エイ8 さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
現実主義者というよりは思考がおっさんなだけ?
『夢見る男子は現実主義者』(ゆめみるだんしはげんじつしゅぎしゃ)は、おけまるによる日本のライトノベル。イラストはさばみぞれが担当している。「小説家になろう」にて連載されているWeb小説を元に、HJ文庫(ホビージャパン)より2020年6月から刊行されている。
2022年11月、本作のテレビアニメ化が発表され、2023年7月から9月まで放送された。(wikipedia)
どういうわけか滅茶苦茶言い寄っていた女子のことをサッカーボールが当たりそこなったことをきっかけにスッパリ諦めるという奇妙奇天烈な冒頭。なんかもう現実主義というよりはスピリチュアルな感じでした。
本作の主人公である佐城 渉(さじょう わたる)は昨今のラブコメ主人公のような陰キャ系ではなくむしろかなりハイカーストな男子のようです。それはそもそもにおいて彼が夏川 愛華(なつかわ あいか)のようなクラスどころか学校のマドンナ的存在に「付きまとっている」のにもかかわらず周囲が放置していることからも明らかのように思えます。少なくとも周りは彼らが釣り合ってないとは見てないか、変に佐城に注意でもしようものならクラスでの居場所がなくなりかねないと思っている証左ではないでしょうか。事実、渉の友達にはサッカー部でイケメンの佐々木 貴明だったりチャラい恰好の山崎 拓郎がいるわけですし、他の微妙なポジションの生徒からすれば気軽に声をかけられなかったということなのかもしれません。
実際に渉が愛華から手を引いた途端彼女の周りにはたくさんのクラスメイトが群がります。多少なりとも愛華が嫌がっているように認識しているにもかかわらず放置していたということは、やはり厄介ごとには首を突っ込みたくないという意識が反映されていたのだと思います。
とはいえラブコメはラブコメ、そんな渉くんの周りには次々と美少女たちが現れ、むしろそれまでツンを貫いていた愛華の方が彼を取られたらたまらんとばかりにデレちゃうという流れ。渉は意識してませんが、単に押して駄目なら引いてみろが上手くいっただけのことのように見えて仕方ありません。
さてレビュータイトルにも書いた通り、渉は現実主義者というよりも考え方がおっさんだけの気がします。というか、何をもって現実主義者と主張しているのかわかりませんが、まあ確かにある意味においては実にラノベらしい斜に構えた思考の主人公と言えなくもありませんが、立ち振る舞いなんかを見ていても変にこなれていて、どちらかというと大人的本音と建前の使い分けをして、その本音部分をあえて露わにすることにより主にヒロイン達に「はえ~、渉くんってば頭いい」って思わせてるような構図に見えてしまいます。まあ高校生のラブコメということを考えれば視聴者の対象年齢も中高生ということになるのかもしれませんが、少なくとも大人の目からはこのような高校生はどちらかというとうすら寒く見えちゃう気がしますね。こういう設定年齢だけは10代で中身はおっさん(の、ある種理想的な社交性)はラノベよりも「なろう」上がりの小説に見かける傾向がある気がします。ラノベの方は一応思春期の泥臭さのようなものが残ってることが多い気がするのですが、「なろう」上がりの方は実に陰キャの考えつきそうな理知的な対応ものが本当多いなとw
それはともかくとして、渉の姉である佐城 楓(さじょう かえで)が家では弟に対し横暴に振舞っていたりなど一昔前の暴力系ヒロインを彷彿とさせたり、また彼女の所属する生徒会が乙女ゲーの如くイケメン達が勢ぞろいしている要素だったりとか、変なところで変わった設定を組み込んでるなあという印象を受けました。もっとも、風紀会に過度な権力があるところなんかは実にテンプレ的ではありますが。
それにしても、渉が古書店でバイトしている時に二つ折りバリバリ財布を持ち出した客に対して引いてましたが、一体何があかんのや。ラノベを支えてる読者の8割はそれ使ってんねんぞ(偏見)
それと、JDのように見えるJCの笹木 風香(ささき ふうか)よ。「プレゼントもらって嬉しくない人なんていません」だって?はあ?そんな奴ぁ山ほどおるわ!(血涙)お前もそのうちどーでもいいキモ男子からプレゼント貰って困る日が来るだろうな。デュフフwww