バンバン さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
”エボリューション”したエウレカセブン
「ハイエボリューション1」は、交響詩篇に近い世界で、交響詩篇と似たタイミングでエウレカと別れたレントンがさまよい、そして答えを得て再びエウレカのもとへ向かおうとする物語でした。
今作「ANEMONE」はその逆にレントンの帰りを待つエウレカを、別世界線のアネモネの視点から描く物語だと私は感じました。すなわち「ハイエボ1」の世界線と「ANEMONE」の世界線にクロスさせて描き出す物語です。ネタバレになりますので以下に考察をば。
{netabare}
アネモネがダイブした先の世界は、東京湾上のエウレカ#7(おそらくスカブコーラル?)内に存在する平行世界そのものだと思います(デューイが捨てられた世界、ゴミの山と述べていた)。交響詩篇でもスカブ内部を場として人の魂が存在し内部世界を形成していましたし、似たようなものでしょうか?
このデューイ・ノヴァクですが、「ハイエボ1」冒頭でシルバーボックスの暴走に巻き込まれたデューイと同一人物と見ていいと思います(アドロックのことを師匠と呼んでいましたし、「ハイエボ1」ではネクロシス作戦で生き残ったものの以降は出番無しだったので)。シルバーボックスの暴走とサマーオブラブによって開けた平行世界へ迷い込んだ結果のこの姿なのではないかなと。ただエウレカや当時まだ幼いレントンについてさえ知っているのはどういう経緯なのか不明です。
レントンについてですが、エウレカもデューイも死んだと言っていて、ここが作中で一番引っかかっていたところです。アネモネがダイブした時、一時的に「ハイエボ1」終盤の風景に飛んでレントンを見つけていましたから。そこで思ったのが、両者ともレントンが死んだと勘違いをしているのではないかと。デューイに関してはサマーオブラブの破局を見ていれば無理ないでしょうし、エウレカに関してはどうやら「ハイエボ1」のアクペリエンスに巻き込まれてレントンが死んだと思っているようです。ですので、
アクペリエンス発生
↓
エウレカが溶ける
↓
エウレカ回復→→→レントン家出
↓
エウレカ、レントンが死んだと言われる(ホランドが言ったか?)
↓
エウレカがサマーオブラブ爆心地のシルバーボックスをいじり、平行世界を回ってレントンを探す
↓
「ANEMONE」世界へ
ということなのかなーと妄想。ただアクペリエンス後にレントンがいなかったなど辻褄の合わない所もあるので、ハイエボ1とは全く関係ない世界のエウレカである可能性も十分あります。ラストのレントンも「ハイエボ1」終了時とは比べ物にならないくらい漢の顔でしたし…ただシルバーボックスは引き続き重要なキーになりそうです。兎にも角にもハイエボリューション3を待つ他ないですね。 {/netabare}
本編については、ポセイドン号、トリトン号といったAOへのオマージュが少し嬉しかったですね。序盤に流れる交響詩篇のBGM「Tiger Track」もやはりカッコよくて、エウレカにとっての音楽の存在感の大きさを改めて実感。新規作画でエウレカもアネモネも前にも増して可愛くなってました。特にアネモネの主人公感がすごい。
来年の「ハイエボリューション3」へ期待大です。