなる。ここまでは妙な暗さで話が
澱んでいて、個人的に感情移入もできている。今後の展開がとても
楽しみです。今の所、今期で一番興味深い作品になっています。 {/netabare}

3話{netabare}
ストーリーとキャラクターに派手さがないおかげで独特の雰囲気と
世界観が伝わってきて心地いいです。夏目さんと森川さんの女心を
どう描くのか・・・そこはとっても重要な気がします。
この二人に共通する所は、前向きなように見えてネガティヴさが
根本にあるので、それが今後どのように変わっていくのかも見どころ。
また、物事に冷めた感じがある泉がどのように変わるのかも見どころ。
いい作品に化ける要素は十分にある作品だと個人的に思っています。
CGと作画のバランスは微妙なところもありますが、ストーリーで
魅せてもらいたいです。まだそれぞれの環境の中での個人的な感情
にしかタッチしていない段階なので、今後のメインキャラ達の心模様
をどう表現していくのか、期待したいと思います。
雰囲気や色合いはとっても好みなので感動して泣きたいなぁ~  {/netabare}  

1~2話{netabare}
入口は平凡な学園青春ラブストーリーっぽい感じでした。
画は若干雑かなぁ・・・って思うけど、夏目と泉のフワフワ
した関係をどう深めていくのかがこの作品の肝だろうね。
制作者のセンスに共鳴できるかどうかが、視聴者の賛否に反映
しそうだから、意見が分かれそうな作品です。
夏目も泉も真面目な賢い子って感じなので、イライラ系の
話になりそうだけど、感慨深い作品になるといいな・・・と
期待しつつ継続視聴したいと思います。{/netabare}

==================================
追記
Blue-R 1枚目は特典もあり良かったです♪

そうそう・・・美緒の口癖のような、「ほんとにほんと」には肯定文と疑問文があるんですよね!そこが可愛いです。
それに育ちのよい女の子って感じで、ちょっとしたことでも「ありがとう!」って言える子でしたね。そういうとこも美緒のいい所でした!!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 54

アトランティス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

隠れた名作。

高校3年生の冬。
戻って来た主人公、再会するヒロイン。
男女の恋愛の機微を描いた1クール作品。

高校3年生の後半の話がメインになっており、
受験、就職と各々がこれからの進路に向かいながらも
自分たちの関係性に悩み、大切にしながら日々を過ごす主人公たちの
様子がリアリスティックな背景画と共に描かれます。

恋、友達、先に別れが待っていることを理解しながら暮らす日々。
自分の高3の頃はこんなにリア充していなかったなぁと思いつつ
見ていました。(進学校だったので、2学期後半からはほぼ授業なかったなぁ。)
特に恋もなく終わった高校時代でした。笑

あまり話題になっていないようですが、
恋愛ものとしてはかなり良かったように思います。

会話メインで無駄にBGMも多すぎず、表情で語るシーンも多かったので、
それぞれメインのキャラの魅力に引き込まれました。

LINEの会話のような映像が随所で見られ、既読が付いた付かないでうじうじしてる様子や、グループを作ってスタンプや画像を贈り合うシーンが多かったのは本作の特徴かなと思います。
背景も現実世界をそのままトレースしたようなリアルさを感じる作画だったので、まさに現代の恋愛アニメって感じでした。

盛り上がりや衝撃的なシーンは少ないですが
いい余韻に浸れる作品でした。
みんな卒業おめでとう。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 38

ジパミィナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

毎週楽しみだった 80点

前半で土台を作って、後半に入ってから、良い意味でストーリーが動き出して来てます。
ラストが知りたいけど、終わりたくないと思う作品でした。

空気読めない悪意な演出も無く、ピュア過ぎない程度が良いです。
命がけでとか、あまりに熱い展開にすると茶番にしか見えないので、キャラの力み具合と言って表現があっているかは微妙ですが、本作のパワーバランス的には良かったです。

寒さの表現も適度な感じで、リアリティ感じます。

この作品の季節は、高校生であればみんな通過する時間ですが、受験する人、しない人。就職や専門、遠方へ旅立つ人。
立場が違う人の心情がとても分かり易く表現されているのが、とても心に刺さる部分では無いでしょうか。
メインストーリーを支える部分のリアリティが、感られるのが、派手な演出に出ない本作品に厚みを感じるのかもしれません。

作画は基本的に綺麗だけど、たまに雑な箇所というか、作画や動きに残念な箇所があるのが作品的に勿体ないかも。
勝負カットとか!ってなります。

キャラの立ち位置の紹介が、作品内で自然に溶け込んでるところが、テンポ良いです。
無理に新キャラが登場すると1クールだと収拾つか無いと思います。

音楽と作品のシンクロが秀逸ですね。
in unison のクオリティの高さがとても良いです。
既存の使い回しでないのが、一段も二段もプラスになっている気がします。

ちょっと有り得ない展開はありますが、許容範囲かと思います。
ラストはもう少しアクセントが欲しかったです。
終わり方については、色々意見がありそうですね。
繰り返し見てますが、飽きない作品ですね。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 21

78.8 2 2017年度のやなぎなぎアニメランキング2位
キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (755)
3312人が棚に入れました
主人公の人間キノと言葉を話す二輪車エルメスは、目的もなく、世界をあちこち旅している。世界のあちこちには個性豊かな国があり、人々は自分たちなりの法や常識をもって暮らしていて、キノとエルメスはそんな国々を訪れ、基本的に3日間だけ滞在し、また次の国へと旅立っていくのだ。そんなキノとエルメスの旅の話は、時に優しく、時に哀しく、時に滑稽で、時に胸に突き刺さる。そして、珠玉の物語たちは、一言では言い表せない鮮烈な光景を読者に見せてくれるのだ。“美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい"世界を。

声優・キャラクター
悠木碧、斉藤壮馬、梅原裕一郎、松田健一郎、佐倉綾音、Lynn、興津和幸
ネタバレ

阿紫カービィ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

美徳 悪徳

可愛い?作画なのに

毒のある作品…良心が悲鳴をあげた!



好きなエピソード順に
感想を。



『迷惑な国』
これは…見事な風刺に 開いた口が塞がらなかった。

巨大なキャタピラで、移動をし続ける国と
「通せんぼの国」のお話。

移動を続ける国は
動力炉からでるエネルギーを発散させる為に移動をせざるを得ない、
国民が 色々な景色を楽しみながら旅をしたい、その2つの理由で移動を続けている。

豊富なエネルギーがあるからなの?
この国の民は皆笑顔。

無邪気で 大きな声で挨拶をする子供達、
生活に全く不満がない故、おおらかな大人達、

その皆の笑顔が…とにかく奇妙。

目の前に「通せんぼ」の国が現れる。
通せんぼの国の将軍は、移動する国に当然反発するのだが…

「皆さん 退いてくださーい!怪我をしますよ。」
と普通に注意をするのです。

笑顔の国と怒れる国
どちらが「迷惑な国」なのでしょう…

たとえ「通せんぼの国」が、
他国にとって、キノにとって不都合な国だとしても、
そこで生活をし 農作物を作っている人達も いるのです。



『嘘つき達の国』
とても哀しく あたたかい。
人の心は一体 何なのでしょうか…

心に傷を負った元革命家と
彼を「大切」に思う 人々、身分を隠して「彼」のお世話をする女性のお話。

皆が それぞれの想いを持ち
「彼」を護る為に 嘘をついている

優しさや愛に溢れている嘘つきの国

普遍的でなくとも 幸せというのは容を変えて存在している。
自分にとっての幸せとは何か を考えさせられました。



『羊たちの草原』
いく通りにも考察できて、面白い!
羊を擬人化させての風刺に胸がスカッとします。

「君たちは 何故…そうまでして闘う?」

ほんとだよね。

そして人間はいつから…都合良く勝手に自然を壊し始めたんだろう。。
後始末もろくに出来ないのに。



『雲の中で』
これは「奴隷の少女」と 一人の男性のやりとりで物語が始まり、終わりを迎えます。

「奴隷の少女」の言葉に何を思うか。

{netabare}「私は 人を恨んだり憎んだりしません。人を殺そうと思う事は 悪 です。その様な事を思ってはいけません。それが 真理 ですから。私は今、将来を試されているのです。」{/netabare}

腐った世界で
人でなしだけが 生き残れる世界で

少女はその言葉を心から信じて 守って すがって 生きてきたのでしょう。

しかし
人の心には…どうしても迷いや矛盾が生じる時がある。
辛いけれど…



『人を殺す事ができる国』
1話目に このお話をもってくるとは…凄いと思います。
「屁理屈」に クスッとなる、ある意味、爽快なお話。
瞬時に 心、掴まれました。



全体を通して思ったのは…

謎を少しだけ残して『ん?』と思わせ
後にその謎が解る、というミステリー的な要素もあり、軽く笑えるお話もあり。


「伏線回収」がきちんと成されています。


これは私の我儘なのだけど

「キノの正体」「キノの過去」のお話…
知りたくなかった…です…まだ。




私も旅をしたい!
ブラフ・シューペリアに乗りたい!無理だけど…


人は
いつだって自分の特別な場所を探してるもので。
自分の「国」を作ろうとしてる。




私も頑張ってみようか…な

投稿 : 2024/11/23
♥ : 48
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

トータル、前作と同水準

<2020/6/13 追記>
評点4.0→4.2に修正です。
どうやら入力ミスしてたようで。

<2017/12/23追記>
最終回を見終えました。
これまで↓に書いてきたレビューと印象は変わらず。
・声はキャラクターにぴったり
・キャラクターの絵柄は少し馴染めなかった
・お話は好みの分かれる感じの寓話
なので評価は4.2のままとしました。
最終回は大人の国のがしっくりきたような。
なぜ羊(笑

<2017/10/9初レビュー>
最初のアニメと比べると
声は、キノは同じくらいの好感度。エルメスは圧倒的に今作の方が◎。
キャラクターは前作の様にぼんやりしてた方が好みだったな。特にキノが{netabare}女の子に{/netabare}しか見えない(いや{netabare}女の子{/netabare}なんですけどね)のは、物語のあやふや感が減って少し残念。

トータルで見ると前作と同水準を維持。

なので今期楽しみな作品の一つです。

<2017/10/14追記>
読み返したら中身に全く触れてなかったので追記です。以下は前作のレビューからの抜粋コピペです。

あてのない旅を続ける{netabare}少年の様な少女{/netabare}キノと喋るバイク、エルメスのお話。

1話完結というかショートショートの趣ですね。
旅先の国々にはそれぞれ独自の事情があります。
それは風習だったり、ルールだったり、歴史だったり、技術だったり。
現実の世界では当たり前すぎる常識なはずのものを一個だけひっくり返したり、ずらしたり、といったものです。
そうした国でキノとエルメスは何を観て何を感じるのか。
ある種、思考実験じみたお話です。
なんか、そう。
星新一のショートショートの様。

こういうお話は好きですね。

<2017/11/19追記>
評価デフォルト3にしてましたが、今期も半分超えたので評価値付けてみました。
現時点では4.2。
全般的には割と好きなんですが絵が少し苦手かも。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 53
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

思考実験の国を巡る、ならず者の旅、キノの旅、シズの旅

ライトノベル「キノの旅」のアニメ化作品。原作は時雨沢恵一さん。映像化は2003年のテレビシリーズ、短編映画2作を経て、今回で4作目。

本作「キノの旅 -the Beautiful World-」で主役を務めるのは、前作に引き続き、キノとエルメス、一人と一台のコンビの他に、前シリーズのコロセウム回で登場したシズと陸{netabare}とティーを加えた2人と一匹のトリオ、(通称)師匠と相棒、フォトとソウの4組。{/netabare}

一貫してキノの旅のみを描いていた旧作と比較すると、今回は"キノの旅"が全体の約2/3を占め、そこに別の旅人達のお話が変則的に差し挟まれる構成。そのためロードムービーの色は薄くなり(元々それ程強くは無かったけど)オムニバスないしは短編集といった、原作により近い体裁を取っているという印象を受けます。

全12話中3話が旧作のリメイク、それ以外の9話の内4話+がキノ以外を主人公に据えたお話になっています。以下にサブタイのリストを載せときます。(リメイクはサブタイの頭に"Re:"付記)
{netabare}
第1話 人を殺すことができる国(キノ)
第2話 Re:コロシアム(キノ)
第3話 迷惑な国(キノ)
第4話 船の国(シズ)
第5話 嘘つき達の国(キノ)
第6話 雲の中で(フォト)
第7話 歴史のある国(師匠)
第8話 電波の国(シズ)
第9話 いろいろな国(キノ、シズ)
第10話 Re:優しい国(キノ)
第11話 Re:大人の国(キノ)
第12話 羊たちの草原 (キノ)
{/netabare}
リメイクは「コロシアム」「優しい国」「大人の国」の3本。キノの旅の起点であるエピソードの「大人の国」は、新作から見始めた人たちの為にどうしても除けないとしても、残念ながら他2つについては再構築の意義があまり感じられませんでした。アンケート結果に従って再アニメ化が決定されたそうなので仕方ない気はしますケド…。

各話についてのあれこれ
{netabare}
リメイクに対する不満を挙げればあれこれありますが、取り分け残念だったのが2話「コロシアム」。こちらは元々活劇描写の多いお話なのですが、それだけに作画面の劣化がひどく目立ちました。旧作と比べてキャラが全然動きません。また、前後編の2話に渡って描いたお話を無理矢理1話にまとめているので、これも物語の質を下げる原因になりました。時間的な余裕が無いので、キノ、シズ以外の人物-王、コロシアム参加者、門番(被支配者層)-の心理描写が丸ごと端折られており、台詞に重みが乗らず、結果、淡白かつ殺伐とした印象だけが残る薄味なお話になってしまいました。

6話は狂気に近い利他的精神を持った奴隷フォトが人間性を取り戻していくお話。主人公が特異な風習を持つ国を訪れるという毎度のパターンからは外れるものの、フォトを旅人とし、それ以外の登場人物を訪れた国の住人と見なすと、本質的には似た形式の話と捉える事が出来ます。自由をぎこちなく受け入れていくフォトの姿が、「大人の国」の女の子の姿と重なりました。今回のテレビシリーズでは最も印象に残るお話でした。

劇中に登場した毒草は多分トリカブト。ここで描かれた様に、開花前の状態では(葉の形状が酷似している為)ニリンソウやサンリンソウとの見分けが難しく、その致死性のある神経毒と共に、とても危険な事で有名です。トリカブトの花の特徴は名の由来となったとされる鳥兜に似た形状。山中等でなくとも(わたしは見た事無いけど)公園とか、その辺の道端とかにも群生している事があるそうなので、特に小さなお子様をおもちの方はくれぐれもご注意あれ。野草好きのわたしでも大事を取ってニリンソウにはあまり手を出さない様にしています。

7話は"師匠"とその相棒のお話。人伝に聞いた話という体裁をとっているので、他のお話と比べて明らかに話が出来過ぎていて、より寓話的、もとい精細さに欠ける与太話っぽいテイストではありますが(笑)ならず者ストーリーテラーの語るお話として相応しい雰囲気が出ていたと思います。

昔話というのは大抵そんなものですが、わたしは特にミュンヒハウゼン男爵の「ほら吹き男爵の冒険」をモチーフにして作られた映画、テリー・ギリアム監督の「バロン」を思い出しました。つまり、真実など、どこ吹く風、世の言い伝えは全てまゆつば、それならば、人は真実よりも自分の気に入った嘘を信じるという(笑)なかなか皮肉の効いたお話になっているのでした。

8話「電波の国」も7話と同じく、やはり真実よりも都合の良い嘘を選ぶお話。4話の「船の国」も似たテーマを扱っていますが、ひとたび流布した(ほら)話や長年続いた悪習は、払拭したり撤廃したりする事が非常に困難であるという事を寓話的に描いたお話になっています。~という言い伝え、~は常識、~は安心安全(汗)など、多数派がその様に唱えれば、その情報の内容がいくら不条理なものであっても、人は容易に騙されてしまうという事を示唆しています。

現代においては、マスコミによる情報操作、都市伝説、(インターネット)プロパガンダ等がその類と言う事が出来ますが、ここで描かれるのは"※国"という狭い社会の中でのお話。

家族、学校、職場、サークル、宗教団体等の様に、閉鎖された社会の中では、嘘が是正される機会が少なく、その中での"常識"は偏りの激しいものになりがちです。本作で度々描かれる、内輪の常識が外の世界では(その逆もまた然り)通じない、延いては丸っきりのお笑い種だなんて、悪夢みたいな冗談みたいな光景、皆さんの周りには無いでしょうか? わたしは良く目にします。そう言えば、このあにこれも一種の内輪でしたね(笑)

※:本作では都市国家の様な小国家をただ単に国と呼ぶ。

9話「いろいろな国」は小説で言う所のショートショートを幾つか集めた回。コメディ色の強い小話が殆どですが、その中の一つ「徳を積む国」のみは皮肉の効いたいつものテイスト。かつて殺人を望んだ男が、その願いを叶える為に善行を積み続けた結果、善人そのものの様になってしまったと言うお話。ウソでもホントでも、行動が精神に、精神が行動にと、フィードバックを繰り返す内に、両者の境が曖昧になり、それが本質になってしまうという事はままあるもの。模倣という行為の本質を掠めた、微笑ましくなる様な、怖ろしくなる様な、若干嫌~な後味を残すお話でした。(褒め言葉)

10、11話はリメイク。「コロシアム」程がっかりする事は無かったものの、やはり私的には旧作の描きの方が心動かされるものがありました。「優しい国」ではキノが感情を顕にする貴重なシーンが省かれてしまっていた点がとても、「大人の国」では(一代目)キノのキャラデザが刷新されていた点がちょっとだけ残念でした。別にイケメンにしなくても良かったのに(汗)

最終12話は全話中最悪の印象を残す回となりました。理由は以下に。

一つ目。クルマで撥ねられた羊がゴムまりの様に飛ぶシーン。描写を誤魔化す事で殺戮行為をコメディにしてしまっている点が非常に不快でした。キノの残虐行為にワンクッション置く意図が明白で、却って見苦しい表現になっていたと思います。救うにせよ奪うにせよ、命を軽々しく扱う(作中人物ではなく制作者が)描写はわたしは嫌いです。旧作2話にはキノが狩ったウサギの皮を剥ぐ前に脱帽し、一礼するシーンがありますが、こちらとの演出の違いに大きな差がある様に思いました。

二つ目。設定上では品種改良によって異常なまでに闘争心を高められたという事になっている羊たちが、なぜ内輪もめもせず、群れを作り、十年もの間、平和に暮らしていたのかという点が疑問でした。闘技場の様な狭い場所に押し込められていた時分にはあった、過度なストレスから開放されたからと解釈すれば良い気もしますが、それならば元々同族同士で争う様に改良された羊なのに、人間にのみ襲い掛かるのは何故?という別の疑問が生まれます。

羊たちの行動原理の根底にあるのが"人間への恨み"としてしまえば、ファンタジー的にはそれで結構ですが、そうすると品種改良云々という科学的な話とどこか噛み合いません。両者を都合よく合成した作り話という印象を受けました。

踏まえると作中後半にある「何故闘う?」というキノの問いは、羊たちに向けられた言葉ではなく、争うにたる合理的な理由も無いままに争いを続ける現人類(視聴者)に向けられた、作者の代弁とも取れる問い掛け(第四の壁を越えたメタ的な)だったと解釈出来るのではないでしょうか? この台詞に辻褄合わせする形で物語が組まれたのかと思うとかな~り興醒めしてしまいました(汗)

最後。エピローグのシーンについて、上とはまた別の意味で取って付けた様な印象があり、蛇足に感じました。元々数冊の本からの抜粋で全体が作られているアニメなので、特にエンドマークに相当するエピソードを入れる必要は無かったのではないかと思います。3期への布石とも取れますが、内容は取り留めの無いものだったし…。
{/netabare}
キャラについて、キノのアウトロー的な面、奔放な性格はそのままに、外見的描写はあからさまに女性寄りになり、旧作にはあった中性的な雰囲気が弱くなりました。コートを着用しないシーンが不自然なほど多くなり、体のラインをこれ見よがしに目立たせている風にさえ見えます。作中9話でもちらっと触れられていた様に、性別を隠す事は道中の無用なトラブルを避け、延いては自己防衛の有効な手段ともなり得るので、それを敢えてしないキノが何だか旅人として間抜けに見えてしまいました(汗)物語と演出の間の矛盾を感じます。

また、キャラデザ全般についても大きな変化があり、旧作とは異なり、よりラノベ的な、端正な顔立ちのキャラが多くなり、それぞれの個性が薄くなった印象を受けました。シズ、師匠、相棒あたりなんかは特に顕著で、理想的な顔立ちを追求すると、皆同じ顔立ちになってしまうと言わんばかりにそっくりさんで無個性でした。髪型と服装以外の外見的特徴で個々が区別が出来る様にして欲しかったです。「世界は美しい、ゆえに美しい」ではなく、「世界は美しくない、ゆえに美しい」が本作のキャッチコピーでもありますので(笑)

総評として、旧作と比べて全体的に雰囲気が明るく、キャラデザも今風、アニメが時代を映す鏡として機能している事を如実に表す作風の変化を感じました。命のやり取りなど殺伐としたシーンが度々描かれる作品なので、この変化は手放しでは受け入れ難いものがありました。構成の不備が第2話「コロシアム」と第12話「羊たちの草原」にあった事も残念です。

心待ちにしていた再アニメ化だったので、期待度が大き過ぎてがっかりしてしまう箇所もいくつかありましたが、なんだかんだで前期では取り分け楽しみなアニメの一つになっていました。原作ストックが山の様にあるので、次回のアニメ化に際してはリメイクエピソードを除外して、もう少し雰囲気暗めに作って欲しい(笑)というのが一視聴者としての願いです。

いつかまた始まる旅人の物語に期待を込めて!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 52

58.1 3 2017年度のやなぎなぎアニメランキング3位
時間の支配者(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★☆☆ 2.9 (123)
559人が棚に入れました
秘密こそ、絆の証。
人々の時間を喰らいし悪魔......その名は「計」
時を操りそれに対抗するのは時間の支配者「クロノスルーラー」
計によって自らの「時間」を奪われたヴィクトは相棒の霧と共に
時間という「過去」を奪還すべく時を操り、戦い続ける......
時間操作系スタイリッシュアクション、開幕――!

声優・キャラクター
福山潤、石川界人、釘宮理恵、赤羽根健治、伊藤静、杉田智和

37111 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なんでか知らないけどビッグオーダー思い出す。

1話視聴後感想と今後の期待度
一言コメント:作画微妙だが、ハガレンをちょっと思い出すテイスト。ただ敵がどうも。。。
期待度:★★★

時間を操る割に減速と加速しかできないからなんかバトルが単調。

まぁ、きっと見どころはそこじゃないんだろうと思うけど。
主人公側が有利になると必ず流れる音楽がビッグオーダーを思い出すけど、ビッグオーダーほど発茶けて突き抜けてないからちょっと中途半端。

そう、なんか中途半端。

くぎゅが久しぶりの人間役?ww

投稿 : 2024/11/23
♥ : 11
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