ヘンゼル さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
2022年の秋アニメの中でも抜きん出て並ぶものなし
率直に観終わった感想としまして、とても面白かった!
それと同時に、「陰キャ」や「ぼっち」がノーマルな社会になっているのだと。すなわち広がりつつある孤独化社会が産んだ作品ではないかなと思った次第。
なので、孤独というものを知ったことがない人は、主人公に共感はできないかなと思った。
しかしこのアニメは、孤独や学生時代の思い出にトラウマがある人の傷を容赦なく抉ってくる。
そこが、このアニメの魅力を引き上げる要素となっている。
話は変わって、この作品への熱意が凄かった……!
原作者も、制作陣も、視聴者も、この作品を盛り上げていて、作画、シナリオ、テーマ性、ギャグ、キャラクター造形、声優の演技しかり、そのどれもが、極めて高い水準でまとまっていた。
特に、喜多郁代というキャラがいわゆる「陰キャ」の正反対に属する「陽キャ」であり、主人公とは真反対の性格のキャラを置くことで、キャラ同士の掛け合いの面白さに拍車をかけていた。
また、バンドアニメとしても、完成度が高かった。
OPやEDは勿論のこと、複数ある劇中歌のどれもが、その作品のストーリーを象徴するような歌詞であり、視聴者を没入させる仕掛けが施されている歌だなと個人的に感じる。
曲自体が好きじゃなくても、せめてその歌に込められた歌詞を、ストーリーや主人公の心情に当てはめてみたら、また違った魅力が楽しめると思う。
この作品はきらら原作という事で、最初こそ注目されていなかったが、2022年秋アニメを象徴する作品になったことは間違いない。現に、海外のアニメランキングサイトでは常に上位に君臨していた。
日本のTwitterでも、毎週放送の度にトレンドになるほど、その人気は凄まじかった。
グッズも飛ぶように売れ、主人公声優は主人公の生き写しなのではないかと思うほど陰キャであり、それもまたこの作品を楽しむ要素の一因であった。
この作品をリアルタイムで観れたこと、そしてこの作品を作ってくれた全ての方に、最大の賛辞と感謝を。