栞織 さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
思ったよりもシリアス調
PVではギャグアニメかと思いましたが、思いのほかシリアスな家族ドラマです。坊ちゃんに必要以上にスキンシップっぽくふるまうアリスの真意が謎なだけに、今後どうなるのか興味深々です。作画も安定していて、アリスの瞳の中の処理が美しいです。OPのはじまりが懐かしの「うる星やつら」と同じ星の矢印なのは、声優さんの声が諸星あたる役の方と似ているから?アバンタイトルでは夏目漱石の「坊ちゃん」の文字を強調していますが、シナリオの出だしは太宰治の「人間失格」の「恥の多い生涯を送って来ました。」っぽいですね。
第一話{netabare} ラストでちょっとうるうるしました、枯れた薔薇の花言葉・・・・のくだりで。BGMとか格調高くて、いかにも貴族のお坊ちゃまという感じですね。坊ちゃんのスタイルが「怪盗オヨヨ」とか言ったら古すぎますかね?アリスが網タイツを履いていたりして、どうも呪いをかけた魔女側の人間ではと思うのですが、今は坊ちゃんとのかけあいを楽しんで見ています。訪ねてきた友人も母親の差し金というあたり、母親とのドラマが一筋縄ではいかない感じですね。坊ちゃんとは離れて暮らしているみたいだし。はやりの毒親なのでしょうか? {/netabare}
第二話 {netabare}坊ちゃんの日常という感じの回でした。病から復帰した執事のロブ、妹のヴィオラ、野良猫の一家など、坊ちゃんの平和な日常が描かれました。しかし坊ちゃんも将来のことを考えて、ピアノで作曲したりしているのですね。貴族の生まれでも働くことを考えているのは立派なことです。今回もギャグは少なめで、アリスとのほのかな恋の交流が主眼でしたね。最後にダンスホールのバルコニーで、アリスと触れ合わずにダンスを踊る坊ちゃんが、気の毒でもあり、青春でもありという感じでした。出て来た高級ケーキが美味しそうでした。あ、そうそうこのダンスシーンは元ネタひょっとして「マディソン郡の橋」ではないでしょうか?この映画見たことないのですが、何かダンスシーンがどうのとか聞いたことがあります。 {/netabare}
第三話{netabare}
坊ちゃんが玉突きをして、アリスと賭けをして賭けに負けて町に出かけると言う話。後半は眠れない坊ちゃんがアリスの離れを訪ねる話と、PVにもあった湖でのボートの話。坊ちゃんが町に出た時に弾いたストリートピアノは、その昔ちょっとはやった「ペンギンカフェ・オーケストラ」風。それでか坊ちゃんの仮装姿もちょっとペンギン風でした。この曲は懐かしかったですよ。街に出かけた時、アリスに声をかけた白頭巾の人物が気になりますね。今後の伏線だと思われます。それにしても坊ちゃんの母親は何ひとつ坊ちゃんのことを気にかけていないのですね・・・・。 {/netabare}
第四話 {netabare}
雪合戦をして遊ぶ坊ちゃんとアリス、しかしその時アリスは母親の形見?のピアスをなくしてしまいます。坊ちゃんがそれを探していると、カフという魔女の女の子に助けられます。しかしカフでは坊ちゃんにかけられた魔女の呪いを解くことはできないのでした。
アリスの回想場面で、ふつうにアリスに触っている坊ちゃんのカットがありました。という事は幼少時は呪いがかけられていなかったと言う事?なんかいろいろ奥が深そうになってきました。それともアリスには呪いが利かないのだろうか?まあそんな謎もありますが、坊ちゃんとアリスがらぶらぶならそれでいいのです。今回は坊ちゃんの歌もありました。 {/netabare}
第五話{netabare}サブキャラの坊ちゃんの妹のヴィオラ、前回に登場のカフにスポットの回。ヴィオラは執事のロブにご執心、一緒に猫のパンをこねているのは心温まる場面でした。カフの仲間の白ガラスのザインは今後も出てくるのでしょうか。ザインたちから魔女の集会に来るように言われる坊ちゃん、かけられた呪いについてわかる事がありそうです。アリスも同伴するようです。
童話みたいな話の展開で、毎回少しずつ進展していくのが楽しみです。今のところとても安心して見ていられる番組です。 {/netabare}
第六話 {netabare} 前半は坊ちゃんとアリスの日常話、後半はザインとカフに連れられて魔女のサバトに行く話でした。サバトでは魔女の長から坊ちゃんに呪いをかけた魔女についての話を聞きだしますが、すでにその魔女は死んでいて呪いを解くことはできないとの話。落胆する坊ちゃんでしたが、手かがりはつかんだのでそれはうれしかったです。帰りにザインとカフから友達だと言われて、思わずうれしくなる坊ちゃん。今回も落ち着いたお話で、素敵でした。
ところで魔女の長がアリスの母親を知っていたというのは、どこかの話につながっていくのでしょうか。興味深々です。 {/netabare}
第七話{netabare}前半は謎の魔女の壺で呪いを解く魔法の薬を作ろうとするアリスと坊ちゃん。しかし効き目は今一つで、呪いを解くことはできませんでした。壺を持て余したアリスは、執事のロブに任せてしまいます。この壺に魔女の顔がはりついているのが、見ていて愉快でした。
後半は坊ちゃんがマクファーレンという作曲家のピアノ曲を演奏して呪いを解こうとする話、またロブが活けた花瓶を割ってしまう坊ちゃんの話。血の涙を流す女性の絵とか、気になるアイテムがまた登場しましたが。 マクファーレンのくだりは、また艶笑譚になっていましたね。呪いを解くってマクファーレン自身のものだったとは。あと、EDのあとの「不思議の国のアリス」もじりのエピソードは、坊ちゃんが夢の中ということで、自由にアリスと触れあえたという話で、ちょっとときめきました。早くふたりが現実でも結ばれたらいいのになと思います。{/netabare}
第八話{netabare} 今回も話が前半と後半と別れていましたね。前半は坊ちゃんの弟である次男とヴィオラの話、後半は坊ちゃんとアリスの再会時の過去話でした。次男は坊ちゃんが将来家父長になることを恐れていて、いろいろ嫉妬している様子。しかしこの家には父親は不在なのでしょうか?坊ちゃんを遠ざけている母親しか話にまだ出て来ていないのですが・・・。坊ちゃんが住むのは本屋敷から二時間ほどかかる別邸だと、今回の話ではわかりました。
そしてその別邸にアリスがメイドとして雇われてきた時の話。坊ちゃんは呪いをかけられた頃で、荒れていました。雪の中で自殺を試みる坊ちゃんを追いかけて来るアリス。二人が触れあえないのはまたしても残念というシーン。細かい演出が光りました。それにしても一日で坊ちゃんの荒れた部屋を治してしまうアリスには、思わず「デスノート」の「ジョバンニ一晩」を思い出しました。
この作品はおそらく1クールで来月で終わると思うので、あと4回ぐらいなのでしょうか。どう終わるのかが今から楽しみです。 {/netabare}
第九話 {netabare}坊ちゃん宅ではクリスマスパーティを開くために準備をしていて、カフたちも招かれて準備を手伝います。そこへ次男のウォルターとヴィオラがやって来るというあらすじ。ウォルターはカフにサンタと間違えられてしまいます。坊ちゃんの様子を見に来たウォルターですが、結局何をしに来たのかわからないまま帰ることになりました。アリスとの絆を雪道で確かめる坊ちゃんでした。
クリスマスパーティの楽しい雰囲気で全編彩られた回でした。ロブがヴィオラに愛されているなと思います。今回はあまり話が進みませんでしたが、坊ちゃんたちの母親は何を考えているのかわからないところが不気味ですね。 {/netabare}
第十話{netabare} 今回はアリスの過去話、アリスの母親のメイド長の話から入りました。そしてカフとザインの小話をはさんで、坊ちゃんとロブの出会いなども描かれました。そして眠れない坊ちゃんに添い寝するアリス。しかしアリスは、坊ちゃんの呪いが解けて元に戻ったら、坊ちゃんは本屋敷に帰りアリスとは別れることになると考えているのでした。ラスト、坊ちゃんとアリスの童謡の二重唱。フクロウとコネコの歌でした。
次回とうとう魔法の呪いの話になりそうです。いよいよこの話も大詰めなのでしょうか。あと2話ぐらいかな。楽しいシリーズでしたので、終わるのが寂しいですね。絵とか本当に丁寧でよく動いています。 {/netabare}
第十一話{netabare}とうとうあと1話になってしまいましたね。呪いの話に関しては、どうもアリスの母親がしたことみたいなオチになりそうです。アリスのこと、すごい大切に思い過ぎていたのでしょうか。今回もほのぼのと楽しいお話で、このキャラクターたちともお別れになるのかと思うと、本当に寂しい限りです。全体的に「ムーミン」みたいな世界観の作品だったと思います。お色気話もありましたが、艶笑譚の範囲内でほほえましかったですね。 {/netabare}
第十二話(一期最終回){netabare} 坊ちゃんが母親の館に行き、アリスとの仲を認めさせようとする話でした。母親はかつてアリスの母と仲がよかったという話が語られます。しかしアリスの母が死に、その心を閉ざしたのだとか。何があったのか気になりますね。続編が決定で、多くの謎は解明されないまま終わりましたが、続編への楽しみが増えました。アリスと坊ちゃんが必ず結ばれるように祈っています。 {/netabare}