二足歩行したくない さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
迷子のぼっちとビートロック
勉強も運動もまるでダメで、ずっと友達がいなくてひとりぼっちで孤独な日々を送っていたとある少女。
彼女はある日、ぼっち脱却してクラスの人気者となりチヤホヤされるため、一念発起して気が狂ったように一人毎日6時間ギター練習をする。
練習のかいあって非常に高い演奏技術を習得し、ギターテクはクラスの注目の的となって今や日本中を沸かせるスーパースターとなる妄想だけをたくましくしたのですが、ギターテクを身に着けてもクラスの誰かに声をかけられることはなく、中学校を卒業し、高校に入学して、さあ高校デビューだ!と、思いきや、気がつけば一ヶ月経過し、友達一人作ることができないままでいた。
YouTubeに弾いてみた動画を投稿しては再生数とコメント欄をチェックしてニタニタする後ろ暗い少女、ぼっちちゃんこと「後藤ひとり」が、ギター一本で天下を取りに行く作品です。
コミュ障で人前に出てなにかするどころか、知っている人と会話するだけでどもる怯える意味もなく笑うぼっちちゃんですが、ひょんな事からバンドメンバーとして参加することになります。
コミュ障のJKなんてバンドハウスで演奏しようものなら、バンドマン同士の打ち上げで標的にされ、気づけばハードドラッグと闇金うしじまくんなアレコレになりそうですが、そういうことは一切ないです。
バンドメンバーは同年代の美少女、ついでにぼっちちゃんも、それで陰キャとかなめとんのかと言わん限りの美少女で、お色気展開なし、モブや肉親を除き男性は不在、かわいい女の子たちがイチャイチャしながらバンド活動するきらら系な内容になってます。
ガールズバンドがバンドハウスで演奏するアニメというとバンドリが想起されますが、決定的な違いとして主人公が非常に"変"です。
バンドリの主人公もキラキラドキドキに誘われたと言って他人の敷地に入り込み、置いてあるギターをくれと言い出す変態ですが、ぼざろの主人公は長年ひとりで妄想たくましくしていたためか、妄想と暴走が激しく、初ライブではダンボールを被って演奏するなどやりたい放題、頻繁にナメクジ化して周囲を引かせ、グダグダ感はアニメで表現しきれず度々実写取り込みやクレイアニメが挟まります。
ただゆりゆりするアニメではなく、ぼっちちゃんの臆病さ、ぼっちから見る世間の暮らしづらさを実感できる構成で、人生はクソゲーと感じてるアニオタの心をがっちり掴むような作品になっています。
テンポが良く、随所にぼっちの暴走が入るので、飽きること無く楽しめました。
一点、残念なのは、マンガではあったぼっちの隠れ巨乳設定が無いことにされたことですね。
ぼっちのスタイルが良いとリアリティが薄まると感じてしまったのか、ぼっちちゃんのメイド服姿を期待していた俺たちにはがっかりなところです。
ぼっちなぼっちちゃんが成長する話かというとそういうわけでもなく、感動の物語というわけでもない、彼女のままステージでピックを振るストーリーでした。