春原最高! さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
恋愛モノで一番好きかも
自分はこの作品、アニメが始まる前は名前とPVしか知らなくて、何となく「来期のガチ百合枠かぁ、ふ〜ん」くらいにしか思ってなかったんです。その頃は正直キャラデザが好みでなく感じて、あまり興味がなかったです。ガチ百合作品はホントのところ少し苦手っていうのもあるのかもしれません。観れたのは桜Trickやストパニくらいかな。マリみてやcitrusはキツかったです(いつか再履しようと思ってますが)。
やが君はdアニメストアで配信してるし1話はとりあえず観て、つまらなそうなら切ろうとしてました。
そうして観た第一話
正直そこまで面白くはなかったです。
話がとにかくゆっくりだし、ラストの「{netabare}私、君のこと好きになりそう{/netabare}」の展開が余りに唐突で、頭に引っかかってました。
ただ、演出がとても丁寧で、背景等の作画も綺麗だし、雰囲気がすごく好きになりました。自分が視聴継続を決定したのは、侑の電話での会話
{netabare}「ごめんね」
「…ありがとう」{/netabare}
このシーンです。
こういった、言葉にしなくてもキャラクターの感情の揺れ動きがわかるシーンが自分は大好きで、がっこうぐらし!(原作)が好きな理由のひとつでもあります。
この会話から良作の気配を感じました。引っかかっていた展開も、何か理由があるのではと思えたのです。
2週間後の第三話
{netabare}体育館裏での会話がエモすぎる!やはり燈子先輩には闇があるらしいということが分かり、{/netabare}この作品は面白くなると確信して漫画を全巻購読しました。
読み終わったあとは、買ってよかったなと思いました…ホントに。エモさの塊でした。最新巻のラストがもう。ダメ。エモすぎてしばらく布団の中で悶えてました。原作の時点でここまで面白いんか、逆にアニメ見なくてええんじゃない?て思ったくらい好きなので、ぜひ皆さん読んでみてください。
四話、五話と溜め回が続いた第六話
ここまで少しずつ伏線を張ってきた甲斐あって、神回となった第六話。
{netabare}Bパート破壊力たるや。原作で展開を知っていても震撼しました。お互いが川の上で歩み寄っていく演出は露骨ですが作品全体でキャラクターの心情を表せていて好きです。そういう所はアニメーションの強みだと思います。
そしてあのCパートよ。
2人それぞれの心情が比較され、そのねじれ具合がよくわかる演出でした。{/netabare}
やっぱりアニメはアニメでさらにいい部分があるなぁ、アニメもちゃんと観るべきよなぁと思った回でした。
その後も、個人的神回が7,9とあり、良回で溜めを入れながらもきちんと押すところを押してくるので、緩急が心地よいです。
最終話が中途半端に終わってしまったのは、オリジナル展開ほぼ無しでやってるので尺の関係上仕方ないのですが、残念ですね…。最後盛り上げてキリがよければ物語点は5で文句なしだったのですが。
円盤の売上的にも2期厳しそうなので(可能性がない訳では無いですが)、続きが気になる方は今から原作追い始めるのもありだと思います。原作は終盤っぽい雰囲気ですよ(6巻までの感じでは )。
あと残念な点といえば作画ですね。後半に連れて崩壊とまでは行かずとも、怪しいシーンがいくらか見受けられました。序盤から人物作画はそれほど良くなかったですし。
それほど悪くは無いのですが、他要素と比べると完全に作品の足を引っ張ってますね。
漫画はそんなことないですよ。寧ろ表情とか素晴らしく、見どころの一つです。
それを考慮しても個人的に今期と言わず今年の覇権です。
今年一エモいアニメでした。
ガチ百合にある程度の耐性が必要ですが、ストーリー重視でアニメを見る恋愛モノ好きの方には多少の我慢をしてでも見て欲しいです。雰囲気的にはコミカル要素を抜いたクズの本懐とか、近いかもしれません。
ここ2、3年不作化が続いており(と個人的に思ってる)、今年のアニメも良作は少なく感じたけれど、今期はやが君を筆頭に良作が数作あったので久しぶりに少し楽しかったです。
去年も秋アニメは割かしレベル高かったなあ。