いたずらでファンタジーなTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のいたずらでファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月16日の時点で一番のいたずらでファンタジーなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

83.1 1 いたずらでファンタジーなアニメランキング1位
リトルウィッチアカデミア(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (718)
3334人が棚に入れました
幼い頃にシャイニィシャリオの魔法ショーを見て魔女になることを夢見たアッコはシャリオと同じ伝統ある魔女育成名門校「ルーナノヴァ魔法学校」に入学する。新しい町、新たに始まる学校生活、そして新たに出会う友達。魔女学校の中でほうきの飛行授業や魔法にまつわる不思議な授業など、魔女学校ならではの授業の中でアッコやロッテ、スーシィたちが大騒動を巻き起こす! ルーナノヴァを巻き込んだアッコの魔女への第一歩が今から始まる―。

声優・キャラクター
潘めぐみ、折笠富美子、村瀬迪与、日笠陽子、志田有彩、村川梨衣、上田麗奈、日髙のり子
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

少し懐かしさを感じられる作品

最終話まで視聴。

物語はやや子供向けか?とも思いますが、大人から子供まで楽しめる作品だと思います。
私のようなおっさん世代には少し懐かしさも感じられるような作品でもありました。
笑いあり、涙あり、最終話まで堪能させていただきました。

もっと話題になってもよさそうな作品なのに・・・。

この作品の好き嫌いは、主人公・アッコを受け入れらるか否かだと思います。
【本編15話より】{netabare}『計画性なし、客観性なし、衝動的、自己中心的、強引、単純、ズボラ、能天気』{/netabare}
こんな『猪突猛進アッコ』が受け入れられるかどうか?

だけどね・・・、
アッコが何かをしでかさないと物語が進まないんだから仕方ないじゃん!

すべての世代の人に安心してお勧めできる作品です。

【物語】
前半はドタバタコメディ色が強い。
1話完結で非常に見やすい。

後半は少しずつシリアスな展開に・・・。
笑いの中にも感動的な展開が続きます。
そして感動の最終回へ。

【作画】
とにかく良く動きます。
そして見やすい。

【声優】
それぞれのキャラに良く合っていたと思います。

【音楽】
OP・EDとも良曲。
作品のイメージにもぴったりです。

【キャラ】
主人公アッコの周囲のキャラも好人物が多い。
優等生のダイアナ。
眼鏡を外すと美人のロッテ。(一体どういう仕組みなの?)
マイペースなスーシィ。
アマンダ、コンスタンツェ、ヤスミンカも好人物。
そしてアーシュラ先生。

こうやって名前を列記するだけでも感動がよみがえる。
この作品の世界観、個人的に大好きです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 91
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ようこそ魔法の国へ

TRIGGER制作。

娯楽としての力が別格です。
心配していたキャラもむしろポップで良い。
スーシィが特別に素晴らしい。
80年代アニメの古典を見ているようだ。

元々好みの題材であります。
古風なファンタジーで、
尚且つダークな魔女の世界観が良い。

徐々に深まって来る謎、
{netabare}ナインオールドウィッチが封印した、
グラントリスケル、アルクテゥルスの言の葉。{/netabare}
古来より言葉には魔法が宿っているのだ。

最終話視聴追記。
状況を打破する信じる力、
奇跡は信じない、自分を信じる。
{netabare}仲間が次々と、背中を押してくれる、
最終話の演出は冴えわたっていましたね。{/netabare}
みんなと繋がることで夢は叶う。
まさに魔法の瞬間です。

アニメを評価する項目が、
全方向にバランス良く伸びて、円形に近い。
素晴らしい物語と構成力です。

ようこそ魔法の国へ、ここは愉快な冒険の国。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 84
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

制作会社「TRIGGER」がじっくり育てた作品。そう感じます!

少女が魔法学校に入学して色々成長して行く話。
1話1話が楽しくて良い話ですね。
この作品、深夜以外に放送したら、もっとたくさんの人に共感してもらえるのではないでしょうか。

●最後まで観て
2クール最後まで楽しく観させていただきました。
個性的な仲間や先生との学校生活。
アッコが思いどおりにいかない時や、うまくいった時を見て一緒に一喜一憂してました。「よかったなぁアッコ」「がんばれアッコ」ってね。
おぉぉ!自分はアーシュラ先生と同じ立場でしたね!書いていて気が付きました!

{netabare}「信じることが魔法の力」
王道のアニメだから言えるセリフです。
アッコとダイアナは人々に魔法を信じる力を生み出しました。
そして信じる力はとても綺麗な色をしていました。
アッコもダイアナもそして魔女達も気が付いたのでしょうね。
長い間、魔女が一般人と隔てていた壁があったことに。。。

雰囲気でしょうが、最後のシーンでアッコが箒に乗る場面では
心なしかいつもより明るい色使いのような気がしました。

ドッキドキ―のワックワクー!

スピンオフネタ沢山ありそうですから。まだまだ楽しませて頂戴。 {/netabare}




制作会社「TRIGGER」は「リトルウィッチアカデミア」をこのアニメ含め3作品作っています。
短編、リクエストに応えた映画製作、そして2クールのテレビアニメ。
これはもう「大事に育てているアニメ」で間違いないです。
私はとても制作会社の意気込みを上(下)記からも感じますし
私の嗜好に合っているので皆さんにお勧めです!!

最近は、ロッテ目線で観てしまいます。「アッコ今週も大丈夫かなぁ」



●前半
小さい頃の夢を実現して魔法学校に入れたアツコ。
王道的な物語らしいですが、(ライバル?)ダイアナも意地の悪い奴ではないしアッコが目標にしたいような相手です。
先生、生徒全員が協力してハッピィエンド系になっていきそう。
シャイニィシャリオにいつ会えるのかな?

観ていてとても爽やかでいいですね!

「TRIGGER」ということは!キルラキル!
だから主人公が最初から全力なのか!(笑)

正直、思った以上に楽しめています。

がんばれ アツコ!
 ロッテ、スーシィはマイペースでね。


●後半がはじまりました。
引き続き毎週楽しみに観れます。
言の葉、グラントリスケル、シャリオの役目
キーワードが揃ったようです。
ロッテ、スーシィとのこれからの友情(OPで3人で腕を合わすところ)、ダイアナの悩みも気になります。
アツコもっともっと成長して楽しませて頂戴。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 66

69.0 2 いたずらでファンタジーなアニメランキング2位
あまんちゅ!~あどばんす~(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (213)
826人が棚に入れました
 伊豆の町で生まれ育った小日向光と、東京から引っ越してきた大木双葉。ともに夢ヶ丘高校に入学した二人は、スキューバダイビングと日常の何気ない出来事の中に、たくさんの幸せを見つけてきた。かつては何事にも消極的だった双葉だが、明るく前向きな光のおかげで一歩前に踏み出す喜びをいくつも経験。さらに、双葉は念願だったオープンウォーター・ダイバーの実習にも合格し、次はアドバンスド・オープンウォーター・ダイバーを目指すことに。一度きりのかけがえのない高校生活は、まだまだこれからが本番。素敵な日々は終わらない、二人でともに歩む日々が続くかぎり、ずっと。

声優・キャラクター
鈴木絵理、茅野愛衣、大西沙織、梅原裕一郎、伊藤静、久保ユリカ、井上喜久子、山本亜衣、加隈亜衣、洲崎綾
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

相棒(バディ)になるために、自立する

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
1期に比べ、やや百合成分とファンタジー成分が濃くなったが、安定の癒し系作品。キャラや空気感は流石で、3ヶ月、癒され続けました~♪

唯一残念だったのは、肝心のダイビングの作画かな。もしそこを、P.Aや京アニレベルでやってくれれば、、、というのは、流石に贅沢言い過ぎですね(笑)


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
「何でもない時に集まれるのは、特別な人だから」
「ダメな時は現実で、良い時は夢だと思うのはもったいない。良い時も現実」
「他人と過去は変えられないけど、自分と未来は変えられる」
「欠点とかコンプレックスを上手に受け止めると、立派なチャームポイントになる」

1期同様に、名言がたくさん出ましたね。空気感も前作の良さをキチッと引き継いでいましたし、相変わらず癒し成分がこんもり。

ただ、「ダイビング」と「友情」にポイントをしぼった1期に比べ、ファンタジー的な要素や、百合百合しい描写も増え、ちょいと雰囲気は変わった印象でした。

これは好みの問題だと思うのですが、個人的には1期のリアル路線の方が良いなと思いました。本作なら5話や12話みたいな話。

まあ、天野さんは、4話や7~9話みたいな「日常生活に入り込むファンタジー」を描くのが得意な方ではありますが、「ARIA」のような元々ファンタジー要素が強い世界観ではドンピシャでしたが、「あまんちゅ」は現代の日本を舞台にしているので、ちょっと戸惑ってしまいました。

本作に限って言えば、ファンタジーは(せめて4話程度に)抑えて、百合ももっと抑えて、王道の友情・成長物語&ダイビングの魅力を伝えていくような作品が良かったのではないかな~と。

だから、リアル路線での見処だった、てこのアドバンス取得、成長を魅せる部分は凄く好きでした。最終話のナイトダイビングなんかは分かりやすいけど、1話目のシャワーシーンでなんの躊躇もせずにみんなの前に裸で出る、みたいな部分など(初めの頃のてこなら、絶対にやらないだろうから)、日常の細かなところに仲間との絆の深まりや、逞しく成長した様を観られて感動しました。1期のてこは、ただただピカリに憧れて、手を引かれながら自分の殻を破ろうとしていた雛鳥、って感じでしたが、大きく青い空を知り、そこを親鳥(ピカリ)と並んで自由に飛ぶために、どんどん成長をしていく。そんな感じを受けました(それがレビュタイです)。実際に、ピカリもてこからたくさんの「素敵」をもらい、学んでいましたしね。

にしても、やはりピカリは稀有なキャラクターだなと思います。ボーイッシュとも違うし、突拍子もないことはするけど、がさつなわけではないし。元気で積極的だけど、本当は恥ずかしがり屋でたまにちょっとネガティブで。男前で女の子らしい素敵なキャラクター。例えば、お風呂で水着外しちゃって恥ずかしくて出られなくなったシーンとか、普通の(ピカリ的立ち位置の)アニメキャラなら、気にせず出ようとして周りが焦る、みたいになりそうなもんです。でも、絶妙なラインでちゃんと女の子なのが素敵だし、物事の良い面だけを自然体で捉える、大好きなキャラクターです(風呂のシーンで初めてピカリに萌えましたw 細すぎないのも、健康的でピカリらしくて良いですね)♪

あと、てこ役の茅野愛衣さん、流石の演技力です。てこは「心の中の声」も多いんだけど、普通の会話とちゃんと演じ分けされてました。「心の声」の時は、ややトーンを落とし、話し始めを少し溜めるような感じで、普通の会話は、語頭からパーンと声を出すような感じというか。目を閉じて聞いてもちゃんと違いが分かるので、凄いなと。


最後に一言。1期からずっと思っていることを。

あの(制服の)スカート、走りにくそうw

3期あったら観たいですね♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目○
相変わらず、仲良しだな~。シャワーの後、全裸を恥ずかしがらずに出ていく てこ に、成長(強くなった)と、仲間との関係性の深まりを感じたり。1期最初のころの てこ なら、間違いなく、(女同士でも)恥ずかしがって出ていかなかった気がする。ガラケーから、スマホに(笑) この作品、ダイビングの作画がショボいのが、致命傷なんだよね(汗) ピカリが刀で、てこ が鞘って感じかな。「何でもない時に集まれるのは、特別な人だから」

2話目
君の名は(笑) 秘密が嬉しい、か。信頼関係やな。花火の作画はわりと頑張ったかな、時間的に。

3話目
ダイビングの怖さをちょこっと。てこの成長をちゃんと。何気に、てこの服装がエロイ(笑) どんなイビキやねん(笑) 他人と過去は~って言葉は、松井秀喜さんも言ってたよね、昔。素敵宣言。(作画以外は)どこまでも美しい作品だな。

4話目
久々に制服だが、相変わらず走りにくそうだ(笑) ふらいんぐうぃっちかな? 夢の中だから(笑) 夢の中で夢に気付くの、楽しいよね。ちょいと小説的な話。

5話目○
ふ~ん、ダイビング知識だね。何気にテクニック必要なんだね。まあ、厳しくしないとね、命に関わるし。でも、なぜ初心者を最後尾にするの?

6話目
ハロウィン。一番嫌い(馴染めない)行事だな(笑) ピカリ、妙なテンションだな(笑) 百合百合してますなw 変態じゃかねぇか(笑)

7話目
夜の校舎の階段の静けさ。多分、海の中に似ているんだろうね。だから、嫌いじゃない。ピーター、スゲェ反射神経と身体能力(笑) 姉ちゃん先輩、照れてるw 「楽しい時間はいつか終わるから、ピカピカに輝く」。あまんちゅにしては珍しく、恋愛成分多目。

8話目
なにやらファンタジーだよな~。ちょい微妙。

9話目
まあ、姉ちゃん先輩含め、この作品で恋愛話やるとしたら、ファンタジーでしかできないということなのかな。ほ~、ブルーストライプ(笑) 先生だったのは、意外。まあ、誰が一番素敵かと言うと、間違いなく弟君先輩だなw

10話目
年越しか~。弟君先輩、いつもハーレムだな、蹴られるけどw あまり百合百合するのもな~。一人の時より、大勢の時の方が孤独を感じてた、か。欠点とかコンプレックスを上手に受け止めると、立派なチャームポイントになる。

11話目
ことりちゃん、このぐらいのファンタジーなら好きだな。え~、こころちゃん、男だったの(苦笑) ビックリだわ。

12話目
良い最終回でした。やはり、こういう作風が良い。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 25

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

日常、ときどきダイビング。(たまに、オカルト風味(笑)。)

『ARIA』で有名な天野こずえ先生作の漫画原作『あまんちゅ!』のアニメ化作品です。

伊豆の海にある海の家兼ダイビングサービスの「あまんちゅ屋」と静岡県立夢ヶ丘高校周辺を主な舞台とする「日常、ときどきダイビング」なお話です。

タイトルに「あどばんす」が付かない『あまんちゅ!』というのがアニメ化の1期目で、「あどばんす」は2期目ですね。1期目からのキャラの関係性の歴史の積み重ねを踏まえた上で2期目である本作を観た方が良いでしょう。

「日常、ときどきダイビング。」は原作についていたキャッチフレーズ的なもので、アニメでもダイビングの描写よりは日常パートに時間が割かれている気がします。それでもたぶん「あどばんす」の方が1期目よりはダイビング描写は増えたかも。

というのも1期目では主人公のてこ(本名: 大木双葉(おおき ふたば))がもう一人の主人公ぴかり(本名: 小日向光(こひなた ひかり))に誘われてダイビングに興味は持ってオープンウォーター・ダイバーの資格取得を目指す期間のお話であるため、取得に必要な実習の描写はあってもなかなかダイビング描写に尺が割かれない展開だったのに対して、「あどばんす」では初級ながらも一応「ダイバー」であったということが大きいと思います。

とはいえやはり多くの尺が日常描写、それもお祭り的なイベント事などに割かれて、またそれに係わって新キャラなども登場し、賑やかなお話になりました。

そんな中でてこの意外な能力(?)も披露され、ちょっとオカルト風味というか不思議体験的な出来事もあって、1期目以上に幻想的な要素のある作品になっています。

なお1期目同様にキャラのデフォルメ描写は健在で、私は気にならないのですが一部の不評を買っているのは相変わらずのようです。

「日常の全てが大切」みたいな、思春期特有の煌めきのようなものがまぶしく感じられる作品です。幸せな青春を過ごした人には共感を、過ごせなかった人には羨望をもたらすのではないかと思います。

合う人には合うと思いますが、退屈に感じる人もいるかも。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 29
ネタバレ

めかぶ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

どうして・・・

二期決定したときは小躍りするくらい喜んだんですよ
でも非常にがっかりしました

というのも
「日常ものにファンタジー?なにそれ?」
ってなっちゃったんですよ

{netabare}いきなり箒に乗って空飛んだときはポカーンてなっちゃいました{/netabare}
もうそれがショックで
以降あまり素直に楽しめませんでした

前作がとても良かっただけに

ホントにファンタジー要素さえなければ・・・

完全に迷走しちゃった感じですね

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

62.0 3 いたずらでファンタジーなアニメランキング3位
ユーレイデコ(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (81)
202人が棚に入れました
情報都市トムソーヤ島。ここの住人たちは視覚情報デバイス「デコ(デコレーションカスタマイザー)」を使い、超再現空間と呼ばれ る仮想空間と現実をリニアに行き来する生活を営んでいた。さらに「らぶ」と呼ばれる相互評価が数値的に可視化されており、バラン スのとれた価値観を保つことで平和な社会を形成している。多くのらぶを集めることでデコが拡張されることもあり、住人は多くのらぶ を集めるために日々奔走していた。そんな島では「怪人0」が引き起こしている、「0現象」と呼ばれるらぶ消失事件の噂が広がってい た。ある日、0現象に偶然巻き込まれてしまったことから「ユーレイ」と呼ばれる住人登録の無い、見えない存在になってしまった少女 ベリィ。彼女は天才的なハッカーでありユーレイのハックと出会い、怪人0と0現象の謎を突き止めるため、ハックが率いるユーレイ探 偵団に参加する。ユーレイとして舞い込む依頼を解決していくなかで、ベリィはトムソーヤ島に隠されたある真実に近づいていくことに なる。

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

構造主義と情報化の中で大事なのは、仲間と体験と家族と自分を信じること。

 23年7月に再視聴3回目か4回目だと思います。23年4月までに書いたリアルタイムと追記のレビューをまとめています。ほぼ主旨は変えていません。評価は4.6を5にしました。


 テーマ性のあるアニメのいいところは、興味が尽きないという点もありますが、引用元や難解な思想をかみ砕いてエンタメの形で見せてくれることです。
 エンタメという表皮がかぶさるので、直接見えないため食べる時に中身を口の中で咀嚼し、味わないと何が入っているのかわからないという難点もありますが、本作はかなり上手く料理しているのではないでしょうか?

 本作、大きなフレームで言えば、構造主義の奴隷問題ですね。要するに自分自身というものは生物、社会、言葉、情報、その他さまざまな自分を取り巻く、事象によって外部的に規定されている。その制約からは逃れられず、自分の考えや欲望などは無いという話です。
 そこに対する答えが、ならば、大切なのは実体験と仲間であり家族の記憶である、という事なんでしょう。「DO IT YOURSELF」「スーパーカブ」がまさにこういう話だったと思います。

 初めはパノプティコンのようなフーコー的な世界観も考えたのですが、それはちょっと考えすぎなのかもしれません。が、島が円形で上から監視される形で監獄を連想させます。

 または、もう少し視座を落としても、情報ネットワークに支配された人間の生活もまた、逃れようがない未来という視点もあったと思います。むしろ、最終話まではこちらの話がメインだったと思います。

 オーウェルの「1984」のような監視社会におけるデオドランドされた社会という問題がありました。正義の定義の画一化は思想統制そのものです。社会は骨抜きにされ、表層だけは平和な社会ができる。「リコリスリコイル」「サイコパス」でも扱っていたテーマです。

 情報の真偽の問題があります。これは情報に踊らされるという面もありますが、流通される情報量によって、無いものが実在化する、という点も描いていました。ユーレイデコのユーレイの部分。つまり、情報的に認知されない存在は実在しない。ゆえに情報がないものは排除する。
 ただ、ネガティブな事だけでは無かったですね。なぜウワサを信じるのか?好奇心ですね。好奇心が行動につながりました。
 
 もちろん「攻殻機動隊」や「シリアルエクスペリメントレイン」「電脳コイル」などの後継としての役割もあるでしょうが、ゼロ現象は集合的無意識のようなものではなかったので、サイバーパンクとしての問題提起は薄かった気がします。


 デコの存在は、自分が見たいものだけみる。自分を見られたいように見せる。そして、社会が見せるべきものだけ見せる。ラブポイントは承認欲求であり、価値観の統一化です。評価=経済でした。
 これはSNSのいいねはコカインよりも人を中毒にさせる問題とも関連しそうです。ここから言えるのは、自分を信じること。自分の価値観を持つことでしょう。

 本作で気になるのは、マークトゥエインという「作者」とトムソーヤという「作品」の関係。そして「ハックルベリー=フィン」という「登場人物」の関係ですね。
 ハックルベリーは経済社会、労働社会に嫌気がさして死を偽装して逃亡します。どこまでメッセージを込めたのかは制作者に聞かないとわかりませんが、アナロジーを考えると面白いネーミングです。ただ、これはまあアナロジーというほどでもないかなあ。冒険にひっかけているだけかも。


 で、これだけ詰め込まれているのに、話は面白いんですよね。1回目はちょっとハックの独特な言葉がひっかかりましたが慣れると気になりません。これは、言語によってハックの自由さ、無垢さを象徴しており、ラストにつながってくるのでしょう。

 それとデコが壊れて=視点が自由になる。また、情報から消えることでユーレーになる。そしてどんどん広がっていくベリーの世界。この展開がストーリーの面白さにつながっていました。

 作画は良いですね。キャラは独特ですが、この話は萌えではちょっと伝えきれない気もします。その一方でもし「リコリスリコイル」のキャラデザでやってればという気もします。そこで損している感はありました。

 音楽。いいですね。OPEDとも毎回ほぼとばさなかったです。途中のBGMも楽器が少なめのピュアな音だったのが、雰囲気を盛り上げました。

 トータルでテーマとして情報化社会、ポスト構造主義の中で生きる視点を与えてくれて、非常に良い出来だったと思います。
 そして、SFとして設定も話もよくできていました。種まきも伏線回収も展開も良質だったと思います。
 キャラも必要十分な配置を無理なく使い切っており、また、キャラ造形も上手いかったと思います。

 サイエンスサル。いいですね。「平家物語」「映像研には手を出すな!」などTVは絶好調です。こういうのを作りたいという想いが感じられます。

 本作は見れば見るほど面白くなる、不思議なアニメです。最近上で上げたように同じようなテーマの話が増えている気がします。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14
ネタバレ

横比較無用ノ介 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

現代らしい童話なのかな

マーク・トウェインの作品を拝借しつつ、仮想未来都市を設定。
POPでカラフルでありながらも、奇妙な雰囲気が漂う世界が舞台になっている。
お節介で直情的なベリィと、自己中心的なハック。
子供を主人公にすることで、ストーリーは無軌道な感じになる。

だが終わって見れば、シンプルな物語だった
情報規制、情報隠蔽によって、犯罪抑止された世界が理想的なのかを問う内容。
このメインテーマを直線的に描くと、殺伐とした雰囲気になりかねない。
そこで、子供たちがメインの物語にしたのだろう。

後半は目標が明確になり、分かりやすくなった。
だが、序盤の散乱したイメージが強すぎて、高評価は付けにくい。
作品同様、感想もまとまりを欠いてしまう。

ということで、以下雑感。
{netabare}
「トムソーヤ島」
冒険少年の名を冠する島。その実態は監視社会(某大国でしょうか?)。
だが、枠にはまらない者は必ず生まれる。否定したくても、人間は元々多様です。

「オノマトペ」
ハックがやたらと使う耳障りな擬音。彼が嫌いで脱落した人も多そう。
実は、教育を受けていないため、語彙力が無いことを表現しているのかな。
海外向けには、どのように翻訳するんだろう。

「嘘から出たまこと」
トイレットペーパーが不足するというデマ情報。これをメディアが否定。
その結果、トイレットペーパーに関心が集まり、買い占めが起き、不足してしまう。
人間は万物の尺度。最近は扇動目的のデマも多い。気を付けましょう。

「主観だけで体験し判断することでは、感情と言う罠に嵌り、時に真の評価を...」
情報リテラシーにも通じそうな、フィンのセリフなんだけど、まさか、
"感情移入できないので、つまらないとか言ってると、本当の面白さは理解できないよ"
という意味じゃないよね。過剰な深読みであって欲しい。

「Complete Control」
The Clashの1977年の曲。
"Oh, complete control, even over this song"
この曲でさえ、完璧にコントロールされている。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

目に映る虚構と心に映る真実

【紹介】
「情報化社会の歪に疑問を投げかける」メッセージ性全振りな作品で、メッセージのいくつかには共感しました!
VTUBERにメタバース、ARにVR、そのうちこんな風に仮想空間と現実が融合した世界で生活する日が来るのかも?

【感想】
こういうものを作りたいっていう意思とオリジナリティが感じられていい作品だと思いますし、面白かったです!
面白かったけど、なんか好きになれなかった

意識高い系のデザインやキャラクターは尖っていて個性的だけど、狙いすぎかも、わたしには良さが分からなかったです
それから「ラブい」「ゲジゲジ」とかバズらせようとしてるようなオリジナルワード連呼もニガテ
流行語ってみんなが使っていればエモいけど、みんなが使わないキャッチーなワード連呼してる人を見てるといたたまれない気持ちになります
それを意識高い系な雰囲気で堂々とされると、うーん・・・?って微妙な気持ちに
そういった意識高い系な作りとなんかずれてる感じが好きになれないとこかなー?

{netabare}
作者の伝えたいメッセージ伝えることには成功してるけど、伝えることに一生懸命でシナリオが犠牲になってる気がします
ベリィやハック達の生き方を中心にした話じゃなくて、伝えたいメッセージにキャラクターを登場させているだけな感じで物語の軸がないように思います

それから世界観の設定も不思議なことが多くて、これだけ情報化社会が発達しているのにどうして人が手動で管理してるの?とか(国中??都市???に流れる情報を全部人が管理って、何人必要なの?)大事な情報を管理しているところに簡単に侵入できてしまうセキュリティとか
すごいのかすごくないのかよくわからないです
たぶん有害な情報かどうかなんて今でもAIが識別して管理できると思うの
{/netabare}
【シナリオ】{netabare}
大量の情報の中から取り入れる情報を取捨選択できる世の中ですが、情報を取捨選択している気になっているけど実は与える情報を管理されている嘘で塗り固められた世界
現実世界でもそういうところはあるけど、それが行き過ぎた世界がユーレイデコの世界観

みんな自分が知りたい情報、見たい情報、楽しみたいコンテンツを自分で選んで自分で判断している「気になっている」けど
その自分で選択して手に入れた情報はホントウに真実?
それは管理者によって都合の悪い情報は削除され、都合の良い偽情報によって塗り替えられた虚構・・・
ただの文章や映像ならいいけど、それが視覚や聴覚まで塗り替えられるようになったら、人は真実に気づけるのでしょうか?

「ラヴ」がないと楽しい生活はできない、なりたい自分になるにも、見たいものを見るにも「ラヴ」が必要
このラヴは多くのSNSにある「いいね」と同じ、あにこれにもありますよね

この「いいね」を集めないと生活できない世界の歪な姿を描くことで、いいねを集めるために何でもする世の中への疑問を投げかけているみたい
わたしも同感です、人からいいねをもらうこと、人から評価されることを最優先にしていくと、大事なことを見失う気がして
本当に魅力的なものは、他人の評価を気にせず、自分が一番いいと思ったものを見せることじゃないでしょうか?
それは多くの人には受け入れられないものかもしれないけど、誰か一人から「最高!!!」って言ってもらえるものになるかも?

こんな風に情報化社会のいろいろな「変なこと」を痛烈に風刺しながら「忘れちゃいけない大事なこと」をメッセージとして発信しているみたいで
いい作品だと思います
{/netabare}
【例えばこんなメッセージが込められていました】{netabare}
・真実でも有害になりそうな情報は検閲して削除してしまう世の中は正しいの?
・情報を削除されるとすぐに忘れてしまうくらい人間の記憶は曖昧、でも大事なことは絶対忘れない
・目の前に実物があるのに、登録されてないor身分が証明されてないと信じてもらえない、見えてるのに見えなくなることの奇妙さ
・目で見たわけじゃないのに、誰でも編集できるwikiをホントウだと信じて疑わないこと
・ネットにあふれる嘘の情報、真実がどうかよりも書いたもの、騒いだものがち、声の大きな意見が正義という歪んだ世論
・人は真実でも嘘でもないただのうわさを信じるのか?誰からなのかわからない噂を伝言ゲームみたいに人から人へ伝えていく謎のシステム
・悲しみは一人でも十分に味わうことができるけど、喜びは誰かに手伝ってもらわないといけない

シナリオ書いた人の伝えたいことはなんとなくわかって、共感ポイントが多いアニメでした

{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14
ページの先頭へ