take_0(ゼロ) さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
全ての★に、お好みポイント0.5プラスでw
いやぁ、めちゃくちゃお好みの系統の作品でした。
まぁ、スタートと言うか、大筋の流れは「異世界の貴族(の子供)に転生した主人公があれやこれや」といういつものアレなのですがw。
今作品、今シリーズは内容と作りが私のお好みを強く反映(いや、誰が反映したっちゅうんじゃい!)されており(勝手に)、とても面白かったです。
私の大好きな作品の系統として「異文化コミュニケーション」「お互いに相互理解を深め仲間になっていく」作品という傾向があるのですが、
曰く、
・仲間が増えていくパターン
・お互いに敬意を払い信頼と絆を醸成していく
・不遇な境遇、評価されていない草木の中から才を見出す系
・そして、見出された者、救われた者が忠義を尽くす系
もうね、ずっぽしなんですわ。
さらに、家を領地を国を守る為に、その仲間と共に戦いの渦中へ・・・。
なんて、あっちぃw。
スタートはいつものアレなので、秒速で主人公がお亡くなりになり、異世界へ~、
なのですが、今回の主人公はタイトルのとおり、チートと言っても、自身の体力や魔法力、その他の数値が俺つえーではありません。
その手持ちチートスキルが「鑑定スキル≒人のスキルをのぞき見できるw」って言うところも、一歩引いていていいじゃないですかw。
必然的に、どっかの海賊みたいに
「おれは、助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある!!!」
どどんっ!!!
ってなる訳です。
1人目の仲間となるリーツは、マルカ人という事で、差別的な扱いを受けながら、路頭に迷うような生活をしていました。
以前は傭兵団で活動をしてたようですが、アルスと出会ったときは将来も見透せず、生きる目的も見いだせていたかったでしょう。
しかし、アルスと出会い、取り立てられることによって、大きな恩を感じ、またアルス自身の人間的魅力にも魅了され、忠義を尽くす決意をしました。
アルスが鑑定スキルなしにリーツを見出す事は難しく、家の執事、メイド、父の抵抗の中で、リーツにあれほどの敬意を払えたかどうかはわかりませんが、そこを言うのは野暮ってものでしょう。
物語の中の事・・・と言ってしまえばそれまでですが、このリーツ登用までの流れは、私の大好きなパターンの一つなのですw。
よく、人の一番の幸せの一つは
「相手の能力を伸ばしてあげることだ」なんて事を言われていますが、
「人の才を見出し、信頼し、育て、伸ばしてあげる」これは優秀なリーダーの資質の一つでしょう。
極めて難しい事の一つですが「鑑定スキル」があれば、可能になるでしょうね。
また、鑑定で見出すことができても、その人物を手のうちに入れて、信頼関係を築き、育て伸ばす、これはアルスの人柄が無いと難しかったでしょう。
稲盛和夫氏は京セラフィロソフィの中で「能力を未来進行形で捉える」なんて言ったりしていますが、見出すだけでなく、未来に向けて育てられる環境をつくる事も出来たのはアルスのお手柄なんでしょう。
あー、誰か私にどんな才があるのか教えてくれていたらな・・・。
いや、無いって可能性は無しで、お願いしますw
2人目の仲間のシャーロットもリーツと同様に町場でヤサグれた生活を強いられ、奴隷として売られそうになる中で、アルスとリーツに助け出されました。
そして、その恩で・・・、と言う訳ではなく、
アルスの話を聴き、アルスの目指すこれからの街、国の姿の中に、自身の未来と面倒を見ていた子供たちの未来を託す決意をしました。
このパターンも大好きw。
結局、浪花節的なベタな展開が好きなのかも、と自嘲するのですが、それでもあまりにも、ちゃちい、やっすいつくりのエピソードだと興ざめしてしまったりもするので、やっぱり今作は私に合っているのだと思います。
3人目はロセルですね。
狩人の3男として、引きこもり自信を無くしていた彼ですが、彼はアルスとのお話の中で、自身の才を見出され、また、彼の父と兄弟の絆もより深まる結果となりました。
家を出るときの父と息子の別れのシーンは、これもベタですがよかったです。
4人目はリシアですかね。
許嫁という事ですが、私的基準では運命を共同する仲間として良いでしょうw。
とても聡明でそして愛らしいキャラですね。
アルスとの関係も微笑ましくもあり、ちゃんとスジがとおったところもありで見ていて楽しいです。
また、互いに心底を話合い、信頼関係を築いていく様も良かったと思います。
鑑定スキルは鑑定スキルとして機能はしていましたが、これは腹を割って話したことが奏功したと言ってもよいでしょう。
人間関係の基本がここにあるかもしれませんw。
以降、折々に登場してくるのですが、本当に賢く、明るく、肝の据わった女性だと思います。
良いキャラクタですね。
さて、ちょうど、リシアが登場してきたあたりで、アルスの父レイヴン・ローベントが無くなります。
父子のある物語では、父の訃報によって、ドラマが大きく動く、子キャラが一皮むける、大きく成長する様が描かれることが多いですが、今作もそうでした。
振り返ってみれば、父レイブンは厳しいところもありましたが、当然のことながらアルスの仲間0人目でしたね。
ちなみに、レイブンは物語の中では、地味におちゃめな面も見せていました。
シャーロットの魔法の威力を見て、あっという間に意見を翻意あたりはユニークでした。
父は父として、アルスの仲間に息子の支援をお願いし、リシアに息子の未来を託し、そして息子と語りあかして去っていきました。
このあたりの浪花節的な所も私の琴線には大きく触れましたね。
物語としては、よく出来ていたのではないでしょうか。
以降、国を揺るがす事態に巻き込まれる中で大きく物語が動き始めるのですが、共に戦う事になるであろう諸侯も父レイブンの影響もあるのでしょうが、あまりイヤな人間がおらず、アルスに対しても概ね好意的、人間的な意味で筋のとおった人たちが多く、見ていて心地よかったです。
さて、この諸侯と共闘していく中で、傭兵団「シャドー」の団長ファムが登場してきます。
なかなかにユニークなキャラなのですが、仲間カウントに入れていいのか、現時点では測りかねるので、カウントはナシで行きます。
有能な諜報集団、忍の者的な立ち位置の集団との事で、今後も登場は思想なのですが、どうなります事やら。
ただ、所感ではアルスの事を気に入っている、興味があるように見受けられますので、仲間カウント発動させてもいいような気がするなぁ・・・w。
さらに、少し物語が進むと、今回の動乱の旗印となっているクラン・サレマキアが登場します。
彼はなかなかの傑物の様で、諸侯の信頼も厚く、なかなかの器量、度量を持っているようです。
新参のアルスにも、フラットに成果を評価し気さくに話しかけています。
また、アルスのざっくばらんな配下評にも理解を示しています。
共闘する仲間である事は間違いないのですが、会社で言う上司ですのでw今回も仲間カウントは発動させずに置きましょうw
そして、最後に主要な仲間として登場してきたのが波乱のミレーユです。
私的に仲間カウント5という事になりますか。
なかなかに、豪快で、いい‐加減、ちゃらんぽらんで、酒飲みで美人なおねいさんとw。
ふむw出来過ぎなくらいいいキャラですね。
しかも「軍師」扱い!!
こーめいですよ、しばいですよ、しゅーゆですよ、かかですよ、じゅんいくですよ、ちんきゅーですよw
失礼w取り乱してしまいました。
謎の暗号を口走ってしまいました。
ぐ、ぐ、軍師ねーさんw男のロマンです(何が?)
ただ、このミレーユ・・・、
グータラ過ぎてメイド、執事、兵士、リーツ、ロセルほか全方位から総ツッコミを受けてしまいますw
そこで、模擬戦を実施することになるのですが、ま、結末は御覧じろ。
模擬戦後の飲み会で、それぞれのツッコミ主を的確に評価し、誉めるなんざ、優秀の極致ですねw。
コレが出来ないで、人を伸ばせないリーダーがどれほど世にいる事かw(自分は棚上げw)。
そして、私はハーロックとヤッタラン副長の関係を思い出すのです。
いつもプラモ作って遊んでいる副長ヤッタラン。
そして、クルーの多くは知っているのです、ヤッタランが遊んでいるうちは緊急事態ではないとw。
副長が本気になる時は必ず役目を果たすとw。
「~やる時がきたら、やる事をやる!!それでいいんだ。」
これは、これで真実なんだけど、この事が難しいのは言うまでもないですよね。
逆を言うと
「やる時にやる事をできる覚悟がある奴だけ、普段はぐーたらしてろ」
って事なんですが…、
なんちゃって覚悟はあっても、ガチで成果につながる覚悟も確証もないので、小物の私は普段から、グータラしないで頑張っているのですw。
何お話でしたっけw?
ああ、こんな、訳の分からない語りをするほど、なんて言うかこのミレーユっていうキャラは好きなタイプなんですよねぇ。
ぐーたら、してるけど、絶対覚悟は決まってるキャラだと思います。
故に、今後何となく嫌な予感もするのですが、それは、先を見てみないとわかりませんw。
うーむw私の仲間カウントでは主要な仲間は5名って事かな。
この仲間と共に次の物語に進んでいくようで…。
私が視聴したのは遅めだったので、既に2期がスタートしているようでw。
見るのはもう少し先になりそうですが、楽しみです。
では、その他のレビューを簡単に。
作画は、特に問題もなく、アニメらしい作画ですが綺麗だったのではないかと思います。
全般的に丁寧に作ってある印象が伝わってきました。
声優さんも特に気になるところはなかったですね。
アルスの声も好きでしたし、リシアはキャラとあいまってとてもいい印象でした。
音楽も良かったですね。
映像とプラスして評価するとすると、EDの方が好きでした。
優しい口調で始まる歌声と、線画が次第にカラフルに色づいていく様がとてもよかったです。
なんとなくの水彩画調、パステル画調の淡い色づきが素敵でした。
キャラクタは今作では嫌いなキャラがあまりというか、ほとんどいませんでした。
しかも、個人評価としては平均点が高いイメージです。
次のシリーズでは対する敵方も出てくるので、また印象は変わりそうですが、好みの作品という事で楽しみです。
機会がありましたら、ぜひご覧くださいませ。