2024年度に放送されたアニメ映画一覧 82

あにこれの全ユーザーが2024年度に放送されたアニメ映画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年01月22日の時点で一番の2024年度に放送されたアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

62.5 26 2024年度アニメランキング26位
Garden of Remembrance(アニメ映画)

2024年8月30日
★★★★☆ 3.2 (12)
37人が棚に入れました
空のビール缶・ウィスキーグラスが床に置かれ、
部屋の端には画材やエレキギターが並ぶ、
少し散らかった「きみ」の部屋。
携帯のアラームが鳴って、
ぼんやりと起き上がり「きみ」1人の朝が始まる。
「ぼく」が好きだったアネモネの花、
それは「ぼく」との思い出を繋ぐ大切な花。
ある日部屋のクローゼットを開けると「ぼく」との思い出が「きみ」を包み込んでいき・・・
これは「きみ」と「ぼく」、
そして「おさななじみ」との”さよなら”を描く物語──。

Beer cans and a whisky glass are placed in an open space on the floor. Though a bit disorganized, ”Your” room is filled with art supplies and an electric guitar lining the perimeter of the room.
The alarm on a phone goes off, and “You” leisurely wake up to start your day.
The anemone flower that “I” liked. A precious flower that holds memories which tie “You” and “I” together. After opening your bedroom closet one day, “You” become engrossed in your memories of "Me." A story that represents “Me,” “You,” our “Childhood Friend,” and our goodbyes.

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

想像力が試される。

18分間の短い無声アニメで白紙のままに各々が感じたことが大事なアニメなのでネタバレはしません。

一見は、キャラ原案が水沢悦子(うさくん)で歌がラブリーサマーちゃんで、
アパートで一人暮らしのOLを主人公としたミュージックビデオ。

その実態はあの事件でかつての多くの仲間を失った山田尚子さんの心象風景を、
追悼の意味を込めてアニメのキャラを使って抽象的に表現したもの。

純粋に人を楽しませるアニメではなくて、アニメを通して自分を見てほしい作風。
これは近年の山田監督アニメに共通した特徴で、そこに浸って感情移入したひとたちが、
不特定多数の手を加えられて作られたアニメ云々よりも、
山田監督の人間性をアニメを通じて感じていたい集団として極まってしまったなと。
『山田監督はこんな事を考えてる、彼女の気持ちを考えろ。』と。

そこは、事件を意識させずにファンに楽しんでもらえるアニメづくりを、
一貫して心がけて作り続けている古巣である京都アニメーションとは対照的なような。

どちらが良いとは敢えて言いません。ですが、京都アニメーションで、
一番輝いてた頃の昔の山田尚子に戻れないのは自分は寂しいなと思いました。

敢えて一言言うならば、今の山田監督アニメにどっぷり浸かって感情移入したいかたには、
「平家物語」「きみの色」より先に観ることをおすすめします。

このアニメに何も感じられない人がもしいたら、自分の大切な人が亡くなってしまったら?
と想像すると少しは寄り添えることが可能かもしれませんね。


おわり。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 13

御宅忍者 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

過去、未来、生活、他人を想ふ。

☺️✌️
ようやく来たな、山田尚子監督の新作。彼女の作品を初めて観たのは小学校4年生の時だったかな。あれも確かギターを担いだ女子高生が主人公をやっててさ、もう衝撃的だったよ。ディズニーChを付けたらギターを担いだ女子高生がふわふわ時間をしているんだもんな。キュートな一面はオフコースなんだけど、当時初めてアニメのキャラクターに惹かれてしまってな。夢中で観てたよ。ホーンテッドマンションと録画が被って観られなかった時は大泣きしたさ、傑作だろ?

さて、そろそろ本作の話をしようか。本当に山田監督は登場人物の生活や暮らし、感情の機微を描くのがうますぎるんだよな。マヂで。それをピンセットでちょーーー丁寧に摘んじゃってる感じがもうとんでもねぇっつーかさ、もうほんととんでもねぇ。今作も感情の物語っていうか、過去と未来の生活を通して人を想う気持ちを描いてるっていうか、そんな気がしたな。他人の生活や暮らしの瞬間が垣間見える時に、「あの人が好きだったなぁ」みたいなやつあんじゃん?わかんねぇけどよ、、それがこれからの自分にとって、かけがえのない瞬間になることとかあんジャン?なんかそんな感じよ。うまく説明できねぇ。

あとやっぱり音楽だよな。『リズと青い鳥』のHomecomingsや『平家物語』の羊文学でも感じたけど、今回のラブリーサマーちゃんも超最高なんだよ。山田監督の作品はアンダーグラウンドっつーか、オルタナティブロックっていうんかね、とにかく音楽の相性がピカイチだよな。登場人物の気持ちに寄り添う楽曲をどのアーティストさんも提供してくれるわけだ。

彼女の作品はオブジェクトもかなり大切にされてて、リズと青い鳥でも感じたけど、登場人物をいつも側で見守ってくれてる感じがするんだよな。それこそ今作の『花の記憶』っつーか。どんな形であれ、これまでの生活を反映してる"モノ"としての儚さっつーか、美しさっつーか、あったけぇ気持ちになっちまう。

出会いと別れ、日々の生活や暮らし、そして変化していく街、やっぱりこうゆうのが1番ドラマがあるっつーか、好きになっちまうんだよな。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 1

56.1 27 2024年度アニメランキング27位
アイドルマスター シャイニーカラーズ 第3章(アニメ映画)

2024年1月5日
★★★☆☆ 2.8 (12)
26人が棚に入れました
私たちは手を伸ばし、空へと飛び立てることを知った――。生まれたばかりの4つのユニット。手を取り合う個性と個性。絆で結ばれた新人アイドルたちは、“光”を目指して一歩を踏み出す。出会いという奇跡がおりなす、色とりどりの輝き。どこまでも繋がる大空の下、新たな翼が羽ばたき始める。

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
コードギアス 奪還のロゼ 第2幕(アニメ映画)

2024年6月7日
★★★★☆ 3.8 (9)
61人が棚に入れました
新たな主人公、ロゼとアッシュ、2人の兄弟が繰り広げる『コードギアス』シリーズの最新作第2弾。
ホッカイドウ解放のため、以前から七煌星団を助力していた黒の騎士団。だが、ネオ・ブリタニアが所有する空中要塞ダモクレスとそこに搭載された大量破壊兵器フレイヤの存在、さらに七煌星団内にも混乱が生じる事態が起こる。
 サクラの身を案じながらも、サクヤはロゼとして、七煌星団が討つべき敵を見定めさせ、団員たちを鼓舞する。
 そんな折、黒の騎士団から補給物資と追加の人員が到着する。出迎えたロゼたちの前に現れたのは……。

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
Re:ゼロから始める異世界生活 劇場型悪意(アニメ映画)

2024年8月30日
★★★★☆ 4.0 (8)
51人が棚に入れました
2024年10月放送の同名アニメ第3期の初回90分スペシャルを劇場先行上映。
エルザたちの猛攻を退け、大兎との戦いでベアトリスとの契約を果たした「聖域」の解放から1年が過ぎた。王選に臨むエミリア陣営は一致団結し、ナツキ・スバルは充実した日々を送る。そんな王選候補者の一人であるアナスタシアから、ルグニカの五大都市に数えられる水門都市プリステラへの招待状がエミリアに届く。プリステラへ向かったスバルたちは様々な再会を果たすが、そこに未曾有の危機が迫り来る。

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ(アニメ映画)

2024年2月2日
★★★★☆ 3.6 (6)
50人が棚に入れました
「鬼滅の刃」のテレビアニメ第4期「柱稽古編」が2024年春より放送されるのに先駆け、2023年に放送された第3期「刀鍛冶の里編」の第十一話と「柱稽古編」の第一話を特別上映。
鬼になった妹の禰豆子を人間に戻すため、鬼殺隊へ入隊した少年、竈門炭治郎。「刀鍛冶の里編」の最終話にあたる第十一話では、炭治郎と上弦の肆、半天狗との激闘の決着と禰豆子の太陽克服が描かれた。特別上映の「柱稽古編」第一話は、宿敵である鬼舞辻無惨との決戦に向けて行われる鬼殺隊士たちの過酷な修行と柱稽古が幕を開ける。

ゆん♪ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

舞台挨拶、楽しかった!

本編は言わずもがな、柱稽古編の放送が楽しみです!

初日舞台あいさつ、
花江さん、鬼頭さん、下野さん、松岡さん、岡本さん
岡本さんが「ようやく(鬼滅の刃)イベントに参加できました。」
子供時代は女性の声優さんが演じられると思ってたら「やってね」って言われて相当かんばりました。みたいな事言ってらっちゃいましたが、可愛かったよね
下野さんが太陽を克服した禰豆子ちゃんと対面するシーン、テンション高くて面白かったんだけど、音響監督さんには「あまりにも声も大きいし気持ち悪いからもう少し抑えてください」って言われたとか
劇場版のED、リミックスバージョンです!
柱稽古編冒頭はアニメオリジナルですetcのお話のあと、これから世界でイベント行うセレモニー&国内じゃぱんつあーのミニ隊士登場!
このミニ隊士がめちゃめちゃ可愛くて、それぞれのキャラクターの性格わかってる~って動きしてくれて楽しかった!
伊之助、暴れん坊だし、玄弥ひとりぼっちで気づくと隅っこにちょこんっていて、岡本さんも「玄弥!いけよ!」とか声かけたりw
楽しかった!

二日目柱舞台あいさつ
櫻井さん、小西さん、川西さん、早見さん、花澤さん、鈴村さん、関さん、杉田さん
柱のメンバー紹介を日野さんがやってくれたし、小西さんをちゃんと柱メンバーとしてあいさつに登壇させてもらってめちゃ嬉しかった!!
”はやみ”繋がりなのか、早見さんに「御屋形様の鴉」の話を振られてて
「”吾輩はただの鴉だ”っていうセリフがあるんですけど、速水さんの声でただの鴉のわけないじゃないですか~、もう気になって」って話に私も納得だよって思った!
笑ったのは杉田さんがお母さんと電話で話してるときに
「ともかず、お前のキャラクターのクッションだけ売れ残ってるんだけど」って心配されたって話。
ラストは小西さん(祭りの神だから?)の音頭で豆まきーーー!
もう絶対円盤に収録してほしい、出来ればノーカットで!!
初日より登壇人数も多いからかちょっと長めの舞台挨拶、楽しかった

投稿 : 2025/01/18
♥ : 1

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
クラユカバ(アニメ映画)

2024年4月12日
★★★★☆ 4.0 (8)
46人が棚に入れました
第27回ファンタジア国際映画祭の長編アニメーション部門にて観客賞・金賞に輝いた長編アニメーション。
私立探偵の荘太郎は、世間を惑わしている集団失踪の捜査をスタートさせる。目撃者はなく、意図も不明なその事件の現場には必ず、“不気味な轍”が残されていた。手がかりを求める荘太郎は、街の地下領域“クラガリ”へと足を踏み入れる。そこで出会った黒鐵の装甲列車とその指揮官タンネが、荘太郎の運命を大きく揺れ動かしていく。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

和風レトロな地下世界で列車が砲弾をぶっ放す浪漫活劇映画

和風スチームパンクな“大帝都”にて発生した地下世界“クラガリ”への集団失踪事件。
依頼を受けた自堕落探偵・荘太郎が広大な地下鉄が張り巡らされ、地下ギャング“福面党”が蔓延(はびこ)る地下領域“クラガリ”へと踏み込むオリジナル長編アニメ映画。

【物語 3.5点】
地下鉄・装甲列車の砲が火を噴いて作品タイトルが打ち出される滑り出しが象徴するように、
本作のメインは大正浪漫なスチームパンクでドンパチやるアクション活劇。

私は探偵が主役と聞いてミステリーも期待していましたが、
昼間から飲んだくれる無精髭の主人公の迷探偵ぶりを目撃して、
早々にアクションエンタメ満喫路線に乗換えw
推理もしないことはないのですが探偵という主人公設定は、
自由に帝都や地下世界を巡る“カメラ”ポジションを狙ってとのこと。
上映時間もネタバレレビューを読む と短尺ですし。

ただ中身が無いかと言うとそんなこともなく。
主人公自身が抱える忘れかけた過去への憧憬が、
地下世界の禁断とリンクする脚本は独特かつ妙味。

このシナリオ軸については、本作と同日公開となったスピンオフ作品『クラメルカガリ』の、
地下世界から地上の未来へと生き急ぐ少年とベクトルが対になっており、
見比べることで今現在という地に足を付けて生きるメッセージ性のコクが出る構成となっていますので、
本作鑑賞後は間を置かずに『クラメルカガリ』もチェックすることを推奨致します。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・チームOneOne

クラウドファンディングで実現したという本企画。
スタッフには如何にもスチームパンク好きそうな経歴の持ち主が集結。
細かいことはさておき、私は煙(けぶ)る地下世界にて装甲車や多脚機巧がド突き合うアニメーション活劇が繰り広げられるだけで幸せなのです。

背景美術、人物作画共にCGがメインで、利点を活かしてフィルムスコアリングも実現し、音響一体となった活劇を演出。
小物設定も凝っており、口径大き目の銃なども、この種のファンタジー設定にマッチしています。


【キャラ 4.0点】
ヒロインで装甲列車“鬼の列車長”タンネ。
だらけた私立探偵の主人公・荘太郎と凸凹コンビで地下領域を巡る。
堅物な性格のタンネですが、弁は立ち、荘太郎らと講談調の軽妙な掛け合いも繰り広げ、
作品に独特なリズムをもたらす。

街と地下世界を“活動大写真”を駆使したサーカス団の類が暗躍するのも、
個人的にストライクな設定で、スチームパンクな世界観との掛け算で多幸感が倍化します。

地下世界で“伝書動物”として活用されるクダギツネなど、
“クラガリ”にはまだ描き残された未知の生態系が広がっています。
シナリオとしては一応区切りが付く本作ですが、
“クラガリ”の深淵については一端を垣間見せただけで、
次への欲も残した内容となっています。


【声優 3.5点】
講談調の大正浪漫なやり取り演出のため、
主人公・荘太郎役に人気講談師・六代目神田 伯山氏を招く意欲的なキャスティング。
相手役のヒロイン・タンネ役には黒沢 ともよさんを起用して盤石と行きたいところでしたが。

私は率直に、好素材を集めた割にもう一つ突き抜けなかった印象が残りました。
主人公が失踪事件に深入りする契機となったサキ役の芹澤 優さんは講談調対応もまずまずでしたし、
キーキャラクターを演じる活動弁士・坂本 頼光氏も持ち味を発揮していました。
が、例えば『アンファル』で落語調の掛け合いもこなしている、ともよさんならもっとやれるでしょうとの欲求も残ってしまったのですよね。

掛け合いも味わい深かったのですが極上とは思えず。
パンフレットで答え合わせしてみたら案の定、キャスト陣は分散収録。

ここはリスクを取ってでも同時収録で掛け合いの空気感、ディレクションももっと追求して欲しかったという要望も込めて声優3.5点で。


【音楽 4.5点】
劇伴担当はアカツキチョータ氏。
物語終盤にかけてサーカス団が仕掛ける幻惑の中で、
主人公が地下≒過去に吸い寄せられる展開を見せる本作ですが、
夢幻に誘うようなミステリアスなBGM、エコーも含めた音響による演出が素晴らしく、
禁断に足を踏み入れたくなる主人公心理を鑑賞者も追体験するかのような没入感を得られました。
ここが私が劇場鑑賞の価値を最も感じた部分です。

ED主題歌はチャラン・ポ・ランタン「内緒の唄」
アコーディオンもアレンジしたサーカス風の楽曲で、
地下世界への未練も引きずる余韻を残す。


【付記】
4月公開で『クラメルカガリ』と共に、もう流石に上映はほぼ終了している本作。
ゾーンは狭いですが刺さる人は狂喜できるニッチな需要があると思いますので、
ピンと来た方は、配信レンタルリリースなどが実現したら是非チェックしてみてはいかがでしょうか。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 11

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
名探偵コナン vs. 怪盗キッド(アニメ映画)

2024年1月5日
★★★★☆ 3.5 (7)
45人が棚に入れました
怪盗1412号…怪盗キッドコナン最大のライバル 探偵vs.怪盗 はじまりの物語―――世間を騒がせる怪盗ながら、暗号を織り交ぜた予告状とキザなセリフ、華麗な手口(ショー)で数々の名宝を盗み出し人気を博す“怪盗キッド”。そんな神出鬼没の大怪盗が誕生したのは……。
月下の奇術師・怪盗キッド誕生と、最大にして永遠のライバル・コナン/新一との初対決を新規映像とともに贈るTVシリーズ特別編集版!!

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ライバル対決

2024年公開予定の劇場版の為の総集編ですね。
去年の劇場版も結構良かったし、実は今年の劇場版には推しキャラである服部平次と怪盗キッドが出るので見たいと思っているので、総集編だと言う事を頭に置いて視聴したのですが……

普通に総集編でしたw
いゃ、私は新しくリメイクさせた総集編で画質とか綺麗になっているかと勘違いしてましたが、そんな事はないと思います。

総集編が、コナンとキッドの出会い、時計塔のエピソード、空中歩行のエピソードで、物語も古いので当時アニメで見ていた画質と変わらない気がしましたが子供の頃の記憶だけど……
で、遠目から見た目線などは少し画質は荒かったし殆ど当時のままかな?

新規書き下ろしは多分序盤のコナンとキッドの出会いからOPまでかな?
その辺は力を注いでいましたね。
ただ、蘭と園子が横断歩道で快斗と青子とすれ違うシーンは必須レベルだけど入ってなかったのは気になりましたね。

あの劇場版特有のOPの「俺の名前は高校生の工藤新一」から始まるOPが今回は黒羽快斗がしていたのが意外でしたねww

確かに今回はコナン目線と言いますかキッドが出来事を思い出すと言う形になっていましたね。
まぁ、怪盗キッド自体はマジック快斗側の主人公で確かアニメもしてましたよね?
なので、快斗でも全然違和感はなかったです。

原作は古いのか私が子供の頃の段階で中古ショップで105円で子供に買いやすく全巻読んだのですが面白かったです。
数年前に続編が出てましたが完結は多分してない?

お父さんを殺した組織を追ってビッグジュエリーを探してるけど、多分だけどその組織って黒の組織な気がしてて名探偵コナンの完結がマジック快斗の完結だと勝手に考えてます。
割と、黒の組織と絡む事もありましたし……

最後はキッドが劇場版の舞台へ向かうシーンで締めくくられていて、快斗の父と新一の父がライバル同士である事を踏まえての総集編でした。

正直、アニメや原作を見てたら見なくてもいいレベルの総集編かな?と思います。
ただ、この総集編が劇場版本編に関わる何かの為に視聴者側に思い出して欲しい何かが劇場版のエピソードにあるのかもしれません。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 5

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
クラメルカガリ(アニメ映画)

2024年4月12日
★★★★☆ 3.7 (6)
42人が棚に入れました
「クラユカバ」のスピンオフ小説として執筆されたシナリオを原案にした群像エンタテインメント。
零細採掘業者がひしめく炭鉱町「箱庭」で少女カガリは、日々迷宮のように変化する町を地図に書き留める地図屋を営んでいる。一方、幼なじみのユウヤは、箱庭からの脱却を夢見ていた。やがて2人は箱庭で頻発していた“不審な陥没事故”に巻き込まれていく。

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
パリピ孔明 Road to Summer Sonia(アニメ映画)

2024年3月1日
★★★☆☆ 2.8 (3)
34人が棚に入れました
TVアニメ1期総集編に新規ライブシーンのカットを加えた劇場版となる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

KABE太人やラップの必要性も再認識できるアゲアゲ↑↑な劇場版総集編

TVアニメ『パリピ孔明』全12話を再編集し、
新規ライブシーンカットを加えた劇場版総集編。

【物語 4.0点】
TVアニメ版と視聴者のキャッチボールについて。
『パリピ孔明』が不幸だったのは、作品自体は王道音楽アニメでありながら、
放送序盤、現代の渋谷に転生した諸葛孔明が音楽プロデューサーとして計略を仕掛けて、
ヒロインをスターダムに押し上げていくという奇抜な外面がひとり歩きしてしまった点。

音楽アニメが消費し尽くされた中で、マンネリ化を感じていた一部の層に、
孔明が新機軸を打ち出してくれるのではないか?
という現状打破の期待が想定外に膨らんでしまったこと。

少なからぬ視聴者が孔明による新たな魔球を要求する中、
中盤から終盤にかけて、ますますド直球の音楽アニメを投げつけられれば、
捕逸(パスボール)必至。

この辺りがTVアニメ版が音楽アニメとしては終始加速しながら、
中盤以降失速したとの感想が出て来る一因なのでしょう。


今回の劇場版総集編は『パリピ孔明』が王道音楽アニメであることを再認識させられる構成。

総集編で特にピックアップされたのが、泣いて馬謖(ばしょく)を斬るのエピソードに象徴される、
三国時代の諸葛孔明が天下泰平の大望を抱き、劉備の軍師になりながら、
采配を振えば振るう程、犠牲者が増えていった自己矛盾の葛藤。

だからこそ、孔明が転生した渋谷の第一印象は前世、策に溺れた自分は地獄に落ちたでしたし、
計略よりも英子の歌で今度こそ天下泰平を目指すという決意だった。

私もTVアニメ終盤、孔明が策より歌に託すことを選んだ展開に物足りなさも感じた口でしたが、
こうして孔明にとっての英子の歌とは何か?を整理された劇場版では納得度が上がりました。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・P.A.WORKS

新規ライブシーンカットで一番際立ったのが、
ラストのネタバレレビューを読む 4人歌唱による大団円。
キャラクターも良く動く楽しいライブシーンでしたが、
位置づけとしては総集編観に来てくれたファンへのオマケのご褒美程度。

新規カットでよく動かされると、TVアニメ版では許容できた既存ライブシーンでの止め絵などが、
劇場版クオリティを求めると物足りなく感じたのでこの評点。

ただファンとしては大スクリーンであの音楽映像をもう一度体感する価値は確実にありました。


【キャラ 4.0点】
TVアニメ版で中盤登場するラッパーのKABE太人。
終盤も煽りラップで喧嘩を売ったくらいで、
本当にこのラッパー必要だったの?との疑問の声が出るのも致し方なし。

けれど一本の映画の中で振り返ると、
KABE太人もまた自分を偽って来た中で、もう一度自分の道を歩み直した一人。
中盤ラップバトルで自分を曝け出した彼が、
ネタバレレビューを読む 先制パンチを放つ終盤の流れは極めて自然な構成に感じました。
KABE太人もまた自分を取り戻す青春群像劇には欠かせない存在であったことを再認識させられました。


全12話分を120分に押し込んだ煽りを受けて、
フェスで対峙した3人組男性ロックバンド・JET JACKETなど、
孔明の計略に翻弄されるライバルキャラのヤラレ芸などが、
ナレーションで流される憂き目に遭う。
あいつらも憎めない敵キャラだったのでチョッピリ寂しかったり。

孔明の罠にハメる痛快さより、王道青春音楽ドラマとしての振り返り。
キャラの取捨選択からも魔球より直球を投げたいスタッフの意志が滲んでいると感じました。


【声優 3.0点】
演者と歌い手を分離している本シリーズ。
新規カットも音楽シーン中心とあって、特に目立ったキャスト陣の収録追加はなしと判断して評点は基準点。

TVアニメ版レビューにて、孔明の工作担当“英子のファン1号”にCV.花江 夏樹さんはちょっと贅沢過ぎる使い方かも?との趣旨の感想も述べましたが、
密偵としての暗躍ぶりを一本で振り返ると、このキャスティングも釣り合うかなと認識が改まりました。


【音楽 4.5点】
再編集でカットされるシーンもある中、
中盤、物議も醸した諸葛孔明とKABE太人のラップによるMCバトルは16小節3ターン+延長戦完全ノーカット上映した上で、把握しやすいように新たに字幕歌詞も表示。
これについても、孔明の葛藤と、青春音楽群像劇を強調された劇場版の構成で再見すると、
互いの本心を魂のラップに籠めてぶつけ合ったこのバトルの歌詞は、
一つもカットできない重要なセリフであったと納得できます。
(字幕なしのTVアニメ版では私が聴き取れていなかっただけという説もありw)

そして、ラップバトルの歌詞の一つひとつが終盤「DREAMER」の歌詞ともリンクすることで、
自分を取り戻す物語として作品を俯瞰できる。
ここも一本の映画で振り返る利点を享受できたと感じた部分。


ED主題歌は英子(歌唱・96 猫)と七海(歌唱・Lezel)がバラードナンバー「Resonance」でデュエット。
この構成が象徴する通り、二人の友情物語を復習する需要にも、この劇場版総集編は応えてくれます。


【余談】
孔明の罠・特別料金の計により?各種割引サービス&クーポンが無効化される本劇場版。
私も久々に定価で映画を観ましたが2000円ってべらぼうに高いですねw
鑑賞料金もアゲアゲ↑↑なら所得もアゲアゲ↑↑でお願い致しますw

投稿 : 2025/01/18
♥ : 15

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
死が美しいなんて誰が言った(アニメ映画)

2023年12月22日
★★★★☆ 3.9 (1)
26人が棚に入れました
ゾンビウイルスが日本全国に広まり、政府は治療可能な感染者だけを病院に送り込むことに。ウイルスに侵されている研修医のリカは16歳で天才詩人のレイと妹のユウナの看病をしていたところ、ユウナの症状が悪化。ユウナはゾンビ化して暴れ出し、リカとレイは恐怖と混乱に包まれた病院から逃れた。リカは海外へ逃げることを密航斡旋業者のタキシバと共に提案するものの、レイは故郷の家に帰ると主張。レイの家に向かったものの、そこで変わり果てた姿の妹から悲しい告白を受け……。

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
劇場版BanG Dream! It’s MyGO!!!!!前編「春の陽だまり、迷い猫」(アニメ映画)

2024年9月27日
★★★★★ 4.1 (6)
25人が棚に入れました
2022年4月より活動を開始した、"現実(リアル)"と"仮想(キャラクター)"が同期するバンド「MyGO!!!!!」。彼女たちの結成秘話を描いたTVアニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」を、劇場版総集編として2部作に再編集した前編。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

“野良猫”はなんで春日影やったのか?

【物語 4.0点】
構成は新規エピソード+TVアニメ版前半(~8話まで)の総集編(118分)

冒頭、連続アニメ1話分相当の尺を費やして、
TVアニメ版では掘り下げられなかったギター・楽奈(らーな)の過去の小中学生時代を描くことで、
楽奈視点の解像度をアップさせ、自由奔放な楽奈の言動解析の手掛かりを与えた上で、
改めてTVアニメ版の内容を別角度も交えて振り返っていく。

よりMyGO!!!!!(まいご)サイドを重視する再編集が成される一方で、
祥子(さきこ)らネタバレレビューを読む の視点は本総集編では多くがカット。

本作から新規で観ると、
皆がこだわっている祥子って何者?
CRYCHIC脱退?解散?何の話?
となりかねないファン向け作品なので、
鑑賞の際は、TVアニメ版で予習してから行くことを推奨します。


新規エピソードにより、楽奈にとって“一生”とは、“おもしれー女”とは、どういう意味を持つのか。
あの年季の入った楽奈のギターの経緯は。
ライブハウス「RiNG」の“野良猫”と言われる由縁ともなっている、
唐突にギター演奏で色んなバンドに絡んで来ては、颯爽と去っていく。
こうした奇行は何を意図したものなのか。

そして、なんで春日影やったのか。

興味深いヒント、解答が数多く得られて、本編シナリオがいっそう濃厚な人間ドラマとして深まりました。

私が衝撃的だったのが、楽奈の音楽観。
ネタバレレビューを読む という一言。
歌で心の叫びを伝えられると信じるボーカル高松燈(ともり)とは対照的。

これを踏まえて観る総集編後編も楽しみです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作はサンジゲンによる3DCG。

一方で、エモーショナルなカットでは手描き作画も入れて繊細に心情を描く構成は、
新規映像でも同様。
楽奈のオッドアイも描き込んで来ます。

小学生時代の楽奈のキャラデザ。
より幼女になるのかなと思っていたらあんまし雰囲気変わらない“猫”のままでした。
ランドセル黒というのは楽奈らしいとは思いました。
幼少期の楽奈が祖母のギターに初期衝動を受けた時も黒猫のぬいぐるみ引きずってましたし。

楽奈の過去から、TV版総集編まで走り抜けると、
多分に抹茶スイーツテロ映像にw
この“野良猫”ずっと抹茶パフェとかケータリングのお菓子摘んでいた印象ですw


【キャラ 4.0点】
今回、楽奈視点から本編を再構成する上でキーパーソンとなるのが、
ポピパの『バンドリ』TVアニメシリーズで登場したライブハウス「SPACE」オーナー・都築詩船(つづきしふね)でしょう。

本作は『バンドリ』アニメ1期だけでは分からなかった、
都築オーナーの「SPACE」と“居場所”に関する想いと真意を深堀りする作品でもあります。

ネタバレレビューを読む

都築オーナーの真意には私も納得させられましたし、考えさせられました。


楽奈の母・要唄(うたい)、父・毅(つよし)も新登場。

『~MyGO!!!!!』は結末を決めて逆算してプロットを組む帰納法ではなく、
登場人物の心情に合わせた化学反応で紡いでいく演繹法で構築された物語であることは、TVアニメ版レビューでも触れた通りですが。

楽奈の父は英国暮らし、母もデザイナーとしてロンドンに夢を追うという両親キャラ設定もまた、
今回、総集編で新規エピソード作ることが決まってから考えた後付け設定というのが驚愕。

シナリオばかりか、サブキャラもメインキャラの心情等から広げていく演繹法で、何が飛び出すか誰にも分からない。
返す返す、来冬シナリオ破綻リスクも孕んで紡がれるであろう『~Ave Mujica』に戦々恐々ですw


【声優 3.5点】
本編総集編部分には新録はないと思われるので、そこは基準点の3.0点。

加点したいのは、新規映像の都築詩船役の小山 茉美(まみ)さん。
かつて『Dr.スランプ』アラレ役でキーーーン!などと疾走していた中の人は、
今や「ご相伴(しょうばん)にあずかります」とのセリフも板についた大ベテランとなりました。
そんな人生の大先輩が、“野良猫”楽奈には手を焼いて、また教訓も得る。
困惑した老婆のセリフ回しも味わい深かったです。

今やと言えば、楽奈の母・唄役の小清水 亜美さん。
こちらもキャリアが中堅からベテランに差し掛かる中、
母親ポジションでもしぶとく生き残る地歩を着実に築いています。

楽奈役の青木 陽菜(ひな)さんにも新録がありましたが、
小学校時代からセリフが短く少ないため判定が難しくw
ただ、ネタバレレビューを読む は貴重でした。
「なんで春日影やったの!?」の良い伏線になっていたと思います。


【音楽 4.0点】
ED主題歌はMyGO!!!!!の新曲「過惰幻」
アコースティックなバラードという点はTVアニメ版ED「栞」と同様。
ですが歌詞世界は悔恨に満ちた本編を反映しており割と鬱。
「栞」みたいに今日も“ギスドリ”だったけど、EDで一服できると油断していると、
ボーカル・燈がポエトミーでチクチクと刺して来たりするので安心できませんw

因みに読み方はネタバレレビューを読む だそうで。読めるかーーいw


【付記】
最近、中国でたいそうな人気だと言う『~MyGO!!!!!』
「なんで春日影やったの!?」は“ギスドリ”を象徴する印象的なセリフですが。
中国では、それ以上に、中国人のツボにハマってバズったらしく。
私には、中国人のツボって、アメリカンジョークのツボに匹敵するくらいよく分かりませんが。
何にせよ、ここがチャンスとばかりに、リアルバンドのMyGO!!!!!は先日、上海追加公演やってましたね。

本総集編前編もネタバレレビューを読む 中国市場にも訴求する再編集となっていると思われるので、
近年たまに見かける興行収入が中国市場>国内市場となる現象も起こるかもしれません。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 11

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
インサイド・ヘッド2(アニメ映画)

2024年8月1日
★★★★★ 4.1 (8)
23人が棚に入れました
ディズニー&ピクサー作品『インサイド・ヘッド』の続編。
転校した学校にも慣れライリーの頭のなかの、ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリの感情たちは、ライリーが幸せに暮らせるように奮闘する日々を送る。ある日、高校入学を控えたライリーの頭のなかで突然大きな謎の警報が鳴り響く。戸惑うヨロコビたちの前に、最悪の将来を想像してしまう「シンパイ」、いつも誰かを羨んでいる「イイナー」、退屈で無気力な「ダリィ」、モジモジ恥ずかしがっている「ハズカシ」の感情たちが現れる

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ついに、私の愛したピクサーが帰ってきたぁ!!!。今年のマイ・ベスト確定かも。

 帰ってきた。ついにあのピクサーが帰ってきたぁ!。エンタメとテーマ性を両立させる傑作連発のピクサーが帰ってきた。


 正直近年の不調続きや、本作だと監督交代もあってそれこそ『シンパイ』もあった。それらを覆す、前作に勝るとも劣らぬ傑作でした!。


 ハッキリ言って前作も今作も完璧ではない。楽しいけど、ちょっとあっちにこっちに寄り道し過ぎとか。全部の感情に意味があったって納得させる展開とは言いづらいとか。


 しかし、それをら遥かに上回る魅力があるから私の大好きな作品なのだ。まず、キャラや世界観の見せ方が楽しくて実に嬉しい。説明なシーンでも全然退屈じゃない。今回は掴みからもう愛おしくてたまらなくてしょぱなからやられました。アニメでここまでアイスホッケーを上手く描いた作品も初めてかも。


 さらに、今作キャラが増え、描写力も増して彼等が絡んでるだけで可愛い+尊い!。特にやはりヨロコビとカナシミの2人(地味にダリィーも良い仕事してる)。今回は前作よりみんながより活きるようになっている。


 そして、本シリーズの特に秀でたポイント。ピクサーの傑作全体に言えることだが、見事なテーマ性が物語として結実する瞬間の圧倒的な力である。


 前作と本作はある意味ちかいテーマともいえる。前作では不要だと思ってたカナシミも意味があった。つまりヨロコビとカナシミは対になる存在だったというところに落着させるドラマが見事にエモーショナルと噛み合っていた(ビンボンの件も勿論)。


 そこで今回だが、シンパイもまたヨロコビが今までやってきたことと密接に絡みあっていた、と伏線回収させるのは実に上手い。ただ、前作に比べると一押し足らない感じではあった。そこを更により大人な領域に到達し、最後は大傑作『ソウルフルワールド』と同じ結論へと導くなんて!


 あんま書くとネタバレになるので全容は書きませんが、良い意味で本当の意味で大人な作品としか言いようがない。


 人間のキャラデザが微妙に所謂美少女ばっかからズラしてるのも、性的とは言わないでもロリキャラとして萌えの対象にしないで、自分の、或いは実際の子供たちのように描こうとする誠実さがある(すぐにポリコレが〜とか騒ぐ輩には一生わからん境地や)。


 とにかく帰って前作だけじゃなくピクサー映画をまた見たくてたまらない!。そして、本作もそういった過去の名作群に仲間入り決定。これは今年のマイベスト確実かも。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 6

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
映画ドラえもん のび太の地球交響楽(アニメ映画)

2024年3月1日
★★★★☆ 4.0 (5)
23人が棚に入れました
藤子・F・不二雄の生誕90周年記念作品で、「ドラえもん」長編映画シリーズ第43作。苦手なリコーダーの練習をしているのび太。その前に不思議な少女ミッカが現れる。のび太が吹く音を気に入ったミッカは、音楽がエネルギーになる惑星で作られた“音楽の殿堂”にドラえもんとのび太たちを招き入れる。ミッカは殿堂を救うため、一緒に演奏する音楽の達人を探す。ドラえもんたちはひみつ道具「音楽家ライセンス」を使い、殿堂復活のため演奏するが、世界から音楽を消してしまう不気味な生命体が迫る。

lumy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

すごい凝ってる。

こどもと観に行きました。

ドラえもんはかなり久しぶりしたが、
最近のドラえもん映画は泣き要素が強めなイメージがあって、
ちょっと身構えてました。

観終わってみると、そんなに泣き要素押しではなく、
旧ドラえもん映画の雰囲気を感じる壮大な話でした。
SF要素が強めで、前半に伏線を張って、後半で回収する感じです。
(旧ドラえもん映画のブラック要素までは復活していませんw)

話の展開はけっこう良かったと思います。
コンセプトにワクワク感があったし、のび太の成長も見られるし、
ラストにかけてちゃんと盛り上がります。

音楽が題材の作品なので、映画館との音響との相性はばっちりですね。
低音がしっかり響くのは大事です。

一番びっくりしたのは、作画のクオリティです。
最初から最後までハイクオリティで、深夜アニメの高クオリティ作品に
負けないぐらい気合が入ってました。
こんなきれいな作画の映画を観て育つ日本のこどもたちは、
そりゃ目が肥えるわけですねw

ということで、大人の私は、思った以上に楽しめました。
一方、低学年の私のこどもには、少し話が難しかったみたいです。
お互いのバランスをとるというのは、なかなか難しいものですね。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 8

CfrzK48306 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

映画館で見てこそ輝く作品・・・とはいえヒロインは圧倒的に魅力的

映画館とブルーレイの両方で視聴しました。
他のレビュアーの方も書いてますが、まさに音楽映画です。
なんでも音楽収録は本格的そのものでサントリーホールで「コバケンとその仲間たちオーケストラ」が演奏したものを使っているそうです。
ちなみに演奏に番組で公募された楽器を嗜んだ子供たちも参加してる点も良いですね。

ただ逆に言えば、映画館の高度な音響施設と巨大スクリーンだからこそ輝く作品でブルーレイ・DVDで視聴するとかなり面白さや感動が半減してしまう作品です。
ブルーレイ・DVDで視聴する場合、出来れば大画面テレビやホームシアターで見て欲しい作品ですね。

他に良い部分としてゲストヒロインの「ミッカ」は非常に魅力的なヒロインです。
ドラ映画は毎回、魅力的ゲストヒロインを持ってくるようになりましたが、わたし的には涙あり笑いあり健気さあり美声あり踊りありでドラ映画でもトップクラスの魅力的ヒロインです。
ただ声優が子役の平野莉亜菜さんという方で「演技は棒読み」という手厳しい意見も巷ではあるようですが、まあ幼女キャラだから下手に慣れたうまい声優を起用するより、むしろ子役のやや拙い演技も味があって良いですね。
ばらかもんのなるちゃんとかジブリ作品の千尋とか拙い演技が良い方向に作用する事もあります。
なんでも、アフレコの時に平野さんの横にドラえもん役の水田わさびさんとのび太役の大原めぐみさんが付きっきりで居てアドバイスしたそうです。

それと、この作品はなんだか、ラストの方で一抹の寂しさや喪失感も感じます。夏休みを舞台としたドラ映画ではいつも感じる事かもしれませんが。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 3

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版(アニメ映画)

2024年10月4日
★★★★★ 4.1 (6)
22人が棚に入れました
2023年、水木しげる生誕100周年記念作品として、初めて語られる鬼太郎の父たちの物語を描いた映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』が327カットのリテイク、合わせて音も再ダビングして再上映。

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK(アニメ映画)

2024年11月8日
★★★★★ 4.5 (4)
22人が棚に入れました
2023年にテレビ放送された「進撃の巨人 The Final Season 完結編」をブラッシュアップした劇場版。
無数の巨人を率いて、この世界の生きとし生けるものすべてを踏み潰す「地鳴らし」。
ミカサやアルミンをはじめとした残された者たちは世界を滅ぼそうとするエレンを止めるべく、最後の戦いに挑む。

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
劇場版BanG Dream! It’s MyGO!!!!!後編「うたう、僕らになれるうた&FILM LIVE」(アニメ映画)

2024年11月8日
★★★★★ 4.4 (6)
21人が棚に入れました
人気アニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』の劇場版長編アニメ第二弾。キャラクターとライブがリンクする次世代ガールズバンドプロジェクトBanG Dream!5組目のバンド『MyGO!!!!!』の結成秘話を描いた2023年放映のTVアニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』を再編集した総集編の後編。
名前のないバンドの初ライブは大成功を収めたと思いきや、メンバーのひとり、そよがライブ後から音信不通になっていた。メンバーそれぞれが異なった思惑を抱え……。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

人間になりたい燈の足跡がより強調された総集編

【物語 4.0点】
TVアニメ8話~12話の内容などを再編集した総集編が100分程度。
本編後、残りの20分程度でミニフィルムライブという構成。

前編鑑賞時、私は、前のバンド・CRYCHIC解散の経緯などが語られなかったのは、初見振るい落とし?と捉えましたが、
TVアニメ3話にて、燈(ともり)一人称視点で展開された、CRYCHICの始まりと終わりのエピソードは、
今回の後編序盤に回されました。

幼少期より、世間とのズレから“人間になれない”との苦悩を抱えた燈。
かつてバンドを壊したのは、自分が人間になれなかったからでは?との罪悪感。
葛藤の心理描写が、TVアニメ序盤から、終盤の現行バンドの大破と再生のストーリーの至近距離に再配置されることで、
ドン底の絶望感及び、そこから這い上がるカタルシスが倍化される構成となっています。

ネタバレレビューを読む からスタートする本総集編。
燈が人間になっていく過程をより鮮明に捉えられる構成で、再び浴びる10話のあのライブ。
分かっていても涙腺に来るものがありました。


【作画 4.5点】
アニメーションはサンジゲンによるCGがメイン。

今回、劇場の大きなスクリーンで再見して感じたのは、
観衆の描写のこだわり。

むき出しの燈の言葉が、観客の脳天に突き刺さって、グラリと心が動かされる。
それが、微かに揺らぐ観客の身体の動き何かに細かく表現されていて。
燈の詩が、回を重ねる度にライブ会場に波紋となって広がる様が、
感極まる観客などの追加カットも交えて、こちらにも押し寄せて来る映像構成に、
私も目頭が熱くなりました。


【キャラ 4.0点】
前編レビューにて「“野良猫”はなんで春日影やったのか?」とタイトル掲げながら、
投げっぱなしのレビュタイ詐欺状態wになっているのが心残りなので、
ここではMyGO!!!!!のギター・要楽奈について掘り下げてみたいと思います。

ネタバレレビューを読む

前後編通じて楽奈の生態研究も捗った有意義な総集編でした。
後編でも相変わらず食ってばかりでしたがw
飲食物をリード代わりにして“餌付け”して繋いでおかないと、何処にでも行ってしまう。
まったく世話の焼ける“野良猫”ですw


【声優 3.0点】
後編にも新規カットはあり、
フィルムライブでも高松燈師によるネタバレレビューを読む に関する有り難い講話もあったりしますが、
前編ほどの新規収録量はないので、基準点に据え置き。


先日、雑誌『声優グランプリ』での高松 燈役の羊宮 妃那さんのインタビューにて、
燈のボーカルを作り上げるために、よりボイスに地声を入れるなど、
一度、自らの声を“捨てて”再構築したというお話を見かけて衝撃を受けました。

正直、燈の声と歌については、個人的にパンチ力は今ひとつとの印象でした。
が、キャストは柔らかい声質でも、バンドサウンドに埋もれないように、
相当、試行錯誤して、あの声を作り上げて来たと知り。

今後は、そういう裏の努力も踏まえた上で、彼女の声と歌を受け止めようと思いました。


【音楽 4.5点】
ミッドランドスクエアシネマのサウンドシステム“鼓動”採用スクリーンにて鑑賞。

ネタバレレビューを読む そよさんの紅茶カップの音まで良く拾うw繊細さはドラマパートでも重宝しますが。
同サウンドシステムの真骨頂は3チャンネルに強烈な重低音を送り込むことによる、音楽シーンの臨場感の最大化。

朗読劇も含めて、ライブシーンが多い部分の総集編+フィルムライブ。
せっかくなので音響にこだわった映画館での鑑賞をオススメします。


ED主題歌はMyGO!!!!の新曲「歩拾道」
漸次前進していくミドルテンポの良曲。
スローなアコースティックナンバーか、ハイスピードなパンクロックかで二極化される傾向にある同バンドの楽曲群の中で、
中間を取って、淀みのないセットリストの流れを作る曲として、
ライブでも案外、重宝する一曲になるかもしれません。

因みに曲名はネタバレレビューを読む と呼ぶそうで。
読めるわけがないw


エンドロール後のフィルムライブ。
尺はおまけ程度の“ミニ開催”。曲もネタバレレビューを読む だけですし。
が、個人的に満足度は、とても高かったです。
特に初手でネタバレレビューを読む のイントロが流れた時は、本編含めて一番興奮しました。

ファンが、フィルムライブ目当てで劇場に足を運ぶ価値は十分あると思います。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 6

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!(アニメ映画)

2024年9月13日
★★★★☆ 3.4 (3)
20人が棚に入れました
「プリキュア」シリーズの21作目「わんだふるぷりきゅあ!」の劇場版。
こむぎたちは、大人気ゲーム 「ドキドキ・タヌキングダム」で遊ぶため集まるが、突然怪しいタヌキがいるゲームの世界に吸い込まれて、みんなと離ればなれになってしまう。いろはに会うため、こむぎはいろいろなゲーム対決に挑戦。だが、ゲームの世界には隠された秘密があり、その手掛かりはゲームを作った少女ナツキが握っていた。

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
劇場用再編集版『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』(アニメ映画)

2024年5月10日
★★★★★ 4.2 (2)
20人が棚に入れました
2023年から配信された全4話で構成される同名アニメに新たなシーンを追加した劇場再編集版

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
ヤマトよ永遠に REBEL3199 第一章 黒の侵略(アニメ映画)

2024年7月19日
★★★★☆ 3.9 (5)
18人が棚に入れました
西暦2207年。ガミラス本星とイスカンダル星が消滅した事件から二年後。突如、太陽系に謎の巨大物体“グランドリバース”が出現する。地球防衛軍の善戦虚しく、幾重もの防衛網を易々と突破したグランドリバースは、悠然と地球の新首都へと降下。音も無く出現する降下兵の群れや上陸する多脚戦車により、瞬く間に首都は制圧されてゆく。もはや地球には抗う術はないのか……。そのとき、旧ヤマト艦隊クルーに“ヤマトへ集結せよ”と極秘指令が下る。人類の命運を賭け、未踏の時空へと宇宙戦艦ヤマトの航海が始まる。

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
怪盗グルーのミニオン超変身(アニメ映画)

2024年7月19日
★★★★☆ 4.0 (2)
18人が棚に入れました
怪盗グルーやミニオンたちの活躍を描く「怪盗グルー」シリーズ第4弾。
ミニオンたちを引き連れ、高校の同窓会に参加したグルーは、そこでかつてのライバルだったマキシムと久々の再会を果たす。しかし、グルーに恨みを抱くマキシムによって、グルーとその妻ルーシー、三姉妹、そしてグルーJr.を加えたグルーファミリーは命をねらわれてしまう。一家は新たな町に引っ越し、正体を隠しながら生活するが、そこへグルーの正体を知る少女ポピーが現れる。

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
映画 ギヴン 海へ(アニメ映画)

2024年9月20日
★★★★☆ 3.4 (2)
18人が棚に入れました
バンド「ギヴン」は、フェス出場をかけたコンテストに落ちたもののメジャーデビューへの誘いがかかり、メンバーは前向きな姿勢を見せるが、真冬は答えを出せずにいた。バンド「syh〈シー〉」の一時的にサポートギターを務める立夏は、柊からある曲を託されていた。ある日、真冬から“会いたい”と連絡を受け駆けつけた立夏は、真冬の音楽を拒んでいると気付く。様々な感情に戸惑う真冬に、世界的に活躍するヴァイオリニストの村田雨月が声をかける。

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd season 第1章(アニメ映画)

2024年7月5日
★★★☆☆ 2.9 (8)
16人が棚に入れました
ゲームを原作とした、新人アイドルグループがそれぞれの夢を目指すアニメーション。2024年秋から放送の第2シーズンに先駆け劇場で先行上映

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記(アニメ映画)

2024年8月9日
★★★☆☆ 3.0 (7)
16人が棚に入れました
人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の映画シリーズ第31作。
しんのすけの夏休みが始まったある日、現代に恐竜を甦らせたテーマパーク“ディノズアイランド”が東京にオープンすることが決まる。特別に招待されたしんのすけらカスカベ防衛隊は、恐竜たちとの出会いに興奮する。同じ頃、カスカベの河原ではシロが小さな恐竜ナナと出会い、しんのすけたちと夏休みを共に過ごすが、ナナには大きな秘密があった。そんななか、ディノズアイランドから恐竜たちが大脱走する事件が起こる。

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
劇場版「風都探偵 仮面ライダースカルの肖像」(アニメ映画)

2024年11月8日
★★★★★ 4.2 (5)
16人が棚に入れました
風の街・風都でガイアメモリの力を使う怪人ドーパントが暗躍しはじめた頃。若き翔太郎は探偵・鳴海荘吉の助手となり、彼の背中を追って奔走する日々を送っていた。探偵稼業の傍ら仮面ライダースカルとして秘密裏に活動する荘吉に、何も知らない翔太郎は焦燥感を募らせる。ある日、鳴海探偵事務所に舞い込んだ新たな依頼により、翔太郎たちは運命の夜へと導かれていく。

計測不能 28 2024年度アニメランキング28位
ロボット・ドリームズ(アニメ映画)

2024年11月8日
★★★★☆ 4.0 (9)
15人が棚に入れました
第96回アカデミー賞長編アニメーション映画賞にノミネートされた、サラ・バロンのグラフィックノベルが原作の長編アニメーション。1980年代のニューヨークを舞台に、一人ぼっちで暮らす犬とロボットの友情をセリフやナレーションなしで描く。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

寂寥(せきりょう)感を抱き続ける人生を語った深イイ作品

独り身の寂しさに苛まれるドッグが、
購入した友達ロボットと、“二人”で過ごす日々の悲喜交交などを描いた、
サラ・バロン氏作の同名グラフィック・ノベル(マンガ形式のビジュアルブック。劇場鑑賞後にKindleセールで購読)
のスペイン・フランス合作による長編アニメ映画化作品(102分)


【物語 4.0点】
原作は約200ページ。これを原作同様セリフ、ナレーションなしのアニメーション作品にしても30分程度。
長尺化に当たって、相当なアニオリシーン、設定が追加される。

追加要素を通じて、テーマとして掘り下げられたのが、
人が抱く寂しさへの向き合い方について。

よく青春アニメ何かで、仲間に囲まれている“カースト上位”の“リア充”
“陰キャ”の“ぼっち”が羨望し、奮起して出会いを勝ち取り“リア充”にランクアップ。
このかけがえのない絆は永遠さ。
というテンプレがあって、私も、この種の作風で好きなアニメも多々ありますが。
それは未来が永遠と思える元気な若人だから成立する筋書き。

本作は大人になった擬人化アニマル・ニューヨーカーのドッグのお話。
ドッグを始めとした“ぼっち”は、家族や仲間とつるんでいる“リア充”を見かけては、
自分は何て孤独で寂しい奴なんだと、こじらせがちですが。

現実には永遠の友情だの、愛だの、まずないでしょう。
パートナーと過ごして幸せそうなあの人だって、出会って始まった瞬間から、いつか別れて終わる日を迎える宿命を抱えて生きています。
誰かといたって、いつか関係が霧散するのではとの焦燥で心が休まることはない。
結局、人はどうあがいても孤独なのです。
そして、離別で味わう寂しさと言うのは、“ぼっち”が独り身の孤独に耐えている時の寂寥感とは比較にならない痛みを伴います。

それでも、人が新たな出会いを求めて、誰かと共に何かをして過ごす日々を求め続けることには意味がある。
全編通じて、キチンと苦みも織り込んだ人生訓として価値ある逸品だと思いました。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・BTeam Pictures(西)&Wild Bunch(仏)

シンプル。だが力強い。

作画、背景美術共に、あまりゴチャゴチャと描き込まず、塗りも簡素な2Dアニメ。
が、それだけに、訴えたい心情が明快に伝わって来る作風。

スペインの実写映画監督パブロ・ベルヘル氏は本作がアニメ映画監督初挑戦だったそうですが、
アニメーションへの情熱は本物。

監督の“十戒”なる決意表明がパンフレットに記載されていますが、
2つ目の「この作品では、アニメーションが持つ無限の物語表現の可能性を探求したい。
アニメーションはすべてが可能であり、形式的な制限が存在しない媒体である」
との文言が激烈。

セリフなしの物語を作画で表現せねばならない上、
ネタバレレビューを読む ロボットが見る、現実離れしている夢の映像の実現など、
高ハードルな映像表現が必須な本作でしたが、
映画愛、アニメ愛に燃える監督にとっては望む所だったのかもしれません。


原作がアメリカであり、キャラデザの見てくれから、
オーバーアクション、ギャグ重視なアメコミ風との事前の印象を抱いていましたが、
実際には、むしろ繊細な瞳の動きで心情を訴える、ジャパニメーション寄り。
因みに監督の奥さんは日本人で、本作でもミュージックエディターを務める原見 夕子氏。


監督も実写映画畑を歩んで来たとあってか、アングルへのこだわりも半端なかったです。
“被写体”を多彩な“カメラワーク”で捉えるだけならまだ良作レベル。
本作ではドッグとロボットの周りで活動する動物たちの視点に“カメラ”の焦点を移しつつ、
アングルを切り替える手法が多用され、作品に、賑やかさとリズムを生み出していて。
こういうカットを見る度、私は上手いな~と唸らされました。



【キャラ 4.0点】
原作では舞台はアメリカのどっかの街。
映画化に際して、1980年代の大都会NYに設定を具体化。

主人公・ドッグ。
冒頭アニオリとなった、ドッグが孤独を噛みしめるカットが秀逸で、一気に引き込まれます。
80年代。ひとりの夜など、数チャンネルしかないテレビに面白い番組なければ一瞬で詰むし、
ネタバレレビューを読む
そこへ、寂しいあなた、友達ロボット要りませんか?とCM入れば、そりゃ飛び付きます。

と、同時に、私は、あの80年代世界に、もしインターネットがあったらとの恐怖?も抱きました。
今の世界ってネットの仮想空間が広大過ぎて、独りで、いくらでも時間溶かせてしまうのですよね。
ドッグはロボ購入の他にも、ネタバレレビューを読む
“ぼっち”の中でもかなり行動派。
ですが、こうしたドッグのリアルで出会いを求める勇気も、
ネットSNS上で欠けた心を補完されてしまったら、かき消されて物語が始まらない。
登場しなかったネットの存在の大きさを逆に痛感させられた劇場鑑賞でもありました。


パートナーの友達ロボット。
技術的な原理へのツッコミなど意に介さず、人間の心を深く理解できるロボ設定。
だが立場は所詮、人権もないロボ玩具扱い。
例えネタバレレビューを読む されようと文句は言えない立場。
序盤、ネタバレレビューを読む を見て、
察してしまうロボットの表情が切なかったです。

が、それでも本質的にこのロボットの性根が善性なのが救いでした。
ネタバレレビューを読む にはホッコリさせられました。


アニオリNY設定により、原作からキャラデザもスタイリッシュなニューヨーカーにバーッジョンアップ。
特に凧揚げのダッグは、ただのアヒルさんから、イカしたバイク乗りのダッグへと華麗にイメチェンw


【声優 4.0点】
セリフ無しで字幕版、吹替版の区別すらない。
こんなアニメに声優・基準点3.0ではなく4.0点付けるのは正気の沙汰では無いことは分かっていますが。

アニメ映画制作エピソードで、アフレコ素人の俳優・タレントが、
声だけで演技する難しさ、特に息遣いだけで感情を表す困難性を吐露しているのを、よく見かけます。

その観点から、本作のドッグたちの、
この息遣いなら、もはや言葉は要らないと思わせる演技。
私は率直に巧いと感心してしまったんですよね。


【音楽 4.5点】
劇伴担当はアルフォンソ・デ・ヴィラロンガ氏(西)

クールジャズを多用して80年代NYの喧騒を好演出。
地下鉄で、即興でドラマーがパフォーマンスを披露する様も、
如何にもといった感じで良き。

作品通じてメインフレーズとなったのが、
アース・ウィンド&ファイアーによる往年のR&Bのヒット曲「セプテンバー」(1978)
(私にとっては巨人・阿部 慎之助監督の現役時代の入場曲という印象も強いですがw)
ドッグとロボットの楽しい思い出を繋ぐ。
音楽の記憶は、時に言葉以上に心情を表す好例を示す。


オマージュ、ノスタルジーには懐疑的な見方をしがちな私。
ですがアニメ映画版『スーパーマリオ』や本作などを観ていると、
洋画が世界を再び一つにできる鍵は80年代にあるのでは?
と懐古をこじらせてしまいます。

投稿 : 2025/01/18
♥ : 12

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

悲しい時〜!、絶賛されてる作品に普通にノレない時〜。

 絶賛されている作品なので見に行ったのですがノレねぇ…で終始しちゃいました。まず、主人公のドッグこと犬にノレねぇ…。正直こいつが中身空っぽな、とにかく誰でもいいから友達なり恋人なり欲しい病のキャラにしか見えなくてまず振り落とされてしまった。


 ロボットと別れてしまって〜の件は、私の大号泣アニメ「雨ふり小僧」的な展開になるかと思ったがそうもならず。そのうえロボットを助ける為に努力し続けるならともかく早々に諦めちゃって、遊んでたり彼女っぽい人を作ろうとしたりで、あまつさえ終盤の「アレ」な選択はねぇよなぁ〜と萎えました。


 別に主人公は公明正大な聖人であれ!なんて言いません。むしろ一般的な社会通念から外れてる駄目人間でも全然良いのです。しかし、一本筋の通った、今回なら大切なロボットの為に誠を見せる!って面で好きになれる点がないのは頂けない。


 次に構成。この作品は、序盤と終盤は非常に短く詰めてて中盤が長いのだがそこが面白くない…。そのうえ某漫画の神様が否定したやつをやっちゃってるのでよりノレないし話が動かない。それやっちゃうと真剣に見れなくなっちゃうよ!。


 あと、序盤を詰めすぎてるのが、ドッグの描写不足に繋がってしまったように思えた。他のキャラたちはちゃんと仕事した上での生活を生きてる感じなのに、こいつは何してるの?。そもそもどういうやつでなんで孤独なのか見えないから、ロボットと出会ってからの幸せのギャップがたってない。


 そして、ラスト。ああいう展開はまぁわかるけどもう色んな作品で見てきたような…。なにより、せっかくロボットと犬という設定にシンプルなアニメーションにすることでなんとでも捉えられる普遍性ある話が、あれだとカップル、それも同性のカップルのメタファーのように絞り込まれちゃった感じで普遍性を欠いてしまったような気がどうしてもしてしまった。心の友の話だったら別にあの選択はしなくても良かっただろうし。


 あと、個人的な見解ですが設定上が80年代だから仕方ない面もあるのですが、やたら友達とから恋人がいなきゃいやだ、孤独が怖い病の作品には正直私はあまり共感できません。それは夢中になれる「何か」を欠いている空っぽ人間が、周りの同調圧力に踊らされてるようにしか見えない。


 好きな「何か」でも、やるべき「何か」を持ってればそんなことしてる場合じゃない。そういう一人でも十分立てる人間が友や愛する人を自然な流れで持つようになるのは素晴らしいことだと思うが、一人じゃ立てない人が松葉杖代わりにそれらを必死に求めてるようなのはアカン。「絆」とか「人との繋がり」を単なるスローガンな綺麗事に堕してしまうか、心を打つメッセージにするかはその辺が大切。

投稿 : 2025/01/18
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