2023年度に放送されたおすすめアニメ一覧 364

あにこれの全ユーザーが2023年度に放送されたおすすめアニメを評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月10日の時点で一番の2023年度に放送されたおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
「FLAGLIA」~なつやすみの物語~(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★☆☆ 2.8 (8)
31人が棚に入れました
イコは、小学3年生。 4人の兄と館山にある古い家で暮らしている。 イコの家には両親がいない。 兄の話では、母親は東京で働き、歳の離れた兄たちがイコを育ててくれている。 ちょっと変わり者だけれど、自分を大切にしてくれる兄たちが、イコは大好きだ。 しかし、彼らには秘密があった。 実は、彼らは、永遠に近い刻を生きる「魔法使い」だったのだ。 なぜ、彼らはここへ来たのか。なんのためにイコの兄になったのか。 これは、魔法使いたちの世界に巻き込まれながら、海辺の街で楽しく暮らす家族の、なつやすみの物語である。

声優・キャラクター
ユク:堂珍義邦
アデル:ユナク
イコ:五十嵐裕美
シルバー:土岐隼一
タギ:石井マーク
レン:榎木淳弥
メル:大塚剛央
カンチ:山下誠一郎
テツ:阿座上洋平
ハッシュ:西健亮
ラブ:山谷祥生
ニッタ:竹内栄治
マリー:増元拓也
ジャンゴ:岩河拓吾
ミスリル:岡井カツノリ

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

お盆にやってくるゾンビをやっつけろ!続きはミュージカルで!

 最終話観ました。6話で完結です。Aパート、Bパートで1話なので、実質3話でした。

 ケツの穴から声を出してんのか?と疑問に思うような棒読みキャラが混じっていたり、みんなイケメンで誰が誰か良くわからないため、あまり緊張感がありませんでした。
 
 肝心のパレードも、魔法使い達の能力が不詳で、勝利条件も良く分からないうちに死者が撃退されてしまい、なぜ館山が舞台なのかも不明でした。

 ミュージカルの番宣で作られたアニメで、続きは舞台で!なのですが、ファン以外には別に続きも気にならないのでは?

 どういう経緯で作られたのか、門外漢には最後まで不明でしたが、実質3話で短かかったので、ダメージは少なかったのが、一番の好評価ポイントです。

 ………………………………………………………………

 転生を繰り返す魔法使いがお盆に現世にやってくる死者を撃退するそうです。死者達の襲来は、パレードと言うそうです。

 落ち着いた感じの絵柄です。アクションものとしては期待出来なさそうです。

 イケメンが次々出てくるので誰が誰だか良く分かりません。

 魔法使い達は彼岸の存在っぽいのに旅団に属していたり、戦力不足で予備役を召集するとか、元老院があるとか、色々ぶっ込んできます。

 世界観が少しブレているようです。死者達との戦いがどうなるのかが気になるところです。

 死者との決戦自体はフェードアウトしそうですが、不快さは無いので視聴継続です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 1

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
劇場総集編 SSSS.DYNAZENON(アニメ映画)

2023年3月10日
★★★★☆ 4.0 (6)
29人が棚に入れました
円谷プロダクション制作の特撮ドラマ「電光超人グリッドマン」を原作とするテレビアニメ「SSSS.GRIDMAN」に続いて制作された2021年放送のシリーズ第2弾「SSSS.DYNAZENON」の劇場総集編。テレビアニメ版で助監督を担当した宮島善博が監督を務め、本作特有の重厚な合体アクションと精緻な人間ドラマを際立たせて描く。

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

なんとかビーム

劇場版、総集編でしたね。
物語についてはアニメの方で書いたので総集編としてのレビューになります。
総集編としては割と優秀かな?

もちろん、内容としてはアニメの方が断然がオススメですが、新規さんが見ても違和感がないので、総集編で見ても内容は解るかな?
お試しで見る分には十分なレベルで気に入ったら是非アニメで見てもらいたいです。

グリッドマンの総集編も見ましたが、ダイナゼノンの方が総集編としては解りやすいけど、グリッドマンの総集編の方が工夫はあったかな?と思います。

ただ、アニメ放送中の総集編挟まれた何話から何話の総集編と違い、こうした総集編映画って新規さんが見て内容が解るか、知ってる人が見ても楽しめるかの2点が大切だと思っていますので、その辺はクリアされてるかな?とも思いましたね。

その点で言えば始まりのシーンとラストのユニバースに繋がるエピソード……あぁ、ここがこうなるとかって感じましたね。
ここからあのシーンにと思うと笑っちゃいますwww

投稿 : 2024/06/08
♥ : 6

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

誰かの手を握ろうとして掴んだ不安の種

特撮ドラマ『電光超人グリッドマン』を原作としたアニメ作品第二弾である『SSSS.DYNAZENON』の再編集版。
『SSSS.GRIDMAN』の劇場総集編と同じく、劇場版『グリッドマン ユニバース』の振り返りとして劇場公開されていました。
全12話のアニメを2時間程度のまとめているものとなるため、ストーリーは放映版と変わりないです。
そのため、ストーリーの感想は放映版と同じなので、そちらを参照です。

SSSS.GRIDMANの劇場総集編と同じで、ワンクールアニメを2時間尺に凝縮しているため、こちらもかなり端折られています。
それでも元々セリフ感に間があってバトル以外のシーンは割とのんびりした雰囲気の作品だったためか、特に序盤は違和感を感じませんでした。
蓬と夢芽の関係性、ガウマとの出会い、暦、ちせが巻き込まれる経緯、そして怪獣優生思想たちの登場など、前半部分は問題ないと思います。
ただ、中盤以降はかなり駆け足感があり、ちせメイン回のゴルドバーン登場回あたりは、ちせの葛藤部分にはほとんど触れられないまま数分で流されてしまっていました。
暦とムジナの関係性が進むシーンも全カットされているため、振り返りと観るとしても微妙な感じがしました。
特にキャラ人気の高い、ムジナのシーンがほぼ無かったのは残念です。

個人的にはSSSS.DYNAZENONは、SSSS.GRIDMANに輪をかけてストーリー整合性そっちのけで、ノリと勢いで話を進めるところが大きかったように思っています。
なので、ストーリー部分については、正直なところ、本編を見ても劇場総集編をみても理解度は変わらないだろうなと思います。
怪獣が現れて、それと戦う合体ロボットがあり、それに少年たちが乗り込んで必殺技で倒すやつですね。
技名とか叫ぶので、とりあえず熱いシーンが見たいという方にはおすすめできますね。

改めて見てもよくわからないストーリーでしたが、TRIGGERらしさとしてはSSSS.GRIDMANよりもこっちの方が上ではないかと思います。
SSSS.GRIDMAN同様、最後にユニバースへの伏線が少し入って終幕するので、雰囲気をもう一度呼び覚ました上で、そのままの勢いで劇場版を視聴開始できるのはいいかもしれないです。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 1

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
いきものさん(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★☆☆ 2.7 (8)
27人が棚に入れました
坊主頭の少年「いがぐり」と相棒の「犬」、毎回登場するいろんないきものたち。ふしぎで気持ちいい“いきものさん”の世界へようこそ!

ninin さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

パチーン

原作未読 全12話 1話5分のショートアニメ

少年と飼っている犬が色々な動物と触れ合う不思議な世界を描いたお話。

といっても不思議な世界は多分少年の妄想であり、妄想世界と現実世界を見せてくれます。

会話はなく、言葉にならない言葉や動きで表現しています。

観ていると訳がわからなくなりますねw

最後に、この作品は副音声版もあります。AT-Xで通常版と副音声版と続けて放送されました。

副音声版は、芸人の方や声優さんなど多彩な方が語られていましたね。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 13

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦~とべとべ手巻き寿司~(アニメ映画)

2023年8月4日
★★★★☆ 3.3 (7)
27人が棚に入れました
春日部市に住む幼稚園児、野原しんのすけの日常や冒険を描いた臼井儀人による漫画「クレヨンしんちゃん」のシリーズ初となる3DCGアニメーション。『バクマン。』の大根仁が監督と脚本を担当し、『STAND BY MEドラえもん』の白組がアニメーションを手掛けた。『流浪の月』の松坂桃李をはじめ、「鬼滅の刃」の鬼頭明里、お笑いコンビの空気階段がゲスト声優として出演する。

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
ショートアニメ「Fate/Grand Order 藤丸立香はわからない」(Webアニメ)

2022年12月31日
★★★★☆ 3.3 (5)
27人が棚に入れました
藤丸の素朴な疑問に英霊たちが振り回される新感覚FGOショートギャグ!人類最後のマスター「藤丸立香」。彼なくしては人理修復することはできなかっただろう。しかし、そんな彼にも欠点があった…。それは、素直すぎること!藤丸の素朴な疑問に英霊たちが振り回されるドタバタコメディが登場!

2022年12月31日に放送された『Fate Project 大晦日TVスペシャル2022』内にてショートアニメ「Fate/Grand Order 藤丸立香はわからない」がサプライズで放送されました!放送された年末スペシャルはYouTubeの【公式】Fate/Grand Order チャンネルにて公開中!そして…22年末のサプライズ放送をきっかけに2023年にショートアニメシリーズ化が決定!

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
映画プリキュアオールスターズF(アニメ映画)

2023年9月15日
★★★★☆ 3.6 (7)
25人が棚に入れました
プリキュアたちのドリームチームが結成され、チームごとに異世界を冒険する「プリキュア」シリーズ20周年記念作。ソラが目を覚ますと、そこに広がっていたのはふしぎな世界。その世界から抜け出すため、ソラはゆいやまなつ、プリムたちと遠く彼方に見える城を目指す。

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

わ〜い!久々のプリキュアオールスター映画だぁ!!!→スンッ( ˙-˙ )…。

 いや、悪くないよ悪くない…。プリキュアオールスターといえばこういう感じだよね。うん、わかるわかる。久々の新作映画だし、お客は入ってるし、野暮なことは言いたくない。15周年の「オールスターズメモリーズ」みたいな神作を寄越せなんて言わない。ただ、さぁ…明らかにショボくなってない?特にCG。


お祭りなんだから細かいこと言うな的な、欲の薄い人が満足ならそれはそれで構いません。しかし、私はプリキュアの底力に打たれてきた人間なので、そんな温いことは申せません。


 というわけで、久々のプリキュアオールスターだったんですが、プリキュア映画を大体見てきた自分としては、本作はオールスターの罠とでもいうべき構造から逃れようとは多少したけど、やはり絡め取られてしまったように思えてなりません。「オールスターズメモリーズ」は、そこを乗り越えた上で更に、CGの進化、そして気高いテーマ性まで盛り込んでいるからこそ、私のオールタイムベストアニメ映画なのです。


 オールスターの罠とは大別すると2つ。敵やゲストをどうすんの問題と、オールスターという多数なキャラをどう扱うか?という問題です。短い尺の中でこれらの問題を突破するのは困難。


 今回のための敵とゲストキャラを出すと、只でさえオールスターでキャラが多いという問題。更に、単なる「ための」敵、ご都合主義な舞台装置でしかない敵だとやはり萎える。プリキュアにとって敵は単なる敵でない時こそ、深みと感動があって傑作になる。今回は、その部分は考えてきたと思います。ただ、少々練り込みが甘い…。ゲストと敵キャラをちゃんと絡めるのは良いが、ミデンみたいに敵を超えて色んな象徴として機能するような深みにはもう少し掘り下げが必要だったかな?。


 それ以上に大きかったのは、もう一つの問題。オールスターという多数のキャラをどう処理するか?という問題。これは残念ながら従来のフォーマットに乗っかってしまっただけと言わざるをえない。各プリキュアから選抜したキャラを臨時チーム的に幾つか組ませて、それらが合流するってパターンは何度かすでに試みられている。


 すでにやった手法だから駄目とは言わないが、やはり冗長…。初めまして!のところから、他のプリキュアたちと絡んでイチャイチャしているとこがサービスなのだろうが、只でさえ短い尺の中でその半分くらい占拠しちゃうのは、正直物語の推進力があんまない時間が続いて弱い…。最大のサービスは、単体の物語として最高なものを提供することこそ。


 「オールスターズメモリーズ」みたいに、メインは大胆に最新と初代のみ!というような思い切りの良い判断をしつつ、クライマックスではちゃんと全プリキュアの活躍をかっちり見せる!というような英断が本作も必要だったろう。


 あと、予告の段階でも思ってたし、歴代のオールスターでも思ってたが、わちゃわちゃ大量のキャラを出すと作画が荒れる…。ビジュアルがあんま凄くない…。この点も本作は残念ながら従来通りだったなぁ…。なによりCGが明らかに後退してるような…。「オールスターズメモリーズ」では40%くらいCGだったが、そこが売りになるくらい日本アニメ史上最高峰クラスのやつだった。もしかして、金も技術も先細りしてる…?。どうでもいいが、最後の展開って「エアマスター」と同じじゃね?なんて思ったが、偶然の一致だろうな。


 まぁ、色々指摘しましたが、最初に書いた通り悪い作品じゃないし、来年も新作映画を無事やるみたいだし、めでたいとは思います。ただ、だからといってどんぶり勘定にはできません。悪くないけど及第点くらいかなぁ〜。「オールスターズメモリーズ」を知る前の自分にはもう戻れません…。ちなみに他のプリキュア映画では、スマイルとハピネスチャージなどがオススメです。テレビではキラプリ派です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 4

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(アニメ映画)

2023年6月16日
★★★★★ 4.2 (8)
24人が棚に入れました
前作『スパイダーマン:スパイダーバース』に続く三部作シリーズの第二作となる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ヒーローに運命を課すのはヴィランか?私たち鑑賞者か?

【物語 4.0点】
シリーズ3部作の2作目。溜め回としては抜群の手応え。
完結編の着地が決まればさらなる評点上乗せもあり得る。

が、提示された方向性はメタフィクション的な波乱も予感させ、
鑑賞者に挑戦状を叩きつけるような内容で好みは分かれる。

“普通のヒーロー物”を求める層にとっては、何を言わんとしているのか?
シナリオの価値すら分からないまま終わる、苦痛に満ちた2時間半になりかねないでしょう。


前作レビューにて私は多様なのは分かったけど、
多様性で何を描きたいのか分からないとの趣旨のコメントを残しましたが、
本作にてテーマを深めるための題材としての多様性の活用法がより明確に。

スパイダーマンは正体を明かしてはならない葛藤に苦しみ、
やがで誰かと恋に落ちるも結ばれず、大切な人たちを亡くす悲劇に終わる。
どれだけ多元宇宙(マルチバース)を巡っても、
“カノンイベント”を経て、運命的に収束していくヒーローのテンプレート。

本作にもまたバイクに跨る妊婦、レゴ、実写、インド人、猫
など実に様々なスパイダーマンが登場しますが、
どれほど多様でも、最後、ヒーローの運命に抗うことはできない。
多様性を主張する人々が、“自由で多様な彼ら”という型を求めて、多様性が極まらない。

黒人少年主人公への是非についても、
{netabare} マイルスが敵役(ヴィラン)だった“本来の?”次元世界の提示も交えて、
マイルスが異次元“アース42”の蜘蛛(これも黒人初メジャーリーガーのジャッキー・ロビンソンを想起させ意味深)に噛まれたマルチバース最初の異分子であること{/netabare} が明示。
どんなに黒人が社会進出し多様化しても、欧米白人社会が内心、黒人には譲りたくない見えない一線をも、
テーマ深化のために取り込もうとする貪欲さ。
多様性のジレンマがスパイダーマンが辿る運命に苦味をスパイス。

本作は、そんな運命に抗うマイルスの意志を表明して締めくくられます。
それはスパイダーマンの物語世界、すなわちマルチバース崩壊のリスクをはらむ。
さらにそれはヒーローのテンプレ提供を求めて来た私たちへの反抗でもあります。

シリーズ1作目英題『~Into the Spider-Verse』。キャッチコピー“運命を受け入れろ。”
2作目『~Across the Spider-Verse』。キャッチコピー“運命なんてブッつぶせ。”
そして3作目は『~Beyond the Spider-Verse』と告知されています。

マルチバースの法則を打ち破ったマイルズたちは、
スクリーンから飛び出し、私たちの頭上を通り越すように、
私たちが抱くヒーロー観をも超越して行くとでもいうのか?
今から答え合わせが楽しみでなりません。


【作画 5.0点】
アニメーション制作・ソニー・ピクチャーズアニメーション

作画と背景美術が一体となり表現を追求するトレンドの最先端にして最高峰を行くCGアニメ。

前作までの各スパイダーマンたちの各世界に応じた作風の使い分け、
爽快スパイダーアクションの追求のため単純に背景描き込みの密度を上げるのはもちろんのこと、
葛藤するヒーローに呼応して、ブルー系を多用していくなど、
色彩設定も漫然とリアリティをなぞるカットが一つもありません。

さらに絶望するヒーローと共に、水彩画タッチに簡素化していく所属宇宙の街並みなど、
心情表現の面でも価値あるアニメーションを構築。

そして冒頭からロゴの表記揺れなど、多発する映像の乱れが、映画内世界の破壊と新生を示唆する野心的なメタフィクション表現。


前作レビューにて、私は生意気にも、マイルスがこのマルチバースで何を成したいのか?
信念と映像が一体化した瞬間こそが満点を付ける時と吹かしましたが、
完結編を待たずして、ここで5.0点満点付けざるを得ません。


【キャラ 4.0点】
ヒロイン・グウェン・ステイシーことスパイダーウーマン。
本作は、グウェンの深掘りを通じてスパイダーマンを呪縛する“カノンイベント”の運命を紹介するプロローグ約20分+本編2時間という構成。

{netabare} ささくれだったグウェンがバンド脱退して、最後また新たなバンド結成を宣言する。{/netabare}
グウェンに始まりグウェンで終わる。スパイダーウーマン目当ての私は大満足♪


スパイダーマンの子を持ってしまった両親の葛藤も深まった本作。
やっと子育てに自信を持ちかけた所で、
大きくなった子供は正体はスパイダーマンという誰にも明かせない秘密を抱えていて、
親から見れば何を考えているか全く訳が分からない。

子供が想定しない方向に飛び出さないように躾で縛ろうとする。
家族の愛情は子供の可能性を閉ざす悪手なのか?

全ての子供は宇宙。
ハイスクールの三者面談で飛び出した教師の発言は、
コメディのようで核心を付いています。

思わぬ子供の変化を受け入れるため、親もまた成長せねばならないのか?
親子関係というサブテーマがクライマックスを牽引し、
既存のヒーロー像の打破というメインテーマとも共鳴しています。


ヴィランとして新登場したスポット。
空間に穿った次元穴に自分のケツを蹴り込むネタキャラと思わせておいて、
彼こそが過去、{netabare} “アース42”の蜘蛛で異次元越しにマイルスをスパイダーマンにした張本人であることが示唆。
さらにスポットはマイルスが将来出会いたい量子力学の権威であり、一連のマルチバース騒動の起点となる可能性も予想されます。{/netabare}
スポットは、空間だけでなく過去と未来、時空をも行き来するヴィランだと言うのか?
ループシナリオへの受け身も準備しつつ解答を待ちたいです。


【声優 4.5点】
日本語吹替版を劇場鑑賞。

主演・マイルス役の小野 賢章さん。
{netabare} “アース42”にてヴィランとしてのマイルス{/netabare} にも対応せねばならず、
光と闇の振れ幅がより大きくなりましたが、
この声優さんならむしろ得意な芸当。

ヒロイン・グウェン(スパイダーウーマン)役の悠木 碧さん。
運命に心が押し潰されそうになる役柄に悠木さんの濁声は極上の相性。
父親でありスパイダーウーマンを問題視する警官であるジョージとの会話シーン。
{netabare} 「一瞬だけでも警官辞めてパパとして話を聞いてくんないかな」{/netabare}
と涙声で絞り出す吹替とか堪りません。


ヴィラン・スポット役には鳥海 浩輔さん。
ネタ面でもシリアス面でも、変則的な能力とイカれた外見の自虐も交えた軽口で翻弄するキーキャラクターを好カバー。

劇場鑑賞当時、ちょうどTVアニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』でも、
玉壺役で気色悪いツボ芸を披露していた鳥海さん。
その独特な演技ともリンクして、スポットの穴芸はツボにハマりましたw
鳥海さんは今後こういう芸風を極めていかれるのでしょうかw
ベテランの域に入った彼のアフレコが醸す珍味に期待します。


本来、映画ファンならば本場の俳優がアフレコに参加した字幕版から行くべきなのでしょうが、
吹替声優に魅力が多過ぎるので、完結編も私は吹替版から行きたいので、
吹替版の4D、ドルビーシネマ&アトモスへの対応拡大をお願い致します。


【音楽 4.0点】
ED主題歌「Calling」などをプロデュースしたメトロ・ブーミン氏を始め、
引き続き黒人文化を想起させるヒップホップがサントラを構成。
一方で、今回は特にシリアスなシーンでのシンセ和音による重厚SF風味の演出、
運命への苛立ちと突破の意志をこめたロックサウンドの起用も目立ちました。

吹替版では日本語版主題歌としてLiSA「REALiZE」も流れました。
運命を打ち破ったマイルスが示すヒーロー像が具現化する未来を、
本邦のロックヒロインはしっかりと捉えています。
あと、You Tube公式等で公開されている本編映像を活用したリリックビデオが中々優秀です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 7

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

アートとエンタメの奇跡のマリアージュ!。続編どうなるか心配だが、結局今年の殿堂入り映画でした。

 ネタバレしないようになので歯に絹を着せた話になっちゃいますがご容赦を。なんとなくバレてんじゃねぇか!みたいなのも勘弁して下さい。ネタバレありで多少思ったことはコメント欄に後で書きます。
 

 とりあえず、掴みのグエンのパートだけで100点満点!。この部分だけで他の作品を遥かに引き離してるくらい素晴らしい。感情と映像をシンクロさせるような表現は今までもあったかもだが、これほどの表現力と完成度に至ったことはなかっただろう。このパートの表現は革新的だが、感情を揺り動かす演出の地に足のついた的確さでここだけでかなり満足してしまった。


 ただ、最近の傾向なのかもだが大きなシリーズやコンテンツだと色んな要素を詰め込み過ぎてスッキリとイケない、モヤモヤするてんやわんやがあって前作ほどの神っぷりにはなれなかった。ネタバレになるから遠回しな表現になりますが、ちゃんと宣伝しないのは不誠実に感じます。


 正直今回の目玉だったスパイダーソサエティーが足を引っ張ってたように思える。割いてる尺もそれほどでもないし、障害としてはスポットや最後に出てきた×××のが遥かに興味深いし、新スパイダーマンたちもそんな掘り下げられなくて勿体無い。顔見せは余程のオタクじゃないと上がらない。


 普通に新スパイダーマンはミゲルと数人くらいで、前作のスパイダーマン達で全然良かったのでは?。彼等の再登場と掘り下げの方が遥かに上がる展開が作れただろう。スパイダーマン同士が共闘するのは良いが、インドの彼いる?。ペニーパーカーのアースでも良かったんじゃない。パンクなスパイダーマンは割とえがったが、ノワールでもやれたかもだし。シビルウォーもだったが、やはり内輪もめ的な展開は上がりずらくて微妙。この部分から設定の説明と、そのための展開な匂いがして前半に比べて地に足がつかなくなってしまったかな。


 ただ、今回は親と子の関係を中心に置いてて、その部分はみんな最高!。モラレスの親だけでなく、グウェンの親の部分も強調されて、今回はグウェンがもう一人の主役といってもいいぐらい輝いてる(これは吹き替えで悠木さんの演技を見なくては)。ピーターBパーカーも勿論良いんだが、やはりソサエティーに尺を取られちゃったのが勿体ない。


 まとめると全体的に表現の革新性と演出の的確さという前作から受け継いでより強化されたような部分は最高!だが、シリーズものとして続けるための要素入れすぎが少々足を引っ張っている。ただ、これだけで評価を確定できない作品だし、レベルは他とは隔絶してる凄さだからやはり必見どころか、二度見三度見くらいすべき今年を代表する一本て間違いなし。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 5

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
マイ・エレメント(アニメ映画)

2023年8月4日
★★★★☆ 4.0 (6)
24人が棚に入れました
火・水・土・風といったエレメント(元素)たちが暮らす世界を舞台に、正反対の性質を持つ2人の出会いを描いたディズニー&ピクサーの長編アニメ。
『アーロと少年』のピーター・ソーンがメガホンをとり、火のエレメントで少し短気なエンバーの声を『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』のリーア・ルイス、水のエレメントで流れに身を任せるタイプのウェイドの声を『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』のマムドゥ・アチーが務める。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

多様性の面倒臭さと可能性を描き切ったピクサーの力作

【物語 4.5点】
多様性を描いた本作。

監督のピーター・ソーン氏は韓国系。
韓国人と結婚して欲しいとの家族の要望に反して、
イタリア系女性と結婚したという過去を持つ。

本作でも監督自身の人生が反映されており、
それだけならマイノリティ経験者等以外は共感できない視野の狭い作品となります。
が、本作の非凡な所は、マイノリティが多エレメント(民族)都市であるエレメント・シティの中で、エ0レメント間に溝ができていく歴史と過程を、客観的に描写できている所。

水、土、風の順で移住してきたこの街は、先住したエレメントたちが暮らしやすいよう、社会インフラが特化。
都市構造は極めて複雑で、多大なコストがかかるのに、
何で多様なエレメントが共存する必要があるのだろう?と目まいがする程。
そこに最後発でやってきた火のエレメントが割って入るのは中々難しい。
必然、押しやられるように他のエレメントが捨てた街区に住み着き、火の街は半ばスラム化。
先住エレメントたちが取り仕切る行政の目も行き届かない。

マイノリティの側も、マジョリティの側も無自覚のうちに壁を作ってしまう。
特段、差別主義者や分離主義者じゃなくとも、火のエレメントは火だけでまとまって互いにあまり関わらない方が良いよねとなる。
個々人の意識ではどうにもできない歴史、社会構造から来る分断が見事に表現されています。

私はしばしば、一部の無思慮なリベラルが、多様性は今や時代の空気なんだから保守は従えとマウント取っている光景を見て不快な気持ちになりますが、
多エレメント都市の現状と課題について、思慮を重ね忌憚なく表現された本作は、
多様性の押しつけ感がなく傾聴する気になれます。

その上で展開される火のエレメント・エンバーと水のエレメント・ウェイド、禁断の恋物語。

火のエンバーは、家業の雑貨店で接客する中で、しばしば癇癪(かんしゃく)の爆発を起こすため、
深呼吸して怒りをやり過ごすアンガーマネジメントを試みる。
ですが水のウェイドはそれを聞き、癇癪は自分の心の叫びを伝えようとしているんだとアドバイス。
それを聞いた火のエンバーが自身の心の声と向き合うことで、
{netabare} 爆発的な火力を生かしたガラス職人(水エレメントの建造物はガラス製で需要大){/netabare} という思わぬ道が開けていく。

自分のことこそ自分では分からない。
自分の才能は時に視点の異なる他者との出会いにより発見される。

異なるエレメント間で放たれる可能性の“化学反応”
多大なコストを払ってまで多様性を実現するエレメント・シティの面目躍如。

マイノリティじゃなくても、面倒な他者との交流に尻込みしがちな多くの人間の背中を押す、
普遍的なメッセージ性が本作の真価。

シナリオ転換を{netabare} 水エレメントの主要交通手段である運河からの水漏れ{/netabare} ばかりに頼ったのはやや単調に感じたものの、
幅広い層にオススメできる好エピソードだと思います。


【作画 5.0点】
製作・ディズニー&ピクサーによるCGアニメーション

豪華。
目がくらむ程、手間がかかりそうな映像を実感すること自体が、
多様性都市の課題と可能性を示唆する。

水、土、風、火のエレメントにより構築されたキャラクターは、
ゆらめく炎や、光を乱反射する水泡など、常時、莫大なエフェクト量を消費。
例えるなら異世界ファンタジーアニメの大火力魔法レベルの演出を、
常時全カットで施し続けている状態。

並のスタジオなら忌避する高カロリー映像を巨大戦力で実現して押し切った感じ。


土から出た葉は火に触れると燃えてしまうため、火は{netabare} 植物園{/netabare} などの特定施設から“火気厳禁”と締め出される差別を受ける。
水エレメントの潤いを保つため公共交通機関に整備された溢れ出る程の大量の水は、火エレメントにとっては公害でしかない。
エレメント共存の困難性を、終始、魔法みたいな映像美で楽しみながら直感的に理解できてしまうのは見事としか言い様がありません。

属性魔法みたいな分かりやすさに油断した虚を付いたカットが本作の見せ場。
{netabare} 火のエンバーと水のウェイドが初めて触れ合い抱き合うシーン。
水で消される火が結ばれる訳がないと作中エレメントたちも鑑賞者も決め付けていたが、
実は誰も試していなかっただけ。{/netabare}
目から鱗の“化学反応”が心に残りました。


【キャラ 4.0点】
多種族間にまつわる諸々を属性エレメントでデフォルメし記号化したキャラ造形。
従来こうした志向のキャラ作りにおいてはアニマル化が有効かつ良作多数でしたが、
本作のエレメント間交流による“化学反応”は関係性表現という点でアニマルキャラにもない新境地を開拓。


火のエンバーの両親。
本作は父親のバーニーがエレメント・シティに火のコミュニティーを確立する一代記でもある。
人は何にでもなれる!縛られなくたっていい自由だ!と一方的に主張するだけでなく、
火の伝統を娘エンバーに継承したいとの親心もちゃんと汲んでいる点も本作の懐の深い所。

バーニーもまた移住の際、{netabare} 地元の白い目に曝されながら旅立っている。
その寂しさを知った上で見るラストのエンバーと互いに地に伏して認め合う儀礼。
心が温かくなりました。{/netabare}

一方の母親・シンダーは地域によくいる仲人おばさん。
匂いで恋心を感知する恐るべき異能?で恋愛好奇心の火を煽る燃料に。


あとは何度、花を火に燃やされてもアタックし続ける土エレメントの少年クロッドの恋が実ることをお祈り致しております。


【声優 4.0点】
※日本語吹替版を鑑賞。

吹替声優には火のエンバー役・川口 春奈さん、水のウェイド役・玉森 裕太さん(Kis-My-Ft2)をオーディション選出。
すぐにカッカして爆発するエンバーに、ちょっとしたことで号泣するウェイドと、
感情表現も激しい役どころ。
メイン2人からは声優初挑戦とは思えない程のボイス表現を引き出せていたと思います。

この吹替スタッフ陣には、俳優タレントの才能をどうやって発揮させれば棒読みを防げるのか秘訣を是非教えて頂きたいですね。
オーディションの段階から俳優タレントの名前や顔じゃなくてボイス素材を重視していることは、
土の堅物お役人エレメント・ファーン役の伊達 みきおさん(サンドウィッチマン)の意外性でも伺えますし。
また川口 春奈さんが吹替収録後はいつもクタクタだったと証言されている点から、
ディレクションには妥協しない収録風景は想像できます。


【音楽 4.0点】
劇伴担当はトーマス・ニューマン氏。
民族音楽からエレクトロポップまで幅広くアレンジし、エレメントのるつぼを好表現。

同氏も共同制作で参加したED主題歌・ラウブ「Steal The Show」も、
軽快な民族音楽風の打楽器など、上記のアレンジを取り込んで、
エンバーとウェイドの関係を歌った良作ラブソング。

日本版エンドソングとして起用されたのが2009年のヒット曲・Superfly「やさしい気持ちで」
“あなたがいて わたしになる 幸せにはきっと ひとりきりじゃたどり着けない”
別に本作主題歌を狙ったわけじゃないのに、ジャストミートする歌詞。
何気にそこが一番驚いた“化学反応”

投稿 : 2024/06/08
♥ : 9

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

エンタメの骨子が出来て…おらん喃。ピクサーの復活が待たれる。

 好きなDr.マクガイヤー氏が褒めていたので見に行った映画第二弾。Dr.と同じく最近のピクサーはどうも調子悪くてなぁ…(個人的にはソウルフルワールドが最後の傑作)な印象で見に行ってなかったのですが、本作は絶賛されていたので見に行った結果…。


 恋愛が中心だし最近のピクサーはなぁ…という気持ちで気後れしてたのですが、正直言わんこっちゃナイト…でした。Dr.が褒めていた所、具体的には「ズートピア」等から引き継がれている魅力的な世界観や設定を、面白かつ美しいアニメーションで説明的になりすぎず表現する上手さ、韓国系の移民二世という監督の個人的な想いをアニメーションにすることでより普遍的なテーマしているとこは見事!。


 ただ、Dr.も指摘していた最近のピクサーの問題点。ラセターが抜けた後、脚本の練り込みの最後の一押しが足りてないというのが私は本作にも感じてしまってエンタメ力がもう一歩乗り切れねぇ…。


 ピクサーはずっと恋愛を中心に置いた作品はやってこなかったし(あくまで副次的な要素ではあった)、そもそも現代に生きるオタクとしてはもう男女の恋愛を中心にするのは古いというか、もう求心力にイマイチ欠けるような。日本のコンテンツでもライトなノリか、ギャグ中心の作品くらいしか印象に残るものはもはやないし。


 それ以上に本作の問題は、解決すべき問題(マクガフィンだとしても)が微妙…というところ。故に二人が共通のミッションをこなしていく過程で自然と惹かれ合う感が少々弱い…(ズートピアはそこがスムーズだったし、そんなに恋愛を中心に置いてなかった)。


 今までのピクサー作品や、ピクサー合流後のディズニーアニメでは大体強固な解決すべき問題に向かって一直線!な王道の作りだった。途中で実はそれは本当の問題ではなかったみたいなツイストがあったり、大きく打ちのめされてもう辞めるか?ってとこまで追い詰められたりしても基本的には、しっかりとエンタメの骨子が出来ておる喃…だった。


 しかし、本作は悪役もいないし、問題もその解決も弱い…。勿論そこが真の話の中心ではなくマクガフィンなのはわかってるが、最初はやたらポンポンと話が進むなぁ〜と思っていたが、進むにつれてなんか進むべき方向がぼやけてしまって緊密さを欠く脚本になってしまったように思えてならない。マクガフィンだとしても眼前の強固な問題の解決が、同時に真の問題の解決とも重なってこそエモーショナルな喜びを生む。


 シナリオ骨法言うところの「カセ」や「カタキ」が緩いから、エモーショナルな積み重ねや高まりがイマイチ足りてない。故に二人の恋愛も、テーマの部分も真に心に迫って魂を震わせてくれる域にはどうもいけない…。今までのピクサーの傑作がいかに凄かったか改めて思い知らせました。


 あと、小言的な感じですが、4大元素の残りの2つはいらなくね?とか、pvとかで流れてる曲って日本だけの主題歌かい!とか、終盤ああいう台詞を吐かせるなら親世代の成長ももっと描くべきだったんじゃねとか、土下座って韓国にもあるんだっけ?とか色々ありますが、そこはピクサーですから全体的なレベルは決して低くない、普通なら及第点な作品だとは思います(序盤はワクワクした)。ただ、過去のピクサー作品を知ってるこちらとしては、Dr.には悪いけど私は新たな傑作誕生!とは言えないなぁ…。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 3

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
火の鳥 エデンの花(アニメ映画)

2023年11月3日
★★★★☆ 3.8 (5)
24人が棚に入れました
ある理由で地球から逃亡してきたロミと恋人のジョージは、辺境の惑星エデンに辿り着く。2人はこの星を新天地にしようと生活を始めるも、事故によってジョージを失ったロミは、一人息子カインのため命を引き延ばすことを決意。コールドスリープに入るが、機械の故障により1300年も眠り続けることになってしまう。長年の眠りから覚め、新人類の築いた巨大な町、エデン17の女王となった彼女は、心優しい少年コムと出会う。

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

人類知を知る物語

先ずは、漫画がアニメ化されたことに感謝です。

手塚治虫氏の着想、構想、落とし所は、ベタに表現されていたと感じました。
その意味では、原作を知らない方には、未知のものと面白く観られるのではないかと思います。

でも、望郷編をよく知る方、シリーズとして読み込まれている方には、果たしてどうでしょうか。
あえて申し上げれば、復習しないで観ていただくほうが、いくらか補正も入れながらの楽しさや懐かしさがあるかなぁと思います。



本作の内容については、火の鳥のコアをなすハードSFのエッセンスと、人間のさがと業腹、永遠の愛と絆がしっかり織り込まれているといったところです。

私はシリーズを何度も読んでいますので、アニメに演出された新しい要素が楽しめたかどうかがポイントになりました。

で、どうだったかと言うと、もともと大きなテーマを掲げている火の鳥に対して、このエデンの花だけでは、いくらか切り取った感が残ってしまいました。

そんなわけで、漫画の望郷編を読んでいない方や、これからご覧になられる方には、本当にそれぞれの印象と解釈に依るのだろうなと思います。



日曜日のお昼の回を鑑賞したのですが、お客さんは1割も満たず、ご高齢の方が目立ちました。
さすがに「いやいや、これは大コケしてしまうかも・・」とちょっと心配になってしまいました。

ハードSFは、物語を俯瞰すること自体がなかなか難しいものです。
なので、初見の方には、シナリオを追いかけながら、理解を広げていく作業が求められるでしょう。

ハードルはやや高めですが、名作漫画のアニメ化は貴重だと思いますので、エポックとしてでもご覧いただければと願っています。

ひとことで言えば、「アダルティな雰囲気が楽しめた。まさに望郷編だった。」
としておきます。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 4

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
陰陽師(Webアニメ)

2023年11月28日
★★★★☆ 3.2 (5)
24人が棚に入れました
栄華を誇る平安京で、陰陽師である安倍晴明と出会った源博雅。不思議な空気を身にまとう晴明とともに、鬼が絡むさまざまな怪事件の謎を解き明かしていく。

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos」《後編》(アニメ映画)

2023年6月30日
★★★★★ 4.5 (5)
23人が棚に入れました
武内直子の人気コミックをテレビアニメ化し世界的人気を博した「美少女戦士セーラームーン」シリーズの劇場版で、原作の第5期にあたる「シャドウ・ギャラクティカ編」を映画化した前後編2部作の後編。
銀河征服をもくろむシャドウ・ギャラクティカとの戦いに身を投じたセーラームーン。破壊の戦士セーラーギャラクシアはセーラームーンから仲間たちを次々と奪い、彼女を追い詰めていく。孤独に打ちのめされそうになりながらも、愛する人や仲間たちのため、セーラームーンは銀河の運命を左右する最終決戦に挑む。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ビヨンド・ザ・セーラー・ギャラクシー

【物語 3.5点】
前編で決戦に至るまでの経緯をギュウギュウ詰めにして、後編ではラストバトル。
ボスとヒロインの矜持をぶつけ合う論戦も含めてジックリ描く。
前作『~Eternal』と同様の全体構成。

今回のセーラームーンとセーラーギャラクシアの最終舌戦は、
宇宙の成り立ちのレベルからセーラー戦士の宿命を説き明かす。
{netabare} 星が生まれた時、光が生じるからこそ闇が生まれる。
星を守護するセーラー戦士と光に引き寄せられる悪は表裏一体。
よって星々とセーラー戦士が生まれる限り、戦いは終わらない。
永劫の輪廻転生の中で重要なのはクリスタル。器の肉体が経験する刹那の人生などに大した意味などない。{/netabare}
その上で尚、現世に生きる女の子の青春の価値を抗弁する。
時空を越えた特大スケールの大説教合戦。

瞬きする間もなく倒れていくセーラー戦士など、
やはり尺は窮屈な感じはしますが、
壮大な宇宙観をまとめ上げた手腕には見るべき点があります。


【作画 3.5点】
変身&必殺技の“バンク”再現にも多くの労力が割かれた集大成。
『~Crystal』1期序盤のセーラームーン変身バンクでは、
少女漫画風タッチとCGが目立ち、
90年代アニメ版とは違う作風で行くんだという主張が相容れず、
私の脱落の一因となりました。

結局、本シリーズも回り回って、90年代風の再現に戻って来た感。
劇場で堪能できた嬉しさ半分。これを最初からやっていればとの悔恨半分。

限られた尺で宇宙の真理を表現すべく作画も奮闘。
掴み難いイメージを理解する一助になりました。

それにしてもスターライツやギャラクシアのヘソ出しスタイル。
最後は{netabare} ネグリジェ姿のセーラー戦士たちで大団円。{/netabare}
悟りに近づくに連れ、薄着、肌色率が上昇していくのは何故なのでしょうw
劇場で平然とヒロイン変身シーンを堪能していた私も少し羞恥を覚えましたw


【キャラ 4.0点】
ほぼラストバトルのみを描いた後編。
登場キャラもほぼ全員セーラー戦士ですが、その数は膨大。
星の数だけ守護戦士が生まれる宇宙観を物量で思い知らせる。


ラスボス・セーラーギャラクシアは、“クズ星”の戦士として傷を重ねた上、
{netabare} 真ボス・カオス{/netabare} に明かされた宇宙の真実への絶望から凶行を重ねる。
ギャラクシア自身がセーラームーンに救済を求めていた?
勧善懲悪とは異なる余韻をもたらす。


戦士たちの百花繚乱の中、私の心に残っているのが、月野うさぎの母・育子。
セーラー戦士の事情を知らないはずの母が、最終決戦に挑む娘の背中を見て、もう戻って来ないかもと予感するカット。
何でもお見通しな母親。宇宙に勝る真理なのかもしれません。


【声優 4.5点】
主演・三石 琴乃さん。
この春出た、自身の声優人生を回顧した自伝的エッセイ『ことのは』を購読。
その中で繰り返し語られるのは、昔は今続けている事が意味があるのか分からなかったが、とにかく努力は続けた。
後になって、あの時苦しんで身に付けたことが役に立ったという人生訓。

セーラームーンの一人称視点が強調された本作。
月野うさぎも、仲間が次々に倒れ、孤独の中で自身の正義を見失いかけるピンチが続く。
暗中模索の中で、何度も立ち上がり戦い抜くムーンの姿を見ていたら、
まるで中の人の声優人生と重なっているように感じて胸を打たれてしまいまして。

本シリーズも周りのセーラー戦士役は実績を重ねた中堅、若手に変更して、
主役だけは三石さんのままで行くというキャスティングが無理があると物議を醸しましたし、私も疑問でした。

でも最後に主演声優に感動できたのだから終い良ければこれで良しだったのかなと。

“国民的美少女戦士アニメ”主演という成功にも慢心せず、
舞台・ドラマにも挑戦し芸を磨き続けて来た三石さん。
来年の大河ドラマ『光る君へ』では藤原道長の母・時姫役での出演も決定。
京の伏魔殿でどんな華を咲かせるのか?楽しみな大河がますます楽しみになります。


意外なキャストだったのがセーラーコスモス役。
一人だけ、たどたどしいアフレコだなと訝しんでいたら{netabare} 北川 景子さんでした。
実写ドラマ版のセーラーマーズ役がデビュー作の女優がムーンの遠い未来の姿を演じる。{/netabare}

作画と合わせてキャスティングにも本シリーズだけでなく、
メディアミックス全体を総括しようとの意志が滲み出ています。


【音楽 4.0点】
OP主題歌は「セーラースターソング」
TVアニメ版『~セーラースターズ』OPを、
セーラー火球役・水樹 奈々さんがスターライツ声優陣を従え、こぶしを利かせてカバー。
奈々さん起用の真価を発揮。

ED主題歌は前編から続投のDaoko「月の花」ほか数曲のメドレーで、
『セーラームーン』コンテンツの集大成を飾る。

エンドロール後の締めくくりには、価値観が移り変わろうとも、
これが自分が描いて来た女の子の幸せだとの作者の意地も感じました。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 7

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
銀河英雄伝説 わが征くは星の大海 4Kリマスター(アニメ映画)

2022年12月30日
★★★★★ 4.4 (2)
22人が棚に入れました
刊行40周年を迎えた『銀河英雄伝説』は、累計発行部数1500万部を超える田中芳樹による傑作小説。銀河帝国軍のラインハルトと、自由惑星同盟軍のヤンという2人の英雄の対決を軸に、銀河の興亡を描く。40周年を記念し、アニメシリーズの全ての始まりとなった1988年公開『わが征くは星の大海』と、シリーズ屈指の傑作として名高い1993年公開『新たなる戦いの序曲(オーヴァチュア)』の劇場版2作品を35mmの原盤フィルムからスキャニングし、4Kリマスター版としてそれぞれ2週間限定で劇場公開する。

御宅 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

令和で極上の"銀英伝"を

銀河の歴史の1ページが綴られる記念すべき第1作。4Kリマスターの映像美はもちろん、5.1chサラウンドで聞く堀川りょうさん、富山敬さんを始めとするレジェンド声優たちのお芝居。まさに銀河声優伝説。そしてこの作品のもう一つの楽しみであるボレロ。常に鳥肌しっぱなしです。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 2

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
屋根裏のラジャー(アニメ映画)

2023年12月15日
★★★★★ 4.1 (8)
20人が棚に入れました
『メアリと魔女の花』のスタジオポノックがイギリスの作家で詩人のA・F・ハロルドによる小説「ぼくが消えないうちに」を映画化した長編アニメーション。
少女アマンダ以外の人間には見えない“想像の友だち(イマジナリ)”である少年ラジャー。彼は屋根裏部屋でアマンダと一緒に想像の世界に飛び込み、喜びにあふれた毎日を送っていたが、イマジナリには人間に忘れられると消えていくという避けられない運命があった。その運命に戸惑いながら、一縷の望みを抱いて歩み始めたラジャーは、人間に忘れ去られた想像たちが身を寄せ合って暮らす“イマジナリの町”にたどり着く。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

【鑑賞失敗談】世界観やルールのリアリティに気を取られて折り合えず……

幼少期によく子供が空想するイマジナリーフレンドを主人公に据えた、現実とファンタジーが交錯する世界を舞台にした英国の児童文学『ぼくが消えないうちに』(英題『The Imaginary』、未読)の劇場アニメ化作品。

【物語 3.0点】
子供たちが想像上の産物であるイマジナリが、大人になって忘れ去られてからも、
実はリアル世界にて大切な役割を果たしていた。
そのことをちょっとだけ思い出してホロリと来たりする。

企画自体は素晴らしい作品。
が、映画脚本として現実感のあるストーリーに仕立てていく際のセンスが私とは合わなかったのか。
私にとっては終始折り合いに苦しんだ108分間でした。

特にイマジナリ世界の独自ルールを受け入れるのに戸惑って、シナリオへの集中力を欠いたのが私の敗因。
イマジナリは空想を卒業した大人たちなどには見えない。
イマジナリは現実世界の扉の開閉などの物理法則には干渉し得ない。
辺りまでなら想定の範囲内でしたが。
{netabare} 忘れられたイマジナリは図書館から出てから1日以内に戻らないと消滅する。
他の子供たちに1日限定で参加したイマジナリも想像主からフレンドと認められると再びイマジナリとして存続できる。
ラスボス役・ミスター・バンティングと黒髪少女のイマジナリは想像の力で超常現象を引き起こすが、その発動条件が曖昧。
指銃で狙撃するチートを見せたかと思えば、配下の黒髪少女がターゲットにしたイマジナリを捕らえる手口は意外と単純な肉弾格闘戦だったり。{/netabare}

どんどん納得し切れないルールが積み重なるのに対応している内に話が進んで、
あぁ、そういう仕組みで解決するのね。ルールよく知らんけどwと呆気に取られている内にラストを迎えた感じ。

スタジオポノック作品はリアリティ気にし過ぎるとダメなのは分かっていたのですが、
映像と音の臨場感に抗えず、考察しがちな深夜アニメ脳で見て失敗した感じ。


よってこれから挑む方は、リアリティより空想重視の児童文学脳や絵本脳で鑑賞する方が得策だと思います。
子供とイマジナリの空想ワールドで尺が費やされる際も、
伏線なさげな意味のないシーンだと苛立たずに一緒に無邪気に戯れる感覚で。

そうすれば中盤アマンダが主人公イマジナリ・ラジャーを想像したエピソード。
ラジャーとアマンダが誓った「消えないこと、守ること、せったいに泣かないこと」の由来。
といったシーンにも素直に心が揺さぶられ、本年屈指の感動まであると思います。

私も、もう一回観れば、マシになると思うのですが、
今回は申し訳ないですが基準点が精一杯です。


【作画 4.5点】
スタジオポノック6年ぶりの長編アニメ映画2作目。

レベルファイブの3DCGゲーム画面みたいな絵面で勘違いしそうになりますが、
本作は2D手描きメインのアニメーション作品。

立体的に見えるのは、フランスの制作会社の最新技術導入による物。
すなわち作画に陰影を与える処理を仕上げ・撮影の過程で行うことで、
作画の際に影やハイライトを入れる工数を削減し、
作画班はイマジナリ集団のワラワラ感や、
背景に作画を入れて、想像で世界が切り替わっていくダイナミックな映像表現に注力することが可能に。

またこの技術により2D手描き作画のキャラでも3DCGのような実在感を醸し出すことで、
イマジナリが確かに存在したという主張も補強。

ただこの実在感は諸刃。
イマジナリが見えてる人間同士の争いは、見えてない人間からすると、
見えない敵と戦うシュールな光景に見えるのですが、
リアルで立体的な映像がシュールさを一層際立たせてしまった感があり、
私がリアリティに引きずられる一因に。

何より手描きなのに手作り感が損なわれた印象を与えてしまっては、
同スタジオの長所をかき消しかねません。

作画自体はハイクオリティですが、
この制作手法のメリットとデメリットの整理、用法用量については課題山積だと感じました。


【キャラ 3.5点】
主人公のイマジナリ・ラジャーを生み出した少女・アマンダ。
映画化に辺り、母・リジーら家族とのエピソードも補強、掘り下げられシナリオの軸に。

一方でヒールとして物語を動かすミスター・バンティングについては謎を残したまま終わる。
{netabare} 大人でありながら“新鮮な”イマジナリを喰らい続けることで、想像する力を保持、増大し続け、現実と想像の世界で生き永らえる。
彼が従える亡霊の如き黒髪のイマジナリ少女は、バンティングの終わらない悪夢に終止符を打つことを願っていて?
などと考察を巡らせることは可能ですが……。
イマジナリを喰いそうで中々喰わない様が低性能なカービィって感じで生々しかったですw{/netabare}


あとは冷蔵庫は食材だけじゃない大切な何かを保存する偉大な存在だということです。


【声優 3.0点】
ナチュラルな演技重視の俳優・タレント中心の布陣。
主人公・ラジャー役に声優初挑戦で、声変わり寸前の子役・寺田 心さんを起用する辺り“天然物”へのこだわりが伺えます。
寺田さんの相手役・アマンダ役の女優・鈴木 梨央さんはアニメ主演歴もあり、掛け合いは比較的安定。

その他、母・リジー役の安藤 サクラさんにせよ、
バンティング役のイッセー尾形さんにせよ、素材の選択自体は良好。
ラジャーを図書館に誘う猫・ジンザン役の山田 孝之さんもジブリの猫出演歴もあって、良い渋みが出ていました。

が、この辺りの中堅、ベテランキャストの演技で特に、
今の、このアフレコでOK出して本当に良かったの?という場面が、しかも割りと重要なカットで多数あり、
折り合いを欠いていた私をさらにつんのめらせる要因に。

“天然物”の演技にこだわって俳優・タレント勢で固めるのは別に良いのですが、
それならせめて普段“加工品”の声が張れるアニメ声優の演技に慣れている層でも、
許容でき、素材の良さが分かるレベルになるまで、
名前に遠慮せずディレクションを詰めて頂きたいですね。
このキャスト陣なら、それができたと私は思いますし、やれている作品はやっています。

そんな中、ささくれた私の癒やしとなったのは、ピンクのカバのイマジナリ・小雪ちゃん役の声優・かぬか 光明さんの安定したおとぼけボイス。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は玉井 健二氏。
優しいピアノサウンドと雄大なオーケストラは特に空想世界で威力を発揮。
ロックなどもアレンジして子供たちの多彩な想像に対応。
ただ現実世界の場面でのオーケストラ起用などは大仰に感じることも。
これはBGM自体より、私と音響監督とのセンスの食い違いでしょうか。

ED主題歌にはグラミー賞デュオのア・グレイト・ビッグ・ワールドと、
エミー賞シンガーソングライターのレイチェル・プラッテンさんに
コラボソング「Nothig's Impossible」をオファーする大勝負。
壮大なバラードで本年でも上位に入る余韻の良さは得られる。


生活音などのSEにも臨場感があり音響は上々。
ですが再三述べている通り、今回の私には足を取られたリアリティの泥濘(ぬかるみ)を深める諸刃に。


【感想】
まとめ切れてないグダグダな鑑賞失敗談を書き連ねてしまいましたがw
今回、私が投稿を急いだのは、本作が歴史的な大コケ映画になりそうな気配だと言うこと。
350館超えの大規模公開だから当分興行するだろうと高をくくっていると、
年始にはほとんど上映終了で見逃すという惨事になりかねないので、
劇場鑑賞意志のある方は早めに足を運びましょう。

以上、公開初週にして早くも私含めて観客2人だった現場からお送り致しました。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 17

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

作画が良いのが良く無い

公開初日の大爆死の報を見て、いてもたってもいられず、新宿に足を運んできました。
公開週の土日にも関わらず80席ある座席は5割未満の埋まり具合で劇場内は非常に快適。
冒頭の超絶作画で、もしや普通に面白いのでは?と期待を得るものの、繰り返される当たり障りの無い説明によって心は虚無になり、集中力は早々に途切れ、最後まで復活する事はありませんでした。
終わった後の解放感は格別で、これほどの解放感を得たのは5、6年ぶりです。
評判通りの見事な迷作っぷり。
家で見ていたらきっと完走する事は出来なかったでしょう。
映画館で見れて良かった。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 4

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~(アニメ映画)

2023年1月20日
★★★★★ 4.8 (1)
20人が棚に入れました
アイドル活動に励む女の子たちの成長を描いた「アイカツ!」シリーズ10周年を記念して製作された劇場版アニメーション。
スターライト学園の高等部3年生であるいちご、あおい、蘭の3人は、目前に迫った卒業を意識し始めるようになっていた。学校を卒業しても彼女たちのアイドル活動は続くが、卒業は彼女たちにとって一つの分岐点であることに変わりはない。いちごたちはそれぞれ、これからどのような道に進みたいのかを考えることに。そして卒業ライブのステージで、彼女たちは思いの丈を伝えるのだった。

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
アグレッシブ烈子 シーズン5(Webアニメ)

2023年2月2日
★★★★☆ 3.7 (7)
19人が棚に入れました
前シーズンで、会社を辞めたハイ田は、今まで住んでいた実家所有のマンションを追い出され、ネカフェ(ネットカフェ)生活を経験することに…そこで、全てを諦めたような‘シカバネ’と出会う。烈子は、ハイ田の状況を知り同棲生活を始めることを決意する。そんな時、国会議員を名乗る怪しい男が、烈子をスカウトしにやってきて…今までにないスケール感で描かれる、最終シーズンにご期待ください。

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
KJファイル 2期(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★☆☆ 2.8 (6)
19人が棚に入れました
20世紀初頭から世界各地に突如出現し始めた個性豊かな怪獣達。
当初は抵抗を試みた人類であったが、
その巨大な力を前に、完全なる駆逐は不可能であるとの結論に達し、
怪獣を監視・分析することに叡智を集結させた。
そして誕生したのが国連怪獣監視団(通称:クーロンズ)である。
不屈のリーダー海堂勇一郎事務局長を筆頭に、
怪獣生態学の権威である小林丸兆治、
怪獣機能分析学の才媛クレア・コールマン、
怪獣防災学の異端者ケニー御子柴、
対怪獣戦略学の貴公子ニキータ・タルコフスキー、
怪獣言語学の道を切り拓いた新世代ルル・ドゥ・ピカード、
そして怪獣生命科学の重鎮ギレルモ・マルケス。
怪獣科学のエキスパートたちが数百体にも及ぶ怪獣達を監視・分析し、
怪獣と人類が共に生きる世界を模索し続けるのであった。

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ(アニメ映画)

2023年11月3日
★★★★☆ 3.4 (6)
19人が棚に入れました
ある日、森のはずれですみっコたちが見つけた古い建物は、おもちゃを作る工場だった。手先が器用なしろくまはミシンを、ぺんぎん?は虫眼鏡を使って検品作業にあたるなど、くま工場長に誘われたすみっコたちは、それぞれが得意なことを活かしておもちゃ作りを始める。しかし、その工場にはある秘密が隠されていた。

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
聖闘士星矢:Knights of the Zodiac バトル・サンクチュアリ(Webアニメ)

2023年1月1日
★★★★☆ 3.2 (3)
19人が棚に入れました
小宇宙(コスモ)を燃やして、聖域(サンクチュアリ)を駆けろ! この世に邪悪がはびこるとき、必ずや現れるという希望の闘士、聖闘士(セイント)。彼らは聖衣(クロス)と呼ばれる88の守護星座の防具をまとい、数百年に一度降誕する女神アテナを守るために集う。 神殺しの矢に射られた女神アテナに刻々と死が忍び寄る。 その矢を引き抜けるのは聖域(サンクチュアリ)の頂上に鎮座する教皇ただ一人。女神アテナを救うため、星矢たち5人の青銅聖闘士(ブロンズセイント)は十二の宮を12時間以内に突破し、聖域の頂上、教皇の間を目指す。 しかし十二宮はそれぞれ究極の黄金聖闘士(ゴールドセイント)たちによって護られ、星矢たちの行く手を阻む。聖域の火時計が沙織に残された時を刻む中、星矢たち青銅聖闘士は、はかり知れない強大な敵と闘いを繰り広げ、聖域を覆う不穏な闇に迫っていく。

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
劇場版 ポールプリンセス!!(アニメ映画)

2023年11月23日
★★★★☆ 3.8 (7)
18人が棚に入れました
YouTubeオリジナルアニ「ポールプリンセス!!」の劇場版。
ポールダンスに魅せられた少女・星北ヒナノは、幼馴染の西条リリアや東坂ミオ、南曜スバルとともにポールダンスに没頭する日々を送っていた。
そんな彼女たちの次なる目標は「ポールダンスジャパンカップ」。全国から屈指のポールダンサーたちが集まるこの大会に、チーム“ギャラクシープリンセス”として出場することになるが、思うように上達しない焦りや過去の挫折が原因で壁にぶつかってしまう。
そして大会当日。ポールダンスに魅せられた少女たちは、自らを乗り越え、強く美しく輝くことができるのか……。

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos」《前編》(アニメ映画)

2023年6月9日
★★★★★ 4.4 (5)
18人が棚に入れました
「美少女戦士セーラームーン」シリーズ最終章を≪前編≫≪後編≫2部作で描く.
新たなる敵“シャドウ・ギャラクティカ”が出現。次々と仲間が狙われていき、セーラームーンたちは再び戦いに身を投じていく。
最強の敵を前に、孤独に打ちのめられそうになりながらも、それでも顔を上げ前に進んでいく。
なんのために戦うのか、自らに課せられた使命と葛藤しながらも立ち向かっていく、強く美しいセーラー戦士たちの最後の物語。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

イントゥ・ザ・セーラー・ギャラクシー

シリーズ最終章“シャドウ・ギャラクティカ編”(原作、旧作TVアニメ共に未見)を描いた劇場アニメ作品の前編。

【物語 3.5点】
TVアニメ3クール分相当のシナリオをギュウギュウ詰めに。
息もつかせぬ展開というより、間も潰され、息苦しい感じ。
内容も、敵か?味方か?はかりかねる新たな戦士に謎の幼女、記憶改変、時空の歪みと、把握に集中力を要する内容のため、
油断すると思考回路はショート寸前にw

さらに星々に破壊をもたらし、宇宙の真の支配を目論むギャラクシアが云々と、
大風呂敷もコスモスサイズなので、中二病が合わない人にとっては、
頭痛を伴うかもしれませんw

よって評点は基準の3点辺りが妥当なのでしょうが、
私が加点したのは後編に向けて手応えを感じたからです。

星の力をクリスタルに宿し、何度も転生を繰り返すセーラー戦士。
セーラー戦士にとって肉体はかりそめの器なのか?
永劫の魂と刹那の肉体。戦士たちの自己同一性は如何に。

サブタイトル・『~Cosmos』(秩序)と対をなす「Chaos(混沌)」の示唆。
破壊と再生を繰り返す宇宙の星々と比べて余りにも矮小な青春の一頁。
守る価値はあるのか?

セーラー戦士の孤独と救済も織り込みながら大団円に向けて走り出すシナリオ。
そこに私が期待を抱けるのは、やはり引き続き脚本を担当した筆安 一幸氏との相性が良いからだと思います。


【作画 3.5点】
アニメーション制作:東映アニメーション&スタジオディーン

90年代の旧作TVアニメ版への回帰傾向が一段と強まる。

前作『~Eternal』よりキャラデザに迎えた旧作『無印』、『~R』の只野 和子氏が本作でも続投。

さらにデジタルで構築した作画に線の強弱や途切れ線などの手描きっぽい処理を加えアナログ感を出す。
背景の影にグリーン、光の当たる場所にピンクを配色する。

随所に施された90年代アニメの映像を再現する隠し味が効いたのか、
私は前作以上にノスタルジーを感じました。


新たなセーラー戦士・スターライツの3人のコスはアムラー(←死語w)を思わせる大胆な腹出しスタイル。
ただ、主演・三石 琴乃さんによるとスターライツのパワースポットは後ろ姿の腰の“くぼみ”らしいですw

ファッション、風俗だけでなく、授業中の秘密通信をLINEではなく紙のメモで行うなど、
女子高生の生態も90年代風。

そんな懐古視点から、私が眼福だったのは、セーラーヴィーナスこと愛野美奈子の紺色ブルマスタイルのバレーユニフォーム姿。


CGも交えた変身&バトルシーンもまずまず。ビルが千切れ飛ぶボスとの対峙も中々の迫力。
一方で、作中の“男性アイドルグループ”スリーライツのステージはあまり動かさず。
そこはチャレンジして欲しかったかなとも思いました。


【キャラ 4.0点】
旧作TVアニメ版はセーラー戦士等の群像劇&キャラアニメ。
原作コミックは主人公・月野うさぎの一人称視点の少女漫画。

本作は後者のうさぎ視点を踏襲。
というより、尺の都合上、群像劇にするとキャラ散乱による作品破綻は必至なので、
プリンセスの宿命を背負う、うさぎの孤独と葛藤に集約したのは上策だったかと。


ボス役・ギャラクシア。
ゲスな言動が際立ちますが、勧善懲悪とは異なる。
非道の中に秘められた宇宙と戦士の哀しき運命(さだめ)を予感させます。


【声優 4.0点】
主人公・セーラームーン/月野うさぎ役の三石 琴乃さん。
本作では旧作アニメに引き続き、ちびうさより幼い、ちびちび兼任も継続。
ほぼオウム返ししかしない未就学児の背徳感を再現し、
まだまだ幼女もイケるベテランの意地で魅せてくれます。


新セーラー戦士・スターライツの3人には、
井上 麻里奈さん、早見 沙織さん、佐倉 綾音さん。
{netabare} “男性アイドルグループ”スリーライツとして地球に潜入し、うさぎたちを監視したり、
衛のいないプリンセスの心の隙間を埋めたりするという難役を、
イケメンな男性ボーカルも含めてカバー。{/netabare}
流石の対応力を発揮。

ボス役・ギャラクシアを演じるのは林原 めぐみさん。
ここも集大成に向けて90年代の真打ちをぶつけて来ました。
名実ともにCV.三石 琴乃さんと哀戦士の矜持をぶつけ合うのに不足のないお方。
後編での、お二方の共鳴に期待大です。


そんな中、村瀬 歩さんが、
セーラーアルーミナムセイレーン役として、かりそめとはいえ、ついにセーラー戦士に。
今年は男の娘プリキュア・キュアウィング役も務めているそうで。
彼の前に、もはや性別の壁など存在しないですね。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は高梨 康治氏がシリーズ完投。
ロック主体のBGMは旧作シリーズと比べて火力が強すぎると感じる方もいるとは思いますが、
展開が詰った劇場版においては、次!次!と発破をかける意味でもアリだと思います。
というより、彼のシンフォニック・ロックを大音響で堪能するのが、
私が映画館に足を運ぶ主たる理由だったりします。

OP主題歌は「ムーンライト伝説」が復活。
OPアニメーションにも旧作オマージュが散見され、原点回帰を所信表明。

“男性アイドルグループ”スリーライツの「流れ星へ」もリメイク。
スローテンポの原曲からミディアムにテンポアップ。
スリーライツの音楽性はテクノに設定され、本曲にもアレンジされるが、そこも90年代テイスト。


ED主題歌はDaoko「月の花」
歌詞世界でセーラー戦士の心境を、テクノ成分でスリーライツを。
米津 玄師さんとのコラボソング「打上花火」でも見せた和風、東洋風に対応した歌唱で火球皇女を。
作品世界観を織り込んだ上々の締めくくりで後編へ繋ぐ。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 9

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
天官賜福(再放送)(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (5)
18人が棚に入れました
仙楽国の太子・謝憐(シエ・リェン)は天賦の才を持ち、人々を救うことを志して修行を積み、飛昇し武神となった。しかし彼は二度も天界から追放されてしまう。 そして800年。謝憐は三度目の飛昇を果たした。しかし”三界の笑い者”といわれる彼に祈りを捧げる者は今やどこにもいない。謝憐は功徳を集めるべく、人々の住む下界に降りてこつこつとガラクタ集めをしながら、神官として出直すのであった。 ある日、謝憐はガラクタ集めの帰り道で、”三郎(サンラン)”と名乗る不思議な少年と出会う――

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
ダンジョン飯 Delicious in Dungeon(アニメ映画)

2023年12月8日
★★★★☆ 3.9 (4)
18人が棚に入れました
「ダンジョン飯」のテレビアニメ化に先駆けた先行上映版
冒険者ライオスのパーティーがダンジョンの奥深くでレッドドラゴンとの交戦中、ライオスの妹ファリンが食べられてしまう。妹を救うためダンジョンに単身で乗り込もうとするライオスを見かねたマルシル、チルチャックがパーティーに加入。食糧不足を解消するため、ライオスが提案したのは、ダンジョン内に潜むスライムやバジリスクなどの魔物たちを倒して食べる「自給自足」だった。

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
セブンボイスミュージアム~名画と7人の巨匠たち~(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (1)
18人が棚に入れました
大塚国際美術館の新人学芸員としてやってきた藤田業穂(ふじたごうほ)、 福池萌音 (ふくいけもね)、 原田無口 (はらだむく)の3人と、先輩学芸員の木村レオ(きむられお)、 田中蘭太郎 (たなからんたろう)、荒田ひかり(あらたひかり)、山側利夢斗 (やまがわりむと)たちは、大塚国際美術館にある作品の中から人気名画ナンバーワンを決める「名画-1グランプリ」の開催のため、それぞれの“推し名画”をプレゼン。開館25周年を迎える大塚国際美術館の一番の名画を決める、 知的なバトル「名画-1グランプリ」が繰り広げられる!

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
夜は猫といっしょ seson2(Webアニメ)

2023年3月8日
★★★★☆ 3.4 (5)
16人が棚に入れました
主人公・フータくんの家に妹が猫のキュルガを連れて引っ越してきたことから始まる“猫とのリアルな日常”を描いた作品。
シーズン2の新主題歌は、伊東歌詞太郎の新作「猫猫日和」に決定。

計測不能 263 2023年度アニメランキング263位
アイドルマスター ミリオンライブ! 第2幕(アニメ映画)

2023年9月8日
★★★★★ 4.1 (5)
16人が棚に入れました
バンダイナムコエンターテインメントのメディアミックス作品を原作とするテレビアニメ「アイドルマスター ミリオンライブ!」全12話を、2023年10月の放送開始に先駆けて劇場公開する3部作の第2幕。
自分らしい夢を探す春日未来、子どもの頃からアイドルに憧れてきた最上静香、センスと才能に恵まれた伊吹翼を中心に、芸能事務所「765(ナムコ)プロダクション」に所属する39人のアイドルたちと、その活動拠点である「765プロライブ劇場」の成長を描く。
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