セレナーデ さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:途中で断念した
同じ土俵に上がってしまったが最後
安心して観れるミステリー。なわけだけど、ミステリー作品において「安心」は、「退屈」とも言い換えられるわけでして。そこのところこの作品は、それはそれは安らかな心地にさせてくれました。まったくもって余計な配慮、ですね。トリックとかすぐ察しがついちゃうし。
さて、この作品が不幸なのは、ミステリーというジャンルやゴシック調の世界観、ヒロインの属性などの点から、どうしても『ダンダリアンの書架』と比べたくなる…というより「ヴィクトリカとダリアンどちらが魅力的か」を比べたくなってしまうことではないかと。
なかんずく問題なのは、恣意的主観的な判断ですが、ヴィクトリカさんが見事に惨敗してしまってること。もうダリアンさんの圧勝です。
ヴィクトリカさん惨敗の決め手はただひとつ。
「やはり沢城嬢の壁は高かった」
これに尽きるというほかなく。
ヴィクトリカさんの中の人である悠木さんもガンバって役を作ってくれてはいるんですが、テンプレ属性キャラであるはずのダリアンさんが唯一無二と思えるほど魅力的なキャラに仕上がってしまう、嬢の演技の魔力のまあすごいことすごいこと。
それこそトリックでもあるんかというこの反則的なまでの化学反応の前には、いくら悠木碧のお声を手に入れたヴィクトリカさんといえど、軽く手首をひねられて終わりって感じでしたね。同じ土俵に上がってしまったが最後、というヤツです。
相対的な見方をしなければ、そこそこ楽しいキャラとは思います。