sekimayori さんの感想・評価
2.9
物語 : 1.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
ある意味、「物語」に対するぼくらの認識を問う意欲作(酷評) 【25点】
Keyの麻枝准氏脚本、特殊能力を持った少年少女たちの青春グラフィティ。
要所要所の雰囲気やそれを支える作画・音楽は素晴らしい。
でも、設定の整合性の欠如や、論理的裏打ちを欠いた超展開の乱発には、とてもげんなり。
終盤は混乱して、演出とか細部に気を払う余裕も吹っ飛びました。
1話面白くて期待したんだけどなぁ。
(時間コスト的に)揚げ足取りはしたくないので、全体的なコメントを。
たぶん物語に接するときに我々が大なり小なり働かせてる因果性・経験則という思考枠組みや論理的整合性に、真っ向から挑戦するような作品でしたね。
中盤までは牛歩ではあるけど、(後から隠れた因果性を暴露する装置である)伏線、(経験則をアニメ的なリテラシーに落とし込んだ)フラグを、ある程度利用して物語を構成していた。
それが一転、後半では伏線もフラグも無しに、設定・行動の論理性もかなぐり捨てて、楽曲の暴力を借りつつ(確かに独立したシーンとしては)美しいラストになだれ込む。
「細けぇことはいいんだよ」トレンドの最先端としては面白いのかも。
展開のドライブ感・場面単独のインパクトを重視するか、ストーリー上の積み重ね・整合性を重視するかで評価は分かれるでしょう。
しかし前者の人にとっても、ここまで自己矛盾と悪い意味での(=後付けの理屈でも説明がつかない)超展開を重ねられると、かなり厳しくないのかな?
まぁメタ的に解釈すれば、リアルでは伏線もフラグもなく自分の認識外から物事が襲い来るから、常にそれに備え、過酷な日々の戦いの先に楽しい未来を目指そう、というメッセージを受け取れる……のか?
(少し追記)
なんかそもそもだーまえ氏は物語を作ろうとしてたんじゃない気がしてきた。
きっと彼はシーン萌えの人なんだ。
ある種の人たち(私含む)が萌えキャラが出るだけで簡単に高まってしまうように、美しい台詞・画面・音楽が同居すればそれだけで満足なんだ。
物語を通して語られるはずのキャラの生き様とか付随するメッセージとか、たぶん無かったし。
シーン萌えみたいな需要は確実に存在するっぽいですし、まぁそれはそれで、なんですかね。
(追記終)
あ、友利のヒロイン像は低音系あやねるボイスに合っていて、好きでした。
{netabare}乙坂と馬が合う様子はタイムリープの帰着点前から顕著だったので、リープ後の交流(もいちどデートとか)があと少し描かれていれば、大変良いデレ方になったと思うのですよ。{/netabare}
清々しいラブストーリーとしては、純粋に惜しかった。
空気振動の能力で電波をジャック?、とか言い出した時点で諦めるべきだったのかも。
♪たとえ酷評になろうとも成し遂げる、必要は無かった気がする。
とか言いつつ、最終盤も捻じれた意味で楽しませてもらったから、正直満足はしておりますm(__)m
【個人的指標】 25点
(2015.09.27)