イムラ さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
双璧!!
<2020/7/24 初投稿>
原作の小説は未読。
2002年にNHKで放送された全45話の長編アニメ。
8年前にBS-NHKで再放送された際に全部録画してBlu-rayに焼いてそのままだったのを、最近ようやく手を付けました。
・・・凄いですね。
見始めたら6日間で完走してしまったほどに夢中になりました。
うん。これは名作。
高校生・「中嶋陽子」はある日突然、学校で妖魔に襲われ、そこへ脈絡もなく現れた金色の長髪・中国風のいで立ちの麗人「景麒(けいき)」に請われるまま異世界へ・・・
という導入はよくある異世界モノなのですが、凡百の異世界モノと比べてはいけない。
世界観は。
古代の中国に近い風土・風習、魔獣、妖魔、神仙、飛仙、女仙、半獣、麒麟などが存在する、十二の国と五つの海からなる異世界です。
ちょっとだけ「海と陸の間にある」というバイストンウェルを思い出したり。
そして地理や社会の仕組み、人々の風俗・生活が尋常ではなく細かく、個性的、そして魅力的に作りこまれてます。
「映像研には手を出すな」の浅草氏もびっくりなレベル。
物語は中嶋陽子さんを中心に据えた群像劇。
そして「国造りモノ」?
戦争に比重は置かれていないのですが、代わりに
「王とは」「治世とは」ひいては「心の在り方とは」
という問いかけが続いていきます。
作品全体の印象としてはあの「銀河英雄伝説」と双璧!
とか言うと「また大げさな」と言われてしまいそうですが、少なくとも銀英伝好きならかなりの確信をもっておすすめできます。
それぐらい世界観がよく練られていますし、
キャラクターも生き生きとしているというか生々しく魅力的、
そして何より物語・シナリオが雄大で秀逸。
NHKなので1話25分と長いのですがそれが毎度あっという間。
というわけで登場人物を何人か銀英伝の有名キャラと比較しながらご紹介します。
(見た目性格が似てるというより立ち位置や考え方がなどがなんかこの人っぽい、という観点で無理やりこじつけて並べてます)
◆中嶋陽子:{netabare}ラインハルト・フォン・ローエングラム{/netabare}
か弱い真面目でおどおどした女子高生が{netabare}様々な困難を乗り越えラインハルトのような「強い王」{/netabare}になって・・・
◆景麒(けいき):{netabare}ジークフリード・キルヒアイス{/netabare}
中嶋陽子を{netabare}王に選んだ麒麟。真面目で堅物で言葉が足りないイケメン。キルヒアイス{/netabare}の方が大人だよな。
◆楽俊(らくしゅん):{netabare}ヤン・ウェンリー{/netabare}
{netabare}二足歩行のネズミ。{/netabare}性格が良くて賢い。本作で最も圧倒的に{netabare}優しく賢いんじゃなかろうか?{/netabare}もしかしたら千葉の夢の国出身かもしれない。・・・あれ待てよ?もしかして声優も同じか?
◆尚隆(しょうりゅう):{netabare}シンドバッド{/netabare}
どっかで見たことあるなー、と思ったら「マギ」の{netabare}シンドバッド{/netabare}にそっくり 笑。そういうキャラです。銀英伝で当てはめるなら誰だろう。{netabare}シェーンコップ{/netabare}というより{netabare}ポプラン{/netabare}寄りかな
◆大木鈴と祥瓊(しょうけい):{netabare}ミッターマイヤーとロイエンタール{/netabare}
女子二人です。ごついキャラではないけど、陽子との精神的な距離という意味で{netabare}二人の元帥{/netabare}にちょっと似てるかなと。
◆斡由(あつゆ):{netabare}ジョアン・レベロ{/netabare}
一見目指しているところは正しそう{netabare}なのに空回りしてドツボにはまって{/netabare}いくところが・・・
他にもいるような気もしますがとりあえずはこれくらいで。
余分なこと長々と書いてしまった気もしますが、掛け値なしの名作。
見て損はないし、銀英伝ファンなら見ないと損します。。
<追伸>
OPテーマ曲「十二幻夢曲」がインストなんですが、勇壮で映画のよう。
でもどっかで聞いたことあるなーと思ったら「パイレーツオブカリビアン」にかなり似てる。
と思って調べたら「パイレーツオブカリビアン」は2003年公開なので本作の方が少し先なんですね。