たナか さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
マジカル・パースペクティブ
一般向け美少女アニメという実験作。
歌い手プロジェクトなのも今風。
何者にもなれないワタシ。では”ワタシたち”なら?
若者の視点に限界まで寄り添う挑戦。なので大人の常識で見れば破綻してるのは当たり前。被害者妄想に共感!ツッコミどころ満載でスッキリ!ヘイトキャラを見返してざまあ!楽曲で稼げる歌い手モチーフ。グッズ映えする美少女オンリー。売れる要素全部盛りの最強アニメ。そのうえ制作の布陣までも完璧という神企画。きちんと「売れるアニメ」を目指してるのに無粋な商売臭も見事に消臭。実際すごいチームだと思うので、自身の好みは別として成功して欲しい企画。
JELEE/早川花音/歌唱・作詞
Trauma・職場トラブル
海月ヨル/光月まひる/イラスト
Trauma・作品批判
竜ヶ崎ノクス/渡瀬キウイ/動画
Trauma・厨二自爆
木村ちゃん/高梨・キム・アヌーク・めい/作曲
Trauma・ハーフ発音イジリ
12
それっぽくいい感じに纏まってる風になってるっぽいスピード感がすごい。
「ホンモノ」のモラトリアム厨二作家であるKEY・きのこ・新海誠らと違って「友崎くん」の作者がこれを書けてしまうのに驚き。大人が見れば全てが自業自得で破綻しており「お前が言うな」でムズムズするやつ。しかしまだ視座の低い子供ら本人からすれば全然周りが見えてないのは普通のことであり、事象全てがいちいち騒ぐべき一大事なのも当然であり、むしろそこに等身大のリアリティを感じるものなのだと思う。しかし普通はこんな破綻した話は書けないので拗らせ当事者にしか書けない作家性なのだと認識していた。
ホンモノの厨二作家が自身の魂から紡ぎ出す独特の味わいを、ビジネスの成果物として出力出来るのはもはや才能と呼ぶしかない。もちろんホンモノと比べれば薄い軽い浅いになるかもしれないが、ディープなアニメマニアにしか受け入れられないハードルの高さを感じさせず間口を広げることに見事に成功している。熱狂的なファンがいる一方でマニア以外からは「キモい」と一蹴されてしまう「ホンモノ」作品。本作はそれらのエッセンスをいいとこ取りして一般向けアニメに持ち込んだことが最大の功績。そしてその濃度が回を経るごとに強化されていくという計算された構成はお見事。このまま才能を伸ばせばインスパイアキングの虚淵さんに近づけるかも。
リアルバンドよりも親和性の高いボカロユニット。実際売れてるボカロPは作詞作曲編曲撮影演出絵コンテ動画編集グラフィックデザインイラストと全てをこなす完璧超人ばかりだが、役割分担のあるプロジェクトメンバーという形なら当事者性も高くなり共感を得られるハードルも低くなる。絵を描く人・曲を書く人・歌うだけの人という属性がバラバラの視聴者でもまとめてノレてしまう敷居の低さは実にグレイト。
まひるのドヤりにはマジ笑った。しかし若者はあれくらい勘違いしていいのかもしれない。