Acacia さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
サンキューくれー!
日本のアニメも1つの作品、24分というたった1話に
関わる人々がどんどん増え、この人たちの葛藤が
ここまでアニメーションの進化を押し上げてきたのだな
と、感じる音楽アニメの最先端「ぼっち・ざ・ろっく」
少し前に声優さんの音楽が苦手。というレビューを書いた
事があるのですが、声優さんの音楽はただ綺麗なだけで、
物足りなさを何十年も感じていました。誰が歌っても同じに聴こえて…。
ただ、今作は「綺麗」、「ふわふわ」だけでなく
登場人物が地に足を着けた詩で葛藤を叫び、
美しい歌声と共に、どす黒い胸の内を
曝け出す咆哮のような振動で、
アニメ音楽で心が動いたのは久方ぶりの
充実感を味わうことができました。
思わずTSUTAYAでアルバムレンタルしてリピートしてしまうほど
こじらせ主人公の奇行をこれでもかとコミカルに描き、
自分でも嫌なほど自覚している「承認欲求」等々
脱力の震える肩の笑いに、どこか共感と若干の孤独の震え。
冒頭で述べたアニメを作る人たちの環境は
何年も前から崩壊の警鐘を述べている方もいらっしゃいますが、
ただ観て人生に充実感を享受するだけの自分には
想像もできない立場ですが、まだまだアニメには未来がある
と信じたい一作でした。
自分もレビュー書きながらこう思ってます。
「サンキューくれー!」って(笑)