STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず簡単な感想
原作は未読。
他のバンドもののレビューでも散々書いてきたんだけど、若い頃はかなり入れ込んでバンド
活動をしていたこともあって、バンドものに関しては他のジャンル作品より特別な感情を持って
観ることが多かったりします。
いわゆるバンドあるあるネタ的な観点で見ると、例えば「けいおん!」は練習やライブといった
音楽活動そのものの描写はやはり少ない感がある。
まあ、個人的にはバンドメンバーと飯食ったり、遊びに行ったりも含めて、バンド活動と
考えているので、そういった点では逆にリアリティを感じたりもするのですが。
逆に「BanG Dream!」は一般に想像されるバンドのカッコいいイメージをデフォルメ
したような感があり、本作はこれまでのバンドものと較べても、バンド活動の描写という点では
一番リアルな感じがする。
自分がやっていた頃はネットなどはなく、今とは情報の発信ややり取りなどはまったく
異なるが、皆で音を合わせることによる気持ちよさから始まるバンドの基本的な部分はまったく
変わっておらず、なんとなく嬉しくなってしまった。
あるあると言えば、「結束バンド」を始めとするパート別メンバーの性格なども個人的経験と
して頷けるものがあったり。
ギタリストと言うとロックバンドにおいては花形といった印象があるが、その実内交的な人が
多かった。ぼっちちゃんこと後藤 ひとりは極端すぎるけどw。
逆に陽性で外交的な人が多かったのがドラマーで、伊地知 虹夏はいかにもって感じ。
自分はベーシストでしたが、本作においては山田 リョウや廣井 きくりにより、ベーシストが
クズ扱いされる件については「そんなことはない!」と言いたいw。
まあクズかどうかはともかく、音楽的にはベースという楽器の特性上、アンサンブル重視で
全体を俯瞰的に見ることが多いのに、こと人間関係になるとマイペースの人が多かったのは
事実で、自分もそんな感じでした
バンドものに関しては楽器関係を見るのも楽しみだったりする。
ぼっちちゃんのギターはギブソン・レスポールで、「けいおん!」の主役である平沢 唯と
同じく。
カスタムとスタンダードという違いはあれど、いずれも女子高生が持つには少々お高いギターで
あり、唯の場合は親から金借りたり、楽器屋がバンドメンバーである琴吹 紬の父の経営のため、
コネで大幅値引きができたりしていたのに対して、本作は「どうしたんだろう?」と
思っていたら、お父さんのものだったようで納得の理由。
ぼっちちゃん、終盤には2本目のギターとして、ヤマハのパシフィカを購入。
自分は今でもベースやギターを弾いたりするんだけど、機材情報を追っかけたりは
していないので、パシフィカというブランドは知りませんでした。
調べてみるとお手頃価格ではあるものの、安かろう悪かろうではないようで、非常にコスパが
良さそう。女子高生が使うギターのチョイスとしてはなかなかいいんじゃないでしょうか。
もう一人のギタリストである喜多 郁代の使用ギターはギブソン・レスポール・ジュニア。
以前、「けいおん!」のレビューでも書いたが、昔からフェンダー・ムスタングやレスポール・
ジュニアは女の子が持つと映えそうと思っていて、ムスタングに関しては「けいおん!」において
中野 梓でそれを見ることができたが、今回本作においてレスポール・ジュニアを持つ女子を
見ることができたと。
原作がきらら系ということで、緩いバンド活動を描いた作品かと思いきや、結構上昇志向の強い
バンド活動で、前へ進んでいく「結束バンド」のバンドストーリーと次第に自分の世界を広げて
いこうとする主人公のぼっちちゃんの成長譚を絡めた熱いもの。
特に演奏シーンを通して、バンドやぼっちちゃんの成長を見せる描写は見事。
一方、ギャグ部分は主にぼっちちゃんの陰キャっぷりに根差したものが多いが、その表現方法が
かなりぶっ飛んだものが多く、ある種のアート性さえ感じさせる。
基本が現実的な話だけにこのギャグ部分は余計に際立つのだが、心象表現を映像化したものと
考えるとそれはそれでリアリティがあるのかも。
2023/02/20