エイ8 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
異能「陰帽子(マスクドヒーロー)」
他人から認識されにくくなる能力。ただし自分の意志でオンオフできない常時発動系。久保さんの持つスキル「僕を許さない(アンチモブ)」はそれを無効化する。
……さて(照
『久保さんは僕を許さない』(くぼさんはモブをゆるさない)は、雪森寧々による日本の漫画作品。
2022年5月にテレビアニメ化が発表され、2023年1月から6月までAT-Xほかにて放送された。
2023年1月24日、新型コロナウイルスの感染拡大により第7話以降の放送および配信を延期することを発表。同年3月2日、同年4月4日より改めて第1話から放送することが発表された。(wikipedia)
必要乙女力指数約+20%
モブ男子が何故か美少女に惚れられる系(断じて異能バトルものではないです)。又、数ある「〇〇さん」系らしく恋のライバル的な存在がいない反面二人の恋を見守る系(本作では姉)がいます。
本作の主人公白石 純太(しらいし じゅんた)は「〇〇さん」系の中でもかなり上位に位置する陰キャ度を誇るものの、「長瀞さん」のところの先輩のようなネチョっとした陰キャではなくどちらかというとあっさり系。
「式守さん」のところの主人公と一緒で本作の主人公にも最早デバフとしか思えないような特殊スキルが付与されていますが、これはひょっとしたら乙女力高めな作品の傾向なのかもしれないとちょっと勘ぐってみたり。普通のモブ陰キャと美少女の恋愛ものは基本的に陰キャに何の特徴もないか、或いはあったとしても誰でも代替可能なレベルのものしか持ってないのにも関わらず選ばれる傾向があると思いますが、乙女力高めの作品はやっぱりこれじゃ主人公に魅力がないと判断しているのかもしれません。
本作主人公白石の特殊デバフスキルは「影の薄さ」(念のため断っておきますが冒頭のスキル名は当方が勝手に厨二力を発揮してつけたものであって本作とは何の関係もございませんw)。教室にいようが目の前にいようがあたかも認識阻害されてるかのように気づかれない。が、どういうわけかそんな彼にいつでも気づくのがヒロインの久保 渚咲(くぼ なぎさ)。彼女が白石に惹かれる要因としては、皆が気づかないところで色々一生懸命ちゃんとやってるところだったり、とかなんだろうか。
タイトルにある「僕を許さない」は「ぼく」ではなく「モブ」と読む。漢字だけで見たならば何か怒ってる的なニュアンスのように感じるが実際は白石がモブとして引っ込んでしまっていることを許さないと言う感じ。彼は久保さんからすればモブではなく主人公なのだから、ということなのだろうか。
久保さんがやってることは「高木さん」のようなからかい系なのだが、あちらもだいぶそんな傾向が出てきているが正直言って自分に自信がないと出来ないようなことばっかりする。それやって許されるのは可愛いからだよわかってやってんの?等ついつい突っ込みたくなる。
陰キャ系でいつも問題になるのはナンパ等ヤカラに絡まれた時。本作でも可愛い久保さんが厄介そうな連中にナンパされたものの結局なんか平和的に見逃してもらえた。
陰キャ系はほんとこの扱いが難しいと思うんですよね。ヒロインが可愛いからナンパされる、だけど男がしょーもないから結局自助が出来なくてよくわからん回避の仕方になる。じゃあ初めからナンパなんかさせなきゃいいじゃんと思うものの、(本作ではなかったが)海回とかだとそれはそれで不自然になる、みたいな。
現実社会でも最近はだいぶ平和になってきてるでしょうが結局可愛い子は狙われるから強い男の庇護のもとにいないと保護しきれない、みたいな構図は残ってるでしょうね。
更に言うと見守る系も何であんな男との恋愛を認めるの?とか思ってしまう系統は結構ある。「宇崎ちゃん」のところのように主人公がちゃんとしてるのならわかるが、本作の白石くんを他ならぬ久保さんの姉の久保 明菜(くぼ あきな)がニヤニヤと見守ってるのもちょっと微妙。まあそんなこと言い出すと陰キャものなんて何にも出来なくなるわけですが。というか、だからこそ昔は無く、あってもちゃんと男が成長していったのでしょうが。
難癖つけましたが一つの作品としては面白い部類でした。特に白石くんの弟の白石 誠太(しらいし せいた)くんが天使すぎました。