STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず簡単な感想
原作は未読。
八咫烏たちが住まう山内の世界を描いた伝奇ファンタジーで、文化風俗などは日本の
平安時代を思わせる。
序盤に人間が少し出てきたりしたが、以後は八咫烏のみで繰り広げらるハイファンタジー作品。
前半は八咫烏の頂点である金烏の座を巡る確執と、四家の姫たちによる后選びが絡み合った
展開で、前者はもちろんのこと、後者も単純なシンデレラストーリーではなく、それぞれの家の
思惑もあり、いずれも権力闘争の色合いが濃いもの。
個人的にはこういった政治劇は大好きなこともあって、この展開はかなり楽しめた。
金烏の座を巡る争いは奈月彦と長束の争いかと思われたが、この二人が実は通じていたという
意外な展開。
この予想外の結末が結構多くて、この作品をより面白いものにしている。
そして、更に意外な結果を見せるのが、中盤の山場である后選びの「登殿の儀」の結果。
この妃選び絡みのエピソードでは他家に比べてハンディありまくりのあせびが健気に
頑張るという彼女を主人公とした展開といった印象があったが、まさかあせびが作品内屈指の
最恐ヒロインだったとは。
無自覚の悪意というのは本当に怖いもので、更に恐怖を感じさせるのはこの手のタイプは
現実の身の回りにも結構いそうなこと。
後半は八咫烏を襲って食う大猿をメインとするエピソードで、スプラッター描写多め。
前半ほどではないが、ここでも意外性ありで、これまで作品内創造世界のみの
ハイファンタジー的作品だと思っていたら、現代日本社会と極めて近い位置にあることが
明らかになった。
本作ではその現代日本社会との邂逅はなかったが、今後そういったことがあるのだろうか。
そうなると八咫烏の世界はとんでもないことになりそう。
主役の雪哉はいわゆる当事者ではなく、どちらかと言うと巻き込まれる立ち位置。
それゆえに奈月彦の部下でありながらも、傍観者的感覚も残っており、視聴者目線に近い
位置にいるとも言えそう。
2024/11/24