Bハウス さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
猫背の虎が一歩踏み出す時
最初に書いた「のんのんびよりのんすとっぷ」で☆4.9をつけて以来
320作品以上上回ることはなかったが
遂に私のレビューで満点を出させた怪物
イントロダクションできらら原作、女子高生がバンドを組む話
誰しもが「けいおん!」をよぎったことだろう
私はどうすみ分けしたか確かめるような気持ちで
第一話を観た
「なるほどBECKを女の子にするとこうなるのか」
ハロルド作石の大ヒットマンガでテレビアニメと実写映画化されている
バンドもののフロンティアと思われる傑作
主人公ぼっちが成り行きでバンドのギタリストになるのは
コユキとおんなじ導入だし
OPの青春コンプレックスを聞いた瞬間に
ゴリゴリの硬派を見せるんだろうと想像できた
隠キャ特有の圧倒的自己否定
数多の空想で悦にトリップするものの
フェイストゥフェイスで完全に舞い上がって
身体が震え上がる
僕らがヲタクと呼ばれた頃は
ぼっちとおんなじマインド持っていた人は多かったよな
ピーキーさを出しすぎるときららのコンプライアンスに触れるから
この作品はキャラの配置で工夫してきたと思っている
結束バンドのメンバーはギタリストジャージ属のぼっちと
変人、金欠、独創性高いベースのリョウさんのダウナー組と
まとめ役で誰とでもフラットに話せるドラムの虹夏先輩と
JKのロールモデルでキターンビームが眩しい陽キャ代表
ギター&ボーカルのIKUYO!\(^o^)/
ぼっちのギターテクとそのポテンシャルを見抜くのは
いつも酒浸りでライブで機材壊してしまうきくり
色分けの強いキャラだからこそ
やっていることをオーバーめにしても成立してしまう
ちなみにぼっちが虹夏先輩と喜多ちゃん家に呼んだ回で
パーティサングラスに「今日の主役」タスキかけて出迎えていたが
私も似たようなのを新谷良子さんのライブや水樹奈々様のファースト武道館で
やりましたけど何か?
特に評価したいのはぼっちの変化とリンクして
結束バンドの楽曲も変わってきている点
ギターと孤独と蒼い惑星やあのバンドは
攻撃的で強い言葉が歌詞のフレーズに入ってくる
マグマが吹き出して一気に爆発するようなイメージ
実在するアーティストで言うと30代男子以上は
誰か一人は泣きながらカラオケを熱唱するカリスマ尾崎豊
女性だと家入レオさんなんか近いと思う
最終話で演奏された忘れてやらないと星座になれたらは
ぼっちがバンド活動を通じた楽しさがニュアンスに入っている
忘れてやらないは江ノ島回をまんまインスパイアしているし
星座になれたらも強い言葉はありつつも
期待をしているようなフレーズに聞こえる
喜多ちゃんの歌い方も前の二曲は声を低く強い言い切りを強調し
後発の二曲は普段の高さにあげて可愛いイメージ
ラジオで長谷川育美さんは「かなり意識して歌った」と
語っているけどここまで変えてくるとは思わなかった
私史上文化祭傑作回はハルヒの「ライブアライブ」だったが
この作品が塗り替えてくれた
最後のぼっちがやらかしたダイブ未遂なんて最高にロックだよw
タイトルは青春コンプレックスの歌詞を引用して付けてみた
猫背の虎はぼっちにふさわしい表現だと思う
でも彼女はただバンドを組む仲間を待っていたわけではなく
毎日押し入れでギターを練習し
ギターヒーローとして思い切って一歩踏み出したからこそ
この出会いと今に繋がっているんだよね
ライブ中のトラブルを次々切り抜けるのも
一歩踏み出した勇気があるから
でもバイト辞めるの言い出せなくて卒倒しちゃうんだけどw
これは個人的な思いだがもし二期が作られるのなら
みんな高校卒業してBECKのアメリカ編
日本のアーティストだとフラワーカンパニーズみたいに
車一つでライブハウス巡りしてインディーズやってる結束バンドが見たいな
相変わらず初対面では溶けるぼっちが
ハンドル握ると高速200キロ出しちゃうくらい
キマっちゃうシーンとかあったらおじさん号泣しながらサムズアップしてるw