タック二階堂 さんの感想・評価
2.7
物語 : 1.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
Supported by サントリー。
詳細は公式サイトでも。
集英社『スーパージャンプ』『グランドジャンプ』で連載された城アラキさん原作コミックのアニメ化作品です。制作はリーベル。「氷属性男子となんちゃら」というイマイチな作品を手掛けたのみの実績です。
すでに2006年にアニメ化され、2011年には脚本界の女帝・高橋ナツコ氏を迎えて実写ドラマ化もされている作品ですね。
とまあ、こすり倒されている原作だけあって、やっぱり面白いんですね。初回は、実に好印象でした。青年コミックらしい、ちょっと古めかしいけどストーリーの邪魔にならない程度のキャラデザ。バーテンダーのシェイカーの振り方とかも、なかなかちゃんとしていました。
正直、「スナックバス江」難民救済枠でしょ、と侮っていましたが、これは面白そうですよ。文字通り百花繚乱の今期にあって、思わぬダークホースになる可能性を秘めていると思います。継続視聴です。
=====第2、3話視聴後、追記です。
{netabare}
うんまあ、おそらく時代背景的に「美味しんぼ」のお酒バージョンを作りたかったのでしょうね。なんていうか、こう何が何でも対決構図にしなくてもいいのでは? という気がします。
で、これも時代背景なのでしょうけど、どうにもお爺さまが不快な人物に見えてならないです。面識のないバーテンの出した酒を「不味い。話にならん」って、それはもう単なる失礼な人間ですよ。で、金に物を言わせて、自分のホテルのカウンターバーにバーテンとして引き抜こうってんですから。
で、3話ではライバルホテルのバーテン「ミスターパーフェクト」と対決させます。これもまたね、傍若無人でね。営業中に今すぐ来いと。で、よそのカウンターバーで「お前らが同じカクテルを作れ」ときたもんですよ。
キャラの作り方が平成どころか、昭和のバブル時代なんですよね。てめえの孫娘を連れ回して「わしの愛人じゃ」とか、もはや笑えないレベルで老害。
もっと、なんていうかバーを中心としたハートフルなストーリーだけで構成すればいいのに。変にホテルのカウンターバーに「究極のメニュー」ならぬ「神のグラス」を作れるバーテンダーを探すって企画を軸にするから、こういうちょっと時代遅れなギスギスを生み出すんだなと…
ちょっと買いかぶりすぎていたかもですね。今の時代で覇権を狙えるようなアニメにはならなそうです。
{/netabare}
=====第4話視聴後、追記です。
{netabare}
回によって、だいぶ当たり外れが大きいのかなという印象です。
今回のAパート。相変わらずホテル王のジジイが傍若無人。レストランにフランス三つ星シェフを引き抜いてこいとのこと。そしたら、今度はそのシェフが「食材から水に至るまで、すべてメイド・イン・フランスで揃えたら考えてやる」と。
でまあ、なんやかんやで主人公のカクテルが何かを当てろって話になり…
えっと、それで味醂を出すのって、バーテンとしてどうなのよw
まあ、あれか。「美味しんぼ」で山岡が、鰹の刺身を食べるのに、醤油にマヨネーズを入れると臭みがなくなって美味しいよと。邪道だけれども、みたいな話かい。
Bパートは悪くありませんでした。こういう話が増えれば、観てられるかなとも思うんですけどね。
{/netabare}
=====第5話視聴後、追記です。
{netabare}
やぶからぼうにサントリー山崎蒸留所の見学ツアーに、どういう流れかホテルの女性スタッフと前に出てきたバーテン女子2人、それと金髪のチェンくんと行くことになります。
この唐突さはさておき、話自体は悪くはありませんでした。まあ、初恋の思い出をチェンくんが思い出して、バーテンとして一皮むけますよっていう、ありきたりな話でしたけど。
この5人がメインキャラってことなんでしょうね。それは公式サイトのトップイメージでも分かります。にしても、急だなぁ。そこまでの関係性が描かれてないのにね…
老害が出てこなかったのはいいのですが、なんていうか話に深みがないというかね…
山崎の蒸留所ってのもなぁ。そこは、ニッカの余市とか、ちょっと渋めのほうが雰囲気にあってよかった気がしますけど。
でもまあ、今回は悪くなかったですよ。
{/netabare}
=====第6話視聴後、追記です、
{netabare}
子供を救えなかった女医と、中間管理職の男の葉巻をきっかけとした出会い。
うん、こういうのでいいんですよ。
今回は実にいい話でした。
バーで出会い、緊密になっていくさまを描いたストーリーに、ホテルの社員の女の子が不本意ながら婚約するも、それは愛ではなく祖母への思いからだったというお話を絡め…絡めてはいないけど、そういうお話。
これが本作に求めるバーを中心とした人間模様というストーリーだと思うんですよね。変に知識やテクニックを競わせたり、「美味しんぼ」ばりの“神のグラス”に固執する老害を出したりせずに。
{/netabare}
=====第8話視聴後、追記です。
{netabare}
清々しいほどのサントリー広告アニメです。
えっと、なんでこのタイミングで「サントリー カクテルアワード」の話をぶち込んできたかお教えしますね。
サントリー「THE COCKTAIL AWARD 2024」は、6月24日から8月5日まで出場者のエントリーを受け付けます。今年のテーマは「次世代の飲み人に届けたいカクテル」。今年で30周年を迎えるサントリー「ザ・カクテルアワード」は、次世代の飲み人に届ける最高の一杯を生み出すバーテンダーを見つけるべく、審査方法や基準を変えて新たな形に進化します。
だそうです。
まあ、これを盛り上げるために、このタイミングで旧作をリメイクして、出場者を増やして注目度をアップさせようというプロモーションだったということです。
ま、いいんじゃないすか。こういう企画があっても。
あとはまあ、カネの匂いしかしない企画にアレルギーがあると嫌悪するか、面白ければ何でもいいと思うか。観る人の自由です。
僕は…
あんまり面白く感じていないのが本音ですかね。
{/netabare}
=====第9話視聴後、追記です。
{netabare}
イガイガ(「オーイ!とんぼ」)! イガイガじゃないか!
とまあ、他作品のキャラの声優が出てきて、それを思い出すほどには印象の薄い作品ということです。
相変わらずホテル王のジジイは「君には、必ずバーなんちゃらのカウンターに立ってもらう」と横暴だしね。お願いする立場だろう、てめえは。
余計な雑音が多すぎるんですよね、本作は。
素直に佐々倉の過去、因縁と、バーを取り巻く人情噺に専念すりゃあいいのに。
{/netabare}
=====第10話視聴後、追記です。
{netabare}
自責の念に囚われ、一歩踏み出す勇気が持てない佐々倉。そこに自分の過去を重ねてしまった美和。そんな二人をつなぐ一杯「トム&ジェリー」。感動的なシーンでしたね…
などと言うと思いましたか?
何を、いい話風にまとめようとしているんだか。
ジジイがジジイなら(勝手に佐々倉の写真を使ったチラシを作らせ、しかも配布)、孫も孫だな。イガイガ先輩から聞いた佐々倉の過去の話を、佐々倉の前で「自殺したがっているお客さんに出す一杯を」なんて、よく言えたもんですね。デリカシーの欠片もない。
まあ、そういうストーリーだからしょうがないけど、頑なにホテルのカウンターバーへの引き抜きを断っているのって、そういう強引な手法でくるからでしょう。普通はね。佐々倉のバーのマスターに「人を育てるのが儲けるためのうんぬん」とのたまうジジイ。で、そのために佐々倉をよこせと。
どんだけヘイトを集めれば気が済むのか、このジジイは。
なんかやだな。これで引き抜かれて就職しても、不愉快さしか残らないと思うけどなー。
{/netabare}
=====第11話視聴後、追記です。
{netabare}
Aパートは佐々倉の師匠である加瀬が、おそらく最後であろう外出許可。最後にもう一度、バーカウンターに立ってみたいということで、イガイガ先輩の店を一夜だけの「バー風」に。
老害ジジイの孫娘がおちゃらけ後輩娘にペラったもんだから、SNSに上げちゃって歌舞伎町に大量のお客が集結。死期の近い御老体の一時退院に、これ以上ないほどのご負担をおかけします。まあ、加瀬老人も死期が近い人とは思えないシェーカーの振り方ですけどねw
と思ったら、Bパートでは突然まったく毛色の違う話。後で考えれば、これはアニオリなのかしらね。老害ジジイの孫娘が、こんな終盤で話の本筋に関係ない、亡くなった父が老害ジジイと和解するために用意した酒の瓶を割っちゃった。そのせいで、仲直りできないままお父さんは逝ってしまった。
その酒を探してほしいと。
えっと、主人公である佐々倉は探偵事務所か何かやってるんですかね。何の義理があって彼女でもねえ女の酒探しを手伝わなきゃ…あ、手伝うんですね。なんかキラキラした瓶だったという、砂浜で落とした小さなピアスを探せというような理不尽な要求。
でまあ、なぜか洋酒にも詳しい立ち飲み居酒屋の店主と、あれでもねえこれでもねえ。や、待て。洋物嫌いな和服のガンコジジイに飲ませる酒だ。洋酒とは限るまい。で、ジジイと孫娘を前に、名推理で見つけ出したお酒とは…
「サントリー角」でした。
ズコーーーーーーーーーーーー!!!
いやはや、いくらサントリーの宣伝番組といっても、まさか角???
もうね、マジで「嘘だろ?」って声に出しちゃいましたよ。
つまんねえアニメを観てしまったねえ、ここまで。とりあえず最終話まで観ますけどね。結局、佐々倉が折れてホテルのバーテンになるというオチなら、物語の星を1つにしますね。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
まずは公約通り、★1つに評価を下げました。
こればっかりは好みの問題なのでどうしようもありませんが、話の軸が二分化されていて、それがうまいこと混ぜ合わさらなかった印象です。
1つはバーに来る、いろいろなものを抱えた人たちをバーテンダーが1杯のカクテルで癒やす。ハートウォーミングな話。
2つ目はホテル王の老害が、自社で働く孫娘と同僚、その部門長に上意下達で新しいホテルのカウンターバーに引き抜いてこいという話。
これを無理やり(トム・ブラウンのコントのように)ガッチャンコしようとするから、かなり無理が生じてしまったかなと。その最たるものが老害ジジイの不快な言動。
「お前を必ずワシのホテルのカウンターバーに立たせてやる」という感じで、初対面から佐々倉に強引に迫る老害。そして、そんなジジイの悲願を達成すべく、孫娘が厚かましくいろいろなことをお願いします。
そして、そこに相応の援助が入っているであろうサントリーのご意向が加わり、意味もなくアニオリで山崎の工場に見学に行ったり、バーテンダーアワードみたいなものをやったりするわけです。
おかげで、本来主軸とするべきハートウォーミングなバーを中心とした人間交差点的な話が薄くなる。まさにウィスキーの水割りのごとく。
でさ、あれだけ拒んてきた佐々倉が、ホテルのカウンターバーに移籍する条件が「イーデンホール」の名前を残せだって。
もうさ、月給200万ぐらいよこせって条件にしなよ。
つまらないアニメでした。残念でなりません。
{/netabare}