「ぼっち・ざ・ろっく!(TVアニメ動画)」

総合得点
91.5
感想・評価
908
棚に入れた
3733
ランキング
33
★★★★★ 4.2 (908)
物語
4.1
作画
4.2
声優
4.1
音楽
4.3
キャラ
4.2

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ネタバレ

なばてあ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

漆喰がきざむ報酬成型と兎膠がことほぐ解像度

原作は読み進めているところ。

きらら作品なので、基本的に日常系。そこまでスペクタクルな盛り上がりはない。むしろアンチスペクタクルな滋味あふれる展開に良さみを感じられないなら、たぶん、はまれない。わたしはジャンプ(とその亜流)作品が大の苦手で、そのかわりに、日常系にビシビシくるアンテナ感度を維持できているのだと思う。ようするに趣味の優劣の問題ではなく、趣味の傾向の問題だということ。

とはいえ、ザッとあにこれのレビューを見て、この作品を「絶賛できないヒト」がこの世にいることに、心底おどろき、なんなら怯えてしまった自分ではあった。こわいよ、社会。もっというなら、あにこれの総合得点ランキングに軽い苛立ちさえ覚えてしまった。なんだろう、どこまでいってもわかり合えないヒトは、こんなにたくさんいるの・・・・・・。こわいよ、世界。

作画でいうなら、ライブシーンのその完成度は人口に膾炙しているが、日常芝居の作画もほんとうにすばらしい。近年のきらら作品でいうと「{netabare}ゆるキャン△{/netabare}」シリーズの人気は盤石なものがあるが、それらと比べても、作画のクオリティはダンチでこちらが良い。アニプレががっつりサポートするクローバーワークスの強みは際立っていると感じる。

京アニやシャフトが作画番長を張っていた時代はすでに移ろい、ufotableがケレン味あふれるデフォルメとテンポ感で見せる作画でてっぺんに君臨しているように思える現在、わたしは断然、某ジャンプ作品劇場版の作画よりも、このテレビアニメ作品の作画をうえに取る。それは繰り返しになるけれど、ライブシーンだけでなく日常シーンの作画がことごとくこぎみよいからだ。

たとえば、最終話のラストシーン、ぼっちちゃんが「{netabare}きょうもバイトかあ{/netabare}」とつぶやく直前、とぼとぼ登校する彼女の横顔が大写しになるカット、この輪郭の変化などは、もはや身もだえするほどうつくしい。手描きかCGかという議論はもはやアナクロニックであるのは百も承知で、この場面の手描きの輪郭(きっと、けろりらさんの手になるカット)をどこまで褒めそやしたい。

わたしはストーリーはビジュアルイメージを受肉させるための器だと思っている。この考えがほとんど多くの人たちとは真逆だというのはよくわかっている。でも、このぼっちちゃんの顔の輪郭の推移の綺麗さを支えるだけの強度のあるストーリーになっていて、とても好ましい。この強度も、きっと、切った張ったのストーリーにしか反応しないアンテナをお持ちのひとには測れないのだろう。

びっくり。こわいよ、現世。

衝撃:★★★★☆
独創:★★☆
洗練:★★★★★
機微:★★★★☆
余韻:★★★★☆

投稿 : 2023/04/02
閲覧 : 121
サンキュー:

21

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