plm さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
恐怖と笑い、天使と悪魔、抑圧と開放のリバレッジ
ロトスコープを用いた実写的作画、そこはかとなく漂う不穏な雰囲気と気味の悪さ・・
とは裏腹に! 思春期独特の絶望(自己喪失)や葛藤を、緊迫感と共に*コミカル*に描いた作品。
作中のセリフに「恐怖と笑いの本質は同じものなんだぜ」といったものがあったが、
まさにこの作品はそれを体現したかのような出来栄えである。
もろく壊れそうな日常、差し迫る分岐点はホラーさながらの演出で恐怖心を煽り、
その緊迫感がキャラクターの珍行動に対する笑いに拍車をかける。
ゆるやかに緊張が高まっていき、一気に解放される展開はさながらジェットコースターのよう。
異質ながらも思春期の抑圧的・閉鎖的精神からの逸脱は、余韻を引く開放感に浸らせてくれる。
押し寄せる展開の中でも5話7話あたりは極まった回で、その後も飽きさせず盛り上がった。
印象が悪くとも、挑戦的な試みがあり、物語もテーマと筋があり、楽しく観れたこと。潜在的評価は高い。
それだけに最終話……、どうしてこうなったーwwwww
視聴時の感想
{netabare}
もろく壊れそうな日常 静かなる狂気 実験的挑戦的ともいえる作画・・
この目新しさにすごく惹かれた1話 めちゃくちゃ好きになるか、途中でリタイアするかになりそう。
青春期の絶望を描くというテーマらしいので、ここから堕ちていく様が見物・・・クックック・・・
花が咲いたよーぅ
2話
1話のような平凡な日常という描写もなくなり、話もサクサク進むし、
懸念してたロトスコープにもなんだか慣れてしまって、リアルすぎるモーション芸が面白いwww
もっとおぞましい・・感じなのかと思いきや、思春期的な迷走をコミカルに描いていて、
新しいギャグアニメと化している。逃げるとこやら変な髪型の女子やら田村やら笑うしかないww
面白かったよーぅ
5話 天使回
演出が神がかっていた今回。飽きさせないなー
7話 神回
なんて素晴らしい・・抑圧からの解放、破壊的な打開、重みのある爽快感を与えてくれた今話。
佐伯さんと付き合うことができて、浮かれていた春日は普通になりたいと願った。
しかし仲村さんは叫ぶ、つまらないつまらないつまらない...と。
そこで初めて春日は仲村さんに共感したのだと思う。
かつて自分も抱いていた、自分は人とは違うという感覚(他者への失望感)と似ていたのではないか。
社会的立場・道徳的観点からみれば、彼らのしたことは愚かでしかないが、だからこそ意味がある。
長い物に巻かれ、個性を没し、皮を被って善の人を演じるが、ドロドロしたものが見え隠れする。
仲村さんはそういう上辺しか持っていない周囲が大嫌いなんだろう。
それが春日と全く同じで共鳴しちゃったんだろう。惡の華が咲いたよ・・
春日は優柔不断にみえるけど芯が強いやつだ・・苦悩しつつもそこから逃げずに自分の答えをだす。
まぁこんなやつらが身の回りにいたら迷惑でしかないけど、これぞ人間って気がする。
身を縛るばかりの、誰かが正しいと決めたルールをぶち壊したくなる衝動はある。思春期ならなおさら。 {/netabare}
おススメレビュー
Kirov_7さん 作品の内側を丁寧に考察されてます http://www.anikore.jp/review/563929/
らしたーさん 作品の外側から鋭く切り込んでゆきます http://www.anikore.jp/review/577490/