oneandonly さんの感想・評価
3.9
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
脚本と特定キャラが光った作品
世界観:6
ストーリー:9
リアリティ:8
キャラクター:6
情感:5
合計:32
<あらすじ>
平凡な毎日を送るタクシー運転手・小戸川。
身寄りはなく、他人とあまり関わらない、少し偏屈で無口な変わり者。
趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。
一応、友人と呼べるのはかかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生、柿花ぐらい。
彼が運ぶのは、どこかクセのある客ばかり。
バズりたくてしょうがない大学生・樺沢、何かを隠す看護師・白川、いまいち売れない芸人コンビ・ホモサピエンス、街のゴロツキ・ドブ、売出し中のアイドル・ミステリーキッス…
何でも無いはずの人々の会話は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていく。
(公式サイトより)
本作は2021年春アニメで、あにこれの同クール1位を獲得しています(以前はVivyだったので、Vivyは視聴済)。同クールには86(エイティシックス)もあって、TVアニメでは本作とVivyが上位とあれば、当然気になるということで視聴したのが経緯です。
キャラデザが人型動物で、ゆる可愛い感じの序盤でした。
主人公の小戸川役の声優は江夏樹さん。四月は君の嘘の有馬公生や鬼滅の刃の竈門炭治郎の声からは当初想像がつかず、このような声も出せるのですね。
{netabare}主人公がタクシードライバーなので、様々な客が乗ってくることによって物語が進展、主人公は女子高生失踪事件に巻き込まれていきます。このミステリがしっかりしていて、ネタバレ回(11話)
それと平行して1人の物語が交錯するのですが、第4話「田中革命」は面白かったです。この田中というキャラクターは、この物語なかなかにシビれる話で、これがあってからこの物語に入れたように思います。
ストーリーだけを追えば、この田中という存在は必要ではなかったのではないか、とも思えるのですが、ネットオークションやスマホゲームを例とした非常に個人的なトラブルが人間に大きな影響を及ぼしうるということを表現しつつ、ドブの拳銃(弾丸の残数)や狂人の挙動が物語において緊迫感を与え続けていました。この点は評価が高いです。
殺人事件の全貌が綺麗にわかり、最後に登場人物が動物だった理由もわかり、小戸川の家の押入れの中もわかり、殺人犯をタクシーに乗せるシーンで終わる、全体の脚本としてよく出来た作品です。
一方、動物の見た目が邪魔をしたのか、出来すぎた構造からか、悪役のラッパーキャラのせいか、感情を動かされるシーンが少なかったのが個人的な不満点。4話で語られる田中の人情が印象深いというのも、象徴なのかもしれません。
自分はあまりミステリを好まないのですが、犯人は誰かとか殺人のトリックがどうかということよりも、人間の心理や行動理由に興味があるので、殺人事件にはあまり興味がないからのように思います。やはり心動かされる人間の情感が伝わる作品が好きですね。{/netabare}
やはり殺人事件やミステリ・謎解きが好きな方におすすめでしょうか。
余談ながら、なかなかレビュー投稿が進みませんですみません。
年末年始中にもう1つ投稿できるかもしれませんが、今年もベスト10は作成できませんね。
作品ランキングは86が1番。
音楽ランキングは、86やリコリコも良かったですが、平家物語の「光るとき」を1番とします。
皆様よいお年をお迎え下さい。
(参考評価:3話3.5→4話3.8→6話3.9→11話4.0→12~13話3.9)
(視聴2022.10)