plm さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ぅゎょぅι゛ょっょぃ
タイトルは「黒い弾丸」を意味する、ライトノベル原作のバトルアクション系作品。
2014年春アニメの中でもオーソドックスなタイプの戦闘系ラノベアニメかと思われた。
実際、よくある設定・よくあるキャラだなー、と観始めて感じた。
技名叫びながら蹴りだす辺りで「機巧少女は傷つかない」を思い出した。
しかし、異質な要素が一つあった。
大量の「幼女」である。
そりゃ、キャラクターの中に幼女の一人や二人はでてくることもあるだろう、
……だが、そういうレベルではない。この作品における幼女は"イニシエーター"と呼ばれ、
高い戦闘能力有する存在で、それを監督するお兄さん(orおっさん)とツーマンセルで行動するのが基本。
殺伐とした世界の中で、厳つい男と幼女が並び立つ映像はそれだけでもかなりシュールである。
しかし、真剣に ぅゎょぅι゛ょっょぃ が現実のものとなった世界観なのである。
■至高の幼女アニメ
テンプレっぽい設定でも"幼女"という一見場違いな要素があるとなんだか斬新で、意外にも熱中できた。
というのも、設定が設定で終わらず、残酷な現実と幼女の明るさがどちらもしっかり描かれていて、
"過酷な運命を背負った幼女たちが頑張る"ということに感情が入り込めたからだった。
少なからず突っ込み所はあるものの、延珠ちゃんの底抜けの笑顔を見てたらただただ好感を持てるし、
キャラの背景や立場がわかってくると、素直な感情表現にも頷ける。
主人公とパートナーの関係性や掛け合いがいいというのは、それだけでかなり見所になっている。
延珠ちゃんに限らず、個性的な幼女たちがいっぱいでてくるのだけど、これがまたみんな可愛らしい。
中でも碧ちゃん演じる殺戮幼女の小比奈がもうなんかすごい、独特な声と狂気的な表情だけど、
基本こんな感じの顔(゚▽゚)がかわいいのでなんだか見てるだけで面白く、癖になるキャラだった。
夏世ちゃんも独特で不思議な感じの声で、なにこの子素敵と思って、
誰が演じてるんだろうと調べてみたらまさかのゴンさんだった。
さらに中盤あたりに突如登場してくるティナが、眠そうな顔とか破壊力がヤバイ。なにこの天使?
その後プッシュされたかと思ったら空気になったりしてなんだか扱いも面白かった。
ネコ因子の幼女もデザイン良くて、全体的にいえるのだけど服装のセンスがピッタリ合っててイイ。
そして一周回って延珠ちゃんがやっぱりかわいい、となったり。
■しかし容赦のない展開
主要キャラでもいつ死ぬともわからない展開が、先を読めなくさせていた。
ありがちな設定とはいったものの、人物描写が良いためにどのキャラにも思い入れがこもる。
安っぽくなりがちなラノベもののバトル展開なのだけど、この作品はヘヴィな面もわりとあった。
どこか作品に"不条理さ"というものを、リアリティの一部として求めているのかもしれない。
全てが上手くいくような話というのは、物語の中のご都合主義として脳が受け取ってしまうのだろう。
現実とはどこか理不尽でどうにもならないものだけど、一筋の救いを信じたいというのが心情だろうか。
絶望の中で希望を探るようなお話に、なんだか惹かれるこの頃。