oneandonly さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
好きだと言えるものを見つけること
世界観:6
ストーリー:8
リアリティ:7
キャラクター:8
情感:7
合計:36
何をすればよいか分からない
平凡な中学生・富士田多々良は
ある出来事をきっかけに社交ダンスの魅力に
引き込まれていく。
「何か一つでいい、好きだと言えるものがあれば」
今の自分から変わるため、
多々良は社交ダンスの世界へ飛び込む。
多々良の成長を圧倒的な「熱量」で描く、
唯一無二の青春ダンスアニメ、ここに開演!!
(公式サイトより)
知り合いからの紹介による視聴(Amazonプライム)。
競技ダンスのお話。昔、ウッチャンナンチャンのTV番組で芸能人社交ダンス部という企画や、Shall we dance?という映画がありましたが、この世界に触れるのは、それ以来かと思います。見る度に、自分にもあんなことができたらなぁと憧れつつ、運動神経が良くもなく、目立ちたがりでもない自分には向いてないだろうと思ってきました。(ハードトレやリーダーの負担はハードルが高そうですしね^^;)
{netabare}冴えない生活を送る主人公の多々良でしたが、気になった女生徒を追いかけていった先がダンス教室で、いじめから助けられたきっかけもあり、その門を叩くことに。そして、いつもはおどおどしつつも、大一番で堂々とできる複雑なメンタルを持つ主人公が、競技ダンスの技術を磨いていくという、{/netabare}スポ根物です。
ベタだけど、主人公の成長を専門用語や技術などを交えながらスムーズに運んでいて面白い。{netabare}初心者ながら類稀な才能(見たものをすぐに真似ることができる)があったり、素人がこんなんアドリブで演技できるか! というリアリティ面や、初出場した競技会で決勝までいってしまうご都合展開はあるのですが、主人公は馬鹿一筋ながら努力家ですし、ぎりぎりのラインでちゃんと納得させられる演出がされているので大きな問題には感じませんでした。(例えば、天平杯の決勝での最下位、でもクイーンは獲るという流れ){/netabare}
原作のタッチなのでしょうが、作画は正直好みではないため、世界観はやや低めとなりました。OPは、UNISON SQUARE GARDENのノリの良いメロディーと軽やかな歌声に、1クール目も併せて後半以降に嵌ってきました。
終盤は原作者が遅筆のため、原作と同じタイミングで終了となるはずが、原作よりもアニメが先行することに。先が知られていないものがアニメで見られるということで、原作ファンも楽しめたのではないでしょうか(原作者から大まかなストーリーを聞いて制作されるようなので、原作と全然違うということにはならないと思います)。
見どころは、2クール目から登場する千夏のツンツンぶりと、パートナーとなって2人が成長していくところ。{netabare}アニメではツンデレ女子がよく登場しますが、男をときめかせるツンデレは現実にはほとんどないので、この作品では千夏のデレないリアリティ(完全拒否、拒絶っぷり)が私としては好評価でした。競技ダンスに関わる多彩な人々にスポットライトをあてつつ、どんな世界かを説明できていたのも良かったです。
個人的に印象に残ったのは、ダンスをしていることを家族にも言えていない中、学校のクラスでの自己紹介でダンスが好きと言えたシーン。他人からどう思われても好きだと言えるものを見つけられるのは幸せだと思います。
最終話で作品のテーマに向き合ったのも好感です。{/netabare}
総合評価は良作水準ですし、何か新しいことを始めてみたいと思わせてくれるアニメを私は評価していますので、広くおすすめできる作品だと思います。
(参考評価推移:3話3.9→9話4.0→11話4.1→24話4.3)
(2017.11~12視聴)