Witch さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
主人公の「ぶっ壊れた倫理観」が1周回ってクセになるw
【レビューNo.126】(初回登録:2024/6/2)
ラノベ(なろう発)原作で2023年作品。全12話。
世間的にはいろいろ問題アリであまり評価が高くなさそうですが、謎に捨て
がたい魅力があるのなっとw
(ストーリー)
両親と兄を突然交通事故で失い、その上崖から転落して死んだと思った主人
公・山野光波(ミツハ)。
しかしその際に、謎の生命体のかけらを引きちぎったことで(地球ではない)
中世ヨーロッパ風の異世界と元の世界を自由に行き来する能力を得た。
将来を危惧した彼女は、老後まで安泰なように日本円で20億円相当
→ 異世界金貨換算で8万枚 (それそれの世界で10億必要)
を貯めることを目標として、異世界で商売を始めるために動き出す。
(評 価)
・主人公の「ぶっ壊れた倫理観」が1周回ってクセになるw
本作の魅力は何といっても、主人公の「ぶっ壊れた倫理観」ですね。
人によってはその時点でアウトな作品ではあります。
{netabare}・商売の始まりは人脈から
・貴族とのキッカケ作りにまずは”当たり屋稼業”
・同情を買うためなら自身の童顔、不幸話の切り売りも躊躇なく
・コンプライアンスなんてどこ吹く風
経営方針は「ぼったくれ!」「でっちあげろ!」「嘘を言い張れ!」
・(水着姿を咎められ)グラビア雑誌を異世界に持ち込み
「私はおかしくない!!」と自分の正当性をゴリ押し
・裏金・自民党も顔負け
現実世界の闇の換金ルートで脱税行為
・”雷の姫巫女”として国の窮地に立ち上がるも・・・
・戦闘前にハイテンションな演説(先導者として兵士を煽りまくる)
・戦の報奨金はひと芝居でちゃっかり吊り上げ
→ 異世界の人々の純真さにつけ込み、口八丁で丸め込んでいくミツハw
→ 普段は「Win-Win」といいつつも、肝心なところでは「ぼったくれ!」
「でっちあげろ!」と本音ダダ洩れなミツハw{/netabare}
個人的には、そのぶっ飛び具合や清々しいまでの守銭奴ぶりが1周回って
クセになる、そんな作品ですね。
・”ご都合主義”のサクサク展開が何故か心地いい
ミツハの特種能力は
「現実世界⇔異世界を自由に行き来できる」
ということで、それを活かした商売で金貨を荒稼ぎしていきます。
{netabare}・雑貨屋経営
便利グッズや衛生用品等を現実世界で安く仕入れ、異世界で転売ヤー
・レストランや社交会のプロデュース業
新鮮な食材やレトルト食品の持込みやレシピ展開、また社交会における
効果的な演出等様々なお客さまニーズに対応
・死の商人
現実世界で傭兵団とのコネを作ると(元々は護身術の習得や金貨の闇換
金ルート作りが目的)、国の有事に際しこれら傭兵団も異世界に派遣
そして物語としては
・上述商売での無双ぶりやそれに伴い広がっていく強力な人脈
・横やりを入れてくる悪徳貴族との対決(スカッと展開)
・最後の山場”雷の姫巫女”としての防衛戦{/netabare}
何かと”ご都合主義”が目につく作品ではあります。
しかし何というか
・「ぶっ壊れた主人公」×「”ご都合主義”のサクサク展開」
の組み合わせが、妙に相性がいいというか・・・
「はじめから主人公がアタオカだから、細かいことは気にするな!」
そういう考えるより頭空っぽで楽しめ的な作品なのかなっとw
「こういう作品が面白いというのは、人としてどうなのか?!」
という感じではあるのですが、個人的には原作者の思惑にすっぽり嵌ってし
まったのかなっとw
原作者FUNA先生は『平均値』や『ポーション』の作者でもあるようですが、
底意地の悪さや小賢しさ等を包み隠さず切り売りしている様は、さすがミツ
ハの生みの親らしく、逆に潔くていいんじゃないでしょうかw