エイ8 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
自己肯定感がやたらと高く絶妙に根性の悪い魔女は誰でしょう?
そう、イレイナさんです。
『魔女の旅々』(まじょのたびたび、英語: The Journey of Elaina)は、白石定規による日本のライトノベル。書籍版イラストはあずーるが担当している。2014年にAmazon Kindleで公開された自費出版小説を初出としており、加筆修正された形でGAノベル(SBクリエイティブ)で2016年4月から刊行されている。
2020年10月から12月までAT-Xほかにて放送された(wikipedia)
非常に良い雰囲気の作品でした。何だか既視感があって、幼少の頃似たような構成の作品を見た気がするのですが結局思い出せないのが悔やまれます。親切な方に「キノの旅」なんじゃないかとご教示いただきましたが自分的にはその頃幼少じゃないんで違うんですよね……一体何だったんだろうなあ。単なる思い違いか、まあオムニバス形式なんて珍しいわけでもないので勝手に似てると思い込んでるだけか、まあどうでもいい話ですが。
本作の主人公イレイナ(Elaina)さんは旅人です。物語としては一応地続きではありますが個々の話は短編のオムニバス形式のようになっています。明るい話もあれば暗い話もあるという構成で、話によって評価がマチマチになりそうではあります。特に9話では冒頭に視聴に注意を促す字幕があり自分は滅茶苦茶ビビり散らかしましたよ。だってソーセージ焼いたり肉屋で牛か何かが解体されてる描写あったんですもん。絶対カンニバル的なグロい話がくると思ってたのでちょっと拍子抜けでした。しかも後に確認したら年齢制限もなし。なんだったんスかねアレ……まあ口元が血だらけになってる演出とかありましたから実際はそういう感じなのかもしれませんが。
序盤のイレイナさんはちょっとサバサバしてるというか割と淡泊です。なので人が植物に取り込まれそうになってても助けようとも思いません。奴隷の主に対しては一瞬ボコってやろうと思ったみたいですが結局奴隷の少女を助けません。一方で怨みから父親どころか国民全部を巻き込んで復讐を果たすようなイカれた王女に対しては死んでほしくないと思ったりしつつも結局放置する等とにかく他人と一線を画す姿勢を取り続けます。
若くして魔法の才能に溢れていたせいかやや増長している面もあります。しかもそれは魔法の才能だけでなく容姿や性格においてもです。毎回「~な美少女は一体誰か。そう、私です。」みたいな独白があり何かの冗談かと思ってたら正直者の国のお陰でガチでそう思ってることが判明しました。最終話に現れた邪気眼持ちの厨二病イレイナさんよりも相当イタいのが本作主人公のイレイナさんなわけですね。まあそんな自尊心溢れる彼女もオパーイにはコンプレックスを持ってるようですが。全てを手に入れていると言わんばかりの才色兼備でも悩みはあるということです。
ところで最終話はちょっと意味が分かりませんでした。髪を切られる話ってそんなに切ない話でしたっけ?と思いつつあれはエステルさん達のことだよなあと困惑してたんでちょっと調べてみたらあの「粗暴なわたし」は髪切る前にエステルさんとこにいったってこと?
ついでに言うとエピローグ的なのもよくわかりません。あれってイレイナさんがあの街に住むことを決めたから私服で出歩いてたのにひょんな出会いから彼女との旅を再度決めた、みたいなこと?ま、二期がくればわかるのでしょうかね。
そしてタイトルの「魔女の旅々」の旅が何故複数形なのかよくわからなかったですが、あれは最終話によって伏線回収されたと見るべきなのでしょうか。しかしその割に英語版のタイトルは The Journey of Elainaと単数なんですよね。何か深い意味があるのかないのかちょっとこれも微妙でした。とはいえ、あれをどうやって複数形で書きゃいいのかぶっちゃけわかりませんし、そもそも「旅々」ってなんやねんとも思います。「度々」にかけた?