ぽこやん さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
いっぱいの感動をもらった作品。あれから12年、新たな感動へ
このアニメ、名前こそ有名ですが、意外と見ることを敬遠してる人が多いのでは?と思います。
理由として、
単なるロボットアニメだと思われている。
全50話にもなるので長くて見る気がしない。
大きく分けてこの2つでしょうか。
まずは一話を開くところから初めて頂きたい、その後は急ペースで見ようとしなくても大丈夫です。
人によって個人差はあるでしょうが、どこかのタイミングで「引きこまれます」。
1年にわたり放映された壮大なスケールの話なので、レビューを書くのが難しいのですが・・・
ロボットアニメなのは確かなのですが、今回は自分がそれよりこのアニメで大きく感じた、「恋」と「成長」をかい摘んで書こうかと思います。
登場人物も非常に多いのですが、全員を紹介するわけにもいかないので、
レントン・サーストン(主人公)
エウレカ(ヒロイン)
ドミニク・ソレル
アネモネ
この四人のお話を・・・と思います。
制作会社は「ボンズ」、名前の通り本当に骨のある作品に仕上がっています。
{netabare}物語の舞台は、スカブコーラルと呼ばれる珊瑚のような大地と、目に見えない道の粒子トラパーの波が覆う、地球に似た風景の惑星。
辺境の地に住む、主人公レントンにとって、世の中はつまらない最悪なものでしかなかった。
レントンは14歳、多感な時期なので、そう代わり映えしない日々にそう感じるのは理解できます。
とある月の綺麗な夜、突然レントンの家に見たことのないLFO(とりあえず人型のロボットと認識して下さい)が墜落し、自宅は半壊。
そのLFOニルヴァーシュに搭乗していたのが、神秘的な雰囲気を持ったヒロイン・エウレカ。
初登場の月に照らされたエウレカの白い肌と美しい青色の髪は、とても印象的でした。
エウレカは軍に対向するカリスマ集団、ゲッコーステイトのメンバーで、レントンはゲッコーステイトに憧れを抱いていました。
ここで最初の空中戦があるのですが、その後、レントンはエウレカとゲッコーステイトのリーダーであるホランドから誘いを受け、故郷から旅立つことを決意します。
そして様々な経験・出会い・別れなどを経て、レントンは成長し、ゲッコーステイトのメンバーたちと世界の運命を担い、変えていきます。
●注目話●
自分基準で、単純に好きだった回を紹介します。
本当にキリがないので、2話だけの紹介にしますね。
※26話・モーニンググローリー※
絶対に外すことのできない名シーンです。
空中に生身の状態で、敵LFOにしがみ付くエウレカ、落下したエウレカをニルヴァーシュに登場したレントンが手を伸ばし救うシーン、第二クールの締めの話です。
二人の互いの「会いたい」の気持ちが見事に表現されていて、手を握り締め、お互いを精一杯引き合う描写は感動。
ここに至るまで鬱展開が続いていたのですが、距離を置き別々の時間を過ごしていた二人が再会する場面です。
「聞かせて、レントンの話」
「聞きたいな、エウレカが変わったこと」
この回での二人の会話は本当に感動できました。BGMや情景描写も素晴らしいです。
※48話・バレエメカニック※
ドミニクとアネモネの最強シーン。
このアニメは主人公ヒロインは確かにエウレカとレントンなのですが、ドミニク・アネモネのこの話は、全話の中で一番といっても過言でないかも知れません。
戦う為だけに生きてきたはずのアネモネの本当の想い、愛するドミニクに対しての感情、全てが溢れ出します。
OP後のアネモネの「語り」から抜粋。
まあ、人生いろいろってとこかな。
心残り? 無いって言ったら、
そんなの、嘘になるって決まってる。
私も、まだまだ若いし、
買い物だってしてみたいし、
美味しいものだって、
もっと沢山、
いろんなもの食べたいじゃない。
そりゃあね、そりゃあ、
素敵な恋だってね、
そういうの出来れば、本当最高なんだけど。
そう、本当最高。
だけど、なんだかね、本当、あーあって感じ。
本当、あーあ。
気になる人? いた。
うん、過去形。
今更、伝えておけば良かった
なんて考えてる自分に、ちょっと自己嫌悪。
もう、どうしようもないのにね。
もし、また今度生まれてくる事が出来たなら、
今度はもっと器用な人間に生まれて来たいな。
もう、どうしようも無いのにね。
なんだか自己嫌悪。
もし、この戦いが終わっても生きていいって言われたら
小さな鏡を一つ買って微笑む練習をしてみよう
何度も何度も練習しよう、もう一度会うために
もし、誰も傷つけずに生きていいと言われたら
風にそよぐ髪を束ね、大きな一歩を踏みしめて
胸を張って会いに行こう
生きていたい・・・ありがとうを言うために
生きていたい・・・たくさんの気持ちを送るために
生きていたい・・・
気付かなきゃ良かった、こんな気持ち
長くなり過ぎました、すみませんw
この場面、声優の小清水亜美さんの演技力には圧巻。
語りの後からのシーンは、実際に映像でしか表現できません。
アネモネを救う為にドミニクが生身で落下してくるのですが、アネモネのLFOの技の爆風で、ドミニクは吹き飛ばされて気を失ってしまいます。
アネモネはLOFから飛び出し、ドミニクを助けに行きます。
そして手をとった二人は落下しながら抱き合い、初めて素直にお互いの気持ちを言葉で伝えます。
・・・てゆーか、この場面は見て下さい!
自分の表現力では全てを伝えることができませんw
エウレカ好きなら誰もが絶対に好きな感動回、ここまで辿り着いたら、あとは最終回までもう少しです。
{/netabare}
凄く長くなってしまいましたね、申し訳ありません・・・。
今回は4人の話を書きましたが、周りを固める他のキャラの個性やストーリーも素晴らしいです。
独自の練りこまれた世界観も人気の要因。
基本的なひとつひとつの設定がキッチリ練ってあり、ほぼ完璧といっていいと思います。
緩急のついた構成、困難や厳しい現実や苦しみ、その辺りも本当によく表現されていますね、世の中いいことばかりじゃない!のは当然なのですが。
それと特質したいのが演出。
それぞれのシーンごとのBGM選曲や曲の入り方、またカメラワークや視点、これらも逸品です。
第1期ED・秘密基地
第4期OP・SAKURA
この2曲はアニメ史に残る名曲だと思います。
長い物語ですが、是非視聴してみて下さい!
2017/7/12追記
映画『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1』
9月16日公開が決定しました。
公式を見る限り、アナザーストーリーといった感じ。
もう一度本編も見直してみます。