たナか さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 2.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:今観てる
誰がために鐘は鳴る
百合というか恋愛メルヘン少女漫画。
おっさんが見てもてえてえが過ぎる。
「私、一目惚れしました」。ファン目線のひまりの言葉を告白と勘違いし「私も」と返す依。「憧れ」と「恋心」。不意に芽生えた感情が周囲も巻き込むラブストーリー。
性差を超えるタブーが存在しないSF世界。マイノリティが世界の理不尽と戦う戦記ではなく、ノンケやストレートという概念すら存在しない。オスも一切絡んでこない。きらら同様にそういうメルヘンとして前提を飲み込むハードルはあるのかも。
よりひまは前座であきしほが本題なのかと思えば、原作からよりひまのここぞの見せ場を全カットしてまで強引にあきしほをブチこんだのか…。楽曲ビジネスとしてはこれが正解かもしれないが、それならきちんと2クールでやって欲しかった。1クールですらこのザマなので最初から無理だったか。
OP・ベタな楽曲も声もいいが歌唱がやや惜しい
ED1・曲はいいのだがひまりさんがやや媚び過ぎ
ED2・いいんだけどどうせならもっと激しくてもいいかも
10
お、おう…いきなり重たい話になったぞ…。
いつものラブコメなら「振られたくらいで人生終わりみたいみたいな被害者ヅラすんなよ…」ってなりそうなものだが、志帆は音楽がアイデンティティみたいなもんだしこれなら止むなしという納得感はある。たかが高校生だもんな。やっとのことで辿り着いた自分の居場所どころか自身の価値や存在証明まで奪われたと思い込んでる志帆の絶望は想像に余りある。この3人にとってキョウがどれほど大切で大きな存在だったか…ってのもライバル・恋人・姉妹で説明不要。完璧。
自分のことで精一杯だった志帆に降って湧いた追い討ちかのようなアンビバレンツな事実。自分をどん底に陥れた復讐で当てつけのギターはすれ違いの勘違いの空回り。お先真っ暗な状況で逃げだし我を見失った時、唐突に無遠慮で無垢で身勝手で安易な期待が襲いかかる。傷心に打ちのめされた志帆にとって2人の真摯な想いはあまりにも重い。実姉と恋人を失った2人に比べて、自分の罪はなんと軽いことか。
やり場のない怒りにも似た感情に打ちのめされる志帆。音楽を続けてくれだって?冗談じゃない。気軽に他人に押し付けるな期待するな。お前らにとっても大事な存在だったんだろ。さっきまで他人だった自分に言うことじゃねえ。からの「やるの?やらないの?」。ありきたりな言葉が名言となる瞬間。バンド結成秘話と呼ぶに相応しい傑作エピソード。これなら志帆についていけなーいなんて泣き言言うわけないわな。志帆はともかく始や百々花までもバリバリのガチ勢になるのも納得しかない。これなら言われなくたって半端はできんよ。
天然ポジティブモンスターのひまりもあいかわらずトラブルメーカー。混ぜるな危険。おとなしそうなくせにオフショルでキメる天然素材。アニメだからいいけど実際いたらかなり危なっかしい。
原作勢にとっては万死に値するでしょうが、出会いを広げてくれたことには感謝。しかし…。