sekimayori さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
夢見る少女じゃいられない 【67点】
アイドル達とプロデューサーの群像劇、後半戦。
■感想
終わってみれば、演出に生き演出に死んだ真面目なアイドルアニメでした。
先に良かった点。
アイドルだってトイレに行くし恋もする、彼氏とプリクラだって撮っちゃう時代において。
女の子がアイドルになる過程、なった後の内面の葛藤を通じて、等身大の彼女たちの本質を描き出そうとしていた。
「私アイドル辞める」みたいな驕りと失敗からの成長、
新たな一歩を踏み出す輝かしさとそれによって失うもの、
並んで歩いていた人々にいつしか置いてけぼりにされる焦燥。
そんな等身大の経験を扱い、人間ドラマ、成長ドラマの基本に正面から向き合ったことは好印象でした。
加えて、ストーリーを徹底して画面上の演出で補強してゆくから、映像的に飽きない(ちょい文学臭キツめだけど)。
陰影、アングル、立ち位置、小物、車列や人並みetc.、1期との対比、繰り返しを多用しつつ、高密度で敷き詰めてる。
個人的には歩道橋で凜と卯月が会話するシーンが印象に残っています。
明るい会話の中身と裏腹に、立つ段数の差で卯月が絶望的に凜に追いつけていないことが暗示されていて、SAN値ダダ下がった。
もう一つ、卯月を制服のままステージに上げたのは、普段着の、そのままの彼女がアイドルだと宣言してるようでジーンと来ました。
ただし大きな難点として、キャラが量的に溢れ、シナリオの掘り下げを阻害しています。
演出が充実しても、それが支えるべき物語が散逸してたら、片手落ちどころじゃない。
ゲームからあんなにキャラ出演させなくても、New Generations3人+αだけで人間ドラマや理想のアイドル像は描けたはず。
制作陣が、自分たちが扱うキャラの魅力を深く信じられていなかったようにも思えて。
アイマスのコンテンツ的制約を脱せなかったのが残念です。
あと、作中でもうちょっとファンのことも気にしてあげてよ。
■ぼくP「がんばれ❤がんばれ❤」
以上、近視眼的にはプラスマイナスあるけれど、全体的には好意的な感触の方が大きい。
デレマスは元々スマホゲー、しかもキャラゲー。
電子の偶像による半自動集金マシンとすら呼べるもの。
そんな非人間的な機構が、真面目な物語、多分に文学的な心理描写を売りにするアニメに転化したことは、地味に褒められても良いと思う。
ゲージュツとかキョーヨーとかがまとまったお金を生まない現代。
昔ニューアカなんてトレンド(!)があったことが信じられない、「高尚そうなもの」が忌避される風潮すらある時代に、制作陣はけっこう攻めたなぁ、と思います。
流し見じゃ理解してもらえない、でもアニメの大衆化・物量増大で流し見する視聴者を責めることもできない、そんな板挟みもある中で、しかもアイドルアニメにおいてこれをやるのは、勇気か蛮勇か。
人によって評価は割れるだろうけれど、アイドルと言うジャンルにタコツボ化した熱狂を感じ少し引いてしまう私としては、アイマス系列のこの路線自体は超応援しています。
それがマスに受け入れられるのと、企画者とスポンサーが夢見る少女じゃいられなくなるのと、どちらが先でしょうね。
それこそ長寿コンテンツとしての集金力を活かして、行けるところまで行って欲しいのが本音。
ぼくP「1期1話みたいなのを作り続ければ勝てると思うんだ!(無茶振り)」
■蛇足・養分になります
と言うことで、集金マシン=デレステ、プレイしてます。
完全にCoPで、「Project Krone尊い……」「MJまじGJ!」と喚きつつ鍛錬する日々。
太眉古典的ツンデレな奈緒に偏桃体を直接ぶん殴られまして、アニメの登場シーン観返しつつSSR/SR化を待ち焦がれています。
凜と加蓮が真剣な話してる横でハッピーセットのフィギュアいじってんの、確実に萌え殺しに来てるでしょ。
まじで課金も辞さな(ry
あ、アニメみくにゃんは2クール通してクッソ可愛かったですよ?←浮気者
【個人的指標】 67点