「ドラえもん のび太とふしぎ風使い(アニメ映画)」

総合得点
64.0
感想・評価
67
棚に入れた
415
ランキング
4044
★★★★☆ 3.6 (67)
物語
3.5
作画
3.6
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.7

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

台風のフー子。

【概要】

アニメーション制作:シンエイ動画
2003年3月8日に公開された84分間の劇場アニメ。
原作は、漫画制作会社の藤子・F・不二雄プロが『月刊コロコロコミック』
にて連載していた「大長編ドラえもんシリーズ」作品。

監督は、芝山努。

【あらすじ】

台風が去った晴れた日に、のび太は台風の子と出会い何故か懐かれる。
ドラえもんの道具で小さなぬいぐるみの身体を作って着ぐるみとして、
中に入った台風の子は、フー子と名付けられてのび太たちと仲良くなる。
情緒が小さい子供と変わらないフー子は怒ったり泣いたり。
のび太と、そんなフー子は相思相愛の友達なのだった。

もっと広い場所でフー子を遊ばせようと、しずかを誘い「どこでもドア」で、
適当に出かけた先は広大な大草原。

遊牧民の衣装を身にまとった風使いが道具で起こした風で空を飛び、
風使いの民族同士での対立が草原にあるらしく、
そこで黒い服の男たちに追いかけられている幼い少女を助けたドラえもんたち。

いつもの5人は幼い少女スンの兄のテムジンにお礼にと「風の村」に案内されるのだった。

【感想】

大長編ドラえもんの第24作目。

原作第6巻に収録されているエピソードを元に大長編シリーズの要素をゴテゴテと付け足して、
まるで中世のモンゴルみたいな異国情緒風味を付けたりして作られたアニメ映画。

1965年の「オバケのQ太郎」から藤子アニメに関わり続けて生き字引に等しい富永貞義氏から、
後に「サマータイムレンダ」等様々なアニメの監督を務めている、
それ以前に5本の短編ドラえもん映画を手がけている渡辺歩氏に総作画監督を交代。
その渡辺歩氏は、2005年からの新ドラえもんの作画にも大きく関わっていますが、
今回は大山ドラえもん映画でも屈指の作画の良さであるかと。

これまで以上に子供らしくコロコロ変わる表情とキレのある細かい動きで、
キャラに魂を吹き込むのは生き生きとした作画の表現力であるのを実感しながら、
ゲストキャラのフー子が声優のかないみかさんの良さもあってとても可愛らしい。

そこに長年のび太役を演じられている小原乃梨子さんが愛猫を思いながら、
まるで妹のようにフー子を可愛がる声のお芝居に感情がこもっていまして、

他のアニメでも私が散々語っていることですが、
アニメもまた一種の劇であると見るならば、声優の芝居の質と作画の芝居の質が、
映像の良し悪しに大きく作用する。このアニメ映画はその好例であると思います。

ジャイアンがいつもにも増して友達思いで大活躍だったり、悪役の嵐の民も悪役ではあるが、
手の施しようのない悪人でもなく、土壇場になって風の民と協力するシーンがあったりで、
性善説に基づいたキャラクターの魅力を重視した作風には好感が持てました。
騒動の黒幕がまた映画でもおなじみのワンパターンな悪人であるのも否めませんけどね。

元になったお話の「台風のフー子」を読んでいたので、
フー子がどうなって切ない終わり方になるのかは、わかりきっていたことですが、
それでも胸に来るものがある、愛情に溢れた素晴らしい出来のアニメ映画だと思いました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/05/10
閲覧 : 341
サンキュー:

12

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