エイ8 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ナナしゃぁぁぁぁぁああんっ!
『無能なナナ』(むのうなナナ)は、原作:るーすぼーい、作画:古屋庵による日本の漫画作品。スクウェア・エニックスの『月刊少年ガンガン』にて、2016年6月号から連載中。2020年10月から12月まで全13話のテレビアニメ版が放送された(wikipedia)
一話冒頭から出てきた如何にも主人公気質の気だるげないじめられっ子中島ナナオはミスリード。彼はあくまで「無能」を装っているだけのナナ(オ)であり真実の主人公は彼に構うヒロインのような立ち位置だった実際の無(異)能の柊ナナの方。とはいえまあ、オープニングだったり冒頭の登場の仕方だったり見ればわかる話ではあるのですが。
正直途中までは全員生存エンドになると思ってました。ナナオも渋沢ヨウヘイも死因をボカされており葉多平ツネキチも復活するようなシーンを入れていたのでどうにかしてハッピーエンドの流れになるんだろうなあと思ってましたが、さすがに風間シンジの末路でその線は無いなと軌道修正せざるを得ませんでした。いくらなんでも最初から死体の奴なんてどうしようもないですよね……ただエピソード的には彼と佐々木ユウカの話が一番面白かったです。とはいえ死体化したシンジが島に渡るまでどうやって日常生活送れてたのか疑問ではありますがw(彼は実家に帰らずずっとユウカと一緒にいたん?)
全体を通して知的バトルものといった様相ではありますが、正直ご都合主義が過ぎるきらいはあります。第一にナナの正体に実質迫っていたツネキチがあんなキャラのお陰で言いふらされずに済む上に、死を間近にした彼がそんな彼女をわざわざ自室にまで招いておきながらな~んにも手を出さないどころかご丁寧に自分の能力を発揮するシーンを目撃させるとか、アホの所業です。
他にも毒を持った黒ギャルの羽生キララを殺す手段がやっぱり毒とか、ナナは何を考えてるんでしょうか。常識的に考えて毒自体に耐性がある可能性を考慮しなければならない能力でしょうよ。にもかかわらず普通にいつもの毒を使って殺す、一歩間違えたら自分の正体がバレるだけのリスクですよ。
挙句の果てが鶴見川レンタロウ。彼はわざわざナナの目の前で幽体離脱の能力を発現し、トイレのレバーを引き水を流します。
何が言いたいってこのシーンって完全にナナにレンタロウの能力を見せるためだけのシーンなんですよ。序盤からレンタロウがトイレに行きまくるシーンを入れていれば別ですよ?ひょっとしたら原作ではそんなシーンがあるかもしれませんが、少なくともアニメでは唐突にあんなシーンを入れるわけです。しかも彼は初めからナナのことを疑っているわけなんです。これがご都合主義でないとしたら何だと言うのでしょう。結果的に、あれでナナに能力の特性を知られ窮地を脱されるわけなんですからねえ。
とはいえまあ、作品自体としてはそれなりに面白かったです。犬飼ミチルが重要なキャラであるということはOPでわかってましたが、彼女の最期は結構感動的っでした。あれだけ死亡フラグビンビンに立てまくってたのに案外感動しちゃうもんなんだなあと思っちゃうほどにはw
小野寺キョウヤは不老不死ということで、また最近の事情をよく知らないということでかなり過去の人間なのだろうということが伺えます。教師に対しても目上の人間という接し方でない点もそういう伏線なのかもしれません。場合によっては彼が気にしている妹自身がナナの母親か何か関係者である可能性も。
二期があるとすれば飯島モグオや郡セイヤがもうちょっと目立ってくるのでしょうか。特にセイヤに関しては彼女がいるという無駄設定も利いてくるのかも。
微妙に気になってるのがモブと思わしき登場人物の中でやけに描写に力が入ってるキャラがいるんですよね。これも後々大きな役割のあるキャラとして描かれるのかもしれません。