sekimayori さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
乱世で真剣にバカをやる可笑しみ 【77点】
風呂覗きから退学の危機に陥った男子生徒たちの学内監獄からの脱出を描く、下ネタ脱獄ギャグアニメ。
概要からして、いや~乱世乱世!
世にはバカとアホという言葉がありまして、友人から聞いた俗説では、西日本と東日本でニュアンスに違いがあるそうな。
西日本だとアホが肯定的に使われ(関西では褒め言葉?とか)、東日本ではバカの方が可愛げを感じる、とのこと。
友人説の真偽は別として、この作品に対してはこの評価を捧げたい。
最っ高にアホでバカであると!
絶対的に全面的に、肯定的な意味で。
と言いつつ、登場人物たちはバカをやろうとしてバカやってるんじゃないんですよね。
みな真剣。
行動原理からしてナチュラルにおバカだけど、その原理に対しては至極まじめ。
う〇こMP3とか、一つの行動に青春7年分を棒に振る覚悟を要求するギャグアニメは初めて観ました。
(アンドレ以外)絵柄・塗りも完全にシリアス寄り(原作者、「俺と悪魔のブルーズ」の方なんですね)。
真剣だからこその猪突猛進っぷりと大変にお下劣なネタの数々が、バッタのかき揚げと輝く白米のように形容しがたいハーモニーを作り上げます。
いやごめん、普通に食べたことないわ。
根底にあるシリアスさも、ギャグの合間に非常にいい仕事をしやがる。
全力なバカバカしさとの対比で、脱獄関連のシナリオの丁寧さがより映えた印象。
キヨシとガクトの友情はまっとうな意味でジーンと来ましたし。
ラストも{netabare}暴力的な脱獄ではなく、正当な方法に則り権利を勝ち取った上での“出獄”です。
『ショーシャンクの空に』を思わせる爽快感は、絵面はアホらしいけど事実絶対絶命な状況に対し、常に全力投球で立ち向かったバカ野郎たちだからこそ、届けられるもの。 {/netabare}
副会長の汗ネタとか、濃すぎるキャラ性ゆえのネタ反復に対する胸焼け感(とそもそも下品すぎるって点)を除けば、下ネタ・脱獄・ギャグの三拍子揃った、というか三位一体となった大型新人。
個人的に、ジョーが蟻のワタナベとキヨタケに「仲良くしろよ」と声を掛けていたのが大変ツボです(巨人のお家騒動、『清武の乱』とか名付けられてんのねw)。
しかし同一クールにこれと下セカが放送されててしかも両方J.C.STAFF制作っての、ほんと乱世乱世。
花(ざー)さんに幸あれ。
【個人的指標 77点】