あしすと さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
箱根駅伝ハイライト理論~1期が好きか2期が好きかでアニメの好みが分かる作品(15.1.24加筆)
(以下、1回目のレビュー)
※2度目のレビューを加筆したために折りたたんだだけで、特に大きなネタバレがあるわけではありません。
{netabare}SAO第2期、期待通りの面白いアニメでした。
ただ、もちろん世界観は1期と共通なのですが、構成はだいぶ違う印象を受けました。
具体的には、状況描写をかなり丁寧に行っている印象を受けたこと。
1期はアインクラッド編もフェアリィダンス編もそうなのですが、1エピソードを引っ張らずに論理矛盾を作らない最低限の状況説明で、物語をサクサクと進めていったバトルアクションという感じ。
それに対してこの2期は、GGO編もマザーズロザリオ編も行動心理や状況説明をとにかく詳しく行って、1エピソードを出来る限り掘り下げていた印象(さすがにキャリバー編は除きますが)で、もちろんバトルアクションではあるものの、それを前面には押し出さず、もっとセンシティブな作り方をしていたという感じ。
特にGGO編は会話劇だった部分もかなり多かった印象です。
原作を読んでないので以下は予想なのですが、これはアニメ2期だから構成を変えたというよりも、原作のほうで構成を変えていたタイミングだったんでしょうね。
アスナ救出でフェアリィダンス編をハッピーエンドさせたところで、マンネリ化させないためにGGO編では原作者さんが意図して趣を変えた、みたいな。
そんなわけで、同じキャラ同じ世界観ですが1期と2期でだいぶ構成の仕方が違うアニメだと思うので、このSAOにおいては
・物語がサクサク進む方が好きなタイプ→1期の方が好き
・キャラや状況をしっかりじっくり掘り下げる方が好きなタイプ→2期の方が好き
…といった感じで、1期も2期も【同じくらい】好きという人は少ないんじゃないかと思います。
ちなみに僕は…、もちろん2期も面白かったんですけど…、
「洞窟の中だけでいったい何週過ごすねん!?(東北人なのでエセ関西弁w)」
…というツッコミを、視聴途中に入れたというのは今となっては良い思い出です(笑){/netabare}
(以下、15.1.24加筆分)
…というレビューを1度目に書いたのですが、その後にSAO1期に自分と異なる視点を持っている方のレビューを読みまして、気づいたことがあったので、それ加筆してみます。
その自分と異なる視点とは、
「SAO1期は全知全能の主人公キリトが無双する作品で、そこに至るまでの過程がほとんど描かれておらず、あまり好きな作品ではなかった」
というものです。
もちろん、自分と異なる視点があるのは当たり前だと思いますから、それ自体は特に気にしてないんです。
ただ、自分がふと違和感を感じたのは、
「なぜそんなに視点が違うのかな~?」
という部分でした。
そして思い至ったのが
【箱根駅伝ハイライト理論】
です。
以下はあくまで「例」なので、本当の自分とは趣味が違っても、そこは僕の前提に乗っかっていただけると助かります。
箱根駅伝って、10時間以上も全部見続けるのってさすがにしんどいですよね。
結果を見るにしても、ハイライトで十分ですよね。
じゃあ、以下の2つの30分ハイライト番組があったとしてどっちが見たいですか?
(1)スポーツ番組型ハイライト
・展開や記録に特化した編集
・何区のどの選手が何人抜きをして、どの学校がどんな記録を出して、シード争いはどんなデッドヒートになったかを30分見せてくれる番組
(2)ドキュメンタリー型ハイライト
・人間ドラマに特化した編集
・どの学校のエースが怪我をして大会に間に合わず、残りの部員がその思いを背負っている、とか
・脱水症状になった選手を監督がストップさせてタスキが途切れた、とか
・名門校がシード落ちしたことを、後日談を交えて語ったりする30分
これが、アニメの好みにも当てはまる理論なのかな、と。
(1)なのは、スポーツ的な見せ場を優先して編集したという意味でSAO1期。
(2)なのは、ドキュメントを優先して編集したという意味でSAO2期。
(※もっと言えば、そこにこだわる人が見れば2期でさえ(1)寄りで、(2)と判断するのはもっと別の作品なのかもしれませんが)
で、ここからは完全に個人的な好みですが、僕が好きなのは断然(1)なわけですよ。
こっちはスポーツハイライトを見たいんだから、ドキュメンタリーの尺なんか取らずに詳しいハイライトを見せてほしいわけですよ。
話は変わりますが…、
僕、サッカーはかなり詳しくて関連番組もかなり見るんですが、高校サッカーハイライトとか、去年の民放のW杯関連番組とか、実は本当にやめてほしいと思っているタイプです。
俺は高校サッカーの試合のハイライトや注目選手がどんなプレーをするかに興味があるのであって、大会に至るまでの苦労話や、試合に負けたチームのロッカールームを見て面白いと思う性癖はないんだよ!
俺はW杯に出るチームや選手がどんなに凄いプレーをするのかが知りたいのであって、メッシやCロナウドの苦労話に興味はないんだよ!
…でもこれって、箱根駅伝にしても高校サッカーにしてもW杯にしても、きっと苦労話ドキュメンタリーにしたほうが視聴率が取れるからそうしているんでしょうね。
どこまで一般化していいものかは分かりませんが、きっと日本人はそういう方面の苦労話に共感するのが好きな人も少なくないんでしょうね。
話題がものすごく行ったり来たりした上で強引にまとめます(笑)
結局、SAOの感想について僕が感じた違和感は、スポーツのハイライトを見るのが好きか、ドキュメンタリー要素のあるハイライトを見るのが好きかの違いなのかな~、と思ったのですよ、という話です。
それを「箱根駅伝ハイライト理論」と名付けてみたんですが、いかがでしょうか??(笑)