Witch さんの感想・評価
2.5
物語 : 2.5
作画 : 2.5
声優 : 2.5
音楽 : 2.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
作品よりも次々とアニメ化される「FUNAマジック」に興味が沸いたw
【レビューNo.127】(初回登録:2024/6/9)
ラノベ(なろう発)原作で2023年作品。全12話。
前回FUNA作品の『ろうきん』をレビューしたので、その勢いで本作もレビュー
しておこうかと。
(ストーリー)
OLの長瀬香は帰宅途中で(神様的な)地球の管理者の調整失敗により死亡した。
その際異世界に転生を薦めれる。
そして異世界の管理者・セレスと交渉して(まあ脅しですがw)
・肉体の若返り
・思った通りの効果のある薬を、考えた通りの容器に入れて作る能力
・容量無限、時間経過無しのアイテムボックス
・この世界のあらゆる言語の会話、読み書きに不自由しない能力
・セレスと友達契約
をいった条件を付与させることに成功、彼女は”カオル”として異世界ライフ
をスタートさせるのだった。
(評 価)
・主人公は”小賢しさ”が鼻につく
「性格の悪い主人公」がFUNA作品の持ち味っぽいのですが、『ろうきん』の
場合だと「金貨を稼ぐ」が主題だったので
・性格の悪さ=”アコギな守銭奴キャラ”がピタリとハマる
・善意の行動もあるが、後でしっかり金貨で回収
という感じで、このキャラ造形も上手く機能していた感があるのですが、本
作の場合は
・転生時にあれやこれやと注文をつける”厚かましさ”はよしとして
・降りかかってくる火の粉に、”とんちめいた悪知恵”で対抗
→ 何かと”小賢しさ”が鼻につく
(私の考えた「この凄い屁理屈ドヤ!」みたいなw)
・ヒールキャラの割にイミフに善行に走ったりと何かと中途半端
(その場の思い付きでキャラを動かしているような)
って感じですかね。
FUNA作品お得意の
・「性格の悪い主人公」×「”ご都合主義”のサクサク展開」
の組み合わせは悪くなく、頭を空にして観れるのですが、『ろうきん』は主
人公ミツハが上手い具合に”ぶっ壊れてた”だけに、それと比べるとカオル
は単に性格の悪い魅力に欠けるキャラという印象ですかね。
・チート能力は白けてしまった
Q:「ポーション頼み」でどうやって生き抜くの?
A:”ポーション=何でもあり薬品”やし”容器”もガバガバ設定やぞ!
{netabare}(毒薬を相手の体内に生成したり、よく斬れる剣型の容器を出したりとか){/netabare}
最初は「そうきたか」と斜め上の答えに少し感心しましたが、結果「制限な
しの何でもアリ」になってしまったので、何をしても「ハイそうですか」と
しかいいようがなくなったんだよなあ。
その点『ろうきん』の特種能力「現実世界⇔異世界を自由に行き来できる」
は(多少のオーバースペックはあったものの)ちょうどいい収まり具合で、
他の見せ場ともバランスが取れていたように思いますね。
本作だと特種能力がチート過ぎて、そこら辺がボケてしまったかなっと。
何か原作者の
「ドヤ、そうくるとは思わなかったやろ!」
を見せつけられているだけなんじゃ・・・
・キャラデザは独特
『ろうきん』のミツハも童顔キャラでしたが、カオルも転生時に若返りを
希望したので少女キャラとなっています。
しかしデフォルメが効いて、そこに(アイデンティティともいえる)目つき
の悪さをプラスしたかなり独特のキャラデザですね。
まあラノベ化の際イラストも描かれるので、そのイメージを崩せないという
ものあるのでしょうが、
「このキャラデザで性悪でブラックなことをするというシュールさ」
といったギャップ狙いって感じなんですかね。
個人的には『ろうきん』と比べると
「『性格の悪い主人公』×『ガバガバなチート能力』」
というアイデアだけで見切り発車した作品という印象なので、それを象徴し
たかのようなキャラデザと捉えればアリですかね。
最初は違和感アリアリでしたが
「この作品にしてこのキャラデザあり」
で、意外と馴染んだかなっとw
個人的には作品より
「次々とアニメ化される『FUNA先生の謎の力』」
の方が興味深かったですね。
前提条件として”一定数売れている”というのはあるんでしょうが
・この手の作品にそれなりの需要があるのが驚き
・FUNA先生には業界人を魅了する何かがあるのか?!
と、いろいろと考えさせられたなっと。
「FUNAマジック」恐るべし(笑)
「この方にしか書けないものを書いているから」といえば、そうなのかなあと
いう感じですね。