蒼い✨️ さんの感想・評価
3.3
物語 : 1.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
腑に落ちない感動系ストーリー。
【概要】
アニメーション制作:シンエイ動画
2001年3月10日に公開された91分間の劇場アニメ。
原作は、漫画制作会社の藤子・F・不二雄プロが『月刊コロコロコミック』
にて連載していた「大長編ドラえもんシリーズ」作品。
監督は、芝山努。
【あらすじ】
干ばつで水を求めるフラミンゴ、タンカーの事故で流出した原油などで苦しむ海鳥などが、
いつの間にか神隠しのように消えてしまう事件が発生していた。
鳥型の宇宙人が野鳥をさらっていったと主張するのび太を笑うジャイアンとスネ夫。
出木杉は、スフィンクスやホルスやカラス天狗の鳥人伝説で、
鳥人間がもしかしていたかもしれないと言う。
それで翼を持った鳥人間への憧れを持ったのび太は、
「タケコプター」でなくて自分で羽ばたいて飛びたいと、
浮田幸吉を参考に滑空飛行の翼を自作するのだが、
どう見ても翼が小さく、人間が鳥にように羽ばたいて飛ぶ発想に無理がある。
何度やっても飛べなかったのび太はタケコプターをつけたドラえもんと一緒に、
しずかから逃げたカナリアを追いかけるのを手伝っているうちに、
空にあらわれた時空の穴から出現した人力飛行機と衝突する。
彼は鳥人のグースケでのび太たちと友だちになる。
再び空にあらわれた時空の穴を通って、のび太たちいつもの5人が訪れたのは、
鳥人の国・バードピア。鳥人は人類の地球に度々やってきては鳥類の保護活動を行い、
機を見計らって、鳥を元の世界に帰しているのだった。
しかし、平和な世界のバードピアには、
人間に深い憎しみを持つカラス警備隊の長官ジーグリードがいて、
かつては自分を傷つけた人間への復讐の計画を企てているのだった。
【感想】
大長編ドラえもんの第22作目。
原作者亡き後の大山ドラ映画は話の芯がパターン化していて、
ゲストキャラクターのトラブルに巻き込まれて、過去の時代や遠い世界に出張して、
ラスボスを倒して元の日常に帰ってきてめでたしめでたし…で、
それも、お話ごとにアレンジが効いていれば良いのですが、
ワームホールに似たあちらの世界とのつながりや、ゲストキャラの精神的成長などで、
前年の「太陽王伝説」と似通った部分が今回は多かったことから、
もうちょっと違いがつけられなかったのか?とワンパターンに思えてきたのと、
今回のゲストキャラは表情の表現に乏しい戯画化された鳥人間で、
各キャラの行動や心理描写への共感や感情移入も出来ずに、
前年の「太陽王伝説」にも劣るひたすら退屈な90分間。
半分ぐらいの尺の中編で十分だったよ!と思えることで、
個人的には、つまらない方のドラ映画の3指に入る出来でした。
今回のバードピアも設定が酷いですね、未来の鳥キチ学者が人間嫌いを拗らせて、
過去のパラレルワールドの地球に迷い込んで、鳥たちを強制進化して鳥人類の楽園を建国。
あれ?「アニマル惑星」の設定の使い回し。しかもあっちは死の星に向かう故国への絶望と、
過去の反省から復興に勤しむその後の異星人類のストーリーもあったのに、こっちは話が浅いです。
鳥の天敵?で元からいた怪獣フェニキアが襲ってきてバードピアには邪魔だからと封印されて、
そのはるか未来に、バードピアの鳥人のジーグリードの人間への私怨で復活させられて、
制御不能で暴れたフェニキアはドラえもんの道具で誤って更なる怪物に強制進化させられ、
害獣扱い?鳥人への怒り?で手を付けられないから始末した決着方法も少々残酷。
「スモールライト」と「桃太郎じるしのきびだんご」を使えば良かったじゃないかと?
ラスボス怪獣のフェニキアも「帰巣本能」と語られていて故郷があった場所に戻りたかった通りに、
鳥キチ学者の鳥フェチ趣味で歪められた世界・バードビアの被害者の一匹だと思うと、
なんとも狂気に歪んだ酷い話で盛り上がることが出来ませんでした。
藤子・F・不二雄先生っぽく要素を組み合わせてみたものの全体的に雑で構成力不足なお話でした。
余談…当時、二十歳の知念里奈が端役で出演していますが上手くないですね。
大山ドラえもん映画はベテランや名優が多いので、そこに入ると目立ちますね。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。