芝生まじりの丘 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
思ったよりちゃんと陰キャしてる
どうせファッションぼっちなんだろと思ってたけど見たら思ったよりちゃんと痛々しさと向き合ってて良い作品だった。
そういう題材もそうなのだが、けいおんとかよりは何かリアリティの感じられたし、ある意味、オタクという存在をメタに取り扱った即品とも言えるかもしれない。
また、一つの物事へのこだわり、アンチポピュラーの精神というものと陰キャというものは切ってもきれない関係だと思っているのだが、きらら的なソフトなやさしいせかいの中にも、そういう捻くれ者的な陰キャ的こだわりというかサブカル精神が見え隠れするところも良かった。
映像に遊びがしっかりあってアニメーションとしてとてもよくできている。
仕方ないかもしれないが主人公たちの演奏自体はあまりアクのないものになってしまっていてそれは残念。
これは完全に脱線で門外漢の勝手な暴言なのだがこのアニメで扱うような日本のロックってロックのくせに"俺たちのロック"みたいなお仲間意識がたっぷりこべりついていてクラシックほどもアバンギャルドさも素直さも持ち合わせることがずいぶん難しいんじゃないだろうか。(まあそんなものそもそも求められてすらいないんだろうけど)
また、これも関係ないがレビューを見ていると「ストレスがない」という言葉が何度も何度も出てくるのだがストレスのない人生はロックではないのではないだろうか。
レビューを見ていると「青春」、「成長」という言葉が出てくるがそんなどこの創作にもへばりついている同調圧力のような前向きさを軽はずみに口に出すことこそぼっちが嫌ったアンチロックではないのだろうか。
こういうロックとアンチロックの交差点のようなところがこの作品にはある。