シス子 さんの感想・評価
3.4
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ざっけんなよ!
某NHKの
「大人女子のアニメタイム」シリーズ作品のひとつです
お話すべてを通して印象深かったこと・・・
それは
主人公の「真穂(まほ)」(43歳)の疲れ方がハンパなかったこと^^;
感情の薄い表情に
後ろで軽く結んだだけの飾り気のない髪
どこか焦点の合わないうつろな目
まほの声をされた
女優の「木村多江」さんの
ちょっと冷めた口調が絶妙にはまっています
この手のアニメ作品で言うのもなんなのですが
まほは結構美人さんです
だからなおさらはまってしまうのかな?
これ
日曜日の朝に(2014年4月27日:あぁ今日ですね^^)
録画したものを観たのですが
そんなまほの疲れきった姿を自分の姿に重ねてしまって
二日酔いでグダグダ状態の私の胃袋に
さらに大ダメージを与えられてしまいました
(ちなみにレビュー書いている今も気持ち悪い)
内容は
主婦まほの苦悩のお話です
これまでに同シリーズ2作品(「人生ベストテン」と「夕餉」)
を観てきましたが
どちらも比較的軽いノリの内容だったのに対して
こちらは結構重めです
夫のリストラに
高校生の娘の家出
親を見下したような大学生の息子
家計を助けるためにはじめたスーパーのパートは
つらい夜間勤務
若い従業員とは話が合わずいつも孤独
たまに一人暮らしの母親がいる実家に戻れば
延々とつづく母親からの一方的なおしゃべり
結局
{netabare}最後はまほがブチ切れて(本当ですよ!ウケ狙いじゃないですよ~){/netabare}
すごいことになってしまうのですが
まあ
{netabare}コレじゃブチ切れるのも無理ないな~{/netabare}
って思うくらい
まほにとっては辛い内容
私だったら{netabare}開始5分でブチ切れますよ{/netabare}
さて
お話は
{netabare}まほの「ざっけんなよ!」の罵声と{/netabare}
「どこかではないここ」のタイトルのとおり
{netabare}まほがパート先から「ここ(家)」に帰るという{/netabare}
感動の幕引き^^
(詳しくは作品を観てね^^)
作品のテーマとしては
とても“面白い”お話だと思いましたが
よ~く観てたら
その裏にあるちょっと意味深なテーマが見え隠れしています
それは
母と娘の関係
まほとまほの娘(ひなちゃん)
そして
まほとまほのお母さん(名前不明)
この
二つの母娘の関わり
前述したとおり
ひなちゃんは家出してしまいますが
詳しい理由は語られていません
それまでもちょくちょく家出を繰り返していたらしいひなちゃんから
突然の家出宣言
疲れ果てたまほには引き止める気力さえ湧きません
でも
引き止められなかったのは単に疲れていたからではないみたいです
その直後にまほが見た夢
そこにいたのはたぶん
お母さんの姿と
泣いている幼いころの自分
幼少期のころの辛い思い出のようなものに
その理由があるようです
虐待やネグレクト
あるいは不幸な事故なんかを想像してしまいそうですが
こちらも
作中では語られていません
お母さんとの会話を見る限り
虐待などは考えられませんが・・・
30分枠という制限の中では
いろいろ構成するのが難しいのもあるのでしょうが
これって
この作品の隠れたメッセージでもあるような気がします
幼少期の体験って
忘れたはずなのに
大人になってもトラウマ等になって残っているもの
特に
女性は母になる時
自分の小さいころの母親像というものが
必ず影響するもの
お母さんから受けた愛情や
叱られたこと
新しい兄弟が誕生してお母さんに嫉妬したこと
あと
あってはならないことですが
虐待なんかは心に深く残ってしまいます
まほが娘のひなちゃんに家出することを告げられたとき
お母さんみたいになりたくない・・・
お母さんの生き方がきらい・・・
ひなちゃんの言葉に
まほは忘れかけていた幼いころのお母さんの印象を
夢の中で思い出したのでしょう
なんて
いろいろ想像してしまうシーンでした
多くは語らない
でもなぜか
とてもボリュームのある内容の作品でした